JP5022872B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、アモルファスシリコン感光体を備えた画像形成装置に好適に用いられる電子写真用トナーに関する。
複写機やプリンターに代表される電子写真法による画像形成の主たる作用は、まず、帯電手段によって感光体の表面を一様に帯電させ(帯電工程)、露光手段によって感光体の表面を露光して静電潜像を形成する(潜像形成工程)。ついで、現像手段によって静電潜像にトナーを付着させて静電潜像をトナー像として現像し(現像工程)、転写手段によってトナー像を感光体から被転写体に転写する(転写工程)。ついで、クリーニングブレードなどのクリーニング手段によって感光体の表面をクリーニングして、転写工程後に感光体上に残留するトナーを除去、回収する。ついで、除電手段により感光体の表面を除電する。
感光体としては、有機感光体や無機感光体が知られているが、近年、耐久性や画像形成装置の長寿命化の観点から、導電性基体上にアモルファスシリコンからなる感光層を形成させたアモルファスシリコン感光体(以下、「a−Si感光体」という場合がある。)が好適に用いられている。
しかし、a−Si感光体を備えた画像形成装置では、帯電工程において発生し、感光体表面に付着した放電生成物が、高湿下で水分を吸着し、鮮明な静電潜像の形成が妨げられる、画像流れと呼ばれる画像不良が発生することがあった。
また、被転写体に含まれる添加剤あるいは、トナー母粒子や該トナー母粒子を構成する成分がa−Si感光体表面に付着して、画像不良を発生させることもあった。
そこで、a−Si感光体の表面に放電生成物やトナー成分などが付着するのを抑制することを目的として、トナー母粒子に、研磨剤として機能する粒子(研磨剤粒子)を添加し、該研磨剤粒子によってa−Si感光体の表面を、画像形成を行うごとに研磨して、使用初期の状態に常に維持する方法が提案されている。
例えば特許文献1には、一次粒子径が0.1〜0.3μmで、トナー母粒子表面にて粒径が0.5μm以上の凝集体を形成する酸化チタンを、トナー母粒子に添加したトナーが開示されている。
特許文献1に記載のトナーに用いられるトナー母粒子は、転写工程にて被転写体に転写されやすいが、酸化チタンの凝集体は転写されにくい。そのため、転写工程後には、a−Si感光体表面に多量の凝集体が残存する。そして、このa−Si感光体ドラム表面に残存した凝集体により、a−Si感光体の表面を研磨して放電生成物などを除去することができる。また、クリーニングブレードの先端近傍に凝集体が集まることによって、クリーニングブレードによる放電生成物などの除去を円滑に行うことできる。
特開2002−372800号公報
しかしながら、特許文献1に記載のトナーでは、画像形成に使用されるまでの間、現像手段内にて繰り返し撹拌されることで受けるストレスにより、研磨剤の役割を果たす凝集体が一次粒子レベルまで解砕され、研磨効果が失われて研磨剤として機能しにくくなることがあり、長期に渡って研磨性を確保することは必ずしも十分ではなかった。
ところで、クリーニングブレードなどのクリーニング手段によってa−Si感光体の表面をクリーニングする際に、クリーニングブレードで塞き止められたトナーは、クリーニングブレードのエッジ部においてa−Si感光体との摩擦により、過度に帯電して電荷を蓄積しやすかった。そのため、クリーニングブレード近傍のトナーに蓄積された電荷が突発的に放電し、リーク電流となってa−Si感光体の表面に向かって流れるといった現象が見られた。このようなリーク電流により、a−Si感光体の表面がスポット的に損傷することで、形成画像にリーク黒点が発生するといった問題が生じていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、長期に渡り画像流れや、感光体表面へのトナー成分などの付着を抑制し、リーク黒点の発生を防止し、安定して良好な画像を形成できる電子写真用トナーの実現を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、トナー母粒子に添加される研磨剤粒子の一次粒子径が比較的小さい方が高い研磨性を得られること、研磨剤粒子が凝集体を形成していることでさらに研磨性を向上できること、また研磨剤粒子に導電性を付与することでリーク黒点の発生を防止できることを見出した。
さらに、リーク黒点の発生の防止について検討したところ、トナーの外添剤として研磨剤粒子に導電性を付与した粒子(導電性研磨剤粒子)を用いることで、クリーニング手段によるトナーの高帯電化を防止でき、リーク黒点の発生を抑制することに注目した。しかし、導電性研磨剤粒子の一次粒子径が小さいと、現像器内で長時間の撹拌によるストレスを受けることで、凝集体が解砕され、やがてトナー母粒子に埋没し、持続的な効果が得られなくなることが明らかとなった。
そこで、一次粒子径が、凝集体を形成する導電性研磨剤粒子の一次粒子径よりは大きく、凝集体の凝集径よりは小さい、第2の粒子をトナー母粒子に添加することで、第2の粒子がスペーサーの役割を果たすので、トナーがストレスを受けても凝集体として導電性研磨剤粒子がトナー母粒子上に残留し、長期に渡り安定した研磨効果およびリーク黒点防止効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電子写真用トナーは、トナー母粒子と、外添剤として導電性研磨剤粒子および第2の粒子を含む電子写真用トナーであって、前記導電性研磨剤粒子は、平均一次粒子径が0.1μm以下であり、抵抗値が1.0×10Ω・cm以下であり、前記トナー母粒子の表面にて平均凝集径が0.4〜2.0μmの凝集体を形成し、前記第2の粒子は、平均一次粒子径が前記導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径よりも大きく、かつ前記凝集体の平均凝集径よりも小さいことを特徴とする。
ここで、前記導電性研磨剤粒子が酸化チタンであることが好ましい。
また、前記第2の粒子が樹脂微粒子または無機微粒子であることが好ましい。
さらに、本発明の電子写真用トナーは、アモルファスシリコン感光体、および該アモルファスシリコン感光体をクリーニングするクリーニングブレードを備えた画像形成装置に好適に用いられる。
本発明の電子写真用トナーによれば、長期に渡り画像流れや、感光体表面へのトナー成分などの付着を抑制し、リーク黒点の発生を防止し、安定して良好な画像を形成できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある。)は、トナー母粒子と、該トナー母粒子に添加される外添剤として、導電性研磨剤粒子および第2の粒子を含む。
[外添剤]
<導電性研磨剤粒子>
本発明に用いられる導電性研磨剤粒子は、平均一次粒子径が0.1μm以下であり、0.01〜0.09μmが好ましい。平均一次粒子径が0.1μm以下であれば、優れた研磨性が得られる。
なお、平均一次粒子径は、電子顕微鏡または光学顕微鏡で拡大写真を撮影し、画像解析装置を用いて粒子径を求めた。粒子の直径または最大径を一次粒子径とし、その平均値を平均一次粒子径とする。
このような導電性研磨剤粒子を構成する材料としては、酸化チタン、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイトなどに代表される無機粒子が使用できる。中でも研磨性に特に優れる点で酸化チタンが好ましい。
前記導電性研磨剤粒子は、抵抗値が1.0×10Ω・cm以下であり、1.0×10〜5.0×10Ω・cmが好ましい。抵抗値が1.0×10Ω・cm以下であれば、トナーの高帯電化を防止でき、リーク黒点の発生を抑制できる。
上述した無機粒子に導電性を付与して、抵抗値が上記範囲内の導電性研磨剤粒子とするには、例えば無機粒子にスズ−アンチモン酸化物やインジウム−スズ酸化物などを被覆すればよい。ここで、無機粒子として酸化チタンを例にとり、導電性を付与する具体的な方法を説明する。
まず、濃度が50g/L程度になるように酸化チタンを水に分散させ、さらにピロリン酸ナトリウムを添加して、サンドミルで湿式粉砕して水溶性スラリーを調製する。
ついで、前記水溶性スラリーを80℃に加熱した後、塩化スズ(SnCl・5HO)および塩化アンチモン(SbCl)の適量を2N−塩酸溶液(300mL)に溶解した混合溶液と、10質量%の水酸化ナトリウム溶液とを、pH6〜9に維持しながら60分かけて添加して、酸化チタン表面に酸化スズおよび酸化アンチモンからなる被覆層を形成させる。
なお、導電性研磨剤粒子の抵抗値は、無機粒子の表面に形成される被覆層の厚さを制御することで調整でき、被覆層の厚さを厚くすると抵抗値が低下する傾向にある。また、被覆層が酸化スズおよび酸化アンチモンからなる場合、これらの酸化物の比率を変化させることでも、抵抗値を調整できる。例えば、酸化アンチモンの割合を増やすと抵抗値が低下する傾向にある。
導電性研磨剤粒子の抵抗値は、例えば、ADVANTEST社製の「R8340A HIGH RESISTANSE METER」を用い、1kgの荷重をかけ、DC10Vの電圧を印加して測定することで求められる。
また、導電性研磨剤粒子には、疎水性向上を目的として、カップリング剤などで表面処理を施してもよい。
(凝集体)
上述した導電性研磨剤粒子は、後述するトナー母粒子に添加すると、該トナー母粒子の表面上で凝集体を形成する。凝集体の平均凝集径は0.4〜2.0μmであり、0.5〜1.5μmが好ましい。平均凝集径が0.4μm以上であれば、トナーへの電荷蓄積を防止することができ、リーク黒点の発生を抑制できる。一方、平均凝集径が2.0μm以下であれば、トナー母粒子の表面から凝集体が脱離するのを防止できる。
凝集体の平均凝集径は、導電性研磨剤粒子を分散させた状態で、電子顕微鏡または光学顕微鏡で拡大写真を撮影し、画像解析装置を用いて計測する。計測には、50個以上の凝集体の最大径を測定し、その平均値を平均凝集径とする。なお、測定には凝集体単体を用いてもよく、トナー母粒子に添加した状態で用いてもよく、いずれの場合も同程度の測定結果が得られる。
ところで、本発明者らは鋭意検討した結果、導電性研磨剤粒子を構成する材料として好適に用いられる酸化チタンは、その研磨力が平均一次粒子径や凝集状態に依存することを明らかにした。具体的には、酸化チタンが一次粒子に近い状態で存在する(すなわち、凝集体を形成せずに、酸化チタン粒子単独で存在する)場合は、平均一次粒子径が30nm程度以下では研磨力が小さく、平均一次粒子径が100〜300nm程度のときに優れた研磨力を発現し、平均一次粒子径が300nmを超えると再度研磨力が低下するといった傾向にある。
一方、酸化チタンが凝集状態で存在する(すなわち、凝集体を形成している)場合は、酸化チタンの平均一次粒子径が小さい程、大きな研磨力を発現しやすい。これは、感光体を研磨する際に酸化チタンと感光体との接触面積が小さくなる程、大きな研磨力を発揮できることによる。また、凝集体を形成することで、感光体に接触する割合が増えるので、より大きな研磨力を発揮できるようになる。
従って、酸化チタンを常にトナー母粒子表面に存在させておくことができれば、感光体の表面をフレッシュな状態(使用初期の状態)に維持できる。しかし、通常、トナーは画像形成に使用されるまでの間に繰り返し撹拌されることでストレスを受けることになる。また、例えば0.3%程度の低印字率で印刷を連続して行った場合、現像手段内に収容されるトナーは入れ替わりが少なく、このような場合も長期に渡ってストレスを受けることになる。トナーがストレスを受けると、凝集体は一次粒子レベルまで解砕され、研磨効果が失われて研磨剤として機能しにくくなる。この原因は、一次粒子レベルの酸化チタンの研磨力が低いためではなく、解砕された一次粒子レベルの酸化チタンがストレスを受けるなどして、トナー母粒子の表面に埋没したり、トナー母粒子から脱離したりすることで、研磨効果を維持できなくなることによるものと考えられる。
そこで、本発明者らは、下記に示す第2の粒子を外添剤としてトナー母粒子に添加することで、トナーがストレスを受けても凝集体として導電性研磨剤粒子がトナー母粒子上に残留し、長期に渡り安定した研磨効果が得られることを見出した。
<第2の粒子>
本発明に用いられる第2の粒子は、平均一次粒子径が、前記導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径よりは大きく、かつ、前記凝集体の平均凝集径よりは小さい。
第2の粒子をトナー母粒子に添加すると、トナーが長期に渡ってストレスを受けた時に、ある程度は凝集体の解砕は進行するものの、第2の粒子の大きさまで凝集体が解砕すると、第2の粒子がスペーサーとして働くので、凝集体は第2の粒子によりガードされ、解砕の進行を抑制すると共に、凝集体が直接的に外力を受ける確率が低下するため、研磨力の低下をも抑制できる。
なお、第2の粒子の平均一次粒子径が、導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径より小さくなると、第2の粒子がスペーサーとしての機能を十分に果たせなくなったり、凝集体が直接的にストレスを受ける確立を低下させにくくなったりする。一方、第2の粒子の平均一次粒子径が、凝集体の平均凝集径より大きくなると、導電性研磨剤粒子が感光体の表面等へ接触するのを、第2の粒子が妨げることになり、導電性研磨剤粒子による研磨効果が得られにくくなる。
第2の粒子の平均一次粒子径は、導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径の1.5倍以上が好ましく、特に2〜10倍であることが好ましい。この場合、第2の粒子の、スペーサーとして導電性研磨剤粒子の解砕を防止する効果を向上できる。
このような第2の粒子としては、酸化チタン、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト等の無機微粒子や、アクリル系、スチレン−アクリル共重合粒子等の樹脂微粒子などが挙げられる。中でも、酸化チタンが好ましい。
第2の粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡または光学顕微鏡で拡大写真を撮影し、画像解析装置を用いて計測する。計測には、100個以上の第2の粒子の最大径を測定し、その平均値を平均一次粒子径とする。
本発明においては、外添剤として上述した導電性研磨剤粒子および第2の粒子以外にも、その他の外添剤を併用してもよい。その他の外添剤としては、アルミナ、マグネタイト、チタン酸ストロンチウム等の樹脂微粒子などが挙げられる。
[トナー母粒子]
本発明のトナーを構成するトナー母粒子としては、公知のトナー母粒子を用いることができる。具体的には、定着用樹脂中に着色剤やその他の添加剤を分散させたものが挙げられる。また、磁性トナーとする場合には、着色剤としてマグネタイト、フェライト粉等の磁性粉を含有させればよい。
<定着用樹脂>
定着用樹脂としては、例えばスチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、塩素化ポリスチレン、ホリプロピレン、アイオノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ケトン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、フェノール系樹脂、ロジン変性フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ロジン変性マレイン酸系樹脂、ロジンエステル系樹脂などを挙げることができる。これらの中でも特にスチレン系重合体、スチレン−アクリル系重合体、ポリエステル系樹脂が好ましい。このうちスチレン系重合体、スチレン−アクリル系重合体としては、スチレンの単独重合体や、スチレンと他の単量体との共重合体を挙げることができる。
スチレンと共重合可能な他の単量体としては、例えばp−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロぺニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化合物類等が挙げられる。これら他の単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて、スチレンと共重合させることができる。
また定着用樹脂としてポリエステル系樹脂を用いる場合は、例えば多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを重縮合させて得られるポリエステル系樹脂などを用いることができる。
多価カルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロへキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸などの2価カルボン酸;n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハクなどの2価カルボン酸のアルキルもしくはアルケニルエステル;1,2,4−べンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−べンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−へキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロへキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸などの3価以上のカルボン酸等が挙げられる。また、これら多価カルボン酸の無水物も使用できる。
一方、多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオぺンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ぺンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのジオール類の他、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−へキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ぺンタエリスリトール、ジぺンタエリスリトール、トリぺンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ぺンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルべンゼンなどのトリオール以上の多価アルコール類等が挙げられる。
<着色剤>
着色剤としては、トナー色に合わせた各色の着色剤を用いることができる。その好適な例は下記の通りである。
黒色顔料;マグネタイト、フェライト粉、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等。
黄色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネープルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等。
橙色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK等。
赤色顔料;べンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等。
紫色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等。
青色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等。
緑色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等。
着色剤の添加量は、定着用樹脂100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、2〜8重量部がより好ましい。
なお、磁性1成分現像方法に使用されるトナー(磁性トナー)として用いる場合は、上述した着色剤に代えて、あるいは着色剤と共に磁性成分を含有させる。磁性成分としては、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属やその合金、またはこれらの元素を含む化合物、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、および二酸化クロムなどの磁性粉が挙げられ、中でも、フェライト、マグネタイトなどの磁性粉が好ましい。
磁性粉の添加量は、定着用樹脂100質量部に対して50〜200質量部が好ましい。
<その他の添加剤>
着色剤以外の他の添加剤としては、電荷制御剤、オフセット防止剤、安定剤等が挙げられる。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、トナーの摩擦帯電特性を制御するためのもので、トナーの帯電極性に応じて正電荷制御用および/または負電荷制御用の電荷制御剤を用いる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、塩基性窒素原子を有する有機化合物、例えば塩基性染料、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン類等や、上記各化合物で表面処理された充填剤等が挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、ニグロシンベース(CI5045)、オイルブラック(CI26150)、ボントロンS、スピロンブラック等の油溶性染料;スチレン−スチレンスルホン酸共重合体等の電荷制御性樹脂;カルボキシ基を含有する化合物(例えばアルキルサリチル酸金属キレート等)、金属錯塩染料、脂肪酸金属石鹸、樹脂酸石鹸、ナフテン酸金属塩等が挙げられる。
これら電荷制御剤の添加量は、定着用樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜8質量部がより好ましい。
(オフセット防止剤)
オフセット防止剤は、トナーにオフセット防止効果を付与するための添加剤である。オフセット防止剤としては、脂肪族系炭化水素、脂肪族金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックス等が挙げられる。これら中でも、質量平均分子量が1000〜10000程度の脂肪族系炭化水素が好ましい。具体的には、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、パラフィンワックス、炭素原子数4以上のオレフィン単位からなる低分子量のオレフィン重合体、シリコーンオイル等が挙げられる。これらオフセット防止剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
オフセット防止剤の添加量は、定着用樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜8質量部がさらに好ましい。
<製法>
トナー母粒子は、公知の溶融混練・粉砕法、重合法、紡糸法等で製造することができる。例えば、溶融混練・粉砕法であれば次のような手順で製造する。定着用樹脂、着色剤などの必要な原料を、ヘンシェルミキサー等のミキサーで混合し、二軸押し出し機等で溶融混練後、ハンマーミル等の粉砕機で粉砕する。その後、気流式分級機等の分級機で分級してトナー母粒子とする。
このようにして得られるトナー母粒子の体積基準の中心粒径は、4〜12μmであることが好ましく、6〜10μmであることが特に好ましい。体積基準の中心粒径が上述した範囲内であれば、精細で画質が良好な画像を形成できる。
なお、体積基準の中心粒径は、ベックマン・コールター株式会社製の粒度分布測定装置「マルチマイザーIII」を使用して、アパーチャ径100μmの条件で測定した粒度分布の測定値から算出した値で表すこととする。
[電子写真用トナー]
本発明のトナーは、上述したトナー母粒子に、外添剤を添加することで得られる。外添剤の添加量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5〜6質量部が好ましく、1.0〜5.5質量部がより好ましい。
なお、本発明のトナーは、1成分現像剤として用いてもよく、キャリアと組み合わせて2成分現像剤として用いてもよい。キャリアとしては、公知のキャリアが使用可能であり、特に、磁性を有するコア表面を樹脂のコート層でコートした、いわゆる樹脂コートタイプのキャリアが好適である。
前記樹脂コートタイプのキャリアを構成するコアとしては、例えば鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素銅、フェライト、ニッケル、コバルト、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、マンガン−マグネシウム合金等の金属または合金の粒子や、前記金属または合金と、マンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、または前記いずれかの材料からなる微粒子を、樹脂の粒子中に分散させた樹脂キャリア等の1種または2種以上が挙げられる。
樹脂のコート層を形成する樹脂としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
[画像形成装置]
本発明のトナーは、電子写真方式の一般の画像形成装置において好適に使用できるが、その特性から、アモルファスシリコン感光体(a−Si感光体)と、該a−Si感光体をクリーニングするクリーニング手段を具備する画像形成装置の使用に特に適している。
<アモルファスシリコン感光体>
a−Si感光体としては、例えばドラム状などの所定の形状に形成された導電性基体の表面に、アモルファスシリコン感光層(a−Si感光層)が形成されたものが挙げられる。特に、生産性に優れる上、解像度の高い画像を形成できる点で、厚さが30μm以下である薄膜型のa−Si感光層を有するものが好ましい。a−Si感光層は、実際に感光層として機能する、単層もしくは2層以上の層の他にも、キャリア阻止層や表面保護層などを有していてもよい。ただし、複数の層を有する場合は、そのトータルの層の厚さが30μm以下であるのが好ましい。
また、a−Si感光層として、Hやハロゲン元素を含有させたものや、C、N、O等の元素を含有させたものを、導電性基体の表面に形成させてもよい。具体的には、a−SiC、a−SiO、a−SiONなどが挙げられる。
トナーとして磁性トナーを用いる場合は、a−Si感光層と導電性基体との間にキャリア阻止層を介在させるのが好ましい。キャリア阻止層は、現像時にa−Si感光層の表面が、バイアス電圧を印加されつつ、磁性トナーと接触した際に、導電性基体からa−Si感光層への、キャリアの注入を阻止することにより、露光部と非露光部との静電コントラストを高めて、画像の濃度を向上させると共に、地肌カブリを低減する機能を有する。
このようなキャリア阻止層としては、a−SiC、a−SiO、a−SiN、a−SiON、a−SiCONなどによって形成した無機絶縁層や、ポリエチレンテレフタレート、パリレン(登録商標)、ポリ四フッ化エチレン、ポリイミド、ポリフッ化エチレンプロピレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂などによって形成した有機絶縁層等を用いるのが好ましい。
キャリア阻止層の厚さは、0.01〜5μmが好ましく、0.1〜3μmがより好ましい。
表面保護層は、a−Si感光層の表面に形成されるものであり、帯電手段などによる放電時に、a−Si感光層の表面が酸化されて、放電生成物や水分子などを吸着しやすい酸化物皮膜が形成されるのを防止することができる。また、表面保護層によってa−Si感光層が被覆されることにより、絶縁耐圧を向上させたり、繰り返し使用する際の耐摩耗性を向上させたりできる。
このような表面保護層としては、有機もしくは無機の絶縁材料が好ましく、中でも、a−SiC、a−SiO、a−SiN、a−SiON、a−SiCOなどによって形成した無機絶縁層が好ましい。これらは、a−Si感光層と同様の薄膜形成方法によって形成することができ、特にa−SiCによって形成するのが好ましい。
<クリーニング手段>
a−Si感光体のa−Si感光層の表面に残留したトナーを除去するためのクリーニング手段としては、前記a−Si感光層の表面に圧接させた弾性ブレード(クリーニングブレード)を用いることができる。また、クリーニングブレードとしては、ゴムや軟質の樹脂等からなる公知の弾性ブレードを使用することができる。具体的は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ウレタン樹脂等からなるクリーニングブレードが挙げられる。
クリーニングブレードは、トナーを良好に除去すると共に、a−Si感光層の表面に圧接痕などの形成を抑制することを考慮して、10〜50g/cmの線圧で、a−Si感光層の表面を圧接させるのが好ましい。
このような画像形成装置は、本発明のトナーを用いることより、a−Si感光体の表面を常にフレッシュな状態に維持することができ、長期に渡り良好な画像を得ることができる。
ところで、クリーニングブレードなどのクリーニング手段によってa−Si感光体の表面をクリーニングする際に、クリーニングブレードで塞き止められたトナーは、クリーニングブレードのエッジ部においてa−Si感光体との摩擦により、過度に帯電して電荷を蓄積しやすい。そのため、クリーニングブレード近傍のトナーに蓄積された電荷が突然放電し、リーク電流となってa−Si感光体の表面に向かって放電するといった現象が見られた。このようなリーク電流により、a−Si感光体の表面がスポット的に損傷することで、形成画像にリーク黒点が発生するといった問題が生じていた。特に、トナーの入れ替わりが少ない低印字率印刷を連続して行う場合に、リーク黒点が発生しやすかった。
しかし、本発明のトナーを用いれば、導電性を有する粒子、すなわち導電性研磨剤粒子をトナー母粒子に添加しているので、トナーに蓄積した電荷は導電性研磨剤粒子を通して外部に徐々に漏洩するため、感光体に放電する前に帯電が低くなり、トナーが電荷を蓄積しにくくなるので、a−Si感光体の表面に向かって放電しにくくなる。従って、リーク黒点の発生を抑制できる。
以上説明したように、本発明のトナーによれば、特定の導電性研磨剤粒子と、特定の第2の粒子を外添剤として用いることで、第2の粒子がスペーサーの役割を果たすので、導電性研磨剤粒子により形成される凝集体は第2の粒子によりガードされ、解砕の進行を抑制すると共に、凝集体が直接的に外力を受ける確率が低下するため、研磨力の低下をも抑制できる。従って、長期に渡り画像流れやトナー母粒子などの付着を抑制できる。
また、研磨剤粒子に導電性を付与した導電性研磨剤粒子を用いるので、リーク黒点の発生を防止し、安定して良好な画像を形成できる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。
[試験1:印字テスト10万枚(印字率5%)の場合]
<実施例1−1>
(トナーの製造)
定着用樹脂として、スチレン−アクリル系重合体49質量部に、磁性粉(戸田工業社製、「マグネタイト」、796kA/m印加時に保持力5.0kA/m、飽和磁化82Am/kg、残留磁化11Am/kgであり、個数平均粒径0.25μmであるもの)45質量部、離型剤としてのワックス(サゾール社製、「サゾールワックスH1」)3質量部、正電荷制御剤として4級アンモニウム塩(オリエント化学社製、「ボントロンP−51」)3質量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕した。その後、機械式粉砕機にてさらに微粉砕したものを気流式分級機により分級し、体積基準の中心粒径が8.0μmの磁性トナー(トナー母粒子)を得た。
別途、濃度が50g/L程度になるようにアナタース型酸化チタンを水に分散させ、さらにピロリン酸ナトリウムを添加して、サンドミルで湿式粉砕して水溶性スラリーを調製した。
ついで、前記水溶性スラリーを80℃に加熱した後、塩化スズ(SnCl・5HO)および塩化アンチモン(SbCl)の適量を2N−塩酸溶液(300mL)に溶解した混合溶液と、10質量%の水酸化ナトリウム溶液とを、pH6〜9に維持しながら60分かけて添加して、アナタース型酸化チタン表面に酸化スズおよび酸化アンチモンからなる被覆層を形成させ、導電性研磨剤粒子を得た。得られた導電性研磨剤粒子には、チタネートカップリング剤処理を施した。
得られた導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径は90nm、抵抗値は8.0×10Ω・cm、平均凝集径は1.1μmであった。結果を表1に示す。なお、平均一次粒子径は電子顕微鏡で拡大写真を撮影し、画像解析装置により、一次粒子径を求め、その平均値を平均一次粒子径とした。凝集体径の測定は、粒子を分散させた状態で、50粒の粒子について電子顕微鏡で拡大写真を撮影し、画像解析装置で測定し、その平均値を平均凝集径とした。抵抗値の測定は、ADVANTEST社製の「R8340A HIGH RESISTANSE METER」を用い、1kgの荷重をかけ、DC10Vの電圧を印加して測定した。
トナー母粒子100質量部に対し、導電性研磨剤粒子(チタネートカップリング剤処理済み)を1質量部、第2の粒子としてアナタース型酸化チタン(平均一次粒子径270nm)を0.8質量部、その他の外添剤として、シリカ(日本アエロジル社製、「REA200」)を0.7質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナーとした。外添剤として用いた各粒子を表1に示す。
<評価>
得られたトナーについて、以下の評価機(画像形成装置)を用いて、10万枚印字し、トナーの画像濃度、カブリなどを評価した。結果を表2に示す。
(1)評価機
機種:モノクロレーザープリンタ「FS−3900D」(京セラミタ社製)、
感光体:直径30mmのアモルファスシリコン感光体、
現像方式:磁性1成分現像、
クリーニンブレード:硬度77°のウレタンゴム。
(2)画像濃度の評価
トナーを評価機にセットし、評価機の電源を入れ安定直後の画像を出力し、これを初期画像とした。なお、画像には、2×2cmのソリッド画像を左、中央、右の3箇所に設けた。
ついで印字率5%で、5万枚および30万枚出力した時のソリッド画像と、初期画像について、マクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、「RD−914」)を用いて画像濃度(ID)を測定し、以下の評価基準にて評価した。なお○を合格とする。
○:IDが1.30以上。
△:IDが1.20以上、1.30未満。
×:IDが1.20未満。
(3)カブリの評価
評価(2)の画像濃度の評価と同様にして、初期画像と、5万枚および30万枚出力した時のソリッド画像について、反射濃度計(東京電飾社製、「TC−6D」)を用いてカブリ値(FD)を測定し、以下の評価基準にて評価した。なお○を合格とする。
○:FDが0.010以下。
△:FDが0.010超、0.020未満。
×:FDが0.020以上。
(4)画像流れの評価
形成された画像について、画像流れの発生の有無について以下の評価基準にて評価した。
○:画像流れが発生していない。
△:画像流れが発生しているが、画像内容が認識できる。
×:画像流れが発生し、画像内容が認識できない。
<実施例1−2>
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値3.5×10Ω・cm、平均凝集径1.3μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<実施例1−3>
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値3.5×10Ω・cm、平均凝集径1.3μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<実施例1−4>
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値5.0×10Ω・cm、平均凝集径0.45μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<実施例1−5>
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値5.0×10Ω・cm、平均凝集径1.8μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<実施例1−6>
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値3.5×10Ω・cm、平均凝集径1.3μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用い、第2の粒子としてシリカ粒子(平均一次粒子径70nm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<実施例1−7>
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値3.5×10Ω・cm、平均凝集径1.3μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用い、第2の粒子として樹脂微粒子(スチレン−アクリル共重合粒子、平均一次粒子径70nm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<比較例1−1>
第2の粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<比較例1−2>
第2の粒子としてシリカ粒子(平均一次粒子径70nm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<比較例1−3>
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径150nm、抵抗値8.0×10Ω・cm、平均凝集径1.1μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<比較例1−4>
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値2.5×10Ω・cm、平均凝集径1.1μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<比較例1−5>
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値5.0×10Ω・cm、平均凝集径2.3μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
Figure 0005022872
Figure 0005022872
[試験2:印字テスト1万枚(印字率0.3%)の場合]
<実施例2−1>
実施例1−1で得られたトナーを用い、試験1と同様の評価機を用いて、1万枚印字し、トナーの画像濃度、カブリなどを評価した。結果を表3に示す。
<評価>
(5)画像濃度の評価
トナーを評価機にセットし、評価機の電源を入れ安定直後の画像を出力し、これを初期画像とした。なお、画像には、2×2cmのソリッド画像を左、中央、右の3箇所に設けた。
ついで印字率0.3%で、1万枚出力した時のソリッド画像と、初期画像について、マクベス反射濃度計を用いて画像濃度(ID)を測定し、試験1の評価(1)と同様の評価基準にて評価した。なお○を合格とする。
(6)カブリの評価
評価(5)の画像濃度の評価と同様にして、初期画像と、1万枚出力した時のソリッド画像について、反射濃度計を用いてカブリ値(FD)を測定し、試験1の評価(2)と同様の評価基準にて評価した。なお○を合格とする。
(7)リーク黒点の評価
形成された画像について、リーク黒点の発生の有無について以下の評価基準にて評価した。
○:リーク黒点が発生していない。
△:リーク黒点が発生しているが、画像内容が認識できる。
×:リーク黒点が発生し、画像内容が認識できない。
<実施例2−2〜2−7、比較例2−1〜2−5>
実施例1−2〜1−7、および比較例1−1〜1−5で得られた各トナーを用いた以外は、実施例2−1と同様にしてトナーの各評価を実施した。結果を表3に示す。
Figure 0005022872
表2、3から明らかなように、実施例で得られたトナーは、試験1、2における各評価において良好な結果が得られた。すなわち、本発明のトナーであれば、長期に渡り画像流れやリーク黒点の発生を抑制し、安定して良好な画像を形成できる。また、低印字率であっても、同様の効果が得られる。
一方、比較例1で得られたトナーは、第2の粒子を添加しなかったため、導電性研磨剤粒子により形成した凝集体が、評価機の現像ユニット内にてストレスを受けて解砕し、印字率5%で1万枚印刷した時点で画像流れが発生し、印字率0.3%で5000枚印刷した時点でリーク黒点が発生した。また、カブリ濃度が、印字率5%の場合は5万枚で△、10万枚で×になり、印字率が0.3%の場合は1万枚で△になったことから、画像形成を繰り返すことで導電性研磨剤粒子による研磨効果が失われ、持続的な研磨効果が得られなかった。
比較例2で得られたトナーは、第2の粒子の平均一次粒子径が、導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径よりも小さかったため、凝集体が解砕しやすく、印字率5%で3万枚印刷した時点で画像流れが発生し、印字率0.3%で1万枚印刷した時点でリーク黒点が発生し、研磨効果が持続的に得られなかった。
比較例3で得られたトナーは、導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径が0.1μmを超えて大きかったため、十分な研磨効果が得られず、印字率5%で4万枚印刷した時点で画像流れが発生した。
比較例4で得られたトナーは、導電性研磨剤粒子の抵抗値が1×10Ω・cmを超えて高かったため、トナーの電荷の蓄積(チャージアップ)を抑制する効果が不十分であり、印字率0.3%で3000枚印刷した時点でリーク黒点が発生した。
比較例5で得られたトナーは、凝集体の平均凝集径が2.0μmを超えて大きかったため、トナー表面において凝集体の形成が維持されにくくなり、研磨効果が持続的に得られず、印字率5%で5万枚印刷した時点で画像流れが発生し、印字率0.3%で5000枚印刷した時点でリーク黒点が発生した。

Claims (4)

  1. トナー母粒子と、外添剤として導電性研磨剤粒子および第2の粒子を含む電子写真用トナーであって、
    前記導電性研磨剤粒子は、平均一次粒子径が0.1μm以下であり、抵抗値が1.0×10Ω・cm以下であり、前記トナー母粒子の表面にて平均凝集径が0.4〜2.0μmの凝集体を形成し、
    前記第2の粒子は、平均一次粒子径が前記導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径よりも大きく、かつ前記凝集体の平均凝集径よりも小さいことを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記導電性研磨剤粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記第2の粒子が樹脂微粒子または無機微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  4. アモルファスシリコン感光体、および該アモルファスシリコン感光体をクリーニングするクリーニングブレードを備えた画像形成装置に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
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