JP2009128510A - 電子写真用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トナー母粒子と、外添剤として導電性研磨剤粒子および第2の粒子を含む電子写真用トナーであって、前記導電性研磨剤粒子は、平均一次粒子径が0.1μm以下であり、抵抗値が1.0×104Ω・cm以下であり、前記トナー母粒子の表面にて平均凝集径が0.4〜2.0μmの凝集体を形成し、前記第2の粒子は、平均一次粒子径が前記導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径よりも大きく、かつ前記凝集体の平均凝集径よりも小さいことを特徴とする電子写真用トナー。
【選択図】なし
Description
しかし、a−Si感光体を備えた画像形成装置では、帯電工程において発生し、感光体表面に付着した放電生成物が、高湿下で水分を吸着し、鮮明な静電潜像の形成が妨げられる、画像流れと呼ばれる画像不良が発生することがあった。
また、被転写体に含まれる添加剤あるいは、トナー母粒子や該トナー母粒子を構成する成分がa−Si感光体表面に付着して、画像不良を発生させることもあった。
例えば特許文献1には、一次粒子径が0.1〜0.3μmで、トナー母粒子表面にて粒径が0.5μm以上の凝集体を形成する酸化チタンを、トナー母粒子に添加したトナーが開示されている。
さらに、リーク黒点の発生の防止について検討したところ、トナーの外添剤として研磨剤粒子に導電性を付与した粒子(導電性研磨剤粒子)を用いることで、クリーニング手段によるトナーの高帯電化を防止でき、リーク黒点の発生を抑制することに注目した。しかし、導電性研磨剤粒子の一次粒子径が小さいと、現像器内で長時間の撹拌によるストレスを受けることで、凝集体が解砕され、やがてトナー母粒子に埋没し、持続的な効果が得られなくなることが明らかとなった。
そこで、一次粒子径が、凝集体を形成する導電性研磨剤粒子の一次粒子径よりは大きく、凝集体の凝集径よりは小さい、第2の粒子をトナー母粒子に添加することで、第2の粒子がスペーサーの役割を果たすので、トナーがストレスを受けても凝集体として導電性研磨剤粒子がトナー母粒子上に残留し、長期に渡り安定した研磨効果およびリーク黒点防止効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
ここで、前記導電性研磨剤粒子が酸化チタンであることが好ましい。
また、前記第2の粒子が樹脂微粒子または無機微粒子であることが好ましい。
さらに、本発明の電子写真用トナーは、アモルファスシリコン感光体、および該アモルファスシリコン感光体をクリーニングするクリーニングブレードを備えた画像形成装置に好適に用いられる。
本発明の電子写真用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある。)は、トナー母粒子と、該トナー母粒子に添加される外添剤として、導電性研磨剤粒子および第2の粒子を含む。
<導電性研磨剤粒子>
本発明に用いられる導電性研磨剤粒子は、平均一次粒子径が0.1μm以下であり、0.01〜0.09μmが好ましい。平均一次粒子径が0.1μm以下であれば、優れた研磨性が得られる。
なお、平均一次粒子径は、電子顕微鏡または光学顕微鏡で拡大写真を撮影し、画像解析装置を用いて粒子径を求めた。粒子の直径または最大径を一次粒子径とし、その平均値を平均一次粒子径とする。
上述した無機粒子に導電性を付与して、抵抗値が上記範囲内の導電性研磨剤粒子とするには、例えば無機粒子にスズ−アンチモン酸化物やインジウム−スズ酸化物などを被覆すればよい。ここで、無機粒子として酸化チタンを例にとり、導電性を付与する具体的な方法を説明する。
ついで、前記水溶性スラリーを80℃に加熱した後、塩化スズ(SnCl4・5H2O)および塩化アンチモン(SbCl3)の適量を2N−塩酸溶液(300mL)に溶解した混合溶液と、10質量%の水酸化ナトリウム溶液とを、pH6〜9に維持しながら60分かけて添加して、酸化チタン表面に酸化スズおよび酸化アンチモンからなる被覆層を形成させる。
導電性研磨剤粒子の抵抗値は、例えば、ADVANTEST社製の「R8340A HIGH RESISTANSE METER」を用い、1kgの荷重をかけ、DC10Vの電圧を印加して測定することで求められる。
上述した導電性研磨剤粒子は、後述するトナー母粒子に添加すると、該トナー母粒子の表面上で凝集体を形成する。凝集体の平均凝集径は0.4〜2.0μmであり、0.5〜1.5μmが好ましい。平均凝集径が0.4μm以上であれば、トナーへの電荷蓄積を防止することができ、リーク黒点の発生を抑制できる。一方、平均凝集径が2.0μm以下であれば、トナー母粒子の表面から凝集体が脱離するのを防止できる。
一方、酸化チタンが凝集状態で存在する(すなわち、凝集体を形成している)場合は、酸化チタンの平均一次粒子径が小さい程、大きな研磨力を発現しやすい。これは、感光体を研磨する際に酸化チタンと感光体との接触面積が小さくなる程、大きな研磨力を発揮できることによる。また、凝集体を形成することで、感光体に接触する割合が増えるので、より大きな研磨力を発揮できるようになる。
本発明に用いられる第2の粒子は、平均一次粒子径が、前記導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径よりは大きく、かつ、前記凝集体の平均凝集径よりは小さい。
第2の粒子をトナー母粒子に添加すると、トナーが長期に渡ってストレスを受けた時に、ある程度は凝集体の解砕は進行するものの、第2の粒子の大きさまで凝集体が解砕すると、第2の粒子がスペーサーとして働くので、凝集体は第2の粒子によりガードされ、解砕の進行を抑制すると共に、凝集体が直接的に外力を受ける確率が低下するため、研磨力の低下をも抑制できる。
このような第2の粒子としては、酸化チタン、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト等の無機微粒子や、アクリル系、スチレン−アクリル共重合粒子等の樹脂微粒子などが挙げられる。中でも、酸化チタンが好ましい。
本発明のトナーを構成するトナー母粒子としては、公知のトナー母粒子を用いることができる。具体的には、定着用樹脂中に着色剤やその他の添加剤を分散させたものが挙げられる。また、磁性トナーとする場合には、着色剤としてマグネタイト、フェライト粉等の磁性粉を含有させればよい。
定着用樹脂としては、例えばスチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、塩素化ポリスチレン、ホリプロピレン、アイオノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ケトン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、フェノール系樹脂、ロジン変性フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ロジン変性マレイン酸系樹脂、ロジンエステル系樹脂などを挙げることができる。これらの中でも特にスチレン系重合体、スチレン−アクリル系重合体、ポリエステル系樹脂が好ましい。このうちスチレン系重合体、スチレン−アクリル系重合体としては、スチレンの単独重合体や、スチレンと他の単量体との共重合体を挙げることができる。
多価カルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロへキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸などの2価カルボン酸;n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハクなどの2価カルボン酸のアルキルもしくはアルケニルエステル;1,2,4−べンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−べンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−へキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロへキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸などの3価以上のカルボン酸等が挙げられる。また、これら多価カルボン酸の無水物も使用できる。
着色剤としては、トナー色に合わせた各色の着色剤を用いることができる。その好適な例は下記の通りである。
黒色顔料;マグネタイト、フェライト粉、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等。
黄色顔料;黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネープルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等。
橙色顔料;赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK等。
赤色顔料;べンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等。
紫色顔料;マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等。
青色顔料;紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等。
緑色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等。
磁性粉の添加量は、定着用樹脂100質量部に対して50〜200質量部が好ましい。
着色剤以外の他の添加剤としては、電荷制御剤、オフセット防止剤、安定剤等が挙げられる。
電荷制御剤は、トナーの摩擦帯電特性を制御するためのもので、トナーの帯電極性に応じて正電荷制御用および/または負電荷制御用の電荷制御剤を用いる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、塩基性窒素原子を有する有機化合物、例えば塩基性染料、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン類等や、上記各化合物で表面処理された充填剤等が挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、ニグロシンベース(CI5045)、オイルブラック(CI26150)、ボントロンS、スピロンブラック等の油溶性染料;スチレン−スチレンスルホン酸共重合体等の電荷制御性樹脂;カルボキシ基を含有する化合物(例えばアルキルサリチル酸金属キレート等)、金属錯塩染料、脂肪酸金属石鹸、樹脂酸石鹸、ナフテン酸金属塩等が挙げられる。
これら電荷制御剤の添加量は、定着用樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜8質量部がより好ましい。
オフセット防止剤は、トナーにオフセット防止効果を付与するための添加剤である。オフセット防止剤としては、脂肪族系炭化水素、脂肪族金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックス等が挙げられる。これら中でも、質量平均分子量が1000〜10000程度の脂肪族系炭化水素が好ましい。具体的には、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、パラフィンワックス、炭素原子数4以上のオレフィン単位からなる低分子量のオレフィン重合体、シリコーンオイル等が挙げられる。これらオフセット防止剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
オフセット防止剤の添加量は、定着用樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜8質量部がさらに好ましい。
トナー母粒子は、公知の溶融混練・粉砕法、重合法、紡糸法等で製造することができる。例えば、溶融混練・粉砕法であれば次のような手順で製造する。定着用樹脂、着色剤などの必要な原料を、ヘンシェルミキサー等のミキサーで混合し、二軸押し出し機等で溶融混練後、ハンマーミル等の粉砕機で粉砕する。その後、気流式分級機等の分級機で分級してトナー母粒子とする。
なお、体積基準の中心粒径は、ベックマン・コールター株式会社製の粒度分布測定装置「マルチマイザーIII」を使用して、アパーチャ径100μmの条件で測定した粒度分布の測定値から算出した値で表すこととする。
本発明のトナーは、上述したトナー母粒子に、外添剤を添加することで得られる。外添剤の添加量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5〜6質量部が好ましく、1.0〜5.5質量部がより好ましい。
前記樹脂コートタイプのキャリアを構成するコアとしては、例えば鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素銅、フェライト、ニッケル、コバルト、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金、マンガン−マグネシウム合金等の金属または合金の粒子や、前記金属または合金と、マンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、または前記いずれかの材料からなる微粒子を、樹脂の粒子中に分散させた樹脂キャリア等の1種または2種以上が挙げられる。
本発明のトナーは、電子写真方式の一般の画像形成装置において好適に使用できるが、その特性から、アモルファスシリコン感光体(a−Si感光体)と、該a−Si感光体をクリーニングするクリーニング手段を具備する画像形成装置の使用に特に適している。
a−Si感光体としては、例えばドラム状などの所定の形状に形成された導電性基体の表面に、アモルファスシリコン感光層(a−Si感光層)が形成されたものが挙げられる。特に、生産性に優れる上、解像度の高い画像を形成できる点で、厚さが30μm以下である薄膜型のa−Si感光層を有するものが好ましい。a−Si感光層は、実際に感光層として機能する、単層もしくは2層以上の層の他にも、キャリア阻止層や表面保護層などを有していてもよい。ただし、複数の層を有する場合は、そのトータルの層の厚さが30μm以下であるのが好ましい。
このようなキャリア阻止層としては、a−SiC、a−SiO、a−SiN、a−SiON、a−SiCONなどによって形成した無機絶縁層や、ポリエチレンテレフタレート、パリレン(登録商標)、ポリ四フッ化エチレン、ポリイミド、ポリフッ化エチレンプロピレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂などによって形成した有機絶縁層等を用いるのが好ましい。
キャリア阻止層の厚さは、0.01〜5μmが好ましく、0.1〜3μmがより好ましい。
このような表面保護層としては、有機もしくは無機の絶縁材料が好ましく、中でも、a−SiC、a−SiO、a−SiN、a−SiON、a−SiCOなどによって形成した無機絶縁層が好ましい。これらは、a−Si感光層と同様の薄膜形成方法によって形成することができ、特にa−SiCによって形成するのが好ましい。
a−Si感光体のa−Si感光層の表面に残留したトナーを除去するためのクリーニング手段としては、前記a−Si感光層の表面に圧接させた弾性ブレード(クリーニングブレード)を用いることができる。また、クリーニングブレードとしては、ゴムや軟質の樹脂等からなる公知の弾性ブレードを使用することができる。具体的は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ウレタン樹脂等からなるクリーニングブレードが挙げられる。
クリーニングブレードは、トナーを良好に除去すると共に、a−Si感光層の表面に圧接痕などの形成を抑制することを考慮して、10〜50g/cmの線圧で、a−Si感光層の表面を圧接させるのが好ましい。
また、研磨剤粒子に導電性を付与した導電性研磨剤粒子を用いるので、リーク黒点の発生を防止し、安定して良好な画像を形成できる。
[試験1:印字テスト10万枚(印字率5%)の場合]
<実施例1−1>
(トナーの製造)
定着用樹脂として、スチレン−アクリル系重合体49質量部に、磁性粉(戸田工業社製、「マグネタイト」、796kA/m印加時に保持力5.0kA/m、飽和磁化82Am2/kg、残留磁化11Am2/kgであり、個数平均粒径0.25μmであるもの)45質量部、離型剤としてのワックス(サゾール社製、「サゾールワックスH1」)3質量部、正電荷制御剤として4級アンモニウム塩(オリエント化学社製、「ボントロンP−51」)3質量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕した。その後、機械式粉砕機にてさらに微粉砕したものを気流式分級機により分級し、体積基準の中心粒径が8.0μmの磁性トナー(トナー母粒子)を得た。
ついで、前記水溶性スラリーを80℃に加熱した後、塩化スズ(SnCl4・5H2O)および塩化アンチモン(SbCl3)の適量を2N−塩酸溶液(300mL)に溶解した混合溶液と、10質量%の水酸化ナトリウム溶液とを、pH6〜9に維持しながら60分かけて添加して、アナタース型酸化チタン表面に酸化スズおよび酸化アンチモンからなる被覆層を形成させ、導電性研磨剤粒子を得た。得られた導電性研磨剤粒子には、チタネートカップリング剤処理を施した。
得られた導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径は90nm、抵抗値は8.0×101Ω・cm、平均凝集径は1.1μmであった。結果を表1に示す。なお、平均一次粒子径は電子顕微鏡で拡大写真を撮影し、画像解析装置により、一次粒子径を求め、その平均値を平均一次粒子径とした。凝集体径の測定は、粒子を分散させた状態で、50粒の粒子について電子顕微鏡で拡大写真を撮影し、画像解析装置で測定し、その平均値を平均凝集径とした。抵抗値の測定は、ADVANTEST社製の「R8340A HIGH RESISTANSE METER」を用い、1kgの荷重をかけ、DC10Vの電圧を印加して測定した。
得られたトナーについて、以下の評価機(画像形成装置)を用いて、10万枚印字し、トナーの画像濃度、カブリなどを評価した。結果を表2に示す。
機種:モノクロレーザープリンタ「FS−3900D」(京セラミタ社製)、
感光体:直径30mmのアモルファスシリコン感光体、
現像方式:磁性1成分現像、
クリーニンブレード:硬度77°のウレタンゴム。
トナーを評価機にセットし、評価機の電源を入れ安定直後の画像を出力し、これを初期画像とした。なお、画像には、2×2cmのソリッド画像を左、中央、右の3箇所に設けた。
ついで印字率5%で、5万枚および30万枚出力した時のソリッド画像と、初期画像について、マクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、「RD−914」)を用いて画像濃度(ID)を測定し、以下の評価基準にて評価した。なお○を合格とする。
○:IDが1.30以上。
△:IDが1.20以上、1.30未満。
×:IDが1.20未満。
評価(2)の画像濃度の評価と同様にして、初期画像と、5万枚および30万枚出力した時のソリッド画像について、反射濃度計(東京電飾社製、「TC−6D」)を用いてカブリ値(FD)を測定し、以下の評価基準にて評価した。なお○を合格とする。
○:FDが0.010以下。
△:FDが0.010超、0.020未満。
×:FDが0.020以上。
形成された画像について、画像流れの発生の有無について以下の評価基準にて評価した。
○:画像流れが発生していない。
△:画像流れが発生しているが、画像内容が認識できる。
×:画像流れが発生し、画像内容が認識できない。
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値3.5×101Ω・cm、平均凝集径1.3μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値3.5×103Ω・cm、平均凝集径1.3μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値5.0×101Ω・cm、平均凝集径0.45μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値5.0×101Ω・cm、平均凝集径1.8μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値3.5×101Ω・cm、平均凝集径1.3μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用い、第2の粒子としてシリカ粒子(平均一次粒子径70nm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値3.5×101Ω・cm、平均凝集径1.3μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用い、第2の粒子として樹脂微粒子(スチレン−アクリル共重合粒子、平均一次粒子径70nm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
第2の粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
第2の粒子としてシリカ粒子(平均一次粒子径70nm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径150nm、抵抗値8.0×101Ω・cm、平均凝集径1.1μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値2.5×104Ω・cm、平均凝集径1.1μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
導電性研磨剤粒子として、表1に示すルチル型酸化チタン(平均一次粒子径30nm、抵抗値5.0×101Ω・cm、平均凝集径2.3μm)をチタネートカップリング剤処理したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<実施例2−1>
実施例1−1で得られたトナーを用い、試験1と同様の評価機を用いて、1万枚印字し、トナーの画像濃度、カブリなどを評価した。結果を表3に示す。
(5)画像濃度の評価
トナーを評価機にセットし、評価機の電源を入れ安定直後の画像を出力し、これを初期画像とした。なお、画像には、2×2cmのソリッド画像を左、中央、右の3箇所に設けた。
ついで印字率0.3%で、1万枚出力した時のソリッド画像と、初期画像について、マクベス反射濃度計を用いて画像濃度(ID)を測定し、試験1の評価(1)と同様の評価基準にて評価した。なお○を合格とする。
評価(5)の画像濃度の評価と同様にして、初期画像と、1万枚出力した時のソリッド画像について、反射濃度計を用いてカブリ値(FD)を測定し、試験1の評価(2)と同様の評価基準にて評価した。なお○を合格とする。
形成された画像について、リーク黒点の発生の有無について以下の評価基準にて評価した。
○:リーク黒点が発生していない。
△:リーク黒点が発生しているが、画像内容が認識できる。
×:リーク黒点が発生し、画像内容が認識できない。
実施例1−2〜1−7、および比較例1−1〜1−5で得られた各トナーを用いた以外は、実施例2−1と同様にしてトナーの各評価を実施した。結果を表3に示す。
比較例2で得られたトナーは、第2の粒子の平均一次粒子径が、導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径よりも小さかったため、凝集体が解砕しやすく、印字率5%で3万枚印刷した時点で画像流れが発生し、印字率0.3%で1万枚印刷した時点でリーク黒点が発生し、研磨効果が持続的に得られなかった。
比較例3で得られたトナーは、導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径が0.1μmを超えて大きかったため、十分な研磨効果が得られず、印字率5%で4万枚印刷した時点で画像流れが発生した。
比較例4で得られたトナーは、導電性研磨剤粒子の抵抗値が1×104Ω・cmを超えて高かったため、トナーの電荷の蓄積(チャージアップ)を抑制する効果が不十分であり、印字率0.3%で3000枚印刷した時点でリーク黒点が発生した。
比較例5で得られたトナーは、凝集体の平均凝集径が2.0μmを超えて大きかったため、トナー表面において凝集体の形成が維持されにくくなり、研磨効果が持続的に得られず、印字率5%で5万枚印刷した時点で画像流れが発生し、印字率0.3%で5000枚印刷した時点でリーク黒点が発生した。
Claims (4)
- トナー母粒子と、外添剤として導電性研磨剤粒子および第2の粒子を含む電子写真用トナーであって、
前記導電性研磨剤粒子は、平均一次粒子径が0.1μm以下であり、抵抗値が1.0×104Ω・cm以下であり、前記トナー母粒子の表面にて平均凝集径が0.4〜2.0μmの凝集体を形成し、
前記第2の粒子は、平均一次粒子径が前記導電性研磨剤粒子の平均一次粒子径よりも大きく、かつ前記凝集体の平均凝集径よりも小さいことを特徴とする電子写真用トナー。 - 前記導電性研磨剤粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 前記第2の粒子が樹脂微粒子または無機微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- アモルファスシリコン感光体、および該アモルファスシリコン感光体をクリーニングするクリーニングブレードを備えた画像形成装置に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007301939A JP5022872B2 (ja) | 2007-11-21 | 2007-11-21 | 電子写真用トナー |
Applications Claiming Priority (1)
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