JP2007094202A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 トナー粒子表面に外添剤としての酸化チタン表面をチタネート系カップリング剤で表面処理したものを使用する場合には酸化チタン同士の凝集しやすく、トナー表面より凝集した酸化チタン粒子が脱離しやすくなる。その結果、トナー粒子が酸化チタン粒子を必要な量保持していないために、トナーの帯電不良が生じやすく、カブリが増大するという不具合を有していた。したがって、酸化チタン同士の凝集を低減させることで、トナーの帯電を安定させ、長期に渡り安定した画像が得られるトナー提供することを目的としている。
【解決手段】 静電潜像現像用トナーとして、少なくとも結着樹脂と着色剤を含む着色粒子と、この着色粒子表面に外添剤として溶剤可溶分が30%以下であるチタネートカップリング剤で表面処理された酸化チタンを有することを特徴としている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、外添粒子を含む静電潜像現像用トナーおよびそれを用いた画像形成方法に関し、より詳細には、着色粒子としてのトナー粒子本体に、帯電特性や流動性等のバランスに優れた特定の外添粒子を添加して得られた静電潜像現像用のトナーに関する。
電子写真法において、静電潜像を可視像とする際に用いられるトナーは、一般に熱可塑性樹脂(バインダー樹脂)、ワックス類、電荷制御剤、磁性粉体、及び他の添加剤を予備混合した後、溶融混練工程、粉砕工程、および分級工程の各製造工程を経て、所望の粒子径を有するトナーとして製造されている。そして、このように製造されたトナーは、摩擦帯電により一定量の電荷が蓄積された後、感光体上の静電潜像を現像し、所望の可視像化に供されている。ここで、摩擦帯電によって、トナーに蓄積される電荷は、静電潜像が形成される感光体の種類及び潜像形成方法(反転現像、正転現像)によって正または負のいずれかの電荷とすることが必要である。また、摩擦帯電によるトナーの帯電量は、静電潜像をより正確に可視像化するのに適正な量とする必要がある。また、近年、静電潜像形成のための光導電性感光体として、有機光導電性感光体とともに、無公害でかつ高い高感度を有し、さらにビッカース強度が1、500〜2、000と非常に硬い等の特性を有することから、アモルファスシリコン感光体(以下、a−Si感光体と称する。)も多用されてきている。このa−Si感光体は、硬度が高く耐久性に優れているため、a−Si感光体上に形成される静電潜像を現像するには、特に帯電性や耐久性に優れたものであるとともに、感光体表面に付着した異物や必要に応じて感光体表面そのものを研磨できるトナーを用いることが望まれている。
このため、電荷制御剤や導電性物質をバインダー樹脂中に添加するばかりでなく、トナー(トナー粒子)に対して、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機酸化物(微粉末)を外添して、電荷の極性及び帯電量を制御するとともに、耐久性や研磨性についても制御している。
しかしながら、これらの無機酸化物は、表面に存在する水酸基のため、親水性が非常に高く、その結果、トナーに添加した場合、トナーの流動性や帯電立ち上がり特性が湿度の影響で変化し、印字耐久性や画像濃度低下などの弊害を与える場合が見られた。
このような湿度等の環境条件の影響を防ぐため、無機酸化物を疎水化剤で処理したり、極性基を導入したりすることが行なわれている。例えば、極性基を導入するために、アミノシラン化合物等のシランカップリング剤で処理した酸化チタンを用いた技術が提案されている(特許文献1および特許文献2)。
さらに、アルミナ、ジルコニア等の研磨剤微粒子をトナー粒子の表面に固着させ、トナー粒子の粒径と研磨剤微粒子の粒径との比を制御した静電潜像現像剤が提案されている(特許文献3)。
この方法によると、感光体表面に対して優れた研磨効果が得られ、クリーニングブラシなどの大きなシステムを組み込む必要がなく、装置の小型化が可能で、像流れ、画像濃度、かぶり等に対して効果がある。
しかしながら、かかる従来技術では、次のような問題点を有していた。
(1)特許文献1や特許文献2に開示された従来技術では、感光体表面に対する研磨能力が不十分であって、ドラムフィルミング等の不具合を発生させる場合があった。
(2)特許文献3に開示された従来技術では、感光体表面に対して適当な研磨能力を発揮できるものの、高温高湿条件および低温低湿条件の両方の環境条件において、帯電特性が不安定であった。
こうした問題点を解決するため、研磨効果のある外添剤としての酸化チタン表面をチタネート系カップリング剤で表面処理して使用することも提案されている(特許文献4)。
特開昭52−135739号公報(特許請求の範囲) 特開平10−3177号公報(特許請求の範囲) 特開平5−181306号公報(特許請求の範囲) 特開2001−318488号公報(特許請求の範囲)

本発明者等は、酸化チタン表面をチタネート系カップリング剤で表面処理したものについて、更に研究を進めた結果、チタネート系カップリン剤処理した酸化チタンに表面に未反応カップリング剤の残留分(溶剤可溶分)が残っている場合には、その残留分の量によっては酸化チタン表面付着力が高くなり、ドラム等接触物に付着しやすくなり、更には酸化チタン同士も付着しやすくなり、ときとして均一に分散されず、あるいは、酸化チタン同士が凝集してトナー表面に外添される場合には、酸化チタン凝集物の粒子径(2次粒子径)が大きくなり、トナー表面より脱離しやすくなるために、感光体の研磨効果が弱くなり、結果としてトナー帯電不良の原因となり、カブリが増大するという不具合が生じる場合があることがわかった。
そこで、本発明の課題は、酸化チタンの溶剤可溶分を充分に低減することにより、表面付着性を弱め、感光体への付着が抑制できるとともに、酸化チタン同士の凝集体を低減させることで、酸化チタンのトナーからの脱離が減少し、感光体表面に関わる不具合「感光体付着」や「感光体汚染」の発生がなく、安定した画像を長期に渡り提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含む着色粒子と、この着色粒子表面に外添剤として溶剤可溶分が30%以下としたチタネートカップリング剤で表面処理された酸化チタンを有する静電潜像現像用トナーであることを特徴としている。
本発明では、上述したように、外添処理するチタネート系カップリング剤処理された酸化チタンの溶剤可溶分を30%以下にすることで、酸化チタン粒子の表面付着性が弱まり、感光体への付着が抑制できるとともに、凝集体低減により酸化チタンのトナーからの脱離が減少し、感光体表面に関わる不具合「感光体付着」や「感光体汚染」の発生がなく、安定した画像を長期に渡り供給することが出来る。
本発明の実施形態は、着色粒子としてのトナー粒子表面に、チタネート系カップリング剤にて処理すると共に溶剤可溶分を30%以下とした酸化チタンを外添剤として用いたことを特徴としている。以下、トナー粒子と、外添処理剤とに大別して説明する。
1.トナー粒子
(1)バインダー樹脂
(1)種類1
本発明におけるトナー粒子に使用するバインダー樹脂の種類は特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
より具体的には、ポリスチレン系樹脂として、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。このような共重合モノマーとしては、p−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化合物などが挙げられる。また、これらの共重合モノマーは、一種を単独で使用して、スチレン単量体と共重合させることもできるし、あるいは二種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させることもできる。
また、ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものであれば好適に使用することができる。
このようなアルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5,−トリヒドロキシメチルベンゼン等が例示される。
また、カルボン酸成分としては、二価または三価のカルボン酸、あるいはこれらのカルボン酸における酸無水物、またはこれらのカルボン酸における低級アルキルエステルが用いられる。より具体的には、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等の二価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の三価以上のカルボン酸が例示される。
(2)分子量分布
また、バインダー樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定される重量平均分子量において、少なくとも2つ以上の分子量分布ピーク(低分子量ピークおよび高分子量ピーク)を有することが好ましい。具体的に、低分子量ピークが3、000〜20、000の範囲内であり、もう一つの高分子量ピークが3×105〜15×105の範囲内であるバインダー樹脂が好ましい。この理由は、低分子量ピークが上記範囲内の値にあると、静電潜像現像用トナーの定着性が向上するためである。逆に、かかる低分子量ピークが3,000未満の値となると、定着時にオフセットが発生し易くなり、また、静電潜像現像用トナーの使用環境温度(5〜50℃)での保存安定性が低下して、ケーキングを生じる場合があるためである。一方、高分子量ピークが上記範囲内の値にあると、静電潜像現像用トナーのオフセット性が向上するためであり、逆に、かかる高分子量ピークが20,000よりも大きくなると、バインダー樹脂と電荷制御剤との相溶性が低下し、均一な分散が得られない場合があるためである。したがって、カブリ、感光体汚染、定着不良等が生じ易くなる場合がある。
さらに、バインダー樹脂において、重量平均分子量(Mw)と、数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が10以上の値が好ましい。この理由は、かかるMw/Mnの比率が10未満の値となると、静電潜像現像用トナーの定着性やオフセット性が低下する場合があり、双方の特性を十分に満足できない場合があるためである。
(3)架橋構造
また、バインダー樹脂は、定着性が良好な観点から熱可塑性樹脂が好ましいが、ソックスレー抽出器を用いて測定される架橋成分量(ゲル量)が10重量%以下の値、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲内の値であれば、硬化性樹脂であっても良い。このように一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナー粒子の保存安定性や形態保持性、あるいは耐久性をより向上させることができる。よって、トナー粒子のバインダー樹脂として、熱可塑性樹脂を100重量%使用する必要はなく、架橋剤を添加したり、あるいは、熱硬化性樹脂を一部使用したりすることも好ましい。
このような熱硬化性樹脂として、エポキシ系樹脂やシアネート系樹脂が挙げられるが、より具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
(4)官能基
また、バインダー樹脂内に、磁性粒子の分散性を向上させるために、官能基を有することが好ましい。このような官能基としては、ヒドキロキシ(水酸)基、カルボキシル基、アミノ基およびグリシドキシ(エポキシ)基から選択される少なくとも一つが挙げられる。
なお、バインダー樹脂が、これらの官能基を有しているか否かは、FT−IR装置を用いて確認することができ、さらに官能基の含有量については、滴定法を用いて定量することができる。
(5)ガラス転移点
また、バインダー樹脂のガラス転移点を55〜70℃の範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、かかるバインダー樹脂のガラス転移点が、55℃未満となると、得られた静電潜像現像用トナー同士が融着し、保存安定性が低下する場合があるためである。
一方、かかるバインダー樹脂のガラス転移点が、70℃を超えると、トナー粒子の定着性が乏しくなる場合があるためである。したがって、バインダー樹脂のガラス転移点を58〜68℃の範囲内の値とすることがより好ましく、60〜66℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。なお、バインダー樹脂のガラス転移点は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。
(6)軟化点
また、バインダー樹脂が結晶性である場合、その融点(または軟化点)を110〜150℃の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、かかるバインダー樹脂の融点(または軟化点)が、110℃未満となると、得られたトナー同士が融着し、保存安定性が低下する場合があるためである。一方、バインダー樹脂の融点(または軟化点)が、150℃を超えると、トナー粒子の定着性が著しく低下する場合があるためである。
したがって、バインダー樹脂の融点(または軟化点)を115〜145℃の範囲内の値とすることがより好ましく、120〜140℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、バインダー樹脂の融点(または軟化点)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解ピーク位置や、落球法から求めることができる。
(2)ワックス類
本発明の静電潜像現像用トナーにおいて、定着性やオフセット性を向上させることができることから、ワックス類を添加することが好ましい。
ここで、添加するワックス類の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン(登録商標)系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等を使用することが好ましい。また、これらワックスを併用しても構わない。
かかるワックスを添加することにより、オフセット性を向上させたり、像スミアリングをより効率的に防止することができる。なお、フィッシャートロプシュワックスは、一酸化炭素の接触水素化反応であるフィッシャートロプシュ反応を利用して製造される、イソ(iso)構造分子や側鎖が少ない、直鎖炭化水素化合物である。
また、フィッシャートロプシュワックスの中でも、重量平均分子量が1,000以上の値であり、かつ100〜120℃の範囲内にDSCによる吸熱ボトムピークを有するものがより好ましい。このようなフィッシャートロプシュワックスとしては、サゾール社から入手できるサゾールワックスC1(H1の結晶化による高分子量グレード、吸熱ボトムピーク:106.5℃)、サゾールワックスC105(C1の分留法による精製品、吸熱ボトムピーク:102.1℃)、サゾールワックスSPRAY(C105の微粒子品、吸熱ボトムピーク:102.1℃)等が挙げられる。
また、ワックス類の添加量についても特に制限されるものではないが、例えば、静電潜像現像用トナーの全体量を100重量%としたときに、ワックス類の添加量を1〜5重量%の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、かかるワックス類の添加量が1重量%未満となると、オフセット性や像スミアリング等を効率的に防止することができない場合があるためである。
一方、ワックス類の添加量が5重量%を超えると、静電潜像現像用トナー同士が融着してしまい、保存安定性が低下する場合があるためである。
(3)電荷制御剤
本発明の静電潜像現像用トナーにおいて、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)が著しく向上し、耐久性や安定性に優れた特性が得られることから、電荷制御剤を添加することが好ましい。ここで、添加する電荷制御剤の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、a−Si感光体に使用できるように、以下に示す正帯電性を示す電荷制御剤が挙げられる。
(1)種類
正帯電性電荷制御剤の種類として、ニグロシン、第四級アンモニウム塩化合物、樹脂にアミン系化合物を結合させた樹脂タイプの電荷制御剤等が挙げられる。
具体的に、アジン化合物としてのピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1、2、3−トリアジン、1、2、4−トリアジン、1、3、5−トリアジン、1、2、4−オキサジアジン、1、3、4−オキサジアジン、1、2、6−オキサジアジン、1、3、4−チアジアジン、1、3、5−チアジアジン、1、2、3、4−テトラジン、1、2、4、5−テトラジン、1、2、3、5−テトラジン、1、2、4、6−オキサトリアジン、1、3、4、5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、アジン化合物からなる直接染料としての、アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEWおよびアジンディープブラック3RL、ニグロシン化合物としてのニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体、ニグロシン化合物からなる酸性染料としての、ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類、アルコキシル化アミン、アルキルアミド、4級アンモニウム塩としてのベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
特に、ニグロシン化合物は、より迅速な立ち上がり性が得られることから、正帯電性の静電潜像現像用トナーにおける電荷制御剤としは最適である。
また、4級アンモニウム塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボン酸塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボキシル基を有する樹脂またはオリゴマー等が挙げられる。
より具体的には、4級アンモニウム塩を有するポリスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン-アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン-アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン-アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。特に、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩あるいはカルボキシル基を官能基として有するスチレン-アクリル系樹脂(スチレン-アクリル系共重合体)は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができることから、最適な電荷制御剤である。
(2)添加量
また、静電潜像現像用トナーの全体量を100重量%としたときに、電荷制御剤の添加量を、1.5〜15重量%の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、かかる電荷制御剤の添加量が1.5重量%未満となると、静電潜像現像用トナーに対して、安定して帯電特性を付与することが困難となり、画像濃度が低くなったり、耐久性が低下する場合があるためである。また、分散不良が起こりやすく、いわゆるカブリの原因となったり、感光体汚染が激しくなったりする場合があるためである。一方、電荷制御剤の添加量が15重量%を超えると、耐環境性、特に高温高湿下での帯電不良、画像不良となり、感光体汚染等の欠点が生じやすくなる場合があるためである。したがって、電荷制御機能と、静電潜像現像用トナーの耐久性等とのバランスがより良好となることから、電荷制御剤の添加量を、2.0〜8.0重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、3.0〜7.0重量%の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
(4)着色剤
静電潜像現像用トナーとして、黒色もしくはカラー用途に使用するため、目的に応じて種々の着色剤を添加することができる。
黒色顔料
マグネタイト、フェライト粉、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック。
黄色顔料
黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネープルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ。
橙色顔料
赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料
べンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B。
紫色顔料
マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
青色顔料
紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC。
緑色顔料
クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG。

磁性トナー以外の場合、着色剤の添加量は、定着用樹脂100重量部に対して1〜20重量部であるのが好ましく、2〜8重量部であるのがさらに好ましい。
磁性トナーでは定着用樹脂100重量部に対して、50〜200重量部である。
(5)特性改良剤
また、本発明の静電潜像現像用トナーには、静電潜像現像用トナーの流動性や保存安定性を向上させる目的で、特性改良剤としてのコロイダルシリカや疎水性シリカ等を添加したり、あるいはこれらのコロイダルシリカを用いて表面処理したりすることが好ましい。また、シリカの添加量を、酸化チタンの添加量を考慮して定めることが好ましい。具体的に、シリカの添加量を、酸化チタンの添加量を100重量%としたときに、10〜150%重量%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかるシリカの添加量が10重量%未満の値となると、シリカの添加効果が発現されない場合があるためであり、一方、かかるシリカの添加量が150重量%を超えると、電子写真用トナーの帯電特性が低下する場合があるためである。したがって、シリカの添加量を、酸化チタンの添加量を100重量%としたときに、20〜140重量%重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜130重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(6)平均粒子径
静電潜像現像用トナーの平均粒子径を5〜12μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる静電潜像現像用トナーの平均粒子径が5μm未満となると、凝集しやすくなり、保存安定性が低下する場合があるためである。一方、かかる静電潜像現像用トナーの平均粒子径が12μmより大きくなると、搬送性が低下したり、あるいは定着画像が不鮮明となったりする場合があるためである。したがって、静電潜像現像用トナーの平均粒子径を6〜11μmの範囲内の値とすることがより好ましい。なお、トナーの平均粒子径は体積基準に基づくもので、具体的には、コールターカウンターマルチサイザー3(ベックマンコールター社製)にて、電解液としてアイソトンII(ベックマンコールター社製)を使用し、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、前記電解液中に界面活性剤を少量添加した溶液中に測定試料を10mg加え、超音波分散器により分散処理を行って測定試料が分散した溶液を前記測定装置により測定し、試料粒径の体積分布を得た後、平均粒子径を求めた。

2.外添処理剤
本発明のトナーにおいて、帯電量分布が均一で、摩擦帯電量を低下させることなく、またチャージアップすることなしに安定した帯電特性を示し、さらには、流動性、環境依存性、耐久性に優れた静電潜像現像用トナーを提供するために、研磨効果を有する酸化チタンをチタネート系カップリング剤で処理し、その後、溶剤洗浄処理して溶剤可溶分を30%以下とする必要がある。
酸化チタンには結晶系の違いによりアナターゼ型とルチル型があるが、本発明ではいずれをも用いることができる。
チタネート系カップリング剤で表面処理する酸化チタンとしては以下のものを使用する。
(1)平均粒子径
酸化チタンの平均粒子径を10〜500nm未満の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、酸化チタンの平均粒子径が500nm以上の値となると、感光体を損傷させるおそれが生じるためであり、また、トナー粒子との分散混合が困難となる場合があるためである。一方酸化チタンの平均粒子径が過度に小さくなる、例えば10nm未満の値になると、感光体に対する研磨力が低下して、流動性、環境依存性、および耐久性に優れた静電潜像現像用トナーを提供することが困難となる場合がある。したがって、酸化チタンの平均粒子径を10〜500nmの範囲内の値とすることが好ましく、200〜400nmの範囲内とすることがより好ましい。なお、酸化チタンの平均粒子径は、酸化チタンが凝集している場合には、その平均一次粒子径を意味し、以下の要領により測定した数平均一次粒子径を意味している。具体的には、着色粒子に例えば外添剤としての酸化チタン微粒子を混合処理し、電子顕微鏡により撮影したものを日本電子データム(株)製SemAforeによりデジタル化し、日本電子データム(株)製SemAforeReporterの画像処理により100個計測し、数平均一次粒子径を求めた。

(2)体積固有抵抗
また、静電潜像現像用トナーをOPC感光体に使用する場合には、酸化チタンの体積固有抵抗を1×104〜1×1015Ω・cmの範囲内の値とすることが好ましく、a−Si感光体に使用する場合には、酸化チタンの体積固有抵抗を1×101〜1×107Ω・cmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、静電潜像現像用トナーをOPC感光体に使用した場合に、酸化チタンの体積固有抵抗がこのような範囲外の値となると、静電潜像現像用トナーの帯電特性が低下しやすくなり、画像濃度低下を引き起こして、白抜け画像となる場合があるためである。また、a−Si感光体に使用した場合、酸化チタンの体積固有抵抗が1×107Ω・cm以上の値となると、帯電量が高すぎてしまい、チャージアップとなり、画像濃度が逆に低下したり、耐久性が低下したりする場合があり、さらには、過度のチャージアップのため、a−Si感光体を用いた場合に、放電破壊を発生させ、黒点画像となる場合があるためである。したがって、静電潜像現像用トナーをOPC感光体に使用する場合には、酸化チタンの体積固有抵抗を1×105〜1×1014Ω・cmの範囲内の値とすることがより好ましく、1×106〜1×1013Ω・cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。また、静電潜像現像用トナーをa−Si感光体に使用する場合には、酸化チタンの体積固有抵抗を1×102〜1×106Ω・cmの範囲内の値とすることがより好ましく、1×103〜1×105Ω・cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。なお、酸化チタンの体積固有抵抗値は、ULTRA HIGH RESISTANCE METER(アドバンテスト社製、R8340A)を用い、1kgの荷重をかけた状態で、印加電圧DC10Vの条件にて求めることができる。
(3)表面処理
酸化チタンを、チタネート系カップリング剤で表面処理するにあたり、チタネート系カップリング剤としては、プロピルトリメトキシチタン、プロピルジメトキシメチルチタン、プロピルトリエトキシチタン、ブチルトリメトキシチタン、ブチルジメトキシメチルチタン、ブチルトリエトキシチタン、ビニルトリメトキシチタン、ビニルジメトキシメチルチタン、ビニルトリエトキシチタン、ビニルジエトキシメチルチタン、ヘキシルトリメトキシチタン、ヘキシルジメトキシメチルチタン、ヘキシルトリエトキシチタン、ヘキシルジエトキシメチルチタン、フェニルトリメトキシチタン、フェニルジメトキシメチルチタン、フェニルトリエトキシチタン、フェニルジエトキシメチルチタン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシチタン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシメチルチタン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシチタン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシメチルチタン等が好ましく使用することができる。また、酸化チタンを、チタネート系カップリング剤で表面処理するにあたり、ミキサーやボールミルを用いて、両者を均一に混合することが好ましい。また、両者をさらに均一に混合することができることから、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、トルエン等の有機溶媒を添加使用することが好ましい。
酸化チタン100重量部あたり、チタネート系カップリング剤の処理量を0.1〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜15重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。さらに、酸化チタンを、チタネート系カップリング剤で表面処理するにあたり、加熱処理することが好ましい。例えば、50〜300℃、1〜60分間の条件で加熱処理することにより、酸化チタンに対して、チタネート系カップリング剤を強固に表面処理することができる。
(4)溶剤可溶分の調整処理
上述した手法により得られる、チタネート系カップリング剤処理された酸化チタンを、溶剤可溶分が30%以下となるように調整する必要がある。この調整方法としては、上述したカップリング処理された酸化チタンを、可溶分を溶出させるための溶剤として、例えば、n−ヘキサンを用いて洗浄、乾燥して得る方法、または上述の加熱温度、加熱時間の調整により溶剤可溶分を低減させることが出来る。
なお溶剤可溶分の測定方法としては、酸化チタン一定量をn-ヘキサンに入れ、超音波洗浄を行う。洗浄前後のC量(炭素含有量)の比較により溶剤可溶分を求める。具的には計測サンプルを2〜5gの範囲で(A)計量し、サンプルの10倍(重量)gのn−ヘキサンに入れ、超音波洗浄を 5分間行う。そして、炭素量分析装置を用いて洗浄前後のC量(炭素含有量)を求め次式により溶剤可溶分を算出する。
溶剤可溶分(%)=(洗浄前C量%−洗浄後C量%)/洗浄前C量×100
なお、炭素含有量の計測は、カーボンアナライザー(堀場製作所社製EMIA−110)を用いて測定できる。

(5)添加量
また、チタネート系カップリング剤で表面処理した酸化チタンの添加量を、トナー粒子に対し、0.1〜5重量%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる添加量が0.1重量%未満となると、感光体に対する研磨効果が不十分となったり、あるいは高温高湿時において像流れが発生したりして、画像欠陥となってしまう場合があるためである。一方、かかる合計添加量が、5重量%以上の値となると、静電潜像現像用トナーの流動性が極端に悪化するため、画像濃度や耐久性が低下する場合がある。したがって、チタネート系カップリング剤で表面処理した酸化チタンの添加量を、0.15〜4.0重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.20〜3.0重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。

トナー製法
本発明のトナーはそれ自体公知の一般的な粉砕法によりトナー粒子を得ることができる。具体的には、混合工程、混連工程、粗粉砕工程、微粉砕工程、分級工程、外添工程を経てトナー粒子を得る。このような粉砕法以外にも、公知の重合法などのケミカル製法によってもトナー粒子を得ることができる。
またトナー粒子の、体積基準の中心粒径は4〜12μmであるのが好ましく、とくに6〜10μmであるのが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
なお、言うまでもないが、以下の説明は本発明を例示するものであり、特に理由なく、以下の説明に本発明の範囲は限定されるものではない。
酸化チタンの調整
以下の手順で4種類の酸化チタンを準備した。
酸化チタン1:
ルチル型(一次粒子径250nm)の酸化チタン原体にチタネートカップリング剤処理を行なった後、溶剤可溶分調整のためn−ヘキサン溶剤で洗浄し、酸化チタン1を得た。
酸化チタン2:
酸化チタン1のヘキサン溶剤洗浄の時間を短縮することで、酸化チタン2を得た。
酸化チタン3:
酸化チタン1のヘキサン溶剤洗浄の時間を酸化チタンよりももう少し短縮することで、酸化チタン3を得た。
酸化チタン4:
アナターゼ型(一次粒子径370nm)の原体を用い、酸化チタン1と同様の工程で酸化チタン4を得た。
酸化チタン5:
酸化チタン1のn−ヘキサン溶剤洗浄を施さない粒子を酸化チタン5とした。
これらの酸化チタンを表1に示す。
結着樹脂の製造
温度計、撹拌機、窒素導入管のついた反応器中にキシレン300質量部を入れ、窒素気流下で、スチレン845質量部、アクリル酸n-ブチル155質量部の混合モノマーとジ-tert-ブチルペルオキサイド(重合開始剤)8.5質量部とキシレン125質量部の混合溶液を用いて、170℃で3時間かけて滴下した。滴下後、170℃で1時間反応させ、重合を完了した。その後、脱溶剤して結着樹脂を得た。
このようにして製造したスチレン−アクリル系樹脂100重量部に、磁性粉としてのマグネタイト(796kA/m印加時に保持力5.0kA/m、飽和磁化82Am/kg、残留磁化11Am/kgであり、個数平均粒径0.25μm)100重量部、カルナバワックス5質量部、4級アンモニウム塩(オリエント化学社製の商品名「ボントロンP−51」)1質量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練したのちドラムフレーカーを用いて冷却し、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、さらにターボミルにより粉砕、風力分級機を用いて分級して体積平均粒子径7.8μmのトナー粒子を得た。
こうして得られたトナー粒子と表1に示した酸化チタン粒子ならびにシリカ(一次粒子径13nmのシリカ表面をシリコンオイルならびにアミノシラン処理を施したもの)を、トナーに対してシリカを0.7重量%、酸化チタンを1.0重量%添加しヘンシェルミキサーで混合し、磁性1成分正帯電現像剤を調製した。
この現像剤を用い、アモルファスシリコン感光体を搭載した京セラミタ(株)製のページプリンタFS1920のコロナ帯電方式を接触帯電ローラシステムに改造した改造機(28ppm(A4サイズ)、線速175mm/秒)を用い、初期画像特性、耐久性を評価した。なお、実験用改造機に使用した潜像保持体としては、膜厚14μmの薄膜アモルファスシリコンを用いた。
各特性の評価方法は、以下の通りである。
(1)画像特性(画像濃度・カブリ)
常温常湿環境(20℃、65%RH)にて初期時に上記ページプリンタにより画像評価パターンを印字して初期画像とし、その後、10万枚連続通紙を行い、再度画像評価パターンを印字して耐久後画像とし、それぞれソリッド画像をマクベス反射濃度計(RD914)を用いて測定し、同時にカブリを目視観察することにより初期画像、5万枚目及び10万枚目の画像特性評価を行った。画像濃度は1.30以上を〇とし、1.30未満を×とした。またカブリの評価は以下の判断基準を用いた。
○:カブリは見られない(カブリ濃度は0.01未満)。
△:目視にてややカブリが認められる(カブリ濃度は0.01程度)。
×:カブリがひどい(カブリ濃度は0.02以上)。
(2)ドラム汚れ
連続した画像形成を行った後、画像形成動作が終了したのを確認した後に、上記プリンター(FS1920改造機)のサイドカバーを開放し、ドラムユニットを引き出して感光体ドラム表面を目視観察することで、ドラム表面のトナー付着状態を観察した。ドラム汚れの評価はいかの判断基準を用いた。
○:目視観察においてトナーの付着がほとんど認められない。
△:目視観察においてトナーのわずかに付着が認められる。
×:目視観察においてトナーの顕著な付着が認められる。

結果を表2に示す
この実験結果から、n−ヘキサンの洗浄処理を行わなず、溶剤可溶分が34.5%であった酸化チタン5を使用した場合、溶剤洗浄を行って可溶分が8.5%(酸化チタン1)、14.3%(酸化チタン4)、25.0%(酸化チタン2)及び30.0%(酸化チタン3)に比べ、画像濃度の維持については問題は生じなかったものの、カブリが目視において2万目あたりから生じ始め、5万目ではカブリ濃度が0.01に達していた。その後耐刷を継続したところ10万枚目では0.025まで上昇した。この実験において、カブリが観察できた2万枚目において、ドラム表面を観察したところ、ドラム表面にはわずかではあるがトナーの付着が認められた。その後10万枚の耐久テスト後にドラム表面を観察したところ、顕著な汚れ(トナー付着)が生じていた。この原因として、溶剤可溶分が大きな酸化チタンを使用した比較例の場合、トナー表面に添加した酸化チタンが酸化チタン同士の凝集により脱離し、感光体表面の研磨性能を低下させた結果、感光体表面の劣化が進み、カブリが生じたものと考えている。このことから、酸化チタンの溶剤可溶分を30%以下に調整することの意義が確認できた。

Claims (2)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤を含む着色粒子と、この着色粒子表面に外添剤として溶剤可溶分が30%以下であるチタネートカップリング剤で表面処理された酸化チタンを有する静電潜像現像用トナー。
  2. 上記溶剤がn−ヘキサンである請求項1記載の静電潜像現像用トナー。
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