JP2007256860A - イオン導電材を巻装した転写ローラを有する電子写真転写装置及びこれを使用する画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写ローラの導電性軸芯の周囲にイオン導電材を巻装し、転写バイアス電流を転写ニップに流す転写装置において、転写ムラや像担持体へのダメージを防止する。
【解決手段】感光体1上に形成されたトナー像を記録体上に転写する転写ローラ2であって、導電性軸芯の周囲にイオン導電材を巻装したものと、転写ローラ2の表面に接触させ、転写中において、転写ローラ軸芯を経由して転写ニップに転写バイアス電流を流す転写電流付与手段(給電ローラ)3とを備える転写装置において、転写されるべきトナーは、少なくともバインダ樹脂からなるトナー粒子中に磁性粒子を内包する磁性トナーであって、磁性粒子は、その平均粒子径が0.01〜0.50μmであり、その粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体を基本とし八面体の各頂点および稜線が曲面状であり、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する磁性粒子を含む。
【選択図】図4
【解決手段】感光体1上に形成されたトナー像を記録体上に転写する転写ローラ2であって、導電性軸芯の周囲にイオン導電材を巻装したものと、転写ローラ2の表面に接触させ、転写中において、転写ローラ軸芯を経由して転写ニップに転写バイアス電流を流す転写電流付与手段(給電ローラ)3とを備える転写装置において、転写されるべきトナーは、少なくともバインダ樹脂からなるトナー粒子中に磁性粒子を内包する磁性トナーであって、磁性粒子は、その平均粒子径が0.01〜0.50μmであり、その粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体を基本とし八面体の各頂点および稜線が曲面状であり、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する磁性粒子を含む。
【選択図】図4
Description
本発明は、イオン導電材を巻装した転写ローラを有する電子写真転写装置及びこれを使用する画像形成装置に関し、特に、転写中にその転写ローラにバイアス電圧を印加し転写ローラ軸芯を経由して転写ニップに転写バイアス電流を流す転写装置と組み合わせて、八面体の頂点及び稜線を丸めた丸八角形磁性粒子を含有するトナーを使用する転写装置、及びこれを使用する画像記録装置に関する。
電子写真方式で感光体ドラム上に形成されたトナー画像を用紙などの転写材に転写する手段としては、従来、コロトロンあるいはスコロトロンのチャージャを用いたものがあるが、近年、オゾン発生量の抑制、転写材の搬送安定性、転写高圧トランスの低出力化等の観点から、転写ローラが多く用いられるようになっている。
この転写ローラは、環境安定性に優れたカーボンや金属酸化物をEPDM(エチレンプロピレンゴム)、ウレタン、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等に分散させたり、エピクロルヒドリンゴムやニトリルゴムとエピクロルヒドリンゴムをブレンドしたもの、イオン導電性のものにカーボン導電性を付与し、環境変動を抑えたハイブリッドタイプなどがよく用いられている。
しかし、感光体(像担持体)としてアモルファスシリコン(a−Si)を用いた場合、転写に必要な電流は、OPCなどに比較して10倍程度必要となり、転写ローラ中のカーボンや金属酸化物の分散ムラが有ると、そこに生じた導電路への電荷集中により、転写ムラが起こったり、アモルファスシリコンのSi−C層が破壊されて画像上に黒点が発生するという問題がある。
こういったことに対処するため、例えば特許文献1ないし特許文献3には、転写ローラの電荷供給作用の制御を容易にしてトナー像の保持を確実にし、トナー飛び散り等を防止したり(特許文献1)、環境条件や転写材の違いに拘わらず安定した転写性を得たり(特許文献2)、転写ローラに転写電荷が充分充電されずに転写動作を行うのを防ぐため(特許文献3)、転写ローラの少なくとも表層に誘電体層を設け、該誘電体層表面にローラ状の帯電部材を接触させて転写ローラ上に転写電荷を供給し、この転写電荷によって感光体ドラムの像担持体上のトナー画像を用紙などの転写部材に転写させる技術が開示されている。
特開平6−138784号公報
特開平9−34278号公報
特開平9−80937号公報
しかし、これらの特許文献に開示された技術では、誘電体層の転写電荷蓄積にムラが生じやすく、画像形成時に転写手段に印加する電圧を決定する制御動作や転写部材の抵抗値を検知する制御を行ったり(特許文献1)、環境条件や転写材の種類に応じて誘電体層裏面を接地したり(特許文献2)、転写ローラへの転写電荷充電が充分おこなわれるよう転写動作前に充電操作を行うようにする(特許文献3)など、複雑な制御が必要である。
また、画像形成を行わない用紙と用紙との間でのカブリ成分による転写ローラへの汚染が問題となっていた。
また、従来のトナーでは、転写ローラへ印加する給電ローラへのトナーによる汚染がひどく、フィルミングを発生させてしまい、そのため、給電ムラを生じ、結果として転写ムラを発生させ画像欠陥を招いていた。さらには、給電ローラを傷つけてしまい、そのため、給電ムラを生じ、結果として画像欠陥を招いていた。
そこで、本発明の課題は、転写ムラや像担持体へのダメージを防止した転写装置及びこれを使用する画像形成装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明では、第1に、感光体上に形成されたトナー像を記録体上に転写する転写ローラであって、導電性軸芯の周囲にイオン導電材を巻装したものと、転写ローラの表面に接触させ、転写工程中において、転写ローラ軸芯を経由して転写ニップに転写バイアス電流を流す転写電流付与手段とを備える転写装置において、当該トナーは、少なくともバインダ樹脂からなるトナー粒子中に磁性粒子を内包する磁性トナーであって、磁性粒子は、その粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体を基本とし八面体の各頂点および稜線が曲面状であり、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する磁性粒子を含む。
本発明では、第2に、磁性粒子が、Feに対して0.1〜10原子%の、Mn、Zn、Ni、Cu、Al、Ti、およびSiから選ばれる少なくとも1種の元素を含むマグネタイトからなる。
本発明では、第3に、磁性粒子は、その平均粒子径が0.01〜0.50μmである。
本発明では、第4に、トナーは、磁性粒子を35〜60質量%内包する。
第5に、本発明の画像形成装置は、静電潜像を形成する感光体と、静電潜像をトナーで現像する現像手段と、当該トナー像を記録体に転写する上述の転写装置と、トナー像を記録体上に定着する定着手段とを備える。
本発明によれば、第1に、転写バイアス印加手段を有する転写装置により、所定の磁性トナーによるトナー像を用紙などの記録体上に転写すれば、転写ローラへの転写ムラや感光体のダメージを防止することが出来る。
本発明によれば、第2に、所定組成のマグネタイトを生成する化学反応の制御により、丸八面体磁性粒子を容易に得ることが出来る。
本発明によれば、第3に、所定の平均粒子径の磁性粒子をバインダ樹脂に分散させることにより、トナーからの磁性粒子の脱落を防止し、転写ローラや給電ローラ(転写電流付与手段)の汚染を防止することができる。
本発明によれば、第4に、所定量の磁性粒子をバインダ樹脂中に分散させることにより、トナー帯電量が制御され給電ローラの汚染が低減される。
本発明によれば、第5に、転写ムラや感光体へのダメージを防止し、高品質の画像を与える画像形成装置が提供される。
このように、上述した転写装置に好適なトナーについて検討した結果、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体を基本とし、かつ八面体の各頂点および稜線が曲面状である粒子形状を有する磁性粒子を使用することとした。上記の粒子形状を有する磁性粒子は、頂点と稜線がいずれも曲面状とされ、尖った頂点や稜線を有しないことから、多面体の頂点や稜線を小さな平面で面取りした磁性粒子に比べて、磁性トナーに内包させた際に、給電ローラ(転写電流付与手段)へのキズの発生を起こしにくくすることができる。ただし、上記の粒子形状であっても、曲面状とした頂点および稜線の曲率半径が大きすぎる場合には、給電ローラを研磨し常に最適な表面状態を維持する効果が得られない。そこで、発明者は、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて撮影した磁性粒子の投影像から、曲面状とした頂点および稜線の曲率半径の範囲を規定する。具体的には、曲面状とした頂点や稜線の曲率半径が大きすぎて、隣り合う頂点や稜線の曲面が繋がってしまい、投影像の外周部に直線とみなせる部分を有しない、球状に近い磁性粒子は、球状のものと同様に、給電ローラを研磨し、フィルミングを防止する効果が得られないのに対し、八面体の各頂点および稜線が曲面状であると共に、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する磁性粒子は、隣り合う面が交差する稜線や頂点が曲面で構成されているものの、その曲面の曲率半径が、同等の粒径を有する球状の磁性粒子の曲率半径に比べて小さいため、当該磁性粒子を磁性トナーに内包させた際に、頂点や稜線を曲面状としない磁性粒子を用いる場合に比べて給電ローラを適度に研磨しながら、なおかつ、給電ローラのフィルミングを防止できる。
また、磁性粒子としては、磁性トナーに良好な磁気特性を付与することを考慮すると、Feに対して0.1〜10原子%の、Mn、Zn、Ni、Cu、Al、Ti、およびSiから選ばれる少なくとも1種の元素を含むマグネタイト(四三酸化鉄)からなるものを用いることが好ましい。
また、平均粒子径が0.01μm未満である磁性粒子は、給電ローラに対する研磨性が弱く、フィルミングを発生させてしまうという問題がある一方、平均粒子径が0.50μmを超える磁性粒子は、逆に、研磨性が強くなりすぎてしまう為、給電ローラへのキズを発生させてしまうという問題がある。そのため、磁性粒子の平均粒子径は、0.01〜0.50μmである必要がある。また、効果のバランスを考慮すると、磁性粒子の平均粒子径は、上記の範囲内でも特に、0.05〜0.35μmであるのが好ましい。
磁性粉の、トナー粒子中に占める割合は、35〜60質量%であるのが好ましく、35〜55質量%であるのがさらに好ましい。磁性粉の割合がこの範囲未満では、現像剤担持体に内蔵した固定磁石の磁力によって、当該現像剤担持体の表面に磁性トナーの薄層を保持する効果が低下するため、特に画像形成を繰り返した際に地カブリが発生するおそれがある。また、配合割合がこの範囲を超える場合には、逆に、現像剤担持体の表面に磁性トナーの薄層を保持する効果が強くなり過ぎるため、画像濃度が低下するおそれがある。また、相対的にバインダ樹脂の割合が低下するため、磁性トナーの、紙等の被印刷物の表面への定着性が低下したり、耐久性が低下したりするおそれもある。
なお、転写ローラは用紙などとの接触による摩擦等により、付着物が定期的に削り取られ、常に最適の状態を保持することが可能である。しかし、給電ローラはそのような研磨媒体がないため、耐久試験を行うに従い、徐々に付着物が堆積し、汚染される。その結果、給電ローラからのバイアス供給が不安定となり、転写ムラを起こし、画像欠陥を引き起こす。つまり、給電ローラは転写ローラよりも付着、汚染物に対し、不利となる。すなわり、給電ローラを常に最適な状態に保つことが必要とされるのであり、そのため、適度な研磨性を有する丸8面体磁性粒子を含有するトナーを使用する。
本発明によれば、転写ムラや像担持体へのダメージを防止した転写装置及びこれを使用する画像形成装置が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。但し、本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等に特定的な記載があっても、本発明をそれに限定する趣旨ではない。
本発明では、丸八面体磁性分を含有するトナーを、イオン導電材で被覆した転写ローラに好適に組み合わせる。そこで、転写装置、画像形成装置、トナーの順に説明する。
[転写装置] 図1に示す転写装置においては、電子写真方式により形成されたトナー画像を担持する感光層がアモルファスシリコン感光体である感光体(像担持体)ドラム1に、導電性軸芯の周囲にエピクロルヒドリンゴムなどのイオン導電材を単層のソリッドまたは発泡弾性体として巻装した転写ローラ2を圧接して転写ニップを形成し、その転写ニップと転写ローラ2の中心に対して逆側に、SUSなどの導電材を用いた転写電流付与手段としての給電ローラ(転写電流付与手段)3を圧接して転写バイアス電源4を接続する。
なお、イオン導電材としては、金属錯体(例えば過塩素酸リチウム)や、1エチル−3メチル−イミタゾリウム−ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドなどをNBR等に添加したものやしたエピクロルヒドリンゴムなどを用いることができ、イオン導電材を挟んだ+と−の電極の間に電圧を印加すると、印加された電圧により形成された電界によって+イオンと−イオンが給電ローラ3内を移動し電流が流れる。
そのため、このようなイオン導電材を用いて転写ローラ2を構成すると、従来のカーボンや金属酸化物を用いて導電性を付与した転写ローラと異なり、イオンは分散ムラを生ぜずに電荷集中が起こりにくいから、感光体ドラム1にダメージを与えて黒点が発生するなどの不具合は生じない。
なお、従来用いられていたカーボンや金属酸化物をEPDM等に分散させた電子導電タイブの転写ローラでは、したようなカーボンや金属酸化物の分散ムラに起因する導電路への電荷集中による転写ムラや感光体(像担持体)ドラム1へのダメージの他に、転写ローラ2に給電ローラ3を圧接した場合、転写ローラ2中のカーボンや金属酸化物による通電路が切断され、抵抗が増してしまうという現象が生じる。
しかし、このイオン導電材を用いた転写ローラ2であっても、転写バイアス電源4を転写ローラ2の軸芯に接続して電流を印加した場合、転写電流が転写ローラ2の軸芯から、感光体(像担持体)ドラム1と転写ローラ2とが接して転写材(記録媒体)を挟む転写ニップの方向に流れているとすると、イオン導電材の中のイオンは転写ニップで常時転写ローラ2の外周方向に流れて分極し、時間と共に、抵抗値が増えてしまう。
そのため、イオン導電材を巻装した転写ローラ2を感光体ドラム1に圧接して転写ニップを形成すると共に、その転写ニップとは逆側に、SUSなどの導電材を用いて転写バイアス電源4を接続した給電ローラ3を圧接して給電することで、この分極を防ぐ。
この分極を防ぐメカニズムを図2に基づいて説明すると、図2(A)において、転写ローラ2における感光体ドラム1と接触してニップを形成している特定部位には、矢印24に示したように給電ローラ3から転写ローラ2における軸芯21を経由して転写電流が流れるとする。この給電ローラ3から転写ローラ2の軸芯21を経由して感光体(像担持体)ドラム1とのニップ部に流れる電流は、常時この方向に流れるが、転写ローラ2が回転すると、図2(A)の矢印24を描いた特定部位は、90度回転した図2(B)では矢印24が図上右方向を向き、さらに90度回転した図2(C)では矢印24は、図2(A)の場合とは全く逆方向の給電ローラ3側を向く。すなわち、図2(A)で矢印24の方向に電流が流れていた転写ローラ2の特定部位は、図2(C)では全く逆方向の26で示した電流が流れることになり、転写ローラ2におけるイオン導電材にかかる電界は、転写ローラ2の半回転毎に逆方向になる。
そのため、転写バイアス電源4を転写ローラ2の軸芯21に接続した時と異なり、イオン導電材の中のイオンから見ると半周毎に電界の方向が反転するようになり、例えば図1に示したように、感光体(像担持体)ドラム1を接地して給電ローラ3に−を印加すると、図2(A)における矢印24で示した部位では、−イオンが、転写ローラ2における軸芯21から感光体(像担持体)ドラム1までは感光体(像担持体)ドラム1側へ、転写ローラ2における給電ローラ3から軸芯21までは軸芯21側に集まり、半周した図2(C)においては、図2(A)で感光体(像担持体)ドラム1側へ集まったイオンが軸芯21側へ、軸芯21側に集まったイオンが感光体(像担持体)ドラム1側に集まってくる。
従って、転写ローラ2を構成するイオン導電材中のイオンは半周毎に転写ローラ2における外周部と軸芯21側に交互に移動し、分極が起こることがない。
なお以上の説明では、給電ローラ3を転写ローラ2における感光体ドラム1とは反対側に位置させ、感光体(像担持体)ドラム1と転写ローラ2と給電ローラ3におけるそれぞれの中心が略直線上に配置された場合を例に説明してきたが、本発明の転写装置は、給電ローラ3から供給した電流が転写ローラ2における軸芯21を経由して転写ニップに流れればよく、そのためには、給電ローラ3が図3に示したような位置に配置されても同様な効果を得ることができる。
この図3に示した給電ローラ3の位置は、rを転写ローラ2の半径、r0を転写ローラ軸芯21の半径、Lを転写電流付与手段としての給電ローラ3が転写ローラ2と接している位置から、感光体(像担持体)ドラム1と転写ローラ2とが接している転写ニップまでの直線距離としたとき、給電ローラ3を、式(1)を満足する位置に配置する。
L≧2(r−r0) ・・・(1)
L≧2(r−r0) ・・・(1)
すなわち、転写ローラ2の軸芯21は導電性であるから、転写ローラ2を構成するイオン導電材が全体的に均質な体積抵抗を有していると仮定すれば、給電ローラ3から転写ローラ2に給電した転写電流は、より抵抗値の低い経路を通って転写ニップに達する。そのため給電ローラ3を式(1)で示したように、給電ローラ3が転写ローラ2と接している位置から感光体(像担持体)ドラム1と転写ローラ2とが接している転写ニップまでの直線距離Lを、給電ローラ3と転写ローラ2が接している位置から軸芯21までの距離、すなわち(r−r0)を2倍した距離より大きくなるような位置とすると、転写電流が給電ローラ3から軸芯21を経由して転写ニップに達することとなり、した、分極を防ぐために充分な電界の反転効果が得られる。例えばrは10mm、r0は3mm、Lは20mmであり、感光体1の中心と転写ローラ2の中心を結ぶ線と給電ローラ3の中心と転写ローラ2の中心を結ぶ線のなす角度が略90度(Lが約14mmである)〜180度で上記式(1)が成立する。(抵抗値の最も低くなる経路を電流が流れるため)
なお、この給電ローラ3の設置位置は、以上説明してきたLとr、r0との距離的な関係だけでなく、転写ローラ2を構成するイオン導電材における、(r−r0)間の体積抵抗、すなわち給電ローラ3から軸芯21までの体積抵抗Rvと軸芯21から転写ニップまでの体積抵抗Rvとを加えた値と、転写ローラ2における給電ローラ3と接触する位置から転写ニップまでの表面抵抗値Rsとの関係として規定しても良い。これは、転写ローラ2における表面抵抗値Rsが、給電ローラ3から軸芯21を経由して転写ニップに至るまでの体積抵抗2Rvより大きい式(2)を満足する位置であってもよい。
Rs>2Rv ・・・・・・(2)
これによっても、転写電流が給電ローラ3から軸芯21を経由して転写ニップに達することとなり、したがって、分極を防ぐために充分な電界の反転効果が得られることになる。なお、転写ローラ2をイオン導電材で構成した場合、表面抵抗値Rsは、例えば、1×109Ω、体積抵抗Rvは1×107Ω程度になる。
Rs>2Rv ・・・・・・(2)
これによっても、転写電流が給電ローラ3から軸芯21を経由して転写ニップに達することとなり、したがって、分極を防ぐために充分な電界の反転効果が得られることになる。なお、転写ローラ2をイオン導電材で構成した場合、表面抵抗値Rsは、例えば、1×109Ω、体積抵抗Rvは1×107Ω程度になる。
すなわち本実施形態の転写装置によれば、簡単な構成で、しかも複雑な制御を要さずに転写ムラや像担持体へのダメージを防止し、さらに、イオンの偏り(分極)に起因する、抵抗値の上昇による転写ローラ耐久性の悪化を防止して、常に安定した転写性能を発揮できる転写装置を提供することができる。
[画像形成装置] 図4は、本実施形態の画像形成装置であり、転写装置は上述したとおりのものである。この画像形成装置は、静電潜像を形成する感光体ドラム1と、帯電ローラ26と、帯電ローラクリーニングローラ27と、画像を前記感光体上に露光する図示しない露光手段と、前記露光により形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段5と、当該トナー像を記録体に転写する転写ローラ2と、転写電流付与手段3と、バイアス電源4、前記記録体上の前記トナー像を前記記録体上に定着する定着手段(加熱ローラ61、加圧ローラ62)と、クリーニング手段7と、除電手段8とを備える。
感光体ドラム1表面の潜像保持体としては、有機または無機の、従来公知の種々の感光体が使用できる。このうち、無機の感光体としては、例えば、導電性基体上に、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム等の無機光導電材料の薄膜からなる感光層を形成したもの等が挙げられる。また、有機の感光体としては、導電性基体上に、単層型または積層型の、有機の感光層を形成したものが挙げられ、このうち単層型の感光層としては、電荷発生剤、電荷輸送剤等をバインダ樹脂中に分散させたものが挙げられる。また、積層型の感光層としては、電荷発生剤からなる電荷発生層と、電荷輸送剤をバインダ樹脂中に分散させた電荷輸送層とをこの順に、または逆の順に積層したもの等が挙げられる。
潜像保持体としての感光体の表面に静電潜像を保持させるためには、弾性体で被覆した帯電ローラ26に直流電圧、又は、直流重畳交流電圧を印加して、感光体ドラム1を所定極性に帯電させる。クリーニングローラ27は、クリーニング手段7をすり抜けた残留トナーや紙粉などが帯電ローラに付着するのを防止するものであり、ブラシローラが好適である。ただし、帯電ローラ26に限らず、コロトロン・スコロトロンを用いてもよい。
一様帯電後、感光体ドラム1の感光体上に、図示しない露光手段により、反射原稿を結像するか、画像信号で変調され感光体ドラム1軸方向に走査されたレーザ光を結像するなどして、静電潜像が形成される。
現像手段5では、磁性1成分ジャンピング現像方法により、静電潜像を保持する感光体ドラム1と、磁性トナーの薄層が形成される現像剤担持体とを、薄層と潜像保持体とが接触しないように間隙を保持して対峙させた状態で、薄層から、磁性トナーを潜像保持体の表面に飛翔させて、静電潜像をトナー像に顕像化する。
その後、形成したトナー像を紙等の被印刷物の表面に転写手段2及び3により転写し、定着手段61及び62により定着して画像形成する。定着手段の加熱ローラ61は、例えば、アルミにニウム円筒の外周にシリコーンゴムなどを被覆したものであり、円筒内部には、抵抗加熱体や石英ランプなどの熱源を有する。また、加圧ローラ62は、例えば、アルミにニウム円筒の外周にシリコーンゴムなどを被覆したものである。
感光体の表面に残留した磁性トナーをクリーニング除去するためのクリーニング手段7としては、感光体の表面に圧接させた弾性ブレードを用いるのが好ましい。また、弾性ブレードとしては、ゴムや軟質の樹脂等からなる、従来公知の種々の弾性ブレードを採用することができる。具体的には、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ウレタン樹脂等からなる弾性ブレードが挙げられる。弾性ブレードは、トナーを良好にクリーニング除去すると共に、感光体の表面に圧接痕等を生じないことを考慮すると、10〜50g/cmの線圧で圧接させるのが好ましい。
除電ランプ8は、白色光源などであり、画像形成後の残留電位を除去し、次の画像形成に備える。
[トナー中の磁性粒子] 図5は、トナー中の磁性粒子の概念図であり、8面体の稜線及び頂点を丸めた丸8面体であり、電荷の放出点となる尖った頂点や稜線が存在しないことが特徴である。しかし、頂点と稜線が曲面状であるといっても、その曲率半径が大きすぎて、隣り合う頂点や稜線の曲面が繋がってしまって、投影像の外周部に直線とみなせる部分を有しないような球形に近いものではなく、図6に示すように、投影像の外周には直線とみなせる部分が残っており、八面体としての特徴を残していることも特徴である。
[磁性粒子の形状] 磁性粒子は、平均粒子径が0.01〜0.50μmである必要がある。平均粒子径が0.01μm未満である磁性粒子は、給電ローラに対する研磨性が弱く、フィルミングを発生させてしまうという問題がある。一方、平均粒子径が0.50μmを超える磁性粒子は、逆に、研磨性が強くなりすぎてしまう為、給電ローラへのキズを発生させてしまうという問題がある。なお、効果のバランスを考慮すると、磁性粒子の平均粒子径は、上記の範囲内でも特に、0.05〜0.35μmであるのが好ましく、0.15〜0.30μmであるのがさらに好ましい。磁性粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡によって撮影した写真(倍率1万倍)を4倍に拡大して、写真に写された300個の磁性粒子について測定したマーチン径(円相当径)の平均値である。
[磁性粒子の材料] 磁性粒子の材料の一例としては、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属やその合金、またはこれらの元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、もしくは二酸化クロム等からなるものを挙げることができ、中でもフェライト、マグネタイトからなる磁性粒子が好ましい。特に、磁性トナーに良好な磁気特性を付与することを考慮すると、磁性粒子としては、Feに対して0.1〜10原子%の、Mn、Zn、Ni、Cu、Al、Ti、およびSiから選ばれる少なくとも1種の元素を含むマグネタイトによって形成した磁性粒子を用いるのが好ましい。
[磁性粒子の製造方法の一例] 例えば、1.5mol/リットルのFe2+を含む硫酸第一鉄塩水溶液26.7リットルを、あらかじめ反応容器中に準備した3.4Nの水酸化ナトリウム水溶液25.9リットル(Fe2+に対し1.10当量に相当する)に加え、90℃に加熱して、pHを10.5に維持しながら、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩懸濁液を生成する。次に、上記懸濁液の液温を90℃に維持しながら、毎分100リットルの空気を80分間に亘って吹き込んで、第一鉄塩の酸化反応率が60%になるまで酸化反応させる。次に、上懸濁液に、そのpHが6.5になるように、硫酸水溶液を添加した後、液温を90℃に維持しながら、毎分100リットルの空気を50分間に亘って吹き込んで、懸濁液中にマグネタイト粒子を生成させる。次に、上記マグネタイト粒子を含む懸濁液に、そのpHが10.5になるように、水酸化ナトリウム水溶液を添加した後、液温を90℃に維持しながら、毎分100リットルの空気を20分間に亘って吹き込んだ後、生成したマグネタイト粒子を常法により水洗し、濾別し、乾燥したのち、マグネタイト粒子の凝集物を粉砕する。そうすると、粒子形状が、八面体を基本とし、その頂点および稜線が曲面状であるマグネタイト粒子からなる磁性粒子が合成される。
また、上記の合成反応を行う際に、水酸化アルカリ水溶液、もしくは水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に、水可溶性ケイ酸塩等の、水溶性の各種金属化合物を、各々の金属に換算して、Feに対して0.1〜10原子%の割合で加えると共に、第1段階の反応において、酸素含有ガスの通気を開始する際の、液のpHを8.0〜9.5に調整すると、合成される磁性粒子は、上で述べた、Feに対して、上記所定の割合でMn、Zn、Ni、Cu、Al、Ti、およびSiから選ばれる少なくとも1種の元素を含むマグネタイトからなるものとなる。
[磁性粒子とトナーとの関係]
磁性粒子の、トナー粒子中に占める割合は、35〜60質量%であるのが好ましく、35〜55質量%であるのがさらに好ましい。磁性粒子の割合がこの範囲未満では、現像剤担持体に内蔵した固定磁石の磁力によって、当該現像剤担持体の表面に磁性トナーの薄層を保持する効果が低下するため、特に画像形成を繰り返した際に地カブリが発生するおそれがある。また、配合割合がこの範囲を超える場合には、逆に、現像剤担持体の表面に磁性トナーの薄層を保持する効果が強くなり過ぎるため、画像濃度が低下するおそれがある。また、相対的にバインダ樹脂の割合が低下するため、磁性トナーの、紙等の被印刷物の表面への定着性が低下したり、耐久性が低下したりするおそれもある。
磁性粒子は、バインダ樹脂中に良好に分散させることを考慮すると、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、各種脂肪酸などの表面処理剤で表面処理を施してもよい。このうち、シラン系カップリング剤が好ましく、その具体的化合物としては、例えばヘキサメチルジシラザンなどである。
[トナー中のバインダ樹脂] バインダ樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等が挙げられ、特にポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。
通常の画像形成装置において用いる熱定着手段によって、紙等の被印刷物の表面に良好に定着させることを考慮すると、バインダ樹脂の軟化点は、80〜150℃であるのが好ましく、90〜140℃であるのがさらに好ましい。
バインダ樹脂は、その一部が架橋構造を有しているのが好ましい。一部に架橋構造を導入することによって、定着性を低下させることなく、磁性トナーの保存安定性や形態保持性、耐久性等を向上させることができる。バインダ樹脂の一部を架橋構造とするためには、架橋剤を添加して樹脂を架橋させたり、熱硬化性樹脂を配合したりすればよい。熱硬化性樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂などが挙げられる。
バインダ樹脂のガラス転移温度Tgは、50〜65℃であるのが好ましく、50〜60℃であるのがさらに好ましい。ガラス転移温度がこの範囲未満では、トナー粒子同士が融着しやすくなって保存安定性が低下するおそれがある。また、樹脂の強度が低いため、潜像保持体の表面に付着して離れなくなる、トナー付着を生じるおそれもある。また、逆にガラス転移温度がこの範囲を超える場合には、紙等の被印刷物の表面への定着性が低下するおそれがある。なお、バインダ樹脂のガラス転移温度は、例えば示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した吸熱曲線における、比熱の変化点から求めることができる。具体的には、例えば、セイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計DSC−6200を用い、測定試料10mgをアルミパン中に入れると共に、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分で、常温、常圧下で測定を行って、得られた吸熱曲線における比熱の変化点から、バインダ樹脂のガラス転移温度を求めることができる。
磁性トナーには、例えば着色剤、電荷制御剤、ワックス等の、従来公知の種々の添加剤を含有させることもできる。このうち着色剤としては、色調を調整するためにカーボンブラック等の顔料や、アシッドバイオレット等の染料が挙げられる。着色剤の、トナー粒子中に占める割合は、0.5〜5質量%程度であるのが好ましい。
[電荷制御剤] 電荷制御剤は、磁性トナーの帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を向上させると共に、耐久性や安定性を向上させるために配合される。電荷制御剤には、正帯電性のものと負帯電性のものとがあり、磁性トナーの帯電極性に合わせて、そのいずれか一方が配合される。正帯電性の電荷制御剤としては、例えばピリダジンなどが上げられる。また、負帯電性の電荷制御剤としては、例えば、有機金属錯体やキレート化合物が有効であり、中でもアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好ましい。
電荷制御剤の、トナー粒子中に占める割合は、0.5〜15質量%であるのが好ましく、0.5〜8.0質量%であるのがさらに好ましく、0.5〜7.0質量%であるのが特に好ましい。電荷制御剤の割合がこの範囲未満では、磁性トナーに安定した帯電特性を付与することが困難となり、画像濃度が低くなったり、耐久性が低下したりするおそれがある。逆に、上記の範囲を超える場合には、磁性トナーの耐環境性、特に高温高湿下での帯電不良、画像不良を生じやすい。また、バインダ樹脂に対する分散不良が起こりやすいことから、地カブリの原因となったり、分散されずに凝集した電荷制御剤が感光体を汚染したりするおそれもある。
[ワックス] ワックスは、磁性トナーの、紙等の被印刷物の表面への定着性を向上させたり、定着時の磁性トナーが、画像形成装置の定着ローラ等に付着するオフセットを防止して、耐オフセット性を向上させたり、定着ローラ等に付着した磁性トナーが、被印刷物の表面に再付着して画像を汚す、像スミアリングを防止したりするために配合される。
ワックスとしては、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のオレフイン系ワックス類などが挙げられる。
ワックスとしては、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のオレフイン系ワックス類などが挙げられる。
ワックスの、トナー粒子中に占める割合は、1〜5質量%であるのが好ましい。ワックスの割合がこの範囲未満では、磁性トナーの対オフセット性を向上させたり、像スミアリングを防止したりする効果が不十分になるおそれがあり、逆にこの範囲を超える場合には、トナー同士が融着しやすくなって、保存安定性が低下するおそれがある。
[磁性トナーの製造方法の一例] 磁性トナーは、上記の各成分を、ヘンシェルミキサー等のかく拌混合機を使用して混合し、次いで押出機等の混練機を用いて混練したのち、冷却し、さらに粉砕すると共に、必要に応じて分級することで製造される。また上記の各成分を湿式混合してもよい。かくして製造される本発明の磁性トナーは、体積基準の中心粒径が5〜10μmであるのが好ましい。
また、製造された磁性トナーは、流動性や保存安定性、潜像保持体の表面からのクリーニング除去しやすさを示すクリーニング性等を向上させるため、その表面を、必要に応じて、例えばコロイダルシリカ、疎水性シリカ、アルミナ、酸化チタン等の微粒子(外添剤、通常は、平均粒径が1.0μm以下)によって表面処理してもよい。表面処理は、磁性トナーと外添剤とを乾式混合するのが好ましく、特に外添剤がトナー粒子の表面に埋め込まれるのを防止するために、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等を使用して混合するのが好ましい。外添剤の添加量は、トナー粒子に対して0.2〜10.0質量%であるのが好ましい。また外添剤は、必要に応じて、アミノシラン、シリコーンオイル、シラン系カップリング剤(ヘキサメチルジシラザン等)、チタン系カップリング剤等によって表面処理しても良い。
磁性トナーは、特に、磁性1成分ジャンピング現像方法により、静電潜像を保持する潜像保持体と、固定磁石を内蔵して回転し、その表面に、磁性トナーの薄層が形成される現像剤担持体とを、薄層と潜像保持体とが接触しないように間隙を保持して対峙させた状態で、薄層から、磁性トナーを潜像保持体の表面に飛翔させて、静電潜像をトナー像に顕像化した後、形成したトナー像を紙等の被印刷物の表面に転写し、定着して画像形成する画像形成方法に使用するのが好ましい。
以下、実施例、比較例について説明する。
[実施例1の磁性トナー] 透過型電子顕微鏡によって撮影した写真(倍率1万倍)を4倍に拡大して、写真に写された300個の磁性粒子についてマーチン径(円相当径)を測定し、その平均値を求めて、磁性粒子の平均粒子径とした。
バインダ樹脂の合成のため、温度計、かく拌機、窒素導入管、および還流管を接続した反応容器中にキシレン300質量部を入れ、窒素導入管から継続的に窒素を導入しながら、反応容器を加熱して液温を170℃に維持しつつ、スチレン845質量部、アクリル酸n−ブチル155質量部、およびジ−tert−ブチルペルオキシド8.5質量部をキシレン125質量部に溶解した溶液を、上記反応容器中に3時間かけて滴下し、滴下終了後、170℃でさらに1時間かく拌を続けたのち、溶剤を除去して、バインダ樹脂としてのスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体を製造した。
磁性トナーの製造のため、磁性粒子としては、Feに対して1.1原子%のZnを含むマグネタイトからなり、粒子形状が、図8に示すように、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体を基本とし、八面体の各頂点および稜線が曲面状であると共に、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する、平均粒子径が0.24μmである磁性粒子を用いた。
合成したバインダ樹脂49質量部と、上記の磁性粒子45質量部と、離型剤としてのフィッシャー・トロプシュワックス〔サゾール社製のサゾールワックスH1〕3質量部と、正電荷制御剤としての4級アンモニウム塩〔オリエント化学(株)製のボントロンP−51〕3質量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、2軸押出機を用いて混練し、冷却した後、ハンマーミルを用いて粗粉砕した。次いで、機械式粉砕機を用いて微粉砕した後、気流式分級機を用いて分級して、体積基準の中心粒径が8.0μmである磁性トナーを製造した。
[比較例1の磁性トナー] 磁性粒子として、実施例1で使用したのと同じ組成のマグネタイトからなり、粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体状で、かつその頂点および稜線が曲面状とされていない、平均粒子径が0.24μmである磁性粒子を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして、体積基準の中心粒径が8.0μmである磁性トナーを製造した。
[比較例2の磁性トナー] 磁性粒子として、実施例1で使用したのと同じ組成のマグネタイトからなり、粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体を基本とし、八面体の各頂点および稜線が曲面状であると共に、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有しない、平均粒子径が0.20μmである磁性粒子を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして、体積基準の中心粒径が8.0μmである磁性トナーを製造した。
[比較例3の磁性トナー] 磁性粒子として、実施例1で使用したのと同じ組成のマグネタイトからなり、粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体状で、かつその頂点および稜線が、特許文献1の図6(b)に見るように、八面体を構成する各面よりも小さな平面によって面取りされた、平均粒子径が0.22μmである磁性粒子を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして、体積基準の中心粒径が8.0μmである磁性トナーを製造した。
[比較例4の磁性トナー] 磁性粒子として、実施例1で使用したのと同じ組成のマグネタイトからなり、粒子形状が球状で、かつその平均粒子径が0.24μmである磁性粒子を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして、体積基準の中心粒径が8.0μmである磁性トナーを製造した。
上記各実施例、比較例の磁性トナー100質量部に、シリカ〔日本アエロジル工業(株)製のRA−200H〕1.0質量部と、酸化チタン〔チタン工業(株)製のEC−100〕2.0質量部とを加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合した後、潜像保持体として有機感光体を搭載した、磁性1成分ジャンピング現像方式の、レーザープリンタ、静電式複写機、および普通紙ファクシミリ装置の機能を兼ね備えた複合機〔京セラミタ(株)製のKM−1650、感光体の線速:100mm/s、現像剤担持体の線速:160mm/s〕の転写装置を本発明転写装置(半径4mmの導電性軸心の周囲にエピクロルヒドリンゴムの弾性体層を形成した半径10mmの転写ローラを使用し、感光体の線速と同じ線速にて回転させた。また給電ローラとしては半径4mmのSUS416を使用し、図1の配置にて転写ローラにニップさせた。このときにニップ位置から転写ローラと感光体ドラムとのニップ位置までの直線距離は転写ローラの直径に相当している。そして転写バイアスとして給電ローラより 2k V印加した。)に改造し、下記の各特性を評価した。なお、現像剤担持体としては、径が20φ、表面の十点平均粗さRzが4.0μmである、SUS305製のものを用いた。
(1) 上記改造した複合機を用いて、ISO4%原稿を10万枚、連続画像形成した後、給電ローラ表面状態を目視評価にて行い、フィルミング、キズを下記の基準で評価した。
フィルミング:
○:ファイルミングは全く見られなかった。
△:ファイルミングが僅かに見られた。
×:強いファイルミングが見られた。
キズ:
○:キズは全く見られなかった。
△:キズが僅かに見られた。
×:強いキズが見られた。
フィルミング:
○:ファイルミングは全く見られなかった。
△:ファイルミングが僅かに見られた。
×:強いファイルミングが見られた。
キズ:
○:キズは全く見られなかった。
△:キズが僅かに見られた。
×:強いキズが見られた。
(2) 上記(1)で行ったISO4%原稿を10万枚、連続画像形成した後、黒ベタ画像パターンを出力し、転写ムラ、ヌケの確認を行い、下記の基準で評価した。
転写ムラ:
○:転写ムラは全く見られなかった。
△:転写ムラが僅かに見られた。
×:強い転写ムラが見られた。
転写ヌケ:
○:転写ヌケは全く見られなかった。
△:転写ヌケが僅かに見られた。
×:強い転写ヌケが見られた。
転写ムラ:
○:転写ムラは全く見られなかった。
△:転写ムラが僅かに見られた。
×:強い転写ムラが見られた。
転写ヌケ:
○:転写ヌケは全く見られなかった。
△:転写ヌケが僅かに見られた。
×:強い転写ヌケが見られた。
以上の結果を表1に示す。なお、表中の磁性粒子の粒子形状の欄の符号は下記の通りである。
八−丸:八面体状で、かつ頂点および稜線が曲面状とされていると共に、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有するもの。
八−角:八面体状で、かつ頂点および稜線が曲面状とされていないもの。通常の八面体。
八−丸大:八面体状で、かつ頂点および稜線が曲面状とされていると共に、曲面の曲率半径が大きすぎて、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有しないもの。
八−面:八面体状で、かつ頂点および稜線が小さな平面で面取りされたもの。
球:球状のもの。
八−丸:八面体状で、かつ頂点および稜線が曲面状とされていると共に、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有するもの。
八−角:八面体状で、かつ頂点および稜線が曲面状とされていないもの。通常の八面体。
八−丸大:八面体状で、かつ頂点および稜線が曲面状とされていると共に、曲面の曲率半径が大きすぎて、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有しないもの。
八−面:八面体状で、かつ頂点および稜線が小さな平面で面取りされたもの。
球:球状のもの。
表1に示すとおり、丸八磁性体を採用したものだけが、フィルミング、傷、転写ムラ、転写ヌケの全ての評価項目で良好な結果を示した。
[磁性トナーの実施例2〜5、及び比較例5、6] 磁性粒子として、実施例1で使用したのと同じ組成のマグネタイトからなり、粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体状で、かつその頂点および稜線が曲面状であると共に、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する、平均粒子径が0.005μm(比較例5)、0.019μm(実施例2)、0.088μm(実施例3)、0.29μm(実施例4)、0.38μm(実施例5)、および0.67μm(比較例6)である磁性粒子を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして、体積基準の中心粒径が8.0μmである磁性トナーを製造した。
上記各実施例、比較例の磁性トナー100質量部に、シリカ〔日本アエロジル工業(株)製のRA−200H〕1.0質量部と、酸化チタン〔チタン工業(株)製のEC−100〕2.0質量部とを加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合した後、前述した実施例で使用した京セラミタ(株)製のKM−1650改造機を使用して実験を行った。
表2に示すとおり、粒子径0.019〜0.38μmの丸八磁性体を採用したトナーが全ての評価項目で良好な結果を示した。
本発明は、イオン伝導体で被覆した転写ローラを使用する転写装置及びこれを使用する画像形成装置に利用可能である。
1 感光体(像担持体)ドラム
2 転写ローラ
3 給電ローラ(転写電流付与手段)
4 転写バイアス電源
5 現像手段
61、62 定着手段
7 クリーニング手段
8 除電手段
21 導電性軸芯
22、23 転写電流の流れ方向を示す矢印
26 帯電ローラ
27 クリーニングローラ
2 転写ローラ
3 給電ローラ(転写電流付与手段)
4 転写バイアス電源
5 現像手段
61、62 定着手段
7 クリーニング手段
8 除電手段
21 導電性軸芯
22、23 転写電流の流れ方向を示す矢印
26 帯電ローラ
27 クリーニングローラ
Claims (5)
- 感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像したトナー像を記録体上に転写する転写ローラであって、
導電性軸芯の周囲にイオン導電材を巻装した転写ローラと、
前記転写ローラの表面に接触させ前記転写中において前記転写ローラ軸芯を経由して転写ニップに転写バイアス電流を流す転写電流付与手段とを備える転写装置において、
当該トナーは、バインダ樹脂中に磁性粒子を分散させるトナーであり、
前記磁性粒子は、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体を基本とし八面体の各頂点および稜線が曲面状であり、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有することを特徴とする転写装置。 - 前記磁性粒子が、Feに対して0.1〜10原子%の、Mn、Zn、Ni、Cu、Al、Ti、およびSiから選ばれる少なくとも1種の元素を含むマグネタイトからなる請求項1記載の転写装置。
- 前記磁性粒子は、その平均粒子径が0.01〜0.50μmであることを特徴とする請求項1記載の転写装置。
- 前記バインダ樹脂中に、前記磁性粒子を35〜60質量%分散させることを特徴とする請求項1記載の転写装置。
- 静電潜像を形成する感光体と、
前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、
当該トナー像を記録体に転写する請求項1記載の転写装置と、
前記トナー像を前記記録体上に定着する定着手段とを備える画像形成装置。
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JP2006084222A JP2007256860A (ja) | 2006-03-24 | 2006-03-24 | イオン導電材を巻装した転写ローラを有する電子写真転写装置及びこれを使用する画像形成装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015072348A (ja) * | 2013-10-02 | 2015-04-16 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置 |
US10452005B2 (en) | 2016-01-15 | 2019-10-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
-
2006
- 2006-03-24 JP JP2006084222A patent/JP2007256860A/ja active Pending
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