JP2005156988A - 静電潜像現像用磁性1成分トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 現像スリーブ上のトナー薄層を長期にわたって安定して形成することができ、定着性への影響がなく、高耐久かつ低温定着性に優れた静電潜像現像用磁性1成分トナーを提供することである。
【解決手段】 潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分現像ジャンピング方式であり、前記現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さが2.0μm以上6.0μm未満とする現像システムにおいて使用されるトナーは磁性1成分トナーであって、該トナー粒子は比表面積8.0〜30m2/gの疎水化されたチタン酸ストロンチウムを外添して成り、且つ該チタン酸ストロンチウムを含めた外添剤の総量がトナー粒子に対して1.0〜5.0質量%である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、静電印刷法などにおいて形成される静電荷像(静電潜像)を現像するための乾式磁性1成分トナーに関するものである。
一般に、電子写真法又は静電記録法等においては、光導電性感光体又は誘電体等よりなる潜像担持体上にコロナ帯電等により帯電させた感光体上にレーザ、LED等により露光して形成された静電潜像をトナーなど現像剤を用い、可視化して又は静電潜像を反転現像により可視化して高品質な画像を得ている。一般に、これらの現像法に適用するトナーには、バインダーとしての熱可塑性樹脂に、着色剤や帯電制御剤として染料、顔料、離型剤としてワックス、磁性材料を混合して混練、粉砕、分級を行い平均粒径5〜15μmのトナー粒子としたものが用いられる。そして、トナーに流動性を付与したり、トナーの帯電制御を行なったり、クリーニング性を向上させる目的で、シリカや酸化チタン等の無機微粉末、無機金属微粉末がトナー粒子に外添される。
現在、実用化されている種々の静電複写方式における乾式現像法としては、トナーおよび鉄粉などのキャリアを用いる二成分現像方式と、キャリアを用いずトナー内部に磁性体を含有する磁性一成分現像方式が知られている。
また、多くの静電潜像の現像方法が開発され、実用化されている。例えば下記特許文献1に記載されている磁気ブラシ法、下記特許文献2に記載されているカスケード現像法及びパウダークラウド法、ファーブラシ現像法等多数の現像法が知られている。これらの中でも、特にトナーとキャリアを主体とする2成分現像剤を用いる磁気ブラシ法、カスケード法等が広く実用化されている。これらの2成分現像剤を用いる方法は、初期的には、比較的安定して良質の画像を提供することが出来るが、長期にわたり使用する場合、キャリアの劣化、すなわちスペント現象が起こり、キャリアの帯電付与能力が低下して長期間に渡り良質な画像が得られない等の問題や、トナーとキャリアの混合比率が一定に保ちにくいため長期耐久性に欠けるという共通の欠点を有する。
係る欠点を回避するため、トナーのみからなる一成分現像剤を用いる現像方法が各種提案されており、なかでも磁性トナーを採用した磁性一成分現像方式が一般によく知られ、活用されている。
一成分磁性トナーを使用する現像方法としては、下記特許文献3に開示されている導電性磁性トナーによる現像方法が知られている。これは内部に磁性を有する円筒状の導電性現像剤担持体上に導電性磁性トナーを保持し、これを静電潜像に接触させて現像するものである。この際、現像部において、潜像担持体表面とスリーブ表面の間にトナー粒子により導電路が形成され、この導電路を経てスリーブよりトナー粒子に電荷が導かれ、静電潜像の画像部との間のクーロン力によりトナー粒子が画像部に付着して現像される。この方法では、トナーが導電性であるため、潜像保持体上のトナー像を被印刷媒体(例えば普通紙)に電界を利用して静電気的に転写することが困難であるという問題や、各工程での導電性トナーに由来する不具合現象から、長期にわたり高画質を得ることが難しいという問題、また潜像担持体への電気的リーク破壊という問題などを有している。
また、絶縁性トナーを用いた方式が下記特許文献4等において、提案されている。この方式は、磁性1成分ジャンピング方式と呼ばれるものであって、静電潜像保持体に対向して現像剤担持体が設けられ、この現像剤担持体は磁石ローラを内蔵した現像スリーブを有しており、この現像スリーブの回転によりトナーを搬送し、現像スリーブと磁性ブレードとの隙間を通過させてトナー薄層を形成し、帯電したトナーにより静電潜像保持体の表面の静電潜像を現像する。この方式は、地カブリが防止されるなどの利点を有し、優れた画像が得られるものである。
このように磁性一成分現像方法を用いることにより、2成分現像剤での長期耐久性の欠如という問題点を解決することができる。また、このような現像方法に用いられる現像器の特徴として、非常に小さくかつ簡単な構成をとり得るということが挙げられる。
ところで近年では、電子写真法、静電印刷法によるコピー機やプリンタ等の市場は、印刷の高速化とマシンの小型化が著しく進んでいる。印刷速度の高速化により、印刷速度に合わせた画像特性、つまり帯電特性の安定化したものでなくてはならない。マシンの小型化が進む中低速機は、電源を入れた後のウォーミングアップ時間が短いため、初期帯電の良好なトナーが求められている。つまり、長期間、安定してスリーブ上に綺麗なトナー薄層を形成することが求められている。それにより、帯電特性を長期にわたり安定して維持できることが求められている。
また、プリンタ、複写機など事務機器が更なる高速化・小型化の方向に進んでいる中、高解像度・高画質・高耐久性が当然の性能として求められている。高解像度、高画質、高耐久、環境変動への対応などはスリーブ上のトナー薄層形成が鍵を握っていることは言うまでもなく、特に磁性1成分ジャンピング方式を採用し、スリーブの十点平均粗さRzが比較的小さい現像剤担持体のシステムでは、トナー薄層が高画質、高耐久性を決めると言っても過言ではない。
ところが、そのようなシステムを採用した高速機、小型機などは、スリーブ上トナー薄層形成の長期安定性を確保することが、長期使用、環境変動(特に低温低湿環境下)、すばやいウォームアップタイムなどの要因で難しくなっており、スリーブ上のトナー薄層の乱れが生じたり、縦筋上のトナー薄層抜けが発生するなどの不具合により、画像の劣化と長期安定性、つまり高解像度、高画質、高耐久性を提供できないという問題が生じてしまう。
下記特許文献5に記載の磁性1成分トナーでは、誘電率に特徴のある外添剤を使用することにより高画質化な画像およびトナー薄層が安定して形成できることが記載されているが、耐久性に関する記述が全くなく、現在求められているような高耐久なトナーを提供することはできない。
また、下記特許文献6においては、長期にわたって安定で優れた画像を提供するようなトナーを含めた画像形成方法が記述されているが、わずか20000枚印字時の評価を行っているのみであり、高耐久とは言い難い。
また下記特許文献7には、チタン酸ストロンチウム微粒子を外添したトナーが記載されており、低温低湿、高温高湿環境においても安定した画像を提供できると示されているにもかかわらず、耐久に対してはわずか3000枚の評価しか行われていない。下記特許文献8,9などおいて、分子量分布における最大ピークの分子量や極小値、さらには酸価などを規定することにより、定着特性に優れたトナーとなると記載されているが定着性に対する詳細な結果がなく低温定着性という観点では効果が不明であり、また外添剤の定着性に対する影響などは述べられていない。
また、高画質に加えて近年では省電力化に対する要求も大きくなっており、より低温にて定着可能なトナーが必要とされている。それに伴って、トナーの溶融粘度やガラス転移点を限界まで下げ低温定着化を達成しようとする提案がなされている。しかしながら、高耐久を考えた場合には現像器内などでのストレスなど様々な要因を考慮し、低温定着に特化したトナーとすることはできないのが現状である。
米国特許第2,874,063号明細書 米国特許第2,618,552号明細書 米国特許第3909258号明細書 特開昭55−18656号公報 特開平8−15903号公報 特許第2991056号公報 特公平3−10311号公報 特許第3295792号公報 特許第3230043号公報
したがって、本発明の課題は、磁性1成分ジャンピング現像方式で、かつ現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さRzが比較的小さい現像システムにおいて、現像スリーブ上のトナー薄層を長期にわたって安定して形成することができ、定着性への影響がなく、高耐久かつ低温定着性に優れた静電潜像現像用磁性1成分トナーを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、上記の現像システムでは、所定範囲の比表面積を有する疎水化されたチタン酸ストロンチウムを外添剤として添加することで、スリーブ上にトナー薄層を安定して形成できるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、現像プロセスが、潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分現像ジャンピング方式であり、前記現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さが2.0μm以上6.0μm未満とする現像システムにおいて使用されるトナーは磁性1成分トナーであって、該トナー粒子は比表面積8.0〜30m2/gの疎水化されたチタン酸ストロンチウムを外添して成り、且つ該チタン酸ストロンチウムを含めた外添剤の総量がトナー粒子に対して1.0〜5.0質量%であることを特徴とする。また、潜像保持体としてアモルファスシリコンドラムを用いるのが好ましい。
本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーによれば、磁性1成分ジャンピング現像方式特有のスリーブ上のトナー薄層形成を安定して形成することが可能となり、その結果、初期はもちろんのこと長期にわたって安定した画像品質を得られるという、極めて優れた効果を期待することができる。また、外添剤総量を抑えることで耐熱保存性を維持したまま、定着性への影響がなく、高耐久かつ低温定着性に優れたトナーを提供することができる。
また、一般的に用いられてきた酸化チタンに代表される研磨剤の多くは流動性の面では悪化させる傾向にあったが、上記のようなチタン酸ストロンチウムは流動化剤としても使用可能な研磨剤である。これにより、研磨剤としてチタン酸ストロンチウムを使用することにより、併せて添加するシリカに代表される流動化剤の量を抑えることができるため、外添剤の総量を抑えることができるという効果がある。
本発明における現像プロセスは、潜像保持体上に対向して設けられ、内部に磁石ローラを内蔵した現像スリーブ表面を有する現像剤担持体を用いて、前記現像スリーブの回転によりトナーを搬送し、磁性ブレードと現像スリーブとの間を通過させることにより、現像スリーブ表面にトナー薄層を形成し、潜像保持体上に形成された静電潜像を現像する磁性1成分現像ジャンピング方式であり、前記現像剤保持体のスリーブ表面の十点平均粗さRzが2.0μm以上6.0μm以下とする現像システムである。
ここで、十点平均粗さRzが2.0μm未満になると、トナー搬送力の低下により画像濃度を満足しない。また、6.0μmを超えると、画質が悪くなり、かつスリーブ表面の突起部から感光体ドラムへのリークが発生し、画像黒点となり、画像品質を損なう。
これら十点平均粗さRzは、(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器「サーフコーダSE−30D」を用いて測定することができる。
また、該スリーブに用いる材質としては、例えば、アルミニウム、SUS等を用いることが出来る。高耐久性を考慮する場合、用いるスリーブ材質としてはSUSを使用することが好ましく、例えば、SUS303、SUS304、SUS305、SUS316等が用いることが出来る。また、磁性が弱く、かつ加工しやすいSUS305を使用することがより好ましい。
また本発明においては潜像保持体として、どのような感光体でも使用可能であるが、高耐久性を達成するシステムとするため、潜像保持体としてはアモルファスシリコンドラムを使用することが好ましい。
本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、結着樹脂中に、着色剤などの種々のトナー配合剤を分散させることにより得られる。本発明におけるトナーに使用する結着樹脂の種類は特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N-ビニル系樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
より具体的には、ポリスチレン系樹脂として、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。共重合モノマーとしては、p-クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸2-クロルエチル、アクリル酸フェニル、α-クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N-ビニルピロール、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルインドール、N-ビニルピロリデンなどのN-ビニル化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させることができる。
また、ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものであれば使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。まず、2価または3価以上のアルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が例示される。
また、2価または3価以上のカルボン酸成分としては、2価または3価カルボン酸、この酸無水物またはこの低級アルキルエステルが用いられ、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn-ブチルコハク酸、n-ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n-オクチルコハク酸、n-オクテニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキルまたはアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が例示される。また、ポリエステル系樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、より好ましくは90〜140℃である。
また、結着樹脂は、熱硬化性樹脂であっても良い。このように一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性や形態保持性、あるいは耐久性をより向上させることができる。よって、トナーの結着樹脂として、熱可塑性樹脂を100質量部使用する必要はなく、架橋剤を添加したり、あるいは、熱硬化性樹脂を一部使用することも好ましい。
このような熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂やシアネート系樹脂等が使用することができる。より具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等の1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。
また、本発明においては、結着樹脂のガラス転移点(Tg)は50〜65℃であることが好ましく、より好ましくは50〜60℃である。このガラス転移点が、上記範囲よりも低いと、得られたトナー同士が現像器内で融着し、保存安定性が低下してしまう。また、樹脂強度が低いため、感光体へのトナー付着が生じる傾向がある。さらに、ガラス転移点が上記範囲よりも高いと、トナーの低温定着性が低下してしまう。なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ社製示差走査熱量計DSC-6200を用い、吸熱曲線を測定することで求める。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分で常温常湿下にて測定し、得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求める。
また本発明において、分子量分布における最大ピークは重量平均分子量3,000〜15,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは重量平均分子量4,000〜12,000の範囲であるのがよい。この範囲よりピーク分子量が小さい場合には高温オフセットが発生しやすくなり、また逆に大きい場合には低温定着性が得られない。トナーの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。なお、測定には東ソー(株)製HLC-8220GPCを使用し、カラムは東ソー(株)製TSKgelを用いた。トナー100mgとテトラヒドロフラン(THF)20mlを混合し、均一に溶解させる。その後、ポア径0.45μm耐溶剤性メンブランフィルターでろ過し、GPCの試料とした。
測定に際しては、GPC装置のカラムを40℃で安定化させた後、この温度でカラムに毎分1mlの流速でTHF試料溶液を約100μl注入して測定した。試料の分子量分布は、数種の単分散ポリスチレン標準試料を用いて作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出される。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、分子量500〜1,000,000のポリスチレンを用いた。
本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーでは、公知のものと同様、色調を調整するために、カーボンブラックの如き顔料やアシッドバイオレットの如き染料を着色剤として結着樹脂中に分散させることができる。かかる着色剤は、通常、上記結着樹脂100質量部当り1〜10質量部の量で配合される。
電荷制御剤は、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等を得るために配合されるものである。即ち、トナーを正帯電させて現像に供する場合には、正帯電性の電荷制御剤を添加し、負帯電させて現像に供する場合には、負帯電性の電荷制御剤を添加することができる。
このような電荷制御剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4-オキサジアジン、1,3,4-オキサジアジン、1,2,6-オキサジアジン、1,3,4-チアジアジン、1,3,5-チアジアジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、1,2,4,6-オキサトリアジン、1,3,4,5-オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンなどのアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダ-クグリ-ンBH/C、アジンディ-プブラックEWおよびアジンディーブラック3RLなどのアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体などのニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZなどのニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を例示することができ、これらは、1種単独でも2種以上を併用して使用することもできる。特に、ニグロシン化合物は、より迅速な立ち上がり特性が得られるという観点から、正帯電性トナーとしての使用には最適である。
また、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩或いはカルボキシル基を官能基として有する樹脂またはオリゴマ-なども正帯電性電荷制御剤として使用することができる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン-アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン-アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン-アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
特に、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン-アクリル系共重合樹脂は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができるという観点から、最適である。この場合において、上記スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸iso-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸iso-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n-ブチル、メタアクリル酸iso-ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好適である。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性を示す電荷制御剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、その例としてはアルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸クロム等が挙げられ、特にアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好ましい。
上述した正帯電性或いは負帯電性の電荷制御剤は、一般に1.5〜15.0質量部、好ましくは2.0〜8.0質量部、より好ましくは3.0〜7.0質量部の量でトナー中に含まれているのがよい(即ち、トナーの全体量を100質量部とする)。電荷制御剤の添加量が上記範囲よりも少量であると、所定極性にトナーを安定して帯電することが困難となる傾向があり、該トナーを用いて静電潜像の現像を行って画像形成を行ったとき、画像濃度が低くなったり、画像濃度の耐久性が低下する傾向がある。また、電荷制御剤の分散不良が起こりやすく、いわゆるカブリの原因となったり、感光体汚染が激しくなる等の傾向がある。一方、電荷制御剤が上記範囲よりも多量に使用されると、耐環境性、特に高温高湿下での帯電不良、画像不良となり、感光体汚染等の欠点が生じやすくなる傾向がある。
定着性やオフセット性を向上させるために使用されるワックス類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン(登録商標)系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等を使用することが好ましい。また、これらワックスは2種以上を併用してもよい。かかるワックスを添加することにより、オフセット性や像スミアリングをより効率的に防止することができる。
上述したワックス類は、特に制限されるものではないが、一般に、トナー中に(トナー全体量を100質量部とする)、1〜5質量部の量で配合されていることが好ましい。ワックス類の添加量が1質量部未満では、オフセット性や像スミアリング等を効率的に防止することができない傾向があり、一方、5質量部を超えると、トナー同士が融着してしまい、保存安定性が低下する傾向がある。
本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、結着樹脂中には磁性粉を配合し、一成分現像剤とする。このような磁性粉としては、それ自体公知のもの、例えば、フェライト、マグネタイトをはじめとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属、もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、または二酸化クロム等を挙げることができる。
これらの磁性粉は、平均粒子径が0.1〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmの範囲内の微粉末の形で上述した結着樹脂中に均一に分散される。また、磁性粉は、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施して使用することもできる。
また、磁性粉は、トナー中に35〜60質量部、特に40〜60質量部の量で含有されていることが好ましい。上記範囲よりも多量に磁性粉を用いると、画像濃度の耐久性が悪くなり、また、定着性が極度に低下する傾向があり、上記範囲よりも少量では、画像濃度耐久性におけるカブリが悪くなってしまう。
本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、前述した結着樹脂と電荷制御剤など各種のトナー配合剤とを混合し、押出機等の混練機を用いて溶融混練した後、これを冷却し、粉砕及び分級することにより得られる。また、得られるトナー粒子は平均粒径が5〜10μmであるのが好ましい。これより小さいと流動性の低下やカブリの原因となってしまう。またこれより大きい場合には画質が低下してしまう。このようにして得られた粒子の表面に外添剤微粒子を外添し、1成分現像剤とする。
この時、本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、外添微粒子のうち研磨剤微粒子として疎水化されたチタン酸ストロンチウムを外添するものである。従来より一般的に酸化チタンが研磨剤微粒子として用いられてきたが、酸化チタンは凝集しやすい特性があるため、カブリなどの画像特性に問題を起こす原因になり、また流動性を悪化させる傾向があるため、研磨剤として使用する際には発生するであろう問題を考慮する必要があった。それに加え、高耐久のシステムにおいてトナー薄層を長期に安定させる際には、逆にトナー薄層にムラを生じさせ不均一にしてしまう傾向にあった。しかし、チタン酸ストロンチウムは材料的に酸化チタンのような凝集性はなく、また流動性を悪化させることもなく、むしろ流動化剤としても使用可能であることを本発明者らは見出した。また先に述べたトナー薄層形成を阻害する要因の一つにトナーのチャージアップによる帯電凝集がある。しかし、酸化チタンに比べ、チタン酸ストロンチウムは不正なチャージアップ防止にも効果があるため、帯電凝集を押さえることでトナー薄層を長期に安定して形成することが可能となることも本発明者らは見出した。
本発明において使用する、この疎水化されたチタン酸ストロンチウムの比表面積は8.0m2/g〜30m2/gであることが好ましく、より好ましくは11.0m2/g〜27.0m2/gであるのがよい。なお、本発明における比表面積は一般に窒素吸着によるBET比表面積と呼ばれるものであり、マイクロメリティック社製2200型測定装置を使用することで測定することができる。比表面積が上記の範囲より大きい場合には、研磨効果が薄れてしまい研磨剤として機能せず、感光体汚染が発生し、またトナー薄層の安定性にも悪影響を及ぼす傾向がある。また逆に上記範囲より小さい場合には感光体に対して研磨ではなく傷をつけてしまい、また比表面積が大きい場合と同様にトナー薄層の安定性に悪影響を及ぼす。また一方でトナーからの脱落も起き易くなり、その結果カブリや濃度低下など画像特性にも悪影響を及ぼす。
また、チタン酸ストロンチウムのトナー粒子に対する添加量は、トナー総量に対して0.3〜5.0質量%であることが好ましく、特に0.5〜4.0質量%であることがより好ましい。上記範囲より少ない場合には研磨効果が小さくなり、感光体汚染を引き起こしてしまい、本発明の効果自体が薄くなってしまう。上記範囲より多い場合には、トナー表面に強固に付着せず浮遊してしまうものが存在し、カブリなどの画像特性に悪影響を及ぼす可能性があり、トナーに対する影響が大きすぎる結果となってしまう。
チタン酸ストロンチウムには疎水性を付与するため、疎水化剤により表面処理を施すことが好ましく、その疎水化度は35%以上であることが好ましく、特に40%〜75%であることがより好ましい。上記のような疎水化度であるチタン酸ストロンチウムを外添剤とすることで、環境安定性の高いトナーとすることができるのである。また、このような表面処理のための疎水化剤としては公知のものが使用できる。例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等が挙げられる。シランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランn-ブチルトリメトキシシラン、n-ヘキサデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が使用可能であり、シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が使用可能である。チタン酸ストロンチウム自体は水溶性ではないが、上記のような疎水化処理を行うことで環境変動、特に湿度の変化に対してトナーの種々の性能を安定して発揮させることができるようになる。疎水化処理を行わずにトナー外添剤として使用すると、例えば高湿環境において、画像濃度の大きな低下を引き起こしてしまうなどの不具合が発生してしまう。
なお、本願における疎水化度はメタノール法による疎水化度を示し、次に示す測定方法に従って求めることが出来る。チタン酸ストロンチウム0.1gを200mlのビーカーに秤取り、純水50mlを加え、マグネティックスターラーにより攪拌しながら、液面下へメタノールを加えていく。液面上に試料が認められなくなった点を終点とし、次式により疎水化度を算出する。
疎水化度(%) = X/(50+X)×100
X:メタノール使用量(ml)
本発明における静電潜像現像用磁性1成分トナーは、上記に述べた研磨剤微粒子以外に必要に応じて、コロイダルシリカ、疎水性シリカ等の流動性を付与するための微粒子(通常、平均粒径が1.0μm以下)を外添し使用することができる。但し、本発明におけるチタン酸ストロンチウムを含めた外添剤の総量はトナー粒子に対して1.0〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0〜4.0質量%であるのがよい。これは、この微粒子外添剤は、トナーへの表面処理によって、流動性、保存安定性、クリーニング性等を向上させるために使用されるものであるが、総量が多くなるとトナーの定着性に悪影響を及ぼすためである。
したがって、外添剤総量が上記の範囲より多くなる場合には、トナー粒子表面からの脱落が発生し、カブリや濃度低下などの画像欠陥を引き起こす可能性があり、先に述べたようにトナーの定着性に悪影響を与え、更にトナー粒子に対する外添剤の影響が大きくなりすぎ、トナーの帯電不良なども引き起こしてしまう。逆に上記範囲より少ない場合には、トナーの流動性の低下や研磨力の不足による感光体汚染などが発生してしまう。それに加えスペーサー的な役割を持つ外添剤が少ない為、トナーの耐熱保存性も悪化してしまう。
また、上記に述べた研磨剤および流動化剤などの微粒子の外添は、磁性トナーと乾式で攪拌混合することにより行われるが、この攪拌混合は、微粒子がトナー中に埋め込まれないように、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーなどを用いて行うのがよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
まず、本発明に用いる結着樹脂を次のようにして製造した。温度計、撹拌機、窒素導入管のついた反応器中にキシレン300質量部を入れ、窒素気流下で、スチレン820質量部、アクリル酸n-ブチル180質量部の混合モノマーとジ-tert-ブチルペルオキサイド(重合開始剤)8.2質量部とキシレン125質量部の混合溶液を用いて、170℃で3時間かけて滴下した。滴下後、170℃で1時間反応させ、重合を完了した。その後、脱溶剤して結着樹脂(GPCにおける最大ピーク分子量8,000、ガラス転移点Tg 52℃)を得た。
このようにして製造された結着樹脂49質量部に、磁性粉(796kA/m印加時に保持力5.0kA/m、飽和磁化82Am2/kg、残留磁化11Am2/kgであり、個数平均粒径0.25μm)45質量部、ワックス(サゾールワックスH1、サゾール社製)3質量部、4級アンモニウム塩(ボントロンP-51、オリエント化学社製)3質量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕した。機械式粉砕機にてさらに微粉砕したものを気流式分級機により分級し、体積平均粒径8.0μmの磁性トナーを得た。
上記で得られたトナー粉体(磁性トナー)に、疎水化処理されたチタン酸ストロンチウム(比表面積16.5m2/g、疎水化度55%)2.0質量%、シリカ(RA-200H、日本アエロジル社製)1.0質量%を、ヘンシェルミキサーにより外添し、磁性トナー粉末の表面に付着させて磁性一成分正帯電現像剤を調製した(これを実施例1のトナーとする)。
この現像剤を用い、アモルファスシリコン感光体を搭載した京セラ(株)製のページプリンタ(FS-3800)をベースとして下記の表1に示すような現像スリーブを有する現像剤担持体を組み込んだ改造機を用い、初期画像特性、耐久性を評価し、併せて現像スリーブ上のトナー薄層の状態、並びに感光体表面状態を目視にて確認した。評価結果は表1に示す。
なお、各特性の評価方法は、以下の通りである。
(1)画像特性
常温常湿環境(20℃、65%RH)にて初期時に上記ページプリンタにより画像評価パターンを印字して初期画像とし、その後、10万枚連続通紙を行い、再度画像評価パターンを印字して耐久後画像とし、それぞれソリッド画像をマクベス反射濃度計(RD914)を用いて測定し、同時にカブリを目視観察することにより画像特性評価を行った。画像濃度は1.30以上をO.K.とした。またカブリの評価は以下の判断基準を用いた。
○:カブリは見られない
△:ややカブリを生じている
×:カブリがひどい
(2)画質状態
画質は、写真画像を印字し、その画像の状態を以下の判断基準を用いて評価した。
○:ざらつき感がなく、均一できめ細かい画像である
△:わずかながらザラツキ感があり、均一さにもかける部分があるが実用上問題ない
×:ざらつき感のある均一でない画像で、実用に耐えない
(3)トナー薄層状態
現像スリーブ上のトナー薄層状態については目視にて確認を行い、評価については以下の判断基準を用いた。
○:薄層が均一に形成され、ムラがない
△:層厚が厚い部分がある
×:ムラが生じている
(4)感光体表面状態
感光体の表面の状態を10万枚連続通紙を行った後、目視にて確認した。評価については以下の判断基準を用いた。
○:表面にフィルミングや傷などはない
△:微量のフィルミングや極微小の傷の発生が見られる
×:フィルミングまたは傷が発生
[比較例1]
上記実施例1で使用した磁性粉磁性一成分正帯電現像剤を使用し、表1に示すような現像スリーブを有する現像剤担持体を組み込んだ改造機を使用した以外は、上記実施例1と同様に各特性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005156988
実施例1−1〜3の現像スリーブでは十点平均粗さRzが所定の範囲内にあり、初期および耐刷後の画像濃度、画質等に全く問題なく、満足のいく結果が得られた。
一方、比較例1−1では、画質に問題なく、感光体にも傷等は見られないが、画質濃度は非常に低く薄層ムラも初期より発生し、実用に耐えないものだった。また比較例1−2では、画像濃度に問題はないが、カブリが発生し画質も悪く、また感光体表面にはリークと思われる傷があり、それが画像上に黒点として見られ、さらに画質を悪くする結果となった。
[実施例2〜6、比較例2〜7]
次に上記実施例1のトナーと同様にしてトナー粉体を製造し、外添処理のみ表2のように処理を行い、実施例2〜6および比較例2〜7の現像剤を得た。この現像剤を用い、アモルファスシリコン感光体を搭載した京セラ(株)製のページプリンタ(FS-3800)をベースとして、表1の実施例1−1の現像スリーブを有する現像剤担持体を組み込んだ改造機を用い、初期画像特性、耐久性を評価し、併せて現像スリーブ上のトナー薄層の状態並びに感光体の表面状態を目視にて確認し、現像剤の帯電特性を測定した。また、定着温度を任意に設定できるようにした上で定着特性についても評価を行い、合わせて耐熱保存性に関しても評価した。なお各特性の評価方法のうち、画像特性、トナー薄層状態、感光体表面状態については、先に記した通りに行い、帯電特性、定着特性、耐熱保存性は以下の通りに行った。また評価結果は表3および表4のようになった。
(5)帯電特性
上記ページプリンタの現像材担持体に組み込まれた現像スリーブ上の磁性トナーの帯電量をTRek社製吸引式帯電量測定装置(Q/M Meter210HS)を用いて測定し、その際の重量変化から、現像剤1gあたりの帯電量μC/gを求めた。なお、上記ページプリンタを用いて、上記現像剤により画像形成を行い、初期画像特性評価の為の画像を出力した後に測定した帯電量を初期帯電量、10万枚連続印字(印字率5%のA4原稿を使用)を行った時のトナーの帯電量を耐久後の帯電量とした。
(6)定着特性
上記ページプリンタの定着温度を制御させることで、磁性トナーの定着性の評価を行なった。ここで最低定着温度は、定着率が95%を越える際の定着ローラーの温度をいう。なお、定着率とは綿布で包んだ黄銅製分銅で1kgの荷重をかけ、印字した定着評価パターンのソリッド画像を10往復擦り、擦る前後での画像濃度をマクベス反射濃度計にて測定したときの濃度比率である。
○:定着率が95%以上
△:定着率が90%以上95%未満
×:定着率が90%未満
なお最低定着温度の評価には以下の判断基準を用いた。
○:150℃以下
△:150℃より高く160℃以下
×:160℃より高い
(7)耐熱保存性
トナーを50℃に設定した恒温乾燥機に入れ、100時間放置後の固化及び凝集状態を確認することで耐熱保存性を評価した。
○:凝集はみられない
△:微量の凝集粒が発生
×:固化及び凝集が発生
Figure 2005156988
Figure 2005156988
画像特性および10万枚耐刷の評価結果は表3のようになった。実施例2〜6では本発明の所定の外添剤を使用しているため、画像濃度、トナー薄層において全く問題がなく、それは10万枚耐刷を行った場合も低下することがなく、非常に安定したトナー薄層を形成することができるという結果となった。また、感光体表面へのフィルミングも発生することがなく、研磨剤としての効果も十分なものだった。
比較例2では、従来より研磨剤として一般的に用いられる酸化チタンを使用した場合について評価を行ったが、初期的には問題ないものの耐刷後ではトナー薄層にムラが生じた。これは帯電量上昇による帯電凝集のためであると思われる。また、比較例3では研磨剤としてチタン酸バリウムを使用したが、初期よりトナー薄層の形成に問題があり、またカブリも非常に悪く、また耐久後には画像濃度低下が起こった。
比較例4および5では比表面積が所定の範囲になく、初期よりトナー薄層形成に問題があり、それに加え比較例4では耐刷後には感光体表面に細かな傷が多数見られた。
比較例6および7では外添剤総添加量が所定の範囲になく、比較例6では添加量が少なすぎるため、本発明の効果が得られずに帯電量の上昇が発生してトナー薄層にムラが発生し、感光体上にはフィルミングが発生し、また比較例7では初期的にカブリやトナー薄層形成にあった問題が耐刷により更に悪化した。それに加え、耐久後の画像濃度低下も見られた。
上記のように所定の範囲内のチタン酸ストロンチウムを使用し、かつ所定量の外添剤添加量とすることにより、長期にわたって効率よく帯電量を抑制することができ、トナー薄層を長期に安定して形成することができた。また、感光体上のフィルミングの発生も抑制することができた。
Figure 2005156988
定着性および耐熱保存性の結果を表4に示す。実施例2〜6では、所定の量のチタン酸ストロンチウムを使用し、かつ外添剤の総量を所定の範囲内としたため、150℃以下という低い最低定着温度を達成することができ、かつ耐熱保存性においても問題はなかった。
比較例6では、外添剤総量が少ないため、定着性に悪影響を及ぼさなかったが、スペーサー的な役割を果たす外添剤が少ないために耐熱保存性は悪かった。逆に比較例7では外添剤が所定の範囲よりも多いため定着性が非常に悪くなってしまったが、耐熱保存性は問題ないレベルであった。

Claims (2)

  1. 潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分現像ジャンピング方式であり、前記現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さが2.0μm以上6.0μm未満とする現像システムにおいて使用されるトナーは磁性1成分トナーであって、該トナー粒子は比表面積8.0〜30m2/gの疎水化されたチタン酸ストロンチウムを外添して成り、且つ該チタン酸ストロンチウムを含めた外添剤の総量がトナー粒子に対して1.0〜5.0質量%であることを特徴とする静電潜像現像用磁性1成分トナー。
  2. 前記潜像保持体がアモルファスシリコンドラムである請求項1に記載の磁性1成分トナー。
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