JP2004219658A - 正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性一成分トナーであっても、オフセット性、ブロッキング性、画像特性を悪化させることなく、低温領域で定着可能な正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナーを提供する。
【解決手段】ポリスチレン系樹脂を主樹脂成分とし、結晶性ポリエステル樹脂およびワックスを含み、磁性粉体をトナー全量当たり35〜60重量%添加した正帯電性磁性一成分トナーにおいて、前記結晶性ポリエステル樹脂のDSCによる吸熱反応ピークボトム値をCmp(℃)、前記ワックスのDSCにおける融点をWmp(℃)とするとき、80℃≦Cmp、Wmp≦120℃であり、かつ|Cmp−Wmp|≦20の関係を満足してなる正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナー。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写樹、レーザープリンタ等で採用されている電子写真法、静電記録法、静電印刷法等の現像プロセスにおいて用いられる正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
乾式電子写真法において、静電潜像を可視像とする際に用いられるトナーは、一般に熱可塑性結着樹脂(バインダー樹脂)、電荷制御剤、磁性粉体、及びその他の添加剤を予備混合後、溶融混練、粉砕、分級の工程を経て、所望の粒子径を有するトナーとして製造されている。このトナー粒子は、粒子表面に一定量の正または負の電荷が摩擦帯電により蓄積され、この帯電粒子が静電潜像の現像に利用されている。
【0003】
ここで、摩擦帯電によって、トナー粒子表面に蓄積される電荷は、静電潜像の形成に用いられる光導電性感光体の種類によって正または負のいずれかの電荷とすることが必要である。また、その場合の帯電量は、静電潜像をより正確に可視像化するのに十分な量とする必要がある。このため、電荷制御剤ないしは導電物質をバインダー樹脂中に混合分散し、トナー粒子表面の電荷及び帯電量を制御するのが一般的であり、シリカや酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機微粉末が添加される。
【0004】
また、近年、静電潜像形成のための光導電性感光体として、無公害でかつ高い高感度を有し、さらにビッカース強度が1500〜2000と非常に硬い等の特性を有する観点から、アモルファスシリコン感光体(以下、a−si感光体と称する。)が使用されている。更にこの特徴は、長寿命であることも挙げられる。また、近年ではa−Si同等の長寿命の特徴をもつ有機感光体も採用されている。
【0005】
これら感光体上に形成される静電潜像を現像するには、帯電性や耐久性に優れたトナーを用いることが望まれている。また、a−si感光体の特性上、トナーは正帯電性のトナーでなければならない。
また、トナー像を紙などのシートに定着する工程に関しては種々の方法や装置が開発されている。例えば、熱ローラーによる熱圧力ローラー方式や、フィルムを介して加熱体に加圧部材により定着させる加熱定着方法がある。
【0006】
加熱ローラーやフィルムを介した加熱方式はトナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ローラーにより定着を行うものである。この方法は熱ローラーの表面と記録紙上のトナー像とが接触する為、トナー像を記録紙上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、非常に有効である。しかし、上記方法では、熱ローラーとトナー像とが溶融状態で接触する為にトナー像の一部が定着ローラーに付着、転移し、次の記録紙にこれが再転移してオフセット現象を生じ、記録紙を汚染する場合がある。加熱ローラー定着方式では、このようなオフセット現象、すなわち熱定着ローラーにトナーが付着しないようにすることが必須条件になる。
【0007】
従来、定着ローラー表面にトナーを付着させない目的で、例えば熱ローラー表面をトナーに対して離型性の優れた材料である、シリコンゴムやフッ素系樹脂などで形成し、さらにその表面をオフセット防止及びローラー表面の疲労を防止する為にシリコンオイルのような離型性の良い液体の薄膜でローラー表面を被覆することが行われている。しかし、このような方法ではトナーのオフセット防止に関しては極めて有効であるが、オフセット防止用離型剤を供給する為の装置が必要な為、定着装置が複雑になるなどの問題点を有している。
【0008】
そこで、オフセット防止用離型剤の供給装置を用いないで、トナー自体を改善しようとする試みが活発に行われている。
また、近年、電子写真方式を用いたプリンター及び複写機は、昨今の省エネルギー化時代の到来により、消費電力の少ないことが必須条件とされてきている。プリンター及び複写機の乾式電子写真プロセスの中で定着プロセスが最も消費電力が大きい。このため、上記省エネルギーを達成させる為には、定着プロセスの改善改良が必要であり、最も重要な因子のひとつである。
【0009】
すなわち、少ない電力、言い換えると、より少ない消費電力、少ない熱量でトナー像を記録紙上に定着させる必要がある。
また、磁性一成分トナーはトナー中に磁性粉体が35〜60重量%添加されているため、従来のトナーに比較し、定着性が悪くなる。
上記要求に対し、トナーに関する従来の技術では、結着樹脂の分子量の大きさや分子量分布を改良したもの等の提案がなされている。具体的には、結着樹脂を低分子量化することにより、定着温度を下げる試みがなされてきた。しかし、低分子量化することにより融点は低下するが、同時に溶融粘度も低下した為、熱定着ローラーへのオフセット現象が発生する問題が生じていた。このオフセット現象を防ぐ為、結着樹脂の分子量分布の低分子領域と高分子領域を広くする方法や、高分子領域の一部を部分架橋させたりすることが行われてきた。しかし、この方法においては、定着性を十分に付与する為に樹脂のガラス転移温度を低くせざるを得ず、トナーのブロッキング性を悪化することは避けられなかった。また、結着樹脂の低分子部分を多くするとトナー自体がもろくなり、定着後の記録紙が擦られることによって、汚れが発生してしまうという欠陥が生じるおそれもあった。
【0010】
更に、また、上記オフセット現象を防ぐ為にポリオレフィン系離型剤を含有させる方法もある。しかし、該離型剤を含有させるとトナーの融点が高くなり、その結果、低温度で定着した場合、記録紙への十分な定着強度を得ることができないという問題があった。また、低融点のワックスには、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の植物系ワックスがあるが、数種類のエステルの混合体であるためDSCによる吸熱反応が低温度領域に存在しトナーとしてのブロッキング性に問題を及ぼしていた。その為、50℃以下の低融点成分を除去する精製等が必要であった。また、前記低融点の植物系ワックスは、遊離脂肪酸、遊離アルコールを含有する為、トナーに対し帯電特性が不安定になる等の問題を与えていた。
【0011】
更に、トナー中に離型剤として、ポリアルキレン類を含有させるのは公知であり、特許文献1あるいは特許文献2等ではスチレン系樹脂に低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の単重合ワックスを含有させたり、特許文献3では、同じくスチレン系樹脂に低分子量ポレフイン共重合体を含有させたりする技術が開示されている。
しかし、上記のようなオフセット防止手段として従来の方法は、トナーの帯電特性の悪化によるカブリ等の画像欠陥や画像濃度の低下を引き起こす等の欠点があった。また、低分子量オレフイン共重合体を用いると結晶性の低下のため溶融粘度が高くなり、トナーの流動性の悪化、トナーのブロッキング性の悪化等の欠陥が生じていた。
【0012】
【特許文献1】
特公昭57−52574号公報(特許請求の範囲、第2欄第19〜40行)
【特許文献2】
特公昭52−3304号公報(特許請求の範囲、第5欄第43行〜第6欄第10行)
【特許文献3】
特開昭50−93647号公報(特許請求の範囲、第4〜5欄)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記の状況に鑑みて、本発明の目的は、より少ない消費電力でオフセット性を発生させることなく、低温で定着でき、流動性、環境依存性、耐久特性に優れた正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナーを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の課題を鋭意検討した結果、ポリスチレン系樹脂を主たるバインダー樹脂とし、結晶性ポリエステル樹脂およびワックスを含み、磁性粉体を添加した正帯電性磁性一成分トナーにおいて、前記結晶性ポリエステル樹脂のDSC(Differential Scanning Calorimetry、示差走査熱量計)における融点をCmp(℃)、前記ワックスのDSCにおける融点をWmp(℃)とするとき、80℃≦Cmp、Wmp≦120℃、|Cmp−wmp|≦20の関係を満足することにより、何ら弊害なく、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討して本発明を完成したものである。
【0015】
すなわち、本発明の正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナーは、ポリスチレン系樹脂を主樹脂成分とし、結晶性ポリエステル樹脂およびワックスを含み、磁性粉体をトナー全量当たり35〜60重量%添加した正帯電性磁性一成分トナーにおいて、前記結晶性ポリエステル樹脂のDSCによる吸熱反応ピークボトム値をCmp(℃)、前記ワックスのDSCにおける融点をWmp(℃)とするとき、80℃≦Cmp、Wmp≦120℃であり、かつ|Cmp−Wmp|≦20の関係を満足することを特徴とする。
【0016】
本発明の正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナーは、前記ワックスをトナー全量当たり1〜5重量%、前記結晶性ポリエステル樹脂をポリスチレン系樹脂量に対し15〜50重量%添加されていることが好ましい。
本発明の正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナーにおいて、前記ポリスチレン系樹脂の酸価は5mgKOH/g以下であることが好ましい。
本発明の正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナーにおいて、帯電制御剤をトナー全量当たり1.5〜15重量%添加していることが好ましい。
【0017】
本発明の正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナー(以下、単に本発明のトナーと称することがある)において、前記結晶性ポリエステル樹脂のDSCによる吸熱反応ピークボトム値(Cmp)とは、DSCにより昇温させたときに、最初に現れる顕著な吸熱ピークのボトム値(℃)をいう。また、ワックスのDSCにおける融点(Wmp)も前記と同様にDSCにより昇温させたときに、最初に現れる顕著な吸熱ピークのボトム値(℃)をいう。さらに、|Cmp−Wmp|は、CmpとWmpとの差の絶対値を表す。
【0018】
DSCの測定は、約10mgの試料(結晶性ポリエステル樹脂またはワックス)を試料ホルダーに入れ、レファレンス試料としてアルミナ10mgを用いて、10℃/minで160℃まで昇温した後0℃まで冷却し、再度160℃まで昇温したときの吸熱曲線を測定し、前記のCmpおよびWmpを求めることができる。
前記結晶性ポリエステルにおける結晶性とは、軟化点とDSCによる吸熱反応ピークボトム値の比(軟化点/吸熱反応ピークボトム値)が0.9以上1.1未満、好ましくは0.98〜1.05であることをいう。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳述する。
本発明トナーに使用するバインダー樹脂は、前記のとおり、ポリスチレン系樹脂をメイン樹脂とする。このポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。共重合モノマーとしては、p−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフイン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させることもできる。
【0020】
ポリスチレン系樹脂の酸価は5mgKOH/g未満であることが好ましい。5mgKOH/g以上になると、かかる正帯電性が失われ、かつトナーの帯電量がブロードとなり、画像濃度低下やカブリといった画像品質に悪影響を及ぼす。酸価の測定方法としては、一般に、フェノールフタレンを指示薬として、クロロホルムで溶解し、KOHアルコール溶液にて滴定し、酸価を算出する方法がとられている。
【0021】
バインダー樹脂としての前記ポリスチレン系樹脂は、その分子量分布が、二つの重量平均分子量ピーク(低分子量ピークと、高分子量ピ一クと称する。)を有することが好ましい。具体的に、低分子量ピークが3,000〜20,000の範囲内であり、もう一つの高分子量ピークが300,000〜1,500、000の範囲内であり、Mw/Mnが10以上あるものが好ましい。重量平均分子量ピークがこのような範囲内にあれば、トナーを容易に定着させることができ、また、耐オフセット性を向上させることもできる。尚、バインダー樹脂の重量平均分子量は、分子量測定装置(GPC)を用いて、カラムからの溶出時問を測定し、標準ポリスチレン樹脂を用いて予め作成しておいた検量線と照らし合わせることにより、求めることができる。
【0022】
また、バインダー樹脂は、定着性が良好な観点から熱可塑性樹脂が好ましいが、ソックスレー抽出器を用いて測定される架橋部分量(ゲル量)が10重量%以下の値、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲内の値であれば、熱硬化性樹脂であっても良い。このように一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性や形態保持性、あるいは耐久性をより向上させることができる。よって、トナーのバインダー樹脂として、熱可塑性樹脂を100重量%使用する必要はなく、架橋剤の添加や、あるいは、熱硬化性樹脂を一部使用することも好ましい。
【0023】
前記バインダー樹脂は、磁性粉の分散性を向上させるために、ヒドキロキシ(水酸)基、カルボキシル基、アミノ基およびグリシドキシ(エポキシ)基から選択される少なくとも一つの官能基を分子内に有する樹脂を使用することが好ましい。なお、これらの官能基を有しているか否かは、FT−IR装置を用いて確認することができ、さらに滴定法を用いて定量することができる。
バインダー樹脂のガラス転移点は、ガラス転移点(Tg)を55〜70℃の範囲内の値とするのが好ましい。バインダー樹脂のガラス転移点が、55℃未満では、得られたトナー同士が融着し、保存安定性が低下する傾向がある。一方、バインダー樹脂のガラス転移点が、70℃を超えると、トナーの定着性が乏しくなる傾向がある。尚、バインダー樹脂のガラス転移点は、DSCを用いて、比熱の変化点から求めることができる。
【0024】
なお、本発明のトナーにおいて、前記のスチレン系樹脂と共に、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラールなどの他のバインダー樹脂を併用することもできる。
当該結晶性ポリエステルとしては、2価以上の多価アルコール及び2価以上の多価カルボン酸化合物からなる群より選ばれた2価以上の単量体を全アルコール成分100モルに対して0.1〜20モル、好ましくは0.5〜15モル、より好ましくは1〜13モル含有した単量体を用いて縮重合させて得られる結晶性ポリエステルが挙げられる。このような結晶性ポリエステルは結晶であることから、優れた定着性をも兼ね備えている。
【0025】
前記結晶性ポリエステルは、2価以上の多価アルコールからなるアルコール成分と、2価以上の多価カルボン酸化合物からなるカルボン酸成分とを含有した単量体を反応させることにより得られる。
2価の多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5ーペンタジオール、1,6−へキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール、1,4−ブテンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、これらの中では、樹脂の軟化点及び結晶性の観点から、エチレングリコ一ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の炭素数2〜6のジオールが好ましく、α,ω−アルキレングリコールがより好ましく、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。
【0026】
炭素数2〜6のジオールは、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60〜80モル%、特に好ましくは80〜100モル%含有されていることが望ましい。
3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−へキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエルスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロバントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられ、これらの中では樹脂の軟化点及び結晶性の観点からグリセリンが好ましい。
【0027】
また、2価の多価カルボン酸化合物としては、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸及びドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;シクロへキサンジカルボン酸等の脂環式カルボン酸及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等が挙げられるが、これらの中では樹脂の結晶性の観点から、脂肪族カルボン酸が好ましく、フマル酸がより好ましい。
【0028】
脂肪族カルボン酸は、カルボン酸成分中に、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80〜100モル%含有されていることが望ましい。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−へキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロへキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール3量体酸及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等が挙げられ、これらの中では樹脂の結晶性の観点からトリメリット酸及びその酸無水物が好ましい。
【0029】
アルコール成分とカルボン酸成分は、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒等を用いて、150〜250℃の温度で反応させること等により縮重合させることができる。
当該結晶性ポリエステル樹脂のDSCによる吸熱反応ピークボトム温度をCmp(℃)としたとき、80≦Cmp≦120であることが好ましい。80℃未満では該結晶性樹脂の粘弾特性が失われ、ホットオフセット現象を発生してしまう。また、120℃より大きくなると、当該結晶性樹脂の硬さが著しく増し、定着性不良を招いてしまう。
【0030】
また、当該結晶性ポリエステル樹脂の添加量は前記ポリスチレン系樹脂に対し、15〜50重量%の範囲内で加えることが好ましい。とりわけ、20〜40重量%の範囲内で加えることがさらに好ましい。添加量が15%未満では、結晶性ポリエステル樹脂の最大のメリットである定着性に十分な効果が得られない。一方、50重量%を超えてしまうと、ポリエステル特有の負帯電特性がトナーにも影響を与え、結果として帯電不良による画像濃度低下やカブリ現象などを引き起こしてしまう。
【0031】
本発明トナーにおいて前記ワックスは、定着性助剤、ホットオフセット性改良剤としての機能を有し、DSCにおける融点をWmp(℃)とするとき、Wmp≦120℃であることを要し、下限値は80℃≦Wmpであることが好ましい。80℃未満ではトナーの見かけのガラス転移温度を大きく下げてしまい、ブロッキング性を悪化させてしまうので好ましくない。一方120℃より大きくなると、樹脂の低溶融粘度化が鈍くなり、定着性不良を招いてしまう。
【0032】
該ワックスの添加量は、トナー全体重量当たり1〜5重量%の範囲内で使用することが好ましい。1重量%未満では、ワックスのトナーへの低溶融化の効果が薄れてしまい、定着不良を招く。一方、5重量%を超えると、トナー中におけるワックスが単独で存在している確率が高くなり、感光体への汚染、すなわちドラムフィルミングの発生や、また、帯電量分布を大きく乱していまい、画像濃度低下、カブリ発生などの画像欠陥を引き起こしてしまう。
【0033】
本発明のトナーにおいて、前記結晶性ポリエステル樹脂のDSCによる吸熱反応ピークボトム値をCmp(℃)、前記ワックスのDSCにおける融点をWmp(℃)とするとき、|Cmp−Wmp|≦20であることを要する。すなわち、|Cmp−Wmp|>20では、該結晶性ポリエステル樹脂と該ワックスの相溶性が著しく悪化し、ワックス分散性が顕著に悪くなる。その結果、ワックスの効果が十分に発揮できなくなり、定着不良、オフセット現象の発生、ブロッキング性の悪化、ドラムフィルミングの発生、画像濃度低下、カブリの発生などの画像欠陥等、あらゆる弊害を招いてしまう。
【0034】
前記ワックスとしては、例えば、合成ポリエチレンワックス、合成ポリプロピレンワックス等のオレフイン系ワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の植物系ワックス、モンタンワックス等の鉱物系ワックス、石炭及び天然ガス等からフィッシャー・トロプシュ法により作製されるフィッシャー・トロプシュワックス、パラフインワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、エステル系ワックス、テフロン(登録商標)系ワックス等の中から選択することができる。また、これらワックスを併用しても構わない。
【0035】
また、本発明のトナーにおいて、磁性粉体は、フェライト、マグネタイトをはじめとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属、もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、または二酸化クロム等を挙げることができる。これら磁性粉体は平均粒子径が0.1〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmの範囲内の微粉末の形でトナーバインダー中に均一に分散される。また、磁性粉体は、単体およびチタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施したものでもよい。
【0036】
磁性粉体は、トナー中に35〜60重量%含有されるのが好適であり、好ましくは40〜60重量%である。60重量%を超えると画像濃度が低くなり、また、定着性が極度に低下する傾向がある。35重量%未満では、カブリが悪化し、画像欠陥を引き起こす。
次に、本発明のトナーにおいて、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)が著しく向上し、耐久性や安定性に優れた特性等が得られる観点から、電荷制御剤を添加することが好ましい。
【0037】
ここで、添加する電荷制御剤の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ニグロシン、第四級アンモニウム塩化合物、樹脂にアミン系化合物を結合させた樹脂タイプの電荷制御剤等の正帯電性を示す電荷制御剤を使用することが好ましい。また、これら電荷制御剤を併用しても構わない。
例えば、具体的に、アジン化合物としてのピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、バラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、アジン化合物からなる直接染料としての、アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEWおよびアジンディープブラック3RL、ニグロシン化合物としてのニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体、ニグロシン化合物からなる酸性染料としての、ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類、アルコキシル化アミン、アルキルアミド、4級アンモニウム塩としてのべンジルメチルへキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の1種または2種以上が挙げられる。特に、ニグロシン化合物は、より迅速な立ち上がり性が得られる観点から、正帯電性トナーの使用には最適である。
【0038】
また、4級アンモニウム塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボン酸塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボキシル基を有する樹脂またはオリゴマー等が挙げられ、より具体的には、4級アンモニウム塩を有するポリスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン・アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン・アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
【0039】
特に、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩あるいはカルボキシル基を官能基として有するスチレン・アクリル系樹脂(スチレン−アクリル系共重合体)は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる観点から、最適である。また、上述したスチレン・アクリル系樹脂あるいはアクリル系樹脂自体における好ましいアクリル系樹脂として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルなどが挙げられる。
【0040】
さらに、4級アンモニウム塩化合物としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好適である。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
【0041】
また、負帯電性を示すものとして、例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などが挙げられる。
また、本発明のトナーの全体量を100重量%としたときに、電荷制御剤の添加量は、1.5〜15重量%の範囲内の値とするのが好ましい。電荷制御剤の添加量が1.5重量%未満になると、トナーに対して、安定して帯電特性を付与することが困難となり、画像濃度が低くなったり、耐久性が低下したりする傾向がある。また、分散不良が起こりやすく、いわゆるカブリの原因となったり、感光体汚染が激しくなったりする等の傾向がある。一方、電荷制御剤の添加量が15重量%を超えると、耐環境性、特に高温高湿下での帯電不良、画像不良となり、感光体汚染等の欠点が生じやすくなる傾向がある。したがって、電荷制御機能と、トナーの耐久性等とのバランスがより良好な観点から、電荷制御剤の添加量を、2.0〜8.0重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、3.0〜7.0重量%の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0042】
さらに、本発明のトナーは、フェライトキャリア等の現像剤キャリアと混合して二成分現像剤としてもよく、また、単独で一成分現像剤とするなど適宜の方法で使用できる。
本発明のトナーは、さらにトナーの流動性、保存安定性を維持する目的で、コロイダルシリカ、疎水性シリカ等でトナー粒子表面を処理することができる。本発明のトナーは、平均粒径5〜12μm程度が好適である。
【0043】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。なお、言うまでもないが、これら実施例は本発明を例示するものであり、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
実施例1〜4および比較例1〜4
以下のトナーにおいて、ポリスチレン系樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、磁性粉、ワックスおよび電荷制御剤の配合割合は、次のとおりとした。また、各実施例、比較例において用いた、結晶性ポリエステル樹脂のCmp、ワックスのWmpおよび|Cmp−Wmp|の詳細は、後述の表1、表2、表3にまとめて示す。
【0044】
・スチレン/アクリル樹脂(三井化学社製、商品名「アルマテックスCPR100」) 39重量部
・結晶性ポリエステル樹脂(下記の表1参照) 12重量部
・磁性粉(チタン工業社製、商品名「BL−100」) 44重量部
・ワックス(下記の表2参照) 3重量部
・電荷制御剤(オリエント化学工業社製、商品名「ボントロンN−07」) 2重量部
上記の結晶性ポリエステル樹脂として、表1に示す、結晶性PES−A、結晶性PES−B、結晶性PES−C、結晶性PES−Dまたは結晶性PES−Eを用いた。これらの結晶性ポリエステルは、表Aに示す原料と、酸化ジブチル錫1.5g、およびハイドロキノン1.5gとを、窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した5リットル容量の4つ口フラスコに入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させることにより製造した。
【0045】
【表1】
Figure 2004219658
【0046】
上記のワックスとして、表2に示す、WAX−A、WAX−B、WAX−CまたはWAX−Dを用いた。
【0047】
【表2】
Figure 2004219658
【0048】
正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナーを次の方法により製造した。
上記スチレン/アクリル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、ワックスおよび電荷制御剤の混合物を2軸押出機にて溶融混練した後、これを冷却し、粉砕、分級して平均粒径7μmの粉体を得た。この粉体に酸化チタンを2重量%、シリカ(SiO)を0.5重量%外添、混合し表面に付着させて、表3に示すように、実施例1〜4および比較例1〜4のMICR用トナーを作製した。かくして得られたトナーを磁性一成分現像剤として用い、a−Si感光体搭載京セラミタ製ページプリンタ(FS−3750)を用い、画像特性、定着性、ホットオフセット性、ブロッキング性の評価を行い、同時に帯電量を測定し、その結果を表4に示した。
【0049】
これらの評価方法は、以下の通りである。
(1)画像特性
上記トナーを用いて磁性一成分現像剤とし、a−Si感光体搭載京セラミタ製ページプリンタ(FS−3800)を用い、画像特性の評価を行った。通常環境(20℃、65%RH)にて初期時に画像評価パターンを印字して画像とし、ソリッド画像を、マクベス反射濃度計を用いて測定し、同時にかぶりを目視観察することにより画像特性評価を行なった。
【0050】
〇:かぶりがなく良好。
△:ややかぶりを生じている。
×:かぶりがひどい。
(2)定着性
上記トナーを用いて磁性一成分現像剤とし、a−Si感光体搭載京セラミタ製ページプリンタ(FS−3800)を用い、定着温度を180℃に設定し、通常環境(20℃、65%RH)にて、電源OFFの状態で10分間冷却した後、電源ONにし、定着パターンソリッド画像を連続5枚印字し、測定用画像を得る。この画像を綿布で包んだ黄銅製分銅(1kg)の荷重をかけて、10往復擦る。この操作の前後の画像濃度をマクベス反射濃度計で測定し、その濃度の比率を求めて定着性とする。
【0051】
〇:定着率が95%以上。
△:定着率が90%以上〜95%未満。
×:定着率が90%未満。
(3)ホットオフセット性
上記トナーを用いて磁性一成分現像剤とし、a−Si感光体搭載京セラミタ製ページプリンタ(FS−3800)を用い、通常環境(20℃、65%RH)にて、定着温度を230℃に設定し、オフセットバターン画像を連続10枚印字する。この画像を目視判断により、オフセット性の評価を行う。
【0052】
〇:オフセット発生なし。
△:少しのオフセット発生。
×:ひどいオフセット発生。
(4)帯電特性
上記トナー5重量部とフェライトキャリア100重量部を混合して、通常環境にて、60分間摩擦帯電させた時の帯電量(μC/g)を、東芝ケミカル社製ブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて測定を行った。
(5)ブロッキング性
上記トナーをガラス容器に詰め、50℃で100時間放置する。放置後のケーキング発生状態を評価する。
【0053】
〇:ケーキングが認められない。
△:少しのソフトケーキングが認められる。
×:かなりのハードケーキングが認められる。
(6)DSCの測定
DSCとして、セイコーインスツルメント(株)製のDSC−6200を用いた。測定は、約10mgの試料(結晶性ポリエステル樹脂またはワックス)を試料ホルダーに入れ、レファレンス試料としてアルミナ10mgを用いて行った。10℃/minで160℃まで昇温した後0℃まで冷却し、再度160℃まで昇温したときの吸熱特性を測定し、前記のCmpおよびWmpを求めた。
【0054】
表3に、実施例1〜4および比較例1〜4において用いられた結晶性ポリエステル樹脂のDSCによる吸熱反応ピークボトム値(Cmp)と、ワックスのDSCにおける融点(Wmp)を示す。
【0055】
【表3】
Figure 2004219658
【0056】
次に、実施例1〜4および比較例1〜4で得られた各トナーについて、前記の各方法で評価した結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
Figure 2004219658
【0058】
更に、実施例1の性状で磁性粉体の添加量をそれぞれ30、45、60、65重量%と変化させた場合の画像特性と定着性の評価結果を表5に示す。尚、トナーの作製、画像特性、定着性の評価方法については上記と同様である。
【0059】
【表5】
Figure 2004219658
【0060】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ポリスチレン系樹脂を主バインダー樹脂とし、結晶性ポリエステル樹脂のDSCによる吸熱反応ピークボトム値をCmp、ワックスのDSCにおける融点Wmpとするとき、80℃≦Cmp、Wmp≦120℃、|Cmp−Wmp|≦20の条件を満足することにより、磁性粉体が含有されている磁性一成分トナーでもオフセット性、ブロッキング性、画像特性を悪化させることなく、低温領域で定着可能な正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナーを提供することができる。

Claims (1)

  1. ポリスチレン系樹脂を主樹脂成分とし、結晶性ポリエステル樹脂およびワックスを含み、磁性粉体をトナー全量当たり35〜60重量%添加した正帯電性磁性一成分トナーにおいて、前記結晶性ポリエステル樹脂のDSCによる吸熱反応ピークボトム値をCmp(℃)、前記ワックスのDSCにおける融点をWmp(℃)とするとき、80℃≦Cmp、Wmp≦120℃であり、かつ|Cmp−Wmp|≦20の関係を満足することを特徴とする正帯電性磁性一成分静電潜像現像用トナー。
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