JP2017215377A - 静電潜像現像用トナー及び静電潜像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
0.0010≦100×W2/W1≦0.1000 ・・・(1)
0.1000≦100×C2/C1≦10.0000 ・・・(2)
1.00≦(C2/C1)/(W2/W1)≦1000.00 ・・・(3)
0.0010≦100×W2/W1≦0.1000 ・・・(1)
0.1000≦100×C2/C1≦10.0000 ・・・(2)
1.00≦(C2/C1)/(W2/W1)≦1000.00 ・・・(3)
下記式(1)の値「100×W2/W1」は、ニグロシンによって結晶性ポリエステル樹脂がどの程度溶解するかを示す指標である。
0.0010≦100×W2/W1≦0.1000 ・・・(1)
下記式(2)の値「100×C2/C1」は、結晶性ポリエステル樹脂によってニグロシンがどの程度溶解するかを示す指標である。
0.1000≦100×C2/C1≦10.0000 ・・・(2)
下記式(3)の値「(C2/C1)/(W2/W1)」は、結晶性ポリエステル樹脂とニグロシンとがどの程度混練されているかを示す指標である。
式(3)中のW1及びW2は、式(1)中のW1及びW2と同義である。式(3)中のC1及びC2は、式(2)中のC1及びC2と同義である。
1.00≦(C2/C1)/(W2/W1)≦1000.00 ・・・(3)
本実施形態のトナーは、式(1)、(2)及び(3)に加えて、下記式(4)を満たすことが好ましい。トナーを製造する際の混練工程において、トナー粒子中に結晶性ポリエステル樹脂の領域を分散させることができる。式(4)中、Rは、結晶性ポリエステル樹脂の領域の個数基準の分散径分布において、分散径の小さい方から100個数%目の結晶性ポリエステル樹脂の領域の分散径を示す。
0.40μm≦R≦0.90μm ・・・(4)
トナー母粒子は、結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有する。トナー母粒子は、結着樹脂として、非結晶性ポリエステル樹脂を更に含有してもよい。トナー母粒子は、必要に応じて、その他の結着樹脂を更に含有してもよい。
ポリエステル樹脂が結晶性であるか非結晶性であるかは、示差走査熱量測定(DSC)を用いて確認することができる。本明細書において、結晶性ポリエステル樹脂とは、DSCにより得られるスペクトルが、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するポリエステル樹脂を意味する。具体的には、本明細書において、昇温速度10℃/分で測定した際の吸熱ピークの半値幅が15℃以下であるポリエステル樹脂が結晶性である。本明細書において、吸熱ピークの半値幅が15℃を超えるポリエステル樹脂、又は明確な吸熱ピークが認められないポリエステル樹脂が非結晶性(非晶質)である。ポリエステル樹脂の吸熱ピークの半値幅の測定方法は、実施例に記載の方法又はその代替法である。
非結晶性ポリエステル樹脂は、例えばアルコールとカルボン酸とを重合させることにより得られる。非結晶性ポリエステル樹脂の調製に用いられるアルコールの例は、結晶性ポリエステル樹脂の調製に用いられるアルコールの例と同じである。非結晶性ポリエステル樹脂の調製に用いられるカルボン酸の例は、結晶性ポリエステル樹脂の調製に用いられるカルボン酸の例と同じである。非結晶性ポリエステル樹脂を得るためには、アルカンジカルボン酸以外のカルボン酸を使用することが好ましく、2個のカルボキシル基を有する炭素原子数1以上18以下のアルカン以外のカルボン酸を使用することがより好ましい。非結晶性ポリエステル樹脂を得るためには、カルボン酸が150以上300以下の分子量を有するカルボン酸ではないことが好ましく、150以上300以下の分子量を有し2個のカルボキシル基を有する炭素原子数1以上18以下のアルカンではないことがより好ましい。
その他の結着樹脂の例は、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂、スチレンアクリル酸系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル化合物系樹脂又はスチレンブタジエン樹脂である。その他の結着樹脂の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、その他の樹脂に、架橋剤又は熱硬化性樹脂を添加してもよい。
トナー母粒子は、電荷制御剤として、ニグロシンを含有する。ニグロシンは、トナーにおいて正帯電性の電荷制御剤として機能する。そのため、本実施形態のトナーを用いて画像を形成する場合には、トナーを正帯電させて(正帯電性トナーとして)現像することが好ましい。トナー母粒子は、必要に応じて、その他の電荷制御剤を含有してもよい。
ニグロシンは、アニリン又はアニリン塩酸塩とニトロベンゼンとを、塩酸及び触媒(例えば銅又は鉄)の存在下で酸化還元縮合させることにより得られる。ニグロシンは、このような方法で得られるアジン骨格(=C=N−N=C=)を有する化合物又はその混合物である。ニグロシンは黒色染料である。ニグロシンの例としては、C.I.ソルベントブラック5、C.I.ソルベントブラック7、C.I.アシッドブラック2又はその他のアジン骨格を有する化合物が挙げられる。
その他の電荷制御剤の例は、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩からなる酸性染料、ナフテン酸の金属塩類、高級脂肪酸の金属塩類、アルコキシル化アミン又はアルキルアミドである。その他の電荷制御剤の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
磁性粉は、トナーに使用できる限り特に限定されない。磁性粉の例は、強磁性金属、複数種の強磁性金属の合金、強磁性金属を主成分とした磁性粉、コバルト又はニッケルを酸化鉄にドーピングした磁性粉、強磁性金属元素を含まないが熱処理により強磁性を示すようになる合金又は二酸化クロムである。強磁性金属の例は、鉄、コバルト又はニッケルである。鉄は、酸化鉄(例えば、マグネタイト又はフェライト)の形態で使用されてもよい。これらの磁性粉の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。トナー粒子の帯電量を調整し易いことから、磁性粉としては、マグネタイトが好ましい。
離型剤は、例えばトナーの定着性及び耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性及び耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、100質量部の結着樹脂に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、1質量部以上15質量部以下であることがより好ましい。
着色剤としては、トナーの色に合わせて、公知の顔料又は染料が用いられる。着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。なお、トナー母粒子が磁性粉を含有する場合には、磁性粉が黒色であるため、トナー母粒子に着色剤を添加しなくてもよい。
トナー母粒子の表面には、外添外が付着していてもよい。外添剤の例は、シリカ又は金属酸化物である。金属酸化物の例は、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸バリウムである。外添剤の表面は疎水化処理されていてもよい。外添剤の1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
トナーは一成分現像剤として使用されてもよい。或いは、所望のキャリアと混合されて、トナーが二成分現像剤において使用されてもよい。二成分現像剤を調製する場合、磁性キャリアを用いることが好ましい。キャリアとして、樹脂により被覆されたキャリアコアを使用してもよい。また、キャリアとして、樹脂中にキャリアコアを分散させた樹脂キャリアを用いてもよい。
トナーは、例えば、以下の方法で製造される。なお、トナーの製造方法は、要求されるトナーの構成又は特性に応じて任意に変更されてもよい。また、必要のない操作を割愛してもよい。例えば、トナー母粒子に外添剤を付着させない場合には、後述する外添工程を割愛してもよい。外添工程が割愛される場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。効率的にトナーを製造するためには、多数のトナー粒子を同時に形成することが好ましい。
トナー母粒子の製造方法の例は、凝集法又は粉砕法である。粉砕法は、凝集法よりも容易にトナー母粒子を製造できることが多い。以下、粉砕法を例に挙げて、トナー母粒子の製造工程を説明する。
トナー母粒子の製造工程の後、必要に応じて、外添工程が行われてもよい。外添工程では、トナー母粒子と外添剤とを、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いて混合する。混合条件は、外添剤がトナー母粒子に完全に埋没しない条件に設定されることが好ましい。混合により、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。その結果、複数のトナー粒子を含むトナーが得られる。
以下の方法で、トナーA−1〜A−5及びB−1〜B−7を製造した。
結着樹脂としての非結晶性ポリエステル樹脂AM(吸熱ピークの半値幅:25℃)45質量部、結着樹脂としての結晶性ポリエステル樹脂CR(ドデカン二酸とアルコールとの重合体、溶融開始温度:68℃、融点Tm:73℃、質量平均分子量Mw:5500、分子量分布(数平均分子量に対する質量平均分子量の比率)Mw/Mn:6.0、酸価:6.0mgKOH/g、水酸基価:29.0mgKOH/g及び吸熱ピークの半値幅:15℃)10質量部、電荷制御剤としてのニグロシン(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)N−71」)5質量部、離型剤としてのカルナバワックス(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)5質量部及び磁性粉(戸田工業株式会社製、体積中位径D50:60nm、保持力:8.5kA/m、飽和磁化:83Am2/kg、残留磁化:4.9Am2/kg、なお飽和磁化及び残留磁化は振動試料型磁力計(東英工業株式会社製「VSM−P7」)を用いて外部磁場796kA/mで測定した値である)35質量部を、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、回転速度2400rpmの条件で、180秒間混合した。得られた混合物を、二軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて混練した。混練条件は、材料供給速度5kg/時、混練速度(二軸押出機のスクリューの回転速度、即ち軸回転数)150rpm及び混練温度(シリンダー温度)150℃であった。得られた混練物を冷却した後、粉砕機(旧東亜機械製作所製「ロートプレックス16/8型」)を用いて混練物を粗粉砕した。粗粉砕物を、ジェットミル(日本ニューマチック工業株式会社製「超音波ジェットミルI型」、衝突板式粉砕機)を用いて更に粉砕した。得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、トナー母粒子が得られた。得られたトナー母粒子の体積中位径D50は8.0μmであった。トナー母粒子の体積中位径D50は、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「コールターカウンターマルチサイザー3」)を用いて測定した。
以下の点を変更した以外は、トナーA−1の製造と同様の方法で、トナーA−2〜A−4及びB−1〜B−7を製造した。混練温度を、トナーA−1の製造における150℃から、表1に示す温度に変更した。混練速度を、トナーA−1の製造における150rpmから、表1に示す混練速度に変更した。
以下の点を変更した以外は、トナーA−1の製造と同様の方法で、トナーA−5を製造した。非結晶性ポリエステル樹脂AMの添加量を、トナーA−1の製造における80質量部から、77質量部に変更した。結晶性ポリエステル樹脂CRの添加量を、トナーA−1の製造における10質量部から、15質量部に変更した。ニグロシンの添加量を、トナーA−1の製造における5質量部から、3質量部に変更した。
非結晶性ポリエステル樹脂AM及び結晶性ポリエステル樹脂CRの吸熱ピークの半値幅の測定方法は、次のとおりである。示差走査熱量計(DSC、セイコーインスツル株式会社製「DSC6220」)を用いて、測定試料(非結晶性ポリエステル樹脂AM又は結晶性ポリエステル樹脂CR)の吸熱ピークを測定した。まず、測定試料10mgをアルミパン中に入れた。リファレンスとして空のアルミパンを使用した。測定温度範囲は25℃以上200℃以下であった。昇温速度は10℃/分であった。このような条件で、測定試料の吸熱ピークを得た。得られた吸熱ピークから、測定試料の半値幅(単位:℃)を求めた。
トナーA−1〜A−5及びB−1〜B−7の各々について、トナー母粒子の質量に対する結晶性ポリエステル樹脂の含有率W1、トナー母粒子の質量に対するトナー母粒子のエタノール可溶分に含まれる結晶性ポリエステル樹脂の含有率W2、トナー母粒子の質量に対するトナー母粒子のエタノール可溶分に含まれるニグロシンの含有率C2及び結晶性ポリエステル樹脂の個数基準の分散径分布において分散径の小さい方から100個数%目の領域の分散径Rを、各々、以下の方法を用いて測定した。
(エタノール可溶分の調製)
まず、トナー母粒子のエタノール可溶分を調整した。容器に、0.35gのトナー母粒子(外添工程前のトナー)及び4.00gのエタノールを添加した。容器の内容物を、25℃の環境下でボールミルを用いて100rpmの回転速度で3分間混合した。続いて、容器を3分間静置し、容器の内容物から上澄み液を取り出した。遠心分離器を用いて、上澄み液に含まれる固体成分を沈殿させ、上澄み液からエタノール溶液を取り出した。これにより、トナーのエタノール可溶分を含むエタノール溶液を得た。
含有率W1の測定には、測定試料として、60μgのトナーを使用した。含有率W2の測定には、測定試料として、2μLのエタノール溶液(エタノール可溶分を含むエタノール溶液)を使用した。測定装置としては、ガスクロトマトグラフ質量分析装置(島津製作所株式会社製「GCMS−QP2010Ultra」)と、熱分解装置(パイロライザー、FLONTERLAB社製「EGA/PY−3030D」)とを一体化させた熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置(PY−GC−MS)を用いた。
パイロライザー温度:600℃
インターフェイス温度:320℃
カラム:DB−5MS(長さ30.0m、膜厚0.25μm、内径0.25mm)
キャリアガス:ヘリウム(He)
流量:1mL/分
気化室の温度:320℃
カラムオーブンの温度条件:40℃以上320℃以下、昇温速度28℃/分
インターフェイス温度:320℃
イオン源温度:200℃
検出モード:Scan
スキャン質量範囲:m/z値が45以上500以下である範囲
(分光光度計による測定)
分光光度計による測定には、上述のエタノール可溶分の調製で得られたエタノール可溶分を含むエタノール溶液を用いた。エタノール可溶分を含むエタノール溶液の吸光度を、分光光度計(日立株式会社製「U−3900」)を用いて測定した。吸光度は、波長300nm以上800nm以下の紫外線をエタノール溶液に照射することにより測定した。ニグロシンは、波長516nmの紫外線を特徴的に吸収する。測定された吸光度から、検量線を用いて、エタノール溶液(トナーのエタノール可溶分を含むエタノール溶液)に含まれるニグロシンの質量を算出した。算出されたニグロシンの質量から、トナー母粒子の質量に対する、トナー母粒子のエタノール可溶分に含まれるニグロシンの含有率C2(単位:質量%)を算出した。
トナーと常温硬化性エポキシ樹脂とを混合して、トナーが樹脂中に十分に分散した混合物を得た。得られた混合物を、温度40℃の環境下で2日間放置し、硬化させた。これによりトナーが分散した固化物を得た。ミクロトーム(ライカ株式会社製「EMUC6」)を用いて、硬化物からトナーを含む薄片を切り出した。SPM(株式会社日立ハイテクサイエンス製「SPI3800N(プローブステーション)」及び「SPA400(多機能型ユニット)」)を用いて、以下の条件で、切り出した薄片を観察し、トナーの断面のSPM画像を得た。
測定モード :マイクロ粘弾性モード(VE−AFM)
スキャナー :FS−100N(面内100μm、垂直15μm)
マイクロカンチレバー:窒化ケイ素製SN−AF01(バネ定数0.08N/m)
測定環境 :室温(25℃±5℃)、大気下
加振周波数 :3kHz以上5kHz以下
加振振幅 :4nm以上6nm以下
トナーA−1〜A−5及びB−1〜B−7の各々に対して、以下の方法で、トナーの帯電安定性、定着性、耐フィルミング性及び耐ブロッキング性を評価した。
帯電安定性の評価環境は、温度25℃且つ相対湿度50%RHであった。評価機としてプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−1370DN」、磁性1成分現像システムを備えるプリンター)を用いた。トナー(トナーA−1〜A−5及びB−1〜B−7の何れか)を評価機の現像装置に投入した。更に、トナー(トナーA−1〜A−5及びB−1〜B−7の何れか)を評価機のトナーコンテナに投入した。評価機を用いて、画像I(印字率4%の画像)を1000枚の用紙に連続して印刷した。続いて、画像II(印字率100%のソリッド画像部と印字率0%の白紙画像部とを含む画像)を1枚の用紙に印刷した。この1000枚の画像Iの印刷及び1枚の画像IIの印刷を、連続して5回繰り返した。1000枚、2000枚、3000枚、4000枚及び5000枚の画像Iの印刷後に印刷された画像IIの各々を、評価用画像とした。各評価用画像におけるソリッド画像部の画像濃度を、反射濃度計(サカタインクスエンジニアリング株式会社販売「SpectroEye(登録商標)LT」)を用いて測定した。各評価用画像における白紙画像部の画像濃度を、反射濃度計(サカタインクスエンジニアリング株式会社販売「SpectroEye(登録商標)LT」)を用いて測定した。得られた白紙画像部の画像濃度からベースペーパーの画像濃度を引いた値を、カブリ濃度とした。測定された画像濃度及びカブリ濃度から、下記の基準に従ってトナーの帯電安定性を評価した。1000枚、2000枚、3000枚、4000枚及び5000枚の画像Iの印刷後に印刷された画像IIの各々の画像濃度及びカブリ濃度を、表2に示す。また、トナーの帯電安定性の評価結果を、表2に示す。
◎(非常に良い):5000枚印刷後に印刷された評価用画像が、1.20以上の画像濃度及び0.010未満のカブリ濃度の両方を満たした。
○(良い):5000枚印刷後に印刷された評価用画像が、1.20以上の画像濃度及び0.010未満のカブリ濃度の一方又は両方を満たさなかった。4000枚印刷後に印刷された評価用画像が、1.20以上の画像濃度及び0.010未満のカブリ濃度の両方を満たした。
×(悪い):5000枚印刷後に印刷された評価用画像が、1.20以上の画像濃度及び0.010未満のカブリ濃度の一方又は両方を満たさなかった。4000枚印刷後に印刷された評価用画像が、1.20以上の画像濃度及び0.010未満のカブリ濃度の一方又は両方を満たさなかった。
トナーの定着性の評価には、評価機としてプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−1370DN」、磁性1成分現像システムを備えるプリンター)を用いた。トナー(トナーA−1〜A−5及びB−1〜B−7の何れか)を評価機の現像装置に投入した。更に、トナー(トナーA−1〜A−5及びB−1〜B−7の何れか)を評価機のトナーコンテナに投入した。評価機の条件を、線速200mm/秒、ニップ通過時間40ミリ秒、ニップ幅8mm及びトナー載り量1.0mg/cm2に設定した。評価機を用いて、90g/m2の紙(A4サイズの紙)に、未定着のソリッド画像(大きさ25mm×25mm、印字率100%)を形成した。続けて、未定着のソリッド画像が形成された紙を定着装置に通し、ソリッド画像を紙に定着させた。定着装置の定着温度は100℃以上260℃以下に設定した。詳しくは、定着装置の定着温度を100℃から5℃ずつに上昇させて、各定着温度でソリッド画像を紙に定着させた。
A評価:最低定着可能温度が125℃以下であった。
B評価:最低定着可能温度が125℃超130℃以下であった。
C評価:最低定着可能温度が130℃超であった。
A評価:最高定着可能温度が220℃以上であった。
B評価:最高定着可能温度が210℃以上220℃未満であった。
C評価:最高定着可能温度が210℃未満であった。
◎(非常に良い):低温定着性の評価及び耐ホットオフセット性の評価の両方が、A評価であった。
○(良い):低温定着性の評価及び耐ホットオフセット性の評価に、少なくとも1つB評価があった。低温定着性の評価及び耐ホットオフセット性の評価の何れにもC評価がなかった。
×(悪い):低温定着性の評価及び耐ホットオフセット性の評価に、少なくとも1つC評価があった。
トナーの耐フィルミング性の評価環境は、温度25℃及び相対湿度50%RHであった。評価機としてカラープリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa500ci」、タッチダウン現像方式を採用したプリンター)を用いた。評価用現像剤を評価機の現像装置に投入した。トナー(トナーA−1〜A−5及びB−1〜B−7の何れか)を評価機のトナーコンテナに投入した。評価機における、現像スリーブとマグネットロールとの間の電圧を250Vに設定し、マグネットロールに印加する交流電圧(Vpp)を2.0kVに設定した。評価機を用いて、5000枚の紙に画像I(印字率4%の画像)を連続して印刷した。5000枚印刷した後、1枚の画像III(A4紙と同じ大きさの印字率100%のソリッド画像)及び1枚の画像IV(A4紙と同じ大きさの印字率50%のハーフトーン画像)を印刷した。得られたソリッド画像及びハーフトーン画像を目視で観察し、色点及び画像抜けの有無を確認した。また、ソリッド画像及びハーフトーン画像を形成した後、評価機の感光体の表面を目視で観察し、感光体の表面におけるトナー成分の付着の有無を確認した。これらの観察結果から、下記の基準に従ってトナーの耐フィルミング性を評価した。トナーの耐フィルミング性の評価結果を、表4に示す。
○(良い):ソリッド画像及びハーフトーン画像中に色点及び画像抜けがなかった。感光体の表面にトナー成分が付着していなかった。
×(悪い):ソリッド画像及びハーフトーン画像中に色点及び画像抜けの一方又は両方があった。或いは、感光体の表面にトナー成分が付着物していた。
トナー3gをポリ容器に秤量し、60℃に設定された恒温器内に3時間静置した。これにより、耐熱保存性評価用のトナーが得られた。その後、200メッシュの篩をセットしたパウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製「TYPE PT−E 84810」)を用いて、レオスタッド目盛り5の条件で、耐熱保存性評価用のトナーを30秒間篩別した。篩別後に、篩上に残留したトナーの質量を測定した。篩別前のトナーの質量と、篩別後に篩上に残留したトナーの質量とから、下記式に従って、トナーがメッシュを通過する割合(通過率、単位:質量%)を算出した。算出された通過度から、下記基準に従って耐熱保存性を評価した。トナーのメッシュ通過率及びトナーの耐ブロッキング性の評価結果を、表4に示す。
通過率(質量%)=100×(篩別前のトナーの質量−篩別後に篩上に残留したトナーの質量)/篩別前のトナーの質量
◎(非常に良い):通過率が95質量%以上であった。
○(良い):通過率が90質量%以上95質量%未満であった。
△(普通):通過率が80質量%以上90質量%未満であった。
×(悪い):通過率が80質量%未満であった。
Claims (8)
- トナー粒子を複数含む、静電潜像現像用トナーであって、
前記トナー粒子は、結晶性ポリエステル樹脂とニグロシンとを少なくとも含有し、
前記トナー粒子の質量に対する前記結晶性ポリエステル樹脂の含有率W1と、前記トナー粒子の質量に対する前記トナー粒子のエタノール可溶分に含まれる前記結晶性ポリエステル樹脂の含有率W2とが、下記式(1)を満たし、前記エタノール可溶分は0.35gの前記トナー粒子と4.00gのエタノールとを25℃の環境下でボールミルを用いて100rpmの回転速度で3分間混合することにより得られ、
前記トナー粒子の質量に対する前記ニグロシンの含有率C1と、前記トナー粒子の質量に対する前記トナー粒子の前記エタノール可溶分に含まれる前記ニグロシンの含有率C2とが、下記式(2)を満たし、
前記含有率W1、W2、C1及びC2が、下記式(3)を満たす、静電潜像現像用トナー。
0.0010≦100×W2/W1≦0.1000 ・・・(1)
0.1000≦100×C2/C1≦10.0000 ・・・(2)
1.00≦(C2/C1)/(W2/W1)≦1000.00 ・・・(3) - 前記トナー粒子中に前記結晶性ポリエステル樹脂の領域が分散しており、
前記領域の個数基準の分散径分布において、分散径の小さい方から100個数%目の前記領域の分散径Rが、下記式(4)を満たす、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
0.40μm≦R≦0.90μm ・・・(4) - 前記結晶性ポリエステル樹脂は、アルコールと、150以上300以下の分子量を有するカルボン酸との重合体である、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記150以上300以下の分子量を有するカルボン酸は、150以上300以下の分子量を有し2個のカルボキシル基を有する炭素原子数1以上18以下のアルカンである、請求項3に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記トナー粒子は、非結晶性ポリエステル樹脂、磁性粉及び離型剤の少なくとも1つを更に含有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂と前記ニグロシンとを混練する混練工程を含み、
前記混練工程において、前記結晶性ポリエステル樹脂の一部と前記ニグロシンの一部とを互いに溶解させて、請求項1〜5の何れか一項に記載の静電潜像現像用トナーを得る、静電潜像現像用トナーの製造方法。 - 前記混練工程において、前記トナー粒子中に前記結晶性ポリエステル樹脂の領域を分散させながら、前記領域の個数基準の分散径分布における分散径の小さい方から100個数%目の前記領域の分散径が0.40μm以上0.90μm以下になるまで、前記結晶性ポリエステル樹脂の一部と前記ニグロシンの一部とを互いに溶解させる、請求項6に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
- 前記混練工程において、混練速度は150rpm以上180rpm以下であり、混練温度は120℃以上170℃以下である、請求項6又は7に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法。
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