JP2004220017A - 二成分系磁性現像剤を用いての現像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた定着性を確保し、初期の感光体汚染並びに現像を繰り返し行ううちに生じる帯電量の低下が有効に防止され、長期間にわたって安定して良質の画像を得る現像方法を提供する。
【解決手段】 二成分系磁性現像剤を用いて、感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、現像によるトナーの消費に伴って該現像剤中のトナー濃度が一定値以下に低下したときに、該現像剤中にトナーを補給して現像を行う現像方法において、トナーのDSC測定における降温時の発熱ピークから算出される冷却DSC値が8±2℃の範囲にあり、初期の現像時に使用される現像剤中のスタート用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.1乃至2.0重量部の量で外添されているものを使用し、補給用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.005乃至0.05重量部の量で外添されているものを使用することを特徴とする。
【選択図】なし。
【解決手段】 二成分系磁性現像剤を用いて、感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、現像によるトナーの消費に伴って該現像剤中のトナー濃度が一定値以下に低下したときに、該現像剤中にトナーを補給して現像を行う現像方法において、トナーのDSC測定における降温時の発熱ピークから算出される冷却DSC値が8±2℃の範囲にあり、初期の現像時に使用される現像剤中のスタート用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.1乃至2.0重量部の量で外添されているものを使用し、補給用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.005乃至0.05重量部の量で外添されているものを使用することを特徴とする。
【選択図】なし。
Description
本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ等の電子写真法による画像形成装置に適用される現像方法に関する。
電子写真法では、感光体表面を所定極性に一様に帯電し、次いで所定の原稿情報に基づいての光照射による画像露光を行って静電潜像を形成し、この静電潜像を現像してトナー像を形成し、このトナー像を所定の用紙に転写し、この用紙を定着装置に搬送して該定着装置において加熱及び加圧させることによって該トナー像を用紙に定着することにより、画像形成が行われる。また、トナー像転写後において、感光体表面は、クリーニングブレード等によりクリーニングされて残存するトナーが除去され、さらに必要により光照射等による除電が行われ、次の画像形成行程が行われる。
このような画像形成行程で静電荷像の現像に用いる現像剤としては、トナーと磁性キャリヤ(例えばフェライトや鉄粉)とからなる二成分系磁性現像剤が代表的である。
即ち、この二成分系磁性現像剤は、例えば現像装置において現像槽から多数の磁極を有する位置固定されたマグネット内蔵の回動可能な現像スリーブ上に供給され、この現像スリーブによって磁気ブラシの形で現像域に搬送され、磁気ブラシ中のトナーが感光体上の静電潜像部に付着し、トナー像の形成が行われる。この場合、磁性キャリヤは現像によっては消費されず、そのまま現像槽に回収され、再びトナーと混合されて使用される。一方、トナーは現像によって消費されるため、現像器中のトナー濃度(磁性キャリアの量に対するトナーの量の比率)が一定値以下に低下した場合には、トナー補給が行われる。
ところで、上記のようなトナーは、結着樹脂中に着色顔料や所定の帯電制御剤などが分散配合されたものであるが、定着性を向上させるため、一般に適量の合成或いは天然ワックスが配合される。このようなワックスが配合されたトナーを用いて現像を行った場合、感光体上にワックス成分が付着することによってトナー付着を生じてしまい、得られる画像には、黒点或いは筋状の異常画像が発生することがある。この理由はワックス成分の分散径が大きいと、トナー粒子製造工程における結着樹脂の粉砕時に結着樹脂に含有されているワックス成分と結着樹脂の界面から割れてしまうことが多くなるため、トナー粒子表面にワックス成分が露出し、この露出したワックス成分が感光体上に付着することによってトナー粒子自体も感光体上に付着することになってしまう。このような異常画像は、クリーニングブレードがトナーに馴染んでいず充分なクリーニング効果を発揮できないクリーニングブレードの使用初期(即ち、画像形成行程をあまり行っていない状態)に発生しやすい。
このような問題を回避するために、トナーには、ステアリン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩を外添することが従来から行われている。
例えば、アニオン性基を有する樹脂を含むトナーに、スペーサ粒子及びステアリン酸亜鉛を付着させて使用することが提案されている(特許文献1参照)。
また、ステアリン酸亜鉛と酸化チタン微粉体とを同時にトナーに添加することも提案されている(特許文献2参照)。
更には、6〜8μmの小粒径トナーにシリカを0.9〜1.4%及びステアリン酸亜鉛を0.05〜0.3%添加することも提案されている(特許文献3参照)。
また、更には、トナー粒子中のワックスの平均分散粒径を0.05〜0.8μmに規定しさらにトナー粒子の体積平均粒径とワックスの平均分散粒径の比をパーセントで表した分散比率を0.7〜7.5に規定することも提案されている(特許文献4参照)。
特開平8−76421号公報
特開平8−272132号公報
特開2000−19773号公報
特開2003−233217号公報
しかしながら、上述した特許文献1乃至3に記載されているトナーを用いての二成分系磁性現像剤により現像を行う場合には、何れも前述した初期の感光体汚染(トナー付着)を有効に防止することが困難であった。即ち、初期の感光体汚染を有効に防止し得る程度にステアリン酸亜鉛を外添して使用すると、現像を繰り返し行っていくうちに、トナーの帯電量の低下が生じ、適正濃度の画像を得ることが困難となってしまうのである。即ち、現像を繰り返し行っていくうちに、外添剤であるステアリン酸亜鉛が次第にトナーから脱離してしまい、トナーと混合されるキャリヤの表面に付着してキャリアによるトナーの帯電作用を阻害するためトナーが充分帯電されず、結果としてトナーの帯電量低下が生じてしまうのである。その結果得られた画像にかぶりが発生するという問題があった。
また、上述した引用文献4に記載されているようにワックスの平均分散粒径を規定することで、クリーニングブレードの使用初期における上述のような感光体上へのトナー付着による画像不良の発生を防止することも検討されてはいるが、平均分散粒径を測定するには高価な電子顕微鏡を使用し、測定サンプル毎に電子顕微鏡内を真空にする必要あり時間がかかるなど、コストと時間面でトナーの生産工程に導入するには問題があり、簡便な分析方法の開発が待たれていた。さらには 相溶化剤の添加量を規定するということも検討されているが、トナー製造時の混練冷却時の冷却工程における環境温度等の影響によって規定内の量の相溶化剤を用いても良好な結果が得られないことがあり、この面からも他の規定方法の開発が待たれていた。
従って本発明の目的は、優れた定着性を確保しつつ、従来より簡便なトナーの特性の測定手法によってトナーの特性を規定することによって、初期の感光体汚染を防止し、並びに画像形成工程を繰り返し行ううちに生じるトナーの帯電量の低下が有効に防止され、長期間にわたって安定して良質の画像を得ることが可能な二成分系磁性現像剤を用いての現像方法を提供することにある。
本発明によれば、トナーと磁性キャリヤとからなる二成分系磁性現像剤を用いて、感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、現像によるトナーの消費に伴って該現像剤中のトナー濃度が一定値以下に低下したときに、該現像剤中にトナーを補給して現像を行う現像方法において、
前記トナーは、合成もしくは天然ワックスを含有しており、且つ該トナーのDSC測定における降温時の発熱ピークから算出される冷却DSC値が8±2℃の範囲にあり、
初期の現像時に使用される現像剤中のスタート用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.1乃至2.0重量部の量で外添されているものを使用し、
補給用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.005乃至0.05重量部の量で外添されているものを使用することを特徴とする現像方法(以下、第1発明と呼ぶことがある)が提供される。
前記トナーは、合成もしくは天然ワックスを含有しており、且つ該トナーのDSC測定における降温時の発熱ピークから算出される冷却DSC値が8±2℃の範囲にあり、
初期の現像時に使用される現像剤中のスタート用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.1乃至2.0重量部の量で外添されているものを使用し、
補給用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.005乃至0.05重量部の量で外添されているものを使用することを特徴とする現像方法(以下、第1発明と呼ぶことがある)が提供される。
本発明によれば、また、トナーと磁性キャリヤとからなる二成分系磁性現像剤を用いて、感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、現像によるトナーの消費に伴って該現像剤中のトナー濃度が一定値以下に低下したときに、該現像剤中にトナーを補給して現像を行う現像方法において、
前記トナーは、合成もしくは天然ワックスを含有しており、且つ該トナーのDSC測定における降温時の発熱ピークは、該ピーク値の高温側領域に少なくとも1個のショルダーを有しており、
初期の現像時に使用される現像剤中のスタート用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.1乃至2.0重量部の量で外添されているものを使用し、
補給用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.005乃至0.05重量部の量で外添されているものを使用することを特徴とする現像方法(以下、第2発明と呼ぶことがある)が提供される。
前記トナーは、合成もしくは天然ワックスを含有しており、且つ該トナーのDSC測定における降温時の発熱ピークは、該ピーク値の高温側領域に少なくとも1個のショルダーを有しており、
初期の現像時に使用される現像剤中のスタート用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.1乃至2.0重量部の量で外添されているものを使用し、
補給用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.005乃至0.05重量部の量で外添されているものを使用することを特徴とする現像方法(以下、第2発明と呼ぶことがある)が提供される。
上記の第1及び第2発明においては、前記脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛が最も好適に使用される。
本発明の第1の特徴は、トナーとして、示差熱分析(DSC)測定(以降DSC測定と記す)における降温時の発熱ピークが一定の条件を満足するものを使用する点にある。
即ち、第1発明では、DSC測定における発熱ピークから算出される冷却DSC値が8±2℃、特に好ましくは8±1℃の範囲にあるトナーを使用し、第2発明では、ピーク値の高温側領域に少なくとも1個のショルダーを有するような発熱ピークを示すトナーを用いる。
DSC測定における降温時の発熱ピークは、トナーを一旦昇温させ、次いで冷却していく過程において、トナー中のワックスが結晶化することにより発現するものである。
即ち、冷却DSC値とは、ワックスの結晶開始温度と結晶終了温度との温度差を意味するものであり、例えば図1(a)或いは図1(b)に示す形状の発熱ピークにおいて、以下のようにして算出される。
先ず、DSC曲線のベースラインAを引き、発熱ピークの頂点PからベースラインAに垂線を引く。この垂線の二等分線をベースラインAと平行に引き、この平行線と発熱ピーク曲線との交点P1、P2を求める。交点P1、P2からそれぞれ、発熱ピーク曲線の接線を引き、この接線とベースラインAとの交点X1、X2を求める。このX1、X2の差(温度差)が冷却DSC値となる。
第1発明では、冷却DSC値が上記範囲内となるようにワックスが分散されているトナーを用いることにより、優れた定着性を確保し、クリーニングブレードの使用初期における感光体上へのトナー付着による画像不具合の発生を防止することができる。
また、上述した発熱ピークにおいて、ピーク値の高温側領域にショルダーを有しているということは、トナー中のワックスの一部がトナー粒子表面に適切な量露出していることを意味している。即ち、第2発明では、このようなショルダーを有する発熱ピークを示すトナーを用いることにより、優れた定着性を確保し、且つクリーニングブレードの使用初期における感光体汚染による画像不良のない出力画像を得ることができる。例えば、上記のようなショルダーを全く有しておらず、正規分布曲線の如き発熱ピークを示すトナーは、粒子表面に露出しているワックス量が不足しているために、これを用いて現像を行うと、定着性が不満足となり、かつトナーの潤滑性が不足しているため、感光体へのトナー付着は発生しないものクリーニングブレードから異音が発生することがある。またピーク値の低温側にのみショルダーを有するトナーは、トナー粒子表面に露出しているワックス量が多すぎるため、感光体へのトナー付着が著しくなってしまう。
本発明の第2の特徴は、トナーに外添する脂肪酸金属塩を、現像初期の段階で使用されるスタートトナーと補給用トナーとで異なる量で使用する点にある。
即ち、第1発明及び第2発明の何れにおいても、スタートトナーでは、脂肪族金属塩の外添量を、トナー粒子100重量部当り0.1乃至2.0重量部とし、補給用トナーでは、トナー100重量部当り0.005乃至0.05重量部の量、即ちスタートトナーに比して少量とする。このように、脂肪酸金属塩の使用量を調節することにより、現像初期の段階での感光体へのトナー付着(トナー汚染)を有効に防止し、且つ現像を長期間にわたって繰り返し行った場合にも、トナー帯電量の低下によって生じるかぶりを有効に回避することが可能となるものである。
即ち、スタートトナーでの脂肪酸金属塩の外添量が上記範囲よりも少ないと、現像初期の状態、即ち、クリーニングブレードにトナーが馴染んでいない状態での感光体へのトナー付着を有効に防止することができず、また外添量を上記範囲よりも多くすると、現像を繰り返えすにしたがってトナーの帯電量が低下してしまう。一方、補給用トナーでの脂肪酸金属塩の外添量が上記範囲よりも少ないと感光体表面のトナー汚染が次第に増大し、上記範囲よりも多量に使用すると、現像の繰り返しによるトナー帯電量の低下が著しくなってしまう。
本発明の二成分系磁性現像剤を用いての現像方法によれば、優れた定着性を確保し、初期の感光体汚染並びに現像を繰り返し行ううちに生じる帯電量の低下が有効に防止され、長期間にわたって安定して良質の画像を得ることが可能となった。
[トナー]
本発明において用いるトナーは、結着樹脂に所定の着色顔料に加えて定着性を向上させるためのワックスを分散させたものであり、必要により、ワックスの分散状態を調製するための相溶化剤や、電荷制御剤などのトナー配合剤が分散されている。
本発明において用いるトナーは、結着樹脂に所定の着色顔料に加えて定着性を向上させるためのワックスを分散させたものであり、必要により、ワックスの分散状態を調製するための相溶化剤や、電荷制御剤などのトナー配合剤が分散されている。
かかるトナーにおいては、DSC測定による発熱ピークが一定の条件を満足するようにワックスの分散状態が調整される。
結着樹脂:
結着樹脂は、特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が使用される。
結着樹脂:
結着樹脂は、特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が使用される。
本発明においては、上記の熱可塑性樹脂の中でも、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂及びポリエステル系樹脂が特に好適である。
スチレン系樹脂やスチレン−アクリル系共重合樹脂は、スチレンの単独重合体やスチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体である。共重合モノマーとしては、p−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化合物などが挙げられる。これら共重合モノマーは、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させることができる。
また、ポリエステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものであれば使用することができる。
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が例示される。
多価カルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸等の2価カルボン酸;n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等の2価カルボン酸のアルキルもしくはアルケニルエステル;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が例示される。また、上記2価或いは3価以上のカルボン酸の無水物も使用することができる。
上述した結着樹脂の軟化点は、110乃至150℃、好ましくは120乃至140℃の範囲にあるのがよい。
また、ガラス転移点(Tg)は、55乃至70℃の範囲であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移点が、55℃未満では、得られたトナー同士が融着し、保存安定性が低下する傾向があり、ガラス転移点が70℃を超えると、トナーの定着性が乏しくなる傾向がある。
尚、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。
本発明において、上述した結着樹脂は、所定の定着性や耐オフセット性を示す程度の分子量を有しているのがよい。即ち、分子量が必要以上に高いと、定着性が損なわれ、またあまり低分子量であると、耐オフセット性が不満足なものとなってしまう。従って、用いる樹脂の種類に応じて、適度な分子量を有するものが使用されるべきである。
また、結着樹脂中には、耐オフセット性を向上させたり、或いはトナー強度を高めるために、必要により、架橋剤や熱硬化性樹脂を前述した熱可塑性樹脂と組み合わせで使用することにより、一部架橋構造を導入することもできる。
上記のような架橋剤としては、用いる熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの2官能性カルボン酸エステル、その他、ジビニルエーテルなどのビニル基を2個或いは3個以上有するビニル化合物などを例示することができる。
また、熱硬化性樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂や、シアネート樹脂を、1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
着色顔料:
着色顔料は、通常、前記結着樹脂100重量部当り2乃至20重量部、特に5乃至15重量部の量で配合されるが、その適当な例は、以下の通りである。
黒色顔料
カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック。
黄色顔料
黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ。
橙色顔料
赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料
ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B。
紫色顔料
マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
青色顔料
紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC。
緑色顔料
クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG。
白色顔料
亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
体質顔料
バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト。
ワックス:
本発明で用いるトナーにおいては、定着性やオフセット性を向上させるために、ワックスが使用される。
着色顔料:
着色顔料は、通常、前記結着樹脂100重量部当り2乃至20重量部、特に5乃至15重量部の量で配合されるが、その適当な例は、以下の通りである。
黒色顔料
カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック。
黄色顔料
黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ。
橙色顔料
赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料
ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B。
紫色顔料
マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
青色顔料
紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC。
緑色顔料
クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG。
白色顔料
亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
体質顔料
バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト。
ワックス:
本発明で用いるトナーにおいては、定着性やオフセット性を向上させるために、ワックスが使用される。
このようなワックスとしては、合成ワックス或いは天然ワックスの何れも使用することができ、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリフッ化エチレン系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等を使用することが好ましい。また、これらワックスは2種以上を併用しても構わない。かかるワックスを添加することにより、オフセット性や像スミアリングをより効率的に防止することができる。
なお、フィッシャートロプシュワックスは、一酸化炭素の接触水素化反応であるフィッシャートロプシュ反応を利用して製造される合成ワックスであり、イソ(iso)構造分子や側鎖が少ない直鎖炭化水素化合物である。また、フィッシャートロプシュワックスの中でも、重量平均分子量が1000〜2000の値であり、かつ100乃至120℃の範囲内にDSCに測定における吸熱ボトムピークを有するものがより好ましい。このようなフィッシャートロプシュワックスとしては、サゾール社から入手できるサゾールワックスC1(H1の結晶化による高分子量グレード、吸熱ボトムピーク:106.5℃)、サゾールワックスC105(C1の分留法による精製品、吸熱ボトムピーク:102.1℃)、サゾールワックスSPRAY(C105の微粒子品、吸熱ボトムピーク:102.1℃)等が挙げられる。
本発明において、上記のワックスは、一般に、前記結着樹脂100重量部当り、2.0乃至5.0重量部の量で使用することができる。
また、これらのワックスは、前述した冷却DSC値が一定範囲(8±2℃、特に8±1℃)になるように、或いはDSC測定における降温時の発熱ピークが所定のショルダーを有するように結着樹脂中に分散される。
例えば、冷却DSC値が所定の範囲となるようにするためには、ワックスの分散粒径が平均で0.1乃至1μmとなるようにすることが好ましい。このためには、後述する相溶化剤を使用してワックスを微分散させるのがよい。また、発熱ピークの高温領域側にショルダーを形成させるときにも、相溶化剤を使用してワックスを微分散させることが好ましい。
尚、トナー中のワックスの分散粒径は、トナー粒子を100kg/cm2の圧力で加圧固化して得たペレットをミクロトームなどのカッターで0.3μmの厚さに切り、透過型電子顕微鏡(TEM)で2万倍の写真を撮影し、100個の分散ワックス粒子をランダムに選び、画像解析装置(例えば三谷商事社製WIN ROOF)により解析して算出することができる。
相溶化剤:
相溶化剤は、上記のワックスを結着樹脂中に微分散させるために使用されるものであり、例えば結着樹脂とワックスの両方に相溶性を示すものである。
相溶化剤:
相溶化剤は、上記のワックスを結着樹脂中に微分散させるために使用されるものであり、例えば結着樹脂とワックスの両方に相溶性を示すものである。
具体的には、結着樹脂としてポリスチレンやスチレン単位を含有するスチレン−アクリル系共重合樹脂などを使用した場合には、スチレン単位とエチレン単位とを含有するブロック共重合体或いはグラフト共重合体などが使用される。即ち、かかる共重合体は、スチレン単位を有していることによりポリスチレン等に対して相溶性を示し、またエチレン単位を有していることから各種ワックスに対しても良好な相溶性を示す。
また、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合には、エチレン・酢酸ビニル共重合体や酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(特にグラフト共重合体)などが好ましい。かかる共重合体におけるα−オレフィンとしては、特に炭素原子数3〜20のα−オレフィンが一般的であり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどである。変性には、不飽和カルボン酸またはその誘導体が使用されるが、かかる不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、また不飽和カルボン酸の誘導体としては、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩等が挙げられる。酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体におけるエチレン含有量は、一般に60乃至90重量%、特に70乃至90重量%の範囲にあるのがよい。本発明においても、エチレン含有量が上記範囲にあるものから、要求される相溶性に応じて適当なエチレン含有量のものが使用される。不飽和カルボン酸またはその誘導体等のグラフト変性量は、変性前の共重合体100重量部当たり0.01乃至5重量部の量であることが好ましい。さらに、該変性共重合体のメルトフローレート(230℃、2.16kg)は0.2乃至20g/10minの範囲にあることが好適である。また天然ゴムもポリエステル樹脂に対する相溶化剤として使用することができる。
さらにワックスの種類に応じて、例えばプロピレン等のα−オレフィン単位を有する共重合体も使用することができる。
上述した相溶化剤は、一般に、結着樹脂100重量部当り、0.5乃至3.0量部の範囲で使用するのがよい。
その他の配合剤:
本発明で用いるトナーにおいては、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等を得るために、必要により、前記結着樹脂100重量部当り、1.0乃至6.0重量部の量で電荷制御剤が配合される。即ち、トナーを正帯電して現像に供する場合には、正電荷制御剤を用いることが好ましく、負帯電して現像に供する場合には、負電荷制御剤を用いるのがよい。
その他の配合剤:
本発明で用いるトナーにおいては、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等を得るために、必要により、前記結着樹脂100重量部当り、1.0乃至6.0重量部の量で電荷制御剤が配合される。即ち、トナーを正帯電して現像に供する場合には、正電荷制御剤を用いることが好ましく、負帯電して現像に供する場合には、負電荷制御剤を用いるのがよい。
このような正電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンなどのアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEWおよびアジンディープブラック3RLなどのアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体などのニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZなどのニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を例示することができ、これらは、1種単独でも2種以上を併用して使用することもできる。特に、ニグロシン化合物は、より迅速な立ち上がり性が得られる観点から、最適である。
また、4級アンモニウム塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボン酸塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボキシル基を有する樹脂またはオリゴマーなども正帯電性電荷制御剤として使用することができる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するポリスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。特に、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩あるいはカルボキシル基を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂(スチレン−アクリル系共重合体)は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる観点から、最適である。この場合において、上記スチレン−アクリル系樹脂あるいはアクリル系樹脂自体における好ましいアクリル系コモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好適である。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性を示す電荷制御剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、その例としてはアルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシヤリーブチルサリチル酸クロム等があり、特にアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好ましい。
トナー粒子の製造:
上述した各種配合剤が結着樹脂中に分散配合されたトナーは、結着樹脂と各種配合剤とを混合し、押出機等を用いて溶融混練し、さらに粉砕し、分級することにより調製される。尚、冷却DSC値が所定の範囲となるようにするためには、比較的高い温度で溶融混練を行い、また、発熱ピークの高温領域側にショルダーを形成させるためには、比較的低い温度で溶融混練を行ってワックスを分散させることが好ましい。
トナー粒子の製造:
上述した各種配合剤が結着樹脂中に分散配合されたトナーは、結着樹脂と各種配合剤とを混合し、押出機等を用いて溶融混練し、さらに粉砕し、分級することにより調製される。尚、冷却DSC値が所定の範囲となるようにするためには、比較的高い温度で溶融混練を行い、また、発熱ピークの高温領域側にショルダーを形成させるためには、比較的低い温度で溶融混練を行ってワックスを分散させることが好ましい。
用いるトナーの粒度は、従来公知のものと同程度でよく、格別の制限はないが、高画質化のためには、その平均粒径が6.0乃至8.0μmの如き、微粒の範囲にあるのがよい。
[外添剤]
上記のトナーは、脂肪酸金属塩を外添して使用に供される。即ち、脂肪酸金属塩を外添することにより、トナー粒子の感光体表面への付着力を低下させるものであり、トナーによる感光体表面の汚染を防止することができる。このような脂肪酸金属塩としては、脂肪酸の金属石鹸、例えばステアリン酸等の炭素数が15以上の高級脂肪酸の金属塩(例えば亜鉛塩、カルシウム塩など)が好適であり、ステアリン酸亜鉛が最も好適である。
[外添剤]
上記のトナーは、脂肪酸金属塩を外添して使用に供される。即ち、脂肪酸金属塩を外添することにより、トナー粒子の感光体表面への付着力を低下させるものであり、トナーによる感光体表面の汚染を防止することができる。このような脂肪酸金属塩としては、脂肪酸の金属石鹸、例えばステアリン酸等の炭素数が15以上の高級脂肪酸の金属塩(例えば亜鉛塩、カルシウム塩など)が好適であり、ステアリン酸亜鉛が最も好適である。
既に述べた通り、本発明においては、トナーに外添する脂肪酸金属塩を、現像初期の段階で使用されるスタートトナーと補給用トナーとで異なる量で使用する点にある。
即ち、スタートトナーでは、上記脂肪族金属塩の外添量を、トナー粒子100重量部当り0.1乃至2.0重量部とする。外添量がこの範囲よりも少ないと、クリーニングブレードにトナーが馴染んでいない現像初期の状態での感光体へのトナー付着を有効に防止することができず、また外添量を上記範囲よりも多くすると、現像を繰り返えすにしたがってトナーの帯電量が低下してしまう。従って、現像初期に用いるスタート現像剤としては、脂肪酸金属塩が上記範囲内で外添されたトナーと磁性キャリヤとの混合物が使用される。
また、現像を繰り返し、トナーが消耗したときに補給する補給用トナーとしては、脂肪酸塩金属塩の外添量が、トナー100重量部当り0.005乃至0.05重量部の量、即ちスタートトナーに比して少量に調整されたものが使用される。脂肪酸金属塩の外添量が上記範囲よりも少ないと感光体表面のトナー汚染が次第に増大し、上記範囲よりも多量に使用すると、現像の繰り返しによるトナー帯電量の低下が著しくなってしまう。
本発明では、このように、スタートトナーと補給用トナーとで脂肪酸金属塩の使用量を調節することにより、現像初期の段階での感光体へのトナー付着(トナー汚染)を有効に防止し、且つ現像を長期間にわたって繰り返し行った場合にも、帯電量の低下を有効に回避することが可能となる。
尚、上記の脂肪酸金属塩は、スタートトナー及び補給用トナーの何れにおいても、平均粒径が1.0乃至5.0μmの範囲にあることが好ましい。即ち、その粒径がトナー粒子に対して必要以上に大きいと、該脂肪酸金属塩粒子によりトナー粒子の表面処理を均一に行うことが困難となってしまい、またトナー粒子表面から脱離しやすくなってしまう。さらに、その粒径が、トナー粒子に対して必要以上に小さいと、トナー粒子の表面を均一に表面処理するために、多量の脂肪酸金属塩粒子の使用が必要となってしまい、この結果、トナー粒子中に脂肪酸金属塩粒子が埋め込まれてしまったり、或いはトナー粒子を十分に帯電することが困難となってしまうおそれがある。
尚、本発明に用いるトナーは、スタートトナー及び補給用トナーの何れにおいても、上述した脂肪酸金属塩以外にも、それ自体公知の外添剤、例えばコロイダルシリカ、疎水性シリカ、アルミナ、酸化チタン等の微粒子(通常、平均粒径が0.5μm以下)を外添して、トナーの流動性、保存安定性等を高めることができる。このような他の外添剤は、脂肪酸金属塩も含めたトータルでの外添量がトナー粒子100重量部当り3.0重量部以下となるような量で使用するのがよい。即ち、あまりに多量の外添剤の使用は、トナー粒子本来の特性を損なうおそれがあるからである。
磁性キャリヤ:
上述したトナーと混合される磁性キャリヤとしては、特に制限されず、フェライト、鉄粉等のそれ自体公知のものが使用され、樹脂コートされたものであってもよい。このようなキャリヤは、一般に、30乃至100μmの平均粒径を有していることが好ましい。
トナーと磁性キャリヤとは1:100乃至10:100、特に3:100乃至8:100の重量比で混合するのがよい。
(現像)
本発明では、既に述べた通り、現像初期に使用されるスタート現像剤としては、先のように脂肪酸金属塩の外添量が調整されたスタートトナーと磁性キャリヤとを混合して、該トナーを所定極性に摩擦帯電されたものを使用し、例えば該トナーが正極性或いは負極性に摩擦帯電した状態で、固定マグネット内蔵の回動可能な現像スリーブ上に供給して、該現像剤の磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを現像領域に搬送、供給することにより現像が行われる。
磁性キャリヤ:
上述したトナーと混合される磁性キャリヤとしては、特に制限されず、フェライト、鉄粉等のそれ自体公知のものが使用され、樹脂コートされたものであってもよい。このようなキャリヤは、一般に、30乃至100μmの平均粒径を有していることが好ましい。
トナーと磁性キャリヤとは1:100乃至10:100、特に3:100乃至8:100の重量比で混合するのがよい。
(現像)
本発明では、既に述べた通り、現像初期に使用されるスタート現像剤としては、先のように脂肪酸金属塩の外添量が調整されたスタートトナーと磁性キャリヤとを混合して、該トナーを所定極性に摩擦帯電されたものを使用し、例えば該トナーが正極性或いは負極性に摩擦帯電した状態で、固定マグネット内蔵の回動可能な現像スリーブ上に供給して、該現像剤の磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを現像領域に搬送、供給することにより現像が行われる。
現像を繰り返し、トナーが消費され、現像剤のトナー濃度が一定値以下(例えば3重量%以下)に達すると、前述した如くスタートトナーに比して脂肪酸金属塩の外添量が少量に調整された補給用トナーが補給されて現像が行われる。尚、トナー濃度は、例えば透磁率センサなどにより現像剤の透磁率変化を検知することによって測定することができる。
静電潜像を担持する感光体としては、特に制限されず、セレン、アモルファスシリコン等の無機感光体や、電荷発生剤や電荷輸送剤をバインダー樹脂中に分散させることにより形成した単層或いは積層の感光層を供えた有機感光体など任意の感光体が使用されるが、本発明では、有機感光体が最も好適である。即ち、有機感光体ではトナー付着が生じ易いが、本発明では、このようなトナー付着を有効に防止できるからである。
また、前述した現像剤を用いての現像は、所謂反転現像であってもよいし、正規現像であってもよい。
更に現像剤の磁気ブラシと感光体表面とを非接触で現像を行うこともできるし、該磁気ブラシを感光体表面に摺擦して現像を行ってもよい。磁気ブラシを感光体表面に摺擦して現像を行う場合には、感光体と現像スリーブとの間にバイアス電界を印加し、また磁気ブラシと感光体表面とが非接触で現像を行う場合には、現像スリーブと感光体との間に振動電界(交番電界)を印加するのがよい。
このような現像により感光体表面に形成されたトナー像は、所定の用紙に転写され、定着装置による加熱及び加圧によって用紙表面に定着される。
また、転写終了後には、クリーニングブレードによって感光体表面に残存するトナーがクリーニングされ、必要により、除電が行われた後、次の画像形成が行われる。
本発明においては、現像初期において、クリーニングブレードがトナーに馴染んでいない状態でも有効にクリーニングが行われ、感光体表面へのトナー付着が有効に防止される。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
実施例1
以下の処方で溶融混練、冷却、粉砕、分級して得られた平均粒径(体積基準中心粒径D50)7μmの正帯電性トナー粒子を調製した。
処方:
結着樹脂(スチレン−アクリル酸ブチル共重合体) 100重量部
重量平均分子量Mw:202,000
数平均分子量Mn:6,000
Mw/Mn:33.7
カーボンブラック(三菱化学製、品番:MA−100)7重量部
ポリエチレンワックス(三洋化成製、品番:LEL400) 5重量部
相溶化剤:スチレン−エチレン共重合体)(日本化成製、品番:グロバックス200) 2重量部
正帯電性電荷制御剤:ニグロシン系染料(オリエント化学製、品番:ボントロンN−01) 2重量部
尚、溶融混練は、2軸押出機を使用し、シリンダー温度130℃で押出機内の滞留時間を2分として行った。
実施例1
以下の処方で溶融混練、冷却、粉砕、分級して得られた平均粒径(体積基準中心粒径D50)7μmの正帯電性トナー粒子を調製した。
処方:
結着樹脂(スチレン−アクリル酸ブチル共重合体) 100重量部
重量平均分子量Mw:202,000
数平均分子量Mn:6,000
Mw/Mn:33.7
カーボンブラック(三菱化学製、品番:MA−100)7重量部
ポリエチレンワックス(三洋化成製、品番:LEL400) 5重量部
相溶化剤:スチレン−エチレン共重合体)(日本化成製、品番:グロバックス200) 2重量部
正帯電性電荷制御剤:ニグロシン系染料(オリエント化学製、品番:ボントロンN−01) 2重量部
尚、溶融混練は、2軸押出機を使用し、シリンダー温度130℃で押出機内の滞留時間を2分として行った。
上記トナーの冷却DSC値は、8.1℃であった。
尚、冷却DSC値は、TA Insutrument社製の示差熱分析装置Q1000を使用し、降温時のDSC曲線から算出した。
上記のトナー100重量部に、疎水性シリカ(日本アエロジル製、品番:RA200HS)0.5重量部とステアリン酸亜鉛(日本油脂製、品番:ジンクステアレート)0.05重量部(0.05重量%)をヘンシェルミキサーで外添し、これをスタートトナーとして、フェライトキャリヤ(パウダ−テック製、品番:FL−150、平均粒径:60μm)と混合し、スタート現像剤を調製した(トナー5重量部、キャリヤ95重量部)。
また、上記のトナー100重量部に疎水性シリカを0.5重量部及びステアリン酸亜鉛0.02重量部(0.02重量%)をヘンシェルミキサーで外添し、これを補給用トナーとして用いた。
前記スタート現像剤を、有機感光体を搭載した京セラミタ製の複写機(KM−2030)に装填し、下記の条件で画像形成を繰り返し行い、トナー濃度が3重量%以下となった時点で、随時、上記で調製された補給用トナーを補給し、トナー濃度を4重量%に保持するようにした。
帯電電位: 450V
現像方法: 反転現像
現像バイアス: 200V
クリーニング:ブレードクリーニング
原稿画像: 5%画像
上記のようにして現像を繰り返し、一枚目(初期)及び10万枚の耐刷後に、定着性、カブリ濃度及び感光体汚染の評価を以下のようにして行い、その結果を表1に示した。
(定着性)
反射濃度計(型名;東京電色(株)製 品番;TC−6DS)で黒ベタ画像濃度を測定し、次いで布を巻いた分銅(直径5cm×高さ2.5cmの円錐型、重量400g)を自重によりゆっくり黒ベタ画像上を5往復させて擦り、擦る前と後の画像濃度変化率を測定し、以下の基準で判定した。
現像方法: 反転現像
現像バイアス: 200V
クリーニング:ブレードクリーニング
原稿画像: 5%画像
上記のようにして現像を繰り返し、一枚目(初期)及び10万枚の耐刷後に、定着性、カブリ濃度及び感光体汚染の評価を以下のようにして行い、その結果を表1に示した。
(定着性)
反射濃度計(型名;東京電色(株)製 品番;TC−6DS)で黒ベタ画像濃度を測定し、次いで布を巻いた分銅(直径5cm×高さ2.5cmの円錐型、重量400g)を自重によりゆっくり黒ベタ画像上を5往復させて擦り、擦る前と後の画像濃度変化率を測定し、以下の基準で判定した。
○:95%以上
△:90〜95%
×:90%以下
(カブリ濃度)
反射濃度計でカブリ濃度を測定し、以下の基準で判定した。
△:90〜95%
×:90%以下
(カブリ濃度)
反射濃度計でカブリ濃度を測定し、以下の基準で判定した。
○:0.008以下
△:0.008〜0.010
×:0.010以上
(感光体汚染)
感光体表面を目視で観察し、トナー付着状態で評価した。
△:0.008〜0.010
×:0.010以上
(感光体汚染)
感光体表面を目視で観察し、トナー付着状態で評価した。
○:トナー付着が全く認められない。
△:トナー付着は若干認められたが画像には影響がない。
×:トナー付着が著しく、画像に白点が発生。
実施例2
スタートトナーのステアリン酸亜鉛の外添量を0.1重量%とし、且つ補給用トナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を0.005重量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表1に示した。
実施例3
スタートトナーのステアリン酸亜鉛の外添量を2.0重量%とし、且つ補給用トナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を0.05重量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表1に示した。
実施例4
相溶化剤を0.5重量部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを調製した。このトナーの冷却DSC値は、9.8℃であった。
実施例2
スタートトナーのステアリン酸亜鉛の外添量を0.1重量%とし、且つ補給用トナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を0.005重量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表1に示した。
実施例3
スタートトナーのステアリン酸亜鉛の外添量を2.0重量%とし、且つ補給用トナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を0.05重量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表1に示した。
実施例4
相溶化剤を0.5重量部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを調製した。このトナーの冷却DSC値は、9.8℃であった。
上記のトナーを用いてスタートトナー及び補給用トナーを調製した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表1に示した。
実施例5
相溶化剤を3.0重量部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを調製した。このトナーの冷却DSC値は、6.1℃であった。
実施例5
相溶化剤を3.0重量部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを調製した。このトナーの冷却DSC値は、6.1℃であった。
上記のトナーを用いてスタートトナー及び補給用トナーを調製した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表1に示した。
比較例1
相溶化剤を0.3重量部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを調製した。このトナーの冷却DSC値は、10.4℃であった。
比較例1
相溶化剤を0.3重量部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを調製した。このトナーの冷却DSC値は、10.4℃であった。
上記のトナーを用いてスタートトナー及び補給用トナーを調製した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表2に示した。
比較例2
相溶化剤を3.5重量部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを調製した。このトナーの冷却DSC値は、5.7℃であった。
比較例2
相溶化剤を3.5重量部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを調製した。このトナーの冷却DSC値は、5.7℃であった。
上記のトナーを用いてスタートトナー及び補給用トナーを調製した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表2に示した。
比較例3
補給用トナーとして、ステアリン酸亜鉛を全く外添しないものを使用した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表2に示した。
比較例4
スタートトナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を0.09重量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表2に示した。
比較例5
スタートトナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を0.200重量%に変更し、補給用トナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を0.06重量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表2に示した。
比較例6
スタートトナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を2.50重量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表2に示した。
比較例3
補給用トナーとして、ステアリン酸亜鉛を全く外添しないものを使用した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表2に示した。
比較例4
スタートトナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を0.09重量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表2に示した。
比較例5
スタートトナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を0.200重量%に変更し、補給用トナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を0.06重量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表2に示した。
比較例6
スタートトナーにおけるステアリン酸亜鉛外添量を2.50重量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表2に示した。
以下の処方で溶融混練、冷却、粉砕、分級して得られた平均粒径(体積基準中心粒径D50)7μmの正帯電性トナー粒子を調製した。
処方:
結着樹脂(スチレン−アクリル酸ブチル共重合体) 100重量部
重量平均分子量Mw:202,000
数平均分子量Mn:6,000
Mw/Mn:33.7
カーボンブラック(三菱化学製、品番:MA−100)7重量部
ポリエチレンワックス(三洋化成製、品番:LEL400) 5重量部
相溶化剤:スチレン−エチレン共重合体)(日本化成製、品番:グロバックス200) 2重量部
正帯電性電荷制御剤:ニグロシン系染料(オリエント化学製、品番:ボントロンN−01) 2重量部
尚、溶融混練は、2軸押出機を使用し、シリンダー温度120℃で押出機内の滞留時間を2分として行った。
上記トナーについて、実施例1と同様にして降温DSC曲線を測定したところ、図2(a)に示す発熱ピークを得た。この発熱ピークには、高温側領域にショルダーを有し、低温領域側にはショルダーは有していなかった。
上記のトナー100重量部に疎水性シリカを0.5重量部及びステアリン酸亜鉛0.2重量部(0.2重量%)をヘンシェルミキサーで外添し、これをスタートトナーとして、実施例1と同様のフェライトキャリヤと混合し、スタート現像剤を調製した(トナー5重量部、キャリヤ95重量部)。
また、上記のトナー100重量部に疎水性シリカを0.5重量部及びステアリン酸亜鉛0.01重量部(0.01重量%)をヘンシェルミキサーで外添し、これを補給用トナーとして用いた。スタートトナー及び補給用トナーのステアリン酸亜鉛外添量を表3に示した。
上記のスタートトナー及び補給用トナーを使用し、実施例1と同様の複写機を用いて画像実験を行い、10万枚耐刷後の感光体汚染、トナー飛散、定着性及びカブリの評価を行った。その結果を表3に合わせて示す。
実施例7
相溶化剤(スチレン−エチレン共重合体)の配合量を1重量部に変更して実施例1と同様にしてトナーを調製した。
実施例7
相溶化剤(スチレン−エチレン共重合体)の配合量を1重量部に変更して実施例1と同様にしてトナーを調製した。
このトナーのDSC測定による降温時の発熱ピークは、図2(b)に示すようなものであり、この発熱ピークには、高温側領域にショルダーを有し、低温領域側にはショルダーは有していなかった。
上記のトナーを用いて調製されたスタートトナー及び補給用トナーを用いた以外は実施例6と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表3に示した。
実施例8、9
スタートトナー及び補給用トナーにおけるステアリン酸亜鉛の外添量を表3に示すように変更した以外は、実施例6と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表3に示した。
比較例7
2軸押出機での混練温度を150℃に高めた以外は実施例1と同様にしてトナーを調製した。
実施例8、9
スタートトナー及び補給用トナーにおけるステアリン酸亜鉛の外添量を表3に示すように変更した以外は、実施例6と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表3に示した。
比較例7
2軸押出機での混練温度を150℃に高めた以外は実施例1と同様にしてトナーを調製した。
このトナーのDSC測定による降温時の発熱ピークは、図2(c)に示すようなものであり、この発熱ピークには、高温側領域にも低温領域側にもショルダーを有していなかった。
上記のトナーを用いて調製されたスタートトナー及び補給用トナーを用いた以外は実施例6と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表3に示した。
比較例8
相溶化剤を全く使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてトナーを調製した。
比較例8
相溶化剤を全く使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてトナーを調製した。
このトナーのDSC測定による降温時の発熱ピークは、図2(d)に示すようなものであり、この発熱ピークには、低温領域側にのみショルダーを有していた。
上記のトナーを用いて調製されたスタートトナー及び補給用トナーを用いた以外は実施例6と全く同様にして画像実験を行い、その結果を表3に示した。
Claims (4)
- トナーと磁性キャリヤとからなる二成分系磁性現像剤を用いて、感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、現像によるトナーの消費に伴って該現像剤中のトナー濃度が一定値以下に低下したときに、該現像剤中にトナーを補給して現像を行う現像方法において、
前記トナーは、合成もしくは天然ワックスを含有しており、且つ該トナーのDSC測定における降温時の発熱ピークから算出される冷却DSC値が8±2℃の範囲にあり、
初期の現像時に使用される現像剤中のスタート用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.1乃至2.0重量部の量で外添されているものを使用し、
補給用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.005乃至0.05重量部の量で外添されているものを使用することを特徴とする現像方法。 - 前記脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛を使用する請求項1に記載の現像方法。
- トナーと磁性キャリヤとからなる二成分系磁性現像剤を用いて、感光体表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、現像によるトナーの消費に伴って該現像剤中のトナー濃度が一定値以下に低下したときに、該現像剤中にトナーを補給して現像を行う現像方法において、
前記トナーは、合成もしくは天然ワックスを含有しており、且つ該トナーのDSC測定における降温時の発熱ピークは、該ピーク値の高温側領域に少なくとも1個のショルダーを有しており、
初期の現像時に使用される現像剤中のスタート用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.1乃至2.0重量部の量で外添されているものを使用し、
補給用のトナーとして、脂肪酸金属塩がトナー粒子100重量部当り0.005乃至0.05重量部の量で外添されているものを使用することを特徴とする現像方法。 - 前記脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛を使用する請求項3に記載の現像方法。
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JP2006058359A (ja) * | 2004-08-17 | 2006-03-02 | Seiko Epson Corp | 非磁性一成分負帯電球形トナー及びそれを用いたフルカラー画像形成装置 |
JP2006349999A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成方法及び静電荷像現像用トナー |
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-
2003
- 2003-12-25 JP JP2003429859A patent/JP2004220017A/ja active Pending
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