JPH07160039A - 磁性現像剤 - Google Patents

磁性現像剤

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JPH07160039A
JPH07160039A JP5329615A JP32961593A JPH07160039A JP H07160039 A JPH07160039 A JP H07160039A JP 5329615 A JP5329615 A JP 5329615A JP 32961593 A JP32961593 A JP 32961593A JP H07160039 A JPH07160039 A JP H07160039A
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修 田村
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ゆかり 石橋
Satoshi Matsunaga
聡 松永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数枚数が増加しても印字文字の中抜けやス
メアリングの発生がなく、磁性インク記号識別(MIC
R)システムに好適な磁性現像剤を提供することにあ
る。 【構成】 少なくとも磁性トナー及び無機微粉体を有す
る磁性現像剤において、該磁性トナーは、結着樹脂,磁
性体及びワックスを含有しており、該磁性体は、100
00エルステッドの磁界における残留磁化σrが12≦
σr≦30emu/g、保磁力Hcが130≦Hc≦3
00エルステッド、透磁率μが2.0≦μ≦4.0であ
り、該無機微粉体はシリコーンオイルまたはシリコーン
ワニスを20重量%〜90重量%含有し、嵩密度が0.
2〜0.8(g/cc)、かつ比表面積が0.01〜5
0(m2/g)であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体あるい
は静電記録誘電体等の像担持体に潜像を形成し、該潜像
を顕像化するための現像装置に適用される磁性現像剤に
関する。
【0002】本発明は、さらに磁性インク記号識別(M
agnetic Ink Character Rec
ognition)システムに用いられる磁性を有する
文字の印字に好適な磁性現像剤に関する。
【0003】本発明の磁性現像剤は電子写真画像形成方
法において、潜像画像が、単位画素により表現され、単
位画素がオン−オフの2値もしくは有限の階調により表
現される、デジタル潜像を反転現像方式で顕像化するた
めの磁性現像剤として好ましく使用できる。
【0004】
【従来の技術】従来、例えば、静電潜像担持体としての
感光ドラム表面に形成した潜像を一成分系の現像剤とし
ての磁性トナーによって顕像化する現像装置は、磁性ト
ナー粒子相互の摩擦、及び現像担持体としてのスリーブ
と磁性トナー粒子の摩擦により感光ドラム上に形成され
た静電像電荷と現像基準電位に対し、逆極性の電荷を磁
性トナー粒子に与え、該磁性トナーをスリーブ上にきわ
めて薄く塗布させて感光ドラムとスリーブで形成される
現像領域に搬送し、現像領域においてスリーブ内に固着
された磁石による磁界の作用で磁性トナーを飛翔させて
感光ドラム上の静電潜像を顕像化するものが知られてい
る。
【0005】さらに近年、電子写真複写機等画像形成装
置が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広が
り、このような背景の元に電子写真プリンターの応用分
野として磁性インク記号識別(Magnetic In
k Character Recognition 以
下、単にMICRと称す。)システムに用いられる文字
の印字機が考案されている。
【0006】MICRシステムとしては主として小切
手、手形などに発行銀行、金額、口座番号等の情報を磁
性インクで印刷し、手形交換所などでの分類、仕分けを
磁気読み取り機を用いて効率的に行うために考案された
システムである。従来は磁性インクを用いたオフセット
印刷が主流であったが、個人用小切手、手形などによる
商取引が活発化すると共に小型のMICR文字の印刷機
(以下、単にMICRエンコーダーと称す。)に対する
需要が増大している。
【0007】これまでの小型MICRエンコーダーは、
感熱転写方式を応用したインパクトプリンターが主流で
あったが、この場合にはMICR文字のみの印字を行う
単機能機がほとんどであり一般の書類などの作成には利
用できず改善が求められている。
【0008】一般的な書類及び/またはグラフィックス
の印字が可能であり、尚かつMICR文字の印字を行
え、良好なMICR認識率を示す電子写真プリンターが
望まれている。電子写真プリンターをMICRエンコー
ダーに応用する場合、従来知られている磁性現像剤をそ
のまま使用するとMICRリーダー・ソーターによる磁
気読み取りの正誤率(認識率)は、オフセット印刷ある
いはインパクトプリンターを用いるMICR文字の場合
に比較すると、極端に低く実用的ではない。
【0009】まず第一に、電子写真プリンターによるM
ICR文字の印字で高度な認識率を達成するには、従来
の磁性現像剤に使用されてきた磁性体とは異なる磁気特
性を示す特定の磁性体を含有する磁性現像剤を使用する
必要がある。
【0010】すなわち、相対的に大きな残留磁化σrを
示す磁性体が必要となる。
【0011】一般的な電子写真プリンターの磁性現像剤
と同様に良好な摩擦帯電性を示し、現像機の現像剤担持
体(以下、スリーブと称す)上に均一に塗布されること
が要求される。この条件を満足するためには、磁性現像
剤に含有される磁性体の透磁率もまた重要となる。
【0012】特公昭59−7379号公報には長軸/短
軸の比が1〜5であるコバルト置換四三酸化鉄粉を含
み、残留磁化10〜20emu/g、保磁力150〜4
50エルステッドの磁性トナーが提案されているが、ス
リーブ上にトナー層を均一に塗布することが困難であ
り、摩擦帯電性に劣り、画像濃度が低く、鮮鋭性に劣る
ものである。
【0013】特開昭63−108354号公報には長軸
/短軸の比が1〜1.5、透磁率3.80〜6.00を
有する球状磁性粉末を含有する絶縁性磁性カプセルトナ
ーが提案され、特開昭59−204846号公報には最
大透磁率3.95〜5.50を有する強磁性微粉末を含
有する磁性トナーが提案されている。この場合には画像
濃度が高く、好ましいものではあるが、解像力、反転現
像方式への適合性などの更に厳しい要求に対応するため
には、改良が求められている。
【0014】さらにMICR文字は、例えばANS(A
merican NationalStandard)
x9.27−198xあるいはJIS C6251−1
980で規定されるE−13Bと呼ばれる規格がある。
E−13B規格は0〜9までの数字と4種類の記号から
なり、これらの組み合わせにより有価証券類に銀行コー
ド、支店コード、口座番号及び金額等を印字するもので
ある。
【0015】MICRリーダー・ソーターによる認識率
を向上させるために、印字したMICR文字の形状、寸
法は高精度で再現されることが要求され、文字はつぶれ
たり、とぎれたりすることなく微細かつ忠実に再現する
ことが必要となる。
【0016】また、近年のMICR用に用いられる画像
形成装置においては、感光ドラム上に形成したトナー像
を紙に静電的に転写する場合、バイアスを印加した転写
装置を感光ドラムに圧接してこれら両者間に、転写材で
ある紙を通過させて感光ドラム上のトナー像を紙に転写
する様に構成した装置(例えば、特開昭59−4666
4号公報)が提案されている。
【0017】この様な方法においては、感光ドラム上の
トナーと感光ドラムとの密着性が強まり、転写材への移
行が阻害され、形成されるトナー画像は、輪郭部のみが
形成された文字(中抜け文字)となり易い。図1(b)
及び図1(d)に中抜けの例を示す。この様な現象は、
一般画像としての不良のみならず、MICR印字におい
ては磁気信号に異常が生じ、リーダー・ソーターでの誤
読につながる危険性が高くなる。
【0018】転写中抜けを解決する手段としてはトナー
100重量部あたりにシリコーンオイルあるいはシリコ
ーンワニスで処理された微粉末を0.05〜3重量部含
有する方法が提案されている(特開平3−121462
号公報)。
【0019】しかし、上記微粉末が選択的に現像される
ことが原因と推測するが、画出し初期は良好であるが複
写枚数が増加した場合に中抜けレベルの低下がみられ
る。
【0020】また転写装置として図5中の503に示す
様な転写ローラーがあるが複写枚数が増加した場合、感
光ドラムあるいは転写材との接触でローラー表面が削れ
るという現象が生じ中抜けレベルが低下する。またシリ
コーンオイルあるいはシリコーンワニスで処理された上
記微粉末を2重量部以上多目に添加した場合は、多少の
改善効果はみられるものの耐久時での性能低下は回避で
きない。
【0021】さらにMICR文字を印字した有価証券類
は、MICRリーダー・ソーターに平均して約10回程
度通紙される。磁気読み取りを行うために通紙するごと
に磁気ヘッドと高速で摺擦される。従って、認識率を高
めるにはMICR文字の印字用磁性現像剤は摺擦によっ
て印字がかすれたり(以下、スメアリングと称す。図2
にその発生部分を示す。)、脱落しないことが必要とな
る。
【0022】磁気ヘッドと印字文字との摺擦による印字
部分の汚れあるいは文字の脱落を防止する為には、磁気
ヘッドと印字文字との摩擦抵抗力を低減でき、さらに紙
との密着性の良好な磁性現像剤にする必要がある。つま
り、結着樹脂、ワックス等の改良が重要となる。しか
し、両方の課題を克服し、なおかつ電子写真特性を満足
する磁性現像剤は実現されていないのが現状である。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決した磁性現像剤を提供することにあ
る。
【0024】すなわち、本発明の目的は、複写枚数が増
加しても印字文字の中抜けがなく、正常な信号強度を有
し、MICRリーダー・ソーターの認識率の良好なMI
CR文字を形成する磁性現像剤を提供することにある。
【0025】さらに本発明の目的は、MICRリーダー
・ソーターに繰り返し通紙されても、スメアリングの発
生がなく、なおかつMICRリーダー・ソーターの磁気
ヘッドを汚染することのない磁性現像剤を提供すること
にある。
【0026】さらに本発明の目的は、紙への付着性が良
好で、紙から離脱しにくいMICR文字を形成する磁性
現像剤を提供することにある。
【0027】さらに本発明の目的は、一般印字画像にお
いても左右の画像濃度の濃淡差がなく均一な画質を形成
でき、なおかつMICRリーダー・ソーターの認識率の
良好なMICR文字を形成できる磁性現像剤を提供する
ことにある。
【0028】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、下記
構成によって前記の目的を達成する。
【0029】すなわち、本発明の第一の発明は、少なく
とも磁性トナー及び無機微粉体を有する磁性現像剤にお
いて、該磁性トナーは、結着樹脂,磁性体及びワックス
を含有しており、該磁性体は、10000エルステッド
の磁界における残留磁化σrが12≦σr≦30emu
/gの範囲であり、保磁力Hcが130≦Hc≦300
エルステッドの範囲であり、かつ透磁率μが2.0≦μ
≦4.0の範囲であり、該無機微粉体は、シリコーンオ
イルまたはシリコーンワニスを20重量%〜90重量%
含有し、嵩密度が0.2〜0.8(g/cc)、かつ比
表面積が0.01〜50(m2/g)であることを特徴
とする磁性現像剤に関する。
【0030】本発明の第二の発明は、少なくとも磁性ト
ナーを有する磁性現像剤において、該磁性トナーは、結
着樹脂,磁性体及びワックスを含有しており、該磁性体
は、10000エルステッドの磁界における残留磁化σ
rが12≦σr≦30emu/gの範囲にあり、保磁力
Hcが130≦Hc≦300エルステッドの範囲であ
り、かつ透磁率μが2.0≦μ≦4.0の範囲であり、
該ワックスは下記一般式 R−Y [R:ゲルパーミエーションクロマトグラフによる重量
平均分子量が3000以下の炭化水素基を示す。Y:水
酸基,カルボキシル基,アルキルエーテル基,エステル
基,スルホニル基を示す。]を有する化合物を含有する
ことを特徴とする磁性現像剤に関する。
【0031】これら第一,第二の本発明の磁性現像剤に
含有される磁性体は共通の特性を有するものであり、以
下にその特性を説明する。
【0032】本発明の磁性現像剤に用いられる磁性体
は、残留磁化σrが10,000エルステッドの磁界に
おいて12≦σr≦30emu/gの範囲にある場合が
好ましく、更に好ましくは14≦σr≦28emu/g
の範囲にある場合が良い。
【0033】残留磁化σrが、12emu/g未満とな
る場合には、MICR文字の印字を行った場合にMIC
Rリーダー・ソーターの認識率が著しく低下してしま
う。
【0034】さらに、残留磁化σrが30emu/gを
超える場合には、画像濃度が低くなり易く、かつ、カブ
リも生じ易いために、MICR文字の印字を行った場合
には、その認識率は著しく低下し易く、一般的な印字を
行った場合でも、画像品位は著しく低いものである。
【0035】本発明に係る磁性体において、保磁力Hc
は、10,000エルステッドの磁界において、130
≦Hc≦300エルステッドの範囲にあるのが好まし
く、さらに好ましくは、140≦Hc≦280エルステ
ッドの範囲にある場合が良い。
【0036】保磁力Hcが、130エルステッド未満と
なる場合には、画像濃度は高くなるのではあるが、反面
細線再現性に劣り、MICR文字の印字を行った場合に
認識率の低下を招き好ましくない。保磁力Hcが300
を超える場合には、磁性現像剤を現像スリーブ上に均一
に塗布することが困難となり、画像濃度の低下あるい
は、濃度ムラを生じ好ましくない。
【0037】更に透磁率μは、MICR文字の印字を行
なった場合に、MICRリーダー・ソーターによる読み
取りの正誤率と良く対応することも見いだした。
【0038】本発明に係る磁性体において、透磁率μは
2.0≦μ≦4.0の範囲にある場合が好ましく、更に
好ましくは2.5≦μ≦3.8となる場合である。透磁
率μが4.0を超える場合には、現像スリーブ上に磁性
現像剤を均一に塗布することは可能であるが、現像スリ
ーブ内の永久磁石との相互作用が弱く、磁性現像剤の摩
擦帯電量を適正に制御することが困難となり画像部での
トナーの飛散が多くなり、MICR文字の印字を行った
場合には、認識率低下の原因となり好ましくない。
【0039】また、透磁率μが2.0未満となる場合に
は、現像スリーブ内の永久磁石との相互作用が強くなり
すぎ、結果的に磁性現像剤の摩擦帯電量を適正に制御す
ることは困難となり画像濃度は低く、MICR文字の印
字を行った場合の認識率は低下し、本発明の目的を達成
することはできない。
【0040】本発明に使用する磁性体は、Fe2+を含む
水溶液、すなわち硫酸第一鉄を原料とする湿式法により
合成された後に、200℃以上の温度で酸化及び還元さ
れることにより製造されたものが好ましい。詳しくは、
上記湿式法により合成された後に200℃以上の温度で
加熱酸化され、次いで加熱還元することにより製造され
たものであり、加熱酸化は500〜900℃で空気等の
酸化性気体を通気して行ない、次に加熱還元、250〜
550℃で水素及び/又は一酸化炭素等の還元性気体を
通気して行なうことが好ましい。
【0041】本発明において、磁性トナーは結着樹脂1
00重量部に対して該磁性体を好ましくは40〜120
重量部、より好ましくは50〜110重量部含有してい
ることが良い。
【0042】本発明の第一の発明に用いられる無機微粉
体は、無機化合物にシリコーンオイル,シリコーンワニ
スが高配合されていることを特徴とするものである。
【0043】無機化合物としては、SiO2,GeO2
TiO2,SnO2,Al23,B23,P25,As2
3などの酸化物;ケイ酸塩,ホウ酸塩,リン酸塩,ゲ
ルマン酸塩,ホウケイ酸塩,アルミノケイ酸塩,アルミ
ノホウ酸塩,アルミノホウケイ酸塩,タングステン酸
塩,モリブデン酸塩,テルル酸塩などの金属酸化物塩;
及びこれらの複合化合物;炭化ケイ素,窒化ケイ素,ア
モルファスカーボン;等が単独あるいは混合して用いら
れる。
【0044】これらの中で金属酸化物が好ましく用いら
れ、Si,Al,Tiの酸化物、複合化合物がより好ま
しい。また表面をカップリング剤等によりあらかじめ疎
水化したものを用いてもよい。
【0045】この様な無機化合物の粒径としては、0.
001〜20μm、さらには0.005〜10μmであ
ることが好ましい。
【0046】その無機化合物の比表面積としては10m
2/g〜400m2/g、さらには50m2/g〜400
2/g、さらには100m2/g〜350m2/gが好
ましい。10m2/g未満では本発明の範囲の多量のシ
リコーンオイル/ワニスを粒子として保持することが困
難となる。
【0047】第一発明に用いるシリコーンオイルとして
は一般式
【0048】
【化1】
【0049】R :炭素数1〜3のアルキル基 R’:アルキル、ハロゲン変性アルキル、フェニル、変
性フェニル等のシリコーンオイル変性基 R”:炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基 で表わされるものが好ましい。例えばジメチルシリコー
ンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチル
スチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコ
ーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられ
る。
【0050】本発明において、シリコーンオイルとして
は、式(I)で表わされる構造をもつアミノ変性シリコ
ーンオイルも使用できる。
【0051】
【化2】
【0052】(ここで、R1,R6は水素,アルキル基,
アリール基又はアルコキシ基を表わし、R2はアルキレ
ン基,フェニレン基を表わし、R3は含窒素複素環をそ
の構造に有する化合物を表わし、R4,R5は水素,アル
キル基,アリール基を表わす。またR2はなくてもよ
い。ただし上記のアルキル基,アリール基,アルキレン
基,フェニレン基はアミンを含有していても良いし、ま
た帯電性を損ねない範囲でハロゲン等の置換基を有して
いても良い。またmは1以上の数であり、n,kは0を
含む正の数である。ただしn+kは1以上の正の数であ
る。)
【0053】上記構造中最も好ましい構造は窒素原子を
含む側鎖中の窒素原子の数が1か2であるものである。
【0054】窒素を含有する不飽和複素環として下記に
その一例を挙げる。
【0055】
【化3】
【0056】窒素を含有する飽和複素環の一例を以下に
挙げる。
【0057】
【化4】
【0058】ただし、本発明は何ら上記化合物例に拘束
されるものではないが、好ましくは5員環又は6員環の
複素環をもつものが良い。
【0059】誘導体としては、上記化合物群に炭化水素
基、ハロゲン基、アミノ基、ビニル基、メルカプト基、
メタクリル基、グリシドキシ基、ウレイド基等を導入し
た誘導体が例示される。
【0060】これらは1種または2種以上の混合系で用
いてもよい。
【0061】本発明に用いられるシリコーンワニスとし
ては、例えばメチルシリコーンワニス、フェニルメチル
シリコーンワニス等を挙げることができ、特に、メチル
シリコーンワニスが好ましい。
【0062】メチルシリコーンワニスは、下記構造式で
示されるT31単位、D31単位、M31単位よりなるポリマ
ーであり、かつT31単位を多量に含む三次元ポリマーで
ある。
【0063】
【化5】
【0064】メチルシリコーンワニスまたはフェニルメ
チルシリコーンワニスは、具体的には例えば下記構造式
(II)で示されるような化学構造を有する物質であ
る。
【0065】
【化6】
【0066】(R31は、メチル基またはフェニル基を表
わす。)
【0067】上記シリコーンワニスにおいて、特にT31
単位は、良好な熱硬化性を付与し、三次元網状構造とす
るために有効な単位である。上記T31単位は、シリコー
ンワニス中に10〜90モル%、特に30〜80モル%
の割合で含まれることが好ましい。
【0068】このようなシリコーンワニスは、分子鎖の
末端もしくは側鎖に水酸基を有しており、この水酸基の
脱水縮合によって硬化することとなる。この硬化反応を
促進させるために用いることができる硬化促進剤として
は、例えば亜鉛、鉛、コバルト、スズ等の脂肪酸塩;ト
リエタノールアミン、ブチルアミン等のアミン類;など
を挙げることができる。このうち特にアミン類を好まし
く用いることができる。
【0069】上記の如きシリコーンワニスをアミノ変性
シリコーンワニスとするためには、前記T31単位、D31
単位、M31単位中に存在する一部のメチル基あるいはフ
ェニル基をアミノ基を有する基に置換すればよい。アミ
ノ基を有する基としては、例えば下記構造式で示される
ものを挙げることができる。が、これらに限定されるも
のではない。
【0070】
【化7】
【0071】シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
の処理方法としては、公知技術が使用できる。例えば、
微粉体とシリコーンオイルまたはシリコーンワニスとを
混合機を用いて混合する方法、微粉体中にシリコーンオ
イルまたはシリコーンワニスを噴霧機を用い噴霧する方
法、溶剤中にシリコーンオイルまたはシリコーンワニス
を溶解させた後、微粉体を混合する方法等が挙げられ
る。
【0072】上記シリコーンオイルまたはシリコーンワ
ニスは、25℃における粘度が50〜200,000セ
ンチストークスのものが、さらには500〜150,0
00センチストークスのものが、さらには1,500〜
100,000センチストークスのものが、さらには
3,000〜80,000センチストークスのものが好
ましい。50センチストークス未満では、多量のシリコ
ーンオイル/シリコーンワニスの粒子化が困難であると
ともに、粒子に安定性が無く、熱および機械的な応力に
より、画質が劣化する傾向がある。200,000セン
チストークスを超える場合は、粒子化が困難になる傾向
がある。
【0073】シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
の粘度測定は、ビスコテスターVT500(ハーケ社
製)を用いて行なった。いくつかあるVT500用粘度
センサーの一つを選び(任意)、そのセンサー用の測定
セルに測定試料を入れて測定する。装置上に表示された
粘度(pas)はcSt(センチストークス)に換算し
た。
【0074】無機微粉体中におけるシリコーンオイルま
たはシリコーンワニスの量は、20〜90重量%(好ま
しくは27〜85重量%、さらに好ましくは40〜80
重量%)の場合に効果が得られる。シリコーンオイルま
たはシリコーンワニスの量が20重量%未満の場合、耐
久における転写中抜けの改良及びスメアリング改善効果
が小さく、90重量%を超える場合は、シリコーンオイ
ルまたはシリコーンワニスが粒子に保持しにくくなり、
過剰のシリコーンオイルまたはシリコーンワニスが現像
剤の流動性を低下させ、画像濃度一様性の低下,画像濃
度低下,カブリ等の様々な画質劣化が生ずる。
【0075】シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
と無機化合物から構成される無機微粒子は、その比表面
積が0.01m2/g〜50m2/g(好ましくは0.0
5m2/g〜30m2/g、さらに好ましくは0.1m2
/g〜10m2/g)の場合に良好な効果が得られる。
50m2/gを超える場合はシリコーンオイルまたはシ
リコーンワニスが、粒子として保持しにくく、現像剤粒
子の凝集を引き起こし、画質の劣化が起こり易い。ま
た、理由ははっきりしないが、転写中抜け改良の効果も
小さくなる。0.01m2/g未満の場合は、画質が劣
化する。
【0076】比表面積は、以下の方法によって算出され
た値である。
【0077】BET法に従って、比表面積測定装置オー
トソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面
に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積
を算出する。
【0078】また無機微粉体は、その嵩密度が0.1g
/cc〜0.8g/cc(好ましくは0.2g/cc〜
0.7g/cc、さらに好ましくは0.3g/cc〜
0.6g/cc)の場合に良好な効果が得られる。この
値は、シリコーンオイルまたはシリコーンワニスの処理
方法及び無機微粉体中に含有されるシリコーンオイルま
たはシリコーンワニスの量に関係するものである。嵩密
度が0.1g/cc未満の場合は転写中抜けやスメアリ
ングの改良に効果が少なく、0.8g/ccを超える場
合はシリコーンオイルまたはシリコーンワニスが過剰と
なり、トナーに添加した際、現像剤の流動性を著しく減
ずることになり、上記した画質劣化を生じ易くなる。
【0079】嵩密度は、パウダーテスター[細川ミクロ
ン(株)製]に付属している容器を使用して、取り扱い
説明書の手順に従い100cm3の容器に何g入るかを
測定し[g/cm3]の値で表わした。
【0080】シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
と微粒子とから構成される粒子の適用量は、トナー10
0重量部に対して、0.01〜5重量部、さらに0.0
3〜2重量部、さらには0.05〜1重量部が好まし
い。0.01重量部未満では、転写中抜け及びスメアリ
ングの改良効果は得られず、また、5重量部を超える場
合では、現像剤の流動性を損ない、上記した画像劣化及
びさらには現像剤の定着性を損なう。
【0081】本発明の第一発明に用いられるワックス
は、 (i)アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧
下でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポ
リマー (ii)高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得
られるアルキレンポリマー (iii)一酸化炭素,水素からなる合成ガスからアー
ゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分を水素添加して
得られる合成炭化水素の如き材料から特定の成分を抽出
分別した炭化水素ワックス (iv)チーグラー触媒を利用したアルキレンポリマー
より得られると考えられる完全な長鎖飽和炭化水素を主
鎖とするアルコールワックス (v)(iv)で得られたアルコールワックスから誘導
されるカルボキシル基,エステル基,エーテル基,スル
ホニル基等の官能基を有する脂肪族炭化水素を用いるこ
とができる。
【0082】この中でも(iii),(iv),(v)
で説明したワックスが特に好ましいものである。
【0083】本発明に用いられるワックスの分子量分布
で好ましい範囲は、数平均分子量(Mn)が550〜1
200であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)
が800〜3000であることが好ましく、より好まし
くは900〜2500であり、さらにMw/Mnが3以
下であることが好ましく、より好ましくは2.5以下で
ある。このような分子量分布を持たせることにより、ト
ナーに好ましい熱特性を持たせることができる。すなわ
ち、上記範囲より分子量が小さくなると熱的影響を過度
に受けやすく、スメアリングが生じ易く、同時に磁気ヘ
ッドを汚染し易い。上記範囲より分子量が大きくなる
と、紙への付着性が悪化し、その結果MICRリーダー
・ソーターに通紙された時にMICR文字が欠落する原
因となる場合があり好ましくない。
【0084】本発明においてワックスの分子量分布はゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り次の条件で測定される。
【0085】(GPC測定条件)装置:GPC−150
C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0086】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0087】さらに本発明の第一発明に用いられるワッ
クスは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線に
おいて、90〜120℃の範囲内に少なくともひとつの
吸熱ピークが存在し、該吸熱ピークのピーク温度±9℃
の範囲内に降温時の最大発熱ピークが存在することを特
徴とするワックスである。
【0088】さらに、第一発明に用いられる炭化水素系
ワックスは、好ましくは90〜120℃の範囲内に、昇
温時の吸熱ピークが存在することを特徴とする。すなわ
ち、この温度領域でワックスが融解することで、離型効
果が発現し、MICRリーダー・ソーターに繰り返し通
紙されてもMICR文字がかすれたり、欠落したりしに
くく、さらにMICRリーダー・ソーターの磁気ヘッド
を汚染しづらい。
【0089】90℃未満のみに昇温時の吸熱ピーク温度
が存在する場合には、ワックスの融解による可塑効果が
低温から発現し結着樹脂の機械的強度を著しく低下させ
ることを示す。この場合には、MICRリーダー・ソー
ターに通紙されたときに離型効果は発現するものの、結
着樹脂の機械的強度の低下によりMICRリーダー・ソ
ーターの磁気ヘッドとの摺擦時にMICR文字のかすれ
が生じ易く、同時に磁気ヘッドを汚染し好ましくない。
【0090】この昇温時の吸熱ピークは、120℃を超
える領域に存在してもかまわないが、120℃を超える
領域のみにこの吸熱ピーク温度が存在する場合には、ワ
ックスの融解する温度が高すぎ、MICR印字におい
て、紙との離型性も増すことによりMICRリーダー・
ソーターに通紙された場合、磁気ヘッドとの摺擦により
MICR文字が欠落し易く、結果的に磁気ヘッドを汚染
し易い。ここで、90℃未満の吸熱ピークが最大のピー
クとなると、この領域のみに吸熱ピークがある場合と同
様な挙動を示すので、この領域に吸熱ピークが存在して
もよいが、その場合は、90〜120℃の範囲の吸熱ピ
ークより小さい必要がある。
【0091】降温時には、ワックスの冷却時の変化や常
温時の状態を見ることができ、ワックスの凝固、結晶
化、転移に伴う発熱ピークが観測される。降温時の発熱
ピークで、最大の発熱ピークは、ワックスの凝固、結晶
化に伴う発熱ピークである。この発熱ピーク温度と近い
温度に昇温時の融解に伴う吸熱ピークが存在すること
は、ワックスの結晶構造、分子量分布の如き物性的な面
でより均質であることを示しており、本発明において
は、その差が9℃以内であることが良く、好ましくは8
℃以内である。この差を小さくすることで、ワックスが
シャープメルト性を有することになり、すなわち、低温
時には硬く、融解時の溶融が早く、溶融粘度の低下が大
きく起こることになり、優れた離型効果が発現し、MI
CRリーダー・ソーターに繰り返し通紙した場合にも、
MICR文字がかすれたり、欠落したりしにくく、さら
に、MICRリーダー・ソーターの磁気ヘッドを汚染し
づらい。最大発熱ピーク温度は85〜115℃、好まし
くは90〜110℃の領域にあることが良い。
【0092】本発明におけるDSC測定では、トナーの
熱のやり取りを測定しその挙動を観測するので、測定原
理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で
測定する必要があり、このような測定器としては、例え
ば、パーキンエルマー社製のDSC−7が利用できる。
【0093】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで
降温、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
各温度の定義は次のように定める。
【0094】吸熱ピーク温度:DSC曲線のプラス方向
を吸熱としピークトップの温度をいう。
【0095】発熱ピーク温度:DSC曲線のマイナス方
向を発熱としピークトップの温度をいう。
【0096】これらワックスの含有量は、好ましくは結
着樹脂100重量部に対し20重量部以内で用いること
が良く、より好ましくは0.5〜15重量部で用いるの
が効果的であり、さらに、他のワックス類と併用しても
構わない。
【0097】一方、本発明の第二発明で用いられるワッ
クスは、下記一般式 R−Y [R:ゲルパーミエーションクロマトグラフによる重量
平均分子量が3000以下の炭化水素基を示す。Y:水
酸基,カルボキシル基,アルキルエーテル基,エステル
基,スルホニル基を示す。]を有する化合物を含有する
ものであり、上記の磁性体と組み合わせることにより、
本発明の目的を達成することができる。
【0098】具体的な化合物例としては、 (A)CH3(CH2nCH2OH(n=約20〜約20
0) (B)CH3(CH2nCH2COOH(n=約20〜約
200) (C)CH3(CH2nCH2OCH2(CH2mCH
3(n=約20〜約200、m=0〜約100) (D)CH3(CH2nCH2COO(CH2mCH
3(n=約20〜約200、m=0〜約100) (E)CH3(CH2nCH2OSO3H(n=約20〜
約200) 等を挙げることができる。これらの化合物は、化合物
(A)の誘導体であり、主鎖は直鎖状の飽和炭化水素で
ある。化合物(A)から誘導される化合物であれば上記
例に示した以外のものでも使用できる。
【0099】これらのワックスを含有した第二発明の磁
性現像剤は、MICR特性上において、耐スメアリング
性に効果的であり、さらに紙への付着力が向上し、リー
ダー・ソーターでの文字の脱落などが生じ難くなる。さ
らに現像剤の流動性を向上させる効果を有しており、現
像スリーブ上への現像剤の均一なコートが可能となり左
右での濃度差のない均一な画像が得られる。また、上述
した様に紙への付着力が向上する為、定着性も向上す
る。さらに画像転写中抜けにも効果を発現する。
【0100】第二発明で用いられるワックスは、上記化
合物の含有率が60%以上のものが好ましく、化合物
(A),(B)の場合は70%以上のものがより好まし
く用いられる。それ以下では耐スメアリング性,紙への
付着性及び転写中抜けに対する効果が低下する。
【0101】また、分子量分布的にはMnが200〜2
000であることが好ましく、より好ましくは230〜
1800であり、Mwが400〜3000であることが
好ましく、より好ましくは420〜2500である。さ
らにMw/Mnが3.0以下であることが好ましく、よ
り好ましくは2.5以下である。
【0102】このような分子量分布を持たせることによ
り、トナーに好ましい熱特性を持たせることができる。
すなわち、上記範囲より分子量が小さくなると熱的影響
を過度に受けやすく、スメアリングが生じ易く、同時に
磁気ヘッドを汚染し易い。上記範囲より分子量が大きく
なると、紙への付着性が悪化し、その結果MICRリー
ダー・ソーターに通紙された時にMICR文字が欠落す
る原因となる場合があり好ましくない。なお、第二発明
に用いられるワックスの分子量分布の測定は前述のGP
C測定に準じて行なった。
【0103】第二発明のワックスの含有量は、好ましく
は結着樹脂100重量部に対し20重量部以内で用いる
ことが良く、より好ましくは0.5〜15重量部で用い
るのが効果的であり、さらに他のワックス類と併用して
も構わない。
【0104】以下に述べる本発明の記述は第一,第二の
発明に共通している。
【0105】本発明に係るトナーの結着樹脂としては、
ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及び
その置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合
体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビ
ニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル
酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルア
ミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル
共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、
スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−
メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン
−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエ
チルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン
共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン
系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメ
タクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
アクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹脂、
フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳
香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワック
スなどが単独或いは混合して使用できる。特に、スチレ
ン系共重合体及びポリエステル樹脂が現像特性、定着性
等の点で好ましい。
【0106】本発明の磁性現像剤には荷電制御剤をトナ
ー粒子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合(外
添)して用いることが好ましい。
【0107】本発明に用いることのできる正荷電制御剤
としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩;
ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、
ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズ
オキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボ
レート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガ
ノスズボレート;を単独あるいは2種類以上組合せて用
いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、四
級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用い
られる。
【0108】さらに、一般式
【0109】
【化8】
【0110】R1=H,CH32,R3:置換または未置換のアルキル基 (好ましくはC1〜C4) で表わされるモノマーの単重合体または前述したような
スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル
の如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤と
して用いることができ、この場合これらの荷電制御剤
は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有
する。
【0111】本発明に用いることのできる負荷電性制御
剤としては、例えば、モノアゾ染料の金属錯体または
塩;サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリ
チル酸またはナフトエ酸の金属錯体または塩が好ましく
用いられる。この時、好ましく用いられる金属としては
クロム、鉄を挙げることができる。
【0112】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には4μm以下が好ましく、より好ましくは3μ
m以下が良い。
【0113】トナーに内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは0.
1〜10重量部、更に好ましくは0.1〜5重量部用い
ることが良い。
【0114】本発明の磁性現像剤は第二の無機微粉体を
有していることが好ましい。該第二の無機微粉体は、本
発明の磁性現像剤の流動性を向上させ、いかなる環境に
おいても良好な現像性を保持させることを主目的に添加
する助剤である。ここでいう第二の無機微粉体は、第一
の発明で記した無機微粉体と同様の組成物性を有する無
機化合物から構成され、特にシリカ、あるいはチタンの
酸化物微粉体が好ましく用いられる。
【0115】その中でも第二の無機微粉体は、シリカ微
粉体をシランカップリング剤で処理した後、シリコーン
オイルまたはシリコーンワニスにより処理したものがよ
り好ましく用いられる。
【0116】シリカ微粉体の処理条件としては、第一段
反応として、シランカップリング反応を行ないシラノー
ル基を化学結合により消失させた後、第二段反応として
シリコーンオイルまたはシリコーンワニスにより表面に
疎水性の薄膜を形成することを特徴とする。
【0117】本発明に用いられるシランカップリング剤
は一般式 RmSiYn
【0118】[式中、Rはアルコオキシ基又は、塩素原
子を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、
ビニル基、グリシドキシ基またはメタクリル基を含む炭
化水素基を示し、nは3〜1の整数を示す。]もので示
されるものが好ましい。例えば代表的にはジメチルジク
ロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチル
クロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニ
ルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、
ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロルシランを
あげることができる。
【0119】上記微粉体のシランカップリング剤処理
は、微粉体を撹拌等によりクラウド状としたものに気化
したシランカップリング剤を反応させる乾式処理、又
は、微粉体を溶媒中に分散させシランカップリング剤を
滴下反応させる湿式法等の方法で処理することができ
る。中でも特に乾式処理法が好ましく用いられるがこれ
に限定されるものではない。
【0120】シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
処理に用いられる物質は、第一発明の無機微粉体に用い
られるものと同様の物質を用いてよい。処理方法として
も同様の方法が挙げられるが、その中でも処理によって
微粉体の凝集などにより、嵩密度の上昇が生じ難い方
法、例えば噴霧機を用いる方法が好ましく用いられる。
しかし、これに限定されるものではない。
【0121】シランカップリング剤は、微粉体100重
量部に対して1〜40重量部、好ましくは5〜30重量
部処理することが良い。シリコーンオイルまたはシリコ
ーンワニス固形分の処理量は微粉体100重量部に対し
1〜23重量部、好ましくは5〜20重量部が良い。
【0122】シランカップリング剤が少なすぎると良好
な耐湿性が得られず、多すぎると画像濃度低下等の不具
合が生ずる。シリコーンオイルまたはシリコーンワニス
の量が少なすぎると良好な耐湿性と中抜け改善効果はみ
られず、多すぎると現像剤の流動性を向上することがで
きないという問題が生ずる。
【0123】上記処理シリカ微粉体の特性値としては、
嵩密度は30〜60(g/l)が好ましく、より好まし
くは35〜55(g/l)のもので、BET法で測定し
た窒素吸着による比表面積が80〜140m2/g範囲
内のものが好ましく、より好ましくは90〜130m2
/gのものである。また磁性トナー100重量部に対し
てシリカ微粉体を0.2〜1.6重量部、好ましくは
0.4〜1.4重量部使用するのがよい。
【0124】さらに、図5を参照しながら、本発明の画
像形成方法及び装置を説明する。
【0125】一次帯電器502で感光体表面を負極性に
帯電し、レーザ光による露光505によりイメージスキ
ャニングによりデジタル潜像を形成し、磁性ブレード5
11および磁石を内包している現像スリーブ504を具
備する現像器509の一成分系磁性現像剤510で該潜
像を反転現像する。現像部において感光ドラム501の
導電性基体と現像スリーブ504との間で、バイアス印
加手段512により交互バイアス、パルスバイアス及び
/又は直流バイアスが印加されている。転写紙Pが搬送
されて、転写部にくるとローラ転写手段502により転
写紙Pの背面(感光ドラム側と反対面)から電圧印加手
段514で帯電をすることにより、感光ドラム表面上の
現像画像(トナー像)が転写紙P上へ静電転写される。
感光ドラム501から分離された転写紙Pは、加熱加圧
ローラ定着器507により転写紙P上のトナー画像を定
着するために定着処理される。
【0126】転写工程後の感光ドラムに残留する一成分
系現像剤は、クリーニングブレードを有するクリーニン
グ器508で除去される。クリーニング後の感光ドラム
501は、イレース露光506により除電され、再度、
一次帯電器502による帯電工程から始まる工程が繰り
返される。
【0127】画像性の評価は耐久(約5000枚)の中
でチェックを定期的に実施し評価を行なった。 (1)画像一様性…画像一枚内の画像濃度をマクベス反
射濃度計で測定し、最高値と最低値の差より評価した。 (2)中抜け…120(g/m2)の厚紙に一般文字及
びMICR用テスト紙[Moor社(米)製、90(g
/m2)]に自行シンボル(ON US)を印字させて
評価した。 ランク5:良好(図1の(a),(c)参照),ランク
3:実用上可,ランク1:実用上不可(図1の(b),
(d)参照),ランク4,2はそれぞれランク5と3,
ランク3と1の中間のレベルとする。
【0128】またMICR特性に関する評価は以下の様
にして行なった。
【0129】(1)付着性…紙上の現像剤コート量をそ
ろえた状態でベタ黒画像を通常の普通紙(75g/
2)に複写し、その上にドラフティングテープ(幅1
8mm;住友スリーエム社製)を図3に示す様に7点貼
り、その上から図4に示す様な治具(荷重約0.60k
g/cm2)で10往復こすり、さらにそれをはがし、
7点の画像濃度の減少率の平均値で評価した。
【0130】(2)スメアリング…JISC 6250
−1980の記載に従いMICR文字の印字を1000
枚行ない、この1000枚の印字物を市販のMICRリ
ーダー・ソーター(IBM製3890型機)に20回パ
スさせたサンプルの非印字部分(図2参照)のDmax
値(非通紙白地部のDmax値を差し引いた値)をマク
ベス反射濃度計で測定した。
【0131】(3)磁気信号強度…ANSI(Amer
ican National Standard In
stitute)X 9.27 1988記載のE13
B規格に従い、クリアバンド(磁気印字領域)中、1〜
64番地にほぼ等間隔に14個の自行シンボル(ON
US記号)を印字した小切手サンプルを作成した。E1
3B MICR CALIBRATION DOCUM
ENT 100%により校正されたMINI QUES
T(ZEISER社製)を用いて自行シンボル14個の
信号強度を測定しその平均値を信号強度とした。
【0132】(4)リーダー・ソーターテスト…JIS
C 6250−1980の記載に従い、実際小切手等に
印字されるMICR文字を印字した模擬サンプルを10
00枚作成し、この1000枚のサンプルを市販のMI
CRリーダー・ソーター(IBM製3890型機)に2
0回処理させて誤読枚数を調査した。さらにその中で明
らかに中抜けに起因していると考えられるサンプル枚数
についても調査した。
【0133】
【実施例】実施例1 結着樹脂 100重量部 磁性体(Fe34) 55重量部 モノアゾ染料クロム錯体 1重量部 サリチル酸クロム錯体 2重量部 ワックス 7重量部
【0134】上記構成材料中の結着樹脂は、スチレン−
アクリル酸ブチル−マレイン酸を主成分とする共重合体
でMw=2.2×105のものを用いた。磁性体は、1
0000エルステッドの磁界における残留磁化σrが1
8emu/gで、Hcが190エルステッド、透磁率μ
が2.5であるもの(以下磁性体Aと称す)を用いた。
【0135】ワックスに関しては、アーゲ法より得られ
る炭化水素ワックスであり、Mw=1260でDSC特
性において、吸熱ピーク温度が105℃、降温時の最大
発熱ピーク温度が104℃であるもの(以下ワックスA
と称す。)を用いた。
【0136】上記構成材料を、ヘンシェルミキサーで混
合分散し、二軸エクストルーダーで溶融混練を行った。
混練物を冷却後、粗粉砕し、ジェット気流を用いた粉砕
機によって微粉砕し、更に風力分級機を用いて分級し、
重量平均粒径12μmの磁性トナーを得た。
【0137】該磁性トナー100重量部に対して、本発
明の無機微粉体A(シリコーンオイル60重量%含有,
嵩密度0.4g/cc,比表面積3.0m2/g)0.
2重量部と、疎水性シリカをヘキサメチルジシラザン処
理後シリコーンオイル処理したもの(以下シリカAと称
す。)[嵩密度45g/l,比表面積105m2/g]
を0.6重量部加え、ヘンシェルミキサーで混合し磁性
現像剤とした。得られた磁性現像剤をLBP−EXを用
い一般画像及びMICR文字を印字し、電子写真特性及
びMICR特性を評価した。結果を表1に示す。
【0138】実施例2 疎水性シリカをシリコーンオイル処理してないもの(以
下シリカBと称す)[嵩密度40g/l,比表面積11
0m2/g]を用いた以外は実施例1と同様にして磁性
現像剤を得た。実施例1と同様に評価を行なった。結果
を表1に示す。
【0139】実施例3 ワックス以外の構成材料は実施例1と同一のものを用
い、また混合重量比も実施例1と同一とした。
【0140】ワックスに関しては、末端に水酸基を有す
る長鎖のアルコールポリマーで平均的な組成を示す分子
式はCH3(CH248CH2OHで表わされ、水酸基を
有する化合物の含有率は約80%であり、Mw=880
で、DSC特性において、吸熱ピーク温度が98℃、降
温時の最大発熱ピーク97℃であるもの(以下ワックス
Bと称す。)を用いた。以下、実施例1と同様の製造法
で重量平均粒径12μmの磁性トナーを得た。以下、実
施例1と同様に無機微粉体AとシリカAを外添し磁性現
像剤を得た。実施例1と同様に評価を行なった。結果を
表1に示す。
【0141】実施例4 結着樹脂(実施例1と同一) 100重量部 磁性体(Fe34) 90重量部 モノアゾ染料クロム錯体 1重量部 サリチル酸クロム錯体 2重量部 ワックス 7重量部
【0142】上記構成材料中の磁性体は磁性体Aを、ワ
ックスについてはワックスBを用いた。以下実施例1と
同様の製造法で重量平均粒径7μmの磁性トナーを得
た。以下、トナー100重量部に対し無機微粉体Aを
0.1重量部とシリカAを1.2重量部外添し磁性現像
剤を得た。実施例1と同様に評価を行なった。結果を表
1に示す。
【0143】実施例5 ワックス以外の構成材料は実施例1と同一のものを用
い、また混合重量比も実施例1と同一とした。
【0144】ワックスに関しては、末端にカルボキシル
基を有する長鎖の脂肪族炭化水素で平均的な組成を示す
分子式はCH3(CH248CH2COOHで表わされ、
カルボキシル基を有する化合物の含有率は約80%であ
り、Mw=910で、DSC特性において吸熱ピーク温
度が105℃、降温時の最大発熱ピークが98℃である
もの(以下ワックスCと称す。)を用いた。以下、実施
例1と同様の方法で、磁性現像剤を得た。さらに実施例
1と同様に評価を行なった。結果を表1に示す。
【0145】実施例6 無機微粉体Aを磁性トナーに添加しない以外は実施例3
と同様にして磁性現像剤を得た。さらに実施例1と同様
に評価を行なった。結果を表1に示す。
【0146】実施例7 無機微粉体Aを磁性トナーに添加しない以外は実施例4
と同様にして磁性現像剤を得た。さらに実施例1と同様
に評価を行なった。結果を表1に示す。
【0147】実施例8 無機微粉体Aを磁性トナーに添加しない以外は実施例5
と同様にして磁性現像剤を得た。さらに実施例1と同様
に評価を行なった。結果を表1に示す。
【0148】比較例1 実施例1で得た磁性トナー100重量部に対し、シリカ
Bのみを0.6重量部加えヘンシェルミキサーで混合し
磁性現像剤を得た。実施例1と同様に評価を行なった。
結果を表1に示す。
【0149】比較例2 実施例1に対して、磁性体とワックスを変更した。その
他の原材料,重量構成比は実施例1と同一とした。磁性
体は、10000エルステッドの磁界におけるσrが1
0.5(emu/g)で、Hcが105エルステッド
で、透磁率5.0であるもの(以下磁性体Bと称す。)
を用いた。
【0150】ワックスに関しては、Mw=4030でD
SC特性において吸熱ピーク温度が128℃、降温時の
最大発熱ピークが113℃であるものを用いた(以下ワ
ックスDと称す。)。以下、比較例1と同様にして磁性
現像剤を得た。実施例1と同様に評価を行なった。結果
を表1に示す。
【0151】
【表1】
【0152】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の第一発明は
シリコーンオイルあるいはシリコーンワニスを多量に含
有させることによって得られた無機微粉体を磁性現像剤
中に含有させることによって、磁性現像剤に好ましい離
型性,潤滑性を与えることができるので、特定の磁性特
性を有する磁性体との組み合せにより、次の様な優れた
効果を発揮するものである。
【0153】(1)印字枚数が増加した場合において
も、転写中抜けがなく正常な磁気信号を有するMICR
文字を形成し得る磁性現像剤を提供できる。
【0154】(2)MICRリーダー・ソーターに繰り
返し通紙した場合、スメアリングの発生を抑制し得る磁
性現像剤を提供できる。
【0155】(3)デジタルな画像信号により潜像を形
成し、該潜像を反転現像方式で現像する画像形成装置に
おいても、転写中抜けのない画像を形成し得る磁性現像
剤を提供できる。
【0156】さらに本発明の第二発明は、特定の脂肪族
炭化水素を磁性現像剤中に含有させることによって、磁
性現像剤に好ましい粉体特性及び好ましい熱可塑性を与
えることが出来るので、特定の磁性特性を有する磁性体
との組み合わせにより、次の様な優れた効果を発揮する
ものである。
【0157】(1)MICRリーダー・ソーターに繰り
返し通紙されても、スメアリングの発生することのない
磁性現像剤を提供できる。
【0158】(2)MICRリーダー・ソーターに繰り
返し通紙されても、MICRリーダー・ソーターの磁気
ヘッドを汚染することのない磁性現像剤を提供できる。
【0159】(3)紙への付着性が良好で、紙から離脱
しにくいMICR文字を形成する磁性現像剤を提供でき
る。
【0160】(4)一般印字画像においても左右の画像
濃度の濃淡差がなく均一な画質が形成でき、転写中抜け
にも改善効果を有し、なおかつMICRリーダー・ソー
ターの認識率の良好なMICR文字を形成し得る磁性現
像剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般文字(a),ON US文字(c)で転写
状態の良好な例と、転写状態の不良な例(b),(d)
を模式的に示した図である。
【図2】リーダー・ソーターテストで小切手等でMIC
R文字が印字されている部分及びスメアリング発生部分
を模式的に示した図である。
【図3】付着性のテストでドラフティングテープを貼っ
た箇所を模式的に示した図である。
【図4】付着性テストで使用した治具及びその状態を模
式的に示した図である。
【図5】本発明に好適な画像形成方法及び画像形成装置
の一具体例を模式的に示した図である。
【符号の説明】
501 感光体 502 帯電手段 503 転写手段 504 トナー担持体 505 潜像形成手段 506 イレース露光 507 加熱加圧ローラー定着器 508 クリーニング手段 509 現像手段 510 磁性現像剤 511 磁性ブレード 512 バイアス印加手段 513 電圧印加手段 P 転写紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 375 (72)発明者 野沢 圭太 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも磁性トナー及び無機微粉体を
    有する磁性現像剤において、該磁性トナーは、結着樹
    脂,磁性体及びワックスを含有しており、 該磁性体は、10000エルステッドの磁界における残
    留磁化σrが12≦σr≦30emu/gの範囲であ
    り、保磁力Hcが130≦Hc≦300エルステッドの
    範囲であり、かつ透磁率μが2.0≦μ≦4.0の範囲
    であり、 該無機微粉体はシリコーンオイルまたはシリコーンワニ
    スを20重量%〜90重量%含有し、嵩密度が0.2〜
    0.8(g/cc)、かつ比表面積が0.01〜50
    (m2/g)であることを特徴とする磁性現像剤。
  2. 【請求項2】 該ワックスの示差走査熱量計により測定
    されるDSC曲線で温度70〜130℃の領域に少なく
    とも一つの昇温時の吸熱ピークがあり、該吸熱ピークの
    ピーク温度の±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピーク
    があることを特徴とする請求項1に記載の磁性現像剤。
  3. 【請求項3】 少なくとも磁性トナーを有する磁性現像
    剤において、該磁性トナーは、結着樹脂,磁性体及びワ
    ックスを含有しており、 該磁性体は、10000エルステッドの磁界における残
    留磁化σrが12≦σr≦30emu/gの範囲であ
    り、保磁力Hcが130≦Hc≦300エルステッドの
    範囲であり、かつ透磁率μが2.0≦μ≦4.0の範囲
    であり、 該ワックスは下記一般式 R−Y [R:ゲルパーミエーションクロマトグラフによる重量
    平均分子量が3000以下の炭化水素基を示す。Y:水
    酸基,カルボキシル基,アルキルエーテル基,エステル
    基,スルホニル基を示す。]を有する化合物を含有する
    ことを特徴とする磁性現像剤。
  4. 【請求項4】 該磁性トナー粒子表面に、さらにシラン
    カップリング剤処理後シリコーンオイル処理された嵩密
    度が30〜60(g/l)で、比表面積が80〜140
    (m2/g)の第二の無機微粉体を担持させたことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁性現像剤。
  5. 【請求項5】 該磁性現像剤は、磁性を有する文字によ
    る情報を磁気読み取り機を使って読み取る磁性インク記
    号識別システムに用いられる文字を印字するのに用いら
    れることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    磁性現像剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0968822A (ja) * 1995-08-31 1997-03-11 Canon Inc 静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法
JPH11160908A (ja) * 1997-11-28 1999-06-18 Kyocera Corp 磁性インクキャラクター認識印刷用正帯電性トナー
JPH11160907A (ja) * 1997-11-28 1999-06-18 Kyocera Corp 正帯電現像剤
JP2004126251A (ja) * 2002-10-02 2004-04-22 Canon Inc トナーおよび画像形成方法

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