JPH0777596B2 - タック縫いやダーツ縫いを実施する際の自動縫いミシンに対する布地供給方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はタック縫いやダーツ縫い
を実施する際の自動縫いミシンに対する布地供給方法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】タック縫いやダーツ縫いを実施するため
の自動縫いミシンには図４に示すようなものがあるので
あって、即ち作業台１に沿って任意に変位される送り板
２と、この送り板２の上面に押圧される押え板３を具備
したものとなしてある。ここに押え板３は枠体４に透明
な樹脂板５を固定すると共にこの樹脂板５にミシン針６
の通路となる適当な形状のスリット５ａを設けたものと
なされる。しかして、このミシンでタック縫いやダーツ
縫いなどを実施するさいは同図に示すように送り板２と
押さ板３の間の一定位置に布地ｗを重ね折り状態で迅速
且つ正確に供給することが要求されるのであり、このた
め出願人は特願平２−３００３３０号で示したように比
較的幅の広い供給板を使用することによりこの要求に応
じることとしたのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した供給板による
布地の供給によれば能率的な作業が実施できて極めて有
益であるが、重ね折りされた布地ｗの奥行き寸法ｌが小
さいような場合に布地の取扱いに不便を感じることがあ
り、また供給板の移動の過程で手元がくるうなどして布
地における折り曲げ位置が予定された位置からずれてし
まう虞がないとも限らないのである。本発明は斯かる実
情に鑑みて、如何なる場合でも従来に増して正確に行え
るものとしたタック縫いやダーツ縫いに於ける布地供給
方法を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明はミシンヘッドの横方向位置に前後左右の平行
四辺形移動されるものとした構成の支持ブロックを配置
し、該支持ブロックに一対の細長状板部材を対向した側
辺部が圧接離反動作自在なるように装着し、該細長状板
部材の対向した側辺部間に布地を挟持させると共に、ミ
シンの送り板と押え板の相互間の縫製位置へ折り重ね状
態に差入れ、押え板の押圧後細長状板部材を横方向へ引
抜いて縫製位置から逃げるようになすことを特徴とす
る。

【０００５】

【作用】一対の細長状板部材は布地の折り曲げ位置をそ
の対向側辺部で挟持してその布地を保持し、次いで送り
板と押え板の相互間の一定位置まで移動し、ここで布地
と共に押え板で押圧されるものとなり、布地は概ね重ね
折り状態となされる。この後、これら一対の細長状板部
材は相互に離反して布地の挟持を解放し、送り板と押え
板の間からこの板部材の長手方向へ向けて布地を残した
まま引き抜かれる。

【０００６】本発明において、一対の細長状板部材が布
地を挟持することは布地の供給過程でそれを手指で位置
保持する必要がなくなるのであり、したがって布地の重
ね折り部分の奥行き寸法が小さくても確実にそれを保持
して供給することを可能となすのであり、また一対の細
長状板部材は布地の予定された折り曲げ位置を一旦挟持
した後はその位置を確実に保持し、送り板や押え板など
との関連で布地を正確な重ね折り状態になすものとな
る。

【０００７】

【実施例】

図１は本発明方法の実施で使用する布地供給装置Ｂの斜
視図を示し、Ａはミシン本体側である。しかして布地供
給装置Ｂの詳細は次のとおりである。即ち、７はミシン
本体Ａに設けた図示しない駆動装置の出力部材で、ミシ
ンヘッド８に対し上下方向及び前後方向へ適宜に移動さ
れるものとなしてある。９はこの出力部材７に固定した
台板部材であり、これの上面には二本のガイドバー１
０、１０が固定部材１０ａ．．．を介して固定してあ
る。１１はこれらガイドバー１０、１０に案内させた支
持ブロックで、ミシンヘッド８に対し左右方向へ図示し
ないシリンダー装置により任意に移動されるものとなし
てある。１２ａ及び１２ｂは支持ブロック１１に装着し
た一対の細長状板部材であり、このさい一方の板部材１
２ａは固定板１３ａを介して支持ブロック１１に固定さ
せると共に他方の板部材１２ｂは連結板１３ｂを介して
縦軸１４廻りの揺動変位自在に装着する。１５は連結部
材１３ｂに固定した延長部材であり、この延長部材１５
と固定部材１３ａとの間には軸１６ａ、１６ｂを介して
エアーシリンダー装置１７を設け、このシリンダー装置
１７の伸縮作動により一対の板部材１２ａ、１２ｂの対
向側辺部ｋ１、ｋ２が圧接離反されるようになしてあ
る。このさい、一方の側辺部ｋ１は凸状の円弧面とな
し、他方の側辺部ｋ２はこの円弧面に対応した凹状の円
弧面となすのがよい。なお１８はシリンダー装置１７を
伸縮作動させるためのエアーを供給排出するためのチュ
ーブである。

【０００８】一方、図示は省略したが、ミシン本体Ａに
おける押え板３のスリット５ａ周辺の下面、及び、前記
スリット５ａ周辺に対応した送り板２の上面には布地の
すべりを阻止するための適宜な摩擦材などを付設するの
がよい。

【０００９】次に上記布地供給装置を使用してタック縫
いを実施するさいの使用例並びに作動を説明する。作業
者は図２に示すように布地ｗの予定された折り曲げ位置
を一対の板部材１２ａ、１２ｂの対向側辺部ｋ１、ｋ２
で挟持させ、次いで図示しない始動用フートスイッチを
入り動作させる。これにより、出力部材７が制御装置か
らの指令により後退方向ｆ１へ移動し、一対の板部材１
２ａ、１２ｂとこれに挟持された布地ｗは送り板２と押
え板３の相互間の所要位置に供給移動される。このさい
布地ｗは単に引っ掛けられるだけでなく強制的に挟持さ
れているためその位置を確実に保持されるのであり、こ
のため供給移動中に必ずしも布地ｗの重ね折り部分を手
指で支持する必要はなく、たとえ重ね折り部分の奥行き
寸法ｌが小さくてもその供給に不便を感じることはない
のである。続いて、押え板３が降下作動し、図３に示す
ように布地ｗと板部材１２ａ、１２ｂを適当圧力で押圧
するのであり、これにより布地ｗは概ね予定された重ね
折り状態となされる。次いで、支持フロック１１が制御
装置からの指令によりシリンダー装置などで駆動されて
右方向ｆ２へ移動されるのであり、これにより一対の板
部材１２ａ、１２ｂは送り板２と押え板３の間に布地ｗ
を残したまま横方向へ引き抜かれる。このため押え板３
は板部材１２ａ、１２ｂの厚さ寸法分だけさらに降下し
て布地ｗを確実に押えて正確な重ね折り状態となす。次
いで送り板２及び押え板３が一体的に移動されるものと
なり、重ね折りされた布地ｗはミシン作業台２上のタッ
ク縫い開始位置に移動され続いてタック縫いを実施され
る。このタック縫いが完了すると押え板３は上昇され、
処理済みの布地ｗはミシン作業台２から適宜に他所へ排
除されるのであり、また送り板２及び押え板３は図１の
原状態に復帰される。そして一方では一対の板部材１２
ａ、１２ｂが前進方向ｆ３へ移動された後、左方向ｆ４
へ移動されて図１の原状態に復帰される。かくして一回
のタック縫い作業が終了するのであり、以後は同じこと
が繰り返されて連続的且つ能率的な作業が実施されるも
のとなる。

【００１０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、タック縫
いやダーツ縫いを実施するさい、たとえ重ね折り部分の
奥行き寸法が小さいときでも不便を感じることなく布地
の供給が行えるのであり、また布地の予定した折り曲げ
位置を一対の板部材で挟持させるため折り曲げ位置がず
れるようなことは生じず、正確な重ね折りが実施される
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法の実施で使用する布地供給装置の斜
視図である。

【図２】布地供給装置に布地を挟持させた状態を示す説
明図である。

【図３】細長状板部材と布地を押さえて押圧した状態を
示す説明図である。

【図４】自動縫いミシンでタック縫いを実施するさいの
様子を示す図である。

【符号の説明】

２ 送り板 ３ 押え板 ８ ミシンヘッド １１ 支持ブロック １２ａ及び１２ｂ 細長状板部材 ｋ１及びｋ２ 板部材の側片部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ミシンヘッドの横方向位置に前後左右の
   平行四辺形移動されるものとした構成の支持ブロックを
   配置し、該支持ブロックに一対の細長状板部材を対向し
   た側辺部が圧接離反動作自在なるように装着し、該細長
   状板部材の対向した側辺部間に布地を挟持させると共
   に、ミシンの送り板と押え板の相互間の縫製位置へ折り
   重ね状態に差入れ、押え板の押圧後細長状板部材を横方
   向へ引抜いて縫製位置から逃げるようになすことを特徴
   とするタック縫いやダーツ縫いを実施する際の自動縫い
   ミシンに対する布地供給方法。