JPH0777541B2 - パン生地処理機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はパン生地の冷凍（保
管）、解凍、冷蔵（熟成）、発酵等を行うパン生地処理
機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のパン生地処理機として図
５に示すものが知られている。

【０００３】このパン生地処理機は、断熱性のパン生地
収納庫１内に複数のパン生地載置用棚２を上下方向に配
設するとともに、最下位の棚２の下方に加湿ユニット３
を配置し、またパン生地収納庫１の上部には冷凍回路の
圧縮機４、凝縮器５等を収容する機械室６を設けてい
る。パン生地収納庫１内には通風路７が設けられ、通風
路７内には蒸発器８、送風機９及び電気ヒ−タ１０が配
置されている。また、パン生地は所定の形状に成型さ
れ、成型されたパン生地Ａをトレイ１１内に配列し、各
棚２に収納するようになっている。

【０００４】このパン生地処理機においては、冷凍回路
によって冷却された空気（−１８℃程度）を供給する冷
凍モ−ド運転と、冷凍回路によって冷却された空気を電
気ヒ−タ１０で加熱し除湿空気（１０〜１５℃程度）と
して供給する冷蔵モ−ド運転と、電気ヒ−タ１０で加熱
した空気（２５〜４０℃程度）に加湿ユニット３で湿気
を加える発酵モ−ド運転とを段階的に切換える。これに
より、冷凍（保管）→解凍→冷蔵（熟成）→発酵の順に
処理工程が進行し、発酵したパン生地Ａを取出して図示
しないオ−ブンにて焼成処理を行うことによりパンがで
き上がる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
パン生地処理機では、処理空気を上下方向に流通させて
いることから、各棚２内の横方向中央寄りに位置するパ
ン生地Ａには処理空気が十分に供給されず、パンの仕上
がりにバラつきを生じるという問題点があった。

【０００６】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、各棚に載置されたパ
ン生地に均一に処理空気を供給することのできるパン生
地処理機を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、上下方向に配列された複数のパン生地載置
用棚を有するパン生地収納庫を備え、該収納庫内に所定
の温度及び湿度に調整されたパン生地処理用空気を供給
するパン生地処理機において、パン生地処理用空気の吹
出口を前記収納庫内の一側方に、パン生地処理用空気の
吸入口を該収納庫内の他側方にそれぞれ設けるととも
に、該吹出口と前記各棚との間には該各棚の側面に臨む
仕切板によって区画された少なくとも一つの空気貯留室
を設け、該仕切板には均一に配置された複数の空気吹出
孔を設けている。

【０００８】

【作用】本発明のパン生地処理機によれば、パン生地処
理用空気がパン生地収納庫内の一側方から吹出し、該収
納庫内の他側方にて吸入されることから、該処理用空気
が各棚のパン生地載置面に沿って流通し、パン生地に満
遍なく供給される。この時、吹出口から吐出したパン生
地処理用空気は、空気貯留室から空気吹出孔を介してパ
ン生地収納部側へと流通する過程で流量及び流速が各棚
の側面に対して均一化される。

【０００９】

【実施例】図１乃至図４は本発明の一実施例を示すもの
である。

【００１０】同図において、２０は前面を開口した断熱
性のパン生地収納庫（以下、収納庫という）で、該開口
部には断熱扉２１が取付けられている。この収納庫２０
内には上下に配列された複数の棚２２が設けられ、各棚
２２は収納庫２０内の左右にそれぞれ対向して取付けら
れている。各棚２２にはパン生地Ａを載置するトレイ２
３が前後方向二列に収納され、各トレイ２３は収納庫２
０に出し入れできるようになっている。また、収納庫２
０内にはその上面側から背面側に亘って延びる仕切板２
４によって通風路２５が形成され、背面側の通風路２５
内には冷凍回路の蒸発器２６及び送風機２７が配置され
ている。この通風路２５は背面側の下端と上面側の前端
とをそれぞれ開口し、背面側開口部が吹出口２５ａ、上
面側開口部が吸入口２５ｂとなっている。一方、仕切板
２４の背面側前方は間隔をおいて対向する二枚の仕切板
２８，２９によって遮蔽され、仕切板２４，２９間及び
仕切板２８，２９間には、それぞれ第１及び第２の空気
貯留室３０，３１が形成されている。仕切板２８，２９
はほぼ全面に亘って穿設された多数の空気吹出孔２８
ａ，２９ａを有し、通風路２５から流出した処理空気が
各空気貯留室３０，３１を介してパン生地収容部側に供
給されるようになっている。また、通風路２５の下端側
には加湿用の湿気取入口３２が設けられ、各貯留室３
０，３１の下端側には電気ヒ−タ３３，３４がそれぞれ
取付けられている。尚、３５は通風路２５の吸入口２５
ｂに設けられた温度センサである。

【００１１】３６は収納庫２０の一側面に付設された機
械室で、その内部には加湿器３７及び冷凍回路の圧縮機
３８、凝縮器３９等が収容され、加湿器３７は通風路２
５の湿気取入口３２に連通している。また、機械室３６
の前面には操作パネル４０が配設され、機械室３６の内
部に操作パネル４０の制御基板４１を取付けている。

【００１２】ここで、本実施例のパン生地処理機の動作
を説明する。

【００１３】まず、成型されたパン生地Ａをトレイ２３
に配列して収納庫２０内に収容し自動運転を開始する
と、以下に述べる冷凍、冷蔵及び発酵の各モ−ド運転を
順に行う。

【００１４】冷凍モ−ドでは、冷凍回路が作動して収納
庫２０内を−１８℃程度に冷却し、パン生地Ａが冷凍保
管される。

【００１５】次に、前記冷凍モ−ド運転を開始してから
所定時間が経過すると冷蔵モ−ド運転に移行する。この
冷蔵モ−ドでは冷凍回路の作動が継続されるとともに、
各電気ヒ−タ３３，３４が駆動して冷却空気を加熱し、
収納庫２０内の温度を１０〜１５℃程度まで上昇させ
る。これにより、パン生地Ａが解凍し、冷蔵状態で数時
間の熟成が行われる。

【００１６】冷蔵モ−ド運転が終了すると発酵モ−ド運
転に移行する。この発酵モ−ドでは、冷凍回路の運転を
停止するとともに、各電気ヒ−タ３３，３４及び加湿器
３８を駆動する。これにより、収納庫２０内に高温（２
５〜４０℃程度）及び高湿度の空気が供給され、パン生
地Ａの発酵が行われる。

【００１７】発酵モ−ド運転が終了したならば、収納庫
２０内からパン生地Ａを取出し、図示しないオ−ブンに
て焼成処理を行うことによってパンが完成する。

【００１８】また、前記各運転時において、通風路２５
から第１の空気貯留室３０内に流入した処理空気は、空
気吹出孔２８ａから第２の空気貯留室３１へと流通する
過程で流量及び流速を収納庫２０の背面に対して均一化
され、空気吹出孔２９ａからパン生地収容部側に吹出さ
れる。これにより、処理空気は各棚２２間を均等に流通
した後、通風路２５に回収されて収納庫２０内を循環す
ることとなる。

【００１９】このように、本実施例のパン生地処理機に
よれば、処理空気を各棚２２の背面側から横方向に流通
させるとともに、処理空気の吹出側に第１及び第２の空
気貯留室３０，３１を設け、各空気貯留室３０，３１及
び各空気吹出孔２８ａ，２９ａを介して処理空気を吹出
すようにしたので、処理空気を各棚２２間を均等に流通
させることができ、各パン生地Ａの処理をムラなく行う
ことができる。また、処理空気の流通方向を横向きにし
たことによって収納庫２０の上下寸法を小さくすること
ができるので、収納庫２０の上にオ−ブン等を載置する
ことにより、設置スペ−スの縮小を図ることもできる。

【００２０】尚、前記実施例では二つの空気貯留室３
０，３１を設けたものを示したが、空気貯留室を一つだ
け設けたものであってもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のパン生地
処理機によれば、パン生地処理用空気を各棚間に均等に
流通させることができるので、各パン生地の処理をムラ
なく行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すパン生地処理機の側面
断面図である。

【図２】本発明の一実施例を示すパン生地処理機の上面
断面図である。

【図３】本発明の一実施例を示すパン生地処理機の全体
斜視図である。

【図４】成型されたパン生地の斜視図である。

【図５】従来例を示すパン生地処理機の側面断面図であ
る。

【符号の説明】

１０…パン生地収納庫、１２…棚、１５ａ…吹出口、１
５ｂ…吸入口、２０…第１の空気貯留室、２１…第２の
空気貯留室、１８，１９…仕切板、１８ａ，１９ａ…空
気吹出口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下方向に配列された複数のパン生地載
   置用棚を有するパン生地収納庫を備え、該収納庫内に所
   定の温度及び湿度に調整されたパン生地処理用空気を供
   給するパン生地処理機において、 パン生地処理用空気の吹出口を前記収納庫内の一側方
   に、パン生地処理用空気の吸入口を該収納庫内の他側方
   にそれぞれ設けるとともに、 該吹出口と前記各棚との間には該各棚の側面に臨む仕切
   板によって区画された少なくとも一つの空気貯留室を設
   け、 該仕切板には均一に配置された複数の空気吹出孔を設け
   たことを特徴とするパン生地処理機。