JP5174521B2 - 冷凍パン生地の解凍装置 - Google Patents

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Description

この発明は、冷凍パン生地の解凍からホイロを行う冷凍パン生地の解凍装置であって、安定仮想室温環境を作り出し、冷凍から人為的な作業を介さず室温解凍を再現し、高品質の製品を作ることができる冷凍パン生地の解凍装置に関するものである。
スーパーストア、ベーカリーカフェ、ファミリーレストラン等で、焼きたてパンをいつでも食べられるようにとの要望が高まり、技術力がなくても冷凍パン生地を使用することにより焼きたてパンを提供することができるようになった。
しかし、冷凍パン生地は通常室温にて解凍し、発酵させる方法を取っているため、焼きたてパンを効率よく提供することが難しく、従業者の負担が大きくならざるを得なかった。
そこで、近年冷凍パン生地の解凍装置(ドウコンディショナー)を使用し、該解凍装置のパン生地収納庫内の温度、湿度を自動的に制御し、冷凍パン生地の解凍から最終発酵までを自動化することができる装置が用いられている。
しかしながら、一般的には例えば、冷凍条件:温度−7℃、湿度75%、冷蔵条件:温度3℃、湿度75%、予熱条件:温度15℃、湿度75%、ホイロ条件:温度33℃、湿度80%に設定して解凍からホイロを行っているが、理想とされる室温解凍による場合と比較すると品質が低下する欠点がある。
そこで、従来の冷凍パン生地の解凍装置を用いて、室温解凍と同様に、例えば、冷凍条件:温度−20℃、湿度50%、冷蔵過程はなく予熱工程に入り、予熱条件:温度25℃、湿度75%、ホイロ条件:温度30℃、湿度80%に設定して解凍からホイロを行う場合、庫内の上下や奥・手前で生地の加熱・加湿・除湿条件に差違が発生したり、庫内の加湿が十分できなかったり、或いは、高湿度の空気が庫内へ循環し庫内湿度が飽和する状況が出現したりした。
それ故、従来の冷凍パン生地の解凍装置により室温解凍と同様の条件下で解凍を行った場合、生地構造が変化し生地表面のシワ、梨肌などの外観品質の弊害の発生、生地表面の過度の乾燥、過剰な水分の吸着によって焼成工程での生地表面の着色の不均一等様々な冷凍障害と総称される現象が発生することがあった。
そこで、このような冷凍障害を生じさせないように、例えば、 特許第3763112号公報(特許文献1)、特開平2001−78657公報(特許文献2)のようなものがある。
特許第3763112号公報。 特開平2001−78657公報。
特許文献1の冷凍パン生地の解凍方法および解凍装置は、冷却手段と加熱手段を備えた庫内で冷凍パン生地を解凍する際、あらかじめ設定した解凍温度付近まで冷凍パン生地の周辺空気温度を速やかに変化させ、次いで、所定のタイミングで冷却手段および加熱手段を交互にON・OFFすることにより、比較的短い時間間隔で冷凍パン生地の周辺空気温度を解凍温度を挟んで、且つ比較的大きな温度ディファレンシャルで上下に交互に強制的に変動させながら冷凍パン生地を解凍させるものである。
特許文献2のドウコンディショナーは、冷凍パン生地仕込量20kgに対して、出力(冷凍能力)が400Wより大きい冷凍機、及び、出力が600Wより大きいヒーターを備え、庫内空気の露点温度と生地表面温度との差を15℃以下に維持しながら、庫内の昇温及び冷却を行うことを可能にし、パン生地の状態を良好に保ちながら、冷凍生地の解凍・ホイロ工程等の焼成前作業を短時間で行えるものである。
しかし、上記の冷凍パン生地の解凍装置(ドウコンディショナー)は、生地収納庫内の空気の循環構造、及び、冷凍・冷蔵・加熱・除湿の各能力に起因し、設定した温度、設定した湿度に制御することが難しく、冷凍パン生地の表面に水分が付着したり、生地表面に着霜した状態のまま解凍が開始されることにより、焼成後の商品の外観・品質に影響を及ぼし、また、緩慢な解凍により低温発酵が進行し生地表面上へ気泡が析出する等の問題点があった。
本発明の目的は、凍結状態の冷凍パン生地を迅速に解凍し、凍結前と同じ品質のパン生地にするため、
第1に、冷凍パン生地載置用天板を所定距離離間して階段状に傾斜して積層しパン生地収納庫内に空気流通調整空間部を設け、上段から下段に至る各天板と天板の間に流れる調整空気の風量・風速を同じにし、かつ、各天板と天板の間に調整空気を流入し易くし、さらに、調整空気作製送風部からの送風量を多くしても、パン生地収納庫内の隅々まで均一に調整空気が循環するようにした。
第2に、冷凍能力の高い冷却用冷凍手段と、冷却能力が低い冷却用冷凍手段の両者を備えることなく、一つの冷凍手段を用い、その冷凍手段の吸入圧力調整弁にバイパス回路を設け、バイパス回路の開閉により冷凍能力を高低2段に切替可能とし、加熱状態での減湿・冷却状態での減湿・加熱状態での加湿・冷却状態での加湿の各能力を高め、パン生地収納庫内の温度・湿度制御を的確に行うようにし、また、過度の冷却により庫内空気から析出する水分を凍結させることなく水滴として庫外に排出でき、さらに、加湿スプレーから噴射される水滴を含む調整空気が直接冷却器に作用しない構造として、冷却器に水滴が結露しないようにし、加湿を必要としない時は、極力水蒸気の発生を防ぐようにした。
第3に、改良した加湿スプレーを使用し加湿を必要とする時は速やかに空気中に水滴を取り込ませ、安定的な加湿ができるようにした。
これらにより、パン生地収納庫内の温度分布・湿度分布のバラツキを少なくするとともに、解凍からホイロ時に素早い温度応答を可能とし、湿度も飽和することがない良好な湿度の制御ができ、解凍時にパン生地表面の水分が適切な量に保たれる条件に設定でき、安定仮想室温環境を作ることができるようにした冷凍パン生地の解凍装置を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1)冷凍パン生地載置用天板を載置する天板載置用棚を収容するための天板載置用棚配置部を備えたパン生地収納庫と、加熱ヒーターを備える加熱手段と冷却器を備える冷却手段と加湿スプレーを備える加湿手段と送風ファンを備える送風手段とそれら手段を制御する制御部とを有する収納庫内雰囲気調整手段とを備える冷凍パン生地の解凍装置であって、
前記冷凍パン生地の解凍装置は、前記パン生地収納庫内に、前記収納庫内雰囲気調整手段の前記冷却器と前記加熱ヒータと前記加湿スプレーと前記送風ファンとを収納し、かつ、前記天板載置用棚配置部と区画された調整空気作製送風部を備えるとともに、前記調整空気作製送風部は、一端側に設けられた空気吸入部と他端側に設けられた空気吐出部を有し、さらに、前記パン生地収納庫内の前記天板載置用棚配置部は、前記調整空気作製送風部の前記吸入部と連通する空気流通調整用空間部を有するものであり、さらに、前記冷凍パン生地の解凍装置は、前記空気流通調整用空間部を介して前記空気吸入部より庫内空気を吸引し、吸引した庫内空気を前記調整空気作製送風部にて調整し、調整空気を前記空気吐出部より庫内に吐出させることにより庫内空気を循環させるものであることを特徴とするものである。
(2)前記空気流通調整用空間部は、前記天板の侵入が不能となっている天板侵入不能空間部により構成されている前記(1)に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(3)前記空気流通調整用空間部は、前記調整空気作製送風部の空気吐出部側より前記空気吸入部側に向かって徐々に厚くなっている前記(1)又は前記(2)に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(4)前記空気流通調整用空間部は、前記パン生地収納庫内の前記天板載置用棚配置部に、前記冷凍パン生地載置用天板を所定距離離間して階段状に傾斜して積層することにより、最下段の前記冷凍パン生地載置用天板の先端部から上方に垂直に延びる垂直面と、前記冷凍パン生地載置用天板の最下段から最上段に至る各天板の先端部を結ぶ傾斜面の間に形成されるくさび形の空間である前記(1)ないし前記(3)のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(5)前記天板載置用棚配置部の前記空気流通調整用空間部は、前記天板載置用棚配置部の一端側から流出する空気流を調整する流出側空気流通調整用空間部であり、前記天板載置用棚配置部は、前記天板載置用棚配置部の他端側から流入する空気流を調整する流入側空気流通調整用空間部を備えている前記(1)に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(6)前記天板載置用棚配置部は、複数の前記冷凍パン生地載置用天板を所定距離離間して積層状態に載置可能な複数の前記天板載置用棚を備え、該複数の天板載置用棚に、下段から上段に向かって、下に載置される冷凍パン生地載置用天板よりその上に載置される冷凍パン生地載置用天板を前方又は側方のいずれか一方向に突出して載置し、複数の冷凍パン生地載置用天板を階段状に傾斜して積層し、前記パン生地収納庫内に空気流通調整空間部を形成した前記(1)ないし前記(5)のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(7)前記天板載置用棚配置部は、複数の前記冷凍パン生地載置用天板を所定距離離間した積層状態に載置可能な複数の前記天板載置用棚を備え、該複数の天板載置用棚に、下段から上段に向かって、下に載置される冷凍パン生地載置用天板よりその上に載置される冷凍パン生地載置用天板を前方又は側方のいずれか一方向に突出し階段状に傾斜して積層されるように、前記冷凍パン生地載置用天板の挿入載置する位置を制限する位置決め手段を備えている前記(1)ないし前記(6)のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(8)前記位置決め手段は、前記天板載置用棚の後部又は側部に配置されるとともに、前記冷凍パン生地載置用天板を階段状に傾斜して積層させるように、傾斜させる方向に傾倒して設けられた規制杆である前記(7)に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(9)前記調整空気作製送風部は、前記冷却器と前記加熱ヒータと前記加湿スプレーを収納する収納部と、該収納部の上部に配置された送風ファンを備え、前記パン生地収納庫の前記天板載置用棚配置部内に設けた前記空気流通調整空間部を介して該調整空気作製送風部の上部の空気吸入部から庫内空気を吸入し、前記収納部内を通って該調整空気作製送風部の下部の空気吐出部から前記パン生地収納庫内に調整空気を吐出するものである前記(1)ないし(8)に記載のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(10)前記調整空気作製送風部は、前記天板載置用棚配置部の前記傾斜状に積層された冷凍パン生地載置用天板の傾斜方向の反対側に位置し、天板載置用棚配置部方向を向く前記調整空気作製送風部の前面パネル部の上部に、庫内空気を吸入する大きな空気吸入部を、また、前記前面パネル部の下部に大きな空気吐出部を備え、さらに前記送風ファンを送風能力の大きい送風ファンとした前記(1)ないし前記(9)のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(11)前記調整空気作製送風部の前面パネル部の下部の空気吐出部に、吐出される調整空気の一部を側方及び上方に誘導するように、空気吐出部の中央前部に邪魔板を設けた前記(10)に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(12)前記調整空気作製送風部の収納部は、前記冷却器と前記加熱ヒータと前記加湿スプレーを収納しており、かつ、前記加湿スプレーは前記加熱ヒータ及び前記冷却器より下方に配置した前記(1)ないし前記(11)のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(13)前記加湿スプレーは、400μm以下の水滴を広範囲に噴出可能なノズルを備えている前記(1)ないし前記(12)のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(14)前記ノズルは、50度以上の噴出角度を有するものである前記(13)に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(15)前記冷却手段は、前記冷却器と、圧縮機と、放熱器と、キャピラリチューブと、吸入圧力調整弁と、該吸入圧力調整弁の調整制限を無効にするバイパス回路と、該バイパス回路を開閉するための電磁弁とを備えるものであり、前記制御部は、予熱・ホイロ時には前記バイパス回路が閉じ、冷凍・急冷時には前記バイパス回路が開くように前記電磁弁を制御する機能を備えている前記(1)ないし前記(14)のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(16)前記冷凍パン生地の解凍装置は、前記生地収納庫内の底面に液体を収集するためのドレン部と、該ドレン部と接続され前記液体を前記収納庫から排出する排水管を備えている前記(1)ないし前記(15)のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(17)前記収納庫内雰囲気調整手段は、無負荷状態において、加熱能力が最大収納庫内雰囲気を2℃/分にて昇温可能、かつ、冷却能力が収納庫内雰囲気温度が10℃以上において、最大雰囲気を1℃/分にて降温可能なものである前記(1)ないし前記(16)のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
(18)前記収納庫内雰囲気調整手段は、無負荷状態において、最大収納庫内雰囲気を減湿能力5%/分、加湿能力3%/分にて調湿可能なものである前記(1)ないし前記(17)のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
装置。
この発明の冷凍パン生地の解凍装置によれば、前記パン生地収納庫内に、前記天板載置用棚配置部と区画して、前記調整空気作製送風部が設けられ、また、前記天板載置用棚配置部内に前記調整空気作製送風部の空気吸入部と連通して空気流通調整空間部が設けられ、庫内空気が前記天板載置用棚配置部から空気流通調整空間部を介して前記調整空気作製送風部の空気吸入部から吸入されるので、調整空気を送風ファンにより前記収納庫内を循環させる場合、上段に載置された冷凍パン生地載置用天板から下段に載置された冷凍パン生地載置用天板に至る各天板付近から前記調整空気作製送風部の空気吸入部までの空気圧をほぼ均等にすることができ、上段に載置した前記天板付近の調整空気の流れが下段に載置された前記天板付近の調整空気の流れより早くなることがなく、各天板と天板の間から同等に吸引され均等に調整空気が流れ、収納庫内の風速分布、温度・湿度分布を一定にし、パン生地収納庫内の上部と下部、或いは、奥と手前とで生地の加熱・冷却・除湿・加湿条件等に差違が生じることがない。
そして、前記空気流通調整用空間部は、前記天板を前記天板載置用棚に挿入載置する際、天板の侵入を不能とし天板侵入不能空間部を作ったものであるから、特別に前記パン生地収納庫内に前記空気流通調整用空間部を設ける必要がない。 また、前記空気流通調整用空間部は、前記調整空気作製送風部の空気吐出部側より前記空気吸入部側に向かって徐々に厚くなっており、例えば、前記天板載置用棚配置部に、前記冷凍パン生地載置用天板を階段状に傾斜して積層することにより、積層した天板の傾斜面に沿って形成されるくさび形の空間が形成され、この空間すなわち前記空気流通調整空間部が、下段から上段に至る各天板付近の空気圧の違いを緩和し均一化を図る働きをなし、各天板と天板の間を流れる調整空気の風速・通風量を均等にできる。
この発明の冷凍パン生地の解凍装置によれば、前記天板載置用棚配置部の前記空気流通調整用空間部が、前記天板載置用棚配置部の一端側から流出する側と、他端から流入する側に、それぞれ流出側空気流通調整用空間部と流入側空気流通調整用空間部を備えているので、流出する空気と流入する空気の流れを調整することができ、空気吸入部から吸入する庫内空気と、空気吐出部から吐出される調整空気による下段から上段に至る各天板付近に作用する空気圧をほぼ均一にし、前記流出側と流入側の空気流通調整空間部の働きにより、各天板と天板の間を流れる調整空気の風速・通風量を均等にすることができる。
この発明の冷凍パン生地の解凍装置によれば、複数の天板載置用棚に、下段から上段に向かって、冷凍パン生地載置用天板を前方又は側方のいずれか一方向に階段状に傾斜して積層することにより、空気流通調整空間部を形成することができ、特別に空気流通調整空間部を作る必要がなく、また、下に載置される天板から上に載置される天板が前方又は側方に突出して各天板を積層したので、下方から上方に流れる調整空気が突出部に当たり、各天板と天板の間に流入し易く、調整空気が各天板間に均等に流入し易くなる。
また、複数の天板載置用棚に、冷凍パン生地載置用天板を階段状に傾斜して積層できるように、前記天板の挿入載置する位置を制限する位置決め手段を備えているので、各天板を天板載置用棚に挿入載置する際、天板の載置位置が自動的に決められ、簡単に天板を階段状に傾斜して積層することができる。
さらに、前記位置決め手段が、傾倒して設けただけの規制杆であるので、簡単な構造で前記各天板の挿入位置を決めることができ、前記天板を階段状に傾斜して積層することができ、かつ、天板侵入不能空間部を形成することができる。
この発明の冷凍パン生地の解凍装置によれば、前記調整空気作製送風部は、前記冷却器と前記加熱ヒータと前記加湿スプレーを収納する収納部を備え、前記収納部の上方に配置した送風能力の大きい送風ファンにより、前記調整空気作製送風部の前面パネル部の上部の大きな空気吸入部から多くの庫内空気を吸入し、下方に向かって送風し、前記収納部を通過する際に、吸入空気の温度・湿度が調整され、調整された空気が前面パネル部の下部の大きな空気吐出部から多くの調整空気が再び庫内に吐出され、パン生地収納庫内の温度及び湿度を、設定条件に調整することができる。
また、前記調整空気作製送風部の前面パネル部の下部の空気吐出部に、邪魔板を設けたので、吐出される調整空気の一部を庫内の側方及び上方に誘導することができる。
この発明の冷凍パン生地の解凍装置によれば、前記調整空気作製送風部の収納部は、前記加湿スプレーが前記加熱ヒータ及び前記冷却器より下方に配置されているので、加湿スプレーにより噴出される水滴を含む調整空気が冷却器に直接作用することがなく、水滴が空気中に取り込まれ気流となってパン生地収納庫内に循環し、該収納庫内を充分に加湿することができる。また、加熱のみが必要な時に、冷却器に水分が付着することが少ないので、水分を加熱することもなく、高湿度の空気がパン生地収納庫内へ循環し、パン生地収納庫内の湿度を飽和させることがない。
この発明の冷凍パン生地の解凍装置によれば、前記加湿スプレーのノズルは、400μm以下の微細化した水滴を噴出できる。また、前記ノズルは、50度以上の噴出角度を有するので、広範囲に水滴を噴出することいができる。それ故、調整空気の気流に速やかに水滴を取り込ませることができ湿度調整が的確にできる。
この発明の冷凍パン生地の解凍装置によれば、前記冷却手段において、前記吸入圧力調整弁に電磁弁を有するバイパス回路を設けたので、電磁弁を閉止すると
前記吸入圧力調整弁の働きで冷媒の流量が圧縮機の吸入側で制限され冷却能力が抑制され、電磁弁を開放すると、前記吸入圧力調整弁の調整制限が無効になり、多量の冷媒が圧縮機に流入し十分な冷却能力を発揮させることができるようになっている。
それ故、前記電磁弁の開閉により、低能力の高温用(−5℃〜10℃)の冷却用と、中低温用(−30℃〜−5℃)の高能力の冷却用の両機能を合わせ持たせることができるので、除湿冷却の際、冷却能力が大きすぎて除湿効果が発揮されることよりも、冷却能力が大きくなり制御上のブレ巾が大きくなることがなく、除湿冷却するときに過度の冷却により庫内の水蒸気が凍結することもなく水滴として庫外に排出することができ、急冷時或いは冷凍能力を多く必要とする際には、電磁弁を開放し前記バイパス回路により多量の冷媒を圧縮機に流入可能とし、冷却能力を最大限に発揮できるので的確な制御を行うことができる。
この発明の冷凍パン生地の解凍装置によれば、前記冷却器の下方にドレン部を設け、排水管により該ドレン部内の水を前記パン生地収納庫の下部から庫外に排水できるので、余分な水分がドレン部に残留することがなく、加熱時に高湿度の空気が庫内に循環することを防止できる。
この発明の冷凍パン生地の解凍装置によれば、無負荷状態において、加熱能力が最大収納庫内雰囲気を2℃/分にて昇温可能、かつ、冷却能力が収納庫内雰囲気温度が10℃以上において、最大雰囲気を1℃/分にて降温可能なものとし、また、無負荷状態において、最大収納庫内雰囲気を減湿能力5%/分、加湿能力3%/分にて調湿可能なものとしたので、安定仮想室温環境を作ることができ室温解凍に近い温度と湿度の制御ができ、品質の良い製品を提供することができる。
この発明の冷凍パン生地の解凍装置について、図に示す実施例を用いて説明する。
図1〜図6は、冷凍パン生地の解凍装置の実施例であり、図1はこの発明の冷凍パン生地の解凍装置の側面断面図、図2は同じく背面断面図、図3は同じく正面断面図、図4は同じく平面断面図、図5はパン生地収納庫を上下2段に備えた冷凍パン生地の解凍装置の側面断面図、図6は冷却手段の冷凍サイクルの説明図である。また、図7はこの発明のパン生地収納庫の雰囲気温度と雰囲気湿度と時間との関係を示す図、図8は従来の冷凍パン生地の解凍装置のパン生地収納庫の雰囲気温度と雰囲気湿度と時間との関係を示す図である。
この発明の冷凍パン生地の解凍装置は、図1〜図5に示すように、冷凍パン生地載置用天板1を載置するための天板載置用棚2を収納する天板載置用棚配置部Bを備えたパン生地収納庫Aと、該収納庫Aの上部に設けた機械室Fとからなり、前記収納庫Aと機械室Fには、庫内空気を加熱する加熱ヒーター6を備える加熱手段と、庫内空気を冷却する冷却器7を備える冷却手段と、庫内空気を加湿をする加湿スプレー8を備える加湿手段と、庫内空気を循環させる送風ファン9を備える送風手段と、庫内空気の温度・湿度を検出し前記各手段を制御する制御手段とを有する収納庫内雰囲気調整手段が備えられている。
前記パン生地収納庫Aは、箱形であり断熱材にて形成され、その前面側に開閉自在とした扉22が取り付けられ、このパン生地収納庫Aの内部は、前部が天板載置用棚配置部B、後部が調整空気作製送風部Cとに区画されている。
尚、前記パン生地収納庫Aの内部の左側を天板載置用棚配置部Bとし、右側を調整空気作製送風部Cに区画したり、また、左右逆に区画することもできる。
前記天板載置用棚配置部Bは、四隅に垂直に棚柱2aが立設され、該棚柱2aには上下方向に等間隔に複数の天板載置用棚2が固設され、該天板載置用棚2に冷凍パン生地を載せた複数の冷凍パン生地載置用天板1を前方より挿入し、通常は一つの天板載置用棚2ごとに、奥と手前に2枚の天板を載置するようになっている。
前記調整空気作製送風部Cは、前記天板載置用棚配置部方向を向き、前記天板載置用棚配置部Bと区画する前面パネル部3を有し、該前面パネル部3の上部に該調整空気作製送風部Cと前記天板載置用棚配置部Bを連通する大きな空気吸入部4と下部に大きな空気吐出部5が設けられている。
前記前面パネル部3で区画された前記調整空気作製送風部Cは、前記収納庫内雰囲気調整手段の内の前記加熱ヒータ6と前記冷却器7と前記加湿スプレー8を一体的に収納する収納部Dを備え、該収納部Dの上部に送風能力の大きい前記送風ファン9が配置され、該送風ファン9により、前記空気吸入部4から多くの庫内空気を吸入し、前記収納部D内を通り、通過する過程で前記過熱ヒーター8・・冷却器7・加湿スプレー8により吸入空気が過熱・冷却・加湿され、必要とされる条件の調整空気が作られ、空気吐出部5から多くの調整空気を前記パン生地収納庫内に吐出するようになっている。
10は、空気吐出部5の中央部前面であって底壁Aに立設され、下記の規制杆11の基部に取り付けられた邪魔板であり、空気吐出部5から吐出される調整空気の一部を側方と上方へ誘導し吐出する調整空気により庫内空気を攪拌し分布性を改善するためのもので、空気吐出部5から吐出される調整空気は、底壁Aに沿って前方へ流れる気流と、前記邪魔板10によりパン生地収納庫の側壁Aに沿って流れる気流及び上方に向かって流れる気流が生じるようになっている。
そして、底壁Aに沿って前方へ流れる気流は、後述する流入側空気流通調整用空間部Eに流入し、流入空気の圧力が若干緩和され下段から上段の各天板の間に流れ込む。
前記収納部D内には、前記冷却器7と前記加熱ヒータ6と前記加湿スプレー8が一体的に収納されている。前記加熱ヒータ6は、前記冷却器7の上方に配置され、前記加湿スプレー8は、前記冷却器7の下方に配置され、前記送風ファン9により前記収納部Dの上方から下方に送風され、前記加湿スプレー8から噴出される水滴を取り込んだ調整空気が、冷却器7の方向に流れることがなく前面パネル部3の空気吐出部5から、前記天板載置用棚配置部Bの前記天板載置用棚2の下段付近の後方より収納庫内に送気されるようになっている。
尚、前記加熱ヒータ6と前記冷却器7は、上方に冷却器7を配置し、その下に加熱ヒータ6を配置してもよい。そして、前記加熱ヒーター6は、加熱能力の大きなヒータを用い、かつ、前記送風ファン8は、静圧、風量とも大きな送風ファンを用いることが好ましい。
前記空気流通調整空間部Eは、前記天板載置用棚配置部B内であって、前記調整空気作製送風部Cの空気吸入部4と連通し、空気吸入部4と積層された複数の前記冷凍パン生地載置用天板1の上段付近の空気圧と、空気吸入部4と下段付近の空気圧の差を調整し緩和するものであり、前記天板載置用棚配置部Bの天板載置用棚2に、前記冷凍パン生地載置用天板を所定距離離間して階段状に傾斜して積層することにより、最下段の前記冷凍パン生地載置用天板の挿入した奥の先端部1aから上方に垂直に延びる垂直面と、前記冷凍パン生地載置用天板の最下段から最上段に至る各天板の挿入した奥の先端部1aを結ぶ傾斜面の間にくさび形の空間を形成したものである。
そして、前記調整空気作製送風部Cの前面パネル部3と、前記積層された冷凍パン生地載置用天板1との間に、前記空気流通調整空間部Eが構成されるように、前記調整空気作製送風部Cを、前記傾斜状に積層された冷凍パン生地載置用天板1の傾斜方向とは反対側に設置する。
尚、空気流通調整空間部Eは、前記天板載置用棚配置部Bの前記天板載置用棚2に載置する前記冷凍パン生地載置用天板1を、前記天板載置用棚2の上段に行く程小さくして空間部を形成し空気流通調整空間部Eとすることもできる。
前記空気流通調整空間部Eは、冷凍パン生地載置用天板1を天板載置用棚2に階段状に傾斜して積層すると、前面パネル部3と前記積層された冷凍パン生地載置用天板1との間に形成される流出側の空気流通調整空間部であり、積層した冷凍パン生地載置用天板1の反対側にも、扉22と積層された冷凍パン生地載置用天板1との間に、流入側の空気流通調整空間部E が形成される。この流入側の空気流通調整空間部E は、空気吐出部5から庫内に吐出される調整空気が、最下段の天板付近を通り流入し、流入した調整空気の圧力を緩和する役目を果たし、流速・風量が若干調整され各天板の間に流入する構造になっている。
前記天板載置用棚配置部Bには、天板載置用棚2に複数の冷凍パン生地載置用天板1を下段から上段に向かって、下に載置される冷凍パン生地載置用天板1よりその上に載置される天板1が前方に突出するように、前記天板1の侵入距離を制限する位置決め手段が設けられている。
この位置決め手段は、2本の細い棒材からなる規制杆11からなり、前記天板載置用棚2の後部の前記調整空気作製送風部Cの下部にステー金具13によりその下端を取り付け、上部を前記調整空気作製送風部Cの上部に取り付けられた帯状の支持具12の中央において前方に突設されたステー金具13に固定され、底壁Aから天井壁Aにかけて前方(図1において左)に傾斜して設置されている。
上記2本の棒材を平行に設けた規制杆11により、載置される天板1の前記載置用棚2の奥への侵入距離が制限され、天板1を前記天板載置用棚2に挿入しながら載置すると前記規制杆11に天板1の奥の先端部1aが当接し、その後、2枚目の天板1を同じ天板載置用棚2に挿入すると、先の棚奥に挿入載置した天板1に突き当たり、下の天板載置用棚2に載置した天板1より、その上の天板載置用棚2に載置した天板1が少し前方に突出し、天板載置用棚2の下段から上段にかけて天板1が徐々に前方にせり出し階段状に傾斜して載置できるようになって、天板侵入不能空間部が構成され、前記空気流通調整空間部Eとなる。
尚、前記規制杆11の取付け位置及び傾斜させる方向は、前記冷凍パン生地載置用天板を天板載置用棚2に積層し階段状に傾斜させる方向により、左に傾斜させて積層する場合は、前記規制杆11は天板載置用棚2の右側に、底壁Aから天井壁Aにかけて左方向に傾斜して取り付けることになり、逆に前記冷凍パン生地載置用天板を天板載置用棚2に右に傾斜させて積層する場合は、前記規制杆11は天板載置用棚2の左側に右方向に傾斜して取り付けることになる。
前記調整空気作製送風部Cの前記収納部Dの下部に配置された前記加湿スプレー8は、400μm以下の水滴を噴出可能なノズルを備え、噴出する水滴を微細化し、また、前記ノズルは50度以上の噴出角度を有し、庫内空気に対し広範囲に水滴を噴出できるもので、例えば、ノズルの径が0.99mm、噴出角度157度の微細スプレー用アトマイジングノズルを使用するのが好ましい。
前記冷却手段は、図6に示すように圧縮機14と放熱器15とキャピラリチューブ16と冷却器7と吸入圧力調整弁17から構成され、前記吸入圧力調整弁17に電磁弁18を有するバイパス回路19を設け、該電磁弁18により前記圧縮機14に流入する冷媒の流量を切替え可能としたもので、吸入圧力調整弁17は予熱からホイロ時、除湿冷却の際、通常の冷媒回路では冷却能力が大きすぎて、除湿効果が発揮されることより、冷却が大きくなされ制御上のブレ巾が大きくなるため、圧縮機14の吸入側で冷媒の流れを制限することで冷却能力を抑制し、かつ、そのままでは急冷時や冷凍能力を多く必要とする場合に冷却能力が発揮できないので、電磁弁18を開放し前記バイパス回路19から多量に冷媒を圧縮機に流入させ、冷却能力を最大限に発揮できるようにしている。
それ故、常温解凍すなわち室内を空調するような温度帯に対応する場合、冷凍能力の低い高温用(−5℃〜10℃)の冷却能力でよい場合は、電磁弁18によりバイパス回路19を閉止し、前記吸入圧力調整弁17により冷媒の流量を制御し除湿制御をする。中低温用(−30℃〜−5℃)の冷凍能力が必要な場合は、電磁弁によりバイパス回路19を開き、前記吸入圧力調整弁17の調整機能を無効にし、圧縮機14に流入する冷媒を増加させ十分な冷却能力を持たせることを可能とした冷媒回路を構成している。
そして、前記冷却器7は前記パン生地収納庫内の収納部Dに設置され、前記圧縮機14、放熱器15、キャピラリチューブ16、吸入圧力調整弁17及び電磁弁18は、機械室Fに設置されている。
前記調整空気作製送風部Cの下方には、冷却器7からの水滴及び庫内の各部に付着した水滴を受けるドレン部20が設けられ、該ドレン部20の底には前記生地収納庫Aの底壁Aから庫外に排水する排水管21が設けられ、ドレン部20に落下する水滴が常時庫外に排出され、加熱時に水蒸気となって高湿度の空気が庫内を循環することを防止する構造となっている。
尚、ドレン部20は、パン生地収納庫の底壁Aに凹部を設けたものの外、底壁Aを緩やかな傾斜面とした形状のドレン部20aとし、冷却器のみならず庫内の各部に付着した水分を収集できるように設けてもよい。
前記収納庫内雰囲気調整手段は、庫内空気を加熱する加熱ヒーター6と、庫内空気を冷却する冷却器7と、庫内空気を加湿する加湿スプレー8、及び、庫内空気を循環させる送風ファン9とを、制御手段により制御し、収納庫内雰囲気を無負荷状態において、加熱能力が最大収納庫内雰囲気を2℃/分にて昇温可能で、かつ、冷却能力が収納庫内雰囲気温度が10℃以上において、最大雰囲気を1℃/分にて降温可能に制御することができ(収納庫内雰囲気温度が−10℃前後では0.3℃/分)、また、無負荷状態において、最大収納庫内雰囲気を減湿能力5%/分、加湿能力3%/分にて調湿可能に制御でき、凍結状態の冷凍パン生地を迅速に解凍し最大氷結晶生成帯を早く通過させ、室温解凍に近い条件下で解凍しても、パン生地表面の水分を適切な量に保つことができる設定となっている。
尚、図5は、パン生地収納庫Aを上下2段に備え、上部に機械室Fを備えた冷凍パン生地の解凍装置で、上下2段の各パン生地収納庫Aの構成は同じであるが、上段のパン生地収納庫Aと下段のパン生地収納庫Aの設定を変えることにより必要に応じて別々に冷凍パン生地を解凍からホイロをすることができる。また、上段のパン生地収納庫Aと下段のパン生地収納庫Aの温度・湿度・時間の設定を変えることにより、種類(性質)の異なる冷凍パン生地の解凍からホイロを並行して行うこともできる。
図7はこの発明による温度と湿度の時間に対する変化の状況を示す図であり、実線は庫内の雰囲気湿度、破線は庫内の雰囲気温度を示したもので、冷凍条件:温度−20℃、湿度50%、冷蔵過程はなく予熱工程に入り、予熱条件:温度25℃、湿度75%、ホイロ条件:温度30℃、湿度80%に設定した場合、予熱、ホイロ条件下において湿度の制御が充分になされ、湿度が飽和状態になっていないことが分かり、また、温度の立ち上がり性能および温度安定性が向上していることが分かる。
図8は従来の冷凍パン生地の解凍装置の温度と湿度の時間に対する変化の状況を示す図であり、冷凍条件:温度−7℃、湿度75%、冷蔵条件:温度3℃、湿度75%、予熱条件:温度15℃、湿度75%、ホイロ条件:温度33℃、湿度80%に設定して測定した場合、冷蔵、ホイロの条件下にあっては、庫内雰囲気湿度がほぼ飽和し充分に湿度の制御ができていないことが分かる。
この実施例の冷凍パン生地の解凍装置は、上記構成により、冷凍パン生地載置用天板を所定距離離間して階段状に傾斜して積層し、パン生地収納庫内に空気流通調整空間部が設けられているので、送風能力が大きい送風ファンを使用し、空気吸入部・空気吐出部を大きくして送風量を増大させても、パン生地収納庫内の各部の空気圧の差を緩和することができ、また、冷凍パン生地載置用天板を階段状に傾斜して積層したことにより、下方からの調整空気の気流が天板と天板との間に流入し易くなり、さらに、空気吐出部の中央部前部に邪魔板を設け調整空気を空気吐出部から底壁や両側の側壁に沿って流すとともに上方にも流れるので庫内空気が攪拌される。
それ故、各天板と天板の間を流れる調整空気が均等になり、また、パン生地収納庫内の隅々まで均一に調整空気が循環し、温度分布・湿度分布のバラツキを極めて少なくすることができる。
そして、前記冷凍パン生地載置用天板を階段状に傾斜して積層する位置決め手段は、規制杆を傾斜して配置した簡単な構造であり、天板を階段状に載置する専用の天板載置用棚を作る必要もなく、また、特別に空気流通調整空間部を作る必要もなく階段状に傾斜して積層するだけで空気流通調整空間部を形成できる。
また、冷凍能力の高い冷凍手段と、中温程度の冷凍手段の両者を備えることなく、一つの冷凍手段により、その冷凍手段の吸引圧力調整弁に電磁弁を備えたバイパス回路を設け、電磁弁の切替操作により冷凍・空気調整を両立させる冷媒回路を構築したので、冷凍パン生地の解凍装置を小型化することができ、温度上昇時の除湿のための冷却能力を高め、また、過度の冷却により庫内空気から析出する水分を凍結させることなく水滴として庫外に排出でき、温度・湿度制御も良好に行われる等性能の良い冷凍パン生地の解凍装置を小型で、安価に提供することができる。
また、噴出される水滴を超ミスト状に微細化でき、かつ、庫内空気に対し広範囲に水滴を噴出できるようにしたので、微細な水滴を庫内を循環する空気に対して取り込ませ易くなり安定した加湿をすることができる。また、加湿スプレーを収納部の冷却器の下部に配置したので、水滴を含む調整空気が冷却器に直接作用することがなく冷却器に着霜することを防止でき、加熱時に冷却器に付着した霜・水分を水蒸気にして庫内空気の湿度を高めることがなく、加湿を必要としない時は、極力水蒸気の発生を防ぐことができる。また、冷却器に着霜し冷却効果を低下させることもない。
さらに、ドレン部を設け落下してくる水滴を常時庫外に排出することができるので、ドレン水が加湿源となることがなく、加熱時に高湿度になることを防止することができる。
このように、この発明によれば、冷凍パン生地を解凍しても、収納庫内の温度分布・湿度分布のバラツキが極めて少なく、また、素早い温度・湿度応答が可能となり優れた温度・湿度制御ができるので、パン生地表面の水分が適切な量に保たれ、製品表面のシワ、梨肌の発生等いわゆる冷凍障害を生じることなく、室温解凍した製品と外観・品質上遜色のない高品質の製品を作ることができる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態を実施しうるものである。
図1は、の発明の冷凍パン生地の解凍装置の側面断面図である。 図2は、同じく背面断面である。 図3は、同じく正面断面図である。 図4は、同じく平面断面図である。 図5は、パン生地収納庫を上下2段に備えた冷凍パン生地の解凍装置の側面断面図である。 図6は、冷却手段の冷凍サイクルの説明図である。 図7は、この発明のパン生地収納庫の雰囲気温度と雰囲気湿度と時間との関係を示す図である。 図8は、従来の冷凍パン生地の解凍装置のパン生地収納庫の雰囲気温度と雰囲気湿度と時間との関係を示す図である。
符号の説明
A パン生地収納庫
パン生地収納庫の側壁
パン生地収納庫の底壁
B 天板載置用棚配置部
C 調整空気作製送風部
D 収納部
E 空気流通調整空間部
1 冷凍パン生地載置用天板
1a 冷凍パン生地載置用天板の先端部
2 天板載置用棚
3 前面パネル部
4 空気吸入部
5 空気吐出部
6 加熱ヒータ
7 冷却器
8 加湿スプレー
9 送風ファン
11 規制杆
14 圧縮機
15 放熱器
16 キャピラリチューブ
17 吸入圧力調整弁
18 電磁弁
19 バイパス回路
20 ドレン部
21 排水管

Claims (18)

  1. 冷凍パン生地載置用天板を載置する天板載置用棚を収容するための天板載置用棚配置部を備えたパン生地収納庫と、加熱ヒーターを備える加熱手段と冷却器を備える冷却手段と加湿スプレーを備える加湿手段と送風ファンを備える送風手段とそれら手段を制御する制御部とを有する収納庫内雰囲気調整手段とを備える冷凍パン生地の解凍装置であって、
    前記冷凍パン生地の解凍装置は、前記パン生地収納庫内に、前記収納庫内雰囲気調整手段の前記冷却器と前記加熱ヒータと前記加湿スプレーと前記送風ファンとを収納し、かつ、前記天板載置用棚配置部と区画された調整空気作製送風部を備えるとともに、前記調整空気作製送風部は、一端側に設けられた空気吸入部と他端側に設けられた空気吐出部を有し、さらに、前記パン生地収納庫内の前記天板載置用棚配置部は、前記調整空気作製送風部の前記吸入部と連通する空気流通調整用空間部を有するものであり、さらに、前記冷凍パン生地の解凍装置は、前記空気流通調整用空間部を介して前記空気吸入部より庫内空気を吸引し、吸引した庫内空気を前記調整空気作製送風部にて調整し、調整空気を前記空気吐出部より庫内に吐出させることにより庫内空気を循環させるものであることを特徴とする冷凍パン生地の解凍装置。
  2. 前記空気流通調整用空間部は、前記天板の侵入が不能となっている天板侵入不能空間部により構成されている請求項1に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  3. 前記空気流通調整用空間部は、前記調整空気作製送風部の空気吐出部側より前記空気吸入部側に向かって徐々に厚くなっている請求項1または2に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  4. 前記空気流通調整用空間部は、前記パン生地収納庫内の前記天板載置用棚配置部に、前記冷凍パン生地載置用天板を所定距離離間して階段状に傾斜して積層することにより、最下段の前記冷凍パン生地載置用天板の先端部から上方に垂直に延びる垂直面と、前記冷凍パン生地載置用天板の最下段から最上段に至る各天板の先端部を結ぶ傾斜面の間に形成されるくさび形の空間である請求項1ないし3のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  5. 前記天板載置用棚配置部の前記空気流通調整用空間部は、前記天板載置用棚配置部の一端側から流出する空気流を調整する流出側空気流通調整用空間部であり、前記天板載置用棚配置部は、前記天板載置用棚配置部の他端側から流入する空気流を調整する流入側空気流通調整用空間部を備えている請求項1に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  6. 前記天板載置用棚配置部は、複数の前記冷凍パン生地載置用天板を所定距離離間して積層状態に載置可能な複数の前記天板載置用棚を備え、該複数の天板載置用棚に、下段から上段に向かって、下に載置される冷凍パン生地載置用天板よりその上に載置される冷凍パン生地載置用天板を前方又は側方のいずれか一方向に突出して載置し、複数の冷凍パン生地載置用天板を階段状に傾斜して積層し、前記パン生地収納庫内に空気流通調整用空間部を形成した請求項1ないし5のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  7. 前記天板載置用棚配置部は、複数の前記冷凍パン生地載置用天板を所定距離離間した積層状態に載置可能な複数の前記天板載置用棚を備え、該複数の天板載置用棚に、下段から上段に向かって、下に載置される冷凍パン生地載置用天板よりその上に載置される冷凍パン生地載置用天板を前方又は側方のいずれか一方向に突出し階段状に傾斜して積層されるように、前記冷凍パン生地載置用天板の挿入載置する位置を制限する位置決め手段を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  8. 前記位置決め手段は、前記天板載置用棚の後部又は側部に配置されるとともに、前記冷凍パン生地載置用天板を階段状に傾斜して積層させるように、傾斜させる方向に傾倒して設けられた規制杆である請求項7に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  9. 前記調整空気作製送風部は、前記冷却器と前記加熱ヒータと前記加湿スプレーを収納する収納部と、該収納部の上部に配置された送風ファンを備え、前記パン生地収納庫の前記天板載置用棚配置部内に設けた前記空気流通調整用空間部を介して該調整空気作製送風部の上部の空気吸入部から庫内空気を吸入し、前記収納部内を通って該調整空気作製送風部の下部の空気吐出部から前記パン生地収納庫内に調整空気を吐出するものである請求項1ないし8のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  10. 前記調整空気作製送風部は、前記天板載置用棚配置部の前記傾斜状に積層された冷凍パン生地載置用天板の傾斜方向の反対側に位置し、天板載置用棚配置部方向を向く前記調整空気作製送風部の前面パネル部の上部に、庫内空気を吸入する大きな空気吸入部を、また、前記前面パネル部の下部に大きな空気吐出部を備え、さらに前記送風ファンを送風能力の大きい送風ファンとした請求項1ないし9のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  11. 前記調整空気作製送風部の前面パネル部の下部の空気吐出部に、吐出される調整空気の一部を側方及び上方に誘導するように、空気吐出部の中央前部に邪魔板を設けた請求項10に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  12. 前記調整空気作製送風部の収納部は、前記冷却器と前記加熱ヒータと前記加湿スプレーを収納しており、かつ、前記加湿スプレーは前記加熱ヒータ及び前記冷却器より下方に配置した請求項1ないし11のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  13. 前記加湿スプレーは、400μm以下の水滴を広範囲に噴出可能なノズルを備えている請求項1ないし12のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  14. 前記ノズルは、50度以上の噴出角度を有するものである請求項13に記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  15. 前記冷却手段は、前記冷却器と、圧縮機と、放熱器と、キャピラリチューブと、吸入圧力調整弁と、該吸入圧力調整弁の調整制限を無効にするバイパス回路と、該バイパス回路を開閉するための電磁弁とを備えるものであり、前記制御部は、予熱・ホイロ時には前記バイパス回路が閉じ、冷凍・急冷時には前記バイパス回路が開くように前記電磁弁を制御する機能を備えている請求項1ないし14のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  16. 前記冷凍パン生地の解凍装置は、前記生地収納庫内の底面に液体を収集するためのドレン部と、該ドレン部と接続され前記液体を前記収納庫から排出する排水管を備えている請求項1ないし15のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  17. 前記収納庫内雰囲気調整手段は、無負荷状態において、加熱能力が最大収納庫内雰囲気を2℃/分にて昇温可能、かつ、冷却能力が収納庫内雰囲気温度が10℃以上において、最大雰囲気を1℃/分にて降温可能なものである請求項1ないし16のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
  18. 前記収納庫内雰囲気調整手段は、無負荷状態において、最大収納庫内雰囲気を減湿能力5%/分、加湿能力3%/分にて調湿可能なものである請求項1ないし17のいずれかに記載の冷凍パン生地の解凍装置。
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