JPH0776118A - サーマルプリンタ - Google Patents

サーマルプリンタ

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Publication number
JPH0776118A
JPH0776118A JP22412293A JP22412293A JPH0776118A JP H0776118 A JPH0776118 A JP H0776118A JP 22412293 A JP22412293 A JP 22412293A JP 22412293 A JP22412293 A JP 22412293A JP H0776118 A JPH0776118 A JP H0776118A
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JP
Japan
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scanning direction
heating element
ink
print
heating elements
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Withdrawn
Application number
JP22412293A
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English (en)
Inventor
Eiichi Takeuchi
栄一 竹内
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安定した電圧供給により安定した階調を実現す
るヘッド先端構造を備えたサーマルプリンタを提供す
る。 【構成】印字ヘッド6には画像の主走査1ライン分の最
大データ数に対応する数の発熱体7を主走査方向の印字
ピッチDOPM と同一間隔で配列する。発熱体7の横寸
法D1 を主走査方向の印字ピッチDOPM より小さく、
縦寸法D2 を副走査方向の印字ピッチDOPS より小さ
く形成する。発熱体7の副走査方向の両端にコモン電極
8及びセグメント電極9をそれぞれ接続する。コモン電
極8を1本のコモン配線8aに接続し、コモン配線8a
から発熱体7と同数のコモン配線8bを分岐させ、セグ
メント電極9と同方向に引き出してコモン電源に接続す
る。これにより、配線と発熱体とが1対1に対応するた
め各配線の負荷は常に一定し、この結果、印加エネルギ
ー(印加電圧パルス)を同時に供給する発熱体7の数が
変動しても安定した電圧を供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】発熱ヘッドの熱制御に基づいてイ
ンク転写により印字を行うサーマルプリンタに係わり、
特に電圧変動が少なく高画質に印字を行うヘッド先端構
造を備えたサーマルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、サーマルプリンタは、図12
(a) に示すように、印字ヘッド(基板)1の先端に備え
た多数の発熱体2を選択的に発熱させて感熱紙を発色さ
せ又は普通紙にインクリボンのインクを転写(溶融転写
又は昇華転写)して画像の印字を行っている。画像濃度
の階調は、各発熱体によって転写されたインクの印字ド
ット毎の広がりで表現される。
【0003】これら発熱体2の主走査方向(印字動作の
横方向)の印字ピッチは、配列間隔によって決る。ま
た、副走査方向(印字動作の縦方向)の印字ピッチは、
用紙送り量(用紙送り距離)と印字タイミングによって
決り、通常、主走査方向の印字ピッチと大差はない。
【0004】発熱体2の配列数は、画像の主走査1ライ
ン分の最大データ数に対応しており、これらの各発熱体
2の主走査方向のサイズ(幅寸法)mは、殆ど主走査方
向の印字ピッチと同じである。また、その副走査方向の
サイズ(縦寸法)nは、副走査方向の印字ピッチと同じ
か又は大きい。
【0005】通常、サーマルプリンタによる印字ピッチ
は1mm(ミリメートル)当たり8ドット程度のものが
多い。印字ピッチを主・副走査方向共に8ドット/1m
mとすれば、発熱体2の縦横の寸法は、それぞれおよそ
125μm(ミクロン)である。
【0006】同図に示すように、発熱体2の副走査方向
の両端には、発熱体2の横寸法と同幅のコモン電極3及
びセグメント電極4がそれぞれ接続している。発熱体2
は、両電極により選択的に印加エネルギー(通常は印加
電圧パルス)を供給されて発熱し、この発熱に基づく熱
エネルギーを感熱紙又はインクリボンに伝達する。セグ
メント電極4は、それぞれに対応する発熱体2に、その
発熱体2に対応する印字信号に応じた電圧を供給し、他
方、コモン電極3は、コモン配線4aを介して通電され
る共通電圧を各発熱体2に一括供給する。
【0007】図13は、このような構成の印字ヘッドを
用いて印字を行う状態を模式的に示す断面図である。同
図に示すように、印字ヘッド1の先端部には、図12に
示したコモン電極3及びセグメント電極4に接続する発
熱体2が配設されている。この発熱体2上を用紙Pとイ
ンクリボンrが互いに当接した状態で通過した後分離さ
れ、用紙Pは同図の矢印Aで示す上方向に搬送され、イ
ンクリボンrは同図の矢印Bで示す下方向に排出され
る。発熱体2上を通過するとき、発熱体2からインクリ
ボンrのベースフィルムr2 を介して伝達される熱量に
応じてベースフィルムr2 上のインクr1 が用紙P面に
転写される。この転写されるインクr1 の広がりの程度
により画像の濃度が変化して見える。したがって、濃度
に応じて発熱体2に供給する印加エネルギーを制御すれ
ば濃度階調(印字ドットの階調)のある印字ができると
いえる。
【0008】この発熱体2から伝達される熱エネルギー
に基づいて、インクリボンrから用紙Pに転写されるイ
ンクr1 の転移状態は、図14に示すように、大別して
2通りある。同図に示すように、インクリボンr上のイ
ンクr1 は一定の厚さの層をなしている。インクリボン
rに供給される熱エネルギーが小さいと、インクr1
層の途中から剥離した状態(以下、インク状剥離とい
う)r3 となって用紙P面に転移する。そして熱エネル
ギーがある大きさ以上であれば最下層(ベースフィルム
2 面)から剥離した状態(以下、面状剥離という)r
4 となって用紙P面に転移する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、濃度
階調は、インクそのものの濃度で表現するのではなく印
字ピッチ毎のインクの広がり、即ち印字ドットの大きさ
変化で表現する。したがって印字されるインクそのもの
に濃淡があってはならず、完全な剥離をしなければなら
ない。このことから、面状剥離したインクr4 は完全な
剥離であるため理想的な剥離状態であるといえる。一
方、インク状剥離したインクr3 は完全な剥離ではない
から、濃度階調を忠実に表現できるとはいえない。
【0010】ところで、前述したように、図12に示し
たコモン電極3は、コモン配線4aを介して通電される
共通電圧を各発熱体2に一括供給する。したがって、例
えば横1本線を描く場合のように主走査1ラインの複数
個の発熱体2に同時に通電が行われるときには、コモン
配線4aに大電流が流れる。一般に、印字ヘッド基板上
の配線インピーダンスは高いから、このように一度に大
電流が流れると電圧低下が生じ、この電圧低下を起因と
して発熱体2からインクリボンrに伝達される熱エネル
ギーが低下し、印字濃度が所定の濃度より低下する。こ
のことばかりでなく、上記の電圧低下は通電される発熱
体2の数によって変動するため階調に対応する濃度にば
らつきを生じ、このため印字品質を著しく低下させる。
【0011】このような電圧低下を極力避けるために、
即ち大電流を容易に供給できるようにするために、従来
は図12(a),(b) に示すようにコモン配線4aの幅C″
を太く形成していた。このため、印字ヘッド先端部分か
ら発熱体2までの距離Cが大きくなり、印字ヘッド側端
部から発熱体までの距離C′も大きくなる。このため、
上記の距離Cが大きくなった分、熱により溶融したイン
クr1 がインクリボンrから剥離するまでの時間経過が
長くなり(図13参照)、時間が長くなった分インク剥
離の状態が不安定になって印字品質が低下するという問
題が発生した。また、距離C′が大きくなった分、イン
クリボンrと発熱体2の関係が不安定になり、印字品質
の低下を招くという問題もあった。
【0012】また、大電流をさらに容易に供給できるよ
うに、図12(b) に示すように、印字ヘッド先端部分の
コモン配線4aに銀ペースト5を塗布して導電性を向上
させ、これによって電圧低下の程度を小さく抑える構成
が知られている。しかしながら、このような印字ヘッド
は、銀ペーストという高価な使用部材と、その塗布工程
の増加により製品価格を上昇させるという問題を有して
いた。また、そればかりでなく、銀ペースト5の塗布部
分が形状的に盛り上がるため、インクリボンrへの発熱
体2の当接姿勢に問題が生じ設計が極めて難しくなると
いう欠点を有していた。
【0013】上述した溶融型熱転写方式では、例えば最
小濃度から最大濃度までのドット階調を9段階に分けて
抽出すると、これに対応するインクの剥離状態は、低濃
度階調から中間濃度階調に対応して、図15(a) に示す
ように、インク状剥離の状態r3-10〜r3-30及び面状剥
離の状態r4-10の4段階の状態が混在することが観察さ
れる。そして、中間濃度階調から高濃度階調にかけて
は、図15(b) に示すように、面状剥離の状態r4-10
4-50の5つの状態が観察される。
【0014】このような熱の広がり(熱分布)に基づく
インク剥離において、発熱体2に供給される印加エネル
ギーと濃度(ドット階調)との関係を示す濃度特性曲線
は、図16に示すような曲線になる。この濃度特性曲線
において、上述したように、インク剥離を生じさせる熱
エネルーの発生は印字ピッチとほぼ同じ大きさの発熱体
2全体に供給される印加エネルギーによるため、濃度発
生となるインク剥離開始(図15(a) のr3-10参照)を
起こすための最低印加エネルギーJ(th)は大きくなる。
他方、発熱体2周囲に殆ど間隙が無いため、この間隙に
配設される蓄熱材への熱拡散が小さく、このため熱エネ
ルーは発熱体2内部に早期に充満する。したがって、最
大濃度D(m) となる最大剥離(図15(b) のr4-50
照)を起こすための上限印加エネルギーJ(m) は比較的
小さくなる。これにより、最低印加エネルギーJ(th)か
ら上限印加エネルギーJ(m) まで印加エネルギーが変化
する幅は小さく、印加エネルギーJ(n) に対する濃度D
(n) の特性曲線αは傾斜角が比較的大きく、曲線が全体
として縦長に立った形で表される。
【0015】このように最低印加エネルギーJ(th)から
上限印加エネルギーJ(m) まで印加エネルギーが変化す
る幅が小さいため、ドット階調を得るためには微小な印
加エネルギー制御が必要である。また、濃度特性曲線α
が立っているため、ヘッド抵抗値バラツキ、印加エネル
ギーバラツキ(電圧、パルス幅バラツキ)、環境変化に
よるバラツキ等による曲線変動α1 ,α2 により濃度バ
ラツキΔD(n) が大きくなる。したがって階調濃度が不
安定になり、これらの補正制御が極めて困難になる。こ
れらのことから、ドット階調は一般に不安定である。
【0016】一般に、人間の目による濃度変化の感じ方
は、高濃度における変化よりも低濃度の変化の方が感じ
やすい。したがって、美しい画像を表現するには低濃度
の方を滑らかに表現(低濃度領域での濃度変化を細かく
表現)した方が高印字品質の画像が得られる。
【0017】しかし、上述したように、最低印加エネル
ギーJ(th)が大きく、この最低印加エネルギーJ(th)で
既に熱広がりが起きてしまい低濃度印字(小さい範囲の
インク剥離)が得にくい。即ち低濃度域での滑らかな階
調が得にくい。また滑らかな階調を得るためには理論的
には極めて微小な印加エネルギー制御を行えばよいが、
上述したようにドット階調が不安定であるため、現実的
には低濃度階調の制御は不可能に近い。
【0018】また、図15(a) に示したように、インク
の剥離が中間濃度の濃い領域においてインク状剥離から
面状剥離に切り変わってインク自体の濃度が不安定状態
から完全剥離状態に切り換わる。このように濃度により
印字の調子が変化するため全体として印字品質が低下す
る。
【0019】また、インク状剥離では、用紙Pに転移し
た付着インク表面が凹凸状態である。一方、面状剥離で
は、ベースフィルムr2 面から剥離するため付着インク
表面は平らである。この付着インクの2通りの表面状態
により印字面の印字状態が異なって見える。この差異
は、図15(a),(b) のように低濃度領域と高濃度領域間
に顕著に現れ、また中間濃度領域では異なる両方の状態
が混在して発生し、印字品質を非常に低下させる。
【0020】本発明は、上記従来の実情に鑑み、発熱ヘ
ッドに安定した電圧を供給でき、且つ低濃度の領域から
滑らかなドット階調による高品質の画像を出力でき、こ
のように機能が高度でありながら価格が低廉なサーマル
プリンタを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明に係わる
サーマルプリンタの構成を述べる。本発明は、主走査方
向に配列された複数の発熱体を有するサーマルヘッドを
用い、上記発熱体への通電時間を可変してインクリボン
上のインクの溶融面積を可変し該溶融されたインクを用
紙に転写して階調性画像を形成するサーマルプリンタに
適用される。
【0022】本発明のサーマルプリンタの上記サーマル
ヘッドは、発熱体の主走査方向のサイズをD1 、発熱体
の主走査方向の配列ピッチをDOPM 、及び係数Nを値
1より小さい数とするとき、D1 <DOPM ×Nの関係
を有し、且つ発熱体の副走査方向のサイズをD2 、及び
発熱体の副走査方向の用紙送り量と印字タイミングで決
定される印字ピッチをDOPS とするとき、D2 <DO
S ×Nの関係を有し、上記複数の発熱体の個々に印字
信号に応じた電源を供給する信号電極を、複数の発熱体
の副走査方向の一方の側に引き出し、複数の発熱体に一
括して電源を供給する共通電極を、上記一方の側と反対
の他方側に引き出し、該他方側に引き出された共通電極
から各信号電極の間を通り上記一方の側へ更に共通電極
を引き出すように構成する。
【0023】上記係数Nは、例えば請求項2記載のよう
に、値0.5より小さい数である。また、上記インクリ
ボンを構成するベースフィルムの厚さは、例えば請求項
3記載のように、5μm以下である。
【0024】
【作用】この本発明は、サーマルヘッドの発熱体の主走
査方向のサイズD1 及び副走査方向のサイズD2 が、発
熱体の主走査方向の配列ピッチDOPM 及び副走査方向
の印字ピッチDOPS より例えば0.5以下と小さな形
状になり、これにより、低濃度に対応する印加エネルギ
ーの段階からインクの完全剥離が出現して低濃度の領域
から滑らかなドット階調による高品質の画像を出力でき
るようになる。
【0025】また、複数の発熱体に一括して電源を供給
する共通電極の配線が発熱体個々に電源を供給する信号
電極の反対側及び同一方向の双方へ引き出され、これに
より、発熱ヘッドに大電流を安定した電圧で供給でき、
したがって安定した濃度階調が得られるようになる。
【0026】また、インクリボンのベースフィルムの厚
さが例えば5μm以下と薄くなり、これにより、上記の
機能が一層強化される。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳述する。図1は、一実施例の印字ヘッドの構成
を示す部分平面図である。同図に示すように、印字ヘッ
ド6には、発熱体7が、主走査方向に同一間隔で配列さ
れ、この間隔が主走査方向の印字ピッチDOPM (図1
2では印字ピッチmとして説明)となる。これら配列さ
れている発熱体7の総数は、画像の主走査1ライン分の
最大データ数と同一である。
【0028】同図に示すように、発熱体7の横寸法D1
は主走査方向の印字ピッチDOPMより小さくなるよう
形成されており、これらには、係数N<1とすれば、D
1 <DIPM ×Nの関係が与えられる。本例ではN=
0.5としてあり、したがって、発熱体7の横寸法D1
は主走査方向の印字ピッチDOPM の1/2の大きさで
ある。また、同様に発熱体7の縦寸法D2 も、副走査方
向の印字ピッチDOPSより小さく、これらにも、D2
<DIPS ×Nの関係が与えられる。
【0029】上記発熱体6は、副走査方向の両端が、発
熱体7の横幅D1 と同幅のコモン電極8及びセグメント
電極9にそれぞれ接続しおり、両電極により選択的に印
加エネルギー(本実施例では後述する印加電圧パルス)
を供給されて発熱し、この発熱による熱エネルギーを後
述のインクリボンrに伝達する。
【0030】上記のコモン電極8は、印字ヘッド6先端
部に配設された印字ピッチDOPSと同程度の太さの1
本のコモン配線8aに接続しており、そのコモン配線8
aから分岐した多数のコモン配線8bが、上記セグメン
ト電極9とセグメント電極9との間をセグメント電極9
と同方向に引き出されて、その端部が図外のコモン電源
に接続している。これによって、1個の発熱体7に隣接
する1個のコモン配線8bが、セグメント電極9と同様
に該発熱体7に1対1に対応して、共通電圧を供給でき
る。このように発熱体7に対しコモン電極8及びコモン
配線8bが1対1に対応しているので、1個の発熱体7
へのコモン配線8b、8a、及びセグメント電極9によ
る通電時における配線負荷は常に一定になる。したがっ
て、コモン電源から全ての発熱体7に印加エネルギーを
同時に供給する場合でも、配線負荷は1個の発熱体7に
印加エネルギーを供給する場合と同様である。
【0031】これによって、全体として大電流が流れる
ときでも電圧降下を生じることがない。したがって、常
に安定した電圧を供給できる。即ち、濃度階調に正しく
対応した印加エネルギーを供給でき、階調制御が容易で
ある。
【0032】このように、電圧降下を生じることがない
ので、図12(b) に示した銀ペースト5などを塗布する
必要がない。また、同様の理由により、コモン配線8a
を図12(a),(b) に示したコモン配線4aのように印字
ピッチの3倍にもなるほど太くする必要がなく、図1に
示すように、印字ピッチDOPS と同程度の太さに抑え
ることができる。この結果、印字ヘッド6の先端から発
熱体7までの距離Eが、図12(a),(b) に示した従来の
印字ヘッド1の有する距離Cに比較して短くなる。ま
た、印字ヘッド6側端部から発熱体7までの距離Fも従
来の印字ヘッド1の有する距離C′に比較して同様に短
くなる。
【0033】図2(a),(b) は、上記構成の印字ヘッド6
を用いて印字を行う状態を模式的に示す断面図である。
同図に示す印字ヘッド6の先端部には、図1に示したコ
モン電極8及びセグメント電極9に接続する発熱体7が
配設されている。この場合も、発熱体7上を用紙Pとイ
ンクリボンrが互いに当接した状態で通過した後分離さ
れ、用紙Pが同図の矢印Gで示す上方向に搬送され、イ
ンクリボンrが図の下方に排出されることは従来と変り
はない。しかし、本実施例の印字ヘッド6は、同図に示
すように、印字ヘッド6の先端部から発熱体7までの距
離が極めて短いから、インクr1 が溶融した後用紙Pと
インクリボンrとが分離されるまでの時間が短く、した
がって、溶融したインクr1 の転移が滑らかに行われ
て、むらのないインクr1 の広がりが得られ、高画質の
印字ができる。
【0034】また特に、本実施例では、同図(b) に示す
ように、印字ヘッド6を一定の傾きθを有するように配
設することができる。このように配設しても、印字ヘッ
ド6の先端部から発熱体7までの距離が極めて短いた
め、発熱体7がインクリボンrから離れることがない。
カラー印字では、Y(イエロー:黄色),M(マゼン
タ:赤),及びC(シアン:青)の3色の転写を連続し
て行うが、このとき用紙Pを最初の印字位置まで引き戻
す際、発熱体7をインクリボンrとの当接状態から一時
的に離脱させるため印字ヘッド6を下方に微移動させ
る。次の印字に際してインクリボンrに発熱体7を再び
当接させるべく印字ヘッド6を上方に微移動させたと
き、機械的な誤差に基づいて印字ヘッド6に傾きθと反
対方向への傾きが発生しても、この傾きを配設の傾きθ
が吸収する。もし、同図(a) のように配設の傾きθがな
いと、上記のような機械的な誤差に基づく傾きが発生し
たとき、発熱体7がインクリボンrに正しく当接しない
虞が生じる。図13に示した従来の印字ヘッド1のよう
に印字ヘッド1の先端部から発熱体2までの距離が長い
場合には、上述の機械的な誤差に基づく傾きによって発
熱体1のインクリボンrからの離脱が確実に発生し、正
しい印字が得られない。
【0035】次に、図3(a) 〜(h) に、上述した本実施
例の構成の印字ヘッド6において発熱体7に供給される
印加エネルギーに対応する熱分布の状態を模式的に示
す。同図は、濃度0から最大濃度までの印字ドット階調
(印字ドットのインクr1 の広がり変化)に合せて発熱
体7に供給される印加エネルギーに対応する熱分布の状
態を、8段階に分けて抽出したものである。
【0036】同図(a) は、濃度0印字に対応する印加エ
ネルギー零の状態を示し、同図(b),(c) は、発熱体7の
幅寸法D1 が主走査方向の印字ピッチDOPM より小さ
いため、低濃度の印字ドット階調の段階で発熱体7内部
で生ずる熱分布13のむらの広がりが印字ピッチDOP
M に対して小さいことを示している。また、同図(d),
(e) は、同様に発熱体7の幅寸法D1 が従来より小さい
ため低濃度の印字ドット階調の早い段階で熱分布13が
発熱体7の上方に伝播することを示している。そして、
同図(f) 〜(h) は、高濃度の印字ドット階調の段階で
は、熱分布13が、発熱体7に接して基板12上に配設
されている蓄熱材14を介して伝播することを示してい
る。
【0037】図4は、このような熱エネルギー伝播の変
化に対応して剥離するインクの剥離状態を示したもので
ある。同図に示すように、低濃度の段階でインクリボン
rから用紙Pに転写されるインクr1 に生じるインク状
剥離の状態r3-5 〜r3-15は、発熱体7の小さな幅寸法
1 に対応して狭い範囲においてのみ発生し、この範囲
より大きくは発生しない。上述したように、上方への熱
分布は早い時期に行なわれ、したがって低濃度の段階で
早期に面状剥離の状態r4-5 に切り換わる。そして以
後、印加エネルギーの上昇に伴い面状剥離の状態が最大
濃度まで順次拡大する(同図の面状剥離状態r4-40〜r
4-50参照)。
【0038】図5は、このような発熱体7に供給される
印加エネルギーと濃度(ドット階調)との関係を示す濃
度特性曲線である。上述したように、発熱体7の主、副
走査方向の寸法はそれぞれ主、副走査方向の印字ピッチ
より小さい。即ち熱伝導の体積が従来より小さい。この
結果、印加エネルギー変化の早い段階でインク剥離を開
始させる有効な熱エネルギーが発生する。したがって、
これに要する最低印加エネルギーJ(th)は、同図に示す
ように従来よりも小さい(図16参照)。他方、最大剥
離を起こすための熱エネルギーは、発熱体7周囲の比熱
の比較的大きな蓄熱材14を介して伝播する。発熱体7
が従来より小さくなった分、周囲の蓄熱材14の領域は
増大している。このため最大剥離のために要する上限印
加エネルギーJ(m) は、従来よりも大きくなる。したが
って、濃度発生から最大濃度D(m) までに、最低印加エ
ネルギーJ(th)から上限印加エネルギーJ(m) まで印加
エネルギーが変化する幅が大きくなる。つまり、印加エ
ネルギーJ(n) に対する濃度D(n) の特性曲線αは傾斜
角が小さく、曲線は全体として横長に寝た形で表され
る。
【0039】このように最低印加エネルギーJ(th)から
上限印加エネルギーJ(m) まで印加エネルギーが変化す
る幅が大きいため、ドット階調を得るための印加エネル
ギーの各階調毎に対応する変化量を大きくとることがで
きる。したがって、階調制御が容易である。また、濃度
特性曲線αが横長に寝ているため、ヘッド抵抗値バラツ
キ、印加エネルギーバラツキ(電圧、パルス幅バラツ
キ)、環境変化によるバラツキ等による曲線変動α1
α2 による濃度バラツキΔD(n) が小さい。したがって
階調濃度が安定し、補正制御も容易である。これらのこ
とから、ドット階調は極めて良好である。
【0040】また、最低印加エネルギーJ(th)近傍での
発熱体7の熱分布のむら(バラツキ)は、図3(b) に示
したように発熱体7の幅の範囲である。このため、発熱
体7の面積が印字ドット最大面積より小さいことと、上
記むらの発生が極めて低濃度の段階(超低濃度領域)で
しか発現しないことから、視覚的には感知できない程度
のものであり、画像の品質に影響することは全くないと
いえる。
【0041】そして、インクの剥離が、低濃度の段階で
早くもインク状剥離の状態から面状剥離の状態に切り変
わるため、低濃度の領域を滑らかに即ち低濃度領域での
濃度変化を忠実に細かく表現できばかりでなく、どの濃
度階調においても常時均一な印字の調子が得られる。し
たがって、高印字品質の美しい画像が得られる。
【0042】続いて、図6は、上述した印字ヘッド6を
備えたサーマルプリンタの構成ブロック図である。同図
において、画像データ出力部K1 は、画像データを一時
的に収納している回路であり、階調データを伴った例え
ば8ビット幅の画像データS D を階調データ制御部K2
に出力する。階調データ制御部K2 は、予めプログラミ
ングされた階調アーキテクチャ例えば図5に示したよう
な濃度曲線テーブルに基づいて、画像データ出力部K1
から入力される画像データSD に含まれる階調データに
所定の補正を行って、この補正後の画像信号を、シリア
ル印字データS 4 としてシリアル/パラレル変換部K4
に出力する。制御パルス発生部K3 は、装置全体を制御
する回路であり、転送クロックS0 を画像データ出力部
1 へ、データ読み込みクロックS1 を階調データ制御
部K2 及びシリアル/パラレル変換部K4 へ、ラッチク
ロックS2 及びストローブ信号S5 をシリアル/パラレ
ル変換部K4 へ、並びにモータ送り信号S3 をモータ・
ドライバM1 へそれぞれ出力する。モータ・ドライバM
1 はモータ送り信号S3 によりステッピングモータM2
を駆動する。上記シリアル/パラレル変換部K4 は、階
調データ制御部K2から入力されるシリアル印字データ
4 をパラレルデータS4 ′に変換して、ヘッドドライ
バLに出力する。ヘッドドライバLは、パラレルの駆動
信号Dd を出力して印字ヘッド6を駆動する。
【0043】図7は、サーマルプリンタの、上記印字ヘ
ッド6を中心とする主要部の概略を示す構成図である。
同図に示すように、印字ヘッド6は、インクリボンrの
裏面に当接するように配設される。インクリボンrは1
対のリボンロールr5 、r5′により保持され、印字画
像の副走査方向である同図の矢印Qで示す左方向へリン
ロールr5 ′により巻き取られる。上記の印字ヘッド6
が当接する反対側の面なるインクリボンr表面には用紙
Pが当接し、同じく印字画像の副走査方向である同図の
矢印Rで示す左方向へ搬送される。プラテンjは、上述
したステッピングモータM2 により、同図の矢印Uで示
す反時計回りに副走査方向の印字タイミングに同期して
間欠駆動され、用紙Pを搬送する。上記インクリボンr
も、このプラテンjの間欠駆動に同期してリボンロール
5 ′により巻き取られる。印字ッド6は、上述した発
熱体7を備えた先端部を、ばね15により同図の下方に
付勢され、インクリボンr及び用紙Pを適宜にプラテン
j面に押圧する。
【0044】図8は、このような印字ヘッド6、図6に
示したヘッドドライバL及びシリアル/パラレル変換部
4 の回路ブロック図である。同図に示すように、シリ
アル/パラレル変換部K4 は、シフトレジスタK4-1
ラッチ回路K4-2 、及びNAND回路K4-3 から構成さ
れている。
【0045】シフトレジスタK4-1 には、端子CLKに
入力するデータ読み込みクロックS 1 に同期して、端子
DINにシリアル印字データS4 が順次入力する。シフ
トレジスタK4-1 は、シリアル印字データS4 を順次シ
フトして、O0 〜OQ-1 のパラレルデータに変換し、こ
のパラレルデータO0 〜OQ-1 をラッチ回路K4-2 へ出
力する。
【0046】ラッチ回路K4-2 は、シフトレジスタK
4-1 から出力されるパラレルデータO 0 〜OQ-1 を、ラ
ッチクロックS2 の入力に同期してラッチし、このラッ
チしたパラレルデータO0 〜OQ-1 をNAND回路K
4-3 へ出力する。
【0047】NAND回路K4-3 の、上記パラレルデー
タO0 〜OQ-1 に対応する数の各NANDゲートは、一
方の入力端子に入力するストローブ信号S5 がアクティ
ブ(“1”)である期間、他方の入力端子に上記ラッチ
回路K4-2 から入力するパラレルデータO0 〜OQ-1
それぞれ対応する信号を反転してヘッドドライバLへ出
力する。
【0048】ヘッドドライバLは、上記各NANDゲー
トに対応するQ個のアンプ(増幅器)により、NAND
回路K4-3 の各NANDゲートから入力する反転された
データO0 〜OQ-1 をそれぞれ増幅反転し、パラレルの
印字ヘッド出力Ddとして印字ヘッド6へ出力する。
【0049】印字ヘッド6の、上記Q個のアンプに対応
するNo.1,2・・・Q−1,QまでQ個ある発熱体
7は、それぞれ対応するアンプからデータ“1”(パル
ス)が入力することにより発熱する。上記アンプ出力
は、図1に示したセグメント電極9の電圧であり、ま
た、図8に示す印字ヘッド6への入力S6 は、図1に示
したコモン電極8の電圧である。上述の1回のラッチク
ロックS2 に対応する上記アンプの出力は1階調分に対
応する印字データ(印加エネルギー)である。
【0050】したがって、例えば画像データが8ビット
幅の階調データからなるとすれば濃度表現には128階
調が得られ、この場合、上述したシリアル印字データS
4 がパラレルデータO0 〜OQ-1 に変換され、ラッチ回
路K4-2 、NAND回路K4- 3 及びヘッドドライバLを
介して印字ヘッド6に出力されるまでの一連の処理は、
主走査方向1ライン分の処理の1/128の処理に対応
する。つまり、主走査方向1ライン分の処理に対してシ
リアル印字データS4 は、128回、シリアル/パラレ
ル変換部K4 に入力する。
【0051】次に、このような構成のサーマルプリンタ
による印字制御の動作を、図9のタイミングチャートを
用いて説明する。同図は、(a) はタイミング期間T、
(b) はデータ読み込みクロックS1 、(c) はシリアル印
字データS4 、(d) はラッチクロックS2 、(e) はスト
ローブ信号S5 、(f) は印字ヘッド出力Dd、及び(g)
はモータ送り信号S3 である。
【0052】同図(a) のタイミング期間Tは、主走査方
向1ライン分の最大印字期間TW と用紙送り期間TM
タイミングが交互にくる。この最大印字期間TW のタイ
ミング内において、最初の単位印字期間tW に、データ
読み込みクロックS1 の最初のQ個のクロックS11(同
図(b) 参照)に同期して、1階調分のシリアル印字デー
タS41(同図(c) 参照)が、シフトレジスタK4-1 に入
力し、これがラッチクロックS2 (同図(d) 参照)に同
期して、ラッチ回路K4-2 にラッチされ、ストローブ信
号S5 がアクティブ(同図(e) 参照)であることによ
り、NAND回路K4-3 及びヘッドドライブLを介し1
ライン分の初期の印字ヘッド出力Ddとして出力される
(同図(f) 参照)。上記単位印字期間tW の処理が12
8回繰り返されてシリアル印字データS41が128回積
算され、この積算データS42が、最大印字期間TW の印
字ヘッド出力Ddとなる。シリアル印字データS41の、
最低階調(白は含まない)の印字ドットに対応するデー
タ(“1”)は、最初の単位印字期間tW だけ出力さ
れ、最高階調の印字ドットに対応するデータは全ての単
位印字期間tW 、即ち128単位印字期間で出力され
る。中間階調の印字ドットに対応するデータは、最初の
単位印字期間tW から階調数に対応する単位印字期間t
W 数だけ連続して出力される。そして、非印字(白)の
場合は“0”が出力される。
【0053】このように、主走査方向1ライン分の印字
処理において、最低階調から最高階調まで階調制御がな
され、この制御に応じて、前述したように低階調の段階
から面状剥離するインクにより、印字ドット内におけ
る、階調に忠実なインクrの広がりが得られる。
【0054】この後、用紙送り期間TM で、モータ送り
信号S3 により、用紙P及びインクリボンrを副走査方
向にピッチDOPS だけ搬送し、再び最大印字期間TW
のタイミングで次の主走査方向1ライン分の印字を行
う。上記用紙送り期間TM は、ステッピングモータM2
の送り動作が速ければ短くなり、送り動作が遅ければ長
くなる。即ちステッピングモータM2 の送り動作は全体
として印字処理の遅速に影響する。
【0055】このように、本実施例の印字ヘッド6を用
い、上述したドット階調により、白黒のような単色印字
は勿論のこと、Y(イエロー:黄色),M(マゼンタ:
赤),及びC(シアン:青)の3色の転写リボンを用い
て3色それぞれの印字データに対応したドット階調印字
でY,M,Cと3回印字を行うことにより、高画質のフ
ルカラー印字が実現する。
【0056】ここで、上述した構成の発熱体7と共に用
いるインクリボンrについて考察する。図10(a) に示
すように、インクリボンrのベースフィルムr2 が、あ
る厚さ以上では、熱エレルギーがベースフィルムr2
で横に広がり、このためインクr1 に対しても広がりの
ある熱伝導を起こす(同図(a) の熱分布16、熱力線1
7、インク状剥離r3-5 、r3-10参照)。このため、低
濃度階調に対応しにくくなり、また、広範囲にわたるイ
ンク状剥離が起きやすくなって、階調が不安定になる。
発明者の実験によれば、インクリボンのベースフィルム
2 の厚さが6μm以上であると上記にような広範囲な
インク状剥離が発現する。
【0057】本実施例では、図4に示した良好なインク
剥離を実現するために、図10(b)に示すように、イン
クリボンのベースフィルムの厚さを5μm以下に構成す
る。これにより、低濃度階調の早い段階から面状剥離に
よる印字ドット階調に忠実なインクの広がりが得られ、
極めて高品質な画像印字が実現できる。
【0058】尚、本実施例では、コモン電極8を、一旦
コモン配線8aに接続し、そのコモン配線8aから発熱
体7に1対1に対応する多数のコモン配線8bを分岐さ
せているが、図11に示すように、コモン電極8を直接
コモン配線8bに接続するように構成してもよく、これ
によって、コモン配線8a及びそのコモン配線8aに接
続するまでのコモン電極8の延長線が不用になり、この
不用になった分、印字ヘッド6先端から発熱体7までの
距離E′が一層短くなる。したがって図2(a),(b) で説
明した機能が強化される。
【0059】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、コモン電極のコモン配線を、発熱体に1対1に対
応させているので、全ての発熱体に同時に印加エネルギ
ーを供給する場合でも配線の負荷が変化することなく常
に安定した電圧を供給でき、したがって、階調表現の優
れた画像を印字することが可能となる。
【0060】また、コモン配線をセグメント電極と同一
方向に引き出しているので、印字ヘッド先端から発熱体
までの距離が短くなり、これによって、用紙とインクリ
ボンの分離が早まるため用紙への溶融インクの転移がむ
らなく確実に行われ、したがって、階調に応じた印加エ
ネルギーに正しく対応する印字ドット階調が得られ、階
調の優れた画像を印字することが可能となる。
【0061】また、発熱体を印字ピッチより小さくして
いるので、発熱体の熱エネルギーが上方に伝導しやす
く、インクが早い時期から面状剥離の状態になる。この
ため低濃度の領域を滑らかに(低濃度領域での濃度変化
を細かく)表現できるようになる。
【0062】また、発熱体を印字ピッチより小さくして
いることから、最低印加エネルギーから上限印加エネル
ギーまで印加エネルギーが変化する幅が大きくなり、こ
のためドット階調を得るための印加エネルギーの変化を
大きくとることができ、したがって、階調制御が容易に
なる。
【0063】また、濃度特性曲線が横長になるためヘッ
ド抵抗値バラツキ、印加エネルギーバラツキ、環境変化
によるバラツキ等による曲線変動による濃度バラツキが
小さく、したがって階調濃度が安定し、補正制御も容易
になる。
【0064】また、低濃度の段階でインク状剥離の状態
から面状剥離の状態に切り変わるため、低濃度の領域を
滑らかに(低濃度領域での濃度変化を細かく)表現でき
ばかりでなく、どの濃度階調においても常時均一な印字
の調子が得られ、したがって、高印字品質の美しい画像
が得られる。
【0065】さらに、インクリボンのベースフィルムの
厚さを5μm以下にしているので、上記の機能を一層強
力に発揮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる一実施例の印字ヘッドの部分構
成図である。
【図2】(a),(b) は上記実施例による印字の状態を示す
側断面図である。
【図3】(a) 〜(h) はの印字ヘッドの発熱体の印加エネ
ルギーに対応する熱分布の状態を示す模式的図である。
【図4】発熱体による熱エネルギー伝播の変化に対応す
るインクの剥離状態を示す図である。
【図5】印加エネルギーと印字ドット階調との関係を示
す濃度特性曲線図である。
【図6】実施例に係わるサーマルプリンタの構成ブロッ
ク図である。
【図7】サーマルプリンタの印字ヘッドを中心とする主
要部の概略構成図である。
【図8】印字ヘッド、ヘッドドライバ及びシリアル/パ
ラレル変換部の回路ブロック図である。
【図9】サーマルプリンタによる印字制御の動作を説明
するタイミングチャートである。
【図10】(a) は従来のベースフィルムの場合のインク
剥離の例を示す図、(b) は実施例における5μm以下の
薄いベースフィルムの場合のインク剥離の例を示す図で
ある。
【図11】印字ヘッドの他の実施例を示す図である。
【図12】(a),(b) は従来の印字ヘッドの発熱体の構成
を示す図である。
【図13】従来の印字ヘッドによりインクリボンからの
インク転写により印字を行う状態を模式的に示す断面図
である。
【図14】インクリボンから用紙に転写される大別して
2通りのインク転移状態を説明する図である。
【図15】(a),(b) は従来のインク状剥離と面状剥離の
発生状態を説明する図である。
【図16】従来の印加エネルギーとドット階調との関係
を示す濃度特性曲線図である。
【符号の説明】
6 印字ヘッド 7 発熱体 D1 発熱体の主走査方向の寸法(横寸法) D2 発熱体の副走査方向の寸法(縦寸法) DOPM 主走査方向の印字ピッチ DOPS 副走査方向の印字ピッチ 8 コモン電極 8a,8b コモン配線 9 セグメント電極 P 用紙 r インクリボン r1 インク r2 ベースフィルム 13 熱分布 14 蓄熱材 r3-5 、r3-10、r3-15 インク状剥離状態 r4-5 、r4-40、r4-50 面状剥離状態 J(th) 最低印加エネルギー J(m) 上限印加エネルギー J(n) 印加エネルギー ΔD(n) 濃度バラツキ SD 画像データ K1 画像データ出力部 K2 階調データ制御部 K3 制御パルス発生部 K4 シリアル/パラレル変換部 S0 転送クロック S1 データ読み込みクロック S2 ラッチクロック S3 モータ送り信号 S4 シリアル印字データ S4' パラレルデータ S5 ストローブ信号 S6 コモン電極電圧 M1 モータ・ドライバ M2 ステッピングモータ L ヘッドドライバ Dd パラレル駆動信号(印字ヘッド出力) 15 ばね r5 、r5' リボンロール j プラテン K4-1 シフトレジスタ K4-2 ラッチ回路 K4-3 NAND回路 O0 〜OQ-1 パラレルデータ TW 最大印字期間 TM 用紙送り期間 tW 単位印字期間 S11 階調クロック S41 シリアル印字データ S42 積算データ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主走査方向に配列された複数の発熱体を
    有するサーマルヘッドを用い、前記発熱体への通電時間
    を可変してインクリボン上のインクの溶融面積を可変し
    該溶融されたインクを用紙に転写して階調性画像を形成
    するサーマルプリンタにおいて、 前記サーマルヘッドは、前記発熱体の主走査方向のサイ
    ズをD1 、前記発熱体の主走査方向の配列ピッチをDO
    M 、及び係数Nを値1より小さい数とするとき、D1
    <DOPM ×Nの関係を有し、且つ前記発熱体の副走査
    方向のサイズをD2 、及び前記発熱体の副走査方向の用
    紙送り量と印字タイミングで決定される印字ピッチをD
    OPS とするとき、D2 <DOPS ×Nの関係を有し、
    前記複数の発熱体の個々に印字信号に応じた電源を供給
    する信号電極を、前記複数の発熱体の副走査方向の一方
    の側に引き出し、前記複数の発熱体に一括して電源を供
    給する共通電極を、前記一方の側と反対の他方側に引き
    出し、該他方側に引き出された共通電極から前記各信号
    電極の間を通り前記一方の側へ更に共通電極を引き出し
    たことを特徴とするサーマルプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記係数Nは、値0.5より小さい数で
    あることを特徴とする請求項1記載のサーマルプリン
    タ。
  3. 【請求項3】 前記インクリボンを構成するベースフィ
    ルムの厚さは5μm以下であることを特徴とする請求項
    1又は2記載のサーマルプリンタ。
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