JPH0768822A - サーマルプリンタ - Google Patents

サーマルプリンタ

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JPH0768822A
JPH0768822A JP22168293A JP22168293A JPH0768822A JP H0768822 A JPH0768822 A JP H0768822A JP 22168293 A JP22168293 A JP 22168293A JP 22168293 A JP22168293 A JP 22168293A JP H0768822 A JPH0768822 A JP H0768822A
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JP
Japan
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scanning direction
ink
heating element
print
main scanning
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP22168293A
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English (en)
Inventor
Eiichi Takeuchi
栄一 竹内
Takahiro Mizushina
隆広 水品
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Priority to TW083107664A priority patent/TW241430B/zh
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】美しい画像を印字するための滑らかなドット階
調を実現するヘッド先端構造を備えたサーマルプリンタ
を提供する。 【構成】印字ヘッドには画像の主走査1ライン分の最大
データ数に対応する数の発熱体6が主走査方向の印字ピ
ッチDOPM と同一間隔で配列されている。発熱体6の
横寸法D1 は主走査方向の印字ピッチDOPM より2/
3小さく、縦寸法D2 は副走査方向の印字ピッチDOP
S より2/3小さく形成さされている。発熱体6の副走
査方向の両端はコモン電極7及びセグメント電極8にそ
れぞれ接続し両電極により選択的に印加エネルギー(印
加電圧パルス)を供給されて発熱し、この熱エネルギー
を、ベースフィルムの厚さが5μm以下に構成されたイ
ンクリボンに伝達して、低濃度階調の段階から階調に応
じたインクの完全剥離を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】発熱ヘッドの熱制御に基づいてイ
ンク転写により印字を行うサーマルプリンタに係わり、
特に美しい画像を印字するための滑らかなドット階調を
実現するヘッド先端構造を備えたサーマルプリンタに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、サーマルプリンタは、印字ヘ
ッド先端に備えた多数の発熱体を発熱させ、図12に示
す画素D毎に選択的に感熱紙を発色させ又は普通紙にイ
ンクリボンのインクを転写(溶融転写又は昇華転写)し
て画像の印字を行っている。同図に示す画素Dの大きさ
は1印字ドットの最大発色寸法を模式的に表している。
また、転写されたインクの広がりd(以後、印字画素d
という)は濃度階調に従って変化する。同図では、画素
Dの幅mは、主走査方向(印字動作の横方向)の印字ピ
ッチと一致しており、また画素Dの長さnは、副走査方
向(印字動作の縦方向)の印字ピッチと一致している。
通常、サーマルプリンタによる印字ピッチは1mm(ミ
リメートル)当たり8ドット程度のものが多い。同図に
示す画素Dの印字ピッチを主、副走査方向共に8ドット
/1mmとすれば、画素Dの幅及び長さは共に125μ
m(ミクロン)である。
【0003】ところで、上記の主走査方向の印字ピッチ
mは、図13(a) に示すように発熱体1の配列間隔で決
る。そして、これらの発熱体1の数は、画像の主走査1
ライン分の最大データ数に対応している。また、副走査
方向の印字ピッチnは、用紙送り量(用紙送り距離)と
印字タイミングによって決る。
【0004】従来、発熱体1の横幅m′の寸法は、主走
査方向の印字ピッチmに殆ど等しく(m′≒m)、ま
た、縦長n′の寸法は、副走査方向の印字ピッチnに等
しいか又は大(n′≧n)であるように形成されてい
る。この発熱体1は、副走査方向の両端が、発熱体1の
横幅m′と同幅のコモン電極2及びセグメント電極3に
それぞれ接続し、両電極により選択的に印加エネルギー
(通常は印加電圧パルス)を供給されて発熱し、この発
熱に基づく熱エネルギーを感熱紙又はインクリボンに伝
達する。
【0005】図14に、このような構成の印字ヘッドを
用いてインクリボンからのインク転写により印字を行う
場合の状態を断面図で模式的に示す。同図に示すよう
に、印字ヘッドのヘッド基板4の先端部には、ヘッド基
板4上に配線された不図示の電極に接続する発熱体1が
配設されている。この発熱体1上を用紙Pとインクリボ
ンrが互いに当接した状態で通過した後分離され、用紙
Pは同図の矢印Aで示す上方向に搬送され、インクリボ
ンrは同図の矢印Bで示す下方向に排出される。発熱体
1上を通過するとき、発熱体1からインクリボンrのベ
ースフィルムr2を介して伝達される熱量に応じてベー
スフィルムr2 上のインクr1 が用紙P面に転写され
る。この転写されるインクr1 の広がりの程度(図12
の印字画素dの大きさの変化)により画素濃度(印字ド
ットの濃度)が変化する。つまり、同図に示す副走査方
向(用紙Pとインクリボンrの搬送方向)でみると、1
ドット当たりのインクr1 の用紙Pへの転写量が、ゼロ
から最大nまでの範囲で、発熱体1からの伝達熱量に基
づいて変化する。この発熱体1からの伝達熱量は、発熱
体1に供給される印加エネルギーに応じて変化する。し
たがって、画素の濃度階調に応じて発熱体1に供給する
印加エネルギーを制御すればドット階調(印字画素dの
大きさ変化によるドット濃度の変化)のある印字ができ
る。
【0006】上記のヘッド基板4の先端に設けられる発
熱体には、図13(b) に示すように、主走査方向に延在
する一本の発熱体1′で構成されたものもある。これ
は、主走査方向に交互に配設された細い配線からなるコ
モン電極2′及びセグメント電極3′が発熱体1′に当
接する形で構成される。この場合、1本のセグメント電
極3′と、その両側の2本のコモン電極2′間にある発
熱体1′の2カ所の非当接部分1′aが両電極からの印
加エネルギーにより発熱する。この両電極間にある2カ
所の非当接部分1′aからなる発熱部が同図(a) の発熱
体1に対応する。そして、この場合も、2カ所の非当接
部分1′aからなる発熱部の横幅m′及び縦長n′の寸
法は、同図(a) の発熱体1の場合と同様に、画素Dの
主、副走査方向の印字ピッチm、nにほぼ等しいか又は
大である。
【0007】従来は、上述したように発熱体の発熱部
(図13(a) の発熱体1又は同図(b)の非当接部分1′
a)の形状を、画素Dの主、副走査方向の印字ピッチ
m、nにほぼ等しいかあるいは発熱部の方を大きくする
構成とし、発熱部に供給する印加エネルギーの大小によ
り発熱部の熱の広がりを制御してドット階調のある印字
を行うようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
上述した形状の発熱部により印字を行って、下記のよう
な数々の問題が発生した。以下、これらの問題を溶融型
熱転写方式の場合を取り上げて説明する。
【0009】先ず、溶融型熱転写方式では、濃度0印字
(印字ドットのインク広がりが0)から最大濃度印字
(印字ドットのインク広がりが最大、印字画素d=画素
D)まで、濃度階調に合せて発熱体1に供給する印加エ
ネルギーを段階的に分割する。これは経験的に得られる
印字ドットのインクの広がり方及び濃度曲線に合うよう
に、印加電圧パルス幅を変化させるか、あるいは単位時
間当たりの印加電圧を変化させる等のことにより行う。
このように印字画像のドット階調数に応じて供給する印
加エネルギーを段階的に変化させて階調制御を行うが、
このとき発熱体1の熱分布は図15(a) 〜(i) のように
なる。
【0010】同図(a) は、濃度0印字に対応する印加エ
ネルギー零の状態を示し、同図(b)〜(i) は、最小濃度
から最大濃度までのドット階調に対応する印加エネルギ
ーによる発熱体1の熱分布5を8段階に分けて抽出した
ものである。同図は模式的に表したものであり、例えば
同図(b) に示す熱分布5が発熱体1の上端に達していな
いからといって熱エネルギーが発熱体1の上端に達して
いないということではない。熱分布があれば熱エネルギ
ーは発熱体1の上端に達している。例えば、同図(b),
(c) の分布図は、熱分布が低い即ち発熱体1からインク
リボンrに伝達される熱エネルギーが低いことを表し、
且つ伝達される熱エネルギーにむらがあることを示して
いる。これらのむらは、発熱体1が単一の素材で構成さ
れていないこと及び発熱体の微細構造に対する制作技術
上の問題から発生する。
【0011】また、同図(d) 〜(h) は、発熱体1内にお
いて熱は初め横方向に広がり、その後上方向に広がるこ
とを示している。また、同図(i) は、印加エネルギーの
上限における熱分布状態を示している。このとき、後述
するように、ドット階調が最大となり、これ以上、印加
エネルギーの供給は無用な状態である。
【0012】このような発熱体1内の熱分布に応じて発
熱体1から伝達される熱エネルギーに基づいて、インク
リボンrから用紙Pに転写されるインクr1 の転移状態
は、大別して2通りあり、これを図16に示す。同図に
示すように、インクリボンr上のインクr1 は一定の厚
さの層をなしている。インクリボンrに供給される熱エ
ネルギーが小さいと、インクr1 は層の途中から剥離し
(以下、インク状剥離という)、剥離インクr3 となっ
て用紙P面に転移する。そして熱エネルギーがある大き
さ以上であれば最下層(ベースフィルムr2 面)から剥
離し(以下、面状剥離という)、剥離インクr4 となっ
て用紙P面に転移する。
【0013】前述したように、濃度階調は、インクその
ものの濃度で表現するのではなく画素D内のインクの広
がり、即ち印字画素dの大きさ変化で表現する。したが
って印字されるインクそのものに濃淡があってはなら
ず、フルカラーでなければならない。このことから、面
状剥離したインクr4 はフルカラーであるため理想的な
剥離状態であるといえる。一方、インク状剥離したイン
クr3 はフルカラーではないから、濃度階調を忠実に表
現できるとはいえない。
【0014】従来は、このようなインク状剥離及び面状
剥離の状態が、図15に示した発熱体1の熱分布に対応
して、即ち印加エネルギーの変化に対応して、図17に
示すような状態で発生した。図17(a) に示すインク状
剥離のインクr3-10〜r3-30の3つの状態及び面状剥離
のインクr4-10の状態は、例えば図15(b) 〜(d) 及び
(e) に示した発熱体1の熱分布状態に対応する。上記の
図17(a) は、低濃度階調に対応する印加エネルギーの
段階ではインク状剥離の状態でインクが剥離し、中間濃
度階調に対応する印加エネルギーの段階ではインク状剥
離と面状剥離が混在する状態でインクが剥離することを
示している。そして、図17(b) に示す面状剥離インク
4-10〜r4-50の5つの状態は、例えば図15(e) 〜
(i) に示した発熱体1の熱分布状態に対応している。上
記の図17(b) は、ある濃度以上の濃度階調に対応する
印加エネルギーの段階では、面状剥離の状態で順次剥離
面積を広げてインクが剥離することを示している。
【0015】図18は、このような熱の広がり(熱分
布)に基づくインク剥離において、発熱体1に供給され
る印加エネルギーと濃度(ドット階調)との関係を示す
濃度特性曲線である。上述したように、インク剥離を生
じさせる熱エネルギーの発生は、印字画素Dの大きさと
ほぼ同じ大きさの発熱体1全体に供給される印加エネル
ギーによる発熱に基づくため、同図に示すように、一方
では濃度発生となるインク剥離開始(図17(a) のr
3-10参照)を起こすための最低印加エネルギーJ(th)が
大きく、他方では発熱体1周囲の蓄熱材(不図示)への
熱拡散が小さいため、最大濃度D(m) となる最大剥離
(図17(b) のr4-50参照)を起こすための上限印加エ
ネルギーJ(m) が比較的小さくなる。したがって、最低
印加エネルギーJ(th)から上限印加エネルギーJ(m) ま
で印加エネルギーが変化する幅は小さく、印加エネルギ
ーJ(n) に対する濃度D(n) の特性曲線αは傾斜角が比
較的大きく、曲線が全体として縦長に立った形で表され
る。
【0016】このように最低印加エネルギーJ(th)から
上限印加エネルギーJ(m) まで印加エネルギーが変化す
る幅が小さいため、ドット階調を得るためには微小な印
加エネルギー制御が必要である。また、濃度特性曲線α
が立っているため、ヘッド抵抗値バラツキ、印加エネル
ギーバラツキ(電圧、パルス幅バラツキ)、環境変化に
よるバラツキ等による曲線変動α1 ,α2 により濃度バ
ラツキΔD(n) が大きくなる。したがって階調濃度が不
安定になり、これらの補正制御が極めて困難になる。こ
れらのことから、ドット階調は一般に不安定である。
【0017】また、最低印加エネルギーJ(th)近傍での
発熱体1の熱分布は、発熱体1の微小な抵抗値分布のバ
ラツキ(材料、厚さ、気泡、不純物、バラツキ)によ
り、図15(b) に示したように発熱体1の全領域にわた
り不均一になる。このため、発熱体1と画素Dの大きさ
がほぼ同じであることから、画素Dの全域にわたって不
均一なドット印字になる。また、そればかりでなく、同
様のことが発熱体1ごとに発生し、画像全体として不均
一なドット印字分布になる。このように、低濃度の階調
領域では、ドット印字の不均一性による画像の品質低下
が発生する。
【0018】また、人間の目による濃度変化の感じ方
は、高濃度における変化よりも低濃度の変化の方が感じ
やすい。したがって、美しい画像を表現するには低濃度
の方を滑らかに表現(低濃度領域での濃度変化を細かく
表現)した方が高印字品質の画像が得られる。
【0019】ところが、上述した従来の発熱体1の形状
では、画素Dと発熱体1の大きさがほぼ同じ大きさであ
るため、一度に発熱体全体(画素D全域)が発熱し、こ
のため最低印加エネルギーJ(th)が大きく、この最低印
加エネルギーJ(th)で既に熱広がりが起きてしまい低濃
度印字(小さい範囲のインク剥離)が得にくい。即ち低
濃度域での滑らかな階調が得にくい。また滑らかな階調
を得るためには理論的には極めて微小な印加エネルギー
制御を行えばよいが、上述したようにドット階調が不安
定であるため、現実的には低濃度階調の制御は不可能に
近い。
【0020】また、図17(b) に示したように、インク
の剥離が高濃度領域においてインク状剥離から面状剥離
に切り変わることにより、インク自体の濃度が不安定状
態から最高濃度状態に切り換わる。このように濃度によ
り印字の調子が変化するため全体として印字品質が低下
する。
【0021】また、インク状剥離では、用紙Pに転移し
た付着インク表面が凹凸状態である。一方、面状剥離で
は、ベースフィルムr2 面から剥離するため付着インク
表面は平らである。この付着インクの2通りの表面状態
により印字面の印字状態が異なって見える。この差異
は、図17(a),(b) のように低濃度領域と高濃度領域間
に現れ、また中間濃度領域では異なる両方の状態が混在
して発生し、印字品質を非常に低下させる。
【0022】以上数々の欠点を、改良するために、図1
3(c) に示すような熱集中形発熱体1″の形状が提案さ
れているが、このような曲線を有する発熱体1″及び電
極(コモン電極2″及びセグメント電極3″)の形状
は、微細な構成であるだけに設計通りの精度が出しにく
く抵抗のバラツキが大きくなり、結果としてドット階調
に対応する安定した印加エネルギーを供給することがで
きない。また、そればかりでなくヘッド価格が極めて高
価になる。
【0023】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、発熱
ヘッドを用いてインク転写により印字を行い、滑らかな
ドット階調により高品質の画像を出力出来、且つ安価な
サーマルプリンタを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明に係わる
サーマルプリンタの構成を述べる。本発明は、主走査方
向に配列された複数の凸状発熱部を有し、該発熱部への
通電時間を可変してインクリボン上のインクの溶融面積
を可変し該溶融されたインクを用紙に転写して階調性画
像を形成するサーマルプリンタを前提とする。
【0025】先ず、上記発熱部の主走査方向のサイズD
1 は、発熱部の主走査方向の配列ピッチDOPM に対し
1 ≦DOPM ×(2/3)の関係を有し、且つ上記発
熱部の副走査方向のサイズD2 は、発熱部の副走査方向
の用紙送り量と印字タイミングで決定されるピッチDO
S 及び発熱部の上記主走査方向のサイズD1 に対しD
1 <D2 ≦DOPS の関係を有するように構成する。
【0026】上記凸状発熱部は、例えば請求項2記載の
ように、下層にグレーズを設けてなる。また、例えば請
求項3記載のように、凸状に形成した発熱体からなる。
そして、上記インクリボンを構成するベースフィルムの
厚さを、例えば請求項4記載のように、5μm以下に構
成する。
【0027】
【作用】この本発明は、凸状発熱部が、その主走査方向
のサイズD1 が主走査方向の配列ピッチDOPM の2/
3以下で、副走査方向のサイズD2 が副走査方向のピッ
チDOPS より小さく主走査方向のサイズD1 より大き
く形成される。この発熱部分の通電時間に対応する発熱
によりインクリボン上のインクが溶融する。これによ
り、低濃度時における印加エネルギーに対しても小範囲
のインクの完全剥離が行われ、滑らかなドット階調が得
られる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳述する。図1(a) は、一実施例の印字ヘッドの
構成を示す部分平面図である。同図に示すように、印字
ヘッドには、発熱体6が、主走査方向に、図12に示し
た画素Dの主走査方向の印字ピッチDOPM (図12で
は印字ピッチmとして説明)と同一間隔で配列されてい
る。これら配列されている発熱体6の総数は、画像の主
走査1ライン分の最大データ数と同一である。
【0029】同図(a) に示すように、発熱体6の横寸法
(主走査方向の寸法)D1 は、主走査方向の印字ピッチ
DOPM より小さくなるよう形成されており、これらに
は、DOPM ×(2/3)≧D1 の関係が与えられる。
そして、縦寸法(副走査方向の寸法)D2 は、副走査方
向の印字ピッチDOPS と同じか又は小さく、且つ上記
横寸法D1 よりは大きくなるよう形成されている。そし
て、これらには、DOPS ≧D2 >D1 の関係が与えら
れる。
【0030】上記発熱体6は、副走査方向の両端が、発
熱体6の横寸法D1 と同幅のコモン電極7及びセグメン
ト電極8にそれぞれ接続し、両電極により選択的に印加
エネルギー(本実施例では後述する印加電圧パルス)を
供給されて発熱し、この発熱による熱エネルギーをイン
クリボンに伝達する。
【0031】同図(b) は、他の実施例の印字ヘッドの構
成を示す部分平面図である。同図に示す印字ヘッドは、
主走査方向に延在する一本の発熱体6′と、この発熱体
6′に当接して主走査方向に交互に配設されたコモン電
極7′およびセグメント電極8′から構成されるてい
る。同図の1本のセグメント電極8′と、その両側の2
本のコモン電極7′間にある発熱体6′の2カ所の非当
接部分6′aが発熱部になる。この発熱部が同図(a) の
発熱体6と同様に機能する。また、この2カ所の非当接
部分6′aからなる発熱部の横寸法D1 及び縦寸法D2
は、同図(a) の発熱体6の横寸法及び縦寸法と同様であ
る。
【0032】上記印字ヘッドにおける発熱体6及び6′
部分の形状を、図2(a),(b) に斜視図で示す。同図(a)
に示すように、上述の発熱体6は、凸状に形成されたグ
レーズ9の上面に配設され、コモン電極7及びセグメン
ト電極8と共に主走査方向に配列される。発熱体6を中
心として凸状部分全体がオーバコート10により被覆さ
れており、印字の際、用紙との摩擦から保護される。
【0033】一方、発熱体6′は、同図(b) に示すよう
に、発熱体そのものが凸状に形成されており、この凸状
の発熱体6′が、基板12上に主走査方向へ交互に配設
されたコモン電極7′およびセグメント電極8′に上か
ら当接して主走査方向に延在する。この場合も、凸状部
分及びその近傍を、オーバコート10により被覆する。
【0034】図3(a) 〜(h) は、このような構成の印字
ヘッドによる濃度0の印字から最大濃度の印字まで、濃
度階調に合せて発熱体6に供給される印加エネルギーに
対応する熱分布の状態を模式的に示したものである。
尚、上述した通り、図1及び図2の(b) に示す発熱体
6′の発熱部も同様に機能するが、以下の説明では同図
(a) に示す発熱体6を取り上げて説明する。
【0035】上記図3(a) は、濃度0印字に対応する印
加エネルギー零の状態を示し、同図(b) 〜(h) は、最小
濃度から最大濃度までのドット階調に対応する印加エネ
ルギーに基づく発熱体6による熱分布13を7段階に分
けて抽出したものである。そして、同図(b),(c) は、発
熱体6の幅寸法D1 が主走査方向の印字ピッチDOP M
より小さいため、低濃度のドット階調の段階で発熱体6
内部で生ずる熱分布13のむらの広がりが印字ピッチD
OPM に対して小さいことを示している。また、同図
(d),(e) は、同様に発熱体6の幅寸法D1 が従来より小
さいため(図15(a),(b) 参照)、低濃度のドット階調
の早い段階で熱分布13が発熱体6の上方に伝播するこ
とを示している。そして、同図(f) 〜(h) は、高濃度の
ドット階調の段階では、熱分布13が、発熱体6に接し
て基板12上に配設されている蓄熱材14を介して伝播
することを示している。
【0036】図4は、このような熱エネルギー伝播の変
化に対応して剥離するインクの剥離状態を示したもので
ある。同図に示すように、低濃度の段階でインクリボン
rから用紙Pに転写されるインクr1 に生じるインク状
剥離r3-5 〜r3-15は、発熱体6の小さな幅寸法D1
対応して狭い範囲においてのみ発生し、この範囲より大
きくは発生しない。上述したように、上方への熱分布は
早い時期に行なわれ、したがって低濃度の段階で早期に
面状剥離r4-5 の状態に切り換わる。特に発熱部分が凸
状に形成されているためインクリボンr裏面への密着状
態が良好に保持され、これにより効率よく熱を伝導し、
このため一層、面状剥離状態への切り換わりが早い。そ
して以後、印加エネルギーの上昇に伴い面状剥離の状態
が最大濃度まで順次拡大する(同図の面状剥離インクr
4-40〜r4-50参照)。
【0037】図5は、このような発熱体6に供給される
印加エネルギーと濃度(ドット階調)との関係を示す濃
度特性曲線である。上述したように、発熱体6の縦、横
の寸法はそれぞれ主、副走査方向の印字ピッチより小さ
い。即ち熱伝導の体積が従来より小さい。これに加えて
発熱部のインクリボンへの密着性がよいため、印加エネ
ルギー変化の早い段階でインク剥離を開始させる有効な
熱エネルギーが発生する。したがって、これに要する最
低印加エネルギーJ(th)は、同図に示すように従来より
も小さい(図18参照)。他方、最大剥離を起こすため
の熱エネルギーは、発熱体6周囲の比熱の比較的大きな
蓄熱材14を介して伝播する。発熱体6が従来より小さ
くなった分、周囲の蓄熱材14の領域は増大している。
このため最大剥離のために要する上限印加エネルギーJ
(m) は、従来よりも大きくなる。したがって、濃度発生
から最大濃度D(m) までに、最低印加エネルギーJ(th)
から上限印加エネルギーJ(m) まで印加エネルギーが変
化する幅が大きくなる。つまり、印加エネルギーJ(n)
に対する濃度D(n) の特性曲線αは傾斜角が小さく、曲
線は全体として横長に寝た形で表される。
【0038】このように最低印加エネルギーJ(th)から
上限印加エネルギーJ(m) まで印加エネルギーが変化す
る幅が大きいため、ドット階調を得るための印加エネル
ギーの各階調毎に対応する変化量を大きくとることがで
きる。したがって、階調制御が容易である。また、濃度
特性曲線αが横長に寝ているため、ヘッド抵抗値バラツ
キ、印加エネルギーバラツキ(電圧、パルス幅バラツ
キ)、環境変化によるバラツキ等による曲線変動α1
α2 による濃度バラツキΔD(n) が小さい。したがって
階調濃度が安定し、補正制御も容易である。これらのこ
とから、ドット階調は極めて良好である。
【0039】また、最低印加エネルギーJ(th)近傍での
発熱体6の熱分布のむら(バラツキ)は、図3(b) に示
したように発熱体6の幅の範囲である。このため、発熱
体6の面積が画素Dの面積より小さいことと、上記むら
の発生が極めて低濃度の段階(超低濃度領域)でしか発
生しないことから、視覚的には感知できない程度のもの
であり、画像の品質に影響することは全くないといえ
る。
【0040】そして、インクの剥離が、低濃度の段階で
早くもインク状剥離の状態から面状剥離の状態に切り変
わるため、低濃度の領域を滑らかに即ち低濃度領域での
濃度変化を忠実に細かく表現できばかりでなく、どの濃
度階調においても常時均一な印字の調子が得られる。し
たがって、高印字品質の美しい画像が得られる。
【0041】続いて、図6は、上述した印字ヘッドを備
えたサーマルプリンタの構成ブロック図である。同図に
おいて、画像データ出力部K1 は、画像データを一時的
に収納している回路であり、階調データを伴った例えば
8ビット幅の画像データSDを階調データ制御部K2
出力する。階調データ制御部K2 は、予めプログラミン
グされた階調アーキテクチャ例えば図4に示したような
濃度曲線テーブルに基づいて、画像データ出力部K1
ら入力される画像データSD に含まれる階調データに所
定の補正を行って、この補正後の画像信号を、シリアル
印字データS4としてシリアル/パラレル変換部K4
出力する。制御パルス発生部K3 は、装置全体を制御す
る回路であり、転送クロックS0 を画像データ出力部K
1 へ、データ読み込みクロックS1 を階調データ制御部
2 及びシリアル/パラレル変換部K4 へ、ラッチクロ
ックS2 及びストローブ信号S5 をシリアル/パラレル
変換部K4 へ、並びにモータ送り信号S3 をモータ・ド
ライバM1 へそれぞれ出力する。モータ・ドライバM1
はモータ送り信号S3 によりステッピングモータM 2
駆動する。上記シリアル/パラレル変換部K4 は、階調
データ制御部K2 から入力されるシリアル印字データS
4 をパラレルデータS4'に変換して、ヘッドドライバL
1 に出力する。ヘッドドライバL1 は、パラレルの駆動
信号Dd を出力して印字ヘッドL2 を駆動する。
【0042】図7は、サーマルプリンタの、上記印字ヘ
ッドL2 を中心とする主要部の概略を示す構成図であ
る。同図に示すように、印字ヘッドL2 は、インクリボ
ンrの裏面に当接するように配設される。インクリボン
rは1対のリボンロールr5 、r5'により保持され、印
字画像の副走査方向である同図の矢印Cで示す左方向へ
リボンロールr5'により巻き取られる。上記の印字ヘッ
ドL2 が当接する反対側の面となるインクリボンr表面
には用紙Pが当接し、同じく印字画像の副走査方向であ
る同図の矢印Dで示す左方向へ搬送される。プラテンj
は、上述したステッピングモータM2 により、同図の矢
印Eで示す反時計回りに副走査方向の印字タイミングに
同期して間欠駆動され、用紙Pを搬送する。上記インク
リボンrも、このプラテンjの間欠駆動に同期してリボ
ンロールr5'により巻き取られる。印字ヘッドL2 は、
発熱体を備えた先端部を、ばね15により同図の下方に
付勢され、インクリボンr及び用紙Pを適宜にプラテン
j面に押圧する。このとき、印字ヘッドL2 の凸状に形
成されている発熱部がインクリボンr裏面に良く密着す
る。
【0043】図8は、このような印字ヘッドL2 、図6
に示したヘッドドライバL1 及びシリアル/パラレル変
換部K4 の回路ブロック図である。同図に示すように、
シリアル/パラレル変換部K4 は、シフトレジスタK
4-1、ラッチ回路K4-2 、及びNAND回路K4-3 から
構成されている。
【0044】シフトレジスタK4-1 には、端子CLKに
入力するデータ読み込みクロックS 1 に同期して、端子
DINにシリアル印字データS4 が順次入力する。シフ
トレジスタK4-1 は、シリアル印字データS4 を順次シ
フトして、O0 〜OQ-1 のパラレルデータに変換し、こ
のパラレルデータO0 〜OQ-1 をラッチ回路K4-2 へ出
力する。
【0045】ラッチ回路K4-2 は、シフトレジスタK
4-1 から出力されるパラレルデータO 0 〜OQ-1 を、ラ
ッチクロックS2 の入力に同期してラッチし、このラッ
チしたパラレルデータO0 〜OQ-1 をNAND回路K
4-3 へ出力する。
【0046】NAND回路K4-3 の、上記パラレルデー
タO0 〜OQ-1 に対応する数の各NANDゲートは、一
方の入力端子に入力するストローブ信号S5 がアクティ
ブ(“1”)である期間、他方の入力端子に上記ラッチ
回路K4-2 から入力するパラレルデータO0 〜OQ-1
それぞれ対応する信号を反転してヘッドドライバL1
出力する。
【0047】ヘッドドライバL1 は、上記各NANDゲ
ートに対応するQ個のアンプ(増幅器)により、NAN
D回路K4-3 の各NANDゲートから入力する反転され
たデータO0 〜OQ-1 をそれぞれ増幅反転し、パラレル
の印字ヘッド出力Ddとして印字ヘッドL2 へ出力す
る。
【0048】印字ヘッドL2 の、上記Q個のアンプに対
応するNo.1,2・・・Q−1,QまでQ個ある発熱
体6は、それぞれ対応するアンプからデータ“1”(パ
ルス)が入力することにより発熱する。上記アンプ出力
は、図1(a),(b) に示したセグメント電極8又は8′の
電圧であり、また、図8に示す印字ヘッドL2 への入力
6 は、図1(a),(b) に示したコモン電極7又は7′の
電圧である。上述の1回のラッチクロックS2 に対応す
る上記アンプの出力は1階調分に対応する印字データ
(印加エネルギー)である。
【0049】したがって、例えば画像データが8ビット
幅の階調データからなるとすれば濃度表現には128階
調が得られ、この場合、上述したシリアル印字データS
4 がパラレルデータO0 〜OQ-1 に変換され、ラッチ回
路K4-2 、NAND回路K4- 3 及びヘッドドライバL1
を介して印字ヘッドL2 に出力されるまでの一連の処理
は、主走査方向1ライン分の処理の1/128の処理に
対応する。つまり、主走査方向1ライン分の処理に対し
てシリアル印字データS4 は、128回、シリアル/パ
ラレル変換部K4 に入力する。
【0050】次に、このような構成のサーマルプリンタ
による印字制御の動作を、図9のタイミングチャートを
用いて説明する。同図は、(a) はタイミング期間T、
(b) はデータ読み込みクロックS1 、(c) はシリアル印
字データS4 、(d) はラッチクロックS2 、(e) はスト
ローブ信号S5 、(f) は印字ヘッド出力Dd、及び(g)
はモータ送り信号S3 である。
【0051】同図(a) のタイミング期間Tは、主走査方
向1ライン分の最大印字期間TW と用紙送り期間TM
タイミングが交互にくる。この最大印字期間TW のタイ
ミング内において、最初の単位印字期間tW に、データ
読み込みクロックS1 の最初の128クロックS11(同
図(b) 参照)に同期して、1階調分のシリアル印字デー
タS41(同図(c) 参照)が、シフトレジスタK4-1 に入
力し、これがラッチクロックS2 (同図(d) 参照)に同
期して、ラッチ回路K4-2 にラッチされ、ストローブ信
号S5 がアクティブ(同図(e) 参照)であることによ
り、NAND回路K4-3 及びヘッドドライブL1 を介し
1ライン分の初期の印字ヘッド出力Ddとして出力され
る(同図(f) 参照)。上記単位印字期間tW の処理が1
28回繰り返されてシリアル印字データS41が128回
積算され、この積算データS42が、最大印字期間TW
印字ヘッド出力Ddとなる。シリアル印字データS
41の、最低階調(白は含まない)の印字ドットに対応す
るデータ(“1”)は、最初の単位印字期間tW だけ出
力され、最高階調の印字ドットに対応するデータは全て
の単位印字期間tW 、即ち128単位印字期間で出力さ
れる。中間階調の印字ドットに対応するデータは、最初
の単位印字期間tW から階調数に対応する単位印字期間
W 数だけ連続して出力される。そして、非印字(白)
の場合は“0”が出力される。
【0052】このように、主走査方向1ライン分の印字
処理において、最低階調から最高階調まで階調制御がな
され、この制御に応じて、前述したように低階調の段階
から面状剥離するインクにより、画素D内での、階調に
忠実な印字画素dの広がりが得られる。
【0053】この後、用紙送り期間TM で、モータ送り
信号S3 により、用紙P及びインクリボンrを副走査方
向にピッチDOPS だけ搬送し、再び最大印字期間TW
のタイミングで次の主走査方向1ライン分の印字を行
う。上記用紙送り期間TM は、ステッピングモータM2
の送り動作が速ければ短くなり、送り動作が遅ければ長
くなる。即ちステッピングモータM2 の送り動作は全体
として印字処理の遅速に影響する。
【0054】ここで、上述した構成の発熱体6と共に用
いるインクリボンrについて考察する。図10(a) に示
すように、インクリボンのベースフィルムr2 が、ある
厚さ以上では、熱エレルギーがベースフィルムr2 内で
横に広がり、このためインクr1 に対しても広がりのあ
る熱伝導を起こす(同図(a) の熱分布16、熱力線1
7、インク状剥離r3-5 、r3-10参照)。このため、低
濃度階調に対応しにくくなり、また、広範囲にわたるイ
ンク状剥離が起きやすくなって、階調が不安定になる。
発明者の実験によれば、インクリボンのベースフィルム
2 の厚さが6μm以上であると上記にような広範囲な
インク状剥離が発生する。
【0055】本実施例では、同図(b) に示すように図4
に示したものと同様な良好なインク剥離を実現するため
に、インクリボンのベースフィルムの厚さを5μm以下
に構成する。これにより、低濃度階調の早い段階から面
状剥離によるドット階調に忠実なインクの広がりが得ら
れ、極めて高品質な画像印字が実現できる。
【0056】続いて、発熱体6の寸法について考察す
る。図11は、発熱体の主走査方向の寸法D1 及び副走
査方向の寸法D2 の構成を変えていった場合の印字結果
との関係を示す図表である。この関係は実験により得ら
れた。
【0057】同図に示す図表は横に主走査方向の印字ピ
ッチDOPM 、副走査方向の印字ピッチDOPS 、発熱
体の主走査方向の寸法D1 、発熱体の副走査方向の寸法
2、及び印字結果を示す。上記印字ピッチ及び発熱体
寸法は、いずれもμm単位で表している。また、印字結
果には、画像品質が悪いものを×印、使用には耐えるが
印字品質が落ちるもを△印、そして、印字品質に全く問
題のないものを◎印で表している。
【0058】同図表の横行21、22及び23は、主、
副走査方向の印字ピッチDOPM 、DOPS を、それぞ
れテレビ画像のハードコピー等に適切な印字ピッチとさ
れる139μmに設定した場合である。同図の横行21
に示すように、発熱体の副走査方向の寸法D2 を副走査
方向の印字ピッチDOPS に等しい139(μm)に据
え置いたまま、発熱体の主走査方向の寸法D1 を、主走
査方向の印字ピッチDOPM に等しい139(μm)か
ら120、100、90、そして80(μm)と順次小
さくしていくに応じて、印字結果は×印から△印、そし
て◎印へと変化する。特に発熱体の主走査方向の寸法D
1 が90μm、即ち主走査方向の印字ピッチDOP
M (=139μm)の2/3近傍以下になると良好な結
果が得られることが判明した。
【0059】また、同図の横行22に示すように、発熱
体の副走査方向の寸法D2 を副走査方向の印字ピッチD
OPS (=139μm)より小さく(90μm)する
と、同図では同じ◎印で表して優劣を示していないが一
層良い印字結果が得られる。しかし、このように発熱体
の副走査方向の寸法D2 を副走査方向の印字ピッチDO
S より小さくした方が良いとはいっても、同図の横行
23に示すように、発熱体の副走査方向の寸法D2 (1
20、80μm)が主走査方向の寸法D1 より小さい
(139、90μm)ときは、結果は良くない(×
印)。
【0060】また、同図表の横行24、25及び26
は、主、副走査方向の印字ピッチDOPM 、DOP
S を、それぞれファクシミリ等に広く用いられる印字ピ
ッチである125μmに設定した場合であるが、この場
合も全く上述同様の結果が得られる。即ち、同図の横行
24に示すように、発熱体の副走査方向の寸法D2 を副
走査方向の印字ピッチDOPS に等しい125(μm)
に据え置いたまま、発熱体の主走査方向の寸法D1 を、
主走査方向の印字ピッチDOPM に等しい125(μ
m)から100、90、80、70(μm)と順次小さ
くしていくと、これに応じて印字結果は×印から△印、
そして◎印へと変化する。この場合も発熱体の主走査方
向の寸法D1 が80μm、即ち主走査方向の印字ピッチ
DOPM (=125μm)の2/3近傍より以下に小さ
くなると極めて良好な結果が得られ、また、同図の横行
25に示すように、発熱体の副走査方向の寸法D2 を副
走査方向の印字ピッチDOPS (=139μm)より小
さくすると更に良い印字結果が得られる。そして同図の
横行26に示すように、たとえ副走査方向の寸法D2
副走査方向の印字ピッチDOPS (125μm)より小
さく(120、90μm)しても、その小さくした寸法
2 が主走査方向の寸法D1 (125、100μm)よ
り小さくなったのでは、結果は×印となって全く良くな
い。
【0061】これらをまとめると、発熱体の主、副走査
方向の寸法D1 、D2 と、主、副走査方向の印字ピッチ
DOPM 、DOPS 間には、DOPM ×(2/3)≧D
1 及びDOPS ≧D2 >D1 の関係があることが解る。
【0062】本実施例においては、発熱体6又は6′の
主、副走査方向それぞれの寸法は、これらのことに基づ
いて設定されている。尚、本実施例の発熱体を用いた印
字ヘッドで上述したドット階調により、Y(イエロー:
黄色),M(マゼンタ:赤),及びC(シアン:青)の
3色の転写リボンを用いて、3色のそれぞれの印字デー
タに対応したドット階調印字で、Y,M,Cと3回印字
を行うことにより高画質のフルカラー印字が可能であ
る。
【0063】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、印字ヘッドの発熱部を凸状に形成しているので、
低濃度階調の熱をインクリボンに伝導しやすく、早い時
期から面状剥離の状態になる。このため低濃度の領域を
滑らかに(低濃度領域での濃度変化を細かく)表現でき
るようになる。また発熱体の横寸法を主走査方向の印字
ピッチより2/3以下に小さく形成すると共に縦寸法を
副走査方向の印字ピッチより小さく且つ発熱体の主走査
方向の寸法より大きく形成しているので、最低印加エネ
ルギーから上限印加エネルギーまで印加エネルギーが変
化する幅が大きくなり、このためドット階調を得るため
の印加エネルギーの変化を大きくとることができ、した
がって、階調制御が容易になる。また、濃度特性曲線が
横長になるためヘッド抵抗値バラツキ、印加エネルギー
バラツキ、環境変化によるバラツキ等による曲線変動に
よる濃度バラツキが小さく、したがって階調濃度が安定
し、補正制御も容易になる。また、低濃度の段階でイン
ク状剥離の状態から面状剥離の状態に切り変わるため、
低濃度の領域を滑らかに(低濃度領域での濃度変化を細
かく)表現できばかりでなく、どの濃度階調においても
常時均一な印字の調子が得られ、したがって、高印字品
質の美しい画像が得られる。さらに、インクリボンのベ
ースフィルムの厚さを5μm以下にしているので、上記
の機能を強力に発揮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明に係わる一実施例の印字ヘッドの
部分構成図、(b) 他の実施例の印字ヘッドの部分構成図
である。
【図2】(a) は一実施例の印字ヘッドの斜視図、(b) 他
の実施例の印字ヘッドの斜視図である。
【図3】(a) 〜(h) は図1(a) の印字ヘッドの発熱体の
印加エネルギーに対応する熱分布の状態を示す模式的図
である。
【図4】発熱体による熱エネルギー伝播の変化に対応す
るインクの剥離状態を示す図である。
【図5】印加エネルギーとドット階調との関係を示す濃
度特性曲線図である。
【図6】実施例に係わるサーマルプリンタの構成ブロッ
ク図である。
【図7】サーマルプリンタの印字ヘッドを中心とする主
要部の概略構成図である。
【図8】印字ヘッド、ヘッドドライバ及びシリアル/パ
ラレル変換部の回路ブロック図である。
【図9】サーマルプリンタによる印字制御の動作を説明
するタイミングチャートである。
【図10】(a) は従来のベースフィルムの場合のインク
剥離の例を示す図、(b) は実施例における5μm以下の
薄いベースフィルムの場合のインク剥離の例を示す図で
ある。
【図11】発熱体の主、副走査方向の寸法D1 、D
2 と、主、副走査方向の印字ピッチDOPM 、DOPS
間の関係を示す図表である。
【図12】画素Dの階調印字及び主走査方向の印字ピッ
チと副走査方向の印字ピッチを説明する図である。
【図13】(a),(b),(c) は従来の印字ヘッドの発熱体の
構成を示す図である。
【図14】印字ヘッドによりインクリボンからインク転
写により印字を行う状態を模式的に示す断面図である。
【図15】(a) 〜(i) は従来の発熱体による印加エネル
ギー対応する熱分布の例を示す図である。
【図16】インクリボンから用紙に転写される大別して
2通りのインク転移状態を説明する図である。
【図17】(a),(b) は従来のインク状剥離と面状剥離の
発生状態を説明する図である。
【図18】従来の印加エネルギーとドット階調との関係
を示す濃度特性曲線図である。
【符号の説明】
6、6′ 発熱体 6′a 非当接部分 D1 発熱体(発熱部)の主走査方向の寸法(横寸法) D2 発熱体(発熱部)の副走査方向の寸法(縦寸法) 7、7′ コモン電極 8、8′ セグメント電極 9、6′ 凸状部 10 オーバコート 12 基板 13 熱分布 14 蓄熱材 15 ばね D 画素 d 印字画素 DOPM 主走査方向の印字ピッチ DOPS 副走査方向の印字ピッチ P 用紙 r インクリボン r1 インク r2 ベースフィルム r3-5 、r3-10、r3-15 インク状剥離インク r4-5 、r4-40、r4-50 面状剥離インク J(th) 最低印加エネルギー J(m) 上限印加エネルギー J(n) 印加エネルギー ΔD(n) 濃度バラツキ SD 画像データ K1 画像データ出力部 K2 階調データ制御部 K3 制御パルス発生部 K4 シリアル/パラレル変換部 S0 転送クロック S1 データ読み込みクロック S2 ラッチクロック S3 モータ送り信号 S4 シリアル印字データ S4' パラレルデータ S5 ストローブ信号 S6 コモン電極電圧 M1 モータ・ドライバ M2 ステッピングモータ L1 ヘッドドライバ L2 印字ヘッド Dd パラレル駆動信号(印字ヘッド出力) r5 、r5' リボンロール j プラテン K4-1 シフトレジスタ K4-2 ラッチ回路 K4-3 NAND回路 O0 〜OQ-1 パラレルデータ TW 最大印字期間 TM 用紙送り期間 tW 単位印字期間 S11 128クロック S41 シリアル印字データ S42 積算データ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主走査方向に配列された複数の凸状発熱
    部を有し、該発熱部への通電時間を可変してインクリボ
    ン上のインクの溶融面積を可変し該溶融されたインクを
    用紙に転写して階調性画像を形成するサーマルプリンタ
    において、 前記発熱部の主走査方向のサイズD1 は前記発熱部の主
    走査方向の配列ピッチDOPM に対しD1 ≦DOPM ×
    (2/3)の関係を有し且つ該発熱部の副走査方向のサ
    イズD2 は前記発熱部の副走査方向の用紙送り量と印字
    タイミングで決定されるピッチDOPS 及び該発熱部の
    前記主走査方向のサイズD1 に対しD1<D2 ≦DOP
    S の関係を有することを特徴とするサーマルプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記凸状発熱部は、下層にグレーズを設
    けてなることを特徴とする請求項1記載のサーマルプリ
    ンタ。
  3. 【請求項3】 前記凸状発熱部は、凸状に形成した発熱
    体からなることを特徴とする請求項1記載のサーマルプ
    リンタ。
  4. 【請求項4】 前記インクリボンを構成するベースフィ
    ルムの厚さは5μm以下であることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載のサーマルプリンタ。
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EP94113071A EP0640487A3 (en) 1993-08-24 1994-08-22 Thermal dot printer.
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