JPH0775972A - 多孔質メタルボンド砥石の製造方法 - Google Patents

多孔質メタルボンド砥石の製造方法

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JPH0775972A
JPH0775972A JP22482293A JP22482293A JPH0775972A JP H0775972 A JPH0775972 A JP H0775972A JP 22482293 A JP22482293 A JP 22482293A JP 22482293 A JP22482293 A JP 22482293A JP H0775972 A JPH0775972 A JP H0775972A
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powder
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Masanobu Osada
正信 長田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切れ味のばらつきおよび砥粒脱落頻度の増大
を防ぎつつ、気孔率を高めて、良好な切粉排出性および
冷却性を得る。 【構成】 砥粒10の表面に予め金属めっき層11を形
成してなるめっき砥粒12を、これらめっき砥粒12よ
り平均粒径が小さい金属結合剤粉末13と混合して加圧
転動運動を加え、機械的な摩擦圧接作用により前記金属
めっき層11上に金属粉末13を圧着させて圧着被覆層
14を形成した後、得られた金属被覆砥粒を圧粉成形
し、得られた圧粉成形体に対して熱間静水圧プレスする
ことにより、気孔率3〜40%の多孔質砥粒層を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気孔率の高い多孔質メ
タルボンド砥石の製造方法に係わり、特に、砥石寿命お
よび切れ味を高めるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なメタルボンド砥石は、粉末状の
金属結合剤に砥粒を均一に混合し、得られた混合粉末を
台金とともに型込めした後、これらを圧粉成形および焼
結(あるいは熱間静水圧プレス)して製造されるもので
あるが、砥石の切粉排出性を高めるには、砥粒層中に微
細な気孔を形成すると有効であることが知られている。
砥粒層の気孔率を高めると、砥粒層表面に多数の気孔が
開口し、これら気孔が研削によって生じた切粉を順次排
出して目詰まりを防ぐうえ、研削液が気孔に入って砥粒
層の冷却効率を高め、砥石の過熱を防ぐ効果も得られ
る。
【0003】上記のようにメタルボンド砥粒層を多孔質
化する方法として、従来は、金属結合剤と砥粒の混合粉
末を成形する際の圧力を通常よりも低く抑え、さらに焼
結温度を通常よりも若干低く設定して金属結合剤の自己
焼結作用を抑制し、気孔を残す方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の製造方
法では、比重の異なる結合剤と砥粒とを均一に混合する
ことが困難であるから、得られた砥粒層の内部で砥粒が
均一に分布しない。また、混合粉末の流動性はあまり高
くないから、成形時の加圧力が部分的に不均一になるこ
とが避けられず、気孔の分布密度も不均一になるととも
に、互いに連通した気孔の形成が不可能である。したが
って、従来法により得られた多孔質砥粒層は、部分的な
研削性能のばらつきが大きく、安定した研削が難しいう
え、この傾向は気孔率を高めるほど顕著になる。
【0005】また、多孔質砥粒層中で気孔に隣接した砥
粒は、結合相による保持力が相対的に弱くなるため、脱
落しやすく、研削に寄与しない。しかも、脱落しやすい
砥粒の存在割合は、気孔率を高めると著しく増大する。
一方、気孔を有しないメタルボンド砥石は自生発刃性が
悪く、切れ味が劣り、被削材に対する加工損傷が大きい
問題があった。
【0006】上記のように、従来のメタルボンド砥石製
造方法では、気孔率を高めると必然的に砥石の研削性能
が不安定になり、無駄に脱落する砥粒も多くなるため、
実用的には、気孔率の上限が10vol%程度に限られ
ており、期待するほどの切粉排出性および冷却性の向上
効果は得られていないのが現状である。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、砥粒および気孔の分布を均一としたまま気孔率を高
めることにより、砥石寿命および切粉排出性等の各種研
削特性を向上することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多孔質メタ
ルボンド砥石の製造方法は、砥粒の表面に予め金属めっ
き層を形成してなるめっき砥粒を、これらめっき砥粒よ
り平均粒径が小さい金属結合剤粉末と混合して加圧転動
運動を加え、機械的な摩擦圧接作用により前記金属めっ
き層上に金属粉末を圧着させて圧着被覆層を形成した
後、得られた金属被覆砥粒を圧粉成形し、得られた圧粉
成形体に対して熱間静水圧プレスすることにより、気孔
率3〜40%の多孔質砥粒層を形成することを特徴とす
る。
【0009】なお、圧着被覆層を構成する金属として
は、前記金属めっき層を構成する金属よりも軟質な材質
を使用することが望ましい。また、熱間静水圧プレスを
行う前に、圧粉成形体を酸化性雰囲気下で加熱して圧粉
成形体の表面および気孔内部に酸化膜を形成し、その
後、熱間静水圧プレスを行ってもよい。
【0010】
【作用】本発明の多孔質メタルボンド砥石の製造方法に
よれば、個々の砥粒の配置間隔が圧着被覆層の厚さによ
り一定化されるため、砥粒層の全域に亙って砥粒分布密
度が均一になるうえ、金属被覆砥粒はほぼ球形かつ表面
が滑らかで流動性に優れるから、加圧成形および熱間静
水圧プレス時の圧力は砥粒層の内部全域に亙って均一に
なり、砥粒層の気孔率をその内部全域に亙って均一化す
ることが可能である。したがって、砥粒および結合剤粉
末を混合する従来の製造方法に比して、研削面における
砥粒および気孔の露出密度がいずれも均一になり、良好
な切れ味を有する多孔質メタルボンド砥石が製造でき
る。
【0011】また、個々の砥粒の外周を球殻状部分によ
り完全に包囲して各球殻状部分を連結したうえ、これら
球殻状部分の間に気孔を形成するから、気孔率が高くて
も球殻状部分により砥粒保持力を高く確保することがで
きる。したがって、切れ味のばらつきおよび砥粒脱落頻
度の増大を防ぎつつ、気孔率を高めることができ、良好
な切粉排出性および冷却性を有する砥石が製造できる。
【0012】
【実施例】次に本発明に係る多孔質メタルボンド砥石の
製造方法の一実施例を説明する。この方法ではまず、無
電解めっき法等により砥粒の外周に金属めっき層を形成
してめっき砥粒を得る。砥粒としては、ダイヤモンドや
CBN等の超砥粒のみならず、SiC、Al23等の一
般砥粒も使用可能である。
【0013】金属めっき層は、後述する圧着被覆層と砥
粒との接合性を高めるために形成されたもので、無電解
めっき法により砥粒の外周面に形成するのが最も容易で
あり好ましい。金属めっき層の材質としては、Cu,N
i,Co,Ag等のように無電解めっき法により形成し
やすい金属が選択される。無電解めっき後に、電気めっ
きを施すことにより、金属めっき層を厚くしてもよい。
【0014】金属めっき層の厚さは、砥粒平均粒径にも
よるが0.1〜20μm、特に1〜5μm程度が望まし
い。0.1μmより薄いと圧着被覆層の形成が困難にな
り、他方20μmより厚くすると、無電解めっきに要す
る時間が増すのみで生産性が低下する。
【0015】砥粒の形状は、後述する加圧攪拌中の砥粒
の転がり性を向上し、圧着被覆層の均一形成を容易にす
るため、球状に近い方が好ましい。しかし、極端な鱗片
状でない限り、不定形の砥粒を用いても圧着被覆層は十
分形成可能である。砥粒の平均粒径は使用目的によって
も異なるが、製造上の理由から1〜500μm程度、特
に20〜200μmが好ましい。1μm未満では圧着被
覆層を形成する際に中心核となりにくく、500μmよ
り大では摩擦圧接作用による被覆が困難になる。
【0016】得られためっき砥粒を金属結合剤粉末と混
合し、図1に示すような装置を用いて混合粉末に加圧転
動運動を加え、摩擦圧接法によって金属めっき層の上に
所望の厚さを有する圧着被覆層を形成する。
【0017】図1に示す加圧転動装置の構成を説明する
と、図中符号1は軸線を水平にして設置された円筒状の
ドラムであり、軸線を中心として駆動器により回転され
る。ドラム1の内部には、軸線に沿って固定シャフト2
が配置され、このシャフト2には下向きに加圧アーム
3、およびその回転方向後方側の斜め下方に延びる掻き
取りアーム4がそれぞれ固定されている。ドラム1内に
めっき砥粒と金属結合剤粉末を投入した後、蓋(図示
略)で塞ぐことにより、ドラム1内はほぼ密閉される。
【0018】加圧アーム3の下端には、ドラム1の内面
と平行な円弧状をなす加圧板5が固定され、この加圧板
5とドラム1内面との間には、一定の間隙が形成されて
いる。一方、掻き取りアーム4の下端は刃先状に形成さ
れ、ドラム1内面に付着した粉体を掻き落とす構成とな
っている。
【0019】圧着被覆を行なうには、めっき砥粒と金属
結合剤粉末とを所定の割合でドラム1に入れる。図2
は、砥粒10に金属めっき層11を形成しためっき砥粒
12と、金属結合剤粉末13とが混合された状態を示す
拡大図である。
【0020】使用する金属粉末13の平均粒径は0.1
〜50μm、かつめっき砥粒12の平均粒径の1〜30
%程度であることが望ましい。0.1μm未満あるいは
1%未満では金属粉末13の粒子数が相対的に大きくな
るため、金属粉末13に圧力がかかりにくくなり、被覆
に優先して金属粉末13同士の凝集が起こり、圧着被覆
層の形成が困難である。逆に、50μmより大あるいは
30%より大では、めっき砥粒12が中心核になりにく
く、金属粉末13同士の圧着凝集が優先的に起こり、め
っき砥粒12への被覆が行なわれず、好ましくない。
【0021】金属粉末13としては、金属めっき層11
を構成する金属よりも柔軟な材質を少なくとも一部選択
することが好ましく、その場合には圧着被覆時にめっき
砥粒12の金属めっき層11のせん断剥離が起こりにく
くなるとともに、金属粉末13がめっき砥粒12に固着
しやすくなり、圧着被覆層の形成が容易に行なえる。金
属粉末13の材料としては、Cu,Sn,Ag,Co,
Fe,Zn,Ni等が例示できるが、これら以外の金属
種でも、後述する摩擦圧接条件を適正に設定することに
より使用可能である。また、金属粉末13としては、単
一種の金属を使用するだけでなく、2種以上の金属粉末
を混合して使用することも可能である。
【0022】めっき砥粒12と金属粉末13との混合比
は、形成すべき圧着被覆層の厚さに応じて決定される
が、効率良く圧着被覆層を形成するには、粉末の体積比
で以下の範囲に設定することが望ましい。 めっき砥粒量: 金属粉末量=100: 1〜1:1 1回の圧接被覆では被覆厚さが足りない場合には、途中
で金属粉末13を追加して圧着被覆を続行すればよい。
【0023】上記の混合粉末(12+13)をドラム1
に入れて蓋をした後、ドラム1を回転させると、混合粉
体が加圧板5とドラム1の隙間で加圧され、混合粉末に
転動運動が加わりつつ互いに擦り合わされる。このよう
な粒子同士の衝突および摩擦によって各粒子の界面に局
所的な発熱および衝撃力、延性力が生じ、めっき砥粒1
2の表面に金属粉末13が団子状に固着する。さらにこ
れら団子状粒子の表面に、隣接する団子状粒子から力が
繰返し加わることにより、前記固着した層が延びて偏平
化し、さらに金属めっき層11に練り込まれて互いに結
合される。
【0024】ドラム1の内面に付着した粉体は掻き取り
アーム4で粉砕され、未付着の金属粉末13は再び加圧
アーム3でめっき砥粒12の表面に団子状に固着され
る。この作業を一定時間繰り返すことにより、金属粉末
13はめっき砥粒12の表面に順次圧着被覆され、最終
的にはほぼ全量が被覆されて、図3に示すように、ほぼ
均一な被覆厚さを有する、球殻状の圧着被覆層14が形
成される。
【0025】次に、こうして得られた金属被覆砥粒をプ
レス型内に充填し、冷間または熱間で加圧して圧粉成形
する。この時の加圧力は、圧着被覆層14の材質によっ
て異なるため、圧粉成形体内に所望量の気孔が残存する
ように予備実験により適宜設定すべきである。
【0026】次に、得られた圧粉成形体を加圧容器に封
入して熱間静水圧プレスする。熱間静水圧プレスの方法
は従来と同様でよい。熱間静水圧プレス条件は、圧着被
覆層14の材質や所望の気孔率にもよるため、予備実験
等により適宜設定すべきである。
【0027】熱間静水圧プレスの条件は、熱間静水圧プ
レス後の砥粒層の気孔率が3〜40vol%、より好ま
しくは5〜30vol%となるように設定することが望
ましい。気孔率3vol%未満では切粉排出性および冷
却性向上効果が低下し、メタルボンドの摩耗速度の増大
率が小さく、自生発刃性や切れ味の向上効果が小さくな
る。一方、40vol%より大では砥粒層の強度が低下
し、重研削に耐えなくなる。
【0028】熱間静水圧プレスにより、圧粉成形体を構
成する個々の金属被覆砥粒の各圧着被覆層14の接触部
位において拡散反応が進み、金属結合相が形成される。
また、金属めっき層11と圧着被覆層14を別の金属で
形成した場合には、これらの金属が相互拡散し、界面に
沿って相対的に硬質の金属間化合物が生じていっそう砥
粒保持力が高められる。
【0029】上記方法で得られる砥粒層は、図4に示す
ように、互いにほぼ均等な間隔を空けて3次元的に配置
された砥粒10と、これら砥粒10を保持する金属結合
相15とから構成されている。金属結合相15は、個々
の砥粒10の外周を球殻状に包囲する球殻状部分15A
を有し、隣接しあう球殻状部分15Aは、互いの接触部
位において連続している。これにより、砥粒層の内部に
は、各球殻状部分15Aの周囲の空隙が連通し、砥粒層
全域に亙って3次元編目状に広がった連続気孔16が形
成されている。
【0030】なお、砥粒層は図示しない砥石基体の砥粒
層形成面に形成されるか、あるいはそれ自体が砥石形状
に成形されて砥石とされている。本発明において砥石形
状は任意でよく、従来から使用されているいかなる砥石
形状も実施可能である。
【0031】上記構成からなる多孔質メタルボンド砥石
の製造方法によれば、金属被覆砥粒がほぼ球形かつ表面
が滑らかで流動性,加圧変形能に優れるから、加圧成形
および熱間静水圧プレス時に成形品の内部全域に亙って
圧力を均一化でき、これにより、成形品の気孔率を内部
全域に亙ってほぼ均一化することが可能である。
【0032】また、個々の砥粒10の配置間隔は、圧着
被覆層14の肉厚により規定されるため、砥粒層の全域
に亙って砥粒10の分布密度が均一化できる。したがっ
て、砥粒および結合剤粉末を単に混合する従来の製造方
法に比して、研削面における砥粒10および連続気孔1
6の露出密度がいずれも均一になり、良好な切れ味およ
び切粉排出性を有する多孔質メタルボンド砥石が製造で
きる。
【0033】また、個々の砥粒10の外周を球殻状部分
15Aにより完全に包囲して支持するとともに各球殻状
部分15Aを連結し、これら球殻状部分15Aの間に連
続気孔16を形成しているから、気孔率が高くても高い
砥粒保持力とボンド強度を得ることができる。
【0034】したがって、切れ味のばらつきおよび砥粒
脱落頻度の増大を防ぎつつも気孔率を高めることがで
き、良好な切粉排出性を得ることができる。しかも、気
孔率の割合を被削材毎に最適化することにより、ボンド
の摩耗速度の最適化が図れ、耐摩耗で表わされる寿命と
切れ味である自生発刃性の両立を達成することができ
る。また、前記連続気孔16は砥粒層の全域に亙って連
続しているため、研削液が砥粒層の内部まで進入するこ
とができ、砥粒層の冷却性が高いうえ、砥粒層を通して
研削液を供給する用途にも使用可能である。
【0035】なお、圧粉成形と熱間静水圧プレスの間
に、圧粉成形体を酸化性雰囲気下で加熱する工程を設
け、成形体の気孔内面に薄い酸化膜を形成してもよい。
このような酸化膜を形成すると、熱間静水圧プレス工程
において圧着被覆層14の自己焼結が進行して気孔16
が塞がる現象を予防できる。また、前記酸化膜形成は圧
粉成形後に行われるので、圧着被覆層14の相互接触部
には酸化膜が形成されず、圧着被覆層14の連結を阻害
することはない。
【0036】具体的な酸化膜形成条件としては、圧着被
覆層14がCu−Sn系で形成される場合、圧着被覆層
形成後、0.6〜5t/cm2で冷間プレスを行い、さ
らに大気中で300〜600℃に加熱して酸化膜を形成
する方法が可能である。加熱時間は、低温で長く処理す
れば、強固な厚い層の酸化膜ができ、高温で短く処理す
れば、多孔質な酸化膜が得られる。生産性も考慮すれ
ば、10分〜1時間が好適である。その後、前記と同じ
条件で熱間静水圧プレスを行えばよい。
【0037】また、前述した製造方法において、圧着被
覆層14の形成時に金属粉末13に各種フィラーを添加
しておいてもよい。その場合には、成形後の砥石にフィ
ラー種に応じた機能を付与することが可能である。例え
ば、圧着被覆層14にSiCやAl23等の硬質粒子を
添加しておけば、金属結合相15の耐摩耗性が向上し、
砥石寿命が増大する。本発明の方法では特に、砥粒層の
内部において個々の砥粒10の周囲に数μm程度の微細
なフィラーを均一に配置することができるから、成形後
の砥石にそれに基づく機能を効果的に付与することが可
能である。本発明におけるフィラー添加の効果の一例を
表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】さらに、上記砥石の製造方法では、砥粒1
0の外周を金属めっき層11で被覆したうえ、そのうえ
に圧着被覆層14を形成するので、これらの層11,1
4を焼結時に硬質の金属間化合物を形成する物質で形成
しておくことにより、層11,14の界面に硬質の金属
間化合物層を形成することができ、この金属間化合物層
により砥粒保持力をさらに高めることが可能となる。具
体的な組み合せとしては、Cu−Sn,Cu−Ti,N
i−Sn,Ti−Ni,Cu−Zn,Ni−Al,Al
−Cuなどが好適である。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る多孔質メタルボンド砥石の
製造方法によれば、個々の砥粒の配置間隔が圧着被覆層
の厚さにより一定化されるため、砥粒層の全域に亙って
砥粒分布密度が均一になるうえ、金属被覆砥粒はほぼ球
形かつ表面が滑らかで流動性に優れるから、加圧成形お
よび熱間静水圧プレス時の圧力が砥粒層の内部全域に亙
って均一になり、砥粒層の気孔率をその内部全域に亙っ
て均一化することが可能である。したがって、砥粒およ
び結合剤粉末を混合する従来の製造方法に比して、研削
面における砥粒および気孔の露出密度がいずれも均一に
なり、良好な切れ味を有する多孔質メタルボンド砥石が
製造できる。
【0041】また、個々の砥粒の外周を球殻状部分によ
り完全に包囲して各球殻状部分を連結したうえ、これら
球殻状部分の間に気孔を形成するから、気孔率が高くて
も球殻状部分により砥粒保持力を高く確保することがで
きる。したがって、切れ味のばらつきおよび砥粒脱落頻
度の増大を防ぎつつ、気孔率を高めることができ、良好
な切粉排出性および冷却性を有する砥石が製造できる。
【0042】一方、熱間静水圧プレスを行う前に、圧粉
成形体を酸化性雰囲気下で加熱して圧粉成形体の表面お
よび気孔内部に酸化膜を形成し、その後、熱間静水圧プ
レスを行った場合には、熱間静水圧プレス工程で圧着被
覆層の自己焼結が進行して気孔が塞がる現象を予防で
き、気孔率の高い砥粒層の形成がいっそう容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に使用される金属被覆砥粒の
製造装置を示す説明図である。
【図2】加圧転動運動前の金属めっき砥粒と金属粉末の
混合状態を示す拡大図である。
【図3】金属被覆砥粒を示す断面拡大図である。
【図4】本発明の方法で得られる砥石の断面拡大図であ
る。
【符号の説明】
1 ドラム 3 加圧アーム 4 掻き取りアーム 5 加圧板 10 砥粒 11 金属めっき層 12 めっき砥粒 13 金属粉末 14 圧着被覆層 15 金属結合相 15A 球殻状部分 16 連続気孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砥粒の表面に予め金属めっき層を形成して
    なるめっき砥粒を、これらめっき砥粒より平均粒径が小
    さい金属結合剤粉末と混合して加圧転動運動を加え、機
    械的な摩擦圧接作用により前記金属めっき層上に金属粉
    末を圧着させて圧着被覆層を形成した後、得られた金属
    被覆砥粒を圧粉成形し、得られた圧粉成形体に対して熱
    間静水圧プレスすることにより、気孔率3〜40%の多
    孔質砥粒層を形成することを特徴とする多孔質メタルボ
    ンド砥石の製造方法。
  2. 【請求項2】前記圧着被覆層を構成する金属として、前
    記金属めっき層を構成する金属よりも軟質な材質を使用
    することを特徴とする請求項1記載の多孔質メタルボン
    ド砥石の製造方法。
  3. 【請求項3】前記熱間静水圧プレスを行う前に、圧粉成
    形体を酸化性雰囲気下で加熱して圧粉成形体の表面およ
    び気孔内部に酸化膜を形成し、その後、熱間静水圧プレ
    スを行うことを特徴とする請求項1または2記載の多孔
    質メタルボンド砥石の製造方法。
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