JPH05177549A - 複合超砥粒および砥石製造方法 - Google Patents

複合超砥粒および砥石製造方法

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JPH05177549A
JPH05177549A JP25945691A JP25945691A JPH05177549A JP H05177549 A JPH05177549 A JP H05177549A JP 25945691 A JP25945691 A JP 25945691A JP 25945691 A JP25945691 A JP 25945691A JP H05177549 A JPH05177549 A JP H05177549A
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JP
Japan
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metal
coating layer
metal coating
layer
abrasive grain
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Application number
JP25945691A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Takahashi
務 高橋
Masanobu Osada
正信 長田
Naoto Oikawa
尚登 及川
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 超砥粒1と接する第1次金属被覆層2と、こ
の第1次金属被覆層2上に設けられたAlまたはAl合
金からなる第2次金属被覆層3と、この第2次金属被覆
層3上に設けられた軟質金属からなる第3次金属被覆層
4とを具備する複合超砥粒であって、且つこの複合超砥
粒の第1次金属被覆層2と第2次金属被覆層3が、加熱
によりビッカース硬さが400kg/mm2以上の硬質
金属間化合物を形成するような第1次金属被覆層2を有
する。 【効果】 相対的に軟質な結合相でかつ個々の超砥粒1
が硬質の金属間化合物で支持された砥粒層を容易に形成
することができる。このようにして形成された砥粒層中
では、個々の超砥粒1が硬質の金属間化合物層で支持さ
れているので、砥粒保持力が大きい一方、相対的に軟質
な結合相の部分は容易に摩耗するため、個々の砥粒の間
の部分に確実にチップポケットが生じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、砥石の製造に使用され
る複合砥粒およびそれを用いた砥石の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的なメタルボンド砥石は、通常、粉
末状の金属結合剤に砥粒を均一に混合し、この混合粉末
を台金とともに型込めした後、これらを圧粉成形および
焼結して製造されている。
【0003】なお、上記砥粒の表面に、無電解めっき法
や蒸着法を用いて薄い金属被覆層を予め形成しておき、
後は上記と同様に金属結合剤に混合し、圧粉成形および
焼結してメタルボンド砥石を製造する場合もある。この
ような金属被覆砥粒を用いれば、切削時に発生する砥粒
の熱が金属被覆層を通して発散するため、砥粒の局部的
な過熱が防止できる。また、金属被覆層を介在させるこ
とにより、結合相と砥粒との間の接合強度が増すため、
結合相による砥粒保持力が向上し、超砥粒の脱落頻度が
低下して寿命が延長するという効果が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なメタルボンド砥石の製造方法では、超砥粒と結合剤と
を混合し型込めする時点で、個々の超砥粒を均一に分散
させることが難しく、焼結後の砥粒層の内部において超
砥粒の分布密度に粗密が生じることは避けられない。こ
のため、研削面に露出した砥粒の配置に粗密が生じ、砥
石の切れ味に局部的なむらが生じて、研削性能が不安定
になる欠点があった。
【0005】また、上記の金属被覆砥粒は、結合相と砥
粒との接合性や砥粒の耐熱性を高める目的で被覆層を形
成したものであるから、被覆層は厚さが約5μm以下の
薄いものであった。
【0006】また、上記の金属被覆砥粒は無電解めっき
法あるいは蒸着法を用いて製造されているので、被覆層
の形成速度は通常0.3μm/minと遅く、製造効率
が悪いうえ、無電解めっき法の場合には適用できる金属
被覆層の材質が限定され、選択の自由度に乏しい。一
方、蒸着法では砥粒の分散が難しく、均一な被覆が困難
であるという問題点も有している。
【0007】また一般的なメタルボンドは、Cu,Su
等で構成されるため、砥石重量が大きく、このためスピ
ンドルに掛かる負荷が大きく、砥石の回転速度を上げる
ことができないという問題点を有していた。また、Al
基のメタルボンドについては焼結性が悪く、実用化され
ていないのが実情であった。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、製造効率が良く、金属被覆層の材質選択の自由度に
優れ、砥石製造時のコストを低減することができる複合
砥粒、ならびにその複合砥粒を用いて砥粒の分布密度が
均一で切れ味に局部的なむらが生じにくい軽量砥石を容
易に製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の複合超砥
粒では、メタルボンド超砥粒砥石用の超砥粒において、
超砥粒と接する第1次金属被覆層と、この第1次金属被
覆層上に設けられたAlまたはAl合金からなる第2次
金属被覆層と、この第2次金属被覆層上に設けられた軟
質金属からなる第3次金属被覆層とを具備する複合砥粒
であって、且つこの複合砥粒の第1次金属被覆層と第2
次金属被覆層が、加熱によりビッカース硬さが400k
g/mm2以上の硬質金属間化合物を形成するような第
1次金属被覆層を有することを課題解決の手段とした。
【0010】請求項2記載の複合超砥粒では、請求項1
記載の第1次金属被覆層を形成する金属が、Cr,C
u,Mn,Ta,Co,Fe,Ni,Ti,Zrより選
ばれる1種または2種以上の金属および合金であること
を課題解決の手段とした。
【0011】請求項3記載の複合超砥粒では、請求項1
記載の第3次金属被覆層を形成する金属が、Ag,P
b,Sn,Ge,In,ZnおよびCdから選ばれるこ
とを課題解決の手段とした。
【0012】請求項4記載の砥石製造方法では、請求項
1,2および3記載の複合超砥粒を加圧焼結して砥粒層
を形成する方法において、第1次金属被覆層とAlまた
はAl合金からなる第2次金属層とを反応させ、超砥粒
の近傍に硬質金属間化合物層を形成することを課題解決
の手段とした。
【0013】
【作用】メタルボンド超砥粒砥石用の超砥粒において、
超砥粒と接する第1次金属被覆層と、この第1次金属被
覆層上に設けられたAlまたはAl合金からなる第2次
金属被覆層と、この第2次金属被覆層上に設けられた軟
質金属からなる第3次金属被覆層とを具備する複合砥粒
であって、且つこの複合砥粒の第1次金属被覆層と第2
次金属被覆層が、加熱によりビッカース硬さが400k
g/mm2以上の硬質金属間化合物を形成するような第
1次金属被覆層を有することを特徴とする複合超砥粒を
加圧焼結すると、酸化膜が生じにくい第3次金属被覆で
ある軟質金属層が容易に接合しあい、Al基でかつ個々
の超砥粒が硬質の金属間化合物層で支持された砥粒層が
容易に形成できる。この砥粒層中では、個々の超砥粒が
硬質の金属間化合物層で支持されているので、砥粒保持
力が大きい一方、研削時には相対的に軟質なAl基部分
が容易に摩耗するため、個々の砥粒の間の部分に確実に
チップポケット(凹部)が生じ、これらのチップポケッ
トにより切粉排出性が高められる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の複合超砥粒お
よび砥石製造方法について詳しく説明する。
【0015】図1は本発明の複合超砥粒の一実施例を示
す断面図である。この複合砥粒5は、超砥粒1と、この
砥粒1上に設けられた第1次金属被覆層2と、この第1
次金属被覆層2上に設けられた第2次金属被覆層である
Al基層3と、この第2次金属被覆層3上に設けられた
軟質金属よりなる第3次金属被覆層4とを具備してい
る。
【0016】上記超砥粒1は、ダイヤモンドやcBN等
の超硬質粒子である。超砥粒1の形状は、加圧攪拌中の
砥粒の転がり性を向上させ、第2次金属被覆層3の均一
形成を容易にするため、正多面体が好ましい。しかし、
極端な鱗片状でない限り、不定形の砥粒を用いても金属
間化合物層2を形成することは十分可能である。超砥粒
1の平均粒径は使用目的によっても異なるが、製造上の
理由から10〜500μm程度、特に20〜200μm
が好ましい。10μm未満では被覆層を形成する際に中
心核となりにくく、500μmを越えると摩擦圧接作用
による被覆が困難になる。
【0017】第1次金属被覆層2は、第2次金属被覆層
であるAl基層3と焼結時に反応してビッカース硬さ4
00kg/mm2以上の硬質金属間化合物を形成する金
属および合金であって、Cr,Cu,Mn,Ta,C
o,Fe,Ni,Ti,Zrより選ばれる1種または2
種以上の金属および合金の1層以上の被覆が好ましい。
第1次金属被覆層2の被覆厚さは1〜30μmが好まし
い。1μmより薄いと焼結時に生成する硬質金属間化合
物層の厚さが薄いため、充分な超砥粒保持力が得られ
ず、また30μmより厚いと焼結時に生成する硬質金属
間化合物が厚くもろくなるため、やはり充分な超砥粒保
持力が得られないとともに研削時に発生した超砥粒中の
熱の放散性が悪くなる。
【0018】上記第2次金属被覆3は、純Alのみなら
ず、Al合金でも良い。Al合金としては、Al−Cu
系、Al−Mn系、Al−Mg系、Al−Mg−Si
系、Al−Zn−Mg系、Al−Sn系が望ましい。上
記のようなAlまたはAl合金は耐摩耗性が比較的低い
ため、砥石にした場合に後述するように上記Al基層3
がチップポケットとなり、超硬等難削材の研削にも適し
た砥石特性が得られる。特にAl−Sn系については潤
滑性を有するため被削材との接触抵抗の低減、焼き付き
防止に効果があり、砥石の発熱防止、被削材の加工損傷
を低減できる。
【0019】さらに、上記硬質の第1次金属被覆層2に
接する層に、Al−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系
合金を被覆し、さらに外方に向かって、Al−Mg系、
Al−Mn系、Al−Cu系、Al−Sn系合金を順次
被覆しても良い。このようにAl基層3を多層状に被覆
すると、砥粒保持力が強く、かつ砥粒間ではその中央程
摩耗が進むため、被削材の研削に適した砥石表面構造が
得られる。
【0020】上記軟質金属よりなる第3次金属被覆層4
は、上記第2次金属被覆層であるAl基層3の表面に生
成するAl酸化皮膜を破壊しつつ被覆され、後述する砥
石化時の焼結性を向上させるものである。上記第3次金
属被覆層4として用いられる金属は、Sn,Ag,P
b,Ge,In,ZnおよびCd等が好ましい。この第
3次金属被覆層4の被覆層厚さは、1〜30μm程度が
望ましい。これは、1μm未満では、焼結時に十分な焼
結助剤の役目を果たさず、30μmを越えると、砥石全
体の強度が低下するためである。
【0021】超砥粒の体積に対する全金属被覆層の体積
割合は1〜20倍が好ましく、また全金属被覆層に占め
る第2次金属被覆層の占有率は50〜93%、第3次金
属被覆層の占有率は5〜48%が好ましい。このような
構成のときにチップポケット形状、保持力、研削抵抗等
において優れた研削特性を示すのである。
【0022】次に、このような複合砥粒5を製造する方
法について説明する。まず、図2に示すようにダイヤモ
ンドやcBN等の超砥粒1の表面に、無電解めっき法を
用いて第1次金属被覆層である薄い金属めっき層2を形
成する。この金属めっき層2はその上に設けられる第2
次金属被覆層であるAl基層3と焼結時に反応すること
により図6に示す硬質の金属間化合物層21を形成する
とともにAl基層3の接合を容易にするためのもので、
その金属種としては、Cu,Ni,Co等が挙げられ
る。またPVD、CVD、電気めっき、無電解めっき等
を組み合わせることにより前記金属および合金の他に、
Cr,Mn,Ta,Fe,Ti,Zrが活用できる。
【0023】金属めっき層2の厚さは、超砥粒1の平均
粒径にもよるが、1〜30μm、特に2〜10μm程度
が超砥粒保持力と耐摩耗性の点から望ましい。Al基層
3の形成の容易さから第1次金属被覆層2の厚さを考え
ると、0.1μm以上の厚さの第1次金属被覆層2が必
要である。更に第1次金属被覆層2については、最初に
無電解Niめっきを施し、次に無電解Cuめっきを施し
て2層被覆とし、焼結時にAlと反応して生成する金属
間化合物が硬いものほど内層に被覆するとより良い。
【0024】次に、こうして得られた金属めっき超砥粒
7上に、Al粉末またはAl合金粉末を摩擦圧接被覆し
た後、さらにSn粉またはCu粉を摩擦圧接被覆する。
上記Al粉末またはAl合金粉末は、平均粒径が0.1
μm以上のものが望ましい。0.1μm未満であると摩
擦圧接作用が充分効率的に作用せず、第2次金属被覆層
の形成に時間が掛るとともに被覆収率が低下する問題が
ある。金属めっき超砥粒7とAl粉またはAl合金粉末
との大きさの関係は、金属めっき超砥粒7の大きさに対
するAl粉末またはAl合金粉末の大きさを1/100
〜1/2にするのが被覆効率の点より望ましい。
【0025】上記の金属めっき超砥粒7上に、Al粉末
またはAl合金粉末、および軟質金属粉例えばSn粉,
Ag粉を順次摩擦圧接被覆するには、図3に示すような
装置を用いる。そしてこれらの粉末に加圧転動運動を加
えることにより、第1次金属被覆層2の上に所望の厚さ
を有する第2次金属被覆層であるAl基層3および第3
次金属被覆層である軟質金属層4を摩擦圧接法によって
形成する。
【0026】図3に示す加圧転動装置の構成を簡単に説
明すると、図中符号10は軸線を水平に設置された円筒
状のドラムであり、軸線を中心として回転される。ドラ
ム10の内部には、軸線に沿って固定シャフト12が配
置され、このシャフト12には下向きに加圧アーム1
3、およびその回転方向後方側の斜め下方に延びる掻き
取りアーム14がそれぞれ固定されている。ドラム10
内に金属めっき超砥粒7と金属粉末17(Al粉末また
はAl合金粉末)を添加した後、蓋(図示せず)で塞ぐ
ことにより、ドラム10内はほぼ密閉される。
【0027】加圧アーム3の下端には、ドラム1の内面
と平行な円弧状をなす加圧板5が固定され、この加圧板
5とドラム1内面との間には、一定の間隙が形成されて
いる。一方、掻き取りアーム4の下端は刃先状に形成さ
れ、ドラム1内面に付着した粉体を掻き落とす構成とな
っている。
【0028】摩擦圧接被覆を行うには、まず、金属めっ
き超砥粒7と金属粉末(Al粉またはAl合金粉末)1
7とを所定の割合でドラム10に入れる。図4は、超砥
粒1に第1次金属被覆層である金属めっき層2を形成し
てなる金属めっき超砥粒7と、金属粉末17の粒子とが
混合された状態を示す拡大図である。
【0029】上記の混合粉末をドラム10に入れて蓋を
した後、ドラム1を回転させると、混合粉体が加圧板5
とドラム10との隙間で加圧され、混合粉体に転動運動
が加わりつつ互いに擦り合わされる。このような粉体同
士の衝突および摩擦によって金属めっき超砥粒7と金属
粉末17との界面に局所的な発熱および衝撃力、延性力
が生じ、金属めっき超砥粒7の表面に金属粉末17が団
子状に固着する。さらにこれら団子状粒子の表面に、隣
接する団子状粒子から力が繰り返し加わることにより、
上記固着層が延びて偏平化し、さらに第1次金属被覆層
2内に練り込まれて互いに結合される。
【0030】またドラム10の内面に付着した粉体は掻
き取りアーム14で粉砕され、未付着の金属粉末17は
再び加圧アーム13で金属めっき超砥粒7の表面上に団
子状に固着される。この作業を一定時間繰り返すことに
より、金属粉末17は金属めっき超砥粒7の表面に順次
摩擦圧接被覆されて被覆層が厚くなり、図5に示すよう
に最終的にはほぼ全量摩擦圧接被覆されて均一な被覆厚
さを有する第2次金属被覆層であるAl基層3となると
ともに球形化が進む。
【0031】次にドラム10内に第3次金属被覆層4を
構成する金属粉末(SnまたはAg等)18を入れ、前
記同様にドラム10を回転させて、図1に示すように、
第2次金属被覆層3上に、SnまたはAg等からなる第
3次金属被覆層である軟質金属層4を形成する。
【0032】上記のような複合砥粒5では、砥粒1に第
1次金属被覆層2を形成する際に主に無電解めっき法を
使用するものの、その厚さは薄いため短時間で済むう
え、その上に厚いAl基層である第2次金属被覆層3を
摩擦圧接法では短時間で形成することができる。従って
厚い被覆層が必要な場合にも、全体としての製造時間を
短縮することができ、生産性を高めて量産を可能とし、
製造コストの低減が図れる。
【0033】またこの摩擦圧接法では、無電解めっき法
が適用できない金属種であるAl基も金属めっき超砥粒
7の外周に被覆形成することができ、金属種の選択の自
由度を高めることが可能であるうえ、これらが設けられ
た複合超砥粒5はほぼ球形になるため流動性が良く、砥
粒製造時の取扱いが容易になる。第3次金属被覆層4の
形成には摩擦圧接法の他、電気めっき、無電解めっき等
が適用できる。また第3次金属被覆層が複層構造になっ
ていても良い。
【0034】次に、上記複合超砥粒5を用いた砥石製造
方法について説明する。この方法では複合超砥粒5を台
金とともに型込めし、圧粉成形および焼結する。する
と、個々の複合超砥粒5中の酸化膜が生じにくい軟質金
属層である第3次金属被覆層4が容易に接合し合うとと
もに各金属被覆層間の相互拡散が進む。その結果、図6
に示すように複合超砥粒5が相互に強固に結合した結合
相が形成され、複合超砥粒5間の境界は消失する。同時
に、個々の超砥粒1はこの結合相中で3次元的にほぼ等
間隔に分散され、台金の砥粒層形成面に砥粒層が形成さ
れる。また、超砥粒1の近傍には硬質の金属間化合物2
1が形成され、その周囲には第2次金属被覆層3と第3
次金属被覆層4とが相互に拡散した、相対的に軟質な結
合相22が形成される。なお、上記圧粉成形および焼結
には、ホットプレス法等も含まれる。成形、焼結の雰囲
気は大気中でも可能であるが、不活性あるいは還元性雰
囲気がより好ましい。
【0035】使用する台金および砥粒層の形状は、従来
実用化されているいかなる形状であっても良い。また、
台金を使用せず、砥石全体が砥粒層のみで構成されてい
る砥石も製造可能である。成形時のプレス条件は従来と
同様で良く、加熱条件は第1次金属被覆層2と第2次金
属被覆層3が反応して硬質の金属間化合物が形成される
温度領域で、全金属被覆層が溶融しない温度領域即ち固
相が少くとも存在する温度領域であれば良い。
【0036】上記のような砥石製造方法によれば、Al
基でかつ個々の超砥粒1が硬質の金属間化合物層21で
支持された砥粒層を容易に形成することができるので、
砥粒保持力が大きい一方、相対的に軟質な結合相22は
容易に摩耗するため、個々の超砥粒1の間の部分に確実
にチップポケットが生じる。また本方法ではAl基への
多量添加の難しいSn,Pb等の潤滑性金属も容易に多
量に添加でき、このため研削抵抗の低減と切れ味の向上
を一層図ることができる。
【0037】従ってこの砥石製造方法によれば、自生発
刃作用(砥粒層が摩耗することによってこの砥粒層の内
部に形成されている砥粒が新たに表面に現れる作用)お
よび切粉排出性に優れた砥石を容易に提供する事ができ
る。
【0038】さらにこの複合超砥粒5を原料として例え
ばストレート型研削砥石を作成すると、砥粒が均一に分
散しているため、研削比、仕上げ面粗さ、刃先形状維持
能力等を向上させることができる。
【0039】またこの砥石では、図6に示すように超砥
粒1同士の間隔が砥粒層の全域に亙ってほぼ等しく、超
砥粒1の分布密度が均一になる。従って超砥粒と結合剤
粉末とを混合する従来の方法に比して、研削面における
超砥粒1の露出密度が均一になるため、研削面の全域に
亙って切れ味が一定になり、良好な被削材面粗さが得ら
れると共に、研削むらや砥石の異常振動が生じにくく、
良好かつ安定した研削機能が得られる。
【0040】また、超砥粒1は硬質な金属間化合物層2
1によって強固に支持されるとともに、超砥粒1間の配
置ピッチが一定であるため、結合相22による超砥粒1
の保持力が均一になるため、超砥粒1の無駄な脱落を防
いで等速的な摩耗となり、砥石寿命の延長が図れる。し
かも上記効果は、超砥粒1の集中度を高めた場合に一層
顕著になる。
【0041】なお、上述した複合超砥粒の製造方法にお
いて、各金属被覆層の形成時に各種フィラーを添加して
も良い。その場合には、成形後の砥石にフィラー種に応
じた機能を付与することが可能である。例えば、第2次
金属被覆層3においてフィラーとしてカーボン粉を金属
粉末17に混合すれば、最終的に得られた砥石を研削に
使用した際に、研削面に徐々にカーボン粉が供給される
ため、潤滑性や超砥粒の自生発刃作用を高めることがで
きる。また、第1次金属被覆層2の一部または全てにS
iCやAl23等の硬質粒子を添加しておけば、個々の
超砥粒1の周囲に形成される金属間化合物21中にフィ
ラーを均一に配置することができるから、成形後の砥石
にそれに基づく機能を効果的に付与することが可能であ
る。
【0042】また、第2次金属被覆層3は、上記だけで
なく、Al基層と添加元素被覆層との多層構造、A
l合金層同士による多層構造、Al合金粉の単層被覆
膜、 〜の組み合わせによる複合化、等に変化さ
せることにより砥石化時点での特性コントロールを容易
に行うことができる。
【0043】なお、上述した方法により製造された複合
超砥粒5の使用方法は、上記のような砥石製造方法に限
定されず、例えば金属、樹脂、ガラス等の各種結合剤と
混合し、従来通りの方法で砥石を成形しても良い。この
場合にも、砥粒層中における超砥粒1の分散性および砥
粒保持力を高めることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明の複合超砥粒
は、超砥粒と接する第1次金属被覆層と、この第1次金
属被覆層上に設けられたAlまたはAl合金からなる第
2次金属被覆層と、この第2次金属被覆層上に設けられ
た軟質金属からなる第3次金属被覆層とを具備する複合
砥粒であって、且つこの複合砥粒の第1次金属被覆層と
第2次金属被覆層が、加熱によりビッカース硬さが40
0kg/mm2以上の硬質金属間化合物を形成するよう
な第1次金属被覆層を有することを特徴としており、ま
た、本発明の砥石製造方法では、第1次金属被覆層とA
lまたはAl合金からなる第2次金属層とを反応させ、
超砥粒の近傍に硬質金属間化合物層を形成することを特
徴としているため、加圧成形によって酸化膜が生じにく
い軟質金属層を容易に接合させることができ、Al基で
かつ個々の砥粒が硬質の金属間化合物層で支持された砥
粒層を容易に形成することができる。このようにして形
成された砥粒層中では、個々の砥粒が硬質の金属間化合
物層で支持されているので、砥粒保持力が大きい一方、
相対的に軟質なAl基部分は容易に摩耗するため、個々
の砥粒の間の部分に確実にチップポケットが生じる。
【0045】従って本発明の複合超砥粒および砥石製造
方法によれば、自生発刃作用(砥粒層が摩耗することに
よってこの砥粒層の内部に形成されている砥粒が新たに
表面に現れる作用)および切粉排出性に優れた軽量な砥
石を容易に提供する事ができる。
【0046】さらに本発明の複合超砥粒を原料として例
えばストレート型研削砥石を作成すると、砥粒が均一に
分散しているため、研削比、仕上げ面粗さ、刃先形状維
持能力等を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合超砥粒の一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】金属めっき超砥粒を示す断面図である。
【図3】本発明の砥石製造方法に使用される装置の説明
図である。
【図4】回転転動前運動前の金属めっき超砥粒と金属粉
末の混合状態を示す拡大図である。
【図5】本発明の砥石製造方法を説明するための工程図
である。
【図6】複合超砥粒を使用した砥粒層を示す組織図であ
る。
【符号の説明】
1 超砥粒 2 第1次金属被覆層 3 第2次金属被覆層 4 第3次金属被覆層 5 複合超砥粒

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタルボンド超砥粒砥石用の超砥粒にお
    いて、超砥粒と接する第1次金属被覆層と、この第1次
    金属被覆層上に設けられたAlまたはAl合金からなる
    第2次金属被覆層と、この第2次金属被覆層上に設けら
    れた軟質金属からなる第3次金属被覆層とを具備する複
    合砥粒であって、且つこの複合砥粒の第1次金属被覆層
    と第2次金属被覆層が、加熱によりビッカース硬さが4
    00kg/mm2以上の硬質金属間化合物を形成するよ
    うな第1次金属被覆層を有することを特徴とする複合超
    砥粒。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の第1次金属被覆層を形成
    する金属が、Cr,Cu,Mn,Ta,Co,Fe,N
    i,TiおよびZrより選ばれる1種または2種以上の
    金属および合金であることを特徴とする請求項1記載の
    複合超砥粒。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の第3次金属被覆層を形成
    する金属が、Ag,Pb,Sn,Ge,In,Znおよ
    びCdから選ばれることを特徴とする請求項1記載の複
    合超砥粒。
  4. 【請求項4】 請求項1,2および3記載の複合超砥粒
    を加圧焼結して砥粒層を形成する方法において、第1次
    金属被覆層とAlまたはAl合金からなる第2次金属被
    覆層とを反応させ、超砥粒の近傍に硬質金属間化合物層
    を形成することを特徴とする砥石製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1995009069A1 (en) * 1993-09-29 1995-04-06 Norton Company Improved metal bond and metal abrasive articles
JP2003510193A (ja) * 1999-09-24 2003-03-18 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 酸素スカベンジャー金属を含有する融合研磨体

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