JP3052603B2 - 多孔質メタルボンド砥石 - Google Patents
多孔質メタルボンド砥石Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気孔率の高い多孔質メ
タルボンド砥石に係わり、特に、砥石寿命および切れ味
を高めるための改良に関する。
タルボンド砥石に係わり、特に、砥石寿命および切れ味
を高めるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なメタルボンド砥石は、粉末状の
金属結合剤に砥粒を均一に混合し、得られた混合粉末を
台金とともに型込めした後、これらを圧粉成形および焼
結(あるいはホットプレス)して製造されるものである
が、砥石の切粉排出性を高めるには、砥粒層中に微細な
気孔を形成すると有効であることが知られている。砥粒
層の気孔率を高めると、砥粒層表面に多数の気孔が開口
し、これら気孔が研削によって生じた切粉を順次排出し
て目詰まりを防ぐうえ、研削液が気孔に入って砥粒層の
冷却効率を高め、砥石の過熱を防ぐ効果も得られる。
金属結合剤に砥粒を均一に混合し、得られた混合粉末を
台金とともに型込めした後、これらを圧粉成形および焼
結(あるいはホットプレス)して製造されるものである
が、砥石の切粉排出性を高めるには、砥粒層中に微細な
気孔を形成すると有効であることが知られている。砥粒
層の気孔率を高めると、砥粒層表面に多数の気孔が開口
し、これら気孔が研削によって生じた切粉を順次排出し
て目詰まりを防ぐうえ、研削液が気孔に入って砥粒層の
冷却効率を高め、砥石の過熱を防ぐ効果も得られる。
【0003】上記のようにメタルボンド砥粒層を多孔質
化する方法として、従来は、金属結合剤と砥粒の混合粉
末を成形する際の圧力を通常よりも低く抑え、さらに焼
結温度を通常よりも若干低く設定して金属結合剤の自己
焼結作用を抑制し、気孔を残す方法が採られている。
化する方法として、従来は、金属結合剤と砥粒の混合粉
末を成形する際の圧力を通常よりも低く抑え、さらに焼
結温度を通常よりも若干低く設定して金属結合剤の自己
焼結作用を抑制し、気孔を残す方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の製造方
法では、比重の異なる結合剤と砥粒とを均一に混合する
ことが困難であるから、得られた砥粒層の内部で砥粒が
均一に分布しない。また、混合粉末の流動性はあまり高
くないから、成形時の加圧力が部分的に不均一になるこ
とが避けられず、気孔の分布密度も不均一になるととも
に、連通気孔の形成が不可能である。したがって、従来
法により得られた多孔質砥粒層は、部分的な研削性能の
ばらつきが大きく、安定した研削が難しいうえ、この傾
向は気孔率を高めるほど顕著になる。また、多孔質砥粒
層中で気孔に隣接した砥粒は、結合相による保持力が相
対的に弱くなるため、脱落しやすく、研削に寄与しな
い。しかも、脱落しやすい砥粒の存在割合は、気孔率を
高めると著しく増大する。一方、気孔を有しないメタル
ボンド砥石は自生発刃性が悪く、切れ味が劣り、被削材
に対する加工損傷が大きい問題があった。
法では、比重の異なる結合剤と砥粒とを均一に混合する
ことが困難であるから、得られた砥粒層の内部で砥粒が
均一に分布しない。また、混合粉末の流動性はあまり高
くないから、成形時の加圧力が部分的に不均一になるこ
とが避けられず、気孔の分布密度も不均一になるととも
に、連通気孔の形成が不可能である。したがって、従来
法により得られた多孔質砥粒層は、部分的な研削性能の
ばらつきが大きく、安定した研削が難しいうえ、この傾
向は気孔率を高めるほど顕著になる。また、多孔質砥粒
層中で気孔に隣接した砥粒は、結合相による保持力が相
対的に弱くなるため、脱落しやすく、研削に寄与しな
い。しかも、脱落しやすい砥粒の存在割合は、気孔率を
高めると著しく増大する。一方、気孔を有しないメタル
ボンド砥石は自生発刃性が悪く、切れ味が劣り、被削材
に対する加工損傷が大きい問題があった。
【0005】上記のように、従来の多孔質メタルボンド
砥石では、気孔率を高めると必然的に研削性能が不安定
になり、無駄に脱落する砥粒も多くなるため、実用的に
は、気孔率の上限が10vol%程度に限られており、
期待するほどの切粉排出性および冷却性の向上効果は得
られていないのが現状である。
砥石では、気孔率を高めると必然的に研削性能が不安定
になり、無駄に脱落する砥粒も多くなるため、実用的に
は、気孔率の上限が10vol%程度に限られており、
期待するほどの切粉排出性および冷却性の向上効果は得
られていないのが現状である。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、砥粒および気孔の分布を均一としたまま気孔率を高
めることにより、砥石寿命および切粉排出性等の各種研
削特性を向上することを課題としている。
で、砥粒および気孔の分布を均一としたまま気孔率を高
めることにより、砥石寿命および切粉排出性等の各種研
削特性を向上することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る多
孔質メタルボンド砥石は、砥粒の表面に予め金属めっき
層を形成してなるめっき砥粒を、これらめっき砥粒より
平均粒径が小さい金属結合剤粉末と混合して加圧転動運
動を加え、機械的な摩擦圧接作用により前記金属めっき
層上に金属粉末を圧着させて圧着被覆層を形成した後、
得られた金属被覆砥粒を圧粉成形および焼結、あるいは
ホットプレスすることにより、気孔率3〜40%の多孔
質砥粒層を形成してなることを特徴としている。また、
本願の請求項2に係る多孔質メタルボンド砥石は、砥粒
の表面に予め金属めっき層を形成してなるめっき砥粒
を、これらめっき砥粒より平均粒径が小さい金属結合剤
粉末と混合して加圧転動運動を加え、機械的な摩擦圧接
作用により前記金属めっき層上に金属粉末を圧着させて
圧着被覆層を形成した後、得られた金属被覆砥粒を圧粉
成形し、この圧粉成形体を酸化性雰囲気下で予備加熱し
て個々の金属被覆砥粒の圧着被覆層の露出面に酸化膜を
形成し、その後、非酸化性雰囲気下で本加熱することに
より、前記酸化膜によって自己焼結を抑制しつつ、気孔
率3〜40%の多孔質砥粒層を形成してなることを特徴
としている。また、本願の請求項3に係る多孔質メタル
ボンド砥石は、前記圧着被覆層を構成する金属として、
前記金属めっき層を構成する金属よりも軟質な材質を使
用することを特徴としている。また、本願の請求項4に
係る多孔質メタルボンド砥石は、砥粒の表面に予め金属
めっき層を形成してなるめっき砥粒を、これらめっき砥
粒より平均粒径が小さい金属結合剤粉末と混合して加圧
転動運動を加え、機械的な摩擦圧接作用により前記金属
めっき層上に金属粉末を圧着させて圧着被覆層を形成し
た後、得られた金属被覆砥粒を圧粉成形および焼結、あ
るいはホットプレスすることにより、気孔率3〜40%
の多孔質砥粒層を形成してなり、前記多孔質砥粒層は、
互いにほぼ均等な間隔を空けて3次元的に配置された砥
粒と、これら砥粒を保持する金属結合相とからなり、こ
の金属結合相は、個々の砥粒の外周をそれぞれ球殻状に
包囲するほぼ一定径の球殻状部分を有するとともに、隣
接しあう球殻状部分が互いの接触面で連続し、これによ
り前記金属結合相の内部には、多孔質砥粒層全域に 亙っ
て3次元編目状に広がる連続気孔が形成され、前記多孔
質砥粒層の気孔率は3〜40%とされ、前記球殻状部分
の平均外径は、前記砥粒の平均粒径の1.2〜4倍とさ
れていることを特徴としている。
孔質メタルボンド砥石は、砥粒の表面に予め金属めっき
層を形成してなるめっき砥粒を、これらめっき砥粒より
平均粒径が小さい金属結合剤粉末と混合して加圧転動運
動を加え、機械的な摩擦圧接作用により前記金属めっき
層上に金属粉末を圧着させて圧着被覆層を形成した後、
得られた金属被覆砥粒を圧粉成形および焼結、あるいは
ホットプレスすることにより、気孔率3〜40%の多孔
質砥粒層を形成してなることを特徴としている。また、
本願の請求項2に係る多孔質メタルボンド砥石は、砥粒
の表面に予め金属めっき層を形成してなるめっき砥粒
を、これらめっき砥粒より平均粒径が小さい金属結合剤
粉末と混合して加圧転動運動を加え、機械的な摩擦圧接
作用により前記金属めっき層上に金属粉末を圧着させて
圧着被覆層を形成した後、得られた金属被覆砥粒を圧粉
成形し、この圧粉成形体を酸化性雰囲気下で予備加熱し
て個々の金属被覆砥粒の圧着被覆層の露出面に酸化膜を
形成し、その後、非酸化性雰囲気下で本加熱することに
より、前記酸化膜によって自己焼結を抑制しつつ、気孔
率3〜40%の多孔質砥粒層を形成してなることを特徴
としている。また、本願の請求項3に係る多孔質メタル
ボンド砥石は、前記圧着被覆層を構成する金属として、
前記金属めっき層を構成する金属よりも軟質な材質を使
用することを特徴としている。また、本願の請求項4に
係る多孔質メタルボンド砥石は、砥粒の表面に予め金属
めっき層を形成してなるめっき砥粒を、これらめっき砥
粒より平均粒径が小さい金属結合剤粉末と混合して加圧
転動運動を加え、機械的な摩擦圧接作用により前記金属
めっき層上に金属粉末を圧着させて圧着被覆層を形成し
た後、得られた金属被覆砥粒を圧粉成形および焼結、あ
るいはホットプレスすることにより、気孔率3〜40%
の多孔質砥粒層を形成してなり、前記多孔質砥粒層は、
互いにほぼ均等な間隔を空けて3次元的に配置された砥
粒と、これら砥粒を保持する金属結合相とからなり、こ
の金属結合相は、個々の砥粒の外周をそれぞれ球殻状に
包囲するほぼ一定径の球殻状部分を有するとともに、隣
接しあう球殻状部分が互いの接触面で連続し、これによ
り前記金属結合相の内部には、多孔質砥粒層全域に 亙っ
て3次元編目状に広がる連続気孔が形成され、前記多孔
質砥粒層の気孔率は3〜40%とされ、前記球殻状部分
の平均外径は、前記砥粒の平均粒径の1.2〜4倍とさ
れていることを特徴としている。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】本発明の多孔質メタルボンド砥石によれば、個
々の砥粒の間隔が球殻状部分の厚さで規定されるため、
砥粒の分布が従来の砥石に比して均一で、気孔率を高く
した場合にも切れ味のばらつきが少ない。また、個々の
砥粒の外周を球殻状部分により完全に包囲して各球殻状
部分を連結したうえ、これら球殻状部分の間に気孔を形
成しているから、気孔率が高くても球殻状部分により砥
粒保持力を高く確保することができる。したがって、切
れ味のばらつきおよび砥粒脱落頻度の増大を防ぎつつ、
気孔率を高めることができ、良好な切粉排出性および冷
却性を得ることができる。
々の砥粒の間隔が球殻状部分の厚さで規定されるため、
砥粒の分布が従来の砥石に比して均一で、気孔率を高く
した場合にも切れ味のばらつきが少ない。また、個々の
砥粒の外周を球殻状部分により完全に包囲して各球殻状
部分を連結したうえ、これら球殻状部分の間に気孔を形
成しているから、気孔率が高くても球殻状部分により砥
粒保持力を高く確保することができる。したがって、切
れ味のばらつきおよび砥粒脱落頻度の増大を防ぎつつ、
気孔率を高めることができ、良好な切粉排出性および冷
却性を得ることができる。
【0013】また、気孔率の存在量、分布が厳密に制御
されるため、気孔率の割合を適宜変えることにより、メ
タルボンドの摩耗速度、即ち、砥粒層の自生発刃速度が
制御でき、被削材に最適な砥石を気孔率の制御のみによ
って得ることが可能である。
されるため、気孔率の割合を適宜変えることにより、メ
タルボンドの摩耗速度、即ち、砥粒層の自生発刃速度が
制御でき、被削材に最適な砥石を気孔率の制御のみによ
って得ることが可能である。
【0014】また、金属被覆砥粒はほぼ球形かつ表面が
滑らかで流動性に優れるから、加圧成形時に成形品の内
部全域に亙って圧力を均一化でき、これにより、成形品
の気孔率を内部全域に亙ってほぼ均一化することが可能
である。また、個々の砥粒の配置間隔は、圧着被覆層の
厚さにより規定されるため、砥粒層の全域に亙って砥粒
の分布密度が均一になる。したがって、砥粒および結合
剤粉末を混合する従来の製造方法に比して、研削面にお
ける砥粒および気孔の露出密度がいずれも均一になり、
良好な切れ味を有する多孔質メタルボンド砥石が製造で
きる。
滑らかで流動性に優れるから、加圧成形時に成形品の内
部全域に亙って圧力を均一化でき、これにより、成形品
の気孔率を内部全域に亙ってほぼ均一化することが可能
である。また、個々の砥粒の配置間隔は、圧着被覆層の
厚さにより規定されるため、砥粒層の全域に亙って砥粒
の分布密度が均一になる。したがって、砥粒および結合
剤粉末を混合する従来の製造方法に比して、研削面にお
ける砥粒および気孔の露出密度がいずれも均一になり、
良好な切れ味を有する多孔質メタルボンド砥石が製造で
きる。
【0015】また、隣合う砥粒間の略中央に気孔が存在
するため、砥粒間の中央部での摩耗が進みやすく、気孔
と相俟ってより良好なチップポケットが研削とともに生
じ、良好な切れ味の持続性が得られる。
するため、砥粒間の中央部での摩耗が進みやすく、気孔
と相俟ってより良好なチップポケットが研削とともに生
じ、良好な切れ味の持続性が得られる。
【0016】また、圧粉成形と焼結の間に、酸化性雰囲
気下で成形体を加熱することにより、成形体の気孔内面
に薄い酸化膜を形成し、焼結時に圧着被覆層の自己焼結
が進行して気孔が塞がる現象を予防でき、いっそうの高
気孔率化が図れる。
気下で成形体を加熱することにより、成形体の気孔内面
に薄い酸化膜を形成し、焼結時に圧着被覆層の自己焼結
が進行して気孔が塞がる現象を予防でき、いっそうの高
気孔率化が図れる。
【0017】
【実施例】次に、本発明に係る多孔質メタルボンド砥石
の実施例を順に説明する。図1は、多孔質メタルボンド
砥石の一実施例の砥粒層を示す断面拡大図である。この
砥粒層は、図示しない砥石基体の砥粒層形成面に形成さ
れるか、あるいはそれ自体が砥石形状に成形されて砥石
とされている。本発明において砥石形状は任意でよく、
従来から使用されているいかなる砥石形状も実施可能で
ある。
の実施例を順に説明する。図1は、多孔質メタルボンド
砥石の一実施例の砥粒層を示す断面拡大図である。この
砥粒層は、図示しない砥石基体の砥粒層形成面に形成さ
れるか、あるいはそれ自体が砥石形状に成形されて砥石
とされている。本発明において砥石形状は任意でよく、
従来から使用されているいかなる砥石形状も実施可能で
ある。
【0018】この砥粒層は、互いにほぼ均等な間隔を空
けて3次元的に配置された砥粒1と、これら砥粒1を保
持する金属結合相4とから構成されている。金属結合相
4は、個々の砥粒1の外周を球殻状に包囲する球殻状部
分6を有し、隣接しあう球殻状部分6は、互いの接触部
位において連続している。これにより、砥粒層の内部に
は、各球殻状部分6の周囲の空隙が連通しあい、砥粒層
全域に亙って3次元編目状に広がった連続気孔5が形成
されている。なお、砥粒1としては、ダイヤモンドやC
BN等の超砥粒のみならず、SiC、Al2O3等の一般
砥粒も使用可能である。
けて3次元的に配置された砥粒1と、これら砥粒1を保
持する金属結合相4とから構成されている。金属結合相
4は、個々の砥粒1の外周を球殻状に包囲する球殻状部
分6を有し、隣接しあう球殻状部分6は、互いの接触部
位において連続している。これにより、砥粒層の内部に
は、各球殻状部分6の周囲の空隙が連通しあい、砥粒層
全域に亙って3次元編目状に広がった連続気孔5が形成
されている。なお、砥粒1としては、ダイヤモンドやC
BN等の超砥粒のみならず、SiC、Al2O3等の一般
砥粒も使用可能である。
【0019】金属結合剤相4は、個々の超砥粒1の外周
面に直接形成された金属めっき層2と、この金属めっき
層2の外周に形成された圧着被覆層3とから構成されて
いる。ただし、これらの層2,3は図示のように明確に
分かれているのではなく、焼結により相互拡散しあい、
明確な境界面は実際には存在しない場合もある。
面に直接形成された金属めっき層2と、この金属めっき
層2の外周に形成された圧着被覆層3とから構成されて
いる。ただし、これらの層2,3は図示のように明確に
分かれているのではなく、焼結により相互拡散しあい、
明確な境界面は実際には存在しない場合もある。
【0020】前記金属めっき層2は、圧着被覆層3と超
砥粒1との接合性を高めるために形成されたもので、無
電解めっき法により超砥粒1の外周面に形成するのが最
も容易であり好ましい。金属めっき層2の材質として
は、Cu,Ni,Co,Ag等のように無電解めっき法
により形成しやすい金属が選択される。無電解めっき後
に、電気めっきを施し、金属めっき層2を厚くしても良
い。
砥粒1との接合性を高めるために形成されたもので、無
電解めっき法により超砥粒1の外周面に形成するのが最
も容易であり好ましい。金属めっき層2の材質として
は、Cu,Ni,Co,Ag等のように無電解めっき法
により形成しやすい金属が選択される。無電解めっき後
に、電気めっきを施し、金属めっき層2を厚くしても良
い。
【0021】圧着被覆層3の材質としては、Cu,S
n,Ag,Co,Fe,Zn,Ni等が例示できるが、
これら以外の金属種でも、後述する摩擦圧接条件を適正
に設定することにより使用可能である。また、この圧着
被覆層3の内部に、炭化ホウ素(BC),ウィスカー等
のフィラーを分散させ、金属結合相4の強度を高めても
よい。
n,Ag,Co,Fe,Zn,Ni等が例示できるが、
これら以外の金属種でも、後述する摩擦圧接条件を適正
に設定することにより使用可能である。また、この圧着
被覆層3の内部に、炭化ホウ素(BC),ウィスカー等
のフィラーを分散させ、金属結合相4の強度を高めても
よい。
【0022】砥粒層の気孔率は3〜40vol%、より
好ましくは5〜30vol%とされる。気孔率3vol
%未満では切粉排出性および冷却性向上効果が低下した
り、メタルボンドの摩耗速度の増大率が小さく、自生発
刃性や切れ味の向上効果が小さい。一方、40vol%
より大では砥粒層の強度が低下し、重研削に耐えなくな
る。球殻状部分6の平均外径は、砥粒1の平均粒径の
1.2〜4倍とされることが好ましい。1.2倍未満で
は砥粒保持力が不足して無駄な砥粒脱落が多くなり、4
倍より大では、砥粒の分布密度が低下して研削能力が低
下し、切れ味が低下する。
好ましくは5〜30vol%とされる。気孔率3vol
%未満では切粉排出性および冷却性向上効果が低下した
り、メタルボンドの摩耗速度の増大率が小さく、自生発
刃性や切れ味の向上効果が小さい。一方、40vol%
より大では砥粒層の強度が低下し、重研削に耐えなくな
る。球殻状部分6の平均外径は、砥粒1の平均粒径の
1.2〜4倍とされることが好ましい。1.2倍未満で
は砥粒保持力が不足して無駄な砥粒脱落が多くなり、4
倍より大では、砥粒の分布密度が低下して研削能力が低
下し、切れ味が低下する。
【0023】上記構成からなる多孔質メタルボンド砥石
によれば、個々の砥粒1の間隔が球殻状部分6の肉厚で
規定されているため、砥粒1の分布が従来の砥石に比し
て均一で、気孔率を高くした場合にも砥粒1の分布が不
均一になることはなく、切れ味のばらつきが生じにく
い。また、個々の砥粒1の外周を球殻状部分6により完
全に包囲して支持するとともに各球殻状部分6を連結
し、これら球殻状部分6の間に連続気孔5を形成してい
るから、気孔率が高くても高い砥粒保持力とボンド強度
を得ることができる。
によれば、個々の砥粒1の間隔が球殻状部分6の肉厚で
規定されているため、砥粒1の分布が従来の砥石に比し
て均一で、気孔率を高くした場合にも砥粒1の分布が不
均一になることはなく、切れ味のばらつきが生じにく
い。また、個々の砥粒1の外周を球殻状部分6により完
全に包囲して支持するとともに各球殻状部分6を連結
し、これら球殻状部分6の間に連続気孔5を形成してい
るから、気孔率が高くても高い砥粒保持力とボンド強度
を得ることができる。
【0024】したがって、切れ味のばらつきおよび砥粒
脱落頻度の増大を防ぎつつも気孔率を高めることがで
き、良好な切粉排出性を得ることができる。しかも、気
孔率の割合を被削材毎に最適化することにより、ボンド
の摩耗速度の最適化が図れ、耐摩耗で表わされる寿命と
切れ味である自生発刃性の両立を達成することができ
る。
脱落頻度の増大を防ぎつつも気孔率を高めることがで
き、良好な切粉排出性を得ることができる。しかも、気
孔率の割合を被削材毎に最適化することにより、ボンド
の摩耗速度の最適化が図れ、耐摩耗で表わされる寿命と
切れ味である自生発刃性の両立を達成することができ
る。
【0025】また、前記連続気孔5は砥粒層の全域に亙
って連続しているため、研削液が砥粒層の内部まで進入
することができ、砥粒層の冷却性が高いうえ、砥粒層を
通して研削液を供給する用途にも使用可能である。
って連続しているため、研削液が砥粒層の内部まで進入
することができ、砥粒層の冷却性が高いうえ、砥粒層を
通して研削液を供給する用途にも使用可能である。
【0026】さらに、上記砥石では、砥粒1の外周を金
属めっき層2で被覆したうえ、そのうえに圧着被覆層3
を形成しているので、これらの層2,3を焼結時に硬質
の金属間化合物を形成する物質で形成しておくことによ
り、層2,3の界面に硬質の金属間化合物層を形成する
ことができ、この金属間化合物層により砥粒保持力をさ
らに高めることが可能となる。具体的な組み合せとして
は、Cu−Sn,Cu−Ti,Ni−Sn,Ti−N
i,Cu−Zn,Ni−Al,Al−Cuなどが好適で
ある。
属めっき層2で被覆したうえ、そのうえに圧着被覆層3
を形成しているので、これらの層2,3を焼結時に硬質
の金属間化合物を形成する物質で形成しておくことによ
り、層2,3の界面に硬質の金属間化合物層を形成する
ことができ、この金属間化合物層により砥粒保持力をさ
らに高めることが可能となる。具体的な組み合せとして
は、Cu−Sn,Cu−Ti,Ni−Sn,Ti−N
i,Cu−Zn,Ni−Al,Al−Cuなどが好適で
ある。
【0027】次に、上記砥石の製造方法の実施例を説明
する。この方法ではまず、無電解めっき法等により砥粒
1の外周に金属めっき層2を形成してめっき砥粒を得
る。金属めっき層2の厚さは、砥粒平均粒径にもよるが
0.1〜20μm、特に1〜5μm程度が望ましい。
0.1μmより薄いと圧着被覆層3の形成が困難にな
り、他方20μmより厚くすると、無電解めっきに要す
る時間が増すのみで生産性が低下する。
する。この方法ではまず、無電解めっき法等により砥粒
1の外周に金属めっき層2を形成してめっき砥粒を得
る。金属めっき層2の厚さは、砥粒平均粒径にもよるが
0.1〜20μm、特に1〜5μm程度が望ましい。
0.1μmより薄いと圧着被覆層3の形成が困難にな
り、他方20μmより厚くすると、無電解めっきに要す
る時間が増すのみで生産性が低下する。
【0028】砥粒1の形状は、後述する加圧攪拌中の砥
粒1の転がり性を向上し、圧着被覆層3の均一形成を容
易にするため、球状に近い方が好ましい。しかし、極端
な鱗片状でない限り、不定形の砥粒を用いても圧着被覆
層は十分形成可能である。砥粒1の平均粒径は使用目的
によっても異なるが、製造上の理由から1〜500μm
程度、特に20〜200μmが好ましい。1μm未満で
は圧着被覆層3を形成する際に中心核となりにくく、5
00μmより大では摩擦圧接作用による被覆が困難にな
る。
粒1の転がり性を向上し、圧着被覆層3の均一形成を容
易にするため、球状に近い方が好ましい。しかし、極端
な鱗片状でない限り、不定形の砥粒を用いても圧着被覆
層は十分形成可能である。砥粒1の平均粒径は使用目的
によっても異なるが、製造上の理由から1〜500μm
程度、特に20〜200μmが好ましい。1μm未満で
は圧着被覆層3を形成する際に中心核となりにくく、5
00μmより大では摩擦圧接作用による被覆が困難にな
る。
【0029】次に、得られためっき砥粒を金属結合剤粉
末と混合し、図2に示すような装置を用いて混合粉末に
加圧転動運動を加え、金属めっき層2の上に所望の厚さ
を有する圧着被覆層3を摩擦圧接法によって形成する。
末と混合し、図2に示すような装置を用いて混合粉末に
加圧転動運動を加え、金属めっき層2の上に所望の厚さ
を有する圧着被覆層3を摩擦圧接法によって形成する。
【0030】図2に示す加圧転動装置の構成を説明する
と、図中符号10は軸線を水平にして設置された円筒状
のドラムであり、軸線を中心として駆動器により回転さ
れる。ドラム10の内部には、軸線に沿って固定シャフ
ト11が配置され、このシャフト11には下向きに加圧
アーム12、およびその回転方向後方側の斜め下方に延
びる掻き取りアーム13がそれぞれ固定されている。ド
ラム10内にめっき砥粒と金属結合剤粉末を投入した
後、蓋(図示略)で塞ぐことにより、ドラム10内はほ
ぼ密閉される。
と、図中符号10は軸線を水平にして設置された円筒状
のドラムであり、軸線を中心として駆動器により回転さ
れる。ドラム10の内部には、軸線に沿って固定シャフ
ト11が配置され、このシャフト11には下向きに加圧
アーム12、およびその回転方向後方側の斜め下方に延
びる掻き取りアーム13がそれぞれ固定されている。ド
ラム10内にめっき砥粒と金属結合剤粉末を投入した
後、蓋(図示略)で塞ぐことにより、ドラム10内はほ
ぼ密閉される。
【0031】加圧アーム12の下端には、ドラム10の
内面と平行な円弧状をなす加圧板14が固定され、この
加圧板14とドラム10内面との間には、一定の間隙が
形成されている。一方、掻き取りアーム13の下端は刃
先状に形成され、ドラム10内面に付着した粉体を掻き
落とす構成となっている。
内面と平行な円弧状をなす加圧板14が固定され、この
加圧板14とドラム10内面との間には、一定の間隙が
形成されている。一方、掻き取りアーム13の下端は刃
先状に形成され、ドラム10内面に付着した粉体を掻き
落とす構成となっている。
【0032】圧着被覆を行なうには、めっき砥粒と金属
結合剤粉末とを所定の割合でドラム10に入れる。図2
は、砥粒1に金属めっき層2を形成しためっき砥粒と、
金属結合剤粉末3Aとが混合された状態を示す拡大図で
ある。
結合剤粉末とを所定の割合でドラム10に入れる。図2
は、砥粒1に金属めっき層2を形成しためっき砥粒と、
金属結合剤粉末3Aとが混合された状態を示す拡大図で
ある。
【0033】使用する金属粉末3Aの平均粒径は0.1
〜50μm、かつめっき砥粒の平均粒径の1〜30%程
度であることが望ましい。0.1μm未満あるいは1%
未満では金属粉末3Aの粒子数が相対的に大きくなるた
め、金属粉末に圧力がかかりにくくなり、被覆作用に優
先して金属粉末3A同士の凝集が起こり、圧着被覆層3
の形成が困難である。逆に、50μmより大あるいは3
0%より大では、めっき砥粒が中心核になりにくく、金
属粉末3A同士の圧着凝集が優先的に起こり、めっき砥
粒への被覆が行なわれず、好ましくない。
〜50μm、かつめっき砥粒の平均粒径の1〜30%程
度であることが望ましい。0.1μm未満あるいは1%
未満では金属粉末3Aの粒子数が相対的に大きくなるた
め、金属粉末に圧力がかかりにくくなり、被覆作用に優
先して金属粉末3A同士の凝集が起こり、圧着被覆層3
の形成が困難である。逆に、50μmより大あるいは3
0%より大では、めっき砥粒が中心核になりにくく、金
属粉末3A同士の圧着凝集が優先的に起こり、めっき砥
粒への被覆が行なわれず、好ましくない。
【0034】なお、金属粉末3Aとしては、金属めっき
層2を構成する金属よりも柔軟な材質を少なくとも一部
選択することが好ましい。その方が、圧着被覆時にめっ
き砥粒の金属めっき層のせん断剥離が起こりにくいとと
もに、これら金属粉末3Aがめっき砥粒に固着しやす
く、圧着被覆層3の形成が容易に行なえる。また、金属
粉末3Aとしては、単一種の金属を使用するだけでな
く、2種以上の金属粉末を混合して使用することも可能
である。
層2を構成する金属よりも柔軟な材質を少なくとも一部
選択することが好ましい。その方が、圧着被覆時にめっ
き砥粒の金属めっき層のせん断剥離が起こりにくいとと
もに、これら金属粉末3Aがめっき砥粒に固着しやす
く、圧着被覆層3の形成が容易に行なえる。また、金属
粉末3Aとしては、単一種の金属を使用するだけでな
く、2種以上の金属粉末を混合して使用することも可能
である。
【0035】めっき砥粒と金属粉末3Aとの混合比は、
形成すべき圧着被覆層3の厚さに応じて決定されるが、
効率良く圧着被覆層3を形成するには、粉末の体積比
で、以下の範囲に設定することが望ましい。 めっき砥粒量: 金属粉末量=100: 1〜1:1 1回の圧接被覆では被覆厚さが足りない場合には、途中
で金属粉末3Aを追加して圧着被覆を続行すればよい。
形成すべき圧着被覆層3の厚さに応じて決定されるが、
効率良く圧着被覆層3を形成するには、粉末の体積比
で、以下の範囲に設定することが望ましい。 めっき砥粒量: 金属粉末量=100: 1〜1:1 1回の圧接被覆では被覆厚さが足りない場合には、途中
で金属粉末3Aを追加して圧着被覆を続行すればよい。
【0036】上記の混合粉末をドラム10に入れて蓋を
した後、ドラム10を回転させると、混合粉体が加圧板
14とドラム10の隙間で加圧され、混合粉体に転動運
動が加わりつつ互いに擦り合わされる。このような粒子
同士の衝突および摩擦によって各粒子の界面に局所的な
発熱および衝撃力、延性力が生じ、めっき砥粒の表面に
金属粉末3Aが団子状に固着する。さらにこれら団子状
粒子の表面に、隣接する団子状粒子から力が繰返し加わ
ることにより、前記固着した層が延びて偏平化し、さら
に金属めっき層2に練り込まれて互いに結合される。
した後、ドラム10を回転させると、混合粉体が加圧板
14とドラム10の隙間で加圧され、混合粉体に転動運
動が加わりつつ互いに擦り合わされる。このような粒子
同士の衝突および摩擦によって各粒子の界面に局所的な
発熱および衝撃力、延性力が生じ、めっき砥粒の表面に
金属粉末3Aが団子状に固着する。さらにこれら団子状
粒子の表面に、隣接する団子状粒子から力が繰返し加わ
ることにより、前記固着した層が延びて偏平化し、さら
に金属めっき層2に練り込まれて互いに結合される。
【0037】ドラム10の内面に付着した粉体は掻き取
りアーム13で粉砕され、未付着の金属粉末3Aは再び
加圧アーム12でめっき砥粒の表面に団子状に固着され
る。この作業を一定時間繰り返すことにより、金属粉末
3Aはめっき砥粒の表面に順次圧着被覆され、最終的に
はほぼ全量が被覆されて、ほぼ均一な被覆厚さを有す
る、球殻状の圧着被覆層3が形成される。
りアーム13で粉砕され、未付着の金属粉末3Aは再び
加圧アーム12でめっき砥粒の表面に団子状に固着され
る。この作業を一定時間繰り返すことにより、金属粉末
3Aはめっき砥粒の表面に順次圧着被覆され、最終的に
はほぼ全量が被覆されて、ほぼ均一な被覆厚さを有す
る、球殻状の圧着被覆層3が形成される。
【0038】次に、こうして得られた金属被覆砥粒をプ
レス型内に充填し、圧粉成形および焼結、あるいはホッ
トプレスする。いずれの場合も、加圧力は、成形体内に
所望量の気孔が残存するように予備実験により適宜設定
すべきである。具体的には、金属結合相の材質によって
も異なるが、冷間プレスおよび焼結する場合には、加圧
力を0.3〜20t/cm2、焼結条件は250〜80
0℃×30分間以上とすることが好ましい。また、ホッ
トプレスする場合には、加圧力50〜500kgf/c
m2で、250〜800℃×3分間以上が好ましい。も
しくは、当たり止め方式のプレスを行って気孔率を制御
するのが望ましい。
レス型内に充填し、圧粉成形および焼結、あるいはホッ
トプレスする。いずれの場合も、加圧力は、成形体内に
所望量の気孔が残存するように予備実験により適宜設定
すべきである。具体的には、金属結合相の材質によって
も異なるが、冷間プレスおよび焼結する場合には、加圧
力を0.3〜20t/cm2、焼結条件は250〜80
0℃×30分間以上とすることが好ましい。また、ホッ
トプレスする場合には、加圧力50〜500kgf/c
m2で、250〜800℃×3分間以上が好ましい。も
しくは、当たり止め方式のプレスを行って気孔率を制御
するのが望ましい。
【0039】より具体的に、例えば金属めっき層2をC
u、圧着被覆層3をCu,Snで形成した場合、冷間プ
レスおよび焼結により多孔質砥粒層を形成するには、加
圧力:0.5〜5t/cm2、焼結条件:350〜60
0℃×30分間以上とすることが好ましい。同様にホッ
トプレスする場合には、加圧力:50〜400kgf/
cm2、加熱保持:350〜600℃×30分間以上が
好ましい。
u、圧着被覆層3をCu,Snで形成した場合、冷間プ
レスおよび焼結により多孔質砥粒層を形成するには、加
圧力:0.5〜5t/cm2、焼結条件:350〜60
0℃×30分間以上とすることが好ましい。同様にホッ
トプレスする場合には、加圧力:50〜400kgf/
cm2、加熱保持:350〜600℃×30分間以上が
好ましい。
【0040】上述のように、圧力と温度で気孔率を制御
することも可能であるが、より簡便で精度の高い気孔率
の制御方式としては、圧力を気孔のない砥石を作製する
場合と同程度に高めて、充分な加圧力下で、加圧シリン
ダの押込みストロークを当たり止め方式で制御するホッ
トプレス方式の焼結が好ましい。また、コールドプレス
の場合も、当たり止め方式によるプレスが気孔率の制御
に便利である。
することも可能であるが、より簡便で精度の高い気孔率
の制御方式としては、圧力を気孔のない砥石を作製する
場合と同程度に高めて、充分な加圧力下で、加圧シリン
ダの押込みストロークを当たり止め方式で制御するホッ
トプレス方式の焼結が好ましい。また、コールドプレス
の場合も、当たり止め方式によるプレスが気孔率の制御
に便利である。
【0041】なお、圧粉成形と焼結との間に、酸化性雰
囲気下で加熱する工程を設け、成形体の気孔内面に薄い
酸化膜を形成してもよい。このような酸化膜を形成する
と、焼結工程において圧着被覆層3の自己焼結が進行し
て気孔5が塞がる現象を予防できる。また、前記酸化膜
形成は圧粉成形後に行われるので、圧着被覆層3の相互
接触部には酸化膜が形成されず、球殻状部分6の連結を
阻害することはない。
囲気下で加熱する工程を設け、成形体の気孔内面に薄い
酸化膜を形成してもよい。このような酸化膜を形成する
と、焼結工程において圧着被覆層3の自己焼結が進行し
て気孔5が塞がる現象を予防できる。また、前記酸化膜
形成は圧粉成形後に行われるので、圧着被覆層3の相互
接触部には酸化膜が形成されず、球殻状部分6の連結を
阻害することはない。
【0042】具体的な酸化膜形成条件としては、Cu−
Sn系の場合、圧着被覆層形成後、0.6〜5t/cm
2で冷間プレスを行い、さらに大気中で300〜600
℃に加熱して酸化膜を形成する方法が可能である。加熱
時間は、低温で長く処理すれば、強固な厚い層の酸化膜
ができ、高温で短く処理すれば、多孔質な酸化膜が得ら
れる。生産性も考慮すれば、10分〜1時間が好適であ
る。その後、前記と同じ条件で焼結を行えばよい。な
お、酸化膜形成と同時に焼結することも可能である。
Sn系の場合、圧着被覆層形成後、0.6〜5t/cm
2で冷間プレスを行い、さらに大気中で300〜600
℃に加熱して酸化膜を形成する方法が可能である。加熱
時間は、低温で長く処理すれば、強固な厚い層の酸化膜
ができ、高温で短く処理すれば、多孔質な酸化膜が得ら
れる。生産性も考慮すれば、10分〜1時間が好適であ
る。その後、前記と同じ条件で焼結を行えばよい。な
お、酸化膜形成と同時に焼結することも可能である。
【0043】前記焼結またはホットプレスにより、個々
の金属被覆砥粒の各圧着被覆層3の接触部位において拡
散反応が進み、球殻状部分6が相互に連結されてなる金
属結合相4が形成される。また、金属めっき層2と圧着
被覆層3を別の金属で形成した場合には、これらの金属
が相互拡散し、界面に沿って相対的に硬質の金属間化合
物が生じていっそう砥粒保持力が高められる。
の金属被覆砥粒の各圧着被覆層3の接触部位において拡
散反応が進み、球殻状部分6が相互に連結されてなる金
属結合相4が形成される。また、金属めっき層2と圧着
被覆層3を別の金属で形成した場合には、これらの金属
が相互拡散し、界面に沿って相対的に硬質の金属間化合
物が生じていっそう砥粒保持力が高められる。
【0044】上記構成からなる多孔質メタルボンド砥石
の製造方法によれば、金属被覆砥粒はほぼ球形かつ表面
が滑らかで流動性,加圧変形能に優れるから、加圧成形
時に成形品の内部全域に亙って圧力を均一化でき、これ
により、成形品の気孔率を内部全域に亙ってほぼ均一化
することが可能である。
の製造方法によれば、金属被覆砥粒はほぼ球形かつ表面
が滑らかで流動性,加圧変形能に優れるから、加圧成形
時に成形品の内部全域に亙って圧力を均一化でき、これ
により、成形品の気孔率を内部全域に亙ってほぼ均一化
することが可能である。
【0045】また、個々の砥粒1の配置間隔は、球殻状
部分6の肉厚により規定されるため、砥粒層の全域に亙
って砥粒1の分布密度が均一化できる。したがって、砥
粒および結合剤粉末を単に混合する従来の製造方法に比
して、研削面における砥粒1および連続気孔5の露出密
度がいずれも均一になり、良好な切れ味および切粉排出
性を有する多孔質メタルボンド砥石が製造できる。
部分6の肉厚により規定されるため、砥粒層の全域に亙
って砥粒1の分布密度が均一化できる。したがって、砥
粒および結合剤粉末を単に混合する従来の製造方法に比
して、研削面における砥粒1および連続気孔5の露出密
度がいずれも均一になり、良好な切れ味および切粉排出
性を有する多孔質メタルボンド砥石が製造できる。
【0046】なお、前述した製造方法において、圧着被
覆層3の形成時に金属粉末に各種フィラーを添加してお
いてもよい。その場合には、成形後の砥石にフィラー種
に応じた機能を付与することが可能である。例えば、圧
着被覆層3の一部または全てにSiCやAl2O3等の硬
質粒子を添加しておけば、金属結合相4の耐摩耗性が向
上し、砥石寿命が増大する。本発明の方法では特に、砥
粒層の内部において個々の砥粒1の周囲に数μm程度の
微細なフィラーを均一に配置することができるから、成
形後の砥石にそれに基づく機能を効果的に付与すること
が可能である。本発明におけるフィラー添加の効果の一
例を表1に示す。
覆層3の形成時に金属粉末に各種フィラーを添加してお
いてもよい。その場合には、成形後の砥石にフィラー種
に応じた機能を付与することが可能である。例えば、圧
着被覆層3の一部または全てにSiCやAl2O3等の硬
質粒子を添加しておけば、金属結合相4の耐摩耗性が向
上し、砥石寿命が増大する。本発明の方法では特に、砥
粒層の内部において個々の砥粒1の周囲に数μm程度の
微細なフィラーを均一に配置することができるから、成
形後の砥石にそれに基づく機能を効果的に付与すること
が可能である。本発明におけるフィラー添加の効果の一
例を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【実験例】次に、本発明の実験例を挙げて効果を実証す
る。 (実験例1)ダイヤモンド粉末(粒径40〜60μm)
に無電解Cuめっきを行って厚さ10μmのCu被覆を
形成し、Cuめっきダイヤモンド砥粒を作成した。この
Cuめっきダイヤモンド砥粒60gを図2に示す装置に
投入し、さらにCuおよびSn粉末混合粉(平均粒径5
μm,50/50%)を50g投入し、混合したうえ蓋
をして、加圧板14とドラム10の距離5mm、ドラム
10の回転数700rpmの条件で30分間被覆処理し
た。
る。 (実験例1)ダイヤモンド粉末(粒径40〜60μm)
に無電解Cuめっきを行って厚さ10μmのCu被覆を
形成し、Cuめっきダイヤモンド砥粒を作成した。この
Cuめっきダイヤモンド砥粒60gを図2に示す装置に
投入し、さらにCuおよびSn粉末混合粉(平均粒径5
μm,50/50%)を50g投入し、混合したうえ蓋
をして、加圧板14とドラム10の距離5mm、ドラム
10の回転数700rpmの条件で30分間被覆処理し
た。
【0049】以上のCu−Sn被覆を合計5回繰返すと
ともに、その間にドラム10内の粉体容積量を一定化す
るため、3回粉末の抜取りを行い、最終的に260gの
金属被覆砥粒を得た。得られた金属被覆砥粒は球形化し
ており、良好な流動性を示した。
ともに、その間にドラム10内の粉体容積量を一定化す
るため、3回粉末の抜取りを行い、最終的に260gの
金属被覆砥粒を得た。得られた金属被覆砥粒は球形化し
ており、良好な流動性を示した。
【0050】この金属被覆砥粒を用いて、外径φ145
mm、内径φ40mm、厚さ7mmの台金外周に厚さ3
mmのダイヤモンド砥粒層を形成した。その形成方法
は、先ず台金を金型内にセットした後、金属被覆砥粒を
充填し、常温で5ton/cm2の圧力で当たり止めを
設けてシリンダーのストロークを制御し、気孔率26%
になるように5分間冷間プレスした。次に焼結工程とし
て温度600℃、窒素ガス雰囲気下で1時間焼結し、実
験例1の多孔質メタルボンド砥石を作成した。この砥粒
層の気孔率は20vol%、砥粒層の固体部分でのダイ
ヤ含有率は24vol%であった。
mm、内径φ40mm、厚さ7mmの台金外周に厚さ3
mmのダイヤモンド砥粒層を形成した。その形成方法
は、先ず台金を金型内にセットした後、金属被覆砥粒を
充填し、常温で5ton/cm2の圧力で当たり止めを
設けてシリンダーのストロークを制御し、気孔率26%
になるように5分間冷間プレスした。次に焼結工程とし
て温度600℃、窒素ガス雰囲気下で1時間焼結し、実
験例1の多孔質メタルボンド砥石を作成した。この砥粒
層の気孔率は20vol%、砥粒層の固体部分でのダイ
ヤ含有率は24vol%であった。
【0051】(実験例2)前記冷間プレスおよび焼結の
間に酸化膜形成工程を設けた以外は、実験例1と全く同
じ処理を施し、多孔質メタルボンド砥石を製造した。酸
化膜形成工程では、冷間プレスで得られた成形体を大気
中で400℃×5分間加熱保持した。
間に酸化膜形成工程を設けた以外は、実験例1と全く同
じ処理を施し、多孔質メタルボンド砥石を製造した。酸
化膜形成工程では、冷間プレスで得られた成形体を大気
中で400℃×5分間加熱保持した。
【0052】実験例2の多孔質メタルボンド砥粒層の気
孔率を測定した結果、25vol%であり、酸化膜形成
工程を設けない場合に比して、焼結条件は同一であるの
に気孔率を高めることができた。また、砥粒層の固体部
分のダイヤ含有率は24vol%であった。
孔率を測定した結果、25vol%であり、酸化膜形成
工程を設けない場合に比して、焼結条件は同一であるの
に気孔率を高めることができた。また、砥粒層の固体部
分のダイヤ含有率は24vol%であった。
【0053】(実験例3)実験例1で製作した金属被覆
砥粒を用いて、外径φ145mm,内径φ40mm,厚
さ7mmの台金外周に厚さ3mmの多孔質ダイヤモンド
砥粒層を形成した。その形成方法は先ず台金を金型内に
セットした後、金属被覆砥粒を充填し、ホットプレス圧
力0.5ton/cm2,温度500℃,水素雰囲気下
で1時間ホットプレスして焼結した。
砥粒を用いて、外径φ145mm,内径φ40mm,厚
さ7mmの台金外周に厚さ3mmの多孔質ダイヤモンド
砥粒層を形成した。その形成方法は先ず台金を金型内に
セットした後、金属被覆砥粒を充填し、ホットプレス圧
力0.5ton/cm2,温度500℃,水素雰囲気下
で1時間ホットプレスして焼結した。
【0054】この際、加圧シリンダーによる荷重を当た
り止めで受けて加圧シリンダーのストロークを制御し、
加圧焼結後の砥粒層の厚さが気孔を30%含んだ厚さと
なるようにした。即ち、金型内に充填された金属被覆砥
粒は、ホットプレスによりシリンダーが当たり止めに接
触するまで圧縮され、この時の砥粒層は気孔を30%含
む高さとなり、この状態で保持焼結されて気孔率30%
を有する実験例3の多孔質メタルボンド砥石を得た。得
られた砥粒層表面の拡大写真を図4に示す。
り止めで受けて加圧シリンダーのストロークを制御し、
加圧焼結後の砥粒層の厚さが気孔を30%含んだ厚さと
なるようにした。即ち、金型内に充填された金属被覆砥
粒は、ホットプレスによりシリンダーが当たり止めに接
触するまで圧縮され、この時の砥粒層は気孔を30%含
む高さとなり、この状態で保持焼結されて気孔率30%
を有する実験例3の多孔質メタルボンド砥石を得た。得
られた砥粒層表面の拡大写真を図4に示す。
【0055】(比較例)一方、比較例として、前記ダイ
ヤモンド砥粒を12wt%、前記Cu粉末48wt%、
Sn粉末40wt%を充分混合した後、実験例3と同様
にホットプレスを行い、実験例3と同程度の30vol
%の気孔率を有する砥石を作製した。しかし気孔率が不
均一になり、砥粒層が脆くて使用に耐えなかった。そこ
で、砥粒層の気孔率が5vol%になるようにホットプ
レス条件を変え、再び砥石を作製した。得られた砥粒層
の固体部分のダイヤ含有率は24vol%になった。
ヤモンド砥粒を12wt%、前記Cu粉末48wt%、
Sn粉末40wt%を充分混合した後、実験例3と同様
にホットプレスを行い、実験例3と同程度の30vol
%の気孔率を有する砥石を作製した。しかし気孔率が不
均一になり、砥粒層が脆くて使用に耐えなかった。そこ
で、砥粒層の気孔率が5vol%になるようにホットプ
レス条件を変え、再び砥石を作製した。得られた砥粒層
の固体部分のダイヤ含有率は24vol%になった。
【0056】このようにして得られた実験例1,2,3
および比較例の各メタルボンド砥石にツルーイング、ド
レッシングを施した後、以下に示す研削条件でガラス研
削試験を行った。その結果を表1に示す。
および比較例の各メタルボンド砥石にツルーイング、ド
レッシングを施した後、以下に示す研削条件でガラス研
削試験を行った。その結果を表1に示す。
【0057】(研削試験条件) 砥石形状:1A1型 φ150mm×厚さ7mm 研削様式:平面研削 被削材 :ガラス 試験機 :岡本 63A 周速度 :1500m/min テーブル送り:1m/min 切込みピッチ送り:10mm/パス 研削液 :JE220
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多孔質メ
タルボンド砥石によれば、個々の砥粒の間隔が球殻状部
分の厚さで規定されるため、砥粒の分布が従来の砥石に
比して均一で、気孔率を高くした場合にも切れ味のばら
つきが少ない。また、個々の砥粒の外周を球殻状部分に
より完全に包囲して各球殻状部分を連結したうえ、これ
ら球殻状部分の間に気孔を形成しているから、気孔率が
高くても砥粒保持力は高く確保することができる。した
がって、切れ味のばらつきおよび砥粒脱落頻度の増大を
防ぎつつ、気孔率を高めることができ、良好な切粉排出
性および冷却性を得ることができるとともに、加工損傷
の低減,仕上げ面粗さの向上が図れる。
タルボンド砥石によれば、個々の砥粒の間隔が球殻状部
分の厚さで規定されるため、砥粒の分布が従来の砥石に
比して均一で、気孔率を高くした場合にも切れ味のばら
つきが少ない。また、個々の砥粒の外周を球殻状部分に
より完全に包囲して各球殻状部分を連結したうえ、これ
ら球殻状部分の間に気孔を形成しているから、気孔率が
高くても砥粒保持力は高く確保することができる。した
がって、切れ味のばらつきおよび砥粒脱落頻度の増大を
防ぎつつ、気孔率を高めることができ、良好な切粉排出
性および冷却性を得ることができるとともに、加工損傷
の低減,仕上げ面粗さの向上が図れる。
【0060】また、金属被覆砥粒はほぼ球形かつ表面が
滑らかで流動性に優れるから、加圧成形時に成形品の内
部全域に亙って圧力を均一化でき、これにより、成形品
の気孔率を内部全域に亙ってほぼ均一化することが可能
である。また、個々の砥粒の配置間隔は、圧着被覆層の
厚さにより規定されるため、砥粒層の全域に亙って砥粒
の分布密度が均一になる。したがって、砥粒および結合
剤粉末を混合する従来の製造方法に比して、研削面にお
ける砥粒および気孔の露出密度がいずれも均一になり、
良好な切れ味を有する多孔質メタルボンド砥石が製造で
きる。
滑らかで流動性に優れるから、加圧成形時に成形品の内
部全域に亙って圧力を均一化でき、これにより、成形品
の気孔率を内部全域に亙ってほぼ均一化することが可能
である。また、個々の砥粒の配置間隔は、圧着被覆層の
厚さにより規定されるため、砥粒層の全域に亙って砥粒
の分布密度が均一になる。したがって、砥粒および結合
剤粉末を混合する従来の製造方法に比して、研削面にお
ける砥粒および気孔の露出密度がいずれも均一になり、
良好な切れ味を有する多孔質メタルボンド砥石が製造で
きる。
【0061】また、圧粉成形と焼結の間に、酸化性雰囲
気下で成形体を加熱する工程を設けた場合には、成形体
の気孔内面に薄い酸化膜を形成し、焼結時に圧着被覆層
の自己焼結が進行して気孔が塞がる現象を予防でき、い
っそうの高気孔率化が図れる。
気下で成形体を加熱する工程を設けた場合には、成形体
の気孔内面に薄い酸化膜を形成し、焼結時に圧着被覆層
の自己焼結が進行して気孔が塞がる現象を予防でき、い
っそうの高気孔率化が図れる。
【図1】本発明に係る多孔質メタルボンド砥石の砥粒層
の断面拡大図である。
の断面拡大図である。
【図2】金属被覆砥粒の製造装置を示す説明図である。
【図3】加圧転動運動前の金属めっき砥粒と金属粉末の
混合状態を示す拡大図である。
混合状態を示す拡大図である。
【図4】実験例3の砥石の組織を示す拡大図である。
1 砥粒 2 金属めっき層 3 圧着被覆層 3A 金属粉末 4 金属結合相 5 連続気孔 6 球殻状部分 10 ドラム 12 加圧アーム 13 掻き取りアーム 14 加圧板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 正信 福島県いわき市泉町黒須野字江越246− 1 三菱マテリアル株式会社 いわき製 作所内 (56)参考文献 特開 平2−76680(JP,A) 特開 平5−104443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 3/00 330 B24D 3/06 B24D 3/10 B24D 3/00 340
Claims (4)
- 【請求項1】 砥粒の表面に予め金属めっき層を形成し
てなるめっき砥粒を、これらめっき砥粒より平均粒径が
小さい金属結合剤粉末と混合して加圧転動運動を加え、
機械的な摩擦圧接作用により前記金属めっき層上に金属
粉末を圧着させて圧着被覆層を形成した後、得られた金
属被覆砥粒を圧粉成形および焼結、あるいはホットプレ
スすることにより、気孔率3〜40%の多孔質砥粒層を
形成してなることを特徴とする多孔質メタルボンド砥
石。 - 【請求項2】 砥粒の表面に予め金属めっき層を形成し
てなるめっき砥粒を、これらめっき砥粒より平均粒径が
小さい金属結合剤粉末と混合して加圧転動運動を加え、
機械的な摩擦圧接作用により前記金属めっき層上に金属
粉末を圧着させて圧着被覆層を形成した後、得られた金
属被覆砥粒を圧粉成形し、この圧粉成形体を酸化性雰囲
気下で予備加熱して個々の金属被覆砥粒の圧着被覆層の
露出面に酸化膜を形成し、その後、非酸化性雰囲気下で
本加熱することにより、前記酸化膜によって自己焼結を
抑制しつつ、気孔率3〜40%の多孔質砥粒層を形成し
てなることを特徴とする多孔質メタルボンド砥石。 - 【請求項3】 前記圧着被覆層を構成する金属として、
前記金属めっき層を構成する金属よりも軟質な材質を使
用することを特徴とする請求項1または2記載の多孔質
メタルボンド砥石。 - 【請求項4】 砥粒の表面に予め金属めっき層を形成し
てなるめっき砥粒を、これらめっき砥粒より平均粒径が
小さい金属結合剤粉末と混合して加圧転動運動を加え、
機械的な摩擦圧接作用により前記金属めっき層上に金属
粉末を圧着させて圧着被覆層を形成した後、得られた金
属被覆砥粒を圧粉成形および焼結、あるいはホットプレ
スすることにより、気孔率3〜40%の多孔質砥粒層を
形成してなり、 前記多孔質砥粒層は、互いにほぼ均等な間隔を空けて3
次元的に配置された砥粒と、これら砥粒を保持する金属
結合相とからなり、この金属結合相は、個々の砥粒の外
周をそれぞれ球殻状に包囲するほぼ一定径の球殻状部分
を有するとともに、隣接しあう球殻状部分が互いの接触
面で連続し、これにより前記金属結合相 の内部には、多
孔質砥粒層全域に亙って3次元編目状に広がる連続気孔
が形成され、 前記多孔質砥粒層の気孔率は3〜40%とされ、 前記球殻状部分の平均外径は、前記砥粒の平均粒径の
1.2〜4倍とされていることを特徴とする多孔質メタ
ルボンド砥石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4248289A JP3052603B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | 多孔質メタルボンド砥石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4248289A JP3052603B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | 多孔質メタルボンド砥石 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0691536A JPH0691536A (ja) | 1994-04-05 |
JP3052603B2 true JP3052603B2 (ja) | 2000-06-19 |
Family
ID=17175880
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4248289A Expired - Lifetime JP3052603B2 (ja) | 1992-09-17 | 1992-09-17 | 多孔質メタルボンド砥石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3052603B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11648719B2 (en) | 2019-08-01 | 2023-05-16 | Seiko Epson Corporation | Plasticization device, three-dimensional shaping device, and injection molding device |
US11731331B2 (en) | 2020-11-24 | 2023-08-22 | Seiko Epson Corporation | Plasticizing apparatus, injection molding apparatus, and three-dimensional shaping apparatus |
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CN107866753B (zh) * | 2017-12-08 | 2024-07-26 | 清华大学 | 具有随机多孔结构金属结合剂砂轮、装置及制备工艺 |
CN107914216A (zh) * | 2017-12-08 | 2018-04-17 | 清华大学 | 具有随机多孔结构的金属结合剂3d打印砂轮、装置及方法 |
CN112140015A (zh) * | 2019-06-28 | 2020-12-29 | 圣戈班磨料磨具有限公司 | 磨料制品及其形成方法 |
US12064850B2 (en) | 2021-12-30 | 2024-08-20 | Saint-Gobain Abrasives, Inc. | Abrasive articles and methods for forming same |
-
1992
- 1992-09-17 JP JP4248289A patent/JP3052603B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0691536A (ja) | 1994-04-05 |
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