JP2000141230A - メタルボンド砥石およびその製造方法 - Google Patents
メタルボンド砥石およびその製造方法Info
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- JP2000141230A JP2000141230A JP10324264A JP32426498A JP2000141230A JP 2000141230 A JP2000141230 A JP 2000141230A JP 10324264 A JP10324264 A JP 10324264A JP 32426498 A JP32426498 A JP 32426498A JP 2000141230 A JP2000141230 A JP 2000141230A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ダイヤモンド砥粒の無駄な脱落を防いで使用
寿命が延長できるメタルボンド砥石およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 焼結された金属結合相２中に、表面に金
属被覆５を形成したダイヤモンド砥粒４を分散してなる
メタルボンド砥粒層１を備えたメタルボンド砥石であっ
て、前記金属被覆５は、銀、銅、アルミニウム、錫、亜
鉛、コバルト、およびニッケルから選択される１種また
は２種以上の融点調整用金属成分と、チタン、クロム、
鉄、モリブデン、バナジウム、タングステン、およびシ
リコンから選択される１種または２種以上の炭化物形成
用金属成分とを含有し、前記金属被覆５と前記ダイヤモ
ンド砥粒４との界面には前記炭化物形成用金属成分の炭
化物６が存在している。
寿命が延長できるメタルボンド砥石およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 焼結された金属結合相２中に、表面に金
属被覆５を形成したダイヤモンド砥粒４を分散してなる
メタルボンド砥粒層１を備えたメタルボンド砥石であっ
て、前記金属被覆５は、銀、銅、アルミニウム、錫、亜
鉛、コバルト、およびニッケルから選択される１種また
は２種以上の融点調整用金属成分と、チタン、クロム、
鉄、モリブデン、バナジウム、タングステン、およびシ
リコンから選択される１種または２種以上の炭化物形成
用金属成分とを含有し、前記金属被覆５と前記ダイヤモ
ンド砥粒４との界面には前記炭化物形成用金属成分の炭
化物６が存在している。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、砥粒保持力を高め
てダイヤモンド砥粒の無駄な脱落を低減できるメタルボ
ンド砥石およびその製造方法に関する。
てダイヤモンド砥粒の無駄な脱落を低減できるメタルボ
ンド砥石およびその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般的なメタルボンド砥石は、Ｃｕまた
はＳｎなどの金属粉末に、ダイヤモンドまたはＣＢＮ等
のダイヤモンド砥粒を均一に混合し、この混合粉末を台
金とともに型込めした後、これらをプレス成形および焼
結して製造されている。
はＳｎなどの金属粉末に、ダイヤモンドまたはＣＢＮ等
のダイヤモンド砥粒を均一に混合し、この混合粉末を台
金とともに型込めした後、これらをプレス成形および焼
結して製造されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のメタ
ルボンド砥石においては、レジンボンド砥石やビトリフ
ァイドボンド砥石に比べて砥粒を支える結合相の強度が
高いうえ、金属結合相とダイヤモンド砥粒との濡れ性が
悪いため、研削時に被削材との衝突によって個々の砥粒
に強い衝撃が加えられると、ダイヤモンド砥粒と金属結
合相との接合界面に応力が集中して剥離しやすく、まだ
使用できるダイヤモンド砥粒が無駄に脱落してしまう問
題を有していた。
ルボンド砥石においては、レジンボンド砥石やビトリフ
ァイドボンド砥石に比べて砥粒を支える結合相の強度が
高いうえ、金属結合相とダイヤモンド砥粒との濡れ性が
悪いため、研削時に被削材との衝突によって個々の砥粒
に強い衝撃が加えられると、ダイヤモンド砥粒と金属結
合相との接合界面に応力が集中して剥離しやすく、まだ
使用できるダイヤモンド砥粒が無駄に脱落してしまう問
題を有していた。
【０００４】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、ダイヤモンド砥粒の無駄な脱落を防いで使用寿命が
延長できるメタルボンド砥石およびその製造方法を提供
することを課題としている。
で、ダイヤモンド砥粒の無駄な脱落を防いで使用寿命が
延長できるメタルボンド砥石およびその製造方法を提供
することを課題としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るメタルボンド砥石は、焼結された金属
結合相中に、表面に金属被覆を形成したダイヤモンド砥
粒を分散してなるメタルボンド砥粒層を備え、前記金属
被覆は、銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、コバルト、
およびニッケルから選択される１種または２種以上の融
点調整用金属成分と、チタン、クロム、鉄、モリブデ
ン、バナジウム、タングステン、およびシリコンから選
択される１種または２種以上の炭化物形成用金属成分と
を含有し、前記金属被覆と前記ダイヤモンド砥粒との界
面には前記炭化物形成用金属成分の炭化物が存在してい
ることを特徴としている。この構成によれば、ダイヤモ
ンド砥粒と金属被覆とを炭化物の介在により強固に接合
させることができる。
め、本発明に係るメタルボンド砥石は、焼結された金属
結合相中に、表面に金属被覆を形成したダイヤモンド砥
粒を分散してなるメタルボンド砥粒層を備え、前記金属
被覆は、銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、コバルト、
およびニッケルから選択される１種または２種以上の融
点調整用金属成分と、チタン、クロム、鉄、モリブデ
ン、バナジウム、タングステン、およびシリコンから選
択される１種または２種以上の炭化物形成用金属成分と
を含有し、前記金属被覆と前記ダイヤモンド砥粒との界
面には前記炭化物形成用金属成分の炭化物が存在してい
ることを特徴としている。この構成によれば、ダイヤモ
ンド砥粒と金属被覆とを炭化物の介在により強固に接合
させることができる。
【０００６】一方、本発明に係るメタルボンド砥石の製
造方法は、銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、コバル
ト、およびニッケルから選択される１種または２種以上
の融点調整用金属成分と、チタン、クロム、鉄、モリブ
デン、バナジウム、タングステン、およびシリコンから
選択される１種または２種以上の炭化物形成用金属成分
と、バインダー樹脂成分とを含む被覆原料を、ダイヤモ
ンド砥粒の外周に付着させて被覆層を形成する工程と、
前記被覆層が形成されたダイヤモンド砥粒を、金属結合
剤粉末と混合して混合原料を得る工程と、前記混合原料
を圧粉成形および減圧雰囲気中で焼結する工程とを具備
することを特徴としている。この方法によれば、ダイヤ
モンド砥粒と金属被覆との界面に、炭化物形成用金属成
分とダイヤモンドとの反応により炭化物を生成させ、ダ
イヤモンド砥粒と金属被覆とを強固に接合させることが
できる。
造方法は、銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、コバル
ト、およびニッケルから選択される１種または２種以上
の融点調整用金属成分と、チタン、クロム、鉄、モリブ
デン、バナジウム、タングステン、およびシリコンから
選択される１種または２種以上の炭化物形成用金属成分
と、バインダー樹脂成分とを含む被覆原料を、ダイヤモ
ンド砥粒の外周に付着させて被覆層を形成する工程と、
前記被覆層が形成されたダイヤモンド砥粒を、金属結合
剤粉末と混合して混合原料を得る工程と、前記混合原料
を圧粉成形および減圧雰囲気中で焼結する工程とを具備
することを特徴としている。この方法によれば、ダイヤ
モンド砥粒と金属被覆との界面に、炭化物形成用金属成
分とダイヤモンドとの反応により炭化物を生成させ、ダ
イヤモンド砥粒と金属被覆とを強固に接合させることが
できる。
【０００７】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るメタルボンド
砥石およびその製造方法の実施形態を詳細に説明する。
図１は本発明に係るメタルボンド砥石の一実施形態のメ
タルボンド砥粒層１を示す断面拡大図である。本発明は
このメタルボンド砥粒層１の構成に特徴を有するもので
あるから、砥粒層１のみにより砥石が形成されていても
よいし、適当な砥石基体に砥粒層１が固定されていても
よい。本発明では砥石の形状も限定されず、従来使用さ
れているいかなる形式および形状の砥石にも適用可能で
ある。
砥石およびその製造方法の実施形態を詳細に説明する。
図１は本発明に係るメタルボンド砥石の一実施形態のメ
タルボンド砥粒層１を示す断面拡大図である。本発明は
このメタルボンド砥粒層１の構成に特徴を有するもので
あるから、砥粒層１のみにより砥石が形成されていても
よいし、適当な砥石基体に砥粒層１が固定されていても
よい。本発明では砥石の形状も限定されず、従来使用さ
れているいかなる形式および形状の砥石にも適用可能で
ある。
【０００８】メタルボンド砥粒層１は、焼結された金属
結合相中２に、表面に金属被覆５を形成したダイヤモン
ド砥粒４を分散してなるものである。金属被覆５は、金
属被覆５の融点を下げるための融点調整用金属成分と、
ダイヤモンド砥粒４と金属被覆５との接合強度を高める
ための炭化物形成用金属成分とを含有しており、金属被
覆５とダイヤモンド砥粒４との界面には、炭化物形成用
金属成分の炭化物６が存在している。この炭化物６が微
量ながら生成していることにより、ダイヤモンド砥粒４
と金属被覆５との馴染みがよく、両者間の接合強度が高
められている。
結合相中２に、表面に金属被覆５を形成したダイヤモン
ド砥粒４を分散してなるものである。金属被覆５は、金
属被覆５の融点を下げるための融点調整用金属成分と、
ダイヤモンド砥粒４と金属被覆５との接合強度を高める
ための炭化物形成用金属成分とを含有しており、金属被
覆５とダイヤモンド砥粒４との界面には、炭化物形成用
金属成分の炭化物６が存在している。この炭化物６が微
量ながら生成していることにより、ダイヤモンド砥粒４
と金属被覆５との馴染みがよく、両者間の接合強度が高
められている。
【０００９】融点調整用金属成分は、銀、銅、アルミニ
ウム、錫、亜鉛、コバルト、およびニッケルから選択さ
れる１種または２種以上の成分であって、これらの中で
も特に、銅、錫、ニッケルなどが砥粒の濡れ性を高める
効果が優れている。金属被覆５中における融点調整用金
属成分の含有量は５〜１５ｗｔ％であることが好まし
く、より好ましくは７〜１０ｗｔ％である。５ｗｔ％未
満では融点調整の効果が出ない問題を有し、１５ｗｔ％
より多いと炭化物の強度が低下する問題を有する。
ウム、錫、亜鉛、コバルト、およびニッケルから選択さ
れる１種または２種以上の成分であって、これらの中で
も特に、銅、錫、ニッケルなどが砥粒の濡れ性を高める
効果が優れている。金属被覆５中における融点調整用金
属成分の含有量は５〜１５ｗｔ％であることが好まし
く、より好ましくは７〜１０ｗｔ％である。５ｗｔ％未
満では融点調整の効果が出ない問題を有し、１５ｗｔ％
より多いと炭化物の強度が低下する問題を有する。
【００１０】炭化物形成用金属成分は、チタン、クロ
ム、鉄、モリブデン、バナジウム、タングステン、およ
びシリコンから選択される１種または２種以上の成分で
あって、これらの中でも特に、チタン、クロム、モリブ
デンなどが炭化物を形成しやすいために適している。金
属被覆５中における炭化物形成用金属成分の含有量は、
８５〜９５ｗｔ％であることが好ましく、より好ましく
は８７〜９３ｗｔ％である。８５ｗｔ％未満では炭化物
の強度が低下する問題を有し、９５ｗｔ％より多いと融
点調整用の金属とアンバランスを生じる。
ム、鉄、モリブデン、バナジウム、タングステン、およ
びシリコンから選択される１種または２種以上の成分で
あって、これらの中でも特に、チタン、クロム、モリブ
デンなどが炭化物を形成しやすいために適している。金
属被覆５中における炭化物形成用金属成分の含有量は、
８５〜９５ｗｔ％であることが好ましく、より好ましく
は８７〜９３ｗｔ％である。８５ｗｔ％未満では炭化物
の強度が低下する問題を有し、９５ｗｔ％より多いと融
点調整用の金属とアンバランスを生じる。
【００１１】金属被覆５の厚さは限定されないが、好ま
しくは０．５〜５μｍとされ、より好ましくは１〜３μ
ｍとされる。０．５μｍより薄いと均一に形成し難く、
ダイヤモンド砥粒４の保持力を高める効果が減少し、５
μｍより厚くても保持力はそれ以上向上しない。
しくは０．５〜５μｍとされ、より好ましくは１〜３μ
ｍとされる。０．５μｍより薄いと均一に形成し難く、
ダイヤモンド砥粒４の保持力を高める効果が減少し、５
μｍより厚くても保持力はそれ以上向上しない。
【００１２】金属結合相２は、銅、錫、コバルト、ニッ
ケル、鉄、タングステン、銀から選択される１種または
２種以上の成分を含む原料粉末を圧粉成形および焼結し
たものである。金属結合相２の組成としては、特に、
銅、錫、ニッケルなどが金属被覆の融点調整用成分との
濡れ性が優れるために適している。
ケル、鉄、タングステン、銀から選択される１種または
２種以上の成分を含む原料粉末を圧粉成形および焼結し
たものである。金属結合相２の組成としては、特に、
銅、錫、ニッケルなどが金属被覆の融点調整用成分との
濡れ性が優れるために適している。
【００１３】また、金属結合相２には各種フィラーを添
加しても良い。その場合には、成形後の砥石に、フィラ
ー種に応じた機能を付与することが可能である。例え
ば、フィラーとして金属結合相２中に５〜２０ｗｔ％程
度のカーボン粒子を添加すれば、得られた砥石を研削に
使用した際に研削面に徐々にカーボン粉が供給されるた
め、潤滑性向上による研削抵抗の削減および砥粒の自生
発刃作用の促進による切れ味向上を図ることができる。
また、ＳｉＣやＡｌ2Ｏ3等の硬質粒子を添加しておけ
ば、ダイヤモンド砥粒４の保持力をさらに高めるなどの
機能を付与することが可能である。
加しても良い。その場合には、成形後の砥石に、フィラ
ー種に応じた機能を付与することが可能である。例え
ば、フィラーとして金属結合相２中に５〜２０ｗｔ％程
度のカーボン粒子を添加すれば、得られた砥石を研削に
使用した際に研削面に徐々にカーボン粉が供給されるた
め、潤滑性向上による研削抵抗の削減および砥粒の自生
発刃作用の促進による切れ味向上を図ることができる。
また、ＳｉＣやＡｌ2Ｏ3等の硬質粒子を添加しておけ
ば、ダイヤモンド砥粒４の保持力をさらに高めるなどの
機能を付与することが可能である。
【００１４】金属結合相２の気孔率は７〜１３ｖｏｌ％
であることが好ましく、より好ましくは９〜１１ｖｏｌ
％とされる。適度の気孔率を有していると、金属結合相
２の摩耗速度が適当になり、ダイヤモンド砥粒４の自生
発刃作用を高めることができる。
であることが好ましく、より好ましくは９〜１１ｖｏｌ
％とされる。適度の気孔率を有していると、金属結合相
２の摩耗速度が適当になり、ダイヤモンド砥粒４の自生
発刃作用を高めることができる。
【００１５】メタルボンド砥粒層１全体中におけるダイ
ヤモンド砥粒４の含有率は３．５〜８．５ｖｏｌ％程度
であることが好ましく、より好ましくは５〜７．５ｖｏ
ｌ％とされる。また、ダイヤモンド砥粒４の平均粒径は
限定されないが、一般には２５０〜４５０μｍ程度が好
適である。
ヤモンド砥粒４の含有率は３．５〜８．５ｖｏｌ％程度
であることが好ましく、より好ましくは５〜７．５ｖｏ
ｌ％とされる。また、ダイヤモンド砥粒４の平均粒径は
限定されないが、一般には２５０〜４５０μｍ程度が好
適である。
【００１６】［製造方法の実施形態］次に、上記メタル
ボンド砥石の製造方法の実施形態を説明する。この方法
ではまず、ダイヤモンド砥粒４の外周に、金属被覆５を
形成するための被覆原料を固定する。そのためには、金
属被覆５の主組成物である金属粉末と、有機溶剤等の溶
剤と、この溶剤に溶解するバインダー樹脂と、ダイヤモ
ンド砥粒４とを混練しながら、徐々に溶剤を揮発させて
いく。すると、金属粉末、溶剤、およびバインダー樹脂
からなるスラリー状混合物がダイヤモンド砥粒４の外周
に付着したのち、これが徐々に乾燥して均一な被覆が形
成される。
ボンド砥石の製造方法の実施形態を説明する。この方法
ではまず、ダイヤモンド砥粒４の外周に、金属被覆５を
形成するための被覆原料を固定する。そのためには、金
属被覆５の主組成物である金属粉末と、有機溶剤等の溶
剤と、この溶剤に溶解するバインダー樹脂と、ダイヤモ
ンド砥粒４とを混練しながら、徐々に溶剤を揮発させて
いく。すると、金属粉末、溶剤、およびバインダー樹脂
からなるスラリー状混合物がダイヤモンド砥粒４の外周
に付着したのち、これが徐々に乾燥して均一な被覆が形
成される。
【００１７】こうして被覆を形成したダイヤモンド砥粒
４は、必要に応じて予備焼成する。予備焼成条件として
は、形成すべき金属被覆５の融点よりも１００〜２００
℃程度低い温度で、かつ、減圧雰囲気下で、１〜３時間
焼成する条件が好ましいが、一般的には４００〜５００
℃かつ１〜５Ｔｏｒｒにおいて１〜１．５時間加熱する
条件でよい。このような条件で予備焼成すると、被覆中
のバインダー樹脂が分解除去され、金属粉末同士が焼結
して金属被覆５が生成すると共に、金属被覆５とダイヤ
モンド砥粒４との界面において炭化物形成用金属成分の
炭化物６が若干ながら生成し、この炭化物６を仲介とし
て金属被覆５とダイヤモンド砥粒４とが強固に結合す
る。炭化物６の生成量は微量であるが、ＥＰＭＡ、オー
ジェ分析、Ｘ線回折などの方法を用いれば検出すること
が可能である。
４は、必要に応じて予備焼成する。予備焼成条件として
は、形成すべき金属被覆５の融点よりも１００〜２００
℃程度低い温度で、かつ、減圧雰囲気下で、１〜３時間
焼成する条件が好ましいが、一般的には４００〜５００
℃かつ１〜５Ｔｏｒｒにおいて１〜１．５時間加熱する
条件でよい。このような条件で予備焼成すると、被覆中
のバインダー樹脂が分解除去され、金属粉末同士が焼結
して金属被覆５が生成すると共に、金属被覆５とダイヤ
モンド砥粒４との界面において炭化物形成用金属成分の
炭化物６が若干ながら生成し、この炭化物６を仲介とし
て金属被覆５とダイヤモンド砥粒４とが強固に結合す
る。炭化物６の生成量は微量であるが、ＥＰＭＡ、オー
ジェ分析、Ｘ線回折などの方法を用いれば検出すること
が可能である。
【００１８】予備焼成は必ずしも必要ではなく、後に行
われる焼結の際に、金属被覆５の焼成および炭化物６の
生成を同時に行うことも可能である。ただし、予備焼成
を行わない場合には、バインダー樹脂の分解によるガス
が発生するので、このガスの影響を考慮する必要があ
る。
われる焼結の際に、金属被覆５の焼成および炭化物６の
生成を同時に行うことも可能である。ただし、予備焼成
を行わない場合には、バインダー樹脂の分解によるガス
が発生するので、このガスの影響を考慮する必要があ
る。
【００１９】次に、予備焼成された金属被覆砥粒、もし
くは予備焼成前の被覆砥粒を、金属結合相２を形成する
ための原料粉末と混合し、圧粉成形および焼結すること
により、メタルボンド砥粒層１を形成する。この時の焼
結条件としては、金属結合相２の組成に応じた温度およ
び時間を選択し、かつ、減圧雰囲気下とする。具体的に
は、原料混合物を周知のプレス装置により圧粉成形した
うえで、加熱炉により減圧下で焼結するか、あるいは周
知のホットプレス装置により減圧雰囲気下でホットプレ
スし、所望の砥石形状に成形すればよい。
くは予備焼成前の被覆砥粒を、金属結合相２を形成する
ための原料粉末と混合し、圧粉成形および焼結すること
により、メタルボンド砥粒層１を形成する。この時の焼
結条件としては、金属結合相２の組成に応じた温度およ
び時間を選択し、かつ、減圧雰囲気下とする。具体的に
は、原料混合物を周知のプレス装置により圧粉成形した
うえで、加熱炉により減圧下で焼結するか、あるいは周
知のホットプレス装置により減圧雰囲気下でホットプレ
スし、所望の砥石形状に成形すればよい。
【００２０】具体的な焼結条件は、一般的には８００〜
１０００℃かつ０．１〜５Ｔｏｒｒにおいて０．５〜１
時間加熱する条件でよい。このような条件で焼結するこ
とにより、予備焼成された金属被覆砥粒を用いた場合に
は、金属結合相２が形成されると共に金属結合相２と金
属被覆５とが強固に接合され、メタルボンド砥粒層１が
形成される。
１０００℃かつ０．１〜５Ｔｏｒｒにおいて０．５〜１
時間加熱する条件でよい。このような条件で焼結するこ
とにより、予備焼成された金属被覆砥粒を用いた場合に
は、金属結合相２が形成されると共に金属結合相２と金
属被覆５とが強固に接合され、メタルボンド砥粒層１が
形成される。
【００２１】予備焼成前の被覆砥粒を用いた場合には、
金属結合相２が形成されるのと並行して、ダイヤモンド
砥粒４の外周に形成された被覆中のバインダー樹脂が分
解除去され、被覆中の金属粉末同士が焼結して金属被覆
５が生成し、金属被覆５とダイヤモンド砥粒４との界面
において炭化物形成用金属成分の炭化物６が若干ながら
生成し、この炭化物６を仲介として金属被覆５とダイヤ
モンド砥粒４とが強固に結合する。
金属結合相２が形成されるのと並行して、ダイヤモンド
砥粒４の外周に形成された被覆中のバインダー樹脂が分
解除去され、被覆中の金属粉末同士が焼結して金属被覆
５が生成し、金属被覆５とダイヤモンド砥粒４との界面
において炭化物形成用金属成分の炭化物６が若干ながら
生成し、この炭化物６を仲介として金属被覆５とダイヤ
モンド砥粒４とが強固に結合する。
【００２２】このような製造方法によれば、ダイヤモン
ド砥粒４と金属被覆５とを炭化物６の介在により強固に
接合させることができ、ダイヤモンド砥粒４の保持力が
高いメタルボンド砥粒層１を得ることができる。
ド砥粒４と金属被覆５とを炭化物６の介在により強固に
接合させることができ、ダイヤモンド砥粒４の保持力が
高いメタルボンド砥粒層１を得ることができる。
【００２３】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るメタ
ルボンド砥石によれば、ダイヤモンド砥粒と金属被覆と
を炭化物の介在により強固に接合させているので、ダイ
ヤモンド砥粒の保持力が高く、ダイヤモンド砥粒の無駄
な脱落を防いで、砥石寿命の延長が図れる。また、本発
明に係るメタルボンド砥石の製造方法によれば、上記の
ような優れたメタルボンド砥石を容易に製造することが
可能である。
ルボンド砥石によれば、ダイヤモンド砥粒と金属被覆と
を炭化物の介在により強固に接合させているので、ダイ
ヤモンド砥粒の保持力が高く、ダイヤモンド砥粒の無駄
な脱落を防いで、砥石寿命の延長が図れる。また、本発
明に係るメタルボンド砥石の製造方法によれば、上記の
ような優れたメタルボンド砥石を容易に製造することが
可能である。
【図１】 本発明に係るメタルボンド砥石の一実施形態
を示す断面拡大図である。
を示す断面拡大図である。
１ メタルボンド砥粒層 ２ 金属結合相 ３ 金属被覆砥粒 ４ ダイヤモンド砥粒 ５ 金属被覆 ６ 炭化物
Claims (5)
- 【請求項１】 焼結された金属結合相中に、表面に金属
被覆を形成したダイヤモンド砥粒を分散してなるメタル
ボンド砥粒層を備えたメタルボンド砥石であって、前記
金属被覆は、銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、コバル
ト、およびニッケルから選択される１種または２種以上
の融点調整用金属成分と、チタン、クロム、鉄、モリブ
デン、バナジウム、タングステン、およびシリコンから
選択される１種または２種以上の炭化物形成用金属成分
とを含有し、前記金属被覆と前記ダイヤモンド砥粒との
界面には前記炭化物形成用金属成分の炭化物が存在して
いることを特徴とするメタルボンド砥石。 - 【請求項２】 前記金属被覆中での、前記融点調整用金
属成分の含有量は５〜１５ｗｔ％、前記炭化物形成用金
属成分の含有量は８５〜９５ｗｔ％であることを特徴と
する請求項１記載のメタルボンド砥石。 - 【請求項３】 前記金属結合相は、銅、錫、コバルト、
ニッケルまたはこれらの合金であることを特徴とする請
求項１または２記載のメタルボンド砥石。 - 【請求項４】 銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、コバ
ルト、およびニッケルから選択される１種または２種以
上の融点調整用金属成分と、チタン、クロム、鉄、モリ
ブデン、バナジウム、タングステン、およびシリコンか
ら選択される１種または２種以上の炭化物形成用金属成
分と、バインダー樹脂成分とを含む被覆原料を、ダイヤ
モンド砥粒の外周に付着させて被覆層を形成する工程
と、 前記被覆層が形成されたダイヤモンド砥粒を、金属結合
剤粉末と混合して混合原料を得る工程と、 前記混合原料を圧粉成形および減圧雰囲気中で焼結する
工程とを具備することを特徴とするメタルボンド砥石の
製造方法。 - 【請求項５】 銀、銅、アルミニウム、錫、亜鉛、コバ
ルト、およびニッケルから選択される１種または２種以
上の融点調整用金属成分と、チタン、クロム、鉄、モリ
ブデン、バナジウム、タングステン、およびシリコンか
ら選択される１種または２種以上の炭化物形成用金属成
分と、バインダー樹脂成分とを含む被覆原料を、ダイヤ
モンド砥粒の外周に付着させて被覆層を形成する工程
と、 前記被覆層が形成されたダイヤモンド砥粒を、減圧雰囲
気下で予備焼成する工程と、 予備焼成により得られた金属被覆砥粒を、金属結合剤粉
末と混合して混合原料を得る工程と、 前記混合原料を圧粉成形および減圧雰囲気中で焼結する
工程とを具備することを特徴とするメタルボンド砥石の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10324264A JP2000141230A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | メタルボンド砥石およびその製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
| JP2003094341A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-03 | Allied Material Corp | メタルボンド超砥粒砥石 |
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-
1998
- 1998-11-13 JP JP10324264A patent/JP2000141230A/ja active Pending
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