JPH0679633A - メタルボンド砥石及びその製造方法 - Google Patents

メタルボンド砥石及びその製造方法

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JPH0679633A
JPH0679633A JP23387792A JP23387792A JPH0679633A JP H0679633 A JPH0679633 A JP H0679633A JP 23387792 A JP23387792 A JP 23387792A JP 23387792 A JP23387792 A JP 23387792A JP H0679633 A JPH0679633 A JP H0679633A
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metal
abrasive grains
phase
pressure
layer
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JP23387792A
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English (en)
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Tsutomu Takahashi
務 高橋
Jun Ishibashi
純 石橋
Junichi Hoshi
純一 星
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多孔質のメタルボンド砥石において、切屑排
出性を損なうことなく耐荷重性を向上させ、さらに砥粒
分布密度を均一化して研削性能を向上させる。 【構成】 多数の砥粒12が分散された結合相32は、
各砥粒12を球殻状に包囲する金属相14と、これら金
属相14の間に形成され砥粒層全体に広がる3次元網目
構造をなす、金属相14よりも硬質の金属間化合物相2
6と、この金属間化合物相26中に形成された多数の気
孔28とを有して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結合相中に多数の砥粒
を分散した砥粒層を有するとともに、該結合相中に多数
の気孔を有する多孔質のメタルボンド砥石とその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の多孔質のメタルボンド砥石は、
従来、砥粒を金属結合剤やガラスバルーンと混合して型
込めし、圧粉成形及び焼結して製造するという方法や、
砥粒と金属結合剤と樹脂とを混合して型込めし、圧粉成
形後に焼結を行い、その樹脂を燃焼除去して製造すると
いう方法が提案されている。
【0003】このような従来のメタルボンド砥石にあっ
ては、砥粒と砥粒の間に形成された結合相中に多数の気
孔が形成されているため、研削時における自生作用が活
発で切屑排出性がよいため、切れ味がよいという利点を
有しているとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来のメタルボンド砥石にあっては、砥粒層内部の
砥粒の分布密度に粗密が生じやすく、研削面に露出した
砥粒の配置間隔が不均等となり、砥粒の粗な部分で摩耗
が大きくなり、そのため砥粒にかかる圧力が強くなって
砥粒脱落が生じ、寿命が低下するという欠点があって、
そのため実際にはほとんど実用化されていないのが実情
である。
【0005】また、気孔の形成された部分が強度的に弱
くなるため、重研削時に作用する荷重により破損しやす
いという欠点も有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、以下、その具体的な構成
を説明する。
【0007】始めに、本発明に係わるメタルボンド砥石
の製造方法から説明する。この製造方法に使用する砥粒
は、ダイヤモンドやC/BN等の超砥粒である。砥粒の
形状は、加圧攪拌中の砥粒の転がり性を向上し、圧着被
覆層の均一形成を容易にするため、球状に近い方が好ま
しいが、極端な鱗片状でない限り、不定形の砥粒を用い
ても以後の圧着被覆層は十分形成可能である。
【0008】砥粒の平均粒径は使用目的によっても異な
るが、製造上の理由から10〜500μm程度、特に2
0〜200μmが好ましい。10μm未満では圧着被覆
層を形成する際に中心核となりにくく、500μmより
大では摩擦圧接作用による被覆が困難になる。
【0009】この製造方法では、まず無電解めっき法等
を用いて、前記砥粒の表面に金属めっき層を1層以上形
成する。この金属めっき層は各圧着被覆層の形成(接
合)を容易にするためのもので、その金属種としては、
Cu、Ni、Co、Ag等が挙げられる。また、この金
属めっき層は、焼結後は前記砥粒のそれぞれを球殻状に
包囲する金属相の少なくとも一部を形成する。
【0010】金属めっき層の厚さは、砥粒の平均粒径の
2%以上であることが望ましい。平均粒径の2%より薄
いと圧着被覆層の形成が困難になる。
【0011】次に、こうして得られた金属めっき砥粒を
第1の金属粉末と混合し、図2に示すような装置を用い
てこれらに加圧転動運動を加え、金属めっき層の上に所
望の厚さを有する第1圧着被覆層を摩擦圧接法によって
形成する。
【0012】図2に示す加圧転動装置の構成を簡単に説
明すると、図中符号2は軸線を水平に設置された円筒状
のドラムであり、軸線を中心として回転される。ドラム
2の内部には、軸線に沿って固定シャフト4が配置さ
れ、このシャフト4には下向きに加圧アーム6、および
その回転方向後方側の斜め下方に延びる掻き取りアーム
8がそれぞれ固定されている。ドラム2内にめっき砥粒
と金属粉末を添加した後、、蓋(図示省略)で塞ぐこと
により、ドラム2内はほぼ密閉される。
【0013】加圧アーム6の下端には、ドラム2の内面
と平行な円弧状をなす加圧板10が固定され、この加圧
板10とドラム2の内面との間には、一定の間隔が形成
されている。一方、掻き取りアーム8の下端は刃先状に
形成され、ドラム2内面に付着した粉体を掻き落とす構
成となっている。
【0014】圧着被覆を行うには、まず、めっき砥粒と
金属粉末とを所定の割合でドラム2に入れる。図3は、
砥粒12に金属めっき層14を形成して成るめっき砥粒
16と、金属粉末粒子18とが混合された状態を示す拡
大図である。
【0015】使用する金属粉末粒子18の平均粒径は
0.1〜50μmとされ、かつめっき砥粒16の平均粒
径の1〜30%程度であることが望ましい。1μm未満
あるいは1%未満では、金属粉末18の粒子数が相対的
に多くなるため、金属粉末に圧力が掛かりにくくなり、
被覆作用に優先して金属粉18同士の凝集が起こり、圧
着被覆層の形成が困難となる。逆に50μmより大ある
いは30%より大では、金属めっき砥粒16が中心核に
なりにくく、金属粉末粒子18同士の圧着凝集が優先的
に起こり、金属めっき砥粒への被覆が行われず好ましく
ない。
【0016】金属粉末18の材質は、金属めっき層14
を構成する金属よりも柔軟な材質であることが好まし
い。その方が、圧着被覆時にめっき砥粒の金属めっき層
のせん断剥離が起こりにくいとともに、これら金属粉末
粒子18がめっき砥粒に固着しやすく、圧着被覆層の形
成が容易に行える。具体的な金属種としては、Ag、S
n、Zn、Ni、Cu、In等が挙げられるが、これら
以外の金属種でも、摩擦圧接条件を適切に設定すること
により、圧着被覆層の形成が可能である。
【0017】また、単一種の金属を使用するだけでな
く、2種以上の金属粉末を混合して使用することも可能
であるし、金属粉末と還元性粉末とを同時に添加して摩
擦圧接することも可能である。この場合は、金属被覆砥
粒の焼結時に金属相に対して還元作用が働くため、焼結
性の向上が図れ、摩擦圧接時に生ずる酸化被膜の悪影響
を改善できる効果を有する。これは、後述する第2の金
属粉末についても同様である。なお、この種の還元性物
質としては、P,C,S等が挙げられる。例えばPを用
いる場合には、圧着被覆層を形成した後、金属粉末に赤
リン粉末を添加し、さらに圧着作業を継続し、赤りん粉
末を圧着被覆層に取り込ませる。還元性物質の添加量
は、焼結性の改善要求度、焼結時におけるリン化合物形
成による金属相の硬さ向上との関係で一概には特定でき
ないが、一般的には0.05〜5%程度が好ましい。
【0018】めっき砥粒16と金属粉末18との混合比
は、形成すべき圧着被覆相の厚さに応じて決定される
が、効率よく圧着被覆相を形成するには、粉末の体積比
で、以下の範囲に設定することが望ましい。 めっき砥粒量:金属粉末量=100:1〜50:50 1回の圧接被覆では被覆厚さが足りない場合には、途中
で金属粉末18を追加して圧着被覆を続行すればよい。
【0019】上記の混合粉末をドラム2に入れて蓋をし
た後、ドラム2を回転させると、混合粉体が加圧板10
とドラム2の隙間で加圧され混合粉体に転動運動が加わ
りつつ互いに擦り合わされる。このような粉体同士の衝
突及び摩擦によって金属めっき砥粒16と各粒子18の
界面に局所的な発熱および衝撃力、延性力が生じ、金属
めっき砥粒16の表面に圧着粒子18が団子状に固着す
る。さらにこれら団子状粒子の表面に、隣接する団子状
粒子から力が繰り返し加わることにより、前記固着相が
延びて偏平化し、さらに金属めっき層14に練り込まれ
て互いに結合される。
【0020】ドラム2の内面に付着した粉体は掻き取り
アーム8で粉砕され、未付着の金属粉末18は再び加圧
アーム6でめっき砥粒16の表面に団子状に固着され
る。この作業を一定時間繰り返すことにより、金属粉末
18は図4に示すようにめっき砥粒16の表面に順次圧
着被覆されていき、最終的にはほぼ全量圧着被覆されて
均一な被覆厚さを有する第1圧着被覆層20となるとと
もに球形化が進む。
【0021】次に、ドラム2内に第2圧着被覆層22を
構成する第2の金属粉末あるいは第1の金属粉末と第2
の金属粉末とを入れる。そして、再びドラム2を回転さ
せ、第1圧着被覆層20上に第2圧着被覆層22を形成
し、金属被覆砥粒24を製造する。
【0022】第2の金属粉末は、前記第1の金属粉末と
の間に、Ni―Sn系、Co―Sn系、Al―Cu系、
Al―Zr系、Al―Cr系、Ti―Ni系、Ti−A
l系から選択される1種又は2種以上の金属間化合物を
つくる材料が選択される。また、この第2の金属粉末
は、第1の金属粉末が固着されためっき砥粒上に圧着被
覆層を容易に形成する観点からは、第1の金属粉末と同
様に、金属めっき層14を構成する金属よりも柔軟な材
質であることが望ましい。また第2の金属粉末は、第1
の金属粉末と金属間化合物とを形成しうる複数の金属粉
や合金粉からなっていてもよい。
【0023】各圧着被覆層20、22の厚さは、最終的
に形成すべき砥石の結合相の、各金属めっき層(金属相
14)の間に形成される金属間化合物相の厚さ及び集中
度に基づいて決定すべきである。但し、最外層の圧着被
覆層22は、金属被覆砥粒間の焼結性を向上するため2
μm以上の厚さが好ましい。
【0024】次に、上記のようにして得られた金属被覆
砥粒24を台金(図示省略)とともに型込めし、各金属
砥粒24間に微少な気孔ができる条件で圧粉成型し、さ
らに焼結する。すると、個々の金属被覆砥粒24の第1
圧着被覆層20と第2圧着被覆層22とが反応して硬質
の金属間化合物相26が形成され、図1に示すように、
各金属相14を包囲するとともにその間に気孔28を有
しつつ三次元網目構造に成長する。そして、この金属間
化合物相26は砥粒層全体に広がる三次元網目構造をな
すとともに金属相14とともに結合相をなし、かつ、個
々の砥粒12はこの結合相中で3次元的にほぼ等間隔に
分散されて、台金の砥粒層形成面にメタルボンド砥粒層
が形成される。
【0025】また、砥粒12の表面のめっき金属層と金
属相14との関係によっては、図5に示すように、焼結
時に砥粒12の表面のめっき金属層と金属相14とが反
応して、砥粒12と金属相14との間に硬質の金属間化
合物相30が砥粒12に密接して形成される。
【0026】上記圧粉成形及び焼結には、ホットプレス
法等も含まれる。成形、焼結は大気中でも可能である
が、不活性あるいは還元性雰囲気がより好ましい。
【0027】使用する台金及び砥粒層の形状は、従来実
用化されているいかなる形状であってもよい。また、台
金を使用せず、砥石全体が砥粒層のみで構成されている
砥石も製造可能である。
【0028】成形時のプレス条件は、砥粒層の気孔率が
3〜30vol%となるように調整することが好ましい。
気孔率が3vol%より小さいと砥石の切屑排出性が悪く
なって切れ味が落ち、気孔の効果がさほど現れなく、3
0vol%より大きいと結合相の強度が弱くなって重研削
の使用に供することができなくなる。また、加熱条件
は、第1圧着被覆層20と第2圧着被覆層22とが反応
して硬質の金属間化合物相26が形成される温度領域が
良い。形成される金属間化合物相26の幅は、砥粒12
の平均粒径の10〜100%であることが望ましい。金
属間化合物相26の厚さが平均粒径の5%より薄いと金
属間化合物相26による圧縮強度の向上効果が小さく、
したがって重研削時にボンドの剛性が不足して組織流動
を起こして気孔がつぶれてしまい切れ味が低下し、50
%より厚いと相対的に硬質の金属間化合物の断面積割合
が増加して、砥石全体の耐摩耗性が増大し、ボンドの摩
耗が生じにくくなり、自生発刃作用が低下し、切れ味の
持続性が低下する。
【0029】上記のようにして製造されたメタルボンド
砥石、およびその製造方法によれば、図1に示すように
砥粒層の結合相32内に多数の気孔28が形成されるた
め、研削時における自生作用が活発となって切れ味がよ
くなり、良好な切屑排出性が得られる。
【0030】また、砥粒層内部の砥粒12の分布密度が
均一となり、研削面での切刃の分布密度が一定となる。
これにより、研削面の切れ味が一定となり良好な仕上げ
面粗さが得られるとともに、研削むらや砥石の異常振動
を防いで安定した研削性能を得ることができる。また、
金属相14による砥粒保持力が均一になるため、砥粒1
2の無駄な脱落を防いで、砥石寿命の延長が図れる。
【0031】さらに、硬質の金属間化合物相26中に気
孔28が形成されるから、気孔による強度的劣化が防止
され、従来のメタルボンド砥石では得ることのできない
耐荷重性が得られ、重研削での使用に供することが可能
となる。なお、成形圧力及び焼結温度等を調整すること
により、気孔率を調整し、これにより耐荷重性と上記切
屑排出性のバランスを好適なものとすることができる。
【0032】また、変形しえない砥粒12の表面に変形
可能な圧着被覆層20、22が形成されることにより、
砥石の成形性が著しく向上する。
【0033】また、圧着被覆層20,22を構成する金
属を金属めっき層14を構成する金属よりも軟質な材質
とすることにより、圧着被覆層20,22の形成が容易
となって生産性が向上する。
【0034】また、金属粉末に還元性物質を添加して圧
着被覆層20,22を形成した場合には、圧粉及び焼結
時に被覆層が相互に融着しやすくなり、焼結性が向上す
る。
【0035】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げて効果を実証す
る。 (実施例1)先ずダイヤモンド粉末(粒径40〜60μ
m)に無電解Niめっきを施して2μmのNiめっき層
を形成し、次に電気Cuめっきを施してNiめっき層の
外側にCuめっき層を11μm形成してめっき砥粒を製
作した。
【0036】このめっき砥粒を図2に示す加圧転動装置
に投入し、さらにCo粉(平均粒径3μm)を投入し軽
く混合した後、圧接板との間隔を0.5mmとし、ドラ
ム2の回転数を1800rpmとして摩擦圧接操作を繰
り返して第1圧着被覆層として厚さ6μmのCo層を形
成した。次にSn粉(平均粒径5μm)を投入してドラ
ム回転数900rpmとして摩擦圧接操作を繰り返して
第2の圧着被覆層として厚さ6μmのSn層を形成し
た。
【0037】この金属被覆砥粒を用いて外径φ151m
m、内径φ40mm、厚さ6mmの低炭素鋼(SS4
1)の外周に厚さ5mmの砥粒層を形成した。その形成
条件は、先ず台金を金型内にセットした後、金属被覆砥
粒を充填し、800℃、0.5ton/cm2、水素雰
囲気の条件で1時間ホットプレスして焼結した。この
際、砥粒層の気孔率が28%となるように当り止めを設
けてホットプレスした。得られた砥粒層は気孔率が28
%、固形成分についてはダイヤ含有率が12.5vol
%、Co−Sn金属間化合物層の厚さが約24μmであ
った。
【0038】(実施例2)先ずダイヤモンド粉末(粒径
40〜60μm)に無電解Cuめっきを施して2μmの
Cuめっき層を形成し、次に電気Cuめっきを施して無
電解Cuめっき層の外側に電気Cuめっき層を7μm形
成してめっき砥粒を製作した。
【0039】このめっき砥粒を図2に示す加圧転動装置
に投入し、さらにNi粉(平均粒径3μm)を投入し軽
く混合した後、圧接板との間隔を0.5mmとし、ドラ
ム2の回転数を1800rpmとして摩擦圧接操作を繰
り返して第1圧着被覆層として厚さ3μmのNi層を形
成した。次にSn粉(平均粒径5μm)を投入してドラ
ム回転数900rpmとして摩擦圧接操作を繰り返して
第2の圧着被覆層として厚さ3μmのSn層を形成し
た。
【0040】この金属被覆砥粒を用いて外径φ150m
m、内径φ40mm、厚さ6mmの低炭素鋼(SS4
1)の外周に厚さ5mmの砥粒層を形成した。その形成
条件は、先ず台金を金型内にセットした後、金属被覆砥
粒を充填し、750℃、0.5ton/cm2、水素雰
囲気の条件で1時間ホットプレスして焼結した。この
際、砥粒層の気孔率が15%となるように当り止めを設
けてホットプレスした。得られた砥粒層は気孔率が15
%、固形部分についてはダイヤ含有率が24vol%、N
i−Snの金属間化合物層の厚さが約12μmであっ
た。
【0041】また、同様に金属被覆砥粒を当り止めなし
でホットプレスして焼結し、無気孔の比較例1の砥石を
製作した。このようにして得られた実施例1と比較例1
の各メタルボンド砥石にトルーイング、ドレッシングを
施した後、以下に示す研削条件で92%アルミナの研削
試験を行った。
【0042】(研削試験条件) 砥石形状:IAI型φ160mm×厚さ6mm 研削様式:平面研削 被削材:92%アルミナ 研削盤:岡本63A 周速度:1500m/min テーブル送り速度:90mm/min 切込み速度:2mm/Pass 研削液:JE220 研削試験の結果を表1に示す。
【0043】このようにして得られたメタルボンド砥石
を、トルーイング、ドレッシングを施した後、実施例1
と同様な条件で研削試験を行った。その結果を表1に示
す。
【0044】(実施例3)実施例2で製作した金属被覆
砥粒を用いて外径φ150mm、内径φ40mm、厚さ
6mmの低炭素鋼(SS41)の外周に厚さ5mmの砥
粒層をホットプレスにより焼結した。基本的なホットプ
レス条件は実施例2と同様であるが、気孔率については
当り止めを設けてホットプレスし、気孔率は3%であっ
た。砥粒層の固形部分についてはダイヤ含有率が24vo
l/%、Ni−Snの金属間化合物層の厚さが約12μ
mであった。
【0045】また同様に金属被覆砥粒を当り止めなしで
ホットプレスして焼結し、無気孔の比較例2の砥石を製
作した。このようにして得られた実施例3と比較例2の
各メタルボンド砥石にトルーイング、ドレッシングを施
した後、実施例1と同様な条件で研削試験を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0046】(比較例)ダイヤモンド粉末(粒径40〜
60μm)に無電解Cuめっきを施し、このめっき砥粒
を加圧転動装置に投入し、Cu粉5μmを添加して、摩
擦圧接操作を繰返して、Cu被覆砥粒を製作した。Cu
被覆体積については、実施例1の金属被覆砥粒の全金属
被覆体積と同一にし、実施例1と同様条件でホットプレ
スして、気孔率が28vol/%で、固形部分について
は、ダイヤ含有率が12.5vol%,ボンドはCu単相
である比較例3の砥石を試作した。
【0047】また、Cu被覆体積が実施例2の金属被覆
砥粒の全金属被覆体積と同一なCu被覆砥粒についても
実施例1と同様な条件でホットプレスし、気孔率が15
%,固形部分については、ダイヤ含有率が24vol%,
ボンドはCu単相の比較例4の砥石を試作した。これら
の比較例のメタルボンド砥石にトルーイング、ドレッシ
ングを施した後、、実施例1と同様な研削試験を実施し
た。その結果を表1に示す。
【0048】
【0049】表1の結果より、気孔と硬質補強層である
金属間化合物層を有する実施例のメタルボンド砥石は、
アルミナのような難削材の重研削加工においても、低く
安定した研削抵抗を示し、良好な切れ味を有することが
わかる。一方、比較例1,2の気孔を有しない砥石では
自生発刃性が悪く、研削量の増大とともに、法線研削抵
抗が増大した。また、気孔のみを有し、補強層である金
属間化合物層を有しない比較例3,4では、僅かな研削
加工により気孔は研削加工に耐えられず、ボンド流動に
より埋まってしまい、気孔の削失とともに、研削抵抗の
急増が見られ、またボンド強度の不足によるダイヤ脱落
を生じ、研削比も大きく低下した。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係わる
メタルボンド砥石及びその製造方法によれば、砥粒層の
結合相内に多数の気孔が形成されるため、研削時におけ
る自生作用が活発となって切れ味がよくなり、良好な切
屑排出性が得られる。
【0051】また、砥粒層内部の砥粒の分布密度が均一
となり、研削面での切刃の分布密度が一定となる。これ
により、研削面の切れ味が一定となり良好な仕上げ面粗
さが得られるとともに、研削むらや砥石の異常振動を防
いで安定した研削性能を得ることができる。また、金属
相による砥粒保持力が均一になるため、砥粒の無駄な脱
落を防いで、砥石寿命の延長が図れる。
【0052】さらに、硬質の金属間化合物相中に気孔が
形成されるから、気孔による強度的劣化が防止され、従
来のメタルボンド砥石では得ることのできない耐荷重性
が得られ、重研削での使用に供することが可能となる。
【0053】また、圧着被覆層を構成する金属を金属め
っき層を構成する金属よりも軟質な材質とすることによ
り、圧着被覆層の形成が容易となって生産性が向上し、
また、金属粉末に還元性物質を添加して圧着被覆層を形
成した場合には、圧粉及び焼結時に被覆層が相互に融着
しやすくなり、焼結性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るメタルボンド砥石の砥
粒層の組織図である。
【図2】金属被覆層の製造に使用される装置の説明図で
ある。
【図3】加圧転動前の金属めっき砥粒と金属粉末の混合
状体を示す拡大図である。
【図4】第2圧着被覆層を被覆した後の金属被覆砥粒を
示す拡大図である。
【図5】砥粒と金属相の間の組成を示す拡大図である。
【符号の説明】
12 砥粒 14 金属相 26 金属間化合物相 28 気孔 30 金属間化合物相 32 結合相

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結合相中に多数の砥粒を分散した砥粒層を
    有するメタルボンド砥石であって、 前記結合相は、前記砥粒のそれぞれを球殻状に包囲する
    金属相と、これら金属相の間に形成され砥粒層全体に広
    がる3次元網目構造をなす、前記金属相よりも硬質の金
    属間化合物相と、この金属間化合物相中に形成された多
    数の気孔とを有することを特徴とするメタルボンド砥
    石。
  2. 【請求項2】前記各砥粒とこれら砥粒を包囲する前記金
    属相との間には、前記金属相より硬質の金属間化合物相
    が設けられていることを特徴とする請求項1記載のメタ
    ルボンド砥石。
  3. 【請求項3】前記金属間化合物相は、Ni―Sn系、C
    o―Sn系、Al―Cu系、Al―Zr系、Al―Cr
    系、Ti―Ni系、Ti−Al系から選択される1種又
    は2種以上の金属間化合物からなることを特徴とする請
    求項1または2に記載のメタルボンド砥石。
  4. 【請求項4】前記金属相の厚さは前記砥粒の平均粒径の
    5〜100%であり、前記金属間化合物相の幅は前記砥
    粒の平均粒径の10〜100%であることを特徴とする
    請求項1,2または3に記載のメタルボンド砥石。
  5. 【請求項5】前記砥粒層の気孔率は3〜30vol%で
    あることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載
    のメタルボンド砥石。
  6. 【請求項6】砥粒の表面に1層以上の金属めっき層を形
    成した後、これらめっき砥粒を、第1の金属粉末と混合
    して加圧転動運動を加え、機械的な摩擦圧接作用により
    前記金属めっき相上に第1の金属粉末を圧着させて第1
    圧着被覆層を形成し、この第1圧着被覆層上に前記第1
    の金属粉末とは異なる第2の金属粉末を用いて前記同様
    に第2圧着被覆層を形成し、この後、これら金属被覆砥
    粒を圧粉成形及び焼結することにより、前記第1の金属
    成分と前記第2の金属成分とを反応させ、3次元網目構
    造をなす金属間化合物相を形成することを特徴とするメ
    タルボンド砥石の製造方法。
  7. 【請求項7】砥粒の表面に1層以上の金属めっき層を形
    成した後、これらめっき砥粒を、第1の金属粉末及び前
    記第1の金属粉末とは異なる第2の金属粉末と混合して
    加圧転動運動を加え、機械的な摩擦圧接作用により前記
    金属めっき相上に圧着被覆層を形成し、この後、これら
    金属被覆砥粒を圧粉成形及び焼結することにより、前記
    第1の金属成分と前記第2の金属成分とを反応させ、3
    次元網目構造をなす金属間化合物相を形成することを特
    徴とするメタルボンド砥石の製造方法。
  8. 【請求項8】前記各圧着被覆層を構成する金属は、いず
    れも前記金属めっき層を構成する金属よりも軟質な材質
    であることを特徴とする請求項6または7記載のメタル
    ボンド砥石の製造方法。
  9. 【請求項9】前記各圧着被覆層を形成するに際し、前記
    各金属粉末に還元性物質を添加して圧着被覆することを
    特徴とする請求項6、7または8記載のメタルボンド砥
    石の製造方法。
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