JPH085012B2 - メタルボンド砥石 - Google Patents

メタルボンド砥石

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JPH085012B2
JPH085012B2 JP61177049A JP17704986A JPH085012B2 JP H085012 B2 JPH085012 B2 JP H085012B2 JP 61177049 A JP61177049 A JP 61177049A JP 17704986 A JP17704986 A JP 17704986A JP H085012 B2 JPH085012 B2 JP H085012B2
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JP
Japan
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metal
grindstone
grinding
carbon fiber
metal bond
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JP61177049A
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務 高橋
数義 足立
正勝 稲葉
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、コンクリートや石材の切断、フェライトや
ガラスの研削等に使用されるメタルボンド砥石に関す
る。
「従来の技術」 この種のメタルボンド砥石は、銅,錫,鉄,ニッケル
等の合金からなる金属結合剤相中にダイヤモンドまたは
CBN等の超砥粒を分散してなる砥粒層を有するものであ
って、この砥粒層を砥石台金上に形成したタイプ、およ
び砥石台金を有しない、砥粒層のみからなるオールブレ
ードタイプがある。
「発明が解決しようとする問題点」 ところで、このようなメタルボンド砥石にあっては、
金属結合剤相と被研削材との摩擦係数が大きいため、研
削抵抗が大きく、チッピングやムシリが大きいうえ、摩
擦熱により砥石が過熱するおそれがあった。また、金属
結合剤相が緻密に形成されているため、超砥粒が脱落し
にくく、砥粒層表面のチップポケットが形成されにく
く、研削屑の排出性が不十分であるといった欠点があっ
た。
そこで、研削抵抗を低減させるとともに、チップポケ
ットの形成を容易にするために、金属結合剤相中に黒鉛
粉を添加したメタルボンド砥石も試作されているが、こ
のような砥石では、金属結合剤相の強度が低下し、研削
負荷により砥粒層が損傷しやすいという新たな問題が生
じる。また、黒鉛粉の代わりに炭素繊維を混入して、同
様の効果を得ることも考えられるが、炭素繊維の比重は
金属粉末に比べて小さく、両者を均一に混合することは
困難である。しかも、炭素繊維の表面は、金属結合剤と
の濡れ性が悪く、両者の界面において十分な接合強度が
得られず、満足のいく砥石強度の向上効果が得られなか
った。
「本発明の目的」 本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、研削抵
抗が小さく、砥石強度が高く、しかも研削屑の排出性の
良いメタルボンド砥石を提供することを目的とする。
「問題点を解決するための手段」 本発明のメタルボンド砥石は、砥粒層中に、金属被覆
を施し比重を前記金属結合剤と略等しくした炭素繊維を
均一に分散させたことを特徴とする。
「実施例」 以下、本発明の一実施例を詳細に説明する。
本実施例のメタルボンド砥石は、銅,錫,鉄,ニッケ
ル等の金属結合剤相中に、ダイヤモンドあるいはCBN等
の超砥粒を分散させるとともに金属被覆を施し比重を前
記金属結合剤と略等しくした炭素繊維を均一に分散させ
てなる砥粒層を有するものである。なお、本発明の砥石
は、砥石台金上前記砥粒層が形成されているものであっ
ても、砥粒層のみからなるオールブレードタイプの砥石
であってもよい。前記金属被覆した炭素繊維の分散量
は、2〜30vol%であることが望ましい。この分散量が2
vol%未満であると、十分な砥石強度向上効果が得られ
ず、また30vol%より多いと、砥粒層表面からの炭素繊
維の露出量が多くなり、砥石の切れ味が低下する。
前記金属被覆された炭素繊維の長さは、0.01〜1.0mm
程度であることが望ましい。この値よりも炭素繊維が短
いと、炭素繊維のアスペクト比が小さいため、砥石強度
向上効果が低下する。また、前記値よりも長い炭素繊維
を使用すると、金属結合剤相へ炭素繊維を均一に分散さ
せることが困難になって、砥粒層が不均一になるため、
砥粒層に局部的な異常摩耗を生じるおそれが生じる。
炭素繊維に金属被覆する金属としては、無電解メッキ
法あるいは電気メッキ法による析出が容易で、しかも金
属結合剤との接合性が良い銅またはニッケルあるいはこ
れらの合金等が好適である。また、この金属被覆の肉厚
は、金属被覆した炭素繊維の比重が、金属結合剤の比重
にできるだけ近い値になるように、炭素繊維の太さ等に
応じて決定されることが望ましい。
次に、このようなメタルボンド砥石の製造方法を説明
する。
まず、所定の大きさの炭素繊維表面に、無電解メッキ
を用いて、前記所定肉厚の金属被覆を形成する。
次いで、粉末状の金属結合剤中に、前記金属被覆した
炭素繊維および超砥粒を所定量添加して十分に混合し、
型込めしてコールドプレスした後、ホットプレスあるい
は焼結を行ない、砥石形状に成形する。そして、得られ
た成型体に整形およびドレッシングを施し、メタルボン
ド砥石を得る。
このような構成からなるメタルボンド砥石にあって
は、金属被覆を施すことによりその比重を金属結合剤と
略等しくした炭素繊維を、金属結合剤と混合して製造さ
れたものなので、金属結合剤相中における炭素繊維の分
散性が良い。同時に、金属被覆によって、炭素繊維と金
属結合剤との濡れ性が高くなるので、炭素繊維と金属結
合剤との界面における接合強度を高めることができる。
したがって、この砥石にあっては、金属結合剤相の強度
を著しく高め、砥石強度および研削比を向上させること
が可能である。
また、このメタルボンド砥石によれば、砥削中に順
次、炭素繊維が金属結合剤相表面に露出するので、金属
結合剤相表面と被研削材との摩擦係数を著しく低下させ
ることができ、砥石の研削抵抗の低減が図れる。したが
って、被研削材にチッピングやムシリが生じることが防
止でき、砥石の過熱が防げる。
また、金属結合剤相表面に露出した炭素繊維は、研削
につれて部分的に金属結合剤相から剥落し、その跡に溝
状のチップポケットを形成するので、研削屑の排出性を
向上させることができ、砥石の目詰まりが起こりにく
い。
なお、前記の実施例では、通常の炭素繊維を使用して
いたが、炭化ケイ素繊維、炭化ケイ素ウイスカー等を使
用しても同様の効果が得られる。
「実験例」 次に、実験例を挙げて本発明のメタルボンド砥石の効
果を実証する。
まず、所定の大きさの炭素繊維表面に、無電解メッキ
法を用いてニッケルを析出させ、金属被覆を形成した。
次いで、この炭素繊維を、ダイヤモンド超砥粒ととも
に、金属結合剤(Cu;85vol%,Sn;15vol%、以下の砥石
も共通)粉末中に所定量添加して十分に混合し、型込め
して円板状台金の外周に固定した。さらに、得られた成
型体にホットプレスおよび焼結を行ない、砥石形状に整
え、ドレッシング等の処理を施して、実験例1の円板状
メタルボンド研削砥石を得た。
他方、炭素繊維を添加しない点以外は前記と同様の方
法で、比較例1の円板状メタルボンド研削砥石を製造し
た。
次に、以上2個のメタルボンド研削砥石により、以下
の研削条件(湿式)において研削を行なった。
研削条件 被研削材:96%アルミナ材 砥石周速:1500m/min. 送り速度:10m/min. クロス送り:2mm 切り込み:0.01mm また、砥石台金のない、オールブレードタイプ(薄円
板状)の切断用砥石を、前記実験例1および比較例1と
略同様の工程により製作し、実験例2および比較例2の
メタルボンド砥石とした。
次いで、実験例2および比較例2のメタルボンド砥石
を用い、以下の条件(湿式)において研削切断を行なっ
た。
研削条件 被研削材:フェライト 砥石周速:1500m/min. 送り速度:150mm/min. 切り込み:20mm 刃先突出量:25mm 次表は、上記4種類のメタルボンド研削砥石の組成お
よび各々の研削結果を示すものである。
上表から明らかなように、実験例1および実験例2の
メタルボンド砥石では、各比較例に比べて研削抵抗、チ
ッピング幅の減少、研削比の向上が確認された。
「発明の効果」 本発明のメタルボンド砥石によれば、以下のような優
れた効果が得られる。
金属被覆を施すことにより比重を金属結合剤と略等し
くした炭素繊維を、金属結合剤と混合して製造されるの
で、金属結合剤相中における炭素繊維の分散性が良い。
同時に、金属被覆によって、炭素繊維と金属結合剤との
濡れ性が高くなるので、炭素繊維と金属結合剤との界面
における接合強度を高めることができる。したがって、
金属結合剤相の強度が著しく高く、砥石強度が格段に向
上する。
研削中に順次、炭素繊維が金属結合剤相表面に露出す
るので、金属結合剤相表面と被研削材との摩擦係数を著
しく低下させることができ、砥石の研削抵抗の低減が図
れる。したがって、被研削材にチッピングやムシリが生
じることが防止でき、砥石の過熱が防げる。
金属結合剤相表面に露出した炭素繊維は、研削につれ
て部分的に金属結合剤相から剥離し、研削屑を研削部分
から掃き出しつつ容易に脱落し、その跡にチップポケッ
トを形成するため、研削屑の排出性が高く、砥石の目詰
まりが起こりにくい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−103783(JP,A) 昭和61年度精密工学会春季大会学術講演 会論文集第2分冊,(昭61.3.5),社 団法人精密工学会,P.641−642

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属結合剤相中に超砥粒を分散してなる砥
    粒層を有するメタルボンド砥石において、 前記砥粒層中に、金属被覆を施し比重を前記金属結合剤
    と略等しくした炭素繊維を均一に分散させたことを特徴
    とするメタルボンド砥石。
  2. 【請求項2】前記金属被覆を形成した炭素繊維の分散量
    が2〜30vol%であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載のメタルボンド砥石。
  3. 【請求項3】前記炭素繊維の長さは、0.01〜1.0mmであ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項
    記載のメタルボンド砥石。
JP61177049A 1986-07-28 1986-07-28 メタルボンド砥石 Expired - Lifetime JPH085012B2 (ja)

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