JP3440818B2 - レジンボンド砥石 - Google Patents
レジンボンド砥石Info
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Description
適したレジンボンド砥石に関するものである。
の砥粒をフェノール等の樹脂結合相中に分散させた砥粒
層を有する砥石の総称であり、研削中に樹脂結合相が摩
耗して砥粒が徐々に突き出す作用、いわゆる自生発刃作
用が良好であることから、他種の結合剤を使用した砥石
では研削しにくい難削材料の研削においても比較的良好
な切れ味が得られるという特徴を有している。
加工が難しいサーメット、超硬合金並びに硬質セラミッ
クスなどが数多く登場し、広範な分野に使用されつつあ
るだけでなく、加工効率を向上するためにより高剛性、
高馬力の研削機械を用いるなど、研削条件が一段と厳し
くなりつつある。
件下では、フェノールを結合相として使用した従来のレ
ジンボンド砥石は結合相の強度および耐熱性が不足する
ため、被削材からの切り込み衝撃および高熱を受ける砥
粒を結合相が十分に保持することができず、切れ味や耐
久性が不足するという問題があった。
の代わりに、ポリイミド樹脂を使用して結合相を形成す
る試みもなされているが、結合相による砥粒保持力を高
めると切削後の砥粒層の形状崩れが少ないものの、難削
材に対する切れ味が低下する傾向があり、逆に、結合相
による砥粒保持力を弱めると切れ味が良くなるものの砥
粒相の形状崩れが激しくなるといったように、難削材に
対する切れ味の良好さと、切削後の形状維持性とを共に
満足させることが難しかった。
で、超硬合金等の難削材の研削においても良好な切れ味
が得られ、しかも切削後の砥粒層の形状崩れが少ないレ
ジンボンド砥石を提供することを課題としている。
め、本発明に係るレジンボンド砥石では、フェノール樹
脂を主組成物とする母相中に、前記フェノール樹脂の硬
化温度よりもガラス転移点が高い熱可塑性樹脂をフィラ
ーとして前記樹脂結合相の5〜50vol%分散させた
樹脂結合相を使用し、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点
は250〜450℃であることを特徴としている。
説明する。なお、本発明に係るレジンボンド砥石は、砥
粒層の組成に主たる特徴を有するものであり、砥石の形
状や寸法はいかなるものであってもよい。例えば、台金
の外周または端面に砥粒層を形成または固定した砥石で
あってもよいし、台金を使用せず砥粒層そのものによっ
て砥石を形成したものであってもよい。また、砥石の形
状はホイール型、カップ型、総型、セグメント砥石、内
周研削砥石など従来使用されている如何なる形式であっ
てもよい。
脂結合相中に分散させた砥粒層を有するレジンボンド砥
石であって、樹脂結合相は、フェノール樹脂を主組成物
とする母相中に、前記フェノール樹脂の硬化温度よりも
ガラス転移点が高い耐熱性の熱可塑性樹脂をフィラーと
して前記樹脂結合相の5〜50vol%分散させたもの
であることを特徴としたものである。
ノールとホルムアルデヒドとの反応によって得られる狭
義のフェノール樹脂(フェノールホルムアルデヒド樹
脂)の他に、フェノールの誘導体とホルムアルデヒドと
の反応によって得られる樹脂、フェノールとホルムアル
デヒドを除くアルデヒド類との反応によって得られる樹
脂、フェノールの誘導体とホルムアルデヒドを除くアル
デヒド類との反応によって得られる樹脂をも広く含むも
のと定義する。したがって、例えばクレゾール樹脂、ア
ルキルフェノール樹脂、フェノールフルフラール樹脂な
ども含まれる。
硬化温度は150〜250℃であることが好ましく、さ
らに好ましくは180〜230℃である。また、熱変形
温度が110℃以上、引っ張り強さが4kgf/mm2
以上のものであることが好ましい。
脂としては、全芳香族ポリイミド、全芳香族ポリアミド
イミド、および非ポリイミド系全芳香族樹脂から選択さ
れる1種または2種以上の熱可塑性ポリイミド樹脂が好
適である。熱可塑性樹脂は、フェノール樹脂よりも耐熱
性が高く、高温強度を付加する役割を果たすと共に、被
削材に対する溶着性を低減し、研削抵抗を低下させる効
果を奏する。
nt社商標名「VESPEL」等のポリピロメリット酸
系ポリイミド樹脂、ポリビフェニル系ポリイミド樹脂、
三菱化成社商標名「PI2080」等のポリベンゾフェ
ノン系ポリイミド樹脂などが例示できる。以上の中で
も、ポリピロメリット酸系全芳香族ポリイミド樹脂が好
適である。
化成社商標名「TORLON」、東レ社商標名「TI−
5000」、住友化学社商標名「スミカPAI・M70
00」などが例示できる。
友化学社商標名「エコノール」等の全芳香族ポリエステ
ル樹脂、東亜燃料社商標名「TRADLON」等のポリ
パラバニック酸樹脂などが例示できる。
転移点Tgがフェノール樹脂の硬化温度よりも高いこと
が必要であり、特に250〜450℃であることが好ま
しく、さらに好ましいのは300〜400℃である。ガ
ラス転移点Tgがフェノール樹脂の硬化温度よりも低い
と、フェノール樹脂を硬化させる際に熱可塑性樹脂が溶
解するため、熱可塑性樹脂を非相溶のフィラーとして均
一分散させることができなくなる。また250℃よりも
ガラス転移点Tgが低いと切削性能を向上する作用が得
られ難くなり、450℃よりも高い必要は通常ない。フ
ィラーとしての熱可塑性樹脂中には、銅などの金属粉末
や、炭化珪素などの硬質粒子が含まれないため、熱可塑
性樹脂粒子は弾性体として機能し、砥石のクッション性
を高め、被削材の加工損傷の低減や、面粗さの向上に寄
与する。また、溶着性を低減する効果も果たす。
砥石成形前に不活性雰囲気下で熱処理を施して、吸着
水、吸着ガス等を除去し、清浄化しておくことが好まし
い。熱処理としては、窒素やアルゴン等の不活性ガス中
で250〜450℃において30〜240分加熱する程
度の熱処理が好ましい。砥石成形前に熱可塑性樹脂粉末
に対してこのような熱処理を行うことにより、耐摩耗性
を向上する効果を得ることができるからである。ただ
し、熱処理は必須ではなく、熱処理を施さない熱可塑性
樹脂粉末も原料として使用することができる。
5〜20vol%程度分散されていてもよい。金属粉末
としては、Cu,Ag,Sn,Ni,Auなどが例示で
きるが、コストや効果の観点から特に好ましいのはCu
とAgである。2種以上の金属粉末を混合して添加して
もよい。金属粉末を添加することにより、樹脂結合相の
耐摩耗性を向上することが可能である。ただし、総添加
量が5vol%未満では効果が少なく、20vol%を
越えると砥粒保持力を低下させてしまうおそれがある。
得られるが、偏平状もしくは鱗片状であることがより好
ましい。偏平状や鱗片状などのようにアスペクト比が大
きい形状であると、樹脂結合相中における分散性を高め
ることが可能だからである。金属粉末の平均粒径は0.
5〜50μmであることが好ましく、5〜20μmであ
るとさらによい。平均粒径が小さすぎても大きすぎても
結合相の耐摩耗性を向上する効果が少なくなる。
2O3,Al2O3,SiO2 などから選択される1種また
は2種以上の硬質粒子が、樹脂結合相全体の5〜20v
ol%分散されていてもよい。硬質粒子を添加しておけ
ば、個々の超砥粒の周囲に硬質粒子を均一に配置するこ
とができ、超砥粒の保持力を高めるなどの作用が得られ
る。ただし5vol%未満では効果が少なく、20vo
l%を越えると砥粒保持力を低下させてしまうおそれが
ある。粉末粒子の性状は球状等であっても効果は得られ
るが、偏平状もしくは鱗片状であることがより好まし
い。偏平状や鱗片状などのようにアスペクト比が大きい
形状であると、樹脂結合相中における分散性を高めるこ
とが可能だからである。硬質粒子の平均粒径は0.5〜
50μmであることが好ましく、5〜20μmであると
さらによい。平均粒径が小さすぎても大きすぎても超砥
粒の保持力を向上する効果が少なくなる。
合相全体の5〜20vol%分散されていてもよい。固
体潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレン等のフ
ッ素樹脂、hBN、フッ化カルシウム、グラファイト、
MoS2 等が例示でき、このような固定潤滑剤粉末の1
種または2種以上を添加することにより、砥粒層と被削
材との摩擦を低減して研削抵抗を減少させる効果が得ら
れる。ただし5vol%未満では効果が少なく、20v
ol%を越えると砥粒保持力を低下させてしまうおそれ
がある。粒子の性状は球状等であっても効果は得られる
が、偏平状もしくは鱗片状であることがより好ましい。
偏平状や鱗片状などのようにアスペクト比が大きい形状
であると、樹脂結合相中における分散性を高めることが
可能だからである。固体潤滑剤粉末の平均粒径は0.5
〜50μmであることが好ましく、5〜20μmである
とさらによい。平均粒径が小さすぎても大きすぎても研
削抵抗を減少させる効果が少なくなる。
成する場合には、台金として通常の金属台金のみなら
ず、ポリイミド樹脂等の樹脂からなる樹脂製台金や、ポ
リイミド樹脂とアルミニウム粉末との複合材料のような
複合材料製台金も使用することが可能である。樹脂製台
金や複合材料製台金を使用した場合には、金属製台金に
比して製造コストの低下が図れる上、台金自体の弾性を
増すことが可能であるから、レジンボンド砥粒層の被削
材への切り込み衝撃を緩和することが可能である。本発
明に特に好適な台金としては、50〜90%のアルミニ
ウム粉末を含有する熱硬化性ポリイミドからなる台金が
例示できる。
相中において熱可塑性樹脂フィラーが非相溶の海島構造
をとるように分散していることが好ましい。熱可塑性樹
脂フィラーの粒子形状や平均粒径は限定されないが、粒
子形状は不定形状であることが好ましく、平均粒径は1
〜100μm程度であることが好ましい。そのほうが、
フィラー粒子の脱落をいっそう防止し、耐摩耗性をさら
に向上させることができるからである。
ないが、超硬合金等の難削材に使用する場合には、超砥
粒の平均粒径が5〜125μm(#2000〜#12
0)であることが好ましく、さらに好ましくは10〜1
00μm(#800〜#140)とされる。また、超砥
粒の分散量は、砥粒層全体に対して12.5〜37.5
vol%であることが好ましく、より好ましくは18〜
31vol%とされる。上記範囲であればいっそう良好
な研削性が得られる。
使用されていたいかなる種類のものであってもよいが、
ダイヤモンド砥粒の方がCBN砥粒に比して樹脂結合相
との濡れ性が若干良好であることが本発明者らの実験で
判明している。ただし、CBN砥粒も勿論使用可能であ
る。
性に富んで切れ味が良好な天然破砕ダイヤモンドを使用
した方が、相対的に強靱な合成ダイヤモンドを使用する
よりも好ましい。強靱な砥粒とは、ある程度の結晶性を
有して球形に近い、いわゆるブロッキーな砥粒をいい、
天然破砕ダイヤモンドよりも耐摩耗性が高い。破砕性と
は、強靱さを評価する尺度であり、日経技術図書株式会
社が発行した「ダイヤモンドツール」の238〜239
頁に記載されているポットミル法を用いて評価すること
ができる。ポットミル法とは、内径約12.5mm、深
さ約26mmの蓋ができるスチールカプセル内に、粒度
分級した2g(10カラット)の砥粒、および直径が約
7.9mmで重量が2.045〜2.025gのスチー
ルボール1個を入れ、回転数2400rpmおよび振幅
8.255mmの揺動機に固定し、粒度に応じて決めら
れた一定時間(30〜180秒)揺動させ、最も目の細
かい4段目のふるいを通過した粉重量を、回収試料の総
重量で除した百分率(F値という)を求める方法であ
り、F値が50以上の場合に破砕性が良いと称する。
は、全ての材料の粉末を十分に混合した後、混合材料を
周知の成形装置内に型込し、フェノール樹脂の硬化温度
まで材料を加熱すればよい。フェノール樹脂の硬化温度
まで加熱しても、熱可塑性樹脂の溶融温度はそれより高
いため、熱可塑性樹脂の粉末は海島状にフェノール樹脂
からなる母相中に残り、所望の構造を有するレジンボン
ド砥粒層が得られる。この砥粒層を必要に応じて台金に
固定し、形状修正して本発明のレジンボンド砥石が得ら
れる。なお、砥粒層成形に先立って、熱可塑性樹脂を前
述した条件で熱処理しておくことが好ましい。
ば、フェノール樹脂を主組成物とする母相中に、そのフ
ェノール樹脂の硬化温度よりもガラス転移点が高い熱可
塑性樹脂をフィラーとして樹脂結合相の5〜50vol
%分散させた樹脂結合相を使用したことにより、難削
材、特に超硬合金に対する切削性に優れており、このよ
うな良好な研削性にも拘わらず、研削による砥粒層の消
耗が少ないために長期に亘って砥粒層の形状変化が少な
いという利点を有する。
る。 [実験1]難削材として超硬合金を使用し、各種の組成
を有するレジンボンド砥石を用いて研削性、研削比、砥
粒層の形状崩れの程度を比較した。 (共通寸法等) 砥石の形状:1A1型 砥石の寸法:外径200mm×砥石厚さ7mm×砥粒層
厚さ3mm×内径50.8mm
ol% ダイヤモンドの破砕性:F値=35〜50
ール樹脂 フィラーとなる熱可塑性樹脂:全芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂 そのガラス転移点温度:285℃ ダイヤモンド砥粒の平均粒径:70μm ダイヤモンド砥粒の分散量:砥粒層全体に対して25v
ol% ダイヤモンドの破砕性:F値=35〜50
ール樹脂 フィラーとなる熱可塑性樹脂:全芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂 そのガラス転移点温度:285℃ ダイヤモンド砥粒の平均粒径:70μm ダイヤモンド砥粒の分散量:砥粒層全体に対して25v
ol% ダイヤモンドの破砕性:F値=35〜50 金属粉末(第2フィラー)の種類:銅粉 金属粉末の分散量:結合相全体の10vol% 金属粉末の平均粒径:2μm
ール樹脂 フィラーとなる熱可塑性樹脂:全芳香族ポリアミドイミ
ド樹脂 そのガラス転移点温度:285℃ ダイヤモンド砥粒の平均粒径:70μm ダイヤモンド砥粒の分散量:砥粒層全体に対して25v
ol% ダイヤモンドの破砕性:F値=35〜50 SiCの分散量:結合相全体の10vol% SiCの平均粒径:8μm
の粉末を十分に混合した後、混合材料を成形装置内に型
込し、熱硬化性樹脂の硬化温度まで材料を加熱して砥粒
層を形成し、次いで、この砥粒層を台金に固定し、形状
修正した。
石を使用して、以下の条件で研削試験を行い、研削比、
法線抵抗、形状崩れを比較した。 被削材:三菱マテリアル株式会社製の超硬合金「HTi
10」 被削材寸法:幅200mm×厚さ7mm 研削様式:レシプロ研削 研削機械:岡本工作機械株式会社製平面研削盤3.2k
W 砥石周速:1500m/min t(切り込み):0.02mm F(テーブル送りスピード):10m/min 結果を表1に示す。なお、形状崩れの評価方法は、ホイ
ール外周面のうち縁から3mmの部分にのみ被削材を当
接させて研削を行い、研削後に生じた段差の高さを測定
しておこなった。
1〜3では、フィラーとしてガラス転移点が高い熱可塑
性樹脂を含まない比較例に比べて、研削比が大きく、法
線抵抗が低減でき、しかも形状崩れが少なかった。
ンボンド砥石は、フェノール樹脂を主組成物とする母相
中に、そのフェノール樹脂の硬化温度よりもガラス転移
点が高い熱可塑性樹脂をフィラーとして樹脂結合相の5
〜50vol%分散させた樹脂結合相を使用し、前記熱
可塑性樹脂のガラス転移点は250〜450℃であるこ
とにより、特に超硬合金等の難削材に対する切削性に優
れている。しかも、このような良好な研削性にも拘わら
ず、研削による砥粒層の消耗が少ないために長期に亘っ
て砥粒層の形状変化が少ないという利点を有する。
Claims (4)
- 【請求項1】 超砥粒を樹脂結合相中に分散させた砥粒
層を有するレジンボンド砥石であって、前記樹脂結合相
は、フェノール樹脂を主組成物とする母相中に前記フェ
ノール樹脂の硬化温度よりもガラス転移点が高い熱可塑
性樹脂をフィラーとして前記樹脂結合相全体の5〜50
vol%分散させたものであり、前記熱可塑性樹脂のガ
ラス転移点は250〜450℃であることを特徴とする
レジンボンド砥石。 - 【請求項2】 前記樹脂結合相には、金属粉末が前記樹
脂結合相全体の5〜20vol%分散されていることを
特徴とする請求項1に記載のレジンボンド砥石。 - 【請求項3】 前記樹脂結合相には、SiC,Si
3N4,Cr2O3,Al2O3,SiO2から選択され
る1種または2種以上の硬質粒子が前記樹脂結合相全体
の5〜20vol%分散されていることを特徴とする請
求項1または2に記載のレジンボンド砥石。 - 【請求項4】 前記樹脂結合相には、固形潤滑剤粒子が
前記樹脂結合相全体の5〜20vol%分散されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレジ
ンボンド砥石。
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JP10982898A JP3440818B2 (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | レジンボンド砥石 |
Publications (2)
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JPH11300623A JPH11300623A (ja) | 1999-11-02 |
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ID=14520248
Family Applications (1)
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-
1998
- 1998-04-20 JP JP10982898A patent/JP3440818B2/ja not_active Expired - Fee Related
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