JP3424540B2 - レジンボンド砥石 - Google Patents
レジンボンド砥石Info
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Description
適したレジンボンド砥石に関するものである。
の砥粒をフェノール等の樹脂結合相中に分散させた砥粒
層を有する砥石の総称であり、研削中に樹脂結合相が摩
耗して新しい砥粒が徐々に突き出す作用、いわゆる自生
発刃作用に優れていることから、他種の結合剤を使用し
た砥石では研削しにくい難削材料の研削においても、比
較的良好な切れ味が得られるという特徴を有している。
加工が難しいサーメット、超硬合金並びに硬質セラミッ
クスなどが数多く登場し、広範な分野に使用されつつあ
るだけでなく、加工効率を向上するためにより高剛性、
高馬力の研削機械を用いるなど、研削条件が一段と厳し
くなりつつある。
件下では、フェノールを結合相として使用した従来のレ
ジンボンド砥石は結合相の強度および耐熱性が不足する
ため、被削材への切り込み衝撃および高熱を受ける砥粒
を樹脂結合相が十分に保持することができず、切れ味や
耐久性が不足するという問題があった。
953号公報および特開平5−277956号公報にお
いて、レジンボンド砥石の樹脂結合相の強度および耐熱
性を向上する目的で、金属被覆を形成した中空粒子を樹
脂結合相中にフィラーとして分散させたレジンボンド砥
石を提案している。このようなフィラーを分散させるこ
とにより、樹脂結合相の強度を向上するとともに、フィ
ラーが有する金属被覆により樹脂結合相の伝熱性を高
め、研削熱によって砥粒保持力が低下することを抑制で
きる。また、中空フィラーの金属被覆は、フィラー全体
の見かけ上の比重を樹脂相と揃えることにより、均一分
散性を高める役目も果たす。
を分散させただけでは、現実には十分に樹脂結合相の伝
熱性を高めることは困難だった。また、中空フィラーと
樹脂相との濡れ性および接合性を高め難く、中空フィラ
ーの脱落に伴う砥粒層の形状崩れがいまだに比較的顕著
であるという問題もあった。
で、難削材の重研削においても良好な切削性を保つこと
ができ、しかも切削後の砥粒層の形状崩れが少ないレジ
ンボンド砥石を提供することを課題としている。
め、本発明に係るレジンボンド砥石では、超砥粒を樹脂
結合相中に分散させてなり、前記樹脂結合相は、熱硬化
性樹脂を主組成物とする母相中に、前記樹脂結合相全体
の5〜40vol%を占める、金属被覆を形成した中空
粒子と、前記樹脂結合相全体の5〜40vol%を占め
る金属粉末とをそれぞれフィラーとして分散させたもの
であることを特徴としている。
説明する。なお、本発明に係るレジンボンド砥石は、砥
粒層の組成に主たる特徴を有するものであり、砥石の形
状や寸法はいかなるものであってもよい。例えば、台金
の外周または端面に砥粒層を形成または固定した砥石で
あってもよいし、台金を使用せず砥粒層そのものによっ
て砥石を形成したものであってもよい。また、砥石の形
状はホイール型、カップ型、総型、セグメント砥石、内
周研削砥石など従来使用されている如何なる形式であっ
てもよい。
脂結合相中に分散させてなる砥粒層を有するレジンボン
ド砥石であって、樹脂結合相は、熱硬化性樹脂を主組成
物とする母相中に、金属被覆を形成した中空粒子と、金
属粉末とをそれぞれフィラーとして分散させたことを主
たる特徴とするものである。
脂としては、熱硬化性ポリイミド樹脂、フェノール樹
脂、並びにポリスチリルピリジン等の非ポリイミド熱硬
化性樹脂などが使用可能である。中でも本発明に特に好
適なものは、熱硬化性ポリイミド樹脂およびフェノール
樹脂である。
ては、日本ポリイミド社商標名「KERIMID」や東
芝ケミカル社商標名「イミダロイ」などのPABM系ポ
リイミド樹脂、NASAの商標名「PMR−15」およ
び「LARC−160」などのナジック酸変性系ポリイ
ミド樹脂、鐘紡NSC社商標名「THRMID」などの
アセチレン末端系ポリイミド樹脂、およびビスマレイミ
ド樹脂が挙げられる。その中でも特にビスマレイミド樹
脂が本発明に好適である。
(I)を母体とする熱硬化性樹脂の総称であり、具体例
としては、ビスマレイミドと芳香族ジアミンとから得ら
れるポリアミノビスマレイミド(例えば、ローヌ・プー
ラン社の付加型ポリイミドの商標名「キネル」)、ビス
マレイミドとアミノ安息香酸ヒドラジドとの付加反応に
より得られた「コンプイミド」(Boot社とTechnochemie
社の共同開発による耐熱性熱硬化性樹脂の商標名)、ジ
アリルビスフェノールA(商品名)、アリルエーテル化
ノボラック、ビスマレイミドとジシアネート化合物(I
II)との反応によるビスマレイミドトリアジン樹脂な
どを挙げることができる。
0〜450℃であることが好ましく、特に好ましいのは
250〜400℃である。硬化温度が低すぎるものは耐
熱性に劣る問題があり、高すぎるものは生産性が悪化す
る。また、熱変形温度が250℃以上、引っ張り強さが
5kgf/mm2 以上のものであることが好ましい。
脂は、フェノールとホルムアルデヒドとの反応によって
得られる狭義のフェノール樹脂(フェノールホルムアル
デヒド樹脂)の他に、フェノールの誘導体とホルムアル
デヒドとの反応によって得られる樹脂、フェノールとホ
ルムアルデヒドを除くアルデヒド類との反応によって得
られる樹脂、フェノールの誘導体とホルムアルデヒドを
除くアルデヒド類との反応によって得られる樹脂をも広
く含むものと定義する。したがって、例えばクレゾール
樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノールフルフラー
ル樹脂なども含まれる。
硬化温度は150〜250℃であることが好ましく、さ
らに好ましくは180〜230℃である。また、熱変形
温度が110℃以上、引っ張り強さが4kgf/mm2
以上のものであることが好ましい。
れる、金属被覆を形成した中空粒子は、中空の無機物質
もしくは有機物質から形成された中空粒子の表面に、そ
の全面または一部を覆うように金属を付着させたもので
ある。中空粒子の素材は限定されないが、ある程度破砕
されやすい中空ガラスビーズや中空プラスチックビーズ
などが好適である。ガラスやプラスチックの種類は従来
製造可能ないかなるものであってもよい。
いが、球形に近い形状である方が好ましい。球形に近い
と、中空粒子(またはその金属被覆)に接する樹脂結合
相の界面にエッジが生じないため、エッジに応力が集中
して樹脂結合相に微小クラックが生じることが抑制でき
るからである。金属被覆を含まない中空粒子の平均粒径
は30〜100μmであることが好ましく、より好まし
くは40〜80μmである。中空粒子の平均粒径が大き
すぎても小さすぎても、樹脂結合相の強度向上効果が相
対的に低減する。
の5〜40vol%であることが必要であり、より好ま
しくは10〜30vol%である。添加量が上記範囲未
満では樹脂結合相の強度およびチップポケット生成効果
を高める効果に乏しいが、上記範囲を越えると砥粒保持
力をかえって低下させてしまうおそれがある。
質としては、Ag,Cu,Sn,Ni,Auなどが例示
できるが、コストや効果の観点から特に好ましいのはA
g,Cu,またはこれらの合金である。2種以上の金属
により金属被覆を形成してもよい。金属被覆の厚さは、
金属被覆を含めた中空粒子の見かけ上の比重が樹脂結合
相の原料の見かけ上の比重に近くなるように設定され
る。原料混合時における金属被覆中空粒子の均一分散性
を高めるためである。具体的には、金属被覆を含めた中
空粒子の見かけ上の比重が0.5〜1.5g/cm3 と
なることが好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.0
g/cm3 である。金属被覆は中空粒子の全面に亘って
均一に付着していることが理想的であるが、必ずしも均
一でなくてもよい。
法は、従来使用されている如何なる方法であってもよ
い。例えば、無電解めっき法、電解めっき法、各種蒸着
法で直接に中空粒子上に金属を付着させてもよいし、あ
るいは、適当な分散媒と金属粉末と中空粒子とを混練し
て中空粒子の周囲に分散媒と金属粉末が団子状に付着し
た複合粒子を作成してから、この複合粒子を焼成して分
散媒を除去しつつ金属被覆を形成する方法や、適当なバ
インダーと金属粉末と中空粒子とを混練して、中空粒子
の周囲にバインダーと金属粉末が団子状に付着した複合
粒子を作成してから、この複合粒子を焼成してバインダ
ーにより金属粉末を中空粒子に固着させて金属被覆を形
成する等によっても製造することも可能である。好適な
バインダーの一例としては、ポリエステル樹脂:10v
ol%、メチルエチルケトン:5vol%、酢酸ブチ
ル:30〜40vol%、キシレン:50vol%を混
合したものが挙げられる。
添加する金属粉末は、結合相全体の5〜40vol%程
度分散されていることが必要であり、より好ましくは1
0〜30vol%である。添加量が上記範囲未満では樹
脂結合相の放熱性を高める効果が少なく、上記範囲を越
えると砥粒保持力を低下させてしまうおそれがある。金
属粉末としては、前記金属被覆と同様にCu,Ag,S
n,Ni,Auなどが例示できるが、コストや効果の観
点から特に好ましいのはCu,Agまたはこれらの合金
である。2種以上の金属粉末を混合して添加してもよ
い。
効果は得られるが、偏平状もしくは鱗片状であることが
より好ましい。偏平状や鱗片状などのようにアスペクト
比が大きい形状であると、樹脂結合相中における分散性
を高めることが可能であるうえ、樹脂結合相の放熱性を
高める効果に優れるからである。金属粉末の平均粒径は
0.5〜50μmであることが好ましく、5〜20μm
であるとさらによい。平均粒径が小さすぎても大きすぎ
ても結合相の放熱性および耐摩耗性を向上する効果が少
なくなる。
2O3,Al2O3,SiO2 などから選択される1種また
は2種以上の硬質粒子が、さらなるフィラーとして樹脂
結合相全体の5〜20vol%分散されていてもよい。
硬質粒子を添加しておけば、個々の超砥粒の周囲に硬質
粒子を均一に配置することができ、超砥粒の保持力を高
めるなどの作用が得られる。ただし5vol%未満では
効果が少なく、20vol%を越えると砥粒保持力を低
下させてしまうおそれがある。粉末粒子の性状は球状等
であっても効果は得られるが、偏平状もしくは鱗片状で
あることがより好ましい。偏平状や鱗片状などのように
アスペクト比が大きい形状であると、樹脂結合相の分散
強化を高めることが可能だからである。硬質粒子の平均
粒径は0.5〜50μmであることが好ましく、5〜2
0μmであるとさらによい。平均粒径が小さすぎても大
きすぎても超砥粒の保持力を向上する効果が少なくな
る。
固体潤滑剤粉末が樹脂結合相全体の5〜20vol%分
散されていてもよい。この種の固体潤滑剤としては、ポ
リテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、hBN、フ
ッ化カルシウム、グラファイト、MoS2 等が例示で
き、特にポリテトラフルオロエチレンが好適である。こ
のような固定潤滑剤粉末の1種または2種以上を添加す
ることにより、砥粒層と被削材との摩擦を低減して研削
抵抗を減少させる効果が得られる。ただし5vol%未
満では効果が少なく、20vol%を越えると砥粒保持
力を低下させてしまうおそれがある。粒子の性状は球状
等であっても効果は得られるが、偏平状もしくは鱗片状
であることがより好ましい。偏平状や鱗片状などのよう
にアスペクト比が大きい形状であると、樹脂結合相自体
の潤滑性を高めることが可能だからである。固定潤滑剤
粉末の平均粒径は0.5〜50μmであることが好まし
く5〜20μmであるとさらによい。平均粒径が小さす
ぎても大きすぎても研削抵抗を減少させる効果が少なく
なる。
を形成する場合には、台金として通常の金属台金のみな
らず、ポリイミド樹脂等の樹脂からなる樹脂製台金や、
ポリイミド樹脂とアルミニウム粉末との複合材料のよう
な複合材料製台金も使用することが可能である。樹脂製
台金や複合材料製台金を使用した場合には、金属製台金
に比して製造コストの低下が図れる上、台金自体の弾性
を増すことが可能であるから、レジンボンド砥粒層の被
削材への切り込み衝撃を緩和することが可能である。本
発明に特に好適な台金として、50〜90%のアルミニ
ウム粉末を含有する熱硬化性ポリイミドからなる台金が
例示できる。
ないが、サーメットや超硬合金等の難削材に使用する場
合には、超砥粒の平均粒径が5〜125μmであること
が好ましく、さらに好ましくは10〜100μmとされ
る。また、超砥粒の分散量は砥粒層全体に対して12.
5〜37.5vol%であることが好ましく、より好ま
しくは18〜31vol%とされる。上記範囲であれば
いっそう良好な研削性が得られる。
やCBNなど従来使用されていたいかなる種類のもので
あってもよいが、ダイヤモンド砥粒の方がCBN砥粒に
比して樹脂結合相との濡れ性が若干良好であることが本
発明者らの実験で判明している。ただし、CBN砥粒も
勿論使用可能である。
性に富んで切れ味が良好な天然破砕ダイヤモンドを使用
した方が、相対的に強靱な合成ダイヤモンドを使用する
よりも好ましい。強靱な砥粒とは、ある程度の結晶性を
有して球形に近い、いわゆるブロッキーな砥粒をいい、
天然破砕ダイヤモンドよりも耐摩耗性が高い。破砕性と
は、強靱さを評価する尺度であり、日経技術図書株式会
社が発行した書籍「ダイヤモンドツール」の238〜2
39頁に記載されているポットミル法を用いて評価する
ことができる。ポットミル法とは、内径約12.5m
m、深さ約26mmの蓋ができるスチールカプセル内
に、粒度分級した2g(10カラット)の砥粒、および
直径が約7.9mmで重量が2.045〜2.025g
のスチールボール1個を入れ、回転数2400rpmお
よび振幅8.255mmの揺動機に固定し、粒度に応じ
て決められた一定時間(30〜180秒)揺動させ、最
も目の細かい4段目のふるいを通過した粉重量を、回収
試料の総重量で除した百分率(F値という)を求める方
法であり、F値が50以上の場合に破砕性が良いと称す
る。
は、全ての材料の粉末を十分に混合した後、混合材料を
周知の成形装置内に型込し、熱硬化性樹脂の硬化温度ま
で材料を加熱すればよい。この砥粒層を必要に応じて台
金に固定し、形状修正して本発明のレジンボンド砥石が
得られる。
その樹脂結合相が、熱硬化性樹脂を主組成物とする母相
中に、金属被覆を形成した中空粒子と、金属粉末とをそ
れぞれフィラーとして分散させたものであるから、中空
粒子により樹脂結合相の強度を高め、研削面に露出した
中空粒子の破砕によってチップポケットの生成を促進し
て、切粉排出性や研削液の保持性を高めることができる
だけでなく、金属粉末の添加により樹脂結合相の伝熱性
および放熱性を十分に高めることができ、研削に関与し
た砥粒周囲における局部的な樹脂相の高温化を防いで、
砥粒保持力の低下を防ぐことが可能である。また、金属
粉末をフィラーとして添加したことにより、金属被覆中
空粒子と樹脂結合相との濡れ性および接合性を高め、中
空フィラーの脱落に伴う砥粒層の形状崩れを低減するこ
とが可能である。よって、サーメットや超硬合金等の難
削材に対する切削性が良好であるにも拘わらず、研削に
よる砥粒層の形状崩れが少ないという利点を有する。
る。 [実験1]難削材として超硬合金を使用し、各種の組成
を有するレジンボンド砥石を用いて研削性、研削比、砥
粒層の形状崩れの程度を比較した。 (共通寸法等) 砥石の形状:1A1型 砥石の寸法:外径200mm×軸方向砥石厚さ7mm×
径方向砥粒層厚さ3mm×内径50.8mm
ド樹脂 硬化温度:300℃ 金属被覆中空粒子(第1フィラー)分散量:結合相全体
の10vol% 金属被覆の種類:銀 中空粒子の種類:ガラス 中空粒子の平均粒径:60μm 中空粒子の形状:球形 金属被覆を含めた中空粒子の見かけ上の比重:0.6g
/cm3 金属被覆の形成方法:無電解めっき法 金属粉末(第2フィラー)の種類:銀 金属粉末の分散量:結合相全体の10vol% 金属粉末の平均粒径:2μm ダイヤモンド砥粒の平均粒径:65μm ダイヤモンド砥粒の分散量:砥粒層全体に対して25v
ol% ダイヤモンドの破砕性:F値=50
ル樹脂 硬化温度:200℃ 金属被覆中空粒子(第1フィラー)分散量:結合相全体
の10vol% 金属被覆の種類:銀 中空粒子の種類:ガラス 中空粒子の平均粒径:60μm 中空粒子の形状:球形 金属被覆を含めた中空粒子の見かけ上の比重:0.6g
/cm3 金属被覆の形成方法:無電解めっき法 金属粉末(第2フィラー)の種類:銀 金属粉末の分散量:結合相全体の10vol% 金属粉末の平均粒径:2μm ダイヤモンド砥粒の平均粒径:65μm ダイヤモンド砥粒の分散量:砥粒層全体に対して25v
ol% ダイヤモンドの破砕性:F値=50
ol% ダイヤモンドの破砕性:F値=50
/cm3 金属被覆の形成方法:無電解めっき法 ダイヤモンド砥粒の平均粒径:65μm ダイヤモンド砥粒の分散量:砥粒層全体に対して25v
ol% ダイヤモンドの破砕性:F値=50
の粉末を十分に混合した後、混合材料を成形装置内に型
込し、熱硬化性樹脂の硬化温度まで材料を加熱して砥粒
層を形成し、次いで、この砥粒層を台金に固定し、形状
修正した。
石を使用して、以下の条件で研削試験を行い、研削比、
法線抵抗、形状崩れを比較した。 被削材:超硬合金HTi10 被削材寸法:幅200mm×厚さ7mm 砥石周速:1500m/min 切り込み:0.02mm テーブル速度:10m/min クロス送り:2mm/パス 研削液:W2種 結果を表1に示す。なお、形状崩れの評価方法は、砥石
外周面の端縁から幅2mmの部分のみで被削材を研削
し、砥粒層外周面に生じた段差量を、比較例1の砥石に
おいて生じた段差量を100として相対評価した。形状
崩れの評価条件は以下の通りである。 被削材:超硬合金HTi10 被削材寸法:幅200mm×厚さ7mm 砥石周速:1500m/min 切り込み:0.02mm テーブル速度:10m/min クロス送り:0 研削液:W2種
1および実施例2では、中空粒子および金属粉末をいず
れも含まない比較例1、および中空粒子は含むが金属粉
末を含まない比較例2に比べて、研削比が大きく、法線
抵抗が低減でき、しかも形状崩れが少なかった。
ンボンド砥石は、その樹脂結合相が、熱硬化性樹脂を主
組成物とする母相中に、樹脂結合相全体の5〜40vo
l%を占める金属被覆を形成した中空粒子と、樹脂結合
相全体の5〜40vol%を占める金属粉末とをそれぞ
れフィラーとして分散させたものであるから、中空粒子
により樹脂結合相の強度を高め、研削面に露出した中空
粒子の破砕によってチップポケットの生成を促進して、
切粉排出性や研削液の保持性を高めることができるだけ
でなく、樹脂結合相の伝熱性および放熱性を十分に高め
ることができ、研削に関与した砥粒周囲における局部的
な樹脂相の高温化を防いで、砥粒保持力の低下を防ぐこ
とが可能である。さらに、金属粉末をフィラーとして添
加したことにより、金属被覆した中空フィラーと樹脂結
合相との濡れ性および接合性を高め、中空フィラーの脱
落に伴う砥粒層の形状崩れを低減することが可能であ
る。よって、サーメットや超硬合金等の難削材に対する
切削性が良好であるにも拘わらず、研削による砥粒層の
形状崩れが少ないという利点を有する。
Claims (5)
- 【請求項1】 超砥粒を樹脂結合相中に分散させてなる
砥粒層を有するレジンボンド砥石であって、前記樹脂結
合相は、熱硬化性樹脂を主組成物とする母相中に、前記
樹脂結合相全体の5〜40vol%を占める、金属被覆
を形成した中空粒子と、前記樹脂結合相全体の5〜40
vol%を占める金属粉末とをそれぞれフィラーとして
分散させたものであることを特徴とするレジンボンド砥
石。 - 【請求項2】 前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂ま
たは/および熱硬化性ポリイミド樹脂であることを特徴
とする請求項1記載のレジンボンド砥石。 - 【請求項3】 前記金属被覆を形成した中空粒子は、C
u,Agまたはこれらの合金を表面に付着させたガラス
ビーズであり、前記金属粉末はCu,Agまたはこれら
の合金であることを特徴とする請求項1または2記載の
レジンボンド砥石。 - 【請求項4】 前記樹脂結合相には、SiC,Si
3N4,Cr2O3,Al2O3,SiO2から選択される1
種または2種以上の硬質粒子が前記樹脂結合相全体の5
〜20vol%分散されていることを特徴とする請求項
1〜3のいずれかに記載のレジンボンド砥石。 - 【請求項5】 前記樹脂結合相には、固体潤滑剤粒子が
前記樹脂結合相全体の5〜20vol%分散されている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレジ
ンボンド砥石。
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- 1997-12-26 JP JP36131497A patent/JP3424540B2/ja not_active Expired - Fee Related
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