JP2003011063A - 研磨用砥石及び研磨用砥石の製造方法 - Google Patents
研磨用砥石及び研磨用砥石の製造方法Info
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Abstract
得ることができる研磨用砥石を提供する。 【解決手段】 研磨材が基材16中に固定されている研
磨用砥石10として、コロイダルシリカなどの微細な一
次粒子11を凝集して形成された平均粒径が20μmを
超え、かつ300μm以下、好ましくは40〜100μ
mの二次粒子12を研磨材として、フェノール樹脂など
の硬質の基材中に含有することにより、加工時に、二次
粒子が常に基材表面よりも高く突き出た状態が維持され
るため、焼けを生じることなく、能率良く優れた加工面
品位を得ることができる。
Description
磨用砥石の製造方法に係り、更に詳しくは、シリコン、
ガラスなどの硬質・脆性材料や、鉄鋼、アルミニウムな
どの金属材料の仕上げ加工に用いる研磨用砥石及びその
製造方法に関する。
各種硬質・脆性材料や、鉄鋼、アルミニウムなどの金属
材料からなる部品表面の最終仕上げには、研磨加工機な
どを用いた研磨加工(鏡面加工)が行なわれている。す
なわち、例えばダイヤモンドペーストのように微細な遊
離砥粒を研磨材として溶媒中に分散させてペースト状あ
るいはスラリー状とした、いわゆる研磨材スラリーを、
研磨加工機の回転テーブルに貼られた研磨クロスと被加
工物の加工面(以下、適宜「加工面」と略述する)との
間隙に供給しながら回転テーブルを回転させることによ
り加工面を研磨していた。この加工法では研磨材として
微細な遊離砥粒を使用することが容易なため、加工面品
位に優れた鏡面状態の加工面を容易に得ることができる
とともに、大量の研磨材スラリーを使用することで安定
した加工特性(加工能率及び加工面粗さなど)を維持す
ることができるという利点があった。そのため、研磨材
スラリーを用いた研磨加工が多くの作業現場で行なわれ
てきた。
磨加工では、大量の研磨材スラリーを使用するため、周
辺環境を汚染したり、廃液処理による環境への負荷が増
大するといった不都合があった。また、加工能率を向上
させるには、研磨速度(回転テーブルの回転速度)を上
げれば良いが、研磨速度がある程度以上になると、遠心
力により加工面への研磨材の供給量が減少し、逆に加工
能率が低下するという現象が生じる。すなわち、研磨材
スラリーを用いた研磨加工では、加工能率の向上に限界
があり、生産性向上に対する1つの障害となっていた。
ずに、研磨加工による加工面粗さ(鏡面状態の加工面粗
さ)相当の優れた加工面粗さを得ることのできる加工工
具への要求が高まってきた。そして、特に砥粒が工具の
基材に固定されている、いわゆる固定砥粒加工工具が注
目されるようになった。
が小さい加工面を得るには、砥粒の切り込み深さを微小
化するために、微細な砥粒を使用するほうが通常有利で
ある。しかし、固定砥粒加工工具においては、鏡面状態
の加工面粗さを得るために粒径が数μm以下の砥粒を使
用すると、加工時に固定砥粒加工工具の基材(又は結合
材)と加工面との接触頻度が高くなり、その結果とし
て、加工抵抗の急増、砥粒の脱落などが生じ、最悪の場
合には加工不可の状態に陥ってしまう。また、基材(又
は結合材)と加工面との接触を抑制するような手段を講
じた場合でも、砥粒の粒径が小さいため、時間とともに
加工能率が低下してしまうといった不都合がある。すな
わち、加工能率の向上と加工面品位の向上とを同時に満
足させることは困難であった。
微細な砥粒の集合体を用いた固定砥粒加工工具が開発さ
れた。これは、微細な砥粒の作用により表面粗さが小さ
い加工面を得るとともに、砥粒の集合体(凝集砥粒)に
より加工能率の向上を目的としている。
された固定砥粒加工工具、いわゆる研磨用砥石に関して
は、例えば、特開2000−198073号公報には、
粒径が1nm〜100nmの超微細砥粒を凝集して形成
された粒径が1〜20μmの凝集砥粒を用い、樹脂を結
合材とした研磨用砥石が開示されている。
開2000−198073号公報では、凝集砥粒の粒径
を1〜20μmの範囲内としているために、加工時にお
ける砥粒の結合材表面からの突き出し高さが不十分とな
り、研削焼けを生じるおそれがある。
ので、その第1の目的は、優れた加工面品位を能率良く
しかも安定して得ることができる研磨用砥石を提供する
ことにある。
面品位を能率良くしかも安定して得ることができる研磨
用砥石の製造方法を提供することにある。
は、研磨材が基材中に固定されている研磨用砥石であっ
て、微細な一次粒子を凝集して形成された平均粒径が2
0μmを超え、かつ300μm以下の二次粒子が研磨材
として、基材中に含有されていることを特徴とする研磨
用砥石である。
μm以上であるため、研削加工時に、二次粒子が常に基
材表面よりも高く突き出た状態が維持されるため、研削
焼けを生じることなく、能率良く優れた加工面品位を得
ることができる。また、研磨材が単粒子の場合は、加工
時に研磨材の大破砕が発生するため、研磨材の磨耗が急
激に進行するが、研磨材が凝集体(二次粒子)の場合
は、研磨材の磨耗が徐々に進行するため、研磨用砥石の
磨耗を抑制することができる。
用砥石の如く、前記二次粒子の平均粒径が30〜100
μmの範囲内にあることとすることができる。
において、請求項3に記載の研磨用砥石の如く、前記一
次粒子の平均粒径が5μm以下であることとすることが
できる。
おいて、請求項4に記載の研磨用砥石の如く、前記二次
粒子の含有率が、全体の5〜90体積%の範囲内にある
こととすることができる。
おいて、請求項5に記載の研磨用砥石の如く、前記二次
粒子は、その内部に結合材を含まないこととすることが
できる。
おいて、請求項6に記載の研磨用砥石の如く、前記基材
中に、更に金属及び無機物の少なくとも一方が添加物と
して含有されていることとすることができる。
用砥石の如く、前記添加物は、粉末及び繊維の少なくと
も一方を含むこととすることができる。
用砥石の如く、前記添加物は、粉末を含み、該粉末の平
均粒径が0.3〜300μmの範囲内にあることとする
ことができる。
て、請求項9に記載の研磨用砥石の如く、前記添加物
は、繊維を含み、該繊維の短径が0.1〜15μm、長
径が0.3〜300μmの範囲内にそれぞれあることと
することができる。
おいて、請求項10に記載の研磨用砥石の如く、前記添
加物の含有率が、全体の5〜80体積%の範囲内にある
こととすることができる。
において、請求項11に記載の研磨用砥石の如く、前記
基材は、前記添加物と結合する結合材を、更に含有して
いることとすることができる。
において、請求項12に記載の研磨用砥石の如く、前記
基材は、前記二次粒子と結合する結合材を、更に含有し
ていることとすることができる。
砥石において、請求項13に記載の研磨用砥石の如く、
前記結合材は、樹脂、セラミックス及び金属の少なくと
も一つであることとすることができる。
材が固定されている研磨用砥石の製造方法であって、微
細な一次粒子を凝集して形成された平均粒径が20μm
を超え、かつ300μm以下の二次粒子からなる前記研
磨材と基材とを混練し、混練物とする混練工程と;前記
混練物を所定の形状に成形する成形工程と;を含む研磨
用砥石の製造方法である。
形成された平均粒径が20μmを超え、かつ300μm
以下の二次粒子(研磨材)と基材とを混練し、基材中に
二次粒子が均一に分散している混練物とする(混練工
程)。そして、この混練物を所定の形状に成形する(成
形工程)ことにより、基材中に所定の平均粒径を有する
二次粒子が研磨材として均一に分散している研磨用砥石
を製造することができる。
磨用砥石の製造方法の如く、前記混練工程では、金属及
び無機物の少なくとも一方が添加物として更に混練され
ることとすることができる。
製造方法において、請求項16に記載の研磨用砥石の製
造方法の如く、前記混練工程では、結合材として樹脂、
セラミックス及び金属の少なくとも一つが更に混練され
ることとすることができる。
造方法において、請求項17に記載の研磨用砥石の製造
方法の如く、前記混練工程に先立って、微細な一次粒子
を凝集して平均粒径が20μmを超え、かつ300μm
以下の二次粒子を形成する造粒工程を更に含むこととす
ることができる。
施例について説明する。
る研磨用砥石10の構成図が示されている。この研磨用
砥石10は、微細な一次粒子の凝集体である二次粒子1
2と、添加物14、基材16及び結合材18とから構成
されている。ここで、結合材18は、二次粒子12及び
添加物14の外周を被覆し、二次粒子12及び添加物1
4と基材16との結合を強固にする役目を担っている。
るが、一般には硬質の無機物であって、図1(B)に拡
大して示されるように、平均粒径が5μm以下の微細な
一次粒子11が凝集した、20μmを超え、かつ300
μm以下、好ましくは30〜100μmの範囲内の平均
粒径を有する凝集体が適している。通常の二次粒子12
に供する材料としては、シリカ(酸化珪素)、セリア
(酸化セリウム)、ダイヤモンド、cBN(立方晶窒化
硼素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭化珪素、ジ
ルコニア(酸化ジルコニウム)などを用いることができ
るが、これらに限定されるものではない。研磨材として
は通常用いられていないが、フィルタやスペーサといっ
た用途で用いられている凝集体(凝集粉末)を用いるこ
とも可能である。なお、二次粒子12の含有率は、研磨
用砥石全体の5〜90体積%の範囲内にあることが望ま
しい。また、二次粒子12の内部には、結合材などの介
在物を含まないことが望ましい。そこで、例えば、市販
品の凝集粉末を利用する場合には、あらかじめ加熱処理
などを行なうのが良い。
ゾルを加水分解し、一次粒子11を所定の大きさに凝集
させる一般的なゾル−ゲル法などで形成される。これに
より結合材などの介在物を内部に含まない二次粒子12
が得られる。なお、二次粒子12の形状は、球状、粒状
及び不定形のいずれでも良い。
ゾル−ゲル法などの水溶液反応による沈殿を利用した形
成方法に限定されるものではなく、材料によって、水溶
液からの析出を利用した形成方法(例えば、スプレード
ライヤ法、凍結乾燥法、溶媒乾燥法)、固体からの形成
方法(例えば、固体の熱分解、固相反応)、気体からの
形成方法(例えば、蒸発−凝縮、気相分解法、気相反
応)などを用いることができる。また、高速気流を用い
て一次粒子同士を衝突させる衝撃法を用いても良い。結
果として、結合材などの介在物を内部に含まずに、所定
の平均粒径を有する二次粒子12が得られれば良いから
である。
カ及びコロイダルセリアは超微粒子であるとともに、化
学的活性を有し、被加工面に対してメカノケミカル作用
を呈するので、二次粒子12を構成する一次粒子11と
して極めて好ましい材料である。
あるいは繊維を用いることができる。粉末としては平均
粒径が0.3〜300μmの範囲内のものが適してお
り、繊維としては平均短径が0.1〜15μm、平均長
径が0.3〜300μmの範囲内のものが適している。
金属粉末としては、例えば銅やアルミニウムなどの粉末
を用いることができ、無機物の粉末としては、例えば二
硫化モリブデンなどの固体潤滑材やダイヤモンド、cB
N、シリカ、アルミナ、炭化珪素、酸化鉄などの粉末を
用いることができる。また、金属繊維としては、例えば
銅、クロム、ニッケルなどの繊維を用いることができ、
無機物の繊維としては、例えばアルミナ、炭化珪素、炭
素などの繊維を用いることができる。なお、添加物14
としては、1種類に限定されるものではなく複数の材料
を用いても良い。
全体の5〜80体積%の範囲内にあることが望ましく、
添加物14の種類や形状、二次粒子12の含有率及び研
磨用砥石10に要求される機械的性質などによって、最
適の含有率が決定される。なお、本実施形態の研磨用砥
石10では、添加物14が含まれているが、研磨用砥石
として必要な特性が満たされていれば、必ずしも含まれ
なくとも良い。
例としてカップリング処理(例えば、シラン系カップリ
ング処理やチタネート系カップリング処理)などの表面
改質(表面処理)がなされていても良い。これによっ
て、基材16との結合がより強固となり、フィラーとし
ての効果が期待できる。ここでは、二次粒子12や添加
物14の種類、基材16の材質、及び目的とする改質内
容(例えば、剛性の向上や、衝撃強さの向上など)によ
って、最適な処理の種類、処理の方法などが決定され
る。
熱可塑性樹脂及び光硬化性樹脂などを用いることができ
る。
金属の少なくとも一つを用いることができる。なお、樹
脂の場合には、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂だけでな
く、光硬化性樹脂なども用いることができる。
て簡単に説明する。
を凝集し、平均粒径が20μmを超え、かつ300μm
以下の二次粒子を形成する(造粒工程)。この二次粒子
と添加物及び結合材とをホモジナイザなどを用いて混練
し、二次粒子及び添加物が結合材でそれぞれ被覆される
と、ここで、基材を加えてさらに混練し、基材中に二次
粒子及び添加物が均一に分散した混練物を得る(混練工
程)。そして、この混練物を所定形状の金型に注入し、
金型を所定温度で所定時間加熱することによって、基材
を固化させて成形する(成形工程)。これによって、二
次粒子及び添加物が均一に基材中に分散し、さらに結合
材によって基材中に固定されている研磨用砥石を製造す
ることができる。
て、混練物を金型に注入しているが、これに限定される
ものではなく、例えば、セラミックス製の型などを用い
ても良い。所定の形状に混練物を成形できれば良いから
である。
て、一次粒子の平均粒径が5μm以下であることが望ま
しく、更に二次粒子の平均粒径が30〜100μmの範
囲内にあることが望ましい。なお、市販の凝集粉末を利
用する場合は、造粒工程を省略することが可能である。
て、添加物が混練されているが、必ずしも添加物は含ま
れなくとも良い。同様に、結合材についても含まれなく
とも良い。
立って、二次粒子及び添加物の表面に前述した表面改質
処理を施しても良い。
均粒径が50nmの超微細コロイダルシリカ粒子を、添
加物として平均粒径が3μmのニッケル粉末を、基材と
してフェノール樹脂を用いた。なお、本実施例では、結
合材は用いていない。
法により凝集させ、内部に結合材などの介在物を含まな
い平均粒径が50μmのシリカの二次粒子を得た。すな
わち、本実施例では、先ず、所定の比率で超微細コロイ
ダルシリカ粒子と、水とアルコールとからなる溶液とを
混合し、加水分解によってゲル状にしてシリカ粒子を凝
集させた。そして、シリカ粒子の凝集体が所望の大きさ
に達すると、凝集体を50℃〜65℃の恒温槽に入れ
て、凝集体に含まれる水分や有機溶媒などを蒸発させ
た。さらに、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用
いて、凝集体の粒度分布を測定し、頻度積算値が50%
のところの粒径(メジアン径)が50μmであることを
確認した。このようにして、形成された凝集体を二次粒
子とした。
ール樹脂及び湿潤剤とをそれぞれ秤量し混合物とした。
ここでは、二次粒子が研磨用砥石全体の35体積%、ニ
ッケル粉末が研磨用砥石全体の15体積%を占めるよう
に、それぞれの量を決定した。なお、湿潤剤は、二次粒
子、ニッケル粉末及びフェノール樹脂が、いずれも粉体
であるため、混練時にフェノール樹脂中に二次粒子及び
ニッケル粉末が均一に分散しやすくするとともに、成形
性向上のために添加されている。
樹脂中に二次粒子とニッケル粉末が均一に分散されるよ
うに前記混合物を混練し混練物とした。そして、この混
練物を所定の金型に注入した後、その金型を加圧しなが
ら150℃で5時間加熱し、混練物を焼成した。
形状に成形し、研磨用砥石を得た。
のインフィールド研削盤に装着し、ラッピング仕上がり
のシリコンウエハを研削加工した。その結果、1分間の
加工時間で、加工マークのない、加工面粗さが20nm
Ry以下の鏡面を得ることができた。また、引き続きシ
リコンウエハを100枚加工しても、研削焼けは生じ
ず、加工能率や加工面粗さの低下はほとんど認められな
かった。なお、加工面粗さはテーラホプソン社製のフォ
ムタリサーフS4Cを用いて測定した。
均粒径50nmの超微細コロイダルシリカ粒子を、添加
物として平均粒径3μmのニッケル粉末を、基材として
フェノール樹脂を用いた。すなわち、前述した実施例と
同じである。
法により凝集させ、内部に結合材などの介在物を含まな
い平均粒径が15μmのシリカの二次粒子を得た。すな
わち、前述した実施例よりも平均粒径が小さい二次粒子
を用いた。
ール樹脂及び湿潤剤とをそれぞれ秤量し混合物とした。
ここでは、二次粒子が研磨用砥石全体の35体積%、ニ
ッケル粉末が研磨用砥石全体の15体積%を占めるよう
に、それぞれの量を決定した。
樹脂中に二次粒子とニッケル粉末が均一に分散されるよ
うに前記混合物を混練し混練物とした。そして、この混
練物を所定の金型に注入した後、その金型を加圧しなが
ら150℃で5時間加熱し、混練物を焼成した。
形状に成形し、研磨用砥石を得た。すなわち、上記実施
例との相違点は二次粒子の平均粒径のみである。
述した実施例と同様に、縦軸のインフィールド研削盤に
装着し、ラッピング仕上がりのシリコンウエハを研削加
工した結果、1分間の加工時間で、加工面粗さが20n
mRy以下の鏡面を得ることができたが、引き続き加工
を実施したところ、加工枚数が10枚目でシリコンウエ
ハの加工面の一部で研削焼けが発生し、15枚目ではシ
リコンウエハの加工面に割れが生じてしまった。
用砥石によると、一次粒子として平均粒径が50nmの
超微細シリカ粒子を凝集させて作成した平均粒径が50
μmの二次粒子を研磨材として、フェノール樹脂の基材
中に分散して固定しているため、二次粒子による加工能
率の向上、及び一次粒子による加工面品位の向上を図る
ことができる。すなわち、加工能率の向上と加工面品位
の向上とを同時に満足させることが可能となる。また、
研磨材が単粒子の場合は、加工時に研磨材の大破砕が発
生するため、研磨材の磨耗が急激に進行するが、研磨材
が凝集体(二次粒子)の場合は、研磨材の磨耗が徐々に
進行するため、研磨用砥石の磨耗を抑制することができ
る。
二次粒子の平均粒径が50μmであるために、二次粒子
の平均粒径が15μmである上記比較例の研磨用砥石に
比べて、研削加工時に二次粒子が常に基材表面よりも高
く突き出た状態が維持され、図2に示されるように、研
削焼けを生じる頻度が低くなる。さらに、上記実施例の
研磨用砥石と上記比較例の研磨用砥石とでは、二次粒子
の含有率が同じであるために、基材の表面に露出してい
る二次粒子同士の間隔は、上記実施例の研磨用砥石のほ
うが上記比較例の研磨用砥石よりも広くなる。これは、
切り屑の排出が上記実施例の研磨用砥石のほうが円滑に
行なわれることを示している。従って、上記実施例の研
磨用砥石によると、能率良く優れた加工面品位を安定し
て得ることができる。
二次粒子は、その内部に結合材などの介在物を含まない
ために、介在物に起因する切り屑の付着を防止すること
ができ、二次粒子の加工能力を維持することが可能とな
る。そして、結果として、研磨加工の安定性を向上する
ことができる。
均粒径が5μm以下であれば、同様に優れた加工面を確
実に得ることができる。但し、一次粒子の平均粒径が5
μmを超えると、その加工面にスクラッチが発生し、加
工面品位を低下させる頻度が高くなる。
μmを超え、かつ300μm以下であれば、同様に優れ
た加工面品位を能率良く得ることができる。但し、二次
粒子の平均粒径が20μm以下の場合は、研磨加工時に
研磨用砥石が加工面上を上滑りしていわゆる研削焼けが
生じたり、研磨用砥石の基材表面と加工面とが直接接触
し、加工抵抗が急増するなどの発生頻度が高くなる。一
方、二次粒子の平均粒径が300μmを超えると、その
加工面にスクラッチが発生し、加工面品位を低下させる
頻度が高くなる。また、二次粒子の平均粒径が、30〜
100μmの範囲内であれば、より確実に、能率良く優
れた加工面品位を得ることができる。
有率は、研磨用砥石全体の5〜90体積%の範囲内であ
れば、同様に優れた加工面品位を能率良く得ることがで
きる。しかしながら、二次粒子の含有率が研磨用砥石全
体の5体積%未満であれば、二次粒子(研磨材)が少な
いために加工能率が著しく低下し、一方、90体積%を
超えると、基材の量が少ないために研磨用砥石の剛性が
低下し、研磨用砥石の変形などを引き起こす頻度が高く
なるとともに、二次粒子を固定する強度が著しく低下す
る。
加しているために、研磨用砥石の基材が1種類の材料の
みからなる場合であっても、研磨用砥石の機械的性質を
所定の値に調整することができ、研磨用砥石として必要
な耐磨耗性などを有することができる。さらに、耐熱性
を向上させることも可能である。また、添加物を含むこ
とにより二次粒子の分散状態が更に均一化し、基材表面
に露出している二次粒子同士の間隔を適正に保つことが
でき、いわゆる二次粒子の突き出しが確保される。
径が0.3〜300μmの範囲内であれば、上述と同様
な効果を得ることができる。しかしながら、粉末の平均
粒径が0.3μm未満であると、上述した添加の効果が
小さく、平均粒径が300μmを超えると加工面にスク
ラッチを生じる頻度が高くなる。
径が0.1〜15μm、平均長径が0.3〜300μm
の範囲内であれば、前述と同様な効果を得ることができ
る。しかしながら、繊維の平均短径が0.1μm未満で
あると、前述した添加の効果が小さく、平均短径が15
μmを超えると加工面にスクラッチを生じる頻度が高く
なる。同様に、平均長径が0.3μm未満であると、前
述した添加の効果が小さく、平均長径が300μmを超
えると加工面にスクラッチを生じる頻度が高くなる。な
お、繊維の場合には、添加量が同じであっても、粉末に
比べて高い硬度を研磨用砥石に賦与することができる。
の5〜80体積%の範囲内であれば、前述と同様な効果
を得ることができる。しかしながら、添加物の含有率
が、研磨用砥石全体の5体積%未満であると、前述した
添加の効果が少なく、80体積%を超えると、基材の量
が少なくなり、研磨用砥石の剛性が低下し、研磨用砥石
の変形などを引き起こす頻度が高くなるとともに、二次
粒子を固定する強度が著しく低下する。
ていないが、更に結合材で二次粒子及び添加物を被覆す
ることにより、基材との結合が強固となり、研磨用砥石
の特性(例えば、剛性)を更に向上させることが可能と
なる。
用砥石によれば、微細な一次粒子を凝集して形成された
平均粒径が20μmを超え、かつ300μm以下、好ま
しくは30〜100μmの範囲内の二次粒子を研磨材と
して基材中に分散して含有しているために、優れた加工
面品位を能率良くしかも安定して得ることができるとい
う効果がある。
によれば、優れた加工面品位を能率良くしかも安定して
得ることが可能な研磨用砥石を製造することができると
いう効果がある。
磨用砥石の構成図であり、図1(B)は、図1(A)に
おける二次粒子12の拡大図である。
ある。
14…添加物、16…基材、18…結合材。
Claims (17)
- 【請求項1】 研磨材が基材中に固定されている研磨用
砥石であって、 微細な一次粒子を凝集して形成された平均粒径が20μ
mを超え、かつ300μm以下の二次粒子が研磨材とし
て、基材中に含有されていることを特徴とする研磨用砥
石。 - 【請求項2】 前記二次粒子の平均粒径が30〜100
μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の
研磨用砥石。 - 【請求項3】 前記一次粒子の平均粒径が5μm以下で
あることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨用砥
石。 - 【請求項4】 前記二次粒子の含有率が、全体の5〜9
0体積%の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3
のいずれか一項に記載の研磨用砥石。 - 【請求項5】 前記二次粒子は、その内部に結合材を含
まないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に
記載の研磨用砥石。 - 【請求項6】 前記基材中に、更に金属及び無機物の少
なくとも一方が添加物として含有されていることを特徴
とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨用砥
石。 - 【請求項7】 前記添加物は、粉末及び繊維の少なくと
も一方を含むことを特徴とする請求項6に記載の研磨用
砥石。 - 【請求項8】 前記添加物は、粉末を含み、該粉末の平
均粒径が0.3〜300μmの範囲内にあることを特徴
とする請求項7に記載の研磨用砥石。 - 【請求項9】 前記添加物は、繊維を含み、該繊維の短
径が0.1〜15μm、長径が0.3〜300μmの範
囲内にそれぞれあることを特徴とする請求項7に記載の
研磨用砥石。 - 【請求項10】 前記添加物の含有率が、全体の5〜8
0体積%の範囲内にあることを特徴とする請求項6〜9
のいずれか一項に記載の研磨用砥石。 - 【請求項11】 前記基材は、前記添加物と結合する結
合材を、更に含有していることを特徴とする請求項6〜
10のいずれか一項に記載の研磨用砥石。 - 【請求項12】 前記基材は、前記二次粒子と結合する
結合材を、更に含有していることを特徴とする請求項1
〜11のいずれか一項に記載の研磨用砥石。 - 【請求項13】 前記結合材は、樹脂、セラミックス及
び金属の少なくとも一つであることを特徴とする請求項
11又は12に記載の研磨用砥石。 - 【請求項14】 基材中に研磨材が固定されている研磨
用砥石の製造方法であって、 微細な一次粒子を凝集して形成された平均粒径が20μ
mを超え、かつ300μm以下の二次粒子からなる前記
研磨材と基材とを混練し、混練物とする混練工程と;前
記混練物を所定の形状に成形する成形工程と;を含む研
磨用砥石の製造方法。 - 【請求項15】 前記混練工程では、金属及び無機物の
少なくとも一方が添加物として更に混練されることを特
徴とする請求項14に記載の研磨用砥石の製造方法。 - 【請求項16】 前記混練工程では、結合材として樹
脂、セラミックス及び金属の少なくとも一つが更に混練
されることを特徴とする請求項14又は15に記載の研
磨用砥石の製造方法。 - 【請求項17】 前記混練工程に先立って、微細な一次
粒子を凝集して平均粒径が20μmを超え、かつ300
μm以下の二次粒子を形成する造粒工程を更に含むこと
を特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の
研磨用砥石の製造方法。
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