JPH05177548A - Al基メタルボンド砥石 - Google Patents

Al基メタルボンド砥石

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JPH05177548A
JPH05177548A JP25945591A JP25945591A JPH05177548A JP H05177548 A JPH05177548 A JP H05177548A JP 25945591 A JP25945591 A JP 25945591A JP 25945591 A JP25945591 A JP 25945591A JP H05177548 A JPH05177548 A JP H05177548A
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JP
Japan
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metal
layer
grindstone
abrasive grain
alloy
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JP25945591A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Takahashi
務 高橋
Masanobu Osada
正信 長田
Naoto Oikawa
尚登 及川
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レジンボンド砥石と同様の研削性を有し、か
つ接触検出が可能な砥石を提供する。 【構成】 AlまたはAl合金を含む結合相3中に、こ
の結合相3よりも硬質の金属間化合物層2が表面に形成
されている超砥粒1を分散させてなる砥粒層4を設け
た。 【効果】 超砥粒1と超砥粒1の間の結合相3が軟質で
超砥粒1の外周の金属間化合物層2が硬質であるため、
前記結合相3から摩耗が進行し、確実にチップポケット
になる。従ってメタルボンド砥石であるにもかかわら
ず、レジンボンド砥石と同様の研削性が得られる。ま
た、砥粒層4は導電性を有するので、金属等の被削材と
の接触検出を容易に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、砥粒を分散させた砥粒
層にAlを含んでなるAl基メタルボンド砥石に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的なメタルボンド砥石は、通常、C
u,Sn,Co,Ag等からなる粉末状の金属結合剤と
超砥粒とを均一に混合し、この混合粉末を台金とともに
型込めした後、これらを圧粉成形および焼結して製造さ
れている。
【0003】なお、上記超砥粒の表面に、無電解めっき
法や蒸着法を用いて薄い金属被覆層を予め形成してお
き、後は上記と同様に金属結合剤に混合し、圧粉成形お
よび焼結してメタルボンド砥石を製造する場合もある。
このような金属被覆超砥粒を用いれば、切削時に発生す
る砥粒の熱が金属被覆層を通して発散するため、超砥粒
の局部的な過熱が防止できる。また、金属被覆層を介在
させることにより、結合相と砥粒との間の接合強度が増
すため、結合相による砥粒保持力が向上し、超砥粒の脱
落頻度が低下して寿命が延長するという効果が得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なメタルボンド砥石は、レジンボンド砥石に比べて結合
相が硬質であるため、チップポケットが生じにくく、切
粉排出性に劣るうえ、自生発刃作用(砥粒層が摩耗する
ことによってこの砥粒層の内部に形成されている砥粒が
新たに表面に現れる作用)が劣っている。このため、セ
ラミックス,水晶,サーメット等の難削材料を研削する
場合には、早期に切れ味が低下して使用に耐えない欠点
があり、この種の難削材には主にレジンボンド砥石が使
用されていた。
【0005】ところが、レジンボンド砥石では研削特性
に優れているものの、砥粒層が絶縁体であるため、メタ
ルボンド砥石とは異なり、金属等の被削材と砥石との通
電から両者の接触を検出することができないという不満
があった。
【0006】また、一般的なメタルボンドは、Cu,S
n等で構成されるため、砥石重量が大きく、このためス
ピンドルに掛かる負荷が大きく、砥石の回転速度を上げ
ることができないという問題点を有していた。一方、A
l基のメタルボンドについては焼結性が悪く実用化され
ていないのが実情であった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、レジンボンド砥石と同様の研削性を有し、かつ接触
検出が可能な軽量砥石を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のAl基メ
タルボンド砥石では、Al合金よりなる結合相中に超砥
粒をほぼ等ピッチで分散させてなる砥粒層において、前
記超砥粒の近傍に前記結合相より硬質のAl基金属間化
合物層を設けたことを課題解決の手段とした。
【0009】請求項2記載のAl基メタルボンド砥石で
は、請求項1記載の硬質のAl基金属間化合物層の厚さ
を1〜50μmにしたことを課題解決の手段とした。
【0010】請求項3記載のAl基メタルボンド砥石で
は、請求項1記載の硬質のAl基金属間化合物層の硬さ
をビッカース硬さで400kg/mm2以上にしたこと
を課題解決の手段とした。
【0011】請求項4記載のAl基メタルボンド砥石で
は、請求項1記載のAl合金よりなる結合相においてS
n,Pb,In,およびAgより選ばれる1種または2
種以上の金属が合計で5〜50wt%含有することを課
題解決の手段とした。
【0012】請求項5記載のAl基メタルボンド砥石で
は、請求項1記載の結合相の硬さをビッカース硬さで2
00kg/mm2以下にしたことを課題解決の手段とし
た。
【0013】
【作用】AlまたはAl合金を含む結合相は軟質であ
り、小さいせん断力を有し、潤滑性に優れるため、メタ
ルボンド砥石であるにもかかわらず、レジンボンド砥石
と同様の研削性が得られる。また、砥粒層は導電性を有
するので、金属等の被削材との接触検出を容易に行うこ
とができる。さらにAlまたはAl合金は軽量かつ放熱
性に優れているため、これを結合相に用いると、従来に
比べて重量が軽減されかつ放熱性が向上する。
【0014】また、AlまたはAl合金を含む結合相中
の個々の超砥粒の表層部には、前記結合相よりも硬質の
金属間化合物層が形成されているため超砥粒と超砥粒の
間が軟質で、超砥粒の外周が硬質であるため、前記超砥
粒と超砥粒の間から摩耗が進行し、確実にチップポケッ
トが形成され、研削液の導入が向上し、また切粉の排出
性が向上するため研削抵抗が低減し、切れ味に優れる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明のAl基メタル
ボンド砥石について詳しく説明する。
【0016】図1は本発明のAl基メタルボンド砥石の
一実施例を示す平面図である。このAl基メタルボンド
砥石は、図示しない砥石の外周面に設けられた砥粒層4
を有しており、この砥粒層3は、超砥粒1と、この超砥
粒1上に設けられたAl基金属間化合物層2と、この金
属間化合物層2と強固に接合したAl合金よりなる結合
層3とを具備している。
【0017】上記Al合金よりなる結合相3は、Sn,
Pb,InおよびAgより選ばれる1種または2種以上
の金属を、その合計で5〜50wt%含有しているた
め、結合相3は耐摩耗性が比較的低く、小さいせん断力
を有し、潤滑性に優れるため、研削時においては上記結
合相3の超砥粒間の中央ほど摩耗が進行しやすくチップ
ポケットが形成され、また研削抵抗が小さく切れ味に優
れるので、超硬等難削材を研削するために適した砥石特
性が得られる。
【0018】また、Al合金よりなる結合相3ではS
n,Pb,In,およびAg以外の合金成分については
被削材や加工方法に対応した結合相特性を得るためにM
g,Fe,Zr,Cr,Si,Mn等の合金成分が少量
添加されていても良い。
【0019】結合相3の体積率は、後述する製造工程に
おける被覆金属量を変えることにより容易に変化でき
る。この結合相3の体積率を変えることによってチップ
ポケットの深さや幅をコントロールすることができる。
また、結合相3の硬さをビッカース硬さで200kg/
mm2以下にするとチップポケットの形成が容易となる
とともに研削抵抗の低減が図れる。
【0020】上記超砥粒1は、ダイヤモンドやcBN等
の超硬質粒子である。超砥粒1の形状は、製造上および
使用上の理由から、正多面体が好ましい。しかし、極端
な鱗片状でない限り、不定形の超砥粒を用いても良い。
砥粒1の平均粒径は使用目的によっても異なるが、製造
上の理由から10〜500μm程度、特に20〜200
μmが好ましい。10μm未満では後述する製造工程に
おいて超砥粒1に被覆層を形成する際に砥粒1が中心核
となりにくく、500μmを越えると超砥粒1に被覆が
困難になる。
【0021】このAl基メタルボンド砥石では、Alま
たはその合金を含む軟質なAl合金よりなる結合相3中
に超砥粒1をほぼ等ピッチ分散させたものであり、超砥
粒1の近傍には硬質なAl基金属間化合物が形成されて
いるため、上記の結合相3の超砥粒1間の中央部から摩
耗が進行し、確実にチップポケットになる。このチップ
ポケットの深さや幅は、結合相3の体積率を変えること
によって容易に変化させることができる。Al基金属間
化合物層の硬さはビッカース硬さで400kg/mm2
以上であり、その厚さは1〜50μmであることが望ま
しい。硬さが400kg/mm2未満では耐摩耗性が充
分でなく、保持力も充分でない。厚さが1μm未満では
硬質層としての保持力向上、耐摩耗性向上の機能を充分
発揮できず、50μmを超えると金属間化合物層がもろ
くなり保持力が低下するとともに、超砥粒からの熱放散
性が悪くなる。また硬質金属間化合物層2と軟質結合相
3との硬さの差はビッカース硬さで250kg/mm2
以上あることが望ましく、このような構成のときに砥粒
保持力とチップポケット形成のための摩耗速度のバラン
スがとれ、良好な切れ味と良好な自生発刃性が得られ
る。このため、このAl基メタルボンド砥石では、メタ
ルボンド砥石であるにもかかわらず、レジンボンド砥石
と同様の研削性が得られる。また、Al基層2は導電性
を有するので、金属等の被削材との接触検出を容易に行
うことができる。さらにAl基層2は軽量かつ放熱性に
優れているため、従来のボンドに比べて重量が軽減され
かつ放熱性が向上する。
【0022】従ってこのAl基メタルボンド砥石によれ
ば、従来のレジンボンド砥石、ビトリファイド砥石の代
替としてのみならず、新たな機能を付与した砥石を提供
する事が出来る。また、このAl基メタルボンド砥石に
よれば、自生発刃作用(砥粒層が摩耗することによって
この砥粒層の内部に形成されている超砥粒が新たに表面
に現れる作用)および切粉排出性に優れた砥石を容易に
提供する事ができる。
【0023】以下、図1に示すAl基メタルボンド砥石
の製造方法について説明する。まず、この砥石の製造の
ために用いられる複合超砥粒20の製造方法について説
明する。
【0024】この複合超砥粒20は、図2に示すように
超砥粒1と、この超砥粒1上に設けられた第1次金属被
覆層21と、この第1次金属被覆層21上に設けられた
AlまたはAl合金よりなる第2次金属被覆層22と、
この第2次金属被覆層22上に設けられた軟質金属層2
3とを具備している。
【0025】上記第1次金属被覆層21と第2次金属被
覆層22とが砥石製造の焼結時に反応して硬質のAl基
金属間化合物2を形成するため、Al基金属間化合物2
と結合相3の結合性は非常に高く、また、第2次金属被
覆層22と軟質金属層23とが、砥石製造の焼結時に反
応して、軟質の結合相3を形成する。更に複合超砥粒2
0間は、焼結時に軟質金属層23を介して強固に結合さ
れる。第1次金属被覆層21としては、Cr,Cu,M
n,Ta,Co,Fe,Ni,Ti,Zrより選ばれる
1種または2種以上の金属および合金の1種以上の被覆
が好ましい。第1次金属被覆層21の被覆厚さとして
は、焼結時に生成するAl基金属間化合物2の厚さ1〜
50μmに相当する厚さとして0.5〜30μmが好ま
しい。
【0026】上記第2次金属被覆層22は、Al単体の
みならずAl合金でも良く、Al−Sn系、Al−Cu
系、Al−Mn系、Al−Mg系、Al−Mg−Si
系、Al−Zn−Mg系等が望ましい。上記のようなA
lまたはAl合金は耐摩耗性が比較的低いため、砥石に
した場合に後述するように上記Al基層2がチップポケ
ットとなり、超硬等難削材の研削にも適した砥石特性が
得られる。さらに、上記第1次金属被覆層21に接する
層に、Al−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系合金を
被覆し、さらに外方に向かって、Al−Mg系、Al−
Mn系、Al−Cu系、Al−Sn系合金を順次被覆し
ても良い。このように第2次金属被覆層22を多層状に
被覆すると、砥粒保持力が強く、かつ砥粒間ではその中
央ほど摩耗が進むため、被削材の研削に適した砥石表面
構造が得られる。
【0027】上記軟質金属層23は、上記AlまたはA
l合金よりなる第2次金属被覆層22の表面に形成する
Al酸化皮膜を破壊しつつ被覆され、後述する砥石化時
の焼結性を向上させるものである。上記軟質金属層23
として用いられる金属は、Sn,Pb,In,Ag等が
好ましい。この軟質金属層23の被覆層厚さは、1〜3
0μm程度が望ましい。これは、1μm未満では、焼結
時に十分な焼結助剤の役目を果たさず、30μmを越え
ると、砥石全体の強度が低下するためである。
【0028】最適は軟質金属層23の厚さは超砥粒の粒
径,含有率および被削材から要求される研削性能との観
点より一概には特定できないが、焼結後の結合層3中の
軟質金属元素の割合を5〜50wt%になるように設定
するのがよい。
【0029】次に、このような複合砥粒20を製造する
方法について説明する。まず、図3に示すようにダイヤ
モンドやcBN等の超砥粒1の表面に、無電解めっき法
を用いて第1次金属被覆層21である薄い金属めっき層
を形成する。この金属めっき層21はその上に設けられ
るAlまたはAl合金よりなる第2次金属被覆層22と
反応することにより図1に示す硬質の金属間化合物層2
を形成するとともに第2次金属被覆層22の形成を容易
にするためのもので、その金属種としては、Cu,N
i,Co等およびこれらの合金が挙げられる。また、P
VD,CVD,電気めっき,無電解めっき等適宜組合せ
ることにより前記金属および合金の他にCr,Mn,T
a,Fe,Ti,Zrが活用できる。
【0030】金属めっき層21の厚さは、超砥粒1の平
均粒径にもよるが、0.5〜30μm、特に2〜10μ
m程度が望ましい。第2次金属被覆層22の形成の容易
性から第1次金属被覆層21の厚さを考えると、0.1
μm以上の厚さの第1次金属被覆層21が必要である。
更に第1次金属被覆層21については最初に無電解Ni
めっきを施し、次に無電解Cuめっきを施して、2層の
金属被覆とすると、焼結時にAlと反応して生成される
金属間化合物が超砥粒に近い内層ほど硬質になるので好
ましい。
【0031】次に、こうして得られた金属めっき砥粒2
5上に、Al粉末またはAl合金粉末を摩擦圧接被覆し
た後、さらに軟質金属粉であるSn粉またはPb粉等を
摩擦圧接被覆する。上記Al粉末またはAl合金粉末
は、平均粒径が0.1μm以上のものが望ましい。0.
1μm未満であると摩擦圧接作用が充分効率的に作用せ
ず、第2次金属被覆層22の形成に時間が掛かるととも
に被覆収率が低下する。金属めっき超砥粒25とAl粉
末またはAl合金粉末との大きさの関係は、金属めっき
超砥粒25の大きさに対するAl粉末またはAl合金粉
末の大きさを1/100〜1/2とするのが被覆効率の
点より望ましい。
【0032】上記の金属めっき砥粒25上に、Al粉末
またはAl合金粉末、および軟質金属粉例えばSn粉,
Pb粉を順次摩擦圧接被覆するには、図4に示すような
装置を用いる。そしてこれらの粉末に加圧転動運動を加
えることにより、第1次金属被覆層である金属めっき層
21の上に所望の厚さを有するAlまたはAl合金より
なる第2次金属被覆層22および軟質金属層23を摩擦
圧接法によって形成する。
【0033】図4に示す加圧転動装置の構成を簡単に説
明すると、図中符号10は軸線を水平に設置された円筒
状のドラムであり、軸線を中心として回転される。ドラ
ム10の内部には、軸線に沿って固定シャフト12が配
置され、このシャフト12には下向きに加圧アーム1
3、およびその回転方向後方側の斜め下方に延びる掻き
取りアーム14がそれぞれ固定されている。ドラム10
内に金属めっき超砥粒25と金属粉末17(Al粉末ま
たはAl合金粉末)を添加した後、蓋(図示せず)で塞
ぐことにより、ドラム10内はほぼ密閉される。
【0034】加圧アーム13の下端には、ドラム10の
内面と平行な円弧状をなす加圧板15が固定され、この
加圧板15とドラム10内面との間には、一定の間隙が
形成されている。一方、掻き取りアーム14の下端は刃
先状に形成され、ドラム10内面に付着した粉体を掻き
落とす構成となっている。
【0035】摩擦圧接被覆を行うには、まず、金属めっ
き超砥粒25と金属粉末(Al粉またはAl合金粉末)
17とを所定の割合でドラム10に入れる。図5は、超
砥粒1に金属めっき層21を形成してなる金属めっき超
砥粒25と、金属粉末17の粒子とが混合された状態を
示す拡大図である。
【0036】上記の混合粉末をドラム10に入れて蓋を
した後、ドラム1を回転させると、混合粉体が加圧板5
とドラム10との隙間で加圧され、混合粉体に転動運動
が加わりつつ互いに擦り合わされる。このような粉体同
士の衝突および摩擦によって金属めっき砥粒8と金属粉
末17との界面に局所的な発熱および衝撃力、延性力が
生じ、金属めっき超砥粒25の表面に金属粉末17が団
子状に固着する。さらにこれら団子状粒子の表面に、隣
接する団子状粒子から力が繰り返し加わることにより、
上記固着層が塑性変形を生じて偏平化し、さらに金属め
っき層21内に練り込まれて互いに結合される。
【0037】またドラム10の内面に付着した粉体は掻
き取りアーム14で粉砕され、未付着の金属粉末17は
再び加圧アーム13で金属めっき超砥粒25の表面上に
団子状に固着される。この作業を一定時間繰り返すこと
により、金属粉末17は金属めっき超砥粒25の表面に
順次摩擦圧接被覆されて被覆層が厚くなり、図6に示す
ように最終的にはほぼ全量摩擦圧接被覆されて均一な被
覆厚さを有するAlまたはAl合金よりなる第2次金属
被覆層22となるとともに球形化が進む。
【0038】次にドラム10内に軟質金属層23を構成
する金属粉末(SnまたはPb等)18を入れ、前記同
様にドラム10を回転させて、図2に示すように、第2
次金属被覆層22上に、SnまたはPb等からなる軟質
金属層23を形成する。
【0039】上記のような複合超砥粒20では、超砥粒
1に第1次金属被覆層21を形成する際に主に無電解め
っき法を使用するものの、その厚さは薄いため短時間で
済むうえ、その上に厚いAlまたはAl合金よりなる第
2次金属被覆層22を摩擦圧接法では、短時間で形成す
ることができる。従って厚い被覆層が必要な場合にも、
全体としての製造時間を短縮することができ、生産性を
高めて量産を可能とし、製造コストの低減が図れる。
【0040】またこの摩擦圧接法では、無電解めっき法
が適用できない金属種であるAlまたはAl合金も金属
めっき超砥粒25の外周に被覆形成することができ、金
属種の選択の自由度を高めることが可能であるうえ、こ
れらが設けられた複合超砥粒20はほぼ球形になるため
流動性が良く、砥粒製造時の取扱いが容易になる。軟質
金属層23の形成には摩擦圧接法の他に電気めっき、無
電解めっき等が適用できる。また軟質金属層23が複層
構造になっていてもよい。
【0041】次に、上記複合超砥粒20を用いた砥石製
造方法について説明する。この方法では複合超砥粒20
を台金とともに型込めし、圧粉成形および焼結する。す
ると、個々の複合超砥粒20中の酸化膜が生じにくい軟
質金属層23が互いに容易に接合し合うとともに各金属
被覆層間の相互拡散が進む。その結果、図7に示すよう
に複合超砥粒20が相互に強固に結合した結合相が形成
され、複合超砥粒20間の境界は消失する。同時に、金
属間化合物層2に取囲まれた個々の超砥粒1はこの結合
相中で3次元的にほぼ等間隔に分散され、台金の砥粒層
形成面に砥粒層が形成される。なお、上記圧粉成形およ
び焼結には、ホットプレス法等も含まれる。成形、焼結
の雰囲気は大気中でも可能であるが、不活性あるいは還
元性雰囲気がより好ましい。
【0042】使用する台金および砥粒層の形状は、従来
実用化されているいかなる形状であっても良い。また、
台金を使用せず、砥石全体が砥粒層のみで構成されてい
る砥石も製造可能である。成形時のプレス条件従来と同
じで良い。加熱条件は第1次金属被覆層21と第2次金
属被覆層22とが反応して硬質の金属間化合物が形成さ
れる温度領域が良い。
【0043】上記のような砥石製造方法によれば、Al
基でかつ個々の超砥粒1が硬質の金属間化合物層2で支
持された砥粒層を容易に形成することができるので、砥
粒保持力が大きい一方、相対的に軟質なAl合金よりな
る結合相4は容易に摩耗するため、個々の砥粒1の間の
部分に確実にチップポケットが生じる。また本方法では
Al基への多量添加の難しいSu,Pb等の潤滑性金属
も容易に多量に添加でき、このため研削抵抗の低減と切
れ味の向上を一層図ることができる。
【0044】従ってこの砥石製造方法によれば、自生発
刃作用(砥粒層が摩耗することによってこの砥粒層の内
部に形成されている砥粒が新たに表面に現れる作用)お
よび切粉排出性に優れた砥石を容易に提供する事ができ
る。
【0045】さらにこの複合超砥粒20を原料として例
えばストレート型研削砥石を作成すると、砥粒が均一に
分散しているため、研削比、仕上げ面粗さ、刃先形状維
持能力等を向上させることができる。
【0046】またこの砥石では、図7に示すように超砥
粒1同士の間隔が砥粒層の全域に亙ってほぼ等しく、超
砥粒1の分布密度が均一になる。従って超砥粒と結合剤
粉末とを混合する従来の方法に比して、研削面における
超砥粒1の露出密度が均一になるため、研削面の全域に
亙って切れ味が一定になり、良好な被削材面粗さが得ら
れると共に、研削むらや砥石の異常振動が生じにくく、
良好かつ安定した研削機能が得られる。
【0047】また、超砥粒1は硬質な金属間化合物層2
1によって強固に支持されるとともに超砥粒間の配置ピ
ッチが一定であるので結合相3による超砥粒1の保持力
が均一になるため、超砥粒1の無駄な脱落を防いで等速
的な摩耗となり、砥石寿命の延長が図れる。しかも上記
効果は、超砥粒の集中度を高めた場合に一層顕著にな
る。
【0048】なお、上述した複合超砥粒20の製造方法
において、各金属被覆層の形成時に金属粉末に各種フィ
ラーを添加しても良い。その場合には、成形後の砥石に
フィラー種に応じた機能を付与することが可能である。
例えば、第2次金属被覆層22においてフィラーとして
カーボン粉を金属粉末17に混合すれば、最終的に得ら
れた砥石を研削に使用した際に、研削面に徐々にカーボ
ン粉が供給されるため、潤滑性や超砥粒の自生発刃作用
を高めることができる。また、第1次金属被覆層21の
一部または全てにSiCやAl23等の硬質粒子を添加
しておけば、個々の砥粒1の周囲に形成される金属間化
合物層2中にフィラーを均一に配置することができるか
ら、成形後の砥石にそれに基づく機能を効果的に付与す
ることが可能である。
【0049】また、第2次金属被覆層22は、上記だけ
でなく、Al層と添加元素被覆層との多層構造、A
l合金層同士による多層構造、Al合金粉の単層被覆
膜、 〜の組み合わせによる複合化、等に変化さ
せることにより砥石化時点での特性コントロールを容易
に行うことができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明のAl基メタ
ルボンド砥石では、Al合金よりなる結合相中に超砥粒
をほぼ等ピッチで分散させてなる砥粒層において、前記
超砥粒の近傍に前記結合相より硬質のAl基金属間化合
物層を形成したものであるため、メタルボンド砥石であ
るにもかかわらず、レジンボンド砥石と同様の研削性が
得られ、セラミックス、水晶、サーメット等の難削材の
研削においても良好な加工効率が得られる。また、砥粒
層は導電性を有するので、レジンボンド砥石とは異な
り、金属等の被削材との接触検出を容易に行うことがで
き、研削盤の制御が容易である。さらにAlまたはAl
合金は軽量かつ放熱性に優れているため、これを結合相
に用いると、従来に比べて重量が軽減されかつ放熱性が
向上する。
【0051】従って本発明のAl基メタルボンド砥石に
よれば、従来のレジンボンド砥石、ビトリファイド砥石
の代替としてのみならず、新たな機能を付与した砥石を
提供する事が出来る。
【0052】また、個々の超砥粒の表層部に、前記結合
相よりも硬質の金属間化合物層が形成されているため、
超砥粒と超砥粒の間が軟質で、砥粒の外周が硬質である
ため、前記砥粒と砥粒の間から摩耗が進行し、確実にチ
ップポケットになる。このチップポケットの深さや幅
は、結合相の体積率を変えることによって容易に変化さ
せることができる。更に結合相にはSn,Pb等の潤滑
性金属が含有されている場合は一層の研削抵抗の低減が
図れる。
【0053】従って本発明のAl基メタルボンド砥石に
よれば、自生発刃作用(砥粒層が摩耗することによって
この砥粒層の内部に形成されている超砥粒が新たに表面
に現れる作用)および切粉排出性に優れた砥石を容易に
提供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAl基メタルボンド砥石の第1実施例
を示す平面図である。
【図2】本発明のAl基メタルボンド砥石を製造するた
めに用いられる複合超砥粒を示す断面図である。
【図3】金属めっき砥粒を示す断面図である。
【図4】本発明の砥石の製造方法に使用される装置の説
明図である。
【図5】回転転動前運動前の金属めっき砥粒と金属粉末
の混合状態を示す拡大図である。
【図6】本発明の砥石の製造方法を説明するための工程
図である。
【図7】複合砥粒を使用した砥粒層を示す組織図であ
る。
【符号の説明】
1 超砥粒 2 金属間化合物層 3 結合相(Al基) 4 砥粒層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al合金よりなる結合相中に超砥粒をほ
    ぼ等ピッチで分散させてなる砥粒層において、前記超砥
    粒の近傍に前記結合相より硬質のAl基金属間化合物層
    が形成されていることを特徴とするAl基メタルボンド
    砥石。
  2. 【請求項2】 硬質のAl基金属間化合物層の厚さが1
    〜50μmであることを特徴とする請求項1記載のAl
    基メタルボンド砥石。
  3. 【請求項3】 硬質のAl基金属間化合物層の硬さがビ
    ッカース硬さで400kg/mm2以上であることを特
    徴とする請求項1または2記載のAl基メタルボンド砥
    石。
  4. 【請求項4】 Al合金よりなる結合相において、S
    n,Pb,In,およびAgより選ばれる1種または2
    種以上の金属が合計で5〜50wt%含有することを特
    徴とする請求項1,2または3記載のAl基メタルボン
    ド砥石。
  5. 【請求項5】 結合相の硬さがビッカース硬さで200
    kg/mm2以下であることを特徴とする請求項1,
    2,3または4記載のAl基メタルボンド砥石。
JP25945591A 1991-10-07 1991-10-07 Al基メタルボンド砥石 Withdrawn JPH05177548A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7063896B2 (en) * 2001-09-19 2006-06-20 Robert Bosch Gmbh Metallic surface of a body, method for producing a structured metallic surface of a body and the use thereof
CN110509192A (zh) * 2019-07-08 2019-11-29 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 金属玻璃结合剂及其制备方法、砂轮及其制备方法和应用

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