JP3751160B2 - 硬質素材の砥粒緻密化構造 - Google Patents

硬質素材の砥粒緻密化構造 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダイヤモンド砥粒、CBN砥粒などの超砥粒を用いた硬質素材、とくに研磨、研削用の工具類の耐摩耗性が要求される部分の材料として用いられる硬質素材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワークセンタやセンタレスブレードなどの研磨、研削用の工具類の耐摩耗性が要求される部分の材料として、ダイヤモンド砥粒やCBN砥粒などの超砥粒とマトリックスボンドからなる硬質素材が用いられている。このような工具類に用いられる材料としては、工具類の寿命、強度、精度を確保するために、耐摩耗性、緻密性、表面の平滑性、耐熱性などの特性が要求され、とくにワークを削ってしまうことがないように表面の平滑性が重要視される。
【0003】
このような硬質材料として、たとえば特開昭54−37599号公報には、ダイヤモンドの含有量が焼結体全体の重量で90〜50%の範囲にあり、残部が銅を主成分とする結合相中に重量%で5〜50%のFe,Co,Ni、Cr、Mnの中の一つ以上の元素を含有したダイヤモンド焼結体が記載されている。このダイヤモンド焼結体によれば、加熱による劣化の少ない耐摩耗性に優れた焼結体の結合相が得られ、また極めて微細なダイヤモンド粒子の焼結体が得られるとされている。
【0004】
また、特開平8−52602号公報には、ダイヤモンド焼結体を用いたレースセンタが記載されている。このレースセンタに用いられているダイヤモンド焼結体は、ダイヤモンド粒子とAl,Si、Fe,Co,Ni,Cu、の単体金属、合金、金属間化合物から選ばれる金属材を含有するマトリックスからなるものである。このマトリックスとダイヤモンド粒子とからなるダイヤモンド焼結体は、超砥粒層と基材とが直接結合型の焼結体であることから、立体的構造を有する比較的大型のものを製造することができるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載のダイヤモンド焼結体は、超高圧、高温下で焼結することにより製作されるものであり、その製作に大がかりな設備を必要とし、製作コストも高いという難点がある。また、特開昭54−37599号公報に記載のダイヤモンド焼結体は、焼結体の形状は円筒状や平板上のものに限られ、たとえば円錐状などの立体的な形状の焼結体を得ることが難しい。さらに、寸法の面でも制約があり、砥粒層の厚さが5mmを超える大きさのものは製作が困難である。
【0006】
また上記した従来のダイヤモンド焼結体は、粒径がほぼ同じ大きさのダイヤモンド粒子をメタルボンドで結合したものであり、全体として密にダイヤモンド粒子を混合したとしても、材料表面においては粒子と粒子の間のボンド層が露出しており、ダイヤモンド粒子が粗粒の場合はボンド層の摩耗による比較的大きな窪みが生じ、砥粒が切刃となってワークを削ってしまい、以後の使用が困難になる。逆にダイヤモンド粒子が細粒の場合は、ダイヤモンド粒子が1層脱落した後に凹凸のあるボンド層が出現し、砥粒の突き出しが大きくなってワークを削るために、以後の使用が困難になる。
【0007】
本発明が解決すべき課題は、工具類の耐摩耗性が要求される部分の材料として用いられる硬質素材において、表面に連続して緻密に超砥粒を配列させ、ボンド層の摩耗による凹凸発生の影響を抑制することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の硬質素材の砥粒緻密化構造は、ダイヤモンド、CBNなどの超砥粒とマトリックスボンドからなる硬質素材において、超砥粒が粗粒55〜75体積%、中粒15〜25体積%、細粒10〜20体積%からなり、マトリックスボンドが活性金属含有ろう材または自溶性合金からなることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、粗粒、中粒、細粒を特定の配合割合とした超砥粒を活性金属含有ろう材または自溶性合金と混合して加熱、加圧焼結することにより、表面に超砥粒が連続して緻密に配列された硬質素材が得られる。この硬質素材を工具類の耐摩耗性を要求される部分の材料として用いると、工具表面は平滑となるので、工具によりワークが削られることがなくなる。また、表面に超砥粒が緻密に配列されているので、表面に凹凸ができにくく、長時間良好な表面粗さを維持することができる。
【0010】
本発明における超砥粒の粗粒、中粒、細粒の区分は、粒径で表すと、粗粒は20〜30μm、中粒は8〜12μm、細粒は2〜3μmの範囲である。この区分にしたがった粗粒、中粒、細粒の各超砥粒を前記の割合で配合する。この配合割合において、粗粒の体積%を基準としたとき、中粒の配合が多すぎると空隙が大きくなり過ぎ、また細粒の配合が多すぎるとマトリックボンドが流れにくくなり、緻密化されにくく、また砥粒が脱落しやすくなる。
【0011】
とくに細粒の配合比率を粗粒の1/3〜1/5とすることにより、細粒が粗粒および中粒の空隙に密に充填された状態となり、表面の平滑性が一段と向上する。また、マトリックスボンドが砥粒間に充分に流れ込んで緻密化され、砥粒保持力が向上する。さらに、マトリックスボンドを活性金属含有ろう材または自溶性合金とすることにより、従来のレジンボンドの場合に比して耐摩耗性および耐熱性、強度に優れた硬質素材がが得られる。また、従来のWC,Coを主成分とするメタルボンドの場合に比して焼結工程での高温、高圧力を必要としないので、製造コストは安価であり、大型、立体的形状の焼結体を得ることもできる。
【0012】
また本発明においては、マトリックスボンドを活性金属含有ろう材または自溶性合金とすることによって、耐摩耗性、耐熱性、強度に優れた硬質素材を得ることができる。さらに活性金属としてTiやCrなどの炭化物生成元素を含むろう材を用いると、焼結工程において砥粒中のCとろう材中の炭化物生成元素とが反応して砥粒表面に炭化物が生成されるため、砥粒保持力が高く、砥粒の脱落が起こりにくくなる。
【0013】
本発明にかかる硬質素材は、概略つぎのような手順により製作することができる。
▲1▼マトリックボンドとして、Cu60〜80重量%、Sn16〜20重量%、Ti2〜15重量%、Zr2〜5重量%の活性金属ろう材を準備する。
▲2▼粗粒(30μm)65体積%、中粒(10μm)15体積%、細粒(3μm)20体積%からなる超砥粒を準備する。
▲3▼マトリックボンドに超砥粒を25〜60体積%混合する。
▲4▼上記混合物を非酸化性雰囲気中で900℃、30分間、加圧しながら焼結する。
【0014】
このようにして製作された硬質素材の表面近傍の断面構造を図1に示す。図1は粗粒、中粒、細粒の超砥粒とボンドとの混合および配列状態を示す模式図である。同図に示すように、粗粒1と粗粒1の間に中粒2が配列され、粗粒1と中粒2の間に細粒3が配列され、各粒子間にボンド4が充填されたかたちとなっている。このような砥粒の配列となることにより、硬質素材の表面5には、粗粒1、中粒2、細粒3が連続して緻密に表れ、ボンドが摩耗したとしても表面に大きな凹凸が生じない構造となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下試験例に基づき本発明の実施形態を説明する。超砥粒としてダイヤモンド砥粒を用い、マトリックスボンドとしてCu−20SnにTiとZrをそれぞれ2.5重量%添加した活性金属含有ろう材を用いた。ダイヤモンド砥粒とボンドの混合比率は50体積%(集中度200)とし、粗粒、中粒、細粒の配合割合を種々変えて硬質素材を製作し、これを材料としてワークセンタを作成した(発明品1〜6)。比較例として特開昭54−37599号公報記載のダイヤモンド焼結体と特開平8−52602号公報記載のダイヤモンド焼結体を製作し、これを材料としてワークセンタを作成した(比較品1,2)。これらのワークセンタを旋盤に取り付けて耐用試験を行った。表1にワークセンタ材料の仕様を、図2に試験結果を示す。
【0016】
【表1】
Figure 0003751160
【0017】
〔試験条件〕
使用機械 :両センター円筒研削盤
ワークセンタ:φ16、先端角度60度
被研削材 :炭素鋼(S25C)
【0018】
〔試験結果〕
図2は比較品2のワークセンタの耐用度指数を100としたときの他のワークセンタの耐用度指数を示す図である。ここで耐用度とは、素材表面の形状が崩れ、工具交換に至るまでの使用時間をもって表したものである。発明品1〜6のワークセンタは比較品2のワークセンタに比して耐用度が15〜40%向上しており、とくに細粒の配合比率を粗粒の1/3〜1/5とした発明品3,4,5は一段と耐用度が高いことがわかる。このように本発明によれば、素材表面に砥粒が密に充填され、かつ、ろう材が砥粒間に充分に流れることから、表面の平滑化、緻密化、ろう材と砥粒との化学結合による強固な保持力が得られ、優れた耐用度が得られることが確認された。
【0019】
【発明の効果】
本発明によって以下の効果を奏することができる。
【0020】
(1)粗粒、中粒、細粒を特定の配合割合とした超砥粒を活性金属含有ろう材または自溶性合金と混合して加熱、加圧焼結することにより、表面に超砥粒が連続して緻密に配列された硬質素材が得られ、この硬質素材を工具類の耐摩耗性を要求される部分の材料として用いると、工具表面は平滑となるので、工具によりワークが削られることがなくなる。また、表面に超砥粒が緻密に配列されているので、表面に凹凸ができにくく、長時間良好な表面粗さを維持することができる。
【0021】
(2)細粒の配合比率を粗粒の1/3〜1/5とすることにより、細粒が粗粒および中粒の空隙に密に充填された状態となり、表面の平滑性が一段と向上する。また、マトリックスボンドが砥粒間に充分に流れ込んで緻密化され砥粒保持力が向上する。
【0022】
マトリックスボンドを活性金属含有ろう材または自溶性合金とすることにより、従来のレジンボンドの場合に比して耐摩耗性および耐熱性、強度に優れた硬質素材がが得られる。また、従来のWC,Coを主成分とするメタルボンドの場合に比して焼結工程での高温、高圧力を必要としないので、製造コストは安価であり、大型、立体的形状の焼結体を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる硬質素材の表面近傍の断面構造を示す模式図である。
【図2】 耐用試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 粗粒
2 中粒
3 細粒
4 マトリックスボンド
5 表面

Claims (1)

  1. ダイヤモンド、CBNなどの超砥粒とマトリックスボンドからなる硬質素材において、超砥粒が粗粒55〜75体積%、中粒15〜25体積%、細粒10〜20体積%からなり、かつ、この砥粒比率の範囲内において、前記細粒の配合比率を粗粒の1/3〜1/5とし、前記超砥粒の粗粒の粒径が20〜30μm、中粒の粒径が8〜12μm、細粒の粒径が2〜3μmであり、マトリックスボンドが活性金属含有ろう材または自溶性合金からなることを特徴とする硬質素材の砥粒緻密化構造。
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