JPH04354801A - 金属被覆砥粒、その製造方法、およびメタルボンド砥石の製造方法 - Google Patents

金属被覆砥粒、その製造方法、およびメタルボンド砥石の製造方法

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JPH04354801A
JPH04354801A JP3155760A JP15576091A JPH04354801A JP H04354801 A JPH04354801 A JP H04354801A JP 3155760 A JP3155760 A JP 3155760A JP 15576091 A JP15576091 A JP 15576091A JP H04354801 A JPH04354801 A JP H04354801A
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metal
abrasive grains
pressure
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coating layer
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JP3155760A
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Inventor
Tsutomu Takahashi
務 高橋
Masanobu Osada
正信 長田
Naoto Oikawa
及川 尚登
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、砥石の製造に使用され
る金属被覆砥粒、その製造方法、およびそれを用いたメ
タルボンド砥石の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なメタルボンド砥石は、通常、粉
末状の金属結合剤に砥粒を均一に混合し、この混合粉末
を台金とともに型込めした後、これらを圧粉成形および
焼結して製造されている。
【0003】なお、上記砥粒の表面に、無電解めっき法
や蒸着法を用いて薄い金属被覆層を予め形成しておき、
後は上記と同様に金属結合剤に混合し、圧粉成形および
焼結してメタルボンド砥石を製造する場合もある。この
ような金属被覆砥粒を用いれば、研削時に発生する砥粒
の熱が金属被覆層を通して発散するため、砥粒の局部的
な過熱が防止できる。また、金属被覆層を介在させるこ
とにより、結合相と砥粒の接合強度が増すため、結合相
による砥粒保持力が向上し、砥粒の脱落頻度が低下して
寿命延長を図る効果が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なメタルボンド砥石の製造方法では、砥粒と結合剤を混
合し型込めする時点で、個々の砥粒を均一に分散させる
ことが難しく、焼結後の砥粒層の内部において砥粒の分
布密度に粗密が生じることは避けられない。このため、
研削面に露出した砥粒の配置に粗密が生じ、砥石の切れ
味に局部的なむらが生じて、研削性能が不安定になる欠
点があった。
【0005】また、上記の金属被覆砥粒は、結合相と砥
粒との接合性や砥粒の耐熱性を高める目的で被覆層を形
成したものであるから、被覆層は厚さが約5μm以下の
薄いものだった。
【0006】また、上記の金属被覆砥粒は無電解めっき
法あるいは蒸着法を用いて製造されるので、被覆層の形
成速度は通常0.3μm/min以下と遅く、製造効率
が悪いうえ、無電解めっき法の場合には適用できる金属
被覆層の材質が限定され、選択の自由度に乏しい。一方
、蒸着法では砥粒の分散が難しく、均一な被覆が難しい
という問題も有している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、以下、その具体的な構成を
説明する。
【0008】始めに、本発明に係わる金属被覆砥粒の製
造方法から説明する。この製造方法に使用する砥粒は、
ダイヤモンドやCBN等の超砥粒、あるいはSiC、A
l2O3等の一般砥粒のいずれでもよい。砥粒の形状は
、加圧攪拌中の砥粒の転がり性を向上し、圧着被覆層の
均一形成を容易にするため、球状に近い方が好ましい。 しかし、極端な鱗片状でない限り、不定形の砥粒を用い
ても以後の圧着被覆層は十分形成可能である。
【0009】砥粒の平均粒径は使用目的によっても異な
るが、製造上の理由から10〜500μm程度、特に2
0〜200μmが好ましい。10μm未満では圧着被覆
層を形成する際に中心核となりにくく、500μmより
大では摩擦圧接作用による被覆が困難になる。
【0010】この方法ではまず、無電解めっき法を用い
て、前記砥粒の表面に薄い金属めっき層を形成する。こ
の金属めっき層は各圧着被覆層の形成(接合)を容易に
するためのもので、その金属種としては、Cu,Ni,
Co,Ag等が挙げられる。
【0011】金属めっき層の厚さは、砥粒の平均粒径に
もよるが0.1〜20μm、特に1〜5μm程度が望ま
しい。0.1μmより薄いと圧着被覆層の形成が困難に
なり、他方20μmより厚くすると無電解めっきに要す
る時間が増すのみで生産性が低下する。
【0012】次に、こうして得られた金属めっき砥粒を
第1の金属粉末と混合し、図1に示すような装置を用い
てこれらに加圧転動運動を加え、金属めっき層の上に所
望の厚さを有する第1圧着被覆層14Aを摩擦圧接法に
よって形成する。
【0013】図1に示す加圧転動装置の構成を簡単に説
明すると、図中符号1は軸線を水平に設置された円筒状
のドラムであり、軸線を中心として回転される。ドラム
1の内部には、軸線に沿って固定シャフト2が配置され
、このシャフト2には下向きに加圧アーム3、およびそ
の回転方向後方側の斜め下方に延びる掻き取りアーム4
がそれぞれ固定されている。ドラム1内にめっき砥粒と
金属粉体を添加した後、蓋(図示略)で塞ぐことにより
、ドラム1内はほぼ密閉される。
【0014】加圧アーム3の下端には、ドラム1の内面
と平行な円弧状をなす加圧板5が固定され、この加圧板
5とドラム1内面との間には、一定の間隙が形成されて
いる。一方、掻き取りアーム4の下端は刃先状に形成さ
れ、ドラム1内面に付着した粉体を掻き落とす構成とな
っている。
【0015】圧着被覆を行なうには、まず、めっき砥粒
と金属粉体とを所定の割合でドラム1に入れる。図2は
、砥粒10に金属めっき層11を形成してなるめっき砥
粒12と、金属粉末粒子13とが混合された状態を示す
拡大図である。
【0016】使用する金属粉末13の平均粒径は0.1
〜50μmとされ、かつめっき砥粒12の平均粒径の1
〜25%程度であることが望ましい。0.1μm未満あ
るいは1%未満では金属粉末13の粒子数が大きく、被
覆と同時に金属粉末13同士の凝集が起こり、圧着被覆
層14Aの形成が困難である。逆に、50μmより大あ
るいは25%より大では、めっき砥粒12が中心核にな
りにくく、金属粉末粒子13同士の圧着凝集が起こり好
ましくない。
【0017】金属粉末13の材質は、金属めっき層11
を構成する金属よりも柔軟な材質であることが好ましい
。その方が、これら金属粉末粒子13がめっき砥粒に固
着しやすく、圧着被覆層14Aの形成が容易に行なえる
。具体的な金属種としては、Ag、Sn、Zn、Ni、
Cu等が挙げられるが、これら以外の金属種でも、摩擦
圧接条件を適正に設定することにより、圧着被覆層14
A(〜D)の形成が可能である。
【0018】また、単一種の金属を使用するだけでなく
、2種以上の金属粉末を混合して使用することも可能で
あるし、金属粉末と還元性粉末とを同時に添加して摩擦
圧接することも可能である。この場合は、金属被覆砥粒
の焼結時に金属層に対して還元作用が働くため、焼結性
の向上が図れ、摩擦圧接時に生ずる酸化皮膜の悪影響を
改善できる効果を有する。
【0019】めっき砥粒12と金属粉末13との混合比
は、形成すべき圧着被覆層14A(〜D)の厚さに応じ
て決定されるが、効率良く圧着被覆層14A(〜D)を
形成するには、粉末の体積比で、以下の範囲に設定する
ことが望ましい。めっき砥粒量: 金属粉末量=50:
 1〜3:11回の圧接被覆では被覆厚さが足りない場
合には、途中で金属粉末13を追加して圧着被覆を続行
すればよい。
【0020】上記の混合粉末をドラム1に入れて蓋をし
た後、ドラム1を回転させると、混合粉体が加圧板5と
ドラム1の隙間で加圧され、混合粉体に転動運動が加わ
りつつ互いに擦り合わされる。このような粉体同士の衝
突および摩擦によって各粒子12,13 の界面に局所
的な発熱および衝撃力、延性力が生じ、金属めっき砥粒
12の表面に圧着粒子13が団子状に固着する。さらに
これら団子状粒子の表面に、隣接する団子状粒子から力
が繰返し加わることにより、前記固着層が延びて偏平化
し、さらに金属めっき層11に練り込まれて互いに結合
される。
【0021】ドラム1の内面に付着した粉体は掻き取り
アーム4で粉砕され、未付着の金属粉末13は再び加圧
アーム3でめっき砥粒12の表面に団子状に固着される
。この作業を一定時間繰り返すことにより、金属粉末1
3は図3に示すようにめっき砥粒12の表面に順次圧着
被覆されて被覆層が厚くなり、最終的にはほぼ全量圧着
被覆されて均一な被覆厚さを有する第1圧着被覆層14
Aとなるとともに球形化が進む。
【0022】次に、ドラム1内に第2圧着被覆層14B
を構成する金属粉末を入れる。そして、再びドラム1を
回転させ、第1圧着被覆層14A上に第2圧着被覆層1
4Bを形成する。
【0023】さらに、上記と同様の処理を繰り返し、図
4に示すように、第2圧着被覆層14B上に第1圧着被
覆層14Aと同材質の第3圧着被覆層14C、第3圧着
被覆層14C上に第2圧着被覆層と同材質の第4圧着被
覆層14Dを順次形成する。圧着被覆層14の厚さの増
大に従い、金属被覆砥粒15は球形化し、流動性が向上
する。なお、図示の例では4層の圧着被覆層14A〜D
を形成したが、4層に限らず、必要に応じて2層、3層
、5層以上のいずれでもよい。
【0024】各圧着被覆層14A〜Dの材質は、交互に
異なるように設定される。例えば、CuとSnを用いた
場合の1例を以下に記す。金属めっき層11: Cu第
1圧着被覆層14A: Cu 第2圧着被覆層14B: Sn 第3圧着被覆層14C: Cu 第4圧着被覆層14D: Sn または以下の組成も可能である。基本的には最外層に低
融点金属層(この場合はSn)を形成するほうが焼結性
の点で好ましい。金属めっき層11: Cu第1圧着被
覆層14A: Sn 第2圧着被覆層14B: Cu 第3圧着被覆層14C: Sn 第4圧着被覆層14D: Cu 第5圧着被覆層: Sn
【0025】各圧着被覆層14A〜Dの厚さは、最終的
に形成すべき砥石の結合相の合金組成および集中度に基
づいて決定すべきである。ただし、最外層14Dを除く
各圧着被覆層14A〜Cの厚さは、均等であることが望
ましい。また、最外層14Dを除く各圧着被覆層14A
〜Cの厚さは、基本的に薄い程、焼結時の拡散による均
一性が向上して好ましく、実用的には0.01〜4μm
程度とされる。
【0026】一方、最外層の圧着被覆層14Dは、金属
被覆砥粒間の焼結性を向上するため1μm以上の厚さが
好ましい。
【0027】上記構成からなる金属被覆砥粒の製造方法
では、砥粒10に金属めっき層11を形成する際に無電
解めっき法を使用するものの、その厚さは薄いため短時
間で済むうえ、その上に厚い圧着被覆層14を短時間で
形成することができる。したがって、厚い被覆層(11
+14)が必要な場合にも、全体としての製造時間を短
縮することができ、生産性を高めて量産を可能とし、製
造コストの低減が図れる。
【0028】また、この方法では、無電解めっき法が適
用できない金属種も圧着被覆層14として砥粒10の外
周に形成することができ、金属種の選択の自由度を高め
ることが可能であるうえ、金属被覆砥粒15はほぼ球形
になるため流動性が良く、砥石製造時の取り扱いが容易
になる。
【0029】なお、上記の方法により得られた金属被覆
砥粒15の、圧着被覆層14の外周にさらに還元性物質
を含有する還元性物質層を形成してもよいし、また金属
粉末のみならず還元性粉体をも同時に添加して金属めっ
き砥粒の表面にこれらを同時に被覆しても良い。
【0030】この種の還元性物質としては、P,C,S
等が挙げられる。例えばPを用いる場合には、圧着被覆
層を形成した後、金属粉末に赤リン粉末を添加し、さら
に圧着作業を継続し、赤リン粉末を圧着被覆層に取り込
ませる。還元性物質の添加量は、焼結性の改善要求度、
焼結時におけるリン化物形成による金属層の硬さ向上と
の関係で一概には特定できないが、一般的には0.01
%〜5%程度が好ましい。
【0031】このように、金属被覆砥粒15の外周に還
元性物質層を設けた場合には、圧粉および焼結時に圧着
被覆層14同士の接合界面が還元されるため、相互に融
着しやすくなり、焼結性を向上することができる。
【0032】次に、上記金属被覆砥粒15を用いたメタ
ルボンド砥石の製造方法を説明する。この方法では、金
属被覆砥粒15を台金とともに型込めし、圧粉成形およ
び焼結する。すると、個々の金属被覆砥粒15の各圧着
被覆層14A〜Dの中の低融点金属層が溶融し、他の金
属被覆砥粒15との接触界面の低融点被覆層も融解する
ため、圧着被覆層間14A〜Dおよび金属被覆砥粒15
間で拡散反応が進む。
【0033】その際、各圧着被覆層14A〜Dは薄膜で
あるから層間で組成が十分に均一化され、図5に示すよ
うに各被覆層14が相互に強固に結合した結合相が形成
され、金属被覆砥粒15間の境界は消失する。同時に、
個々の砥粒10はこの結合相中で3次元的にほぼ等間隔
に分散され、台金の砥粒層形成面にメタルボンド砥粒層
が形成される。なお、上記圧粉成形および焼結には、ホ
ットプレス法等も含まれる。成形・焼結は大気中でも可
能であるが、不活性あるいは還元性雰囲気がより好まし
い。
【0034】使用する台金および砥粒層の形状は、従来
実用化されているいかなる形状であってもよい。また、
台金を使用せず、砥石全体が砥粒層のみで構成されてい
る砥石も製造可能である。成形時のプレス条件や加熱条
件は従来と同様でよい。
【0035】上記のようなメタルボンド砥石の製造方法
によれば、図5に示すように砥粒10同士の間隔が砥粒
層の全域に亙ってほぼ等しく、砥粒10の分布密度が均
一になる。したがって、砥粒と結合剤粉末を混合する従
来の製造方法に比して、研削面における砥粒10の露出
密度が均一になるため、研削面の全域に亙って切れ味が
一定になり、良好な被削材面粗さが得られるとともに、
研削むらや砥石の異常振動が生じにくく、良好かつ安定
した研削性能が得られる。
【0036】また、金属結合相14による砥粒10の保
持力が均一になるため、砥粒10の無駄な脱落を防いで
、砥石寿命の延長が図れる。しかも上記の各効果は、砥
粒の集中度を高めた場合に一層顕著になる。
【0037】さらにこの方法では、砥粒10の外周に、
互いに異なる金属により交互に薄い圧着被覆層14A〜
Dを形成しているため、単位体積当たりの相互接触面積
が広く、焼結時にはこれら圧着被覆層14A〜D同士が
効果的に反応し、均一な合金組織が形成されるという利
点を有する。また変形しえない砥粒の表面に変形可能な
圧着金属層が形成されているため、成形性を著しく高め
ることが可能で、焼結性および成形性を共に向上したこ
とにより、成形圧力および焼結温度等を調整すれば、気
孔率の高い砥石から気孔のまったくない砥石まで容易に
製作可能である。
【0038】なお、前述した本発明の金属被覆砥粒の製
造方法において、各圧着被覆層14A〜Dの形成時に金
属粉末に各種フィラーを添加しておいてもよい。その場
合には、成形後の砥石にフィラー種に応じた機能を付与
することが可能である。
【0039】例えば、フィラーとしてカーボン粉を金属
粉末13に混合し、一部または全ての圧着被覆層14A
〜Dを形成すれば、最終的に得られた砥石を研削に使用
した際に、研削面に徐々にカーボン粉が供給されるため
、潤滑性や砥粒の自生発刃作用を高めることができる。
【0040】また、圧着被覆層14A〜Dの一部または
全てにSiCやAl2O3等の硬質粒子を添加しておけ
ば、結合相の耐摩耗性が向上し、砥石寿命が増大する。
【0041】本発明の方法では特に、砥粒層の内部にお
いて個々の砥粒10の周囲にフィラーを均一に配置する
ことができるから、成形後の砥石にそれに基づく機能を
効果的に付与することが可能である。
【0042】なお、前述した方法により製造された金属
被覆砥粒15の使用方法は、上記のような砥石製造方法
に限定されず、例えば金属,樹脂,ガラス等の各種結合
剤と混合し、従来通りの方法で砥石を成形してもよい。 この場合にも、砥粒層中における砥粒10の分散性およ
び砥粒保持力を高めることができる。
【0043】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げて効果を実証す
る。 (実施例1) ダイヤモンド粉末(粒径40〜60μm)に無電解Cu
めっきを行ってダイヤモンド粉と同重量のCu被覆を形
成し、Cuめっきダイヤモンド砥粒(図6参照)を作成
した。
【0044】このCuめっきダイヤモンド砥粒250g
を図1に示す装置に投入し、さらに図7に示すSn粉末
(平均粒径5μm)を30gを投入し、軽く混合した後
、蓋をして、加圧アーム3とドラム1の距離5mm、ド
ラム1の回転数700r.p.mの条件で30分間被覆
処理した。
【0045】次に、図8に示すCu粉(平均粒径6μm
)20gを加え、ドラム1の回転数1300r.p.m
の条件で30分間被覆した。以上のSn被覆とCu被覆
を交互に合計10回繰返すとともに、その間にドラム1
内の粉体容積量を一定化するため、3回の粉末の抜取り
を行い、最終的に491gの金属被覆砥粒を得た。
【0046】得られた金属被覆砥粒は図9に示すように
球形化しており、良好な流動性を示した。その組成比を
湿式分析した結果、重量比でダイヤ:Cu:Sn=1:
3.77:2.92であった。
【0047】この金属被覆砥粒を用いて、外径φ144
mm、内径φ40mm、厚さ7mmの低炭素鋼(SS4
1)の外周に厚さ3mmのダイヤモンド砥粒層を形成し
た。その形成条件は、先ず台金を金型内にセットした後
、金属被覆砥粒を充填し、常温で5ton/cm2の圧
力で5分間コールドプレスした。次にホットプレスによ
り、圧力0.5ton/cm2、温度400℃、窒素雰
囲気下で1時間焼結して、実施例1の無気孔メタルボン
ド砥石を作成した。また、実施例1の金属被覆砥粒を用
いて、実施例1と同じ台金とともに金型内で300Kg
/cm2の圧力で5分間コールドプレスした後、温度9
00℃窒素雰囲気下で24時間焼結(フリーシンター)
して実施例2のメタルボンド砥石を作成した。この実施
例2の砥石では砥粒層における気孔率は11%であった
【0048】一方、比較例として、ダイヤ粉、Sn粉、
Cu粉を充分混合した後、実施例1と同様にコールドプ
レス、ホットプレスを行い、実施例と同形状、同組成の
メタルボンド砥石を作成した。いずれの場合も砥粒層の
集中度は100、CuとSnの重量比は54:46とし
た。
【0049】このようにして得られた実施例と比較例の
各メタルボンド砥石にトルーイング、ドレッシングを施
した後、以下に示す研削条件でガラス研削試験を行った
。 (研削試験条件) 砥石形状:1A1型  φ150mm×厚さ7mm研削
様式:平面研削 被削材  :ガラス 試験機  :岡本  63A 周速度  :1500m/min テーブル送り:10m/min 切込み速度  :0.1mm/サイクル(0〜100c
c)0.15mm/サイクル(100〜300cc)研
削液  :JE220
【0050】その結果、図10に示すように、実施例1
は比較例の2倍以上の研削比を示した。また、被削材除
去量(cc)と、砥石外周面の断面形状変化とを、図1
1(実施例1)および図12(比較例)に示す。これら
の比較から明らかなように、実施例1の砥石では、摩耗
による形状くずれが小さかった。また実施例2の砥石で
は気孔が11%存在するため研削抵抗は比較例の70%
であった。また、実施例1,2の砥石では、以下の表1
に示すように研削後の被削材の面粗さが小さく、比較例
に比して良好な研削性能を示した。
【0051】
【表1】
【0052】さらに、図13および図14は、実施例と
比較例の砥石の表面をそれぞれ示す拡大写真の模写図で
あり、これらの比較から明らかなように、砥粒の分布は
、比較例に比して実施例の方がはるかに均一である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる金
属被覆砥粒の製造方法によれば、砥粒に薄い金属めっき
層を形成した後、その上に厚い圧着被覆層を短時間で形
成することができるため、厚い被覆層が必要な場合にも
、全体としての製造時間を短縮することができ、生産性
を高めて量産を可能とし、製造コストの低減が図れる。
【0054】また、この方法によれば、無電解めっき法
が適用できない金属種も圧着被覆層として容易に形成す
ることができ、金属種の選択の自由度を高めることが可
能である。さらに、得られる金属被覆砥粒は球状になる
ため、流動性が良く、砥石製造時の取り扱いが容易であ
る。
【0055】また、金属粉末を無電解めっきに用いる金
属種よりも柔軟な材質にした場合には、この金属粉末粒
子がめっき砥粒に固着しやすく、圧着被覆層の形成が容
易に行なえる。
【0056】一方、本発明の金属被覆砥粒、およびメタ
ルボンド砥石の製造方法によれば、得られた砥石におけ
る砥粒同士の間隔が砥粒層の全域に亙ってほぼ等しく、
砥粒の分布密度が均一になるため、砥粒と結合剤粉末を
混合する従来の製造方法に比して、研削面における砥粒
の露出密度が均一化できる。これにより、研削面の全域
で切れ味が一定になるから良好な仕上げ面粗さが得られ
るとともに、研削むらや砥石の異常振動が生じにくく、
良好かつ安定した研削性能が得られる。また、金属結合
相による砥粒保持力が均一になるため、砥粒の無駄な脱
落を防いで、砥石寿命の延長が図れるという利点も有す
る。
【0057】また、砥粒の外周に異なる金属により交互
に薄い圧着被覆層を形成しているため、これら圧着被覆
層の単位体積当たりの相互接触面積が広く、焼結時には
これら圧着被覆層同士が効果的に反応し、均一な合金組
織が形成されるという利点を有するとともに、変形可能
な金属層を砥粒表面に有するため成形性の向上が図れる
。更に、加圧成形条件や焼結条件の調整により、気孔率
の高い砥石から気孔の全くない砥石まで容易に製作可能
である。
【0058】また、金属被覆砥粒の外周に還元性物質層
を設けた場合には、圧粉および焼結時に被覆層が相互に
融着しやすくなり、焼結性が向上する。
【0059】さらに、金属粉末にフィラーを添加した場
合には、砥粒層の内部で個々の砥粒の周囲にフィラーを
均一に配置することができ、成形後の砥石にそれに基づ
く機能を効果的に付与することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属被覆砥粒の製造方法に使用される
装置の説明図である。
【図2】加圧転動運動前の金属めっき砥粒と金属粉末の
混合状態を示す拡大図である。
【図3】第1回の加圧転動運動後に得られた金属被覆砥
粒の拡大図である。
【図4】完成した金属被覆砥粒の断面図である。
【図5】金属被覆砥粒を使用した砥粒層の組織図である
【図6】本発明の実施例で得られた銅めっき砥粒を示す
模写図である。
【図7】実施例で使用したSn粉末を示す模写図である
【図8】実施例で使用したCu粉末を示す模写図である
【図9】実施例で得られた金属被覆砥粒の模写図である
【図10】実施例と比較例の各砥石の性能を比較したグ
ラフである。
【図11】実施例の砥石の刃先形状の変化を示すグラフ
である。
【図12】比較例の砥石の刃先形状の変化を示すグラフ
である。
【図13】実施例の砥石の組織を示す拡大図である。
【図14】比較例の砥石の組織を示す拡大図である。
【符号の説明】
1  ドラム 2  固定シャフト 3  加圧アーム 4  掻き取りアーム 5  加圧板 10  砥粒 11  金属めっき層(被覆層の一部)12  めっき
砥粒 13  金属粉末粒子 14A〜D  第1〜第4圧着被覆層(被覆層の他の部
分)15  金属被覆砥粒

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  砥粒と、この砥粒の表面に2種以上の
    金属層を交互に3層以上に積層してなる厚さ5μm以上
    の被覆層とを具備することを特徴とする金属被覆砥粒。
  2. 【請求項2】  前記各金属層のうち最外層を除く各金
    属層の厚さは、それぞれ0.01〜4μmであることを
    特徴とする請求項1記載の金属被覆砥粒。
  3. 【請求項3】  最外層の前記金属層は低融点金属で構
    成され、その厚さは1μm以上であることを特徴とする
    請求項1または2記載の金属被覆砥粒。
  4. 【請求項4】  前記被覆層の少なくとも外周には、還
    元性物質を含有する還元性物質層が設けられていること
    を特徴とする請求項1,2または3記載の金属被覆砥粒
  5. 【請求項5】  前記被覆層の少なくとも一部には、フ
    ィラーが分散されていることを特徴とする請求項1,2
    ,3または4記載の金属被覆砥粒。
  6. 【請求項6】  砥粒の表面に無電解めっき法を用いて
    金属めっき層を形成した後、これらめっき砥粒を、これ
    らより平均粒径が小さい金属粉末と混合して加圧転動運
    動を加え、機械的な摩擦圧接作用により前記金属めっき
    層上に金属粉末を圧着させて第1圧着被覆層を形成し、
    この第1圧着被覆層上に前記金属粉末とは異なる金属粉
    末を用いて前記同様に第2圧着被覆層を形成し、さらに
    前記同様の工程を繰り返すことにより、前記第1圧着被
    覆層と第2圧着被覆層とを交互に積層して形成すること
    を特徴とする金属被覆砥粒の製造方法。
  7. 【請求項7】  前記各圧着被覆層を構成する金属は、
    いずれも前記金属めっき層を構成する金属よりも軟質な
    材質であることを特徴とする請求項6記載の金属被覆砥
    粒の製造方法。
  8. 【請求項8】  前記各圧着被覆層を形成するに際し、
    前記金属粉末に還元性物質を添加して圧着被覆すること
    を特徴とする請求項6または7記載の金属被覆砥粒の製
    造方法。
  9. 【請求項9】  請求項1,2,3,4または5に記載
    の金属被覆砥粒を圧粉成形および焼結することにより、
    メタルボンド砥粒層を形成することを特徴とするメタル
    ボンド砥石の製造方法。
  10. 【請求項10】  請求項1,2,3,4または5に記
    載の金属被覆砥粒を押出し成形することを特徴とするメ
    タルボンド砥石の製造方法。
  11. 【請求項11】  請求項1,2,3,4または5に記
    載の金属被覆砥粒と樹脂結合剤とを混錬した後、射出成
    形することを特徴とするメタルボンド砥石の製造方法。
JP3155760A 1991-05-30 1991-05-30 金属被覆砥粒、その製造方法、およびメタルボンド砥石の製造方法 Pending JPH04354801A (ja)

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