JPH0775519B2 - ドライパック包装食品の製造方法 - Google Patents

ドライパック包装食品の製造方法

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JPH0775519B2
JPH0775519B2 JP1261815A JP26181589A JPH0775519B2 JP H0775519 B2 JPH0775519 B2 JP H0775519B2 JP 1261815 A JP1261815 A JP 1261815A JP 26181589 A JP26181589 A JP 26181589A JP H0775519 B2 JPH0775519 B2 JP H0775519B2
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博光 長田
由香子 朽木
伊公子 竹内
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東洋製罐株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、食品を所望の程度に脱水した後缶等の包装容
器に充填密封する包装食品の製造方法において、従来脱
水のために行われていた蒸煮法に代えて浸透圧脱水法を
利用したことを特徴とする包装食品の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
魚介類、肉類、野菜等の生鮮食品を缶詰や袋詰等の包装
食品に加工する場合に、生鮮食品を脱水することがあ
る。たとえば、本出願人は、さきに昭和60年特許願第86
554号をもって、包装食品をその総量比で水分含量を30
〜55%に保ち、包装用缶に充填密封した後殺菌してなる
ドライパック缶詰食品を提案したが、生鮮食品の水分が
上記水分含量範囲を超える場合は、該生鮮食品を適当な
加熱条件(たとえば魚類の場合90〜100℃で30分間程
度)で蒸煮に脱水することによって水分含量を上記範囲
内に収めるようにした後所定の加工を行い缶に充填する
ようにしている。このように、従来生鮮食品を包装食品
に加工する際に脱水する必要がある場合は、この脱水は
すべて蒸煮法により行われていた。
〔発明が解決しようとする課題〕 このように生鮮食品の脱水を蒸煮法により行うと、食品
中の旨味成分や風味成分が食品から浸出する水の中に溶
出し、その分食品の旨味や風味を損うという欠点があ
る。
よって、本発明は、包装食品の製造に際し、食品の脱水
が必要な場合に、従来の蒸煮法に代り食品の旨味や風味
が損われない新たな脱水方法を採用した包装食品の製造
方法を提供することを目的とする 〔課題を解決する手段および作用〕 本発明者らは、いずれかの成分を選択的に通過させ他の
成分を通過させない半透膜による脱水法に着目し、多種
多様な市販の半透膜についてそれぞれ実験と研究を重ね
た結果、これらの半透膜の中には、アンモニア、トリメ
チルアミン等の不快な魚臭成分は水とともに透過する
が、意外にも分子量がトリメチルアミンと大差のないグ
リシン、アラニン等のアミノ酸を含めてすべてのアミノ
酸を通過しない半透膜があることを発見し本発明に到達
した。
すなわち上記目的を達成する本発明のドライパック包装
食品の製造方法は、水を透過するが糖類等の高浸透圧物
質およびアミノ酸を透過しない半透膜の一方側に該高浸
透圧物質を接触させ他方側に食品を接触させることによ
って該食品を脱水させ必要に応じて味付等の調理を施し
た後包装容器に充填する直前の状態で水分含量を総量比
で30〜55%とした後該食品を包装容器に充填密封し加熱
殺菌することを特徴とするものである。
半透膜に接触する食品の表面水分が半透膜を介して糖類
等の高浸透圧物質に移り、食品表面の水分が濃縮されて
浸透圧が高くなるので、食品内部の水が吸引されて半透
膜を介して高浸透圧物質に移り、脱水を進行させる。一
方高浸透圧物質が半透膜を介して食品に移ることはな
く、また食品に含まれるアミノ酸も半透膜で遮られて高
浸透圧物質に移ることがなく、食品内に留まる。
本発明において使用する半透膜は、水を透過するが、糖
類、食塩等の高浸透圧物質およびアミノ酸を透過しない
ことが必要であり、このような条件を備えた半透膜とし
ては、たとえば昭和電工(株)製のワンウエイピチット
(商標)吸水シートに用いられているビニロンフィルム
等のプラスチックフィルムが好適である。
高浸透圧物質としては、半透膜を透過せず、かつ浸透圧
がなるべく高いものが望ましい。特に本発明の場合半透
膜は直接食品に接触して使用されるので、糖類や食品添
加物の中水溶液の状態で高い浸透圧を有するものが望ま
しく、たとえば、グリセリン、ショ糖、異性化糖、マル
トース等が好適である。高浸透圧物質はたとえば半透膜
表面にフィルム状に塗布するとか半透膜を平坦な袋状に
形成してその中に高浸透圧物質を充填する等の方法によ
り半透膜の一方側に接触させる。
半透膜を使用する温度は食品が凍結しない温度でなけれ
ばならず、また浸透圧が絶対温度に比例することかつ、
膜の抵抗は温度が高いほど小さいことからある程度高い
温度のほうが効率的であるが、食品の品質を維持する見
地から、通常0〜10℃がで2〜96時間処理すること望ま
しい。
浸透圧脱水は液の濃度差を水分移動の推進力としている
ため、食品内部が液状につながっていることが必要であ
る。また浸透圧は接触により伝達されることから食品と
半透膜および半透膜と高浸透圧物質とを密着させること
が必要である。
蒸煮法による脱水効果と本発明において使用する浸透圧
法による脱水効果とを比較するため、サバを対象として
蒸煮法および浸透圧法による一般成分量の変化を測定し
た結果を表1に示す。浸透圧法による測定は上記昭和電
工製ワンウエイピチット(ビニロンフィルム製の平坦な
袋状のシートの中に食用糖類,糊料,アルコール類から
なる液状高浸透圧物質を封入したもの)を使用して行っ
た。
表1から浸透圧脱水は脱水効果において蒸煮法に劣るこ
とがなく、蛋白質その他の成分に対する影響も蒸煮法と
ほぼ同一であることが判る。
また上記サバを対象とする実験において遊離アミノ酸含
量およびNH3含量の変化を測定した結果を表2に示す。
表3から明らかなように、蒸煮法によれば、アミノ酸の
一部は魚肉から浸出する水分とともに外部に流出するの
で、アミノ酸含量は大幅に減少するが、本発明の浸透圧
法によれば、アミノ酸はまったく流出することがなく魚
肉内に残留する。またNH3成分は72時間経過後も増加し
ておらずむしろ若干減少していることは、NH3成分が水
分とともに半透膜を介して高浸透圧物質に吸収されてい
ることを示し、また72時間経過後も魚肉の鮮度が落ちて
いないことを示す。
本発明は魚介類、肉類、野菜等の生鮮食品をドライパッ
ク缶詰とする場合に適用して効果的であるが、これに限
らず、通常の缶詰を製造する場合にも広く適用すること
ができる。また本発明はレトルト食品の製造にも適用す
るこができ、たとえばかぼちゃ等の野菜をレトルト食品
にする場合に予め本発明を適用して脱水した後レトルト
パウチに充填密封し、レトルト殺菌すれば、製品が水っ
ぽくなることを防止できる上にパウチの中に水がたまら
ず見栄えが良い。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について説明する。
実施例1 サバおよびイワシみりん干し風味缶詰の製造
および品質評価 サバおよびイワシ各4kgの頭、尾、内臓、背骨を除去
し、ワンウエイピチット21型吸水シートに包み、5℃で
24時間貯蔵して水分含量63%としたのち、3〜4cm大に
切断し、みりん450g、こいくちしょうゆ700ml、砂糖1k
g、グルタミン酸ナトリウム15g、イノシン酸ナトリウム
5gを混合した調味液に30分間浸漬した。調味液をよく切
り、白ゴマを振りかけ、100℃、2時間乾燥し、平3号
缶に70g詰め、密封後、121℃、35分間加熱殺菌した。
比較のため、従来法により、上記原料を95℃で10分間蒸
煮脱水し、他は上記と同一方法により缶詰を製造した。
本発明による製品と従来法による製品とを10名のパネラ
ーにより5点法で評価した結果を次表に示す。
実施例2 鶏もも肉および肝くん製缶詰製造および品質
評価 鶏もも肉および肝各10kgを水10lに食塩300g、砂糖200
g、硝石10g、亜硝酸ナトリウム5g、イノシン酸ナトリウ
ム20g、グルタミン酸ナトリウム40gを添加した調味液に
24時間浸漬後、ワンウエイピチット21型吸水シートに包
み5℃で1夜貯蔵(水分含量63%、脱水率:もも肉10
%、肝12%)した。その後80℃で1時間乾燥、2時間く
ん煙を行い、1口大に切断し、平3号缶に70g詰め5%
くん油入りサラダ油3g添加し、密封後、120℃、35分間
加熱殺菌した。
比較のため、従来法により上記原料を95℃で10分蒸煮法
脱水し、他は上記と同一方法により缶詰を製造した。
本発明による製品と従来法による製品の品質評価結果は
次表のとおりである。
実施例3 スプレッド缶詰の製造および品質評価 (1) 野菜の脱水 セロリ、キウリのピックルス、玉ネギをスライスしワン
ウエイピチット21型に包み、5℃で24時間貯蔵した。
(2) マグロスプレッド缶詰の製品 缶詰マグロ肉900g(荒切り)に上記脱水した野菜各45
g、耐熱マヨネーズ360g、食塩5g、いの一番(商標)1.8
g、コショウ2.7g、ゼラチン27gを混合し、平3号缶に10
0g詰め、密封後114℃、50分間加熱殺菌した。
(3) サケスプレッド缶詰の製造 缶詰サケ900g(荒切り)に上記脱水した野菜各45g、耐
熱マヨネース360g、食塩5g、いの一番1.8g、コショウ3.
6g、ジンジャー1.8g、ゼラチン18gを混合し、平3号缶
に100g詰め、密封後114℃、50分間加熱殺菌した。
(4) 卵スプレッド缶詰の製造 ボイルした卵(荒切り)に上記脱水した野菜各40g、マ
ヨネース300g、食塩9g、いの一番1.2g、コショウ1.8g、
ゼラチン36gを混合し、平3号缶に100g詰め、密封後114
℃、50分間加熱殺菌した。
上記本発明による製品と、野菜を脱水しない以外は本発
明と同一方法により製造した製品の品質評価結果を次表
に示す。
〔発明の効果〕 本発明によれば、半透膜に接触する食品の水分が半透膜
を介して高浸透圧物質に移り、脱水が行われるが食品の
旨味成分、風味成分を形成する遊離アミノ酸は半透膜で
遮られて高浸透圧物質に移ることがなく食品内に留るの
で、従来の蒸煮法による脱水のように食品の旨味や風味
が損われることがなく、ドライパック缶詰等ドライパッ
ク包装食品の味が著るしく改良される。また食品が魚介
類や肉類の場合は臭味成分となるアンモニアやトリメチ
ルアミンは水とともに半透膜を透過して高浸透圧物質に
吸収されるので、包装食品の旨味、風味が一層向上す
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水を透過するが糖類等の高浸透圧物質およ
    びアミノ酸を透過しない半透膜の一方側に該高浸透圧物
    質を接触させ他方側に食品を接触させることによって該
    食品を脱水させ必要に応じて味付等の調理を施した後包
    装容器に充填する直前の状態で水分含量を総量比で30〜
    55%とした後該食品を包装容器に充填密封し加熱殺菌す
    ることを特徴とするドライパック包装食品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60168371A (ja) * 1984-10-01 1985-08-31 Kibun Kk 包装食品の製造方法
JPS6279742A (ja) * 1985-09-30 1987-04-13 Showa Denko Kk 食品の脱水加工法
JPS62224274A (ja) * 1986-03-25 1987-10-02 Showa Denko Kk 食品の脱水法

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