JP3414165B2 - 吸液性食品入り密封容器詰食品の製造方法 - Google Patents

吸液性食品入り密封容器詰食品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は缶詰、カップ詰、袋
詰等密封容器詰食品の製造方法に関し、特に製品完成後
の容器内に残存する離液量を内容物全体の3%以下とし
た密封容器詰食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】容器詰食品の製造工程の一つである加熱
殺菌工程において、食材の一部(細胞膜や細胞壁)が構
造変化するため、食材が細胞内に保持できる水分や油の
量が減少し、一部の水分や油分が離液としてあふれだし
てくる。内容物の種類、性状、前処理方法によって、内
容物からの離液量は変化する。
【0003】豆類のように冷却工程中もしくは貯蔵中
に、離液が若干量だけ豆に戻る場合もあるが、ほとんど
の食品では離液を生じる。その離液は、密封容器では開
封されるまで容器中に残存する。離液は、固形物から出
た旨味や栄養的に価値ある成分を含む水溶液や油分であ
る。
【0004】焼きめしやサンドイッチの具として容器詰
食品を使用する場合のように、消費者が固形物のみを必
要とする際は、固形物と液汁(離液)を分離しなければ
ならず不便であるばかりか、離液を捨てれば、栄養的に
価値ある各種成分を無駄にすることとなる。さらに、栄
養価の高い離液を家庭排水として流すことは、環境にも
良くない。
【0005】この離液を吸収するために、従来から使わ
れている吸収剤は食べられない物質ばかりであり、栄養
価の高い離液を無駄にすることになる。
【0006】また食品に味付けをすると浸透圧の変化に
より離液が多くなる。従来容器詰食品において離液量を
減らそうとすれば味付けを極力抑えるか、もしくは佃煮
のように煮詰めて水分を予め抽出し味が濃くなった製品
としていた。
【0007】また、日本料理には煮物、蒸し物、焼き
物、生ものがあるが、これらのなかでこれまで密封容器
詰食品ではほとんどが煮物と蒸し物であった。煮る、蒸
すという水を伴った調理を行うと、煮物と蒸し物は水分
に富み、液汁が生じる。それに対して焼き物は火であぶ
るために通常液汁を含まない。この液汁の有無で前2者
と焼き物には明確な違いがある。
【0008】これまての密封容器詰食品において焼き物
が少なかったのは、加熱殺菌中に離液が生じ、貯蔵中絶
えず食材と離液が接触するために、焼き物が煮物や蒸し
物のような食感に変化してしまうからである。すなわち
ジューシーな食品を提供しようとして焼く工程で肉汁を
食材に多く残したまま容器に充填し殺菌すると、必ず離
液が生じ、焼き物が煮物や蒸し物のようになってしま
う。焼き物ではあるが食した際に肉汁が口腔内に滲みで
るような食品が密封された容器詰食品はこれまでにな
い。
【0009】缶詰では、ドライパックといわれる液汁を
添加せずに密封加熱殺菌されたものがあるが、これは加
熱殺菌中や貯蔵中に離液する場合がある。一度出た離液
の全てが、離液前の食材に戻る(食材が自ら出した離液
を吸収する)ことはなく、経時的にはむしろ脱水するば
かりである。ドライパックでは、離液を防ぐため、予め
食品の総量比で水分含量を30〜50%に調整するため
の脱水処理を行っている。脱水処理により食材は乾燥
し、各食材が持つ独自の食感が薄れ、旨味が減少した硬
い食品もしくは干物のような乾いた食感の食品となって
しまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、消費者が容
器詰食品として固形物のみを必要とし離液を必要としな
い場合に生じる上記従来技術の問題点を解決するために
なされたものであって、使用時に固形物と液汁を分離す
る手間が要らず、旨味成分と栄養価に富む液汁(離液)
を無駄に捨てることもなく、またドライパック缶詰のよ
うに水分含量調整のための脱水工程を必要とすることな
く、さらに離液を問題とせずに内容物の味付けが自由に
できる密封容器詰食品の製造方法を提供しようとするも
のである。
【0011】また、本発明は、焼き魚介類または焼き畜
肉類を容器詰食品とする場合に生じる離液により、焼き
魚介類または焼き畜肉類が貯蔵中に煮物のようになって
しまう従来技術の問題点を解決するためになされたもの
で、貯蔵期間において絶えず焼き魚、焼き貝、焼き鳥、
焼き肉等の風味と食材表面のドライ感を持続させつつも
食した際にはジューシーである密封容器詰食品の製造方
法を提供しようというものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意研究と実験を重ねた結果、乾燥パ
スタ等離液の吸収性を有する食品を他の食材とともに容
器に充填し密封した後加熱すると、他の食材に含まれ加
熱によって生じる離液が吸液性を有する食品に吸収され
る結果、上記目的が一挙に達成することを見出し、本発
明に到達した。
【0013】すなわち、上記目的を達成する本発明の吸
液性食品入り密封容器詰食品の製造方法は、吸液性食品
固形物からなる他の食材とともに水を添加することな
く容器に充填し密封後加熱することにより、該他の食材
から生じる離液のみを該吸液性食品に吸収させ、製品完
成後の容器内に残存する離液量を容器内容物全体の3%
以下とすることを特徴とするものである。
【0014】密封容器詰食品での離液は容器が密封され
ているため逃げ場がなく、開封されるまで容器中に残存
する。
【0015】本発明においては、製品完成後の容器内に
残存する離液量を容器内容物全体の3%以下とすること
が重要である。
【0016】離液が3%以上になると、貯蔵中に食品が
べたつくなどして、主食品の性状を維持するのが困難と
なり品質劣化を招く。また、消費者が容器詰食品中の固
型物のみを必要とし離液を不必要とする際に、製品完成
度の容器内に残存する離液量が、容器内容物全体に占め
る割合の何%以下なら消費者が離液に違和感を感じず内
容物を消費できるかを、(財)東洋食品研究所の研究員
20名をパネラとして官能評価を行った結果、3%以下
であることがわかった。
【0017】吸液性食品は、乾燥したものあるいは乾燥
しないもののいずれでもよく、ラビオリ、マカロニ、ス
パゲッティ等のパスタ、麺類、米麦等の穀類、乾燥こん
にゃく、乾燥昆布巻等の海草類、シイタケ等のキノコ
類、木ノ実、豆類、湯葉等の豆加工品、乾燥根菜類、乾
燥野菜類、乾燥魚介類またはそれらの加工品等の吸液性
を有し、かつ、加熱後の味と食感に優れたものの中から
適宜選択することが好ましい。
【0018】食材は天然物であるために、成育環境、収
穫時期、貯蔵状態によって、同一種であっても水分含有
率にはばらつきがある。吸液性食品となりうるのは、容
器への充填時点でそれぞれの食品固有の一定水準の範囲
の水分含有率を常に維持している食品のことを指す。離
液を吸う物が全て吸液性食品というわけではない。充墳
の際に水分含有率がばらついたのでは、食材の離液を吸
収するために必要な吸液性食品の添加量が決められな
い。また、吸液性食品は加熱殺菌後の離液吸収により食
べられるようにならなくてはいけない。充填時には水分
含量が少なく未加熱のため加工不十分で食べられない
が、自らの吸水と加熱を受けることにより食べられるよ
うになる。殺菌工程は吸液性食品にとっては調理工程で
ある。
【0019】本発明において吸液性食品として使用可能
なパスタは容器充填時の水分含有率が35%以下で製品
完成後の水分含有率が55%以上となるものである。こ
のようなパスタとしては乾燥パスタが好適であるが生パ
スタでも上記の水分含有率条件を備えているものであれ
ば使用可能である。
【0020】麺類としては容器充填時の水分含有率が2
5%以下で製品完成後の水分含有率が50%以上になる
ものが吸液性食品として使用可能である。このような麺
類としてはうどん、そば、ラーメン等が含まれ、特に乾
麺が好適である。
【0021】米等の穀類としては容器充填時の水分含有
率が20%以下で、製品完成後の水分含有率が50%以
上のものが吸液性食品として使用可能である。
【0022】乾燥こんにゃくとしては、容器充填時の水
分含有率が15%以下で、製品完成後の水分含有率が5
0%以上のものが吸液性食品として使用可能である。
【0023】海草類としては、容器充填時の水分含有率
が20%以下で製品完成後の水分含有率が40%以上と
なるものが使用可能である。
【0024】また、シイタケ等のキノコ類、木ノ実、豆
類、湯葉等の豆加工品、乾燥根菜類、乾燥野菜類、乾燥
魚介類としては、容器充填時の水分含有率が20%以下
で製品完成後が40%以上となるものが吸液性食品とし
て使用可能である。
【0025】吸液性食品とともに容器に充填される食材
については特に限定はなく、容器詰食品の使用目的に応
じ適当な動物性または植物性の食材を単独または組合せ
て使用することができる。たとえば焼きめしやサンドイ
ッチの具とし使用する場合は牛肉等の動物性タン白質と
各種野菜の混合物が好適である。また、吸液性食品とと
もに充填される食品が焼き魚介類、焼き畜肉類の場合
は、魚、貝、鳥、牛、馬、豚等その種類については特に
限定はない。
【0026】食材の性状や前処理工程の方法によって、
離液量は自ずと変化する。そのため、充填する内容物の
加熱後の離液量、吸液性食品の水分含有率を予め測定し
ておき、製造後の容器詰食品中に離液が残らないように
するのに必要な吸液性食品の量を算出しておく。そし
て、容器に食材と共に吸液性食品を充填する。その際水
は添加しない。
【0027】本発明の実施のために使用される容器とし
ては缶のほかカップや袋(レトルトパウチ)がある。ド
ライパック缶詰は真空度20〜40cmHgで行ってい
るが、本発明での巻締における真空度は13〜20cm
Hgで十分である。高真空にする必要はない。野菜類は
褐変の問題等があるので、実施できるのであれば真空度
は20〜40cmHgが好ましい。40cmHg以上の
真空度は必要ない。
【0028】次に密封した容器を常法により加熱殺菌を
行う。この際加熱中の食品からの離液は吸液性食品に吸
収され、冷却後容器内に残存する離液量が容器内容物全
体の3%以下の製品が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例について説明
する。以下の各実施例においてはいずれも製品完成後の
容器内に残存する離液量は容器内容物全体の3%以下の
微量であった。なお、水分含有率は株式会社ケット科学
研究所製の赤外線水分計によりヒーター温度を285℃
に設定して測定した。
【0030】実施例1 パスタ入りツナと混合野菜 吸液性食品としてパスタ(コンキリエッテ)を、タン白
質食品としてツナを、野菜としてニンジン、冷凍コー
ン、冷凍グリンピースおよびピーマンをそれぞれ使用し
た。ニンジンは生をダイスカット(7mm角)し、蒸気
で5分間ブランチングした。冷凍コーンを、蒸気で5分
間ブランチングした。冷凍グリンピースを、蒸気で5分
間ブランチングした。ピーマンは細刻後、蒸気で5分間
ブランチングした。
【0031】ツナは、東洋食品研究所製のツナ油漬缶詰
を用いた。油きり後使用した。
【0032】上記のとおり処理したツナ35g、ニンジ
ン15g、コーン15g、グリンピース5g、ピーマン
5gに満遍なくグルタミン酸ナトリウム入り食塩1gを
まぶし、100g缶に、パスタを4g添加後、上記内容
物を充填した。
【0033】セミトロバキュームシーマで40cmHg
を目標に巻締め、121℃で22分間加熱殺菌した後冷
却して製品を得た。
【0034】殺菌前後での内容物の水分含量の変化を表
1に示す。増減量は殺菌前の水分含量から殺菌後の水分
含量を引いたものである。
【0035】
【表1】
【0036】加熱後のパスタはツナおよび各野菜からの
離液(水分含量としては7.1g)を吸収して11.5
gとなり、美味な食品として充分食用に供することがで
きた。
【0037】比較例として、表1と同じ内容物組成で吸
液性食品(パスタ)を添加しない場合の殺菌前後での水
分含量の変化を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2から吸液性食品を添加しないと75g
の内容量から殺菌後に6.7gの離液が生じたことが判
る。
【0040】実施例2 パスタ入りハムと混合野菜 吸液性食品としてパスタ(ラビオリ)を、タン白質食品
として市販のハムを、野菜として実施例1と同一種類の
野菜をそれぞれ使用した。野菜は実施例1と同一方法に
より処理した。
【0041】ハム35g、ニンジン15g、コーン15
g、グリンピース5g、ピーマン5gに満遍なくグルタ
ミン酸ナトリウム入り食塩1gをまぶし、100g缶
に、パスタを4g添加後、上記内容物を充填した。
【0042】セミトロバキュームシーマで40cmHg
を目標に巻締め、121℃で22分間加熱殺菌した後冷
却して製品を得た。動物性タン白質食品は畜産物の代わ
りに魚や海老や貝のような水産物を使用しても美味な食
品ができあがる。
【0043】実施例3 乾燥糸コンニャク入りツナと混
合野菜 吸液性食品として乾燥糸コンニャクを、タン白質食品と
して東洋食品研究所製のツナ油漬け缶詰を、野菜として
実施例1と同一種類の野菜をそれぞれ使用した。野菜は
実施例1と同一方法により処理した。
【0044】ツナ35g、ニンジン15g、コーン15
g、グリンピース5g、ピーマン5gに満遍なくグルタ
ミン酸ナトリウム入り食塩1gをまぶし、100g缶に
乾燥糸コンニャクを4g添加後、上記内容物を充填し
た。
【0045】セミトロバキュームシーマで40cmHg
を目標に巻締め、121℃で22分間加熱殺菌した後冷
却して製品を得た。殺菌前後での内容物の水分含量の変
化を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】実施例4 パスタ入り牛肉と混合野菜 吸液性食品としてパスタ(ラビオリ)を、タン白質食品
として市販の牛肉を、野菜としてニンジン、冷凍コー
ン、冷凍グリンピースをそれぞれ使用した。ニンジンは
生をダイスカット(7mm角)し、蒸気で5分間ブラン
チングした。冷凍コーンを蒸気で5分間ブランチングし
た。冷凍グリンピースを、蒸気で5分間ブランチングし
た。
【0048】牛肉35g、ニンジン15g、コーン15
g、グリンピース5gに満遍なく醤油等の調味料をまぶ
し、100g缶に、パスタを4g添加後、上記内容物を
充填した。
【0049】セミトロバキュームシーマで40cmHg
を目標に巻締め、121℃で22分間加熱殺菌した後冷
却して製品を得た。殺菌前後での内容物の水分含量の変
化を表4に示す。また比較例として、表4と同じ内容物
組成で吸液性食品(パスタ)を添加しない場合の殺菌前
後での水分含量の変化を表5に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】表4、表5から、動物性タン白質を牛肉と
した場合に従来法で生じた7.1gの離液も吸液性食品
の添加により無駄なく吸収され、離液が生じなかったこ
とが判る。
【0053】実施例5 米入りツナと混合野菜 吸液性食品として生米を、タン白質食品として実施例1
と同一種類のツナを、野菜として実施例1と同一種類の
野菜をそれぞれ使用した。ツナおよび野菜は実施例1と
同一方法により処理した。
【0054】ツナ35g、ニンジン15g、コーン15
g、グリンピース5g、ピーマン5gに満遍なくグルタ
ミン酸ナトリウム入り食塩1gをまぶし、米を2回水を
換え研ぎ、水切り後、100g缶に4g添加、さらに上
記内容物を充填した。セミトロバキュームシーマで40
cmHgを目標に巻締め、121℃で22分間殺菌した
後冷却して製品を得た。
【0055】殺菌前後での内容物の水分含量の変化を表
6に示す。米が殺菌中に6.7gの液分を吸収したので
離液はなかった。また、液分を吸収した米も充分食用に
供することができた。
【0056】
【表6】
【0057】実施例6 湯葉入りサバの塩焼き缶詰 吸液性食品として乾燥湯葉を、魚は生サバを用いた。サ
バの頭と尾を落とし内蔵を除去後、3枚におろし、サバ
切り身の重量に対して0.1%の食塩を切り身に対して
満遍なくふりかけ、魚焼き機で両面をそれぞれ5分間焼
いた。
【0058】平3号缶の缶底に乾燥湯葉を0.6g敷
き、その上にトリミング済みのサバの塩焼きを40g充
填し、セミトロバキュームシーマで真空巻締後、115
℃で30分間殺菌した。
【0059】殺菌前後の各食材の重量変化を表7に示
す。
【0060】
【表7】
【0061】殺菌前の乾燥湯葉の重量は0.6gで水分
含有率は8.8%であったが、殺菌後の湯葉の重量は
2.1gで水分含有率は41.4%となった。離液を
1.5g吸収した。
【0062】加熱後の湯葉は離液を吸収し充分食用に供
することができた。
【0063】比較例として、吸液性食品としての湯葉を
添加しない以外は実施例6と同一方法によりサバの塩焼
きの缶詰を製造した。殺菌前後の食材の重量変化を表8
に示す。
【0064】表8から明らかなように、従来法によると
4.7%の容器内残存離液が生じた。
【0065】
【表8】
【0066】実施例7 昆布巻入りサバの塩焼きカップ
詰 吸液性食品として乾燥昆布巻を、魚は生サバを用いた。
サバの頭と尾を落とし内蔵を除去後、3枚におろし、サ
バ切り身の重量に対して0.1%の食塩を切り身に対し
て満遍なくふりかけ、魚焼き機で両面をそれぞれ5分間
焼いた。
【0067】東洋製罐(株)製の350g容のラミコン
カップにトリミング済みのサバの塩焼きを100g、乾
燥昆布巻を3g充填した。窒素:炭酸ガス=50:50
の比率の混合ガスで容器内の空気とガスを置換後、ヒー
トシーラでシールした。熱水等圧殺菌で115℃で30
分間殺菌した。
【0068】殺菌前の乾燥昆布巻の水分含有率は7.1
%であったが、殺菌後の昆布巻の重量は7.9gで水分
含有率は59.6%となり、離液を4.9g吸収した。
【0069】表9に殺菌前後の各食材の重量変化を示
す。加熱後の昆布巻は離液を吸収し、美味な食品として
充分食用に供することができた。
【0070】
【表9】
【0071】実施例8 パスタ入り焼き鳥塩焼きカップ
詰 鶏肉を焼き鳥として通常食されている大きさである各辺
が1.5cmの立方体程度の大きさに切り、串にさして、
鶏肉重量の1%未満の食塩をふりかけ、ガス火で焼い
た。パスタ(ラザニア)6gを東洋製罐(株)製のラミ
コンカップの底に敷いた。その上に、加熱後、串を外し
た鶏肉を充填した。殺菌前後の各食材の変化を表10に
示す。
【0072】
【表10】
【0073】パスタ入り焼き鳥カップ詰ではパスタを添
加したにも拘らず離液が生じた。これはパスタが麩に比
べ油を吸う率が低いためか、油が残ったためである。表
10では、水分が2.3g離水し油が1.6g出たため
合計3.9gの離液が生じた。これは容器内容物全体重
量の3%以下であった。
【0074】比較例として、表10と同じ内容物組成で
吸収性食品(パスタ)を添加しない場合の殺菌前後での
水分含量の変化を表11に示す。
【0075】
【表11】
【0076】
【0077】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、吸
液性食品を他の食材とともに水を添加することなく容器
に充填し密封後加熱することにより、該他の食材から生
じる離液を該吸液性食品に吸収させ、製品完成後の容器
内に残存する離液量を容器内容物全体の3%以下とした
ので、消費者が容器詰食品として固形物のみを必要とす
る場合に、固形物と液汁を分離する手間が要らず、また
旨味成分と栄養価に富む液汁(離液)を無駄に捨てるこ
とがなく、吸液性食品自体を他の食材から生じた離液を
吸収した美味な食品として食用に供することができる。
またドライパック缶詰のように水分含量調節のための脱
水工程を予め必要とすることなく、さらに、離液を問題
とせずに内容物の味付けが自由にできる。
【0078】また、吸液性食品とともに容器に充填する
食品が焼き魚介類や焼き畜肉類の場合は貯蔵期間中焼き
魚、焼き貝、焼き鳥、焼き肉等の風味と食材表面のドラ
イ感を持続しつつ食した際にはジューシーである食品が
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23L 1/325 A23L 1/337 102 1/337 102 1/48 1/48 1/212 102A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/00 A23L 1/10 - 1/16 A23L 1/01

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸液性食品を固形物からなる他の食材と
    ともに水を添加することなく容器に充填し密封後加熱す
    ることにより、該他の食材から生じる離液のみを該吸液
    性食品に吸収させ、製品完成後の容器内に残存する離液
    量を容器内容物全体の3%以下とすることを特徴とする
    吸液性食品入り密封容器詰食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 該吸液性食品はパスタであることを特徴
    とする請求項1記載の吸液性食品入り密封容器詰食品の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 該吸液性食品は麺類であることを特徴と
    する請求項1記載の吸液性食品入り密封容器詰食品の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 該吸液性食品は穀類であることを特徴と
    する請求項1記載の吸液性食品入り密封容器詰食品の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 該吸液性食品は乾燥こんにゃくであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の吸液性食品入り密封容器
    詰食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 該吸液性食品は海草類であることを特徴
    とする請求項1記載の吸液性食品入り密封容器詰食品の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 該他の食材は焼き魚介類または焼き畜肉
    類であることを特徴とする請求項1記載の吸液性食品入
    り密封容器詰食品の製造方法。
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JP2018000169A (ja) * 2016-07-08 2018-01-11 株式会社日阪製作所 調理方法

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