JPH0770481B2 - シリコン半導体層の形成方法 - Google Patents

シリコン半導体層の形成方法

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JPH0770481B2 JP60243687A JP24368785A JPH0770481B2 JP H0770481 B2 JPH0770481 B2 JP H0770481B2 JP 60243687 A JP60243687 A JP 60243687A JP 24368785 A JP24368785 A JP 24368785A JP H0770481 B2 JPH0770481 B2 JP H0770481B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、シリコン半導体層の形成方法に、特に薄膜ト
ランジスタを製造する際の能動領域となる薄膜半導体層
を形成するのに好適なシリコン半導体層の形成方法に関
する。
〔発明の概要〕
本発明は、例えば薄膜トランジスタ等を製造する際に適
用されるシリコン半導体層の形成方法において、基板上
の多結晶シリコン半導体層に中性粒子イオンをイオン注
入して非晶質シリコン半導体層を形成し、この非晶質シ
リコン半導体層を低温アニールして粒径を成長させた
後、シリコン半導体層の融点以下のアニールによりシリ
コン半導体層の粒界トラップ密度を少くさせることによ
って、低温プロセスで電気的特性の良いシリコン半導体
層が得られるようにしたものである。
〔従来の技術〕
一般に薄膜トランジスタは、石英ガラス等の絶縁基板上
にシリコン等の半導体薄膜を被着形成し、この薄膜半導
体層に例えばチャンネルが形成される活性領域や低抵抗
のソース領域、ドレイン領域を夫々形成して電界効果型
トランジスタを構成するようにしている。
ところで、薄膜トランジスタの基板としては、従来より
高融点の石英ガラスが一般に用いられているが、材料費
が嵩み高価となるため、石英ガラスより低融点の通常の
耐熱ガラスを基板に用いることが望まれている。このよ
うな比較的低融点の耐熱ガラス(例えば歪点700℃程
度)を基板に用いる場合には、薄膜トランジスタの製造
工程中の基板の上限温度を基板ガラスの歪点以下とする
ような低温プロセスが必要となる。
しかしながら、このような低温プロセスにおいては特性
の良好な活性領域を得ることは困難である。すなわち、
基板上に例えばCVD法(化学気相成長法)でシリコンを
被着形成したのみでは、結晶粒径の小さな多結晶シリコ
ン層が形成され電気的特性、特に移動度μ、閾値電圧Vt
hの点で良好なものが得られない。次に、CVD法により多
結晶シリコンを被着形成した後、シリコンイオンSi+
注入して非晶質化し、次で低温アニール(600℃程度)
して結晶粒径を大きくした多結晶シリコン層を得る方法
も考えられている。この場合には比較的高性能の薄膜ト
ランジスタ(移動度μ60,閾値電圧Vth6V〜7V)が得
られるが、1000℃の高温プロセスで製造された薄膜トラ
ンジスタ(移動度μ≧100,閾値電圧Vth4V)には及ば
ない。この原因は多結晶シリコン層の結晶粒径でなく、
その粒界トラップ密度が600℃では充分改善されないか
らである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述のように、薄膜トランジスタを低温プロセスで製造
しようとすると、得られた薄膜半導体層、さらには活性
領域となる部分の電気的特性が不充分である。
本発明は、上述の点に鑑み、比較的簡単な方法で電気的
特性の良好な薄膜シリコン半導体層を低温プロセスで形
成し得るようなシリコン半導体層の形成方法を提供する
ものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、基板上に多結晶シリコン半導体層を形成し、
この多結晶シリコン半導体層に中性粒子イオン、例えば
シリコンイオンSi+をイオン注入して非晶質シリコン半
導体層を形成し、この非晶質シリコン半導体層に700℃
以下の熱処理を施して粒径を成長させた後、1000℃以上
でシリコン半導体層の融点以下の熱処理によりシリコン
半導体層の粒界トラップ密度を低下させるようになす。
また、1000℃以上で融点以下の熱処理としてはレーザア
ニール(例えばエキシマレーザによる)、ハロゲンラン
プ等によるランプアニール(いずれも短波長がよい。)
を、或は電子線アニール、等を用いることができる。
基板としては、低温プロセスで使用可能な低融点ガラス
(例えば無アルカリガラス)、或は石英ガラス、半導体
基板上にSiO2等の絶縁膜を被着した基板、等を用いるこ
とができる。
〔作用〕 基板上の多結晶シリコン半導体層に中性イオンを注入し
シリコン半導体層を非晶質化した後、700℃以下の低温
熱処理が施されることにより、非晶質シリコン半導体層
が固相成長され、結晶粒径が大きくなる。次で、多結晶
化されたシリコン半導体層が1000℃以上でシリコンの融
点以下の温度で擬似高温熱処理されることにより、結晶
粒径はあまり変化せずそのままの状態で、特に粒界トラ
ップ密度が減少する。
従って、低温プロセスにおいて電気的特性の良好な多結
晶シリコン半導体層が得られる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明に係るシリコン半導体層の
形成方法を、薄膜トランジスタの製造に適用した一実施
例について説明する。
先ず、第1図に示すように基板(1)とした例えば耐熱
ガラスより成る絶縁基板上に膜厚1000Å程度のSiO2
(2)を被着形成したものを用いる。ここで基板(1)
には、石英板を用いてもよいが、石英よりも低融点のガ
ラス基板(例えば無アルカリガラス:歪点700℃)で充
分である。
この絶縁基板のSiO2膜(2)上に膜厚800Å程度の多結
晶シリコン層(3)を減圧CVD法(化学気相成長法)に
より被着形成する。この多結晶シリコン層(3)に対し
てシリコンイオンSi+(4)をイオン注入して非晶質化
し、第2図に示すように非晶質シリコン層(5)を形成
する。このときのSi+イオン注入条件としては、例えば
打込みエネルギー40〜60KeVとし、打込みドーズ量を1.5
×1015cm-2程度とする。また、多結晶シリコン層(3)
の膜厚がさらに厚い場合には、打込みエネルギーを高め
ればよい。
次に、非晶質化されたシリコン層(5)に対して例えば
600℃、30時間の低温熱処理を施して、結晶成長させ、
第3図に示すように結晶粒の大きな多結晶シリコン層
(6)を形成する。このときの結晶粒径は1μm以上に
成長する。
次に第4図に示すように、多結晶シリコン層(6)に対
し、表面を液温が例えば170℃程度の燐酸(H3PO4)にて
エッチング処理して、膜厚が例えば200Å〜300Å程度の
超薄膜シリコン層(6)を形成する。なお、超薄膜トラ
ンジスタを形成するためのシリコン層(6)の膜厚とし
ては20Å〜1000Åが好ましく、より好ましくは100Å〜7
50Å、さらに好ましくは200Å〜500Åである。また、上
記エッチングによる薄膜化の際のエッチング液として
は、液温が160℃以上の燐酸がエッチングの安定性、エ
ッチングート(2〜3Å/分)等の点で優れており、数
百Å程度の超薄膜を得るための膜厚制御に好適なもので
ある。なお、エッチング液となる燐酸の液温のより好ま
しい範囲は170℃〜180℃である。
そして、この超薄膜化した段階では粒径は成長するが、
粒界のトラップ密度は大きい。
次に、第5図に示すように、この多結晶シリコン層
(6)に対して、多結晶シリコン層(6)が溶融しない
程度のエネルギーをもって短波長を可とするレーザ
(7)(例えばエキシア・レーザ)を照射して擬似高温
熱処理を施し、粒界トラップ密度を減少せしめた多結晶
シリコン層(6)を形成する。このとき熱処理は1000℃
以上でシリコンの融点以下の温度で行う。このレーザ熱
処理では、粒界トラップ密度が減少するだけで粒径はほ
とんど変化なくそのままの状態に保持される。レーザ照
射による粒界トラップ密度の減少処理は、少くとも後述
する薄膜トランジスタの活性領域となる部分に対して行
えばよい。上記のレーザ加熱ではガラス基板(1)が熱
により損傷あるいは変形することはない。
なお、このレーザ熱処理は上記第3図の工程が終了した
段階で行い、その後にエッチング処理して超薄膜シリコ
ン層を形成してもよい。
このようにして得られた多結晶シリコン層(6)は結晶
粒径が大きく、且つ粒界トラップ密度が少ないシリコン
層であり、電気的特性の高いものとなっている。
これ以後は、通常の製造工程に従えばよい。例えば必要
に応じて、水素化処理を施し、その後、第6図に示すよ
うに必要とする薄膜トランジスタの能動領域形状を形成
するためのパターンエッチング処理を施し、次でゲート
絶縁膜となる膜厚1000Å程度のSiO2膜(8)をCVD法等
により被着形成し、さらにその上にゲート電極や配線電
極となる低抵抗の不純物ドープ多結晶シリコン層(9)
をCVD法等により被着形成する。
次に、これらのSiO2膜(8)及び不純物ドープ多結晶シ
リコン層(9)をパターンエッチングして、第7図に示
すように、ゲート絶縁膜(10)及びゲート電極(11)を
形成する。次にこれらのゲート絶縁膜(10)及びゲート
電極(11)をマスクとする所謂セルフアライン法によ
り、薄膜の多結晶シリコン層(6)に例えばリンイオン
(P+)をイオン注入してソース領域(12S)及びドレイ
ン領域(12D)を形成する。このソース領域(12S)とド
レイン領域(12D)の間のゲート下の領域はチャネルが
形成される活性領域(12C)となる。このイオン注入後6
00℃,30時間以上の熱処理を施して活性化処理する。次
に、全体に例えばPSG(リンシリケートガラス)膜(1
3)を被着形成し、ソース領域(12S)及びドレイン領域
(12D)に対応するPSG膜(13)にコンタクト用の窓部を
設けて後、電極となるAl層を被着形成し、パターニング
してソース電極(14S)及びドレイン電極(14D)を夫々
形成する。しかる後、さらにプラズマSiN膜(15)を被
着形成し、ソース電極(14S)及びドレイン電極(14D)
に対応する部分のプラズマSiN膜(15)に窓部(16)を
設け、フォーミングガス雰囲気中で400℃の熱処理を施
して、目的の超薄膜トランジスタを得る。
尚上例では基板(1)として低融点ガラス基板を用い、
この上に薄膜トランジスタを形成したが、その他例えば
所望の半導体素子を形成したシリコン半導体基板上にSi
O2膜等の絶縁膜を形成した基板を用い、この上に上述と
同様の低温プロセスで薄膜トランジスタを形成して所謂
3次元半導体デバイスを形成する場合にも本発明は適用
できる。又、上例では超薄膜トランジスタについて述べ
たが、通常の薄膜トランジスタ(多結晶シリコン層の膜
厚が1500Å以上、)を構成する場合にも本発明は適用で
きること勿論である。
〔発明の効果〕
本発明によるシリコン半導体層の形成方法によれば、70
0℃以下の低温熱処理で基板上のシリコン半導体層の結
晶粒径を成長させた後、1000℃以上でシリコン半導体層
の融点以下の温度で擬似高温熱処理することにより、粒
径を変えずに粒界トラップ密度を少くすることができ
る。従って、低温プロセスで高温プロセスに匹敵するよ
うな電気的特性の良好なシリコン半導体層を容易に得る
ことができるものである。従って、例えば薄膜トランジ
スタに適用した場合に、移動度μが大きく、閾値電圧Vt
hが小さく、リーク電流が小さく、また弱反転領域の立
ち上がりが鋭くなる等、高性能の薄膜トランジスタが得
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第7図は本発明を薄膜トラジスタの製法に適
用した実施例を示す製造工程図である。 (1)は基板、(2)はSiO2膜、(3)(6)は多結晶
シリコン層、(5)は非晶質シリコン層である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に多結晶シリコン半導体層を形成
    し、上記多結晶シリコン半導体層に中性粒子イオンをイ
    オン注入して非晶質シリコン半導体層を形成し、上記非
    晶質シリコン半導体層に700℃以下の熱処理を施して粒
    径を成長させた後、1000℃以上で上記シリコン半導体層
    の融点以下の熱処理により上記シリコン半導体層の粒界
    トラップ密度を低下させることを特徴とするシリコン半
    導体層の形成方法。
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