JPH0769722A - アクチュエータ用圧電体の製造方法 - Google Patents

アクチュエータ用圧電体の製造方法

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JPH0769722A
JPH0769722A JP21752693A JP21752693A JPH0769722A JP H0769722 A JPH0769722 A JP H0769722A JP 21752693 A JP21752693 A JP 21752693A JP 21752693 A JP21752693 A JP 21752693A JP H0769722 A JPH0769722 A JP H0769722A
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JP
Japan
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pzt
piezoelectric
coated
grain growth
piezoelectric body
Prior art date
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Pending
Application number
JP21752693A
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English (en)
Inventor
Mamoru Ishikiriyama
守 石切山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 選択的な粒度分布を有し、十分な強度及び耐
久性を有する圧電体の製造方法を提供する。 【構成】 粒成長剤を被覆したPZT材料20〜60重量
%、粒成長抑制剤を被覆したPZT材料10〜50重量%及
びPZT材料30重量%以上を混合し、バインダを添加し
た後に造粒し、所定形状に成形し、そして焼成すること
を特徴とする、アクチュエータ用圧電体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクチュエータ用圧電
体の製造方法に関する。更に詳しく述べるならば、本発
明は、PZT材料に粒成長剤及び粒抑制剤を被覆し、こ
のPZT材料を焼成し、大きな粒子のまわりに小さな粒
子が配置された構造を有する圧電体を与える方法に関す
るものであり、この方法により圧電体の変位量を損なう
ことなく曲げ強度及び耐久性を高めることができる。
【0002】
【従来の技術】圧電体についての研究はかなり以前から
行われており、またかかる圧電体を利用した製品は多岐
にわたりかつさまざまな分野において広く用いられてい
る。このような圧電体を利用した製品としては、例え
ば、セラミックフィルタ、ガラス遅延線、超音波応用振
動子、圧電ブザー、圧電点火ユニット、超音波モータ、
圧電ファン、圧電センサ、及び圧電アクチュエータ等を
挙げることができる。ここで、圧電アクチュエータは、
圧電現象を介して発生する変位及び力を機械的駆動源と
して利用するものであり、特に最近、メカトロニクスの
分野において注目されてきているものの1つである。こ
の圧電アクチュエータは、圧電効果を利用した固体素子
であるため、磁性体にコイルを巻いた構成を有する従来
の電磁式アクチュエータと比較して、消費電力が少な
い、応答速度が速い、変位量が大きい、発熱が少ない、
寸法及び重量が小さい、等の優れた特徴を有している。
【0003】このようなアクチュエータ用圧電体には、
108 回を越える駆動耐久性と十分な変位特性が要求され
ており、現在これが重要な課題となっている。この圧電
体において、圧電体を構成する結晶粒子の粒径が大きい
とその電気特性は大きくなるが、耐久性は低下する。一
方、粒径が小さくなると逆に、耐久性は向上するが電気
特性は低下する。従って、粒径の大きなものと小さなも
のを特定の比で混合することにより望ましい特性のバラ
ンスが得られると考えられる。従来の圧電体の製造方法
においては、焼結体の粒径はその焼成温度によってきま
り、焼結開始とともに小さい粒子が減少し大きな粒子が
増加し、従って選択的な粒度分布を有する焼結体を得る
ことはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の如き
従来の圧電体の製造方法の有する欠点を解消し、選択的
な粒度分布を有し、十分な強度及び耐久性を有する圧電
体の製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の従来
の圧電体の製造方法の問題点を解決すべく鋭意研究を重
ねた結果、粒成長剤と粒成長抑制剤を被覆したPZT材
料を用いて圧電体を製造することにより、比較的大きな
粒径を有する粒子のまわりに小さな粒径を有する粒子が
配置された構造を有し、曲げ強度及び駆動耐久性の向上
した圧電体が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
【0006】すなわち、本発明の圧電体の製造方法は、
粒成長剤を被覆したPZT材料20〜60重量%、粒成長抑
制剤を被覆したPZT材料10〜50重量%及びPZT材料
30重量%以上を混合し、バインダを添加した後に造粒
し、所定形状に成形し、そして焼成することを特徴とす
るものである。
【0007】
【作用】図1に圧電体粒子の焼結体の粒径とその電気特
性及び強度の関係を示す。この図より明らかなように、
粒径が大きいほど電気特性が向上し、耐久性は低下す
る。粒径が小さくなるとこの逆の傾向になる。この様な
減少の原因としては、圧電体の自発分極の回転や歪みが
粒界により影響を受けるためであると考えられる。
【0008】上記の結果より、圧電体において、大きな
粒径の粒子と小さな粒径の粒子を特定の比で混合させる
ことにより、電気特性が高くかつ耐久性の高いものが得
られると考えられる。
【0009】本発明の具体的な方法において、まず圧電
体材料としてPZTを用いる。このPZTは従来の方法
により製造する。すなわち、PbO、TiO2 、及びZ
rO 2 を所定量秤量し、湿式混合、仮焼成、及び粉砕を
行い、PZTの仮焼粉を得る。このPZTの仮焼粉に粒
成長剤を被覆する。この粒成長剤としてはPbO及びZ
rO2 が使用でき、PbOが好ましい。粒成長剤の被覆
法は、蒸着、スパッタリング及び機械的方法が例示され
る。また、他のPZTの仮焼粉に粒成長抑制剤を被覆す
る。この粒成長抑制剤としてはLaO及びBi2 3
使用でき、LaOが好ましい。粒成長抑制剤の被覆法は
粒成長剤の被覆法と同じである。
【0010】こうして調製した粒成長剤を被覆したPZ
T及び粒成長抑制剤を被覆したPZTを、なにも被覆し
ていないPZTと混合し、焼成することにより図2に示
すような、大きな粒子のまわりに小さな粒子が配置され
た構造を有する圧電体が得られる。
【0011】このような構造の圧電体が得られるのは次
の理由による。粒成長剤は、焼成の間に液相となり、そ
の結果表面張力が働き粒界の中に広がる。すると、なに
も被覆していないPZTと結合し、移動し、PZT粒子
が成長する。一方、粒成長抑制剤は焼成の間に粒界中で
析出し、粒界の移動を抑え、粒子の成長を抑制する。こ
の結果、大きな粒子ともとの大きさの粒子(わずかには
成長する)が得られる。例えば、PZT原料として 0.4
〜0.7 μm の粒径のものを用いることにより、10μm 以
上の粒径を有する粒子と1μm 以下の粒径を有する粒子
が得られる。
【0012】上記のような粒径を有する粒子を得るた
め、粒成長剤の被覆量は、PZTに対し1〜5 mol%が
好ましい。粒成長剤が多すぎると焼成中に粒界に析出
し、粒界層を形成したり、空気孔を増加させ、曲げ強度
を低下させることがあるからである。また粒成長抑制剤
の被覆量は、PZTに対し 0.3〜0.6mol%が好ましい。
【0013】上記のように、PZTの粒径が大きいほど
電気特性が向上し、耐久性は低下し、逆に粒径が小さく
なるとこの逆の傾向になる。従って、電気特性と耐久性
の両方に優れた圧電体を得るためには、大きな粒子と小
さな粒子が適切な比で存在していることが必要である。
このような適切な粒度分布を与えるため、各成分を以下
のような比で混合することが必要である。 粒成長剤を被覆したPZT:20〜60重量% 粒成長抑制剤を被覆したPZT:10〜50重量% なにも被覆していないPZT:30重量%以上 このような比で混合、焼成することにより、図1に示す
ような構造を有する、原料PZTよりも曲げ強度及び駆
動耐久性の向上した圧電体が得られる。
【0014】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0015】PbO、TiO及びZrO2 並びに微量元
素を所定量秤量し、湿式混合により混合した後、800 ℃
において5時間保持して仮焼を行った。次いで湿式粉砕
を行い、PZTの仮焼粉を得た。このPZT仮焼粉にP
bOを3 mol%添加し、900℃に加熱することにより蒸
着法によってPbOを被覆した。これを材料Aと呼ぶ。
また同様にしてLaOを 0.3 mol%加え、蒸着法により
被覆した。これを材料Bと呼ぶ。
【0016】次に、材料A、材料B及びPZT仮焼粉
(材料Cと呼ぶ)を各種割合で混合し、これにPVAを
3重量%加え、造粒し、Φ18mmの金型内で厚さ2mmに面
圧98MPa において成形した。この成形体をZrO2 とP
ZTからなるパット材中にともうめし、1200℃において
焼結した。次いで、直径15mm、厚さ1mmの寸法に加工し
た後、両面にAg電極をスクリーン印刷によって印刷
し、焼付けることによってアクチュエータ用のPZT圧
電体を得た。
【0017】こうして製造した圧電体を、3点曲げ試験
により曲げ強度を、そして比誘電率により電気特性を測
定した。各組成の割合と曲げ強度及び電気特性の関係を
図3及び4に示す。
【0018】この図3及び4より、特性が原料PZTよ
りも向上するものは 0.2≦A≦0.6 0.1≦B≦0.5 C≧0.3 (A+B+C=1) の割合で用いたものであることがわかる。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法により、選択的な粒度分布
を有する圧電体が得られ、変位量を損なうことなく曲げ
強度及び駆動耐久性の向上をはかることができる。ま
た、本発明の方法において各成分の割合を変えることに
より、圧電体の粒度分布を任意に設定することができ、
目的にあった微細組織にすることができる。例えば、外
部から衝撃を受けやすいような部品には、その外部組織
に微細のものを多く配合することが必要であり、このよ
うな構造のものは本発明の方法により製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電体の粒子の粒径とその電気特性及び強度の
関係を示すグラフである。
【図2】本発明の方法により得られる圧電体の微細構造
を示す略図である。
【図3】本発明の方法により得られる圧電体の各組成の
割合と曲げ強度の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の方法により得られる圧電体の各組成の
割合と電気特性の関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒成長剤を被覆したPZT材料20〜60重
    量%、粒成長抑制剤を被覆したPZT材料10〜50重量%
    及びPZT材料30重量%以上を混合し、バインダを添加
    した後に造粒し、所定形状に成形し、そして焼成するこ
    とを特徴とする、アクチュエータ用圧電体の製造方法。
JP21752693A 1993-09-01 1993-09-01 アクチュエータ用圧電体の製造方法 Pending JPH0769722A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007013096A (ja) * 2005-05-31 2007-01-18 Kyocera Corp 圧電アクチュエータおよびその駆動方法、並びに印刷ヘッド
JP2007088022A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Kyocera Corp 積層圧電体
JP2008050206A (ja) * 2006-08-24 2008-03-06 Seiko Epson Corp 圧電材料およびその製造方法、並びに、圧電素子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007013096A (ja) * 2005-05-31 2007-01-18 Kyocera Corp 圧電アクチュエータおよびその駆動方法、並びに印刷ヘッド
JP2007088022A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Kyocera Corp 積層圧電体
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