JP2803833B2 - 圧電セラミックス - Google Patents

圧電セラミックス

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ブザーやアクチュエータなどの電機機械エ
ネルギー変換子として用いられる圧電セラミックスに関
するものである。
従来の技術 xPb(Mg1/3Nb2/3)O3−yPbTiO3−zPbZrO3(ただし、
x+y+z=1で、x=0.69〜0.01、y=0.52〜0.30、
z=0.69〜0.01)にSiO2を添加した圧電セラミックスは
特公昭45−15344号公報などで大きな電気機械結合係数
を持つことが知られており、ブザーやアクチュエータな
どの電気機械エネルギー変換子に広く用いられている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のようにxPb(Mg1/3Nb2/3)O3−y
PbTiO3−zPbZrO3を添加した圧殿セラミックスは大きな
電気機械結合係数を持つが、焼成時に粒成長を起こしや
すく、焼結体の結晶粒径が大きくなるために、機械的強
度が低いという課題があった。
本発明は上記課題を解決するもので、高強度で電気機
械係合係数の大きな圧電セラミックスを得ることを目的
とするものである。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明は、xPb(Mg1/3Nb2/
3)O3−yPbTiO3−zPbZrO3(ただし、x+y+z=1
で、x=0.69〜0.01、y=0.52〜0.30、z=0.69〜0.0
1)にSi3N4を0.01重量%〜0.05重量%添加してなるもの
である。
作用 上記のように、xPb(Mg1/3Nb2/3)O3−yPbTiO3−zPbZ
rO3にSi3N4を0.01重量%〜0.05重量%を添加することに
より、焼成時の粒成長が抑えられ、結晶粒径が小さくな
るため、焼結体の機械的強度が向上する。
実施例 以下、本発明に係る実施例について述べる。
第1図は本発明の圧電セラミックスのxPb(Mg1/3Nb2/
3)O3−yPbTiO3−zPbZrO3の組成図である。まず、第1
図における斜線範囲内、すなわちx+y+z=1で、x
=0.69〜0.01、y=0.52〜0.30、z=0.69〜0.01の組成
になるように、原料として化学的に純度98%以上のPb
O、TiO2、ZrO2、MgO、Nb2O5と、この組成に対して重量
%で0、0.01、0.02、0.05、0.10になるように化学的に
純度98%以上のSi3N4とをそれぞれ秤量し、ボールミル
で混合した。混合粉末を850℃で仮焼した後、ボールミ
ルで粉砕し、この粉砕粉を1000kg/cm2の圧力で成形し、
1150〜1200℃の温度で焼成した。得られた焼結体を直径
15mm、厚さ0.5mmの円板に加工し、円板の上下面に銀電
極を焼付けた。銀電極を焼付けた円板を100℃のシリコ
ンオイルに浸漬し、円板の上下銀電極間に1.5kvの電位
差を30分間与えて分極を行い、分極後、24〜36時間経て
から、上記円板の電気特性を測定した。なお、測定方法
および各電気特性の計算は電子材料工業会標準規格(EM
AS−6001〜6007)に準じた。また、曲げ強度は上記と同
様にして得た焼結体を幅5mm、長さ15mm、厚み0.5mmの矩
形板に加工し、スパン9mmの3点曲げ法で評価した。以
上の方法で作成した各組成の電気特性および機械的強度
を第1表に示す。なお、第1表中のw1はSi3N4の添加量
でxPb(Mg1/3Nb2/3)O3−yPbTiO3−zPbZrO3に対する重
量%で表わしている。また、εT 33は分極方向と同
じ方向の比誘導率、Kpは径方向振動の電気機械結合係
数、dはインターセプト法より求めた焼結体の平均結晶
粒径、σは焼結体の曲げ強度を示す。
第1表に示すように、xPb(Mg1/3Nb2/3)−yPbTiO3
zPbZrO3にSi3N4に添加することによって焼結体の結晶粒
径が小さくなり、機械的強度が向上する。しかし、Si3N
4の添加量が0.05重量%を越えると、機械的強度の向上
が認められるものの電気特性の劣化をきたすため好まし
くない。また、Si3N4の添加量が0.01重量%より少ない
場合は添加の意味を持たない。焼結体の結晶粒径が小さ
くなると機械的強度が向上するのは、セラミックスの破
壊発生源となる表面のき裂はその焼結体の結晶粒径とほ
ぼ同じであるため、結晶粒径が小さくなると破壊発生源
となるき裂も小さくなり、機械的強度が向上するもので
ある。Si3N4の添加によって上記圧電セラミックスの結
晶粒径が小さくなるのは、Si3N4が仮焼または焼結の段
階まで完全に酸化されずに残っており、酸化物である上
記圧電セラミックスの焼成時の粒成長を抑制するためと
考えられる。
発明の効果 以上のようにxPb(Mg1/3Nb2/3)−yPbTiO3−zPbZrO3
(ただし、x+y+z=1で、x=0.69〜0.01、y=0.
52〜0.30、z=0.69〜0.01)にSi3N4を0.01重量%〜0.0
5重量%添加することにより、焼成時の粒成長が抑制さ
れ、焼結体の結晶粒径が小さくなるため、焼結体の機械
的強度が向上し、高強度で大きな電気機械結合係数を持
った圧電セラミックスが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の圧電セラミックスのxPb(Mg1/3Nb2/
3)O3−yPbTiO3−zPbZrO3の組成図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】xPb(Mg1/3Nb2/3)O3−yPbTiO3−zPbZrO3
    (ただし、x+y+z=1で、x=0.69〜0.01、y=0.
    52〜0.30、z=0.69〜0.01)にSi3N4を0.01重量%〜0.0
    5重量%添加してなる圧電セラミックス。
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