JP3618033B2 - 圧電磁器およびその製造方法 - Google Patents

圧電磁器およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電磁器およびその製造方法に関わり、例えばセラミックフィルタ、セラミックレゾネータ、超音波応用振動子、圧電ブザー、圧電点火ユニット、超音波モータ、圧電ファン、圧電アクチュエータおよび加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧電センサ等に適する圧電磁器およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、圧電磁器を利用した製品としては、例えばセラミックフィルタ、セラミックレゾネータ、超音波応用振動子、圧電ブザー、圧電スピーカー、超音波モータ、圧電ファン、圧電アクチュエータ等がある。
【0003】
従来、ブザーやスピーカー等の圧電発音体素子の材料としては、PbZrO−PbTiOを主成分とした磁器組成物が利用されており、これにNbやMnO等の金属酸化物、Pb(Nb2/3 Mg1/3 )OやPb(Nb2/3 Co1/3 )O等の複合ペロブスカイト酸化物を添加したり置換することにより圧電特性の向上が図られている。例えば特公昭54−36756号公報には、Pb(Nb2/3 Sn1/3 )O−PbZrO−PbTiO系の圧電磁器組成物が開示されている。
【0004】
一方、例えばセラミックフィルタ、セラミックレゾネータ等においては、その特性を最大限に引き出すためには、一般的に圧電磁器の電気機械結合係数Kpが大きい方が良い。他方、近年では、電子部品は屋内使用の機器だけではなく、環境変化の激しい車両搭載用通信装置などにも使われており、温度変化に対する信頼性が要求されている。
【0005】
従って、近年においては、電気機械結合係数Kpが高く、さらに共振周波数の温度係数(FrTc)が小さい材料が望まれている。
【0006】
そして、上記した例えば、Pb(Nb2/3 Sn1/3 )O−PbZrO−PbTiO系の圧電磁器は、例えば、Pb(Nb2/3 Sn1/3 )O粉末、PbZrO粉末、PbTiO粉末を作製し、これらを所定量で混合した後、仮焼して固溶体粉末を作製し、この後、固溶体粉末を成形し、1200〜1300℃で2〜4時間焼成することにより得られていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した圧電磁器では、圧電特性、例えば、電気機械結合係数や共振周波数の温度係数の制御が困難であった。即ち、圧電磁器は一般的に上記したPb(Nb2/3 Sn1/3 )O−PbZrO−PbTiO系圧電磁器のように、仮焼して固溶体粉末を作製し、この固溶体粉末を用いて圧電磁器を作製しているため、ほぼ均一な特性を有する単一結晶相の圧電磁器となり、その結晶相の特性がそのまま圧電磁器の特性となるが、結晶相は焼成条件等の影響を受けやすく、何らかの原因で結晶相が変化することがあり、圧電磁器を作製しなければ実際の特性を知り得ず、圧電特性の制御が困難であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、従来のほぼ均一な特性を有する単一種類のペロブスカイト結晶相からなる圧電磁器に代えて、組成が異なる2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末をそれぞれ仮焼し、しかる後にこれらを混合した混合粉末からなる成形体を、前記2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物結晶粒子同士が相互に固溶しないように焼成して得られ、圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト結晶相を複合化させることにより、共振周波数の温度係数や電気機械結合係数等の制御が容易となることを見い出し、本発明に至った。
【0009】
また、圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト結晶相を複合化させるには、前記2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物結晶粒子同士が相互に固溶しないように焼成することによって、即ち、マイクロ波にて焼成することにより達成できることを見い出し、本発明に至った。
【0010】
即ち、本発明の圧電磁器は、組成が異なる2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末をそれぞれ仮焼し、しかる後にこれらを混合した混合粉末からなる成形体を、前記2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物結晶粒子同士が相互に固溶しないように焼成して得られた圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶粒子からなるものである。また、圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶粒子からなり、該圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶粒子、金属元素としてPb、Zr、Ti、Nb、SbおよびCrを含有し、かつ、電気機械結合係数が45%以上で、共振周波数の温度係数が−2500〜500ppm/℃の圧電特性を有することを特徴とするものである。さらに、圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶粒子からなり、該ペロブスカイト型結晶粒子、電気機械結合係数が45%以上で、共振周波数の温度係数が正の結晶粒子と、電気機械結合係数が45%以上で、共振周波数の温度係数が負の結晶粒子とからなることが望ましい。さらに、圧電磁器は、共振周波数の温度係数が−150〜150ppm/℃、電気機械結合係数が55%以上であることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の圧電磁器の製造方法は、組成が異なる2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末をそれぞれ仮焼し、仮焼した前記2種類以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末を混合し、得られた混合粉末からなる成形体を、前記2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物結晶粒子同士が相互に固溶しないように焼成し、圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶相を複合化させることを特徴とするものであり、また、金属元素としてPb、Zr、Ti、Nb、SbおよびCrを含有し、かつ、電気機械結合係数が45%以上で、共振周波数の温度係数が−2500〜500ppm/℃の異なる圧電特性を有する2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末を用いて成形体を作製し、該成形体をマイクロ波にて焼成し、圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶相を複合化させる方法である。
【0012】
【作用】
本発明の圧電磁器では、組成が異なる2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末をそれぞれ仮焼し、仮焼した前記2種類以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末を混合し、得られた混合粉末からなる成形体を、前記2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物結晶粒子同士が相互に固溶しないように焼成することによって圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶相を複合化させるため、例えば、高い電気機械結合係数を有し、かつ共振周波数の温度係数の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶相を存在せしめ、その割合を調整することにより、各ペロブスカイト型結晶相が個別に有する共振周波数の温度係数の範囲内で制御することができる。従って、従来の圧電磁器では得ることが困難であった、共振周波数の温度係数が−150〜150ppm/℃、電気機械結合係数が55%以上の特性を容易に得ることができる。
【0013】
このような圧電磁器は、異なる圧電特性を有する2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末により成形体を作製し、この成形体をマイクロ波にて例えば、1000〜1200℃で焼成することにより容易に得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の圧電磁器では、圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶粒子からなるものである。ペロブスカイト型結晶粒子の平均結晶粒径は1μm以上であることが望ましい。
【0015】
また、圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶粒子とは、例えば、高い機械結合係数を有し、かつ負の共振周波数の温度係数を有するペロブスカイト型結晶粒子と、高い機械結合係数を有し、かつ正の共振周波数の温度係数を有するペロブスカイト型結晶粒子の組み合わせがある。よって、ペロブスカイト型結晶粒子の組み合わせを種々変更することにより、圧電磁器の共振周波数の温度係数を制御することができる。
【0016】
さらに、例えば、負の共振周波数の温度係数を有するペロブスカイト型結晶粒子と、正の共振周波数の温度係数を有するペロブスカイト型結晶粒子の存在割合を調整することによっても、圧電磁器の共振周波数の温度係数を制御することができる。
【0017】
本発明の圧電磁器は、金属元素としてPb、Zr、Ti、Nb、SbおよびCrを含有するペロブスカイト型結晶粒子からなることが望ましい。このように、金属元素としてPb、Zr、Ti、Nb、SbおよびCrを含有する圧電磁器は、電気機械結合係数が高いからである。そして、組成によりペロブスカイト型結晶粒子の共振周波数の温度係数が変化するからである。よって、金属元素としてPb、Zr、Ti、Nb、SbおよびCrを含有する圧電磁器において、電気機械結合係数が55%以上で、共振周波数の温度係数を−150〜150ppm/℃の範囲で制御することができる。
【0018】
本発明の圧電磁器の製造方法は、例えば、以下のような方法により作製される。先ず、例えば、原料としてPbO、ZrO、TiO、Nb、Sb、Crの各原料粉末を所定量秤量し、ボールミル等で10〜24時間湿式混合し、混合粉末を作製する。この際組成を変えて、組成が異なる2種以上の混合粉末を作製する。次いで、これらの2種以上の混合粉末を乾燥した後、それぞれ800〜1300℃で1〜3時間仮焼し、ボールミル等で粉砕する。
【0019】
この後、粉砕物に有機バインダーを混合し、スプレードライヤー等で造粒して、圧電特性の異なる2種以上の複合ペロブスカイト型化合物の造粒体を作製する。そして、これらの造粒体を適切な比率で混合し、例えば、この混合粉末を所定圧力で成形して成形体を作製し、これらを大気中において1000〜1200℃で5〜30分間マイクロ波にて焼成することにより得られる。得られた本発明の圧電磁器の密度は7.0g/cm以上である。
【0020】
組成が異なる2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末をそれぞれ仮焼した後に粉末を混合して得られた圧電特性の異なる2種以上の複合ペロブスカイト型化合物の造粒体により作製された成形体を、マイクロ波により1000〜1200℃で5〜30分間マイクロ波にて焼成した場合には、低温短時間での焼成のためペロブスカイト型結晶粒子は殆ど粒成長せず、また圧電特性の異なるペロブスカイト型結晶粒子同士が相互に固溶することがないため、添加されたペロブスカイト型結晶粒子がそれぞれ殆どそのまま存在することになる。
【0021】
このように、2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物結晶粒子同士が相互に固溶しないように焼成する方法により得られた圧電磁器は、上記したように、2種または3種以上の圧電特性の異なるペロブスカイト型結晶粒子からなるが、それらの粒界に、ペロブスカイト型結晶粒子の構成元素酸化物やパイロクア相が存在する場合もある。
【0022】
【実施例】
原料粉末としてPbO、ZrO、TiO、Nb、Sb、Crの各原料粉末をZrOボールを用いたボールミルで湿式混合し、乾燥した後、900℃で3時間仮焼し、再びボールミルで粉砕する。その後、この粉砕物に有機バインダーを混合し、スプレードライヤーで乾燥、造粒を行い、共振周波数の温度特性の異なる2種のスプレー原料▲1▼▲2▼を作製した。
【0023】
そして、これらのスプレー原料▲1▼および▲2▼を表1乃至表8に示す比率にて混合し、混合粉末を1.5t/cmの圧力で直径23mm、厚さ2mmの寸法からなる円板にプレス成形した。更に、これらの成形体を大気中で820℃で2時間脱脂した後、周波数28GHz、最大出力10kWのジャイラトロンを発信源としたマイクロ波発信器を用いたステンレス製のマイクロ波加熱炉を用いて、大気中表1乃至表8に示す温度で10分間焼成した。
【0024】
得られた焼結体を研磨して厚み0.5mmの円板を形成した。この円板の両主面にAgペーストを焼き付けることにより電極を形成し、80℃のシリコンオイル中で3kV/mmの直流電圧を30分間印加して分極処理した後、電気機械結合係数Kp、共振周波数の温度係数FrTcを評価した。
【0025】
電気機械結合係数Kpはインピーダンスアナライザーで測定した共振周波数Fr、反共振周波数Fa、電気容量C、共振抵抗Roの値から計算により求めた。
【0026】
また、共振周波数の温度係数FrTcは、−30℃および85℃の共振周波数を測定し、FrTc=(Fr85−Fr−30 )/(Fr−30 ×115)×10(ここで、Fr85,Fr−30 はそれぞれ+85℃、−30℃での共振周波数の値である。)で求めた。これらの結果を表1乃至表8に記載する。
【0027】
尚、表中のスプレー原料としては、Pb(Nb1/2 Sb1/2 )(Zr0.54Ti0.46)O+0.2重量%Crからなるもので、単独で圧電磁器を作製した場合には電気機械結合係数が30%、共振周波数の温度係数−3500ppm/℃のスプレー原料、Pb(Nb1/2 Sb1/2 )(Zr0.528 Ti0.472 )O+0.2重量%Crからなるもので、単独で圧電磁器を作製した場合には電気機械結合係数が38%、共振周波数の温度係数−150ppm/℃のスプレー原料、Pb(Nb1/2 Sb1/2 )(Zr0.50Ti0.50)O+0.2重量%Crからなるもので、単独で圧電磁器を作製した場合には電気機械結合係数が48%、共振周波数の温度係数0ppm/℃のスプレー原料、Pb(Nb1/2 Sb1/2 )(Zr0.51Ti0.49)O+0.2重量%Crからなるもので、単独で圧電磁器を作製した場合には電気機械結合係数が53%、共振周波数の温度係数100ppm/℃のスプレー原料、Pb(Nb1/2 Sb1/2 )(Zr0.515 Ti0.485 )O+0.2重量%Crからなるもので、単独で圧電磁器を作製した場合には電気機械結合係数が58%、共振周波数の温度係数250ppm/℃のスプレー原料、Pb(Nb1/2 Sb1/2 )(Zr0.52Ti0.48)O+0.2重量%Crからなるもので、単独で圧電磁器を作製した場合には電気機械結合係数が65%、共振周波数の温度係数400ppm/℃のスプレー原料、Pb(Nb1/2 Sb1/2 )(Zr0.525 Ti0.475 )O+0.2重量%Crからなるもので、単独で圧電磁器を作製した場合には電気機械結合係数が70%、共振周波数の温度係数−800ppm/℃のスプレー原料、Pb(Nb1/2 Sb1/2 )(Zr0.535 Ti0.465 )O+0.2重量%Crからなるもので、単独で圧電磁器を作製した場合には電気機械結合係数が50%、共振周波数の温度係数−2500ppm/℃のスプレー原料を用いた。
【0028】
【表1】
Figure 0003618033
【0029】
【表2】
Figure 0003618033
【0030】
【表3】
Figure 0003618033
【0031】
【表4】
Figure 0003618033
【0032】
【表5】
Figure 0003618033
【0033】
【表6】
Figure 0003618033
【0034】
【表7】
Figure 0003618033
【0035】
【表8】
Figure 0003618033
【0036】
本発明の試料において、それぞれの結晶粒子をX線マイクロアナライザ(EPMA)にて元素分析した結果、添加した各スプレードライ原料▲1▼▲2▼の各結晶粒子が存在し、圧電磁器中に2種のペロブスカイト型結晶相が存在することを確認した。
【0037】
これらの表1〜表8から、本発明の圧電磁器では、電気機械結合係数、共振周波数の温度係数が異なる2種以上のスプレー原料をマイクロ波焼成することにより、電気機械結合係数および共振周波数の温度係数を制御できることが判る。つまり、電気機械結合係数については、より高い電気機械結合係数を有するスプレー原料の割合が増加するにつれて高くなり、共振周波数の温度係数についても、その割合に応じて増減することが判る。
【0038】
尚、本発明者等は、比較例として、試料No.35のスプレー原料▲1▼▲2▼を混合し、大気中で900℃で3時間仮焼し、粉砕した後、これを上記実施例と同様にして成形し、大気中で820℃で2時間脱脂した後、大気中において1260℃で2時間焼成し、圧電磁器を作製した。この焼結体の両主面にAgペーストを焼き付けることにより電極を形成し、80℃のシリコンオイル中で3kV/mmの直流電圧を30分間印加して分極処理した後、電気機械結合係数、共振周波数の温度係数を評価した。
【0039】
この結果、電気機械結合係数は36%、共振周波数の温度係数−2050ppm/℃であった。また、それぞれの結晶粒子をX線マイクロアナライザ(EPMA)にて元素分析した結果、2種のスプレー原料▲1▼▲2▼は固溶して、ほぼ均一な単一結晶相になっていることを確認した。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、組成が異なる2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末をそれぞれ仮焼し、仮焼した前記2種類以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末を混合し、得られた混合粉末からなる成形体を、前記2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物結晶粒子同士が相互に固溶しないように焼成して圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶相を複合化させるため、圧電特性の制御が容易となり、例えば、高い電気機械結合係数を有し、かつ共振周波数の温度係数の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶相を存在せしめ、その割合を調整することにより、磁器の共振周波数の温度係数を、ペロブスカイト型結晶相が個別に有する共振周波数の温度係数の範囲内で制御することができる。

Claims (6)

  1. 組成が異なる2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末をそれぞれ仮焼し、しかる後にこれらを混合した混合粉末からなる成形体を、前記2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物結晶粒子同士が相互に固溶しないように焼成して得られ、圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶粒子からなることを特徴とする圧電磁器。
  2. 圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶粒子からなり、該圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶粒子、金属元素としてPb、Zr、Ti、Nb、SbおよびCrを含有し、かつ、電気機械結合係数が45%以上で、共振周波数の温度係数が−2500〜500ppm/℃の圧電特性を有することを特徴とする圧電磁器。
  3. 圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶粒子からなり、該ペロブスカイト型結晶粒子、電気機械結合係数が45%以上で、共振周波数の温度係数が正の結晶粒子と、電気機械結合係数が45%以上で、共振周波数の温度係数が負の結晶粒子とからなることを特徴とする圧電磁器。
  4. 共振周波数の温度係数が−150〜150ppm/℃、電気機械結合係数が55%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の圧電磁器。
  5. 組成が異なる2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末をそれぞれ仮焼し、仮焼した前記2種類以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末を混合し、得られた混合粉末からなる成形体を、前記2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物結晶粒子同士が相互に固溶しないように焼成し、圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶相を複合化させることを特徴とする圧電磁器の製造方法
  6. 金属元素としてPb、Zr、Ti、Nb、SbおよびCrを含有し、かつ、電気機械結合係数が45%以上で、共振周波数の温度係数が−2500〜500ppm/℃の異なる圧電特性を有する2種以上の複合ペロブスカイト型酸化物粉末を用いて成形体を作製し、該成形体をマイクロ波にて焼成し、圧電特性の異なる2種以上のペロブスカイト型結晶相を複合化させることを特徴とする圧電磁器の製造方法。
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