JP2001097769A - 圧電磁器 - Google Patents

圧電磁器

Info

Publication number
JP2001097769A
JP2001097769A JP27505499A JP27505499A JP2001097769A JP 2001097769 A JP2001097769 A JP 2001097769A JP 27505499 A JP27505499 A JP 27505499A JP 27505499 A JP27505499 A JP 27505499A JP 2001097769 A JP2001097769 A JP 2001097769A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal particles
piezoelectric
perovskite
plate
piezoelectric ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27505499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3981221B2 (ja
Inventor
Tomonobu Eguchi
知宣 江口
Hitoshi Nakakubo
仁 中久保
Shuichi Fukuoka
修一 福岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP27505499A priority Critical patent/JP3981221B2/ja
Publication of JP2001097769A publication Critical patent/JP2001097769A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3981221B2 publication Critical patent/JP3981221B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高い圧電特性を維持した状態で、焼成温度幅を
広くできるとともに、曲げ強度を向上できる圧電磁器を
提供する。 【解決手段】ビスマス層状化合物からなる板状結晶粒子
1と、該板状結晶粒子1の粒界に存在するペロブスカイ
ト型複合酸化物からなる結晶粒子2とを具備するもの
で、ペロブスカイト型複合酸化物からなる結晶粒子2が
繊維状であることが望ましく、板状結晶粒子1がABi
4 Ti4 15(Aはアルカリ土類金属のうち少なくとも
一種)で表されるビスマス層状化合物であることが望ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低鉛あるいは無鉛
のビスマス層状化合物からなる板状結晶粒子と、該板状
結晶粒子の粒界に存在するペロブスカイト型複合酸化物
からなる結晶粒子とを有する圧電磁器に関し、例えば、
フィルタ、圧電共振子、圧電センサ等に用いられる圧電
磁器、特に、圧電共振子に好適に用いられる圧電磁器に
関する。
【0002】
【従来技術】従来から、圧電磁器を利用した製品として
は、例えば、セラミックフィルタ、セラミックレゾネー
タ、超音波応用振動子、圧電ブザー、圧電点火ユニッ
ト、超音波モータ、圧電ファン、圧電センサ、圧電アク
チュエータ等がある。
【0003】近年、環境保護の点から、電子部品を用い
られる半田の非鉛化が進んでいる。特に、電子部品を基
板に実装する際に使用する半田においては、鉛を含有し
ない半田が商品化されている。
【0004】鉛を含まない半田は、鉛ガラス系の半田に
比べ高融点であるため、リフロー温度は従来、鉛ガラス
系の半田が230〜260℃であったものが280〜3
30℃と高温になっている。このため、電子部品に要求
される耐熱温度は高くなってきており、電子部品の中で
特にキュリー温度で圧電性が消失してしまう圧電部品に
おいては、キュリー温度の高い圧電材料で構成されるよ
うになっている。
【0005】従来から、低鉛あるいは無鉛の圧電材料と
しては、BaTiO3 や(Bi0.5Na0.5 )TiO3
等からなるペロブスカイト型複合酸化物、SrBi2
29 、SrBi4 Ti4 15、PbBi4 Ti4
15等からなるビスマス層状化合物、またはこれらにMn
2 やCr2 3 を添加したビスマス層状化合物が知ら
れている。例えば、特開昭50−34313号公報に
は、SrBi4 Ti4 15に、MnO2 を添加したビス
マス層状化合物からなる圧電磁器が開示されている。
【0006】このようなビスマス層状化合物は通常のセ
ラミックス作製プロセスで作製可能であり、SrBi4
Ti4 15系圧電磁器はキュリー温度が450℃以上、
電気機械結合係数K33が約15%、機械的品質係数Qm
が約4000、比誘電率が約120であり、高温耐熱性
に優れたセンサーや圧電共振子として有望な圧電磁器で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
50−34313号公報に開示されたSrBi4 Ti4
15系の圧電磁器では、材料自身が層状化合物で異方性
が高く、加えて結晶粒形状が板状であるため、焼成して
も緻密化し難くボイドや欠陥が多いという問題があっ
た。
【0008】例えば、SrBi4 Ti4 15粉末を2.
0〜2.5ton/cm2 の高圧力で成形し、通常のセ
ラミック作製プロセスにて焼成を行った場合において
も、圧電磁器の相対密度は93〜94%と低く、圧電磁
器の曲げ強度は140MPa、硬度は450kgf/m
2 であり、従来から圧電磁器として広く用いられてい
るPb(Zr,Ti)O3 系に比べて低いものであり、
薄板状に加工する際に破損したり、素子にする際に割れ
てしまうという問題があった。
【0009】また、通常のセラミック作製プロセスにて
焼成を行う場合、相対密度92〜93%の焼結体の得ら
れる焼成温度は1190〜1210℃で、この温度以上
では焼成用治具と反応して溶融してしまうため、高い相
対密度を有する磁器を得ることができず、焼成温度の管
理の点から量産化において問題があった。
【0010】また、通常セラミックスの焼結挙動は、
液相が生成され、固相粒子を濡らして再配列し、粒子
形状の緩和や粒成長等の溶解、析出により拡散し、固
相反応により骨格を形成することにより生じる。
【0011】そして、磁器の緻密化において重要な点
は、粒子形状の緩和や粒成長等によって粒子間の3重点
に存在する気孔を消滅させることである。気孔の消滅が
不十分であると、固相反応時に気孔が成長し磁器中の欠
陥は増えてしまう。そのため、SrBi4 Ti4 15
にMnO2 を添加して液相を生成し、粒子形状の緩和を
促進させた組成系が提案されているが、通常焼成で94
%程度の相対密度を有する圧電磁器であり、やはり、磁
器強度の面で問題があった。
【0012】さらに、ビスマス層状化合物の特徴の一つ
には機械的品質係数Qm値が高いことが挙げられる。高
Qm材料の用途の一つにレゾネータがあるが、このレゾ
ネータの発信性能を表すものとして共振抵抗と反共振抵
抗の山谷比であるP/V値が用いられる。このP/V値
はは材料組成だけでなく、磁器に存在する欠陥によって
も大きく変化するため、レゾネータ等の素子形状にした
場合、P/V値のバラツキが多く量産化し難いものであ
った。
【0013】本発明は、高い圧電特性を維持した状態
で、焼成温度幅を広くできるとともに、曲げ強度を向上
できる圧電磁器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電磁器は、ビ
スマス層状化合物からなる板状結晶粒子と、該板状結晶
粒子の粒界に存在するペロブスカイト型複合酸化物から
なる結晶粒子とを有するものである。
【0015】このような構成を採用することにより、圧
電特性を高く維持した状態で、焼成温度幅を広くできる
とともに、曲げ強度を向上できる。即ち、添加するペロ
ブスカイト型複合酸化物は、ビスマス層状化合物に比べ
粒子形状緩和温度が高いことから、ビスマス層状化合物
からなる結晶粒子の粒成長やネックの成長速度が抑制さ
れ、96%以上の相対密度が得られる焼成温度幅を40
℃程度に広くできる。また、P/V値は材料組成の他、
磁器の緻密さも影響するが、本発明の圧電磁器において
は、相対密度を高くできるためP/V値を高く維持でき
る。
【0016】また、本発明の圧電磁器は、ペロブスカイ
ト型複合酸化物からなる結晶粒子が繊維状であることが
望ましい。
【0017】このような構成を採用することにより、圧
電特性を高く維持した状態で、焼成温度幅をさらに広く
することができるとともに、抗折強度をさらに向上する
ことができる。即ち、ビスマス層状化合物からなる板状
結晶粒子だけでなく、ABO3 で表されるペロブスカイ
ト型複合酸化物からなる繊維状の結晶粒子が、板状結晶
粒子の粒界に存在することになり、板状結晶粒子同士の
結合をより強固なものとするため、曲げ強度が向上し、
薄板への加工における破損や素子の割れを抑制できる。
【0018】さらに、本発明の圧電磁器は、板状結晶粒
子がABi4 Ti4 15(Aはアルカリ土類金属のうち
少なくとも一種)で表されるビスマス層状化合物である
ことが望ましい。
【0019】このような構成を採用することにより、例
えば、SrBi4 Ti4 15の焼成温度が1190〜1
210℃程度であり、焼成温度幅が20℃程度であった
ものが、焼成温度が1180〜1240℃程度となり、
磁器の相対密度が96%以上となる焼成温度幅が40℃
程度と広がり、厳密な焼成条件の制御が不要となるとと
もに、P/V値が60dB以上であり、圧電特性を高く
維持した状態で、曲げ強度を向上することができる。
【0020】さらに、本発明の圧電磁器では、ペロブス
カイト型複合酸化物からなる結晶粒子が全量中2〜10
体積%存在することが望ましい。このような構成を採用
することにより、焼成温度幅が広くでき、抗折強度を向
上することができるとともに、圧電特性を最も高く維持
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の圧電磁器は、図1示すよ
うに、ビスマス層状化合物からなる板状結晶粒子1と、
該板状結晶粒子1の粒界に存在するペロブスカイト型複
合酸化物からなる繊維状の結晶粒子2とを有するもので
ある。尚、図1では、便宜上、結晶粒子2に斜線を引い
て表した。
【0022】ビスマス層状化合物からなる板状結晶粒子
1は、一般式(Bi2 2 2+(M1m-1 M2
m 3m+12-(M1は1、2、3価のイオン及びこれら
のイオンの組合せ、M2は4、5、6価のイオン及びこ
れらのイオンの組合せ、mは1〜5)で表されるもの
で、例えば、SrBi2 Ta2 9 、SrBi4 Ti4
15、Na0.5 Bi4.5 Ti4 15のようなもの、ま
た、これらにMnやCr等が固溶したものが挙げられ
る。特に、ビスマス層状化合物からなる板状結晶粒子1
としては、ABi4 Ti4 15(Aはアルカリ土類金属
のうち少なくとも一種)で表されるものが望ましく、さ
らにはSrBi4 Ti4 15が望ましい。
【0023】また、該板状結晶粒子の粒界に存在するペ
ロブスカイト型複合酸化物からなる結晶粒子2は、一般
式ABO3 で表されるペロブスカイト型化合物であれば
特に限定しないが、繊維状の結晶粒子を用いることによ
り、曲げ強度をさらに向上することができる。ペロブス
カイト型複合酸化物からなる結晶粒子としては、例え
ば、BaTiO3 、SrTiO3 、(BaX Sr1-X
TiO3 、また、これらにMnやMg等を固溶したもの
が挙げられる。特に、ATiO3 (Aはアルカリ土類金
属のうち少なくとも一種)で表されるものが望ましい。
繊維状の結晶粒子2としては、アスペクト比が1〜3の
ものが望ましく、球形状の結晶粒子2としては、平均結
晶粒径が1〜3μmのものが望ましい。
【0024】さらに、ビスマス層状化合物からなる板状
結晶粒子1をABi4 Ti4 15(Aはアルカリ土類金
属のうち少なくとも一種)、ペロブスカイト型複合酸化
物からなる結晶粒子2をATiO3 (Aはアルカリ土類
金属のうち少なくとも一種)と表した時、板状結晶粒子
1のAと結晶粒子2のアルカリ土類金属Aが同一である
ことが、焼結性を向上させるという点から望ましい。
【0025】本発明の圧電磁器におけるビスマス層状化
合物からなる板状結晶粒子の平均結晶粒径はQmと曲げ
強度を向上させるという点から、1〜4μmであること
が望ましい。
【0026】さらに、本発明の圧電磁器では、ペロブス
カイト型複合酸化物からなる結晶粒子2が全量中2〜1
0体積%存在することが望ましい。このようにペロブス
カイト型複合酸化物からなる結晶粒子2の量比を限定す
ることにより、焼成温度幅を広くでき、抗折強度を向上
できるとともに、圧電特性を最も高く維持できる。
【0027】一方、ペロブスカイト型複合酸化物からな
る結晶粒子2が全量中2体積%よりも少ない場合、焼成
温度幅の拡大効果が小さく、抗折強度向上効果が小さい
からである。逆に、10体積%よりも大きくなると圧電
特性が低下する傾向にあるからである。
【0028】本発明の圧電磁器は、例えば、出発原料と
してSrCO3 粉末、TiO2 粉末、Bi2 3 粉末、
もしくはこれにMnO2 粉末を所定量秤量し、ボールミ
ル等で10〜24時間湿式混合し、次に、この混合物を
脱水、乾燥した後、900〜1050℃で1〜3時間仮
焼し、SrBi4 Ti4 15、もしくはこれにMnが固
溶したSrBi4 Ti4 15系粉末を合成する。
【0029】一方、例えば、BaCO3 粉末、SrCO
3 粉末、TiO2 粉末を所定量秤量し、ボールミル等で
10〜24時間湿式混合し、次に、この混合物を脱水、
乾燥した後、900〜1000℃で2〜4時間仮焼し、
(BaX Sr1-X )TiO3粉末を合成する。
【0030】次に、SrBi4 Ti4 15系粉末と、
(BaX Sr1-X )TiO3 粉末を所定量秤量し、ボー
ルミル等で10〜24時間湿式混合し、この混合物を脱
水、乾燥する。その後、この混合物に有機バインダーを
混合し、造粒後、所定圧力で成形して成形体を作製し、
これらを大気中等の酸素含有雰囲気において1150〜
1260℃で0.5〜4.0時間焼成することにより得
られる。
【0031】以上のように構成された圧電磁器では、ペ
ロブスカイト型複合酸化物は、ビスマス層状化合物に比
べ粒子形状緩和温度が高いことから、ビスマス層状化合
物からなる結晶粒子の粒成長やネックの成長速度が抑制
され、96%以上の相対密度が得られる焼成温度幅を広
くできるとともに、インピーダンスの山谷比であるP/
V値は磁器の緻密さにも依存するため、P/V値を高く
維持できる。
【0032】特に、ペロブスカイト型複合酸化物からな
る結晶粒子を繊維状とすることにより、板状結晶粒子同
士の結合をより強固なものとでき、曲げ強度が向上し、
薄板への加工における破損や素子の割れを抑制できる。
【0033】そして、板状結晶粒子がABi4 Ti4
15(Aはアルカリ土類金属のうち少なくとも一種)で表
されるビスマス層状化合物であり、ペロブスカイト型複
合酸化物からなる結晶粒子が、例えば、(BaX Sr
1-X )TiO3 である場合には、磁器の相対密度が96
%以上となる焼成温度が1180〜1240℃程度とな
り、焼成温度幅が40℃程度と広がり、厳密な焼成条件
の制御が不要となり、設計通りの特性を有する圧電磁器
を容易に量産できる。この場合には、P/V値が60d
B以上であり、圧電特性を高く維持した状態で、抗折強
度を向上することができる。
【0034】尚、本発明の圧電磁器では、高い圧電特性
を維持できるとともに、焼成温度幅を広くでき、抗折強
度を向上できるという点から、実質的にビスマス層状化
合物からなる板状結晶粒子と、ペロブスカイト型複合酸
化物からなる結晶粒子とから構成されることが望ましい
が、Mn、Cr、Mg等がビスマス層状化合物に固溶し
きれずに、ビスマス層状化合物からなる板状結晶粒子の
粒界に、MnO2 、Cr2 3 、MgO等が少量存在し
ていても良い。
【0035】また、本発明の圧電磁器では、Fe
2 3 、Al2 3 、SiO2 等の不可避不純物が存在
する場合もある。
【0036】
【実施例】原料粉末としてSrCO3 、TiO2 、Bi
2 3 、MnO2 の各原料粉末を、SrBi4 Ti4
15+0.2wt%MnO2 の組成となるように所定量秤
量し、ZrO2 ボールを用いたボールミルで16時間湿
式混合し、次いで、この混合物を脱水、乾燥した後、9
50℃で3時間仮焼し、ビスマス層状化合物を合成し
た。
【0037】一方、直径0.5μm、アスペクト比6.
5の繊維状の(Sr0.9 Ba0.1 )TiO3 粉末または
平均粒径1.4μmの球形状の(Sr0.9 Ba0.1 )T
iO 3 粉末を準備し、ビスマス層状化合物粉末に、(S
0.9 Ba0.1 )TiO3 粉末を、全量中表1に示す量
だけ添加し、ZrO2 ボールを用いたボールミルで10
時間湿式混合し、この混合物を乾燥した。
【0038】その後、この混合物に有機バインダーを混
合し、バインダー混合顆粒を得た。得られた粉末を1.
5t/cm2 の圧力で長辺37mm、短辺25mm、厚
さ1. 5mmの寸法からなる角板にプレス成形した。さ
らにこの成形体をMgO等からなる容器内に密閉し、大
気中1180〜1240℃で2時間焼成した。
【0039】得られた焼結体の相対密度を算出した。ま
た、焼結体を平面研磨機により0.8mmの厚みに研磨
し、ダイシングソーにより6mm×10mmの形状に切
り出した。短辺方向に分極するため、磁器端面にAg電
極を形成し、200℃のシリコンオイル中で4〜5kv
/mmの直流電圧を10分間印加して測定サンプルを得
た。電気特性は、インピーダンスアナライザーにより、
インピーダンス波形を測定し、共振、反共振法を用いて
評価した。
【0040】機械品質係数Qmを、Qm=[2π×Fr
×Ro×C×(Fa2 −Fr2 )/Fa2 -1により算
出し、基本波振動の厚み縦振動モードのP/V値を、P
/V=20log(Ra/Ro)の式により算出した。
但し、Frは共振周波数、Faは反共振周波数、Cap
は静電容量、Roは共振抵抗、Raは反共振抵抗を示
す。
【0041】また、抗折強度をJISR1601に従い
評価した。さらに、走査型電子顕微鏡(SEM)により
ビスマス層状化合物からなる板状結晶粒子を任意に30
個選択し、これらの最大径の平均値を算出して、ビスマ
ス層状化合物からなる板状結晶粒子の平均結晶粒径とし
た。また、磁器の相対密度が96%以上となる焼成温度
幅を測定し、これらの結果を表1に記載した。
【0042】
【表1】
【0043】この表1から、球形状の(Sr0.9 Ba
0.1 )TiO3 が増加するにつれて、焼成温度幅が大き
くなるが、機械品質係数Qmは低下し、P/V値はそれ
ほど変化しないことが判る。特に、繊維状の(Sr0.9
Ba0.1 )TiO3 を添加した場合には、その量が増加
するにつれて、曲げ抗折強度が向上するとともに、焼成
温度幅が大きくなることが判る。
【0044】即ち、本発明の圧電磁器では、曲げ強度が
160MPa以上であり、従来から知られているビスマ
ス層状化合物磁器の曲げ強度よりも高強度を達成できる
ことが判る。これにより、研磨により圧電磁器の薄板化
が可能で、素子としたときの割れ発生を抑制できること
が判る。
【0045】また、レゾネータ等に用いる場合、機械品
質係数Qmは2000以上、P/V値は60dB以上で
あれば良く、さらに、96%以上の相対密度となる焼成
温度幅は従来20℃程度であったが、本発明の圧電磁器
では30℃以上となり、量産化においても安定した圧電
特性を得ることができる。
【0046】尚、繊維状(Sr0.9 Ba0.1 )TiO3
の添加量と、曲げ抗折強度との関係を図2に示した。ま
た、試料No.1と試料No.4における相対密度と焼成温
度との関係、つまり、相対密度の焼成温度依存性を図3
に示した。
【0047】
【発明の効果】本発明の圧電磁器では、添加するペロブ
スカイト型複合酸化物は、ビスマス層状化合物に比べ粒
子形状緩和温度が高いことから、ビスマス層状化合物か
らなる結晶粒子の粒成長やネックの成長速度が抑制さ
れ、96%以上の相対密度が得られる焼成温度幅を広く
でき、圧電特性を高く維持した状態で、焼成温度幅を広
くすることができる。また、ペロブスカイト型複合酸化
物からなる結晶粒子を含有せしめることにより、板状結
晶粒子同士の結合をより強固なものとするため、曲げ強
度を向上でき、薄板への加工における破損や素子の割れ
を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電磁器の組織を示す図である。
【図2】繊維状の結晶粒子の添加量と曲げ強度との関係
を示すグラフである。
【図3】焼成温度と相対密度との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1・・・板状結晶粒子 2・・・ペロブスカイト型複合酸化物からなる結晶粒子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスマス層状化合物からなる板状結晶粒子
    と、該板状結晶粒子の粒界に存在するペロブスカイト型
    複合酸化物からなる結晶粒子とを有することを特徴とす
    る圧電磁器。
  2. 【請求項2】ペロブスカイト型複合酸化物からなる結晶
    粒子が繊維状であることを特徴とする請求項1記載の圧
    電磁器。
  3. 【請求項3】板状結晶粒子がABi4 Ti4 15(Aは
    アルカリ土類金属のうち少なくとも一種)で表されるビ
    スマス層状化合物であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の圧電磁器。
  4. 【請求項4】ペロブスカイト型複合酸化物からなる結晶
    粒子が全量中2〜10体積%存在することを特徴とする
    請求項1乃至3のうちいずれかに記載の圧電磁器。
JP27505499A 1999-09-28 1999-09-28 圧電磁器 Expired - Fee Related JP3981221B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27505499A JP3981221B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 圧電磁器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27505499A JP3981221B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 圧電磁器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001097769A true JP2001097769A (ja) 2001-04-10
JP3981221B2 JP3981221B2 (ja) 2007-09-26

Family

ID=17550212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27505499A Expired - Fee Related JP3981221B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 圧電磁器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3981221B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7383621B2 (en) 2003-04-15 2008-06-10 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method of producing a piezoelectric ceramic
WO2008081842A1 (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Kyocera Corporation 圧電磁器および圧電素子
JP2008184336A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Kyocera Corp 圧電磁器および圧電素子

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7383621B2 (en) 2003-04-15 2008-06-10 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method of producing a piezoelectric ceramic
WO2008081842A1 (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Kyocera Corporation 圧電磁器および圧電素子
JP2008184336A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Kyocera Corp 圧電磁器および圧電素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP3981221B2 (ja) 2007-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101541022B1 (ko) 압전재료, 압전소자, 액체 토출 헤드, 초음파 모터 및 진애 제거 장치
EP2119685B1 (en) Piezoelectric ceramic and piezoelectric element
JP4929522B2 (ja) 圧電磁器組成物
JP5414433B2 (ja) 強誘電セラミック材料
JP2004115293A (ja) 圧電セラミックス
KR20140040258A (ko) 압전 재료
WO2005092817A1 (ja) 圧電磁器組成物
US20110074516A1 (en) Piezoelectric ceramic composition, piezoelectric ceramic, piezoelectric element, and oscillator
JP3934324B2 (ja) 圧電セラミックス
JP2009078964A (ja) 圧電磁器の製造方法
JP4169203B2 (ja) 圧電磁器組成物
KR100685327B1 (ko) 압전자기 조성물, 압전소자
JPH10279352A (ja) 圧電セラミックスの製造方法
JP5036758B2 (ja) 圧電磁器およびそれを用いた圧電素子
JP2008094706A (ja) 圧電磁器組成物及びレゾネータ
JP3981221B2 (ja) 圧電磁器
JP2000313662A (ja) 磁器組成物
JP5319208B2 (ja) 圧電磁器およびそれを用いた圧電素子
KR102348835B1 (ko) 분위기 제어를 통한 비납계 압전 세라믹 제조방법
JP2007001841A (ja) 圧電磁器組成物
JP2000143340A (ja) 圧電セラミックス
JP4903659B2 (ja) 圧電磁器および圧電素子
JP2007258597A (ja) 圧電体の分極方法
JPH11112050A (ja) 圧電磁器
JPH1045470A (ja) 圧電セラミックス

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20061107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110706

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130706

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees