JPH0768562A - 金型清掃用ゴム系組成物 - Google Patents

金型清掃用ゴム系組成物

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JPH0768562A
JPH0768562A JP27618791A JP27618791A JPH0768562A JP H0768562 A JPH0768562 A JP H0768562A JP 27618791 A JP27618791 A JP 27618791A JP 27618791 A JP27618791 A JP 27618791A JP H0768562 A JPH0768562 A JP H0768562A
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信行 沢田
Takayuki Miyagawa
貴之 宮川
Kazuyoshi Miyata
一芳 宮田
Takashi Ikuta
隆 生田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】特に成形品表面にシボ加工が施されるなど微細
な形状や凹凸を有する金型や、細いピンもしくは薄い突
起などを有する精巧な金型を清掃するために用いる金型
清掃用ゴム系組成物の提供。 【構成】特定の低ムーニー粘度のエチレン・プロピレン
・ジエン系ゴム生地に対して、(a)特定のアミノアルコ
ール系化合物、(b)特定の界面活性剤、(c)有機過酸化
物、(d)1分子中に2個以上のビニル基を有する化合
物、及び、(d)ホワイトカーボンをそれぞれ特定量含有
してなる金型清掃用ゴム系組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム成形金型、特に、
例えば、自動車のサイドモールやオーディオ製品用防振
ゴム等、表面にシボ加工が施されるなど精細な形状や凹
凸を有する金型や細いピンもしくは薄い突起を有する金
型など精密な金型の汚れを清掃するために用いられる金
型清掃用ゴム系組成物に関し、より詳しくは、特定ムー
ニー粘度のエチレン・プロピレン・ジエン系ゴム生地に
対して、特定のアミノアルコール系化合物、特定の界面
活性剤、有機過酸化物、1分子中に2個以上のビニル基
を有する化合物、及び、ホワイトカーボンをそれぞれ特
定量含有してなることを特徴とする金型清掃用ゴム系組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゴムの成形により各種の付着
物等で汚染された金型を清掃する方法として、該金型で
アミノアルコール系化合物を含有するゴム組成物を成形
することにより、該付着物等を該ゴム組成物と一体化さ
せて取り除く方法はいくつか知られており、例えば、米
国特許第3476599号にはそのための組成物が開示されて
いる。
【0003】しかしながら上記提案には、本発明に用い
られる特定ムーニー粘度のエチレン・プロピレン・ジエ
ン系ゴム生地の使用及び特定のアクリル酸もしくはメタ
クリル酸のジエステルの使用についてなど何等の記載も
示唆もなく、また、この方法による金型の清掃は必ずし
も十分とはいい難いものであり、特に汚染のひどい金型
では1回の清掃作業では不十分であった。
【0004】さらに、該提案の実施例ではゴム生地とし
てSBRを用いているが、硫黄を加硫剤として用いてい
る実施例1では、硫黄の分解生成物による金型腐蝕を引
き起こすことがあり、有機過酸化物を加硫剤として用い
ている実施例2では加硫速度が早過ぎるため加硫度合の
コントロールが容易でない。
【0005】また、特開昭58-114932号公報には、「天
然ゴム、合成ゴム又はそれらのブレンド物よりなるゴム
主材に対して、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等の通常
のゴム配合剤と共に、清浄成分としてモノエタノールア
ミンと少量の脂肪酸セッケン及びアンモニア発生剤とを
混合した清浄用ゴム組成物を金型内に仕込み、加熱、加
圧して該ゴム組成物を加硫した後、この加硫ゴム成形物
を金型から取り出すことを特徴とするゴム製品成形用金
型の清浄方法」及びこれに用いる「ゴム製品成形用金型
清浄用ゴム組成物」に関して開示されている。
【0006】しかしながらこの第2の提案にも本発明に
用いられる特定ムーニー粘度のエチレン・プロピレン・
ジエン系ゴム生地の使用及び特定のアクリル酸もしくは
メタクリル酸のジエステルの使用についてなど何等の記
載も示唆もなく、その上、該提案の方法によると、加硫
時に発生するアンモニア等の気体のために金型と「清浄
用ゴム組成物」との密着が阻害され、かえって金型の清
掃効果が損われることがあり、また、加硫後のゴム状物
の強度が不足しがちで該ゴム状物がちぎれて金型に残存
する場合があって、清浄化後の成形に支障をきたすこと
があるなどの問題点があった。
【0007】さらに、該第2の提案の実施例でも、ゴム
生地として天然ゴム又はSBRを用い、加硫剤として硫
黄を用いているため、前記第1の提案の実施例における
と同様な問題点があることも明らかになった。
【0008】また、特開昭63-227308号公報には、未加
硫ゴム生地として好適にはムーニー粘度ML1+4(100℃)が
20〜70のエチレン・プロピレン・ジエン系ゴム生地を用
い、グリコールエーテル類、イミダゾール及び/又はイ
ミダゾリン類を含有させてなる「金型再生シート」につ
いて記載されている。
【0009】しかしながら、この第3の提案に好適に用
いられる未加硫ゴム生地のムーニー粘度は上記のように
20〜70であり、本発明に用いられる20未満のムーニー粘
度のものが優れた効果を有することについてなど何等の
記載も示唆もない。また、本発明における前記(d)成分
『1分子中に2個以上のビニル基を有する化合物』の使
用についても全く記載も示唆もされていない。そして該
提案の「金型再生シート」によっても、金型の清掃効果
は未だ十分とはいい難いものであった。
【0010】本発明者等は先に、従来の、アミノアルコ
ール系化合物等の清浄剤を含有する金型清掃用組成物の
有する前記諸問題点、即ち、金型の清掃効果の不十分
さ、加硫度合のコントロールの難しさ、及び、金型の腐
蝕等を解決すべく研究を行った結果、エチレン・プロピ
レン系ゴム生地に対して、特定のアミノアルコール系化
合物、特定の界面活性剤、有機過酸化物、及び、ホワイ
トカーボンをそれぞれ特定量含有してなる特定硬化速度
の組成物であり、且つ、該組成物の加硫後のJIS硬度が
特定範囲であるような清掃用組成物を用いることによっ
て上記問題点を解決し得ることを見出し、特許出願を行
った(特開平2-175210号)。
【0011】しかしながら最近とみに、ゴム系成形品と
して、特に、例えば、自動車のサイドモールやオーディ
オ製品用防振ゴム等、表面にシボ加工が施されるなど精
細な形状や凹凸を有するものや細孔もしくは精細な切り
欠き部等を有するものなど精巧精密なゴム系成形品が成
形されるようになってきており、このような成形品用と
して使用する微細加工を施した金型を清掃するには、先
の発明におけるゴム系組成物を用いても、微妙な金型表
面の凹凸部分の微細な溝部や金型キャビティの隅々まで
該組成物が行き渡らなかったり、細いピンあるいは薄い
突起を有する金型などではそれ等を曲げてしまったり、
加硫後のゴム状物の離脱が容易でなく、時としてちぎれ
たゴム状物がキャビティなどに付着残留したりするなど
の新たな問題が発生することがあった。
【0012】
【発明の解決すべき課題】本発明者等は、特に前記微細
加工を施した金型の清掃を可能にする優れた清掃用組成
物を得るべく、さらに研究を続けた結果、先の発明の組
成物において、エチレン・プロピレン系ゴム生地とし
て、特に低いムーニー粘度値を有するエチレン・プロピ
レン・ジエン系ゴム生地を用い、また、1分子中に2個
以上のビニル基を有する化合物を特定量配合して得た清
掃用組成物は、加熱加圧時に低粘度となるため流動性が
大きく微細な凹凸部にも隈無く侵入し、加硫により速や
かに弾性に富んだ柔軟なゴム状物となるため、微妙な金
型表面の凹凸部分の微細な溝部や金型キャビティの隅々
まで清掃することができるとともに、細いピンもしくは
薄い突起を有する金型であっても、これら精細な構造を
損傷することなく清掃することができる極めて優れた清
掃用組成物となることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ムーニー粘度
ML1+4(100℃)が20未満のエチレン・プロピレン・ジエン
系ゴム生地100重量部に対して、(a) 融点が100℃以下で
且つ沸点が150℃以上の アミノアルコール系化合物 10
〜50重量部、(b) HLB値が5〜15の非イオン系界面活性剤
であって、その分子中にポリオキシエチレン鎖を有する
もの 1〜8重量部、(c) 有機過酸化物 1〜6重量部、
(d) 特定のアクリル酸もしくはメタクリル酸のジエステ
ル 2〜8重量部、及び、(e) ホワイトカーボン 10〜50
重量部を含有してなることを特徴とする金型清掃用ゴム
系組成物の提供を目的とするものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明組成物は、ムーニー粘度ML1+4(100
℃)(以下、単にムーニー粘度ということがある)が20
未満のエチレン・プロピレン・ジエン系ゴム生地を主成
分量として含有する。
【0016】上記エチレン・プロピレン・ジエンゴム
(以下、EPDMと略称することがある)とは、エチレン、α
-オレフイン(特にプロピレン)およびポリエンモノマー
からなるターポリマーである。
【0017】ポリエンモノマーとしては、ジシクロペン
タジエン、1,5-シクロオクタジエン、1,1-シクロオクタ
ジエン、1,6-シクロドデカジエン、1,7-シクロドデカジ
エン、1,5,9-シクロドデカトリエン、1,4-シクロペタジ
エン、1,4-シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン、メ
チレンノルボルネン、2-メチル-1,4-ペンタジエン、1,5
-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、メチル-テトラヒド
ロインデン、1,4-ヘキサジエン等を挙げることができ
る。該EPDMにおける各モノマーの共重合割合は、好まし
くはエチレンが30〜80モル%、ポリエンが0.1〜20モル
%で残りがα-オレフインであり、より好ましくはエチ
レンが30〜60モル%のものである。
【0018】上記EPDMのムーニー粘度は、20未満、好ま
しくは5〜15である必要がある。ムーニー粘度が該上限
値以上では、微細加工を施した複雑な金型を清掃すると
き、金型キャビティーの隅々まで清掃用組成物が行き渡
らないことがあり清掃効果が悪くなりがちなので好まし
くない。また、ムーニー粘度が5以上であれば、加硫後
のゴム状物が適度の強度を有しているので、その金型か
らの取り出しが容易に行われるので好ましい。
【0019】なお、本発明組成物にEPDMを採用した理由
は、EPDM以外のジエン系ゴムの場合、通常硫黄を用いて
加硫が行われるが、硫黄の分解生成物による金型腐蝕を
引き起し易く、また、硫黄を用いずに有機過酸化物によ
る加硫を行う場合には、加硫速度が早過ぎるため加硫度
合のコントロールが極めて難かしいという問題があり、
さらに、アミノアルコール系化合物や界面活性剤の混和
性の面でもEPDMが優れているためである。
【0020】本発明の組成物は、前記の如きEPDM生地10
0重量部に対して、融点が100℃以下で且つ沸点が150℃
以上、好ましくは、170℃以上のアミノアルコール系化
合物(a)10〜50重量部、好ましくは15〜45重量部、を含
有してなるものである。
【0021】上記融点が100℃を超えては、EPDMとの混
練時(混練温度:通常100〜120℃)に混入しにくく、均
一分散も困難であるなどの理由で好ましくない。また沸
点が上記上限値未満では、金型清掃作業時、即ち、上記
組成物の金型中での加硫時にアミノアルコール系化合物
が揮散して、その臭気により作業環境が損われるので好
ましくない。
【0022】このようなアミノアルコール系化合物とし
ては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールア
ミン、N-エチルジエタノールアミン、N,N-ジ-i-プロピ
ルエタノールアミン、N-n-ブチルエタノールアミン、N,
N-ジ-n-ブチルエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノ
ールアミン、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、モ
ノ-n-プロパノールアミン、ジ-i-プロパノールアミン、
トリ-i-プロパノールアミン、エチレングリコールモノ-
2-アミノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-3
-アミノプロピルエーテル、1-ヒドロキシメチル-3-アミ
ノプロパン、N-ヒドロキシエチルピペラジン、N,N'-ビ
ス-3-ヒドロキシプロピルピペラジン等を挙げることが
できる。
【0023】これらの中、入手の容易さ等の理由から、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N,N-ジ-n
-ブチルエタノールアミン、N-ヒドロキシエチルエチレ
ンジアミン、モノ-n-プロパノールアミン、ジ-i-プロパ
ノールアミン、トリ-i-プロパノールアミン等が特に好
ましい。
【0024】前記アミノアルコール系化合物の使用量が
前記下限値未満では、金型の清掃効果の点で不満足とな
ることがあるので好ましくなく、一方、前記上限値を超
えては、清掃用組成物の調製が困難になるとともに、清
掃用組成物の表面に該化合物がブリードして取扱い上不
都合を生じ易く、さらに、清掃後の金型に該アミノアル
コール系化合物が残留して、以降のゴム成形に支障をき
たす場合があり好ましくない。
【0025】本発明の清掃用組成物は、前記特定のアミ
ノアルコール化合物(a)とともに、HLB値が5〜15の非イ
オン系界面活性剤であって、その分子中にポリオキシエ
チレン鎖を有するもの(b)を含有してなる。
【0026】上記HLB値が5未満では、EPDM系ゴム生地
との相溶性が小さ過ぎるためブリードし易く、清掃後の
金型表面に残留することがあり、また、該HLB値が15を
超えては、得られる清掃用組成物の清掃効果が不十分と
なることがあり、好ましくない。
【0027】このような非イオン系界面活性剤として
は、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノールエー
テル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル
等のポリオキシエチレンアルキル(例えば、炭素数6〜
12)フェノールエーテル;例えば、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエー
テル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオ
キシエチレンアルキル(例えば、炭素数10〜20)エーテ
ルもしくはアルケニル(例えば、炭素数10〜20)エーテ
ル;
【0028】例えば、ポリオキシエチレンステアレー
ト、ポリオキシエチレンオレート等のポリオキシエチレ
ン高級脂肪酸(例えば、炭素数10〜20)エステル;例え
ば、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油エーテル等の水酸
基含有高級脂肪酸(例えば、炭素数10〜20)もしくはそ
の水素添加物のポリオキシエチレンエーテル;ポリオキ
シエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマ
ー;例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノステア
レート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸
(例えば、炭素数10〜20)エステル;
【0029】例えば、ポリオキシエチレンソルビトール
モノオレート等のポリオキシエチレンソルビトール高級
脂肪酸(例えば、炭素数10〜20)エステル;等を挙げる
ことができ、入手の容易性等の観点よりポリオキシエチ
レンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル等の使用が好ましい。
【0030】前記非イオン系界面活性剤の使用量は、EP
DM生地100重量部に対して1〜10重量部、好ましくは1
〜6重量部である。該使用量が該下限値未満では清掃効
果が不十分となり易く好ましくない。また、該使用量が
該上限値を超えては、界面活性剤がブリードを起こして
清掃後の金型表面に残留することがあり好ましくない。
【0031】本発明の清掃用組成物は、前記アミノアル
コール系化合物(a)及び前記非イオン系界面活性剤(b)と
ともに、有機過酸化物(c)を含有してなる。上記の有機
過酸化物(c)としては、必ずしも限定されるものではな
く、前記EPDMを加硫し得るものならいずれも使用可能で
あるが、該過酸化物のベンゼン溶液(ベンゼン1l中有
機過酸化物0.2モル)の半減期が10時間となる温度(以
下、単に半減期温度と略称することがある)が100〜 14
0℃、特に、110〜130℃であるような有機過酸化物を用
いるのが好ましい。
【0032】上記半減期温度が上記下限値以上なら、清
掃用組成物調製に際して、混練時における有機過酸化物
の分解による減少を少量に抑えることができるとともに
該組成物の貯蔵安定性にも優れており、また、半減期温
度が上記上限値以下なら、金型清掃作業における該組成
物の加硫反応が比較的短時間に完了し、且つ、加硫後の
ゴム状物の金型からの離型も容易に行うことができるの
で、該半減期温度が上記範囲内の有機過酸化物を用いる
のが好ましい。
【0033】このような有機過酸化物(c)としては、例
えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-アミルパーオ
キサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオ
キシ)ヘキサン-3、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジ
イソプロピルベンゼン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパ
ーオキシ)バレレート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)
ブタン、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパー
オキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシフタレー
ト、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキ
サン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘ
キサン-3、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチル
イソブチルケトンパーオキサイド等を挙げることがで
き、
【0034】これらのうち、混練時の安定性、得られる
清掃用組成物の保存性及び加硫速度の速さ等の理由か
ら、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロ
ピルベンゼン等の使用が特に好ましい。
【0035】前記有機過酸化物(c)の使用量は、前記EPD
M生地100重量部に対して1〜8重量部、好ましくは2〜
6重量部である。有機過酸化物(c)が該下限値未満では
金型清掃作業時における清掃用組成物の加硫が不十分と
なりがちであり、一方、該上限値を超えては、該組成物
の加硫が進みすぎて脆くなることが多く、いずれの場合
にも加硫後のゴム状物の金型からの剥離が面倒になり、
場合によってはゴム状物の一部が金型表面に局部的に残
留するなどの問題が生ずるので好ましくなく、また、該
過酸化物を該上限値を超えて用いると、該組成物の金型
清掃効果も低下することが多い。
【0036】本発明の清掃用組成物は、更に、1分子中
に2個以上のビニル基を有する化合物(以下、ポリ不飽
和化合物ということがある)(d)を含有してなる。
【0037】このようなポリ不飽和化合物(d)として
は、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル
ジアクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエ
ーテルジメタクリレート、トリエチレングリコールジグ
リシジルエーテルジメタクリレート、プロピレングリコ
ールジグリシジルエーテルジアクリレート、ソルビトー
ルテトラグリシジルエーテルテトラメタクリレート、グ
リセロールトリグリシジルエーテルトリアクリレート、
ビスフェノールA-ジグリシジルエーテルジアクリレー
ト等のポリエポキシ化合物のポリ(メタ)アクリレート
類;
【0038】例えば、エチレングリコールジメタクリレ
ート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエ
チレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリ
コールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6-
ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシビバリン
酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロ
ールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオー
ルのポリ(メタ)アクリレート類;
【0039】例えば、アリルアクリレート、アリルメタ
クリレート等の(メタ)アリル(メタ)アクリレート;例え
ば、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリル
イタコネート等のラジカル重合性ジカルボン酸の(メタ)
アリルエステル;例えば、ジアリルフタレート、トリア
リルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の上
記以外のポリカルボン酸の(メタ)アリルエステル;等を
挙げることができる。
【0040】これらポリ不飽和化合物(d)のうち、入手
の容易さ、得られる金型清掃用ゴム系組成物の清掃効果
のよさ等の観点から、ポリオールのポリ(メタ)アクリレ
ート類の使用が好ましく、ジオールのジ(メタ)アクリレ
ート類(例えば、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチ
レングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコ
ールジアクリレート、1,4 -ブタンジオールジアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6-
ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシビバリン
酸ネオペンチルグリコールジアクリレートなど)の使用
が特に好ましい。またこれらはそれぞれ単独で、または
2種以上混合して用いることができる。
【0041】これらポリ不飽和化合物(d)の使用量は、
前記EPDM生地100重量部に対して1〜8重量部、好まし
くは2〜6重量部である。該使用量が該下限値未満と少
なすぎては、清掃用組成物の架橋が不十分となりがちで
あり、シボ加工等の微細加工を施した金型を清掃すると
きなどには、その微細加工部分に加硫後のゴム状物が付
着して残ることがあり好ましくなく、一方、該上限値を
超えて多過ぎては、該組成物の架橋が過剰となって脆く
なりがちで、逆テーパーなど複雑な形状の金型を清掃す
るときには、該ゴム状物がぎれたりして金型中に残留す
ることがあり好ましくない。
【0042】更にまた、本発明の清掃用組成物は、充填
剤として、前記EPDM生地100重量部に対して、10〜50重
量部、好ましくは20〜40重量部のホワイトカーボンを含
有してなる。充填剤としてホワイトカーボンを選ぶの
は、該組成物加硫後のゴム状物の金型離型性が良いこ
と、金型を汚染している各種付着物の除去状態が明瞭に
わかるように該組成物を白色系に着色し得ることなどの
理由による。上記ホワイトカーボンの含有量が上記下限
値未満では、上記ゴム状物の硬さが不足してちぎれがち
になり、また、上記上限値を超えては、金型キャビティ
ーの形状が逆テーパー部分を有するなど複雑な場合、該
ゴム状物が硬くなりすぎて抜け難くなり、いずれの場合
も金型からの離型性に問題が生じ易いので好ましくな
い。
【0043】本発明の清掃用組成物は、充填剤としてホ
ワイトカーボンの他に、その他の無機質充填剤を含有す
ることができる。このような無機質充填剤としては、炭
酸カルシウム及び酸化チタンが好適に用いられる。これ
ら充填剤の使用量は、前記EPDM生地100重量部に対し
て、炭酸カルシウム1〜20重量部、特には2〜10重量
部;酸化チタン0.5〜10重量部、特には1〜5重量部;で
あるのが好ましい。酸化チタンは、金型付着物の除去状
態が明瞭に観察できるように、清掃用組成物加硫後のゴ
ム状物の白度を高くするために用いられ、アナターゼ型
又は、ルチル型のいずれでも使用できる。
【0044】また、充填剤としてはこれらの他に、本発
明の卓越した作用効果を妨げない範囲において、ホワイ
トカーボン以外の酸化珪素、酸化アルミニウム、水酸化
アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、クレ
ー、タルク等を併用することも可能である。
【0045】本発明の金型清掃用ゴム系組成物は、EPDM
生地に対して、前記の特定のアミノアルコール系化合物
(a)、特定の非イオン系界面活性剤(b)、有機過酸化物
(c)、ポリ不飽和化合物(d)及びホワイトカーボン(e)の他
に、加硫助剤として酸化亜鉛及びステアリン酸を含有す
るのが好ましい。
【0046】酸化亜鉛の使用量は、得られる組成物の金
型清掃作業性の良さの観点から、EPDM生地100重量部に
対して1〜10重量部、特には3〜7重量部であるのが好
ましい。また、ステアリン酸の使用量は、同様の理由よ
り、該EPDM生地100重量部に対して0.5〜5重量部、特に
は0.8〜3重量部であるのが好ましい。
【0047】本発明の清掃用組成物は、これら配合物の
他、必要に応じて、例えば、弁柄、紺青、鉄黒、群青、
カーボンブラック、リトポン、チタンイエロー、コバル
トブルー、ハンザイエロー、ベンジジンエロー、レーキ
レッド、アニリンブラック、ジオキサジンバイオレッ
ト、キナクリドンレッド、キナクリドンバイオレット、
ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシ
アニングリーンなどの無機もしくは有機顔料類;例え
ば、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムなどの滑剤;
等を併用することができる。
【0048】本発明の組成物の調製方法としては、特に
限定されるものではなく、公知の方法を採用することが
できる。例えば、ジャケット付き加圧型ニーダー中にEP
DM生地を投入して混練し、ゴム生地がモチ状になり、そ
の温度が70〜110℃となった時点で、ホワイトカーボ
ン、アミノアルコール系化合物、ポリ不飽和化合物、非
イオン系界面活性剤、ステアリン酸等を添加して数分間
混練する。ゴム生地の温度は100〜120℃にやゝ上昇す
る。次いで有機過酸化物を添加して手早く分散させた後
取り出し、必要に応じて、例えばシート状等の適宜の形
状に成形して本発明の組成物とする。
【0049】混練手段としては、上記加圧型ニーダーの
外に、例えば、バンバリーミキサー、ロールミキサー等
を挙げることができる。
【0050】本発明の組成物の形態は、特に限定され
ず、シート状、ブロック状、ペレット状など清浄化すべ
き金型に応じて適宜選択することができる。例えば、圧
縮成形用の金型にはシート状組成物が好ましく、移送成
形用金型にはブロック状組成物が、射出成形用金型には
ペレット状組成物が好ましい。但し、薄いシート状組成
物の場合には、丸めてブロック状としたり、ちぎってペ
レット状とすることにより移送成形用金型や射出成形用
金型にも使用可能である。このように本発明の組成物の
形態としては、シート状であるのが好ましい。
【0051】本発明の金型清掃用ゴム系組成物は、その
キュラストメーターによる170℃における加硫速度が、
90値で4〜8分であるのが好ましく、4.5〜7分であ
るのが特に好ましい。該T90値が該上限値以下であれ
ば、加硫速度が遅くなり過ぎることがなく、一般のゴム
成形サイクル程度の条件に合せて清掃作業を行う場合に
も未加硫状態の該組成物がキャビテイー内に残るなどの
不都合が生じにくく、一方、該下限値以上であれば、該
組成物が流動してキャビティーのすみずみにまで行きわ
たって加硫が進行するので清掃効果が低下することがな
いので好ましい。
【0052】更に、本発明組成物加硫後のゴム状物のJI
S硬度は、20〜70であるのが好ましく、30〜60であるの
が特に好ましい。JIS硬度が該下限値以上であれば、ゴ
ム状物が軟かすぎることがなくちぎれにくいため、金型
からの離型性が優れており、該上限値以下であれば、特
に金型キャビテイー形状が逆テーパー部分を有する等複
雑な場合などでも、金型を傷付けたり、加硫物が離型し
にくくなるなどの問題が生じにくいので好ましい。
【0053】また、上記ゴム状物の引張強度は、上記同
様金型からの離型性の観点から、約25〜75kg/cm2、特に
は約30〜65kg/cm2であるのが好ましい。
【0054】本発明の組成物の使用に当っては、各種ゴ
ムの成形によって汚染された金型中に該組成物を装填
し、ゴムの成形条件とほゞ同じ条件、例えば、金型温度
150〜200℃で成形加硫するだけで該金型を取りはずすこ
となしに清掃することができる。
【0055】本発明の組成物の貯蔵及び運搬に際して
は、該組成物をポリエチレン等の袋に入れて密封するの
が好ましく、特に該組成物がシート状である場合にはシ
ート間にポリエチレン等の適宜なシートをはさんで積層
し、または、ロール状にした後、ポリエチレン等の袋に
入れて密封するのが好ましい。
【0056】
【実施例】以下、実施例と比較例により本発明を一層詳
細に説明する。なお、これら実施例及び比較例における
各種試験方法は次のとおりである。
【0057】(1) 加硫速度 JSR型キュラストメーターを使用し、170℃に温度調節さ
れた下金型キャビテイー内へ試料をチャージし、上金型
を閉じて測定開始する。試料の加硫の進行に伴って上昇
するトルク値と時間との関係をプロットし、最大トルク
値の90%のトルク値に達するまでの時間を加硫速度の指
標T90値とする。
【0058】(2) ゴム状物のJIS硬度 JIS K-6301に従って測定する。 試験片の作成条件:37t自動プレスを用い、未加硫試料
を金型温度180℃、成形圧140kg/cm2(ゲージ圧)、成形時
間5分にて成形加硫を行う。 試験片サイズ:80×160×2mm、3枚重ね。
【0059】(3) ゴム状物の引張強度及び伸び JIS K-6301に準じて測定する。 試験片:前(2)項で作成した80×160×2mmのシート状物
を3号ダンベル状に打ち抜き試験片とする。
【0060】(4) 取扱作業性 シート状の金型清浄化用組成物の運搬や清掃作業時にお
ける取扱い作業性を次の基準に従って評価する。 ◎…各種配合剤の組成物シート表面へのブリードなく、
取扱作業性優秀。 ○…各種配合剤の組成物表面シートへのブリート少な
く、取扱い上不都合なし。 △…各種配合剤の組成物シート表面へのブリードがあ
り、取扱い上やや問題あり。 ×…各種配合剤の組成物シート表面へのブリード大で、
取扱い困難である。
【0061】(5) 作業環境(臭気) シート状の金型清浄化用組成物の貯蔵、運搬時の臭気及
び清掃作業時の臭気の度合を次の基準に従って評価す
る。 ◎…貯蔵、運搬時及清掃作業時の臭気極めて少。 ○…貯蔵、運搬時の臭気はほとんどなく、清掃作業時の
臭気も比較的少。 △…貯蔵、運搬時はあまり臭気がないが、清掃作業時の
臭気やや大。 ×…貯蔵、運搬時にも臭気が感じられ、清掃作業時の臭
気激しい。
【0062】(6) 金型キャビティー内充填性 SBRの成形[37tプレストランスファー成形、金型温
度170℃、成形圧10kg/cm2(ゲージ圧)、加圧時間5分]
を500ショット行うことによって汚染された自動車のウ
ェザースリップ・ウィンドウシールド継手成形用金型を
用い、金型清掃用組成物によって同様条件で2ショット
成形操作を行い、該金型キャビティー内へ該組成物の充
填状態を調べ、次の基準に従って判定する。
【0063】◎…細部まで完全に充填されている。 ○…ほぼ充填されている。 △…わずかに非充填箇所あり。 ×…非充填箇所かなりあり。
【0064】(7) 金型清掃性 前(6)項で用いたと同様の金型を用い、同様の条件でS
BR成形品(a)を成形した後、金型清浄化用組成物を用
いて2ショット同様条件で成形操作を行い、次いで再び
同様条件でSBR成形品(b)を成形する。成形品(a)と比
較した成形品(b)の表面光沢、凹凸等の外観の向上の度
合を次の基準に従って判定する。
【0065】◎…顕著に改善されている。 ○…かなりに改善されている。 △…わずかに改善されている。 ×…改善の効果認められない。
【0066】(8) 金型離型性 前(7)金型清掃性の試験において、金型清掃用組成物を
用いた成形操作の後、該組成物加硫後のゴム状物の金型
離型の難易度を次の基準に従って判定する。 ◎…ゴム状物が金型に全く残留することなく容易に且つ
迅速に離型できる。 ○…ゴム状物の離型に際し、少し注意深く行うことによ
り金型キャビティーに全く残留することなく離型でき
る。 △…ゴム状物が金型に一部残留するが、残留物は比較的
容易に除去できる。 ×…ゴム状物の金型残留多く残留物の除去に手間がかか
る。
【0067】(9) 金型表面ブリード性 前(7)金型離型性試験後の金型表面の、金型清浄化用組
成物使用によるブリード発生の程度を次の基準に従って
目視により判定する。 ◎…ブリードなし。 ○…わずかにブリードが認められる。 △…ブリードあり。 ×…ブリード非常に多い。
【0068】(10) 貯蔵安定性 200×300×6mmのシート状金型清浄化用組成物を2枚の
離型紙の離型面の間にはさみ、ポリエチレン袋で密封す
る。次いでこれを30℃で1ヶ月間放置してから組成物流
動性及び金型清掃性を調べる。
【0069】(10-1) 組成物流動性 JIS K-6300の方法に従って30℃、1ヶ月1ケ月間放置前
の組成物及び放置後の組成物のムーニー粘度を測定し、
その粘度上昇率を求め次の基準に従って評価する。 ムーニー粘度測定条件:大ロータを使用、測定温度100
℃、予熱時間1分、ロータ始動4分後の測定値をムーニ
ー粘度とする。
【0070】◎…粘度上昇率10%以下。 ○…粘度上昇率10%を超え、30%以下。 △…粘度上昇率30%を超え、60%以下。 ×…粘度上昇率60%を超えるもの。
【0071】(10-2) 金型清掃性 30℃、1ケ月放置した金型清浄化用組成物を用いて、前
(6)項と同様に試験を行ない、次の基準に従って評価す
る。 ◎…金型清掃性優秀。30℃、1ケ月放置前のものの結果と
ほとんど差がない。 ○…金型清掃性良好であり、30℃、1ケ月放置前のものの
結果とほとんど差がないか、やや差があっても許容限度
内。 △…金型清掃性やや劣るか、あるいは、30℃、1ケ月放置
前のものの結果と比較して清掃性に低下が認められる。 ×…金型清掃性劣るか、あるいは、30℃、1ケ月放置前の
ものの結果と比較して清掃性低下が極めて顕著である。
【0072】実施例1 3000mlのジャケット付き加圧型ニーダー中にEPDM生地
[ムーニー粘度ML1+4(100℃)8のもの]を1.5kg添加
し、冷却しながら約3分間加圧混練すると、EPDM生地は
モチ状になり、その温度は約80℃となった。次いでモノ
エタノールアミン(MEA)300g、ポリオキシエチレンノニ
ルフェノールエーテル(POENPE)系界面活性剤(HLB約1
3)60g、ステアリン酸(StA)15g、ホワイトカーボン375
g、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)75g、
炭酸カルシウム(CaCO3)75g、酸化チタン(TiO2)75g及
び酸化亜鉛(ZnO)75g(EPDM生地100重量部に対して、そ
れぞれ20,4,1,25,5,5,5及び5重量部)を加
えて約3分間混練した。最後にジクミルパーオキサイド
(DQPO)(半減期温度117℃)45g(EPDM生地100重量部に対
して、3重量部)を加えて引続き約1分間混練した。こ
の間の混練物温度は100℃を超えないように調節した。
【0073】かくして得られた金型清掃用ゴム系組成物
を用いて、前記の試験方法に従って試験を行った。該組
成物の配合組成を第1表(1)に、各種試験結果を第1表
(2)に示す。
【0074】比較例1 実施例1において、ムーニー粘度8のEPDM生地を用いる
代わりに、ムーニー粘度23のEPDM生地を用いる以外は同
様にして金型清掃用ゴム系組成物を得、以下同様に試験
を行った。該組成物の配合組成を第1表(1)に、各種試
験結果を第1表(2)に示す。
【0075】実施例2及び比較例2〜3 実施例1において、MEAの使用量を変える以外は同様に
して金型清掃用ゴム系組成物を得、以下同様に試験を行
った。該組成物の配合組成を第1表(1)に、各種試験結
果を第1表(2)に示す。
【0076】実施例3 実施例1において、MEAの代わりに、モノ-3-プロパノー
ルアミン(MPA)を用いる以外は同様にして金型清掃用ゴ
ム系組成物を得、以下同様に試験を行った。該組成物の
配合組成を第1表(1)に、各種試験結果を第1表(2)に示
す。
【0077】実施例4〜5及び比較例4〜5 実施例1において、POENPE系界面活性剤の使用量を変え
る以外は同様にして金型清掃用ゴム系組成物を得、以下
同様に試験を行った。該組成物の配合組成を第1表(1)
に、各種試験結果を第1表(2)に示す。
【0078】実施例6〜7及び比較例6〜7 実施例1において、DQPOの使用量を変える以外は同様に
して金型清掃用ゴム系組成物を得、以下同様に試験を行
った。該組成物の配合組成を第1表(1)に、各種試験結
果を第1表(2)に示す。
【0079】実施例8及び比較例8〜9 実施例1において、ホワイトカーボンの使用量を変える
以外は同様にして金型清掃用ゴム系組成物を得、以下同
様に試験を行った。該組成物の配合組成を第1表(1)
に、各種試験結果を第1表(2)に示す。
【0080】実施例9〜10及び比較例11〜12 実施例1において、ポリ不飽和化合物EDMAの使用量を変
える以外は同様にして金型清掃用ゴム系組成物を得、以
下同様に試験を行った。該組成物の配合組成を第1表
(1)に、各種試験結果を第1表(2)に示す。
【0081】
【発明の効果】本発明の金型清掃用ゴム系組成物は、特
定の低ムーニー粘度のEPDM生地に対して、特定のアミノ
アルコール系化合物、特定の界面活性剤、有機過酸化
物、ポリ不飽和化合物、及び、ホワイトカーボンをそれ
ぞれ特定量含有してなるものである。
【0082】このことにより本発明の金型清掃用ゴム系
組成物は、加熱加圧時に低粘度となるため流動性が大き
く微細な凹凸部にも隈無く侵入し、加硫により速やかに
弾性に富んだ柔軟なゴム状物となるため、例えば、自動
車のサイドモール成形用金型等表面にシボ加工が施され
るなど精細な形状や凹凸を有する金型の清掃に際して
も、微妙な金型表面の凹凸部分の微細な溝部や金型キャ
ビティの隅々まで清掃することができるとともに、オー
ディオ製品用防振ゴム成形用金型等細いピンもしくは薄
い突起を有する金型であっても、これら精細な構造を損
傷することなく清掃することができ、且つ、加硫後のゴ
ム状物の離脱が容易にでき、ゴム状物がキャビティなど
に付着残留することのない優れた特性を有する。
【表1】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月20日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム成形金型、特に、
例えば、自動車のサイドモールやオーディオ製品用防振
ゴム等、表面にシボ加工が施されるなど精細な形状や凹
凸を有する金型や細いピンもしくは薄い突起を有する金
型など精密な金型の汚れを清掃するために用いられる金
型清掃用ゴム系組成物に関し、より詳しくは、特定ムー
ニー粘度のエチレン・プロピレン・ジエン系ゴム生地に
対して、特定のアミノアルコール系化合物、特定の界面
活性剤、有機過酸化物、1分子中に2個以上のビニル基
を有する化合物、及び、ホワイトカーボンをそれぞれ特
定量含有してなることを特徴とする金型清掃用ゴム系組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゴムの成形により各種の付着
物等で汚染された金型を清掃する方法として、該金型で
アミノアルコール系化合物を含有するゴム組成物を成形
することにより、該付着物等を該ゴム組成物と一体化さ
せて取り除く方法はいくつか知られており、例えば、米
国特許第3476599号にはそのための組成物が開示
されている。
【0003】しかしながら上記提案には、本発明に用い
られる特定ムーニー粘度のエチレン・プロピレン・ジエ
ン系ゴム生地の使用及び特定のアクリル酸もしくはメタ
クリル酸のジエステルの使用についてなど何等の記載も
示唆もなく、また、この方法による金型の清掃は必ずし
も十分とはいい難いものであり、特に汚染のひどい金型
では1回の清掃作業では不十分であった。
【0004】さらに、該提案の実施例ではゴム生地とし
てSBRを用いているが、硫黄を加硫剤として用いてい
る実施例1では、硫黄の分解生成物による金型腐蝕を引
き起こすことがあり、有機過酸化物を加硫剤として用い
ている実施例2では加硫速度が早過ぎるため加硫度合の
コントロールが容易でない。
【0005】また、特開昭58−114932号公報に
は、「天然ゴム、合成ゴム又はそれらのブレンド物より
なるゴム主材に対して、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤
等の通常のゴム配合剤と共に、清浄成分としてモノエタ
ノールアミンと少量の脂肪酸セッケン及びアンモニア発
生剤とを混合した清浄用ゴム組成物を金型内に仕込み、
加熱、加圧して該ゴム組成物を加硫した後、この加硫ゴ
ム成形物を金型から取り出すことを特徴とするゴム製品
成形用金型の清浄方法」及びこれに用いる「ゴム製品成
形用金型清浄用ゴム組成物」に関して開示されている。
【0006】しかしながらこの第2の提案にも本発明に
用いられる特定ムーニー粘度のエチレン・プロピレン・
ジエン系ゴム生地の使用及び特定のアクリル酸もしくは
メタクリル酸のジエステルの使用についてなど何等の記
載も示唆もなく、その上、該提案の方法によると、加硫
時に発生するアンモニア等の気体のために金型と「清浄
用ゴム組成物」との密着が阻害され、かえって金型の清
掃効果が損われることがあり、また、加硫後のゴム状物
の強度が不足しがちで該ゴム状物がちぎれて金型に残存
する場合があって、清浄化後の成形に支障をきたすこと
があるなどの問題点があった。
【0007】さらに、該第2の提案の実施例でも、ゴム
生地として天然ゴム又はSBRを用い、加硫剤として硫
黄を用いているため、前記第1の提案の実施例における
と同様な問題点があることも明らかになった。
【0008】また、特開昭63−227308号公報に
は、未加硫ゴム生地として好適にはムーニー粘度ML
1+4(100℃)が20〜70のエチレン・プロピレ
ン・ジエン系ゴム生地を用い、グリコールエーテル類、
イミダゾール及び/又はイミダゾリン類を含有させてな
る「金型再生シート」について記載されている。
【0009】しかしながら、この第3の提案に好適に用
いられる未加硫ゴム生地のムーニー粘度は上記のように
20〜70であり、本発明に用いられる20未満のムー
ニー粘度のものが優れた効果を有することについてなど
何等の記載も示唆もない。また、本発明における前記
(d)成分『1分子中に2個以上のビニル基を有する化
合物』の使用についても全く記載も示唆もされていな
い。そして該提案の「金型再生シート」によっても、金
型の清掃効果は未だ十分とはいい難いものであった。
【0010】本発明者等は先に、従来の、アミノアルコ
ール系化合物等の清浄剤を含有する金型清掃用組成物の
有する前記諸問題点、即ち、金型の清掃効果の不十分
さ、加硫度合のコントロールの難しさ、及び、金型の腐
蝕等を解決すべく研究を行った結果、エチレン・プロピ
レン系ゴム生地に対して、特定のアミノアルコール系化
合物、特定の界面活性剤、有機過酸化物、及び、ホワイ
トカーボンをそれぞれ特定量含有してなる特定硬化速度
の組成物であり、且つ、該組成物の加硫後のJIS硬度
が特定範囲であるような清掃用組成物を用いることによ
って上記問題点を解決し得ることを見出し、特許出願を
行った(特開平2−175210号)。
【0011】しかしながら最近とみに、ゴム系成形品と
して、特に、例えば、自動車のサイドモールやオーディ
オ製品用防振ゴム等、表面にシボ加工が施されるなど精
細な形状や凹凸を有するものや細孔もしくは精細な切り
欠き部等を有するものなど精巧精密なゴム系成形品が成
形されるようになってきており、このような成形品用と
して使用する微細加工を施した金型を清掃するには、先
の発明におけるゴム系組成物を用いても、微妙な金型表
面の凹凸部分の微細な溝部や金型キャビティの隅々まで
該組成物が行き渡らなかったり、細いピンあるいは薄い
突起を有する金型などではそれ等を曲げてしまったり、
加硫後のゴム状物の離脱が容易でなく、時としてちぎれ
たゴム状物がキャビティなどに付着残留したりするなど
の新たな問題が発生することがあった。
【0012】
【発明の解決すべき課題】本発明者等は、特に前記微細
加工を施した金型の清掃を可能にする優れた清掃用組成
物を得るべく、さらに研究を続けた結果、先の発明の組
成物において、エチレン・プロピレン系ゴム生地とし
て、特に低いムーニー粘度値を有するエチレン・プロピ
レン・ジエン系ゴム生地を用い、また、1分子中に2個
以上のビニル基を有する化合物を特定量配合して得た清
掃用組成物は、加熱加圧時に低粘度となるため流動性が
大きく微細な凹凸部にも隈無く侵入し、加硫により速や
かに弾性に富んだ柔軟なゴム状物となるため、微妙な金
型表面の凹凸部分の微細な溝部や金型キャビティの隅々
まで清掃することができるとともに、細いピンもしくは
薄い突起を有する金型であっても、これら精細な構造を
損傷することなく清掃することができる極めて優れた清
掃用組成物となることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ムーニー粘度
ML1+4(100℃)が20未満のエチレン・プロピ
レン・ジエン系ゴム生地100重量部に対して、(a)
融点が100℃以下で且つ沸点が150℃以上のアミノ
アルコール系化合物10〜50重量部、(b)HLB値
が5〜15の非イオン系界面活性剤であって、その分子
中にポリオキシエチレン鎖を有するもの1〜8重量部、
(c)有機過酸化物1〜6重量部、(d)特定のアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸のジエステル 2〜8重量
部、及び、(e)ホワイトカーボン10〜50重量部を
含有してなることを特徴とする金型清掃用ゴム系組成物
の提供を目的とするものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明組成物は、ムーニー粘度ML1+4
(100℃)(以下、単にムーニー粘度ということがあ
る)が20未満のエチレン・プロピレン・ジエン系ゴム
生地を主成分量として含有する。
【0016】上記エチレン・プロピレン・ジエンゴム
(以下、EPDMと略称することがある)とは、エチレ
ン、α−オレフイン(特にプロピレン)およびポリエン
モノマーからなるターポリマーである。
【0017】ポリエンモノマーとしては、ジシクロペン
タジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,1−シク
ロオクタジエン、1,6−シクロドデカジエン、1,7
−シクロドデカジエン、1,5,9−シクロドデカトリ
エン、1,4−シクロペタジエン、1,4−シクロヘキ
サジエン、ノルボルナジエン、メチレンノルボルネン、
2−メチル−1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジ
エン、1,6−ヘプタジエン、メチル−テトラヒドロイ
ンデン、1,4−ヘキサジエン等を挙げることができ
る。該EPDMにおける各モノマーの共重合割合は、好
ましくはエチレンが30〜80モル%、ポリエンが0.
1〜20モル%で残りがα−オレフインであり、より好
ましくはエチレンが30〜60モル%のものである。
【0018】上記EPDMのムーニー粘度は、20未
満、好ましくは5〜15である必要がある。ムーニー粘
度が該上限値以上では、微細加工を施した複雑な金型を
清掃するとき、金型キャビティーの隅々まで清掃用組成
物が行き渡らないことがあり清掃効果が悪くなりがちな
ので好ましくない。また、ムーニー粘度が5以上であれ
ば、加硫後のゴム状物が適度の強度を有しているので、
その金型からの取り出しが容易に行われるので好まし
い。
【0019】なお、本発明組成物にEPDMを採用した
理由は、EPDM以外のジエン系ゴムの場合、通常硫黄
を用いて加硫が行われるが、硫黄の分解生成物による金
型腐蝕を引き起し易く、また、硫黄を用いずに有機過酸
化物による加硫を行う場合には、加硫速度が早過ぎるた
め加硫度合のコントロールが極めて難かしいという問題
があり、さらに、アミノアルコール系化合物や界面活性
剤の混和性の面でもEPDMが優れているためである。
【0020】本発明の組成物は、前記の如きEPDM生
地100重量部に対して、融点が100℃以下で且つ沸
点が150℃以上、好ましくは、170℃以上のアミノ
アルコール系化合物(a)10〜50重量部、好ましく
は15〜45重量部、を含有してなるものである。
【0021】上記融点が100℃を超えては、EPDM
との混練時(混練温度:通常100〜120℃)に混入
しにくく、均一分散も困難であるなどの理由で好ましく
ない。また沸点が上記上限値未満では、金型清掃作業
時、即ち、上記組成物の金型中での加硫時にアミノアル
コール系化合物が揮散して、その臭気により作業環境が
損われるので好ましくない。
【0022】このようなアミノアルコール系化合物とし
ては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノール
アミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジ−
i−プロピルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノ
ールアミン、N,N−ジ−n−ブチルエタノールアミ
ン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ヒドロキ
シエチルエチレンジアミン、モノ−n−プロパノールア
ミン、ジ−i−プロパノールアミン、トリ−i−プロパ
ノールアミン、エチレングリコールモノ−2−アミノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノ−3−アミノ
プピルエーテル、1−ヒドロキシメチル−3−アミノプ
ロパン、N−ヒドロキシエチルピペラジン、N,N’−
ビス−3−ヒドロキシプロピルピペラジン等を挙げるこ
とができる。
【0023】これらの中、入手の容易さ等の理由から、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N
−ジ−n−ブチルエタノールアミン、N−ヒドロキシエ
チルエチレンジアミン、モノ−n−プロパノールアミ
ン、ジ−i−プロパノールアミン、トリ−i−プロパノ
ールアミン等が特に好ましい。
【0024】前記アミノアルコール系化合物の使用量が
前記下限値未満では、金型の清掃効果の点で不満足とな
ることがあるので好ましくなく、一方、前記上限値を超
えては、清掃用組成物の調製が困難になるとともに、清
掃用組成物の表面に該化合物がブリードして取扱い上不
都合を生じ易く、さらに、清掃後の金型に該アミノアル
コール系化合物が残留して、以降のゴム成形に支障をき
たす場合があり好ましくない。
【0025】本発明の清掃用組成物は、前記特定のアミ
ノアルコール化合物(a)とともに、HLB値が5〜1
5の非イオン系界面活性剤であって、その分子中にポリ
オキシエチレン鎖を有するもの(b)を含有している。
【0026】上記HLB値が5未満では、EPDM系ゴ
ム生地との相溶性が小さ過ぎるためブリードし易く、清
掃後の金型表面に残留することがあり、また、該HLB
値が15を超えては、得られる清掃用組成物の清掃効果
が不十分となることがあり、好ましくない。
【0027】このような非イオン系界面活性剤として
は、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノールエー
テル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル
等のポリオキシエチレンアルキル(例えば、炭素数6〜
12)フェノールエーテル;例えば、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリ
オキシエチレンアルキル(例えば、炭素数10〜20)
エーテルもしくはアルケニル(例えば、炭素数10〜2
0)エーテル;
【0028】例えば、ポリオキシエチレンステアレー
ト、ポリオキシエチレンオレート等のポリオキシエチレ
ン高級脂肪酸(例えば、炭素数10〜20)エステル;
例えば、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油エーテル等の
水酸基含有高級脂肪酸(例えば、炭素数10〜20)も
しくはその水素添加物のポリオキシエチレンエーテル;
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコ
ポリマー;例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂
肪酸(例えば、炭素数10〜20)エステル;
【0029】例えば、ポリオキシエチレンソルビトール
モノオレート等のポリオキシエチレンソルビトール高級
脂肪酸(例えば、炭素数10〜20)エステル;等を挙
げることができ、入手の容易性等の観点よりポリオキシ
エチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル等の使用が好ましい。
【0030】前記非イオン系界面活性剤の使用量は、E
PDM生地100重量部に対して1〜10重量部、好ま
しくは1〜6重量部である。該使用量が該下限値未満で
は清掃効果が不十分となり易く好ましくない。また、該
使用量が該上限値を超えては、界面活性剤がブリードを
起こして清掃後の金型表面に残留することがあり好まし
くない。
【0031】本発明の清掃用組成物は、前記アミノアル
コール系化合物(a)及び前記非イオン系界面活性剤
(b)とともに、有機過酸化合物(c)を含有してな
る。上記の有機過酸化物(c)としては、必ずしも限定
されるものではなく、前記EPDMを加硫し得るものな
らいずれも使用可能であるが、該過酸化物のベンゼン溶
液(ベンゼン11中有機過酸化物0.2モル)の半減期
が10時間となる温度(以下、単に半減期温度と略称す
ることがある)が100〜140℃、特に、110〜1
30℃であるような有機過酸化物を用いるのが好まし
い。
【0032】上記半減期温度が上記下限値以上なら、清
掃用組成物調製に際して、混練時における有機過酸化物
の分解による減少を少量に抑えることができるとともに
該組成物の貯蔵安定性にも優れており、また、半減期温
度が上記上限値以下なら、金型清掃作業における該組成
物の加硫反応が比較的短時間に完了し、且つ、加硫後の
ゴム状物の金型からの離型も容易に行うことができるの
で、該半減期温度が上記範囲内の有機過酸化物を用いる
のが好ましい。
【0033】このような有機過酸化物(c)としては、
例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミ
ルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
−3、α,α’−ビス(tーブチルパーオキシ)ジイソ
プロピルベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチ
ルパーオキシフタレート、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン−
3、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブ
チルケトンパーオキサイド等を挙げることができ、
【0034】これらのうち、混練時の安定性、得られる
清掃用組成物の保存性及び加硫速度の速さ等の理由か
ら、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジ
イソプロピルベンゼン等の使用が特に好ましい。
【0035】前記有機過酸化物(c)の使用量は、前記
EPDM生地100重量部に対して1〜8重量部、好ま
しくは2〜6重量部である。有機過酸化物(c)が該下
限値未満では金型清掃作業時における清掃用組成物の加
硫が不十分となりがちであり、一方、該上限値を超えて
は、該組成物の加硫が進みすぎて脆くなることが多く、
いずれの場合にも加硫後のゴム状物の金型からの剥離が
面倒になり、場合によってはゴム状物の一部が金型表面
に局部的に残留するなどの問題が生ずるので好ましくな
く、また、該過酸化物を該上限値を超えて用いると、該
組成物の金型清掃効果も低下することが多い。
【0036】本発明の清掃用組成物は、更に、1分子中
に2個以上のビニル基を有する化合物(以下、ポリ不飽
和化合物ということがある)(d)を含有してなる。
【0037】このようなポリ不飽和化合物(d)として
は、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル
ジアクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエ
ーテルジメタクリレート、トリエチレングリコールジグ
リシジルエーテルジメタクリレート、プロピレングリコ
ールジグリシジルエーテルジアクリレート、ソルビトー
ルテトラグリシジルエーテルテトラメタクリレート、グ
リセロールトリグリシジルエーテルトリアクリレート、
ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルジアクリレー
ト等のポリエポキシ化合物のポリ(メタ)アクリレート
類;
【0038】例えば、エチレングリコールジメタクリレ
ート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエ
チレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリ
コールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシ
ビバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ト
リメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の
ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類;
【0039】例えば、アリルアクリレート、アリルメタ
クリレート等の(メタ)アリル(メタ)アクリレート;
例えば、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジア
リルイタコネート等のラジカル重合性ジカルボン酸の
(メタ)アリルエステル;例えば、ジアリルフタレー
ト、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート等の上記以外のポリカルボン酸の(メタ)アリルエ
ステル;等を挙げることができる。
【0040】これらポリ不飽和化合物(d)のうち、入
手の容易さ、得られる金型清掃用ゴム系組成物の清掃効
果のよさ等の観点から、ポリオールのポリ(メタ)アク
リレート類の使用が好ましく、ジオールのジ(メタ)ア
クリレート類(例えば、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラ
エチレングリコールジアクリレート、トリプロピレング
リコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジア
クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロ
キシビバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート
など)の使用が特に好ましい。またこれらはそれぞれ単
独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0041】これらポリ不飽和化合物(d)の使用量
は、前記EPDM生地100重量部に対して1〜8重量
部、好ましくは2〜6重量部である。該使用量が該下限
値未満と少なすぎては、清掃用組成物の架橋が不十分と
なりがちであり、シボ加工等の微細加工を施した金型を
清掃するときなどには、その微細加工部分に加硫後のゴ
ム状物が付着して残ることがあり好ましくなく、一方、
該上限値を超えて多過ぎては、該組成物の架橋が過剰と
なって脆くなりがちで、逆テーパーなど複雑な形状の金
型を清掃するときには、該ゴム状物がぎれたりして金型
中に残留することがあり好ましくない。
【0042】更にまた、本発明の清掃用組成物は、充填
剤として、前記EPDM生地100重量部に対して、1
0〜50重量部、好ましくは20〜40重量部のホワイ
トカーボンを含有してなる。充填剤としてホワイトカー
ボンを選ぶのは、該組成物加硫後のゴム状物の金型離型
性が良いこと、金型を汚染している各種付着物の除去状
態が明瞭にわかるように該組成物を白色系に着色し得る
ことなどの理由による。上記ホワイトカーボンの含有量
が上記下限値未満では、上記ゴム状物の硬さが不足して
ちぎれがちになり、また、上記上限値を超えては、金型
キャビティーの形状が逆テーパー部分を有するなど複雑
な場合、該ゴム状物が硬くなりすぎて抜け難くなり、い
ずれの場合も金型からの離型性に問題が生じ易いので好
ましくない。
【0043】本発明の清掃用組成物は、充填剤としてホ
ワイトカーボンの他に、その他の無機質充填剤を含有す
ることができる。このような無機質充填剤としては、炭
酸カルシウム及び酸化チタンが好適に用いられる。これ
ら充填剤の使用量は、前記EPDM生地100重量部に
対して、炭酸カルシウム1〜20重量部、特には2〜1
0重量部;酸化チタン0.5〜10重量部、特には1〜
5重量部;であるのが好ましい。酸化チタンは、金型付
着物の除去状態が明瞭に観察できるように、清掃用組成
物加硫後のゴム状物の白度を高くするために用いられ、
アナターゼ型又は、ルチル型のいずれでも使用できる。
【0044】また、充填剤としてはこれらの他に、本発
明の卓越した作用効果を妨げない範囲において、ホワイ
トカーボン以外の酸化珪素、酸化アルミニウム、水酸化
アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、クレ
ー、タルク等を併用することも可能である。
【0045】本発明の金型清掃用ゴム系組成物は、EP
DM生地に対して、前記の特定のアミノアルコール系化
合物(a)、特定の非イオン系界面活性剤(b)、有機
過酸化物(c)、ポリ不飽和化合物(d)及びホワイト
カーボン(e)の他に、加硫助剤として酸化亜鉛及びス
テアリン酸を含有するのが好ましい。
【0046】酸化亜鉛の使用量は、得られる組成物の金
型清掃作業性の良さの観点から、EPDM地100重量
部に対して1〜10重量部、特には3〜7重量部である
のが好ましい。また、ステアリン酸の使用量は、同様の
理由より、該EPDM生地100重量部に対して0.5
〜5重量部、特には、0.8〜3重量部であるのが好ま
しい。
【0047】本発明の清掃用組成物は、これら配合物の
他、必要に応じて、例えば、弁柄、紺青、鉄黒、群青、
カーボンブラック、リトポン、チタンイエロー、コバル
トブルー、ハンザイエロー、ベンジジンエロー、レーキ
レッド、アニリンブラック、ジオキサジンバイオレッ
ト、キナクリドンレッド、キナクリドンバイオレット、
ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシ
アニングリーンなどの無機もしくは有機顔料類;例え
ば、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムなどの滑剤;
等を併用することができる。
【0048】本発明の組成物の調製方法としては、特に
限定されるものではなく、公知の方法を採用することが
できる。例えば、ジャケット付き加圧型ニーダー中にE
PDM生地を投入して混練し、ゴム生地がモチ状にな
り、その温度が70〜110℃となった時点で、ホワイ
トカーボン、アミノアルコール系化合物、ポリ不飽和化
合物、非イオン系界面活性剤、ステアリン酸等を添加し
て数分間混練する。ゴム生地の温度は100〜120℃
にやゝ上昇する。次いで有機過酸化物を添加して手早く
分散させた後取り出し、必要に応じて、例えばシート状
等の適宜の形状に成形して本発明の組成物とする。
【0049】混練手段としては、上記加圧型ニーダーの
外に、例えば、バンバリーミキサー、ロールミキサー等
を挙げることができる。
【0050】本発明の組成物の形態は、特に限定され
ず、シート状、ブロック状、ペレット状など清浄化すべ
き金型に応じて適宜選択することができる。例えば、圧
縮成形用の金型にはシート状組成物が好ましく、移送成
形用金型にはブロック状組成物が、射出成形用金型には
ペレット状組成物が好ましい。但し、薄いシート状組成
物の場合には、丸めてブロック状としたり、ちぎってペ
レット状とすることにより移送成形用金型や射出成形用
金型にも使用可能である。このように本発明の組成物の
形態としては、シート状であるのが好ましい。
【0051】本発明の金型清掃用ゴム系組成物は、その
キュラストメーターによる170℃における加硫速度
が、T90値で4〜8分であるのが好ましく、4.5〜
7分であるのが特に好ましい。該T90値が該上限値以
下であれば、加硫速度が遅くなり過ぎることがなく、一
般のゴム成形サイクル程度の条件に合せて清掃作業を行
う場合にも未加硫状態の該組成物がキャビテイー内に残
るなどの不都合が生じにくく、一方、該下限値以上であ
れば、該組成物が流動してキャビティーのすみずみにま
で行きわたって加硫が進行するので清掃効果が低下する
ことがないので好ましい。
【0052】更に、本発明組成物加硫後のゴム状物のJ
IS硬度は、20〜70であるのが好ましく、30〜6
0であるのが特に好ましい。JIS硬度が該下限度以上
であれば、ゴム状物が軟かすぎることがなくちぎれにく
いため、金型からの離型性が優れており、該上限値以下
であれば、特に金型キャビテイー形状が逆テーパー部分
を有する等複雑な場合などでも、金型を傷付けたり、加
硫物が離型しにくくなるなどの問題が生じにくいので好
ましい。
【0053】また、上記ゴム状物の引張強度は、上記同
様金型からの離型性の観点から、約25〜75kg/c
、特には約30〜65kg/cmであるのが好ま
しい。
【0054】本発明の組成物の使用に当っては、各種ゴ
ムの成形によって汚染された金型中に該組成物を装填
し、ゴムの成形条件とほゞ同じ条件、例えば、金型温度
150〜200℃で成形加硫するだけで該金型を取りは
ずすことなしに清掃することができる。
【0055】本発明の組成物の貯蔵及び運搬に際して
は、該組成物をポリエチレン等の袋に入れて密封するの
が好ましく、特に該組成物がシート状である場合にはシ
ート間にポリエチレン等の適宜なシートをはさんで積層
し、または、ロール状にした後、ポリエチレン等の袋に
入れて密封するのが好ましい。
【0056】
【実施例】以下、実施例と比較例により本発明を一層詳
細に説明する。なお、これら実施例及び比較例における
各種試験方法は次のとおりである。
【0057】(1) 加硫速度 JSR型キュラストメーターを使用し、170℃に温度
調節された下金型キャビテイー内へ試料をチャージし、
上金型を閉じて測定開始する。試料の加硫の進行に伴っ
て上昇するトルク値と時間との関係をプロットし、最大
トルク値の90%のトルク値に達するまでの時間を加硫
速度の指標T90値とする。
【0058】(2) ゴム状物のJIS硬度 JIS K−6301に従って測定する。 試験片の作成条件:37t自動プレスを用い、未加硫試
料を金型温度180℃、成形圧140kg/cm(ゲ
ージ圧)、成形時間5分にて成形加硫を行う。 試験片サイズ:80×160×2mm、3枚重ね。
【0059】(3) ゴム状物の引張強度及び伸び JIS K−6301に準じて測定する。 試験片:前(2)項で作成した80×160×2mmの
シート状物を3号ダンベル状に打ち抜き試験片とする。
【0060】(4) 取扱作業性 シート状の金型清浄化用組成物の運搬や清掃作業時にお
ける取扱い作業性を次の基準に従って評価する。 ◎…各種配合剤の組成物シート表面へのブリードなく、
取扱作業性優秀。 ○…各種配合剤の組成物表面シートへのブリート少な
く、取扱い上不都合なし。 △…各種配合剤の組成物シート表面へのブリードがあ
り、取扱い上やや問題あり。 ×…各種配合剤の組成物シート表面へのブリード大で、
取扱い困難である。
【0061】(5) 作業環境(臭気) シート状の金型清浄化用組成物の貯蔵、運搬時の臭気及
び清掃作業時の臭気の度合を次の基準に従って評価す
る。 ◎…貯蔵、運搬時及清掃作業時の臭気極めて少。 ○…貯蔵、運搬時の臭気はほとんどなく、清掃作業時の
臭気も比較的少。 △…貯蔵、運搬時はあまり臭気がないが、清掃作業時の
臭気やや大。 ×…貯蔵、運搬時にも臭気が感じられ、清掃作業時の臭
気激しい。
【0062】(6) 金型キャビティー内充填性 SBRの成形[37tプレストランスファー成形、金型
温度170℃、成形圧10kg/cm(ゲージ圧)、
加圧時間5分]を500ショット行うことによって汚染
された自動車のウェザースリップ・ウィンドウシールド
継手成形用金型を用い、金型清掃用組成物によって同様
条件で2ショット成形操作を行い、該金型キャビティー
内へ該組成物の充填状態を調べ、次の基準に従って判定
する。
【0063】◎…細部まで完全に充填されている。 ○…ほぼ充填されている。 △…わずかに非充填箇所あり。 ×…非充填箇所かなりあり。
【0064】(7) 金型清掃性 前(6)項で用いたと同様の金型を用い、同様の条件で
SBR成形品(a)を成形した後、金型清浄化用組成物
を用いて2ショット同様条件で成形操作を行い、次いで
再び同様条件でSBR成形品(b)を成形する。成形品
(a)と比較した成形品(b)の表面光沢、凹凸等の外
観の向上の度合を次の基準に従って判定する。
【0065】◎…顕著に改善されている ○…かなりに改善されている △…わずかに改善されている ×…改善の効果認められない
【0066】(8) 金型離型性 前(7)金型清掃性の試験において、金型清掃用組成物
を用いた成形操作の後、該組成物加硫後のゴム状物の金
型離型の難易度を次の基準に従って判定する。 ◎
…ゴム状物が金型に全く残留することなく容易に且つ迅
速に離型できる。 ○…ゴム状物の離型に際し、少し注意深く行うことによ
り金型キャビティーに全く残留することなく離型でき
る。 △…ゴム状物が金型に一部残留するが、残留物は比較的
容易に除去できる。 ×…ゴム状物の金型残留多く残留物の除去に手間がかか
る。
【0067】(9) 金型表面ブリード性 前(7)金型離型性試験後の金型表面の、金型清浄化用
組成物使用によるブリード発生の程度を次の基準に従っ
て目視により判定する。 ◎ ブリードなし。 ○…わずかにブリードが認められる。 △…ブリードあり。 ×…ブリード非常に多い。
【0068】(10) 貯蔵安定性 200×300×6mmのシート状金型清浄化用組成物
を2枚の離型紙の離型面の間にはさみ、ポリエチレン袋
で密封する。次いでこれを30℃で1ヶ月間放置してか
ら組成物流動性及び金型清掃性を調べる。
【0069】(10−1) 組成物流動性 JIS K−6300の方法に従って30℃、1ヶ月1
ケ月間放置前の組成物及び放置後の組成物のムーニー粘
度を測定し、その粘度上昇率を求め次の基準に従って評
価する。 ムーニー粘度測定条件:大ロータを使用、測定温度10
0℃、予熱時間1分、ロータ始動4分後の測定値をムー
ニー粘度とする。
【0070】◎…粘度上昇率10%以下。 ○…粘度上昇率10%を超え、30%以下。 △…粘度上昇率30%を超え、60%以下。 ×…粘度上昇率60%を超えるもの。
【0071】(10−2) 金型清掃性 30℃、1ケ月放置した金型清浄化用組成物を用いて、
前(6)項と同様に試験を行い、次の基準に従って評価
する。 ◎…金型清掃性優秀。30℃、1ケ月放置前のものの結
果とほとんど差がない。 ○…金型清掃性良好であり、30℃、1ケ月放置前のも
のの結果とほとんど差がないか、やや差があっても許容
限度内。 △…金型清掃性やや劣るか、あるいは、30℃、1ケ月
放置前のものの結果と比較して清掃性に低下が認められ
る。 ×…金型清掃性劣るか、あるいは、30℃、1ケ月放置
前のものの結果と比較して清掃性低下が極めて顕著であ
る。
【0072】実施例1 3000mlのジャケット付き加圧型ニーダー中にEP
DM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃)8のも
の]を1.5kg添加し、冷却しながら約3分間加圧混
練すると、EPDM生地はモチ状になり、その温度は約
80℃となった。次いでモノエタノールアミン(ME
A)300g、ポリオキシエチレンノニルフェノールエ
ーテル(POENPE)系界面活性剤(HLB約13)
60g、ステアリン酸(StA)15g、ホワイトカー
ボン375g、エチレングリコールジメタクリレート
(EDMA)75g、炭酸カルシウム(CaCO)7
5g、酸化チタン(TiO)75g及び酸化亜鉛(Z
nO)75g(EPDM生地100重量部に対して、そ
れぞれ20,4,1,25,5,5,5及び5重量部)
を加えて約3分間混練した。最後にジクミルパーオキサ
イド(DQPO)(半減期温度117℃)45g(EP
DM生地100重量部に対して、3重量部)を加えて引
続き約1分間混練した。この間の混練物温度は100℃
を超えないように調節した。
【0073】かくして得られた金型清掃用ゴム系組成物
を用いて、前記の試験方法に従って試験を行った。該組
成物の配合組成を表1に、各種試験結果を表2に示す。
【0074】比較例1 実施例1において、ムーニー粘度8のEPDM生地を用
いる代わりに、ムーニー粘度23のEPDM生地を用い
る以外は同様にして金型清掃用ゴム系組成物を得、以下
同様に試験を行った。該組成物の配合組成を表1に、各
種試験結果を表2に示す。
【0075】実施例2及び比較例2〜3 実施例1において、MEAの使用量を変える以外は同様
にして金型清掃用ゴム系組成物を得、以下同様に試験を
行った。該組成物の配合組成を表1に、各種試験結果を
表2に示す。
【0076】実施例3 実施例1において、MEAの代わりに、モノ−3−プロ
パノールアミン(MPA)を用いる以外は同様にして金
型清掃用ゴム系組成物を得、以下同様に試験を行った。
該組成物の配合組成を表1に、各種試験結果を表2に示
す。
【0077】実施例4〜5及び比較例4〜5 実施例1において、POENPE系界面活性剤の使用量
を変える以外は同様にして金型清掃用ゴム系組成物を
得、以下同様に試験を行った。該組成物の配合組成を表
1に、各種試験結果を表2に示す。
【0078】実施例6〜7及び比較例6〜7 実施例1において、DQPOの使用量を変える以外は同
様にして金型清掃用ゴム系組成物を得、以下同様に試験
を行った。該組成物の配合組成を表1に、各種試験結果
を表2に示す。
【0079】実施例8及び比較例8〜9 実施例1において、ホワイトカーボンの使用量を変える
以外は同様にして金型清掃用ゴム系組成物を得、以下同
様に試験を行った。該組成物の配合組成を表1に、各種
試験結果を表2に示す。
【0080】実施例9〜10及び比較例11〜12 実施例1において、ポリ不飽和化合物EDMAの使用量
を変える以外は同様にして金型清掃用ゴム系組成物を
得、以下同様に試験を行った。該組成物の配合組成を表
1に、各種試験結果を表2に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【発明の効果】本発明の金型清掃用ゴム系組成物は、特
定の低ムーニー粘度のEPDM生地に対して、特定のア
ミノアルコール系化合物、特定の界面活性剤、有機過酸
化物、ポリ不飽和化合物、及び、ホワイトカーボンをそ
れぞれ特定量含有してなるものである。
【0084】このことにより本発明の金型清掃用ゴム系
組成物は、加熱加圧時に低粘度となるため流動性が大き
く微細な凹凸部にも隈無く侵入し、加硫により速やかに
弾性に富んだ柔軟なゴム状物となるため、例えば、自動
車のサイドモール成形用金型等表面にシボ加工が施され
るなど精細な形状や凹凸を有する金型の清掃に際して
も、微妙な金型表面の凹凸部分の微細な溝部や金型キャ
ビティの隅々まで清掃することができるとともに、オー
ディオ製品用防振ゴム成形用金型等細いピンもしくは薄
い突起を有する金型であっても、これら精細な構造を損
傷することなく清掃することができ、且つ、加硫後のゴ
ム状物の離脱が容易にでき、ゴム状物がキャビティなど
に付着残留することのない優れた特性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 3/60 //(C11D 3/60 3:37 3:30 3:39 3:20 3:12)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムーニー粘度ML1+4(100℃)が20未満のエ
    チレン・プロピレン・ジエン系ゴム生地100重量部に対
    して、(a) 融点が100℃以下で且つ沸点が150℃以上のア
    ミノアルコール系化合物 10〜50重量部、(b) HLB値が5
    〜15の非イオン系界面活性剤であって、その分子中にポ
    リオキシエチレン鎖を有するもの 1〜8重量部、(c)
    有機過酸化物 1〜6重量部、(d) 1分子中に2個以上
    のビニル基を有する化合物 2〜8重量部、及び、(e)
    ホワイトカーボン 10〜50重量部を含有してなることを
    特徴とする金型清掃用ゴム系組成物。
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