JPH05262917A - スコーチ防止剤及び低スコーチ性ゴム組成物 - Google Patents
スコーチ防止剤及び低スコーチ性ゴム組成物Info
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- JPH05262917A JPH05262917A JP9580392A JP9580392A JPH05262917A JP H05262917 A JPH05262917 A JP H05262917A JP 9580392 A JP9580392 A JP 9580392A JP 9580392 A JP9580392 A JP 9580392A JP H05262917 A JPH05262917 A JP H05262917A
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- rubber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 有機過酸化物を含むゴム組成物の成形におい
て、成形初期の架橋反応(スコーチ)を抑制できるスコ
ーチ防止剤を提供すること。また、ゴム、エチレン性不
飽和低級カルボン酸金属塩及び有機過酸化物を含有する
ゴム組成物に対して、優れたスコーチ防止機能を有し、
かつ、ゴム組成物の架橋及びメタクリル酸亜鉛の重合を
良好に起こさせるスコーチ防止剤、及び該ゴム組成物を
提供すること。 【構成】 キノン系化合物、チウラム系化合物、チアゾ
ール系化合物、及びニトロソアミン系化合物からなる群
より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分とす
るスコーチ防止剤。ゴム、エチレン性不飽和低級カルボ
ン酸金属塩、及び有機過酸化物を含有するゴム組成物に
おいて、スコーチ防止剤として、キノン系化合物、チウ
ラム系化合物、チアゾール系化合物、及びニトロソアミ
ン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の
化合物を含有せしめてなることを特徴とする低スコーチ
性ゴム組成物。
て、成形初期の架橋反応(スコーチ)を抑制できるスコ
ーチ防止剤を提供すること。また、ゴム、エチレン性不
飽和低級カルボン酸金属塩及び有機過酸化物を含有する
ゴム組成物に対して、優れたスコーチ防止機能を有し、
かつ、ゴム組成物の架橋及びメタクリル酸亜鉛の重合を
良好に起こさせるスコーチ防止剤、及び該ゴム組成物を
提供すること。 【構成】 キノン系化合物、チウラム系化合物、チアゾ
ール系化合物、及びニトロソアミン系化合物からなる群
より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分とす
るスコーチ防止剤。ゴム、エチレン性不飽和低級カルボ
ン酸金属塩、及び有機過酸化物を含有するゴム組成物に
おいて、スコーチ防止剤として、キノン系化合物、チウ
ラム系化合物、チアゾール系化合物、及びニトロソアミ
ン系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の
化合物を含有せしめてなることを特徴とする低スコーチ
性ゴム組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スコーチ防止剤及び低
スコーチ性ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、ゴムの
有機過酸化物架橋において使用されるスコーチ防止剤、
特に、ゴム及びエチレン性不飽和低級カルボン酸金属塩
を含有するゴム組成物の有機過酸化物架橋において好適
なスコーチ防止剤、及び該スコーチ防止剤を含有し、貯
蔵安定性と加硫成形時の流動性に優れ、しかも加硫特性
に優れた低スコーチ性ゴム組成物に関する。
スコーチ性ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、ゴムの
有機過酸化物架橋において使用されるスコーチ防止剤、
特に、ゴム及びエチレン性不飽和低級カルボン酸金属塩
を含有するゴム組成物の有機過酸化物架橋において好適
なスコーチ防止剤、及び該スコーチ防止剤を含有し、貯
蔵安定性と加硫成形時の流動性に優れ、しかも加硫特性
に優れた低スコーチ性ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム組成物は、プレス成形、押出成形、
射出成形等の各種成形法で所望の形状に成形すると共
に、添加した架橋剤により架橋反応を起こさせて、強度
等の機械的特性を向上させる。
射出成形等の各種成形法で所望の形状に成形すると共
に、添加した架橋剤により架橋反応を起こさせて、強度
等の機械的特性を向上させる。
【0003】ゴムに架橋剤等の各種配合剤を添加したゴ
ム組成物は、ゴム製品を製造する工程において、ゴムの
素練りから架橋までの間に、混練り、熟成、ロール、カ
レンダー圧延、押出し、射出成形などの工程を経過し、
種々の熱履歴を受ける。その結果、徐々に架橋反応が進
行して弾性を増していくが、この現象をスコーチ(焼
け)と呼んでいる。ゴム組成物が成形工程中にスコーチ
を起こすと、圧延生地の収縮が大きくなり、押出し、カ
レンダー後の肌荒れ、あるいは製品外観不良や物性の低
下につながる。
ム組成物は、ゴム製品を製造する工程において、ゴムの
素練りから架橋までの間に、混練り、熟成、ロール、カ
レンダー圧延、押出し、射出成形などの工程を経過し、
種々の熱履歴を受ける。その結果、徐々に架橋反応が進
行して弾性を増していくが、この現象をスコーチ(焼
け)と呼んでいる。ゴム組成物が成形工程中にスコーチ
を起こすと、圧延生地の収縮が大きくなり、押出し、カ
レンダー後の肌荒れ、あるいは製品外観不良や物性の低
下につながる。
【0004】プレス成形では、金型内に高温のゴム組成
物を流動状態で充填してからプレスを行い、ゴムの架橋
反応を起こさせる必要がある。ところが、スコーチを起
こし易いゴム組成物の場合、プレス温度が高いと、金型
内にゴム組成物が充填される前に架橋反応が起きてしま
い、その結果、流動不良が生じ、満足な成形物を得るこ
とができない。これは、特に大型の金型を使用したとき
に著しい。
物を流動状態で充填してからプレスを行い、ゴムの架橋
反応を起こさせる必要がある。ところが、スコーチを起
こし易いゴム組成物の場合、プレス温度が高いと、金型
内にゴム組成物が充填される前に架橋反応が起きてしま
い、その結果、流動不良が生じ、満足な成形物を得るこ
とができない。これは、特に大型の金型を使用したとき
に著しい。
【0005】押出成形を行う場合には、ゴム組成物の成
形中に長時間剪断力が掛かるため、ゴム自体が発熱す
る。この発熱により架橋反応が始まってしまうと、やは
り、良好な成形物を得ることができない。射出成形の場
合は、射出成形機内の温度を高温にして瞬時にゴム組成
物を溶融状態にし、金型内に射出するので、架橋反応は
射出後に起きる必要がある。したがって、射出温度で架
橋反応が起きてしまうことは望ましくない。このような
事情から、ゴム組成物の架橋反応は、貯蔵時はもちろん
であるが、成形時にも一定の誘導期間の後に起きること
が望ましい。
形中に長時間剪断力が掛かるため、ゴム自体が発熱す
る。この発熱により架橋反応が始まってしまうと、やは
り、良好な成形物を得ることができない。射出成形の場
合は、射出成形機内の温度を高温にして瞬時にゴム組成
物を溶融状態にし、金型内に射出するので、架橋反応は
射出後に起きる必要がある。したがって、射出温度で架
橋反応が起きてしまうことは望ましくない。このような
事情から、ゴム組成物の架橋反応は、貯蔵時はもちろん
であるが、成形時にも一定の誘導期間の後に起きること
が望ましい。
【0006】ゴムは、一般に、硫黄を架橋剤として架橋
(加硫)されることが多い。硫黄や加硫促進剤等を用い
た硫黄架橋系は、架橋反応に対する誘導期間をもってお
り、しかもスコーチ防止技術が開発されているため、ゴ
ム組成物の貯蔵中または成形初期における架橋反応を抑
制することが可能である。これに対して、架橋剤として
過酸化物を用いた場合には、硫黄加硫系におけるような
誘導期間がないため、過酸化物を配合したゴム組成物
は、成形初期に架橋反応が進行し易く、良好な物性を有
する架橋物を得ることが困難である。
(加硫)されることが多い。硫黄や加硫促進剤等を用い
た硫黄架橋系は、架橋反応に対する誘導期間をもってお
り、しかもスコーチ防止技術が開発されているため、ゴ
ム組成物の貯蔵中または成形初期における架橋反応を抑
制することが可能である。これに対して、架橋剤として
過酸化物を用いた場合には、硫黄加硫系におけるような
誘導期間がないため、過酸化物を配合したゴム組成物
は、成形初期に架橋反応が進行し易く、良好な物性を有
する架橋物を得ることが困難である。
【0007】ところで、ゴムにメタクリル酸亜鉛(亜鉛
ジメタクリレート)などのエチレン性不飽和カルボン酸
の金属塩を配合したゴム組成物は、優れた強度特性を有
する架橋成形品を与えることができる(特開昭53−8
5842号、特開昭59−149938号、特開昭63
−270753号、特開平1−306440号、特開平
1−306441号、特開平1−306441号な
ど)。
ジメタクリレート)などのエチレン性不飽和カルボン酸
の金属塩を配合したゴム組成物は、優れた強度特性を有
する架橋成形品を与えることができる(特開昭53−8
5842号、特開昭59−149938号、特開昭63
−270753号、特開平1−306440号、特開平
1−306441号、特開平1−306441号な
ど)。
【0008】メタクリル酸亜鉛を配合したゴム組成物
は、架橋剤として硫黄架橋系を用いると、メタクリル酸
亜鉛の重合反応が阻害されるため、良好な物性を有する
架橋物が得られない。このため、メタクリル酸亜鉛配合
ゴムにおいて、良好な物性を得るには、架橋剤として過
酸化物を使用することが必要である。
は、架橋剤として硫黄架橋系を用いると、メタクリル酸
亜鉛の重合反応が阻害されるため、良好な物性を有する
架橋物が得られない。このため、メタクリル酸亜鉛配合
ゴムにおいて、良好な物性を得るには、架橋剤として過
酸化物を使用することが必要である。
【0009】しかしながら、前記したとおり、過酸化物
による架橋は、誘導期間がなく成形初期に架橋反応が起
きるため、流動不良を起こす欠点がある。そこで、成形
初期の架橋を防止するために、老化防止剤等のラジカル
捕捉剤を使用すると、過酸化物が分解して発生するラジ
カルが捕捉されるため、スコーチ時間を伸ばすことがで
きるが、過酸化物の添加量を減少させたのと同じ結果に
なり、成形時に必要なゴムの架橋反応及びメタクリル酸
亜鉛の重合反応が阻害され、破断時強度や引張応力等の
特性が低下する。
による架橋は、誘導期間がなく成形初期に架橋反応が起
きるため、流動不良を起こす欠点がある。そこで、成形
初期の架橋を防止するために、老化防止剤等のラジカル
捕捉剤を使用すると、過酸化物が分解して発生するラジ
カルが捕捉されるため、スコーチ時間を伸ばすことがで
きるが、過酸化物の添加量を減少させたのと同じ結果に
なり、成形時に必要なゴムの架橋反応及びメタクリル酸
亜鉛の重合反応が阻害され、破断時強度や引張応力等の
特性が低下する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
過酸化物を含むゴム組成物の成形において、成形初期の
架橋反応(スコーチ)を抑制できるスコーチ防止剤を提
供することにある。また、本発明の目的は、特に、ゴ
ム、エチレン性不飽和低級カルボン酸金属塩及び有機過
酸化物を含有するゴム組成物に対して、優れたスコーチ
防止機能を有し、かつ、ゴム組成物の架橋及びエチレン
性不飽和低級カルボン酸金属塩の重合を良好に起こさせ
るスコーチ防止剤を提供することにある。本発明の他の
目的は、貯蔵安定性が良好で、成形初期の架橋反応を起
こすことなく、しかも架橋物の機械的特性に優れた低ス
コーチ性のゴム、エチレン性不飽和低級カルボン酸金属
塩及び有機過酸化物を含有するゴム組成物を提供するこ
とにある。
過酸化物を含むゴム組成物の成形において、成形初期の
架橋反応(スコーチ)を抑制できるスコーチ防止剤を提
供することにある。また、本発明の目的は、特に、ゴ
ム、エチレン性不飽和低級カルボン酸金属塩及び有機過
酸化物を含有するゴム組成物に対して、優れたスコーチ
防止機能を有し、かつ、ゴム組成物の架橋及びエチレン
性不飽和低級カルボン酸金属塩の重合を良好に起こさせ
るスコーチ防止剤を提供することにある。本発明の他の
目的は、貯蔵安定性が良好で、成形初期の架橋反応を起
こすことなく、しかも架橋物の機械的特性に優れた低ス
コーチ性のゴム、エチレン性不飽和低級カルボン酸金属
塩及び有機過酸化物を含有するゴム組成物を提供するこ
とにある。
【0011】本発明者は、前記従来技術の問題点を克服
するために鋭意研究を重ねた結果、ゴムの有機過酸化物
架橋系、特に、ゴム、エチレン性不飽和低級カルボン酸
金属塩及び有機過酸化物を含有するゴム組成物に、特定
の化合物を配合することにより上記目的を達成できるこ
とを見いだし、その知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
するために鋭意研究を重ねた結果、ゴムの有機過酸化物
架橋系、特に、ゴム、エチレン性不飽和低級カルボン酸
金属塩及び有機過酸化物を含有するゴム組成物に、特定
の化合物を配合することにより上記目的を達成できるこ
とを見いだし、その知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、キノン系化合物、チウラム系化合物、チアゾール系
化合物、及びニトロソアミン系化合物からなる群より選
択される少なくとも1種の化合物を有効成分とするスコ
ーチ防止剤が提供される。また、本発明によれば、ゴ
ム、エチレン性不飽和低級カルボン酸金属塩、及び有機
過酸化物を含有するゴム組成物において、スコーチ防止
剤として、キノン系化合物、チウラム系化合物、チアゾ
ール系化合物、及びニトロソアミン系化合物からなる群
より選択される少なくとも1種の化合物を含有せしめて
なることを特徴とする低スコーチ性ゴム組成物が提供さ
れる。
ば、キノン系化合物、チウラム系化合物、チアゾール系
化合物、及びニトロソアミン系化合物からなる群より選
択される少なくとも1種の化合物を有効成分とするスコ
ーチ防止剤が提供される。また、本発明によれば、ゴ
ム、エチレン性不飽和低級カルボン酸金属塩、及び有機
過酸化物を含有するゴム組成物において、スコーチ防止
剤として、キノン系化合物、チウラム系化合物、チアゾ
ール系化合物、及びニトロソアミン系化合物からなる群
より選択される少なくとも1種の化合物を含有せしめて
なることを特徴とする低スコーチ性ゴム組成物が提供さ
れる。
【0013】以下、本発明について詳述する。本発明で
使用するゴムは、特に限定されず、一般に各種ゴム製品
の製造に使用されるゴムであればよい。このようなゴム
としては、例えば、天然ゴム;ポリイソプレンゴム、ポ
リブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン−
イソプレン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合
体ゴムなどの各種ジエン系合成ゴム;アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジ
エン−イソプレン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエン−アクリレート共重合体ゴム、アクリロニトリ
ル−イソプレン共重合体ゴムなどのエチレン性不飽和ニ
トリル−共役ジエン共重合体ゴム(エチレン性不飽和ニ
トリル単位10〜60重量%);水素化アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体ゴムなどのエチレン性不飽和ニ
トリル−共役ジエン高飽和共重合体ゴム;これらの2種
以上の混合物などが挙げられる。
使用するゴムは、特に限定されず、一般に各種ゴム製品
の製造に使用されるゴムであればよい。このようなゴム
としては、例えば、天然ゴム;ポリイソプレンゴム、ポ
リブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン−
イソプレン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合
体ゴムなどの各種ジエン系合成ゴム;アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジ
エン−イソプレン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエン−アクリレート共重合体ゴム、アクリロニトリ
ル−イソプレン共重合体ゴムなどのエチレン性不飽和ニ
トリル−共役ジエン共重合体ゴム(エチレン性不飽和ニ
トリル単位10〜60重量%);水素化アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体ゴムなどのエチレン性不飽和ニ
トリル−共役ジエン高飽和共重合体ゴム;これらの2種
以上の混合物などが挙げられる。
【0014】本発明で使用するエチレン性不飽和低級カ
ルボン酸金属塩は、1または2以上のカルボキシル基を
有する炭素数5以下のエチレン性不飽和カルボン酸と、
金属とがイオン結合した構造を有するものであり、その
合成法により限定されない。エチレン性不飽和低級カル
ボン酸は、官能基で置換されていてもよいが、官能基に
含まれる炭素数は、上記炭素数に算入されない。
ルボン酸金属塩は、1または2以上のカルボキシル基を
有する炭素数5以下のエチレン性不飽和カルボン酸と、
金属とがイオン結合した構造を有するものであり、その
合成法により限定されない。エチレン性不飽和低級カル
ボン酸は、官能基で置換されていてもよいが、官能基に
含まれる炭素数は、上記炭素数に算入されない。
【0015】エチレン性不飽和低級カルボン酸として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
3−ブテン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;マレイ
ン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノ
エチル等の不飽和ジカルボン酸のモノエステル;前記以
外のエチレン性不飽和多価カルボン酸、及び少なくとも
一価のフリーのカルボキシル基を残した不飽和多価カル
ボン酸のエステルなどが挙げられる。
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
3−ブテン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;マレイ
ン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノ
エチル等の不飽和ジカルボン酸のモノエステル;前記以
外のエチレン性不飽和多価カルボン酸、及び少なくとも
一価のフリーのカルボキシル基を残した不飽和多価カル
ボン酸のエステルなどが挙げられる。
【0016】金属としては、上記エチレン性不飽和カル
ボン酸と塩を形成するものであれば特に限定されず、例
えば、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウ
ム、ベリリウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、
クロム、モリブデン、マンガン、錫、鉛、アンチモン等
を挙げることができる。これらの中でも、ゴム製品の特
性からは、特に、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、及
びアルミニウムが賞用される。
ボン酸と塩を形成するものであれば特に限定されず、例
えば、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウ
ム、ベリリウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、
クロム、モリブデン、マンガン、錫、鉛、アンチモン等
を挙げることができる。これらの中でも、ゴム製品の特
性からは、特に、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、及
びアルミニウムが賞用される。
【0017】これらのエチレン性不飽和低級カルボン酸
金属塩は、ゴムに他の成分と共に配合・混練してゴム組
成物を製造する場合、予め金属塩の形でゴムに配合して
もよく、あるいは、エチレン性不飽和低級カルボン酸と
前記金属の酸化物、水酸化物または炭酸塩とをゴムに添
加して、混練等の操作中にこれらを反応させてゴム中で
金属塩を生成させてもよい。
金属塩は、ゴムに他の成分と共に配合・混練してゴム組
成物を製造する場合、予め金属塩の形でゴムに配合して
もよく、あるいは、エチレン性不飽和低級カルボン酸と
前記金属の酸化物、水酸化物または炭酸塩とをゴムに添
加して、混練等の操作中にこれらを反応させてゴム中で
金属塩を生成させてもよい。
【0018】エチレン性不飽和低級カルボン酸金属塩と
しては、補強効果の点からみて、特にメタクリル酸亜鉛
(亜鉛ジメタクリレート)が好ましい。エチレン性不飽
和低級カルボン酸金属塩の使用量は、特に制限されない
が、通常、ゴム100重量部当たり3〜120重量部、
好ましくは5〜100重量部の範囲である。この配合割
合が3重量部未満または120重量部を越えると、ゴム
製品の強度特性等が劣るので好ましくない。
しては、補強効果の点からみて、特にメタクリル酸亜鉛
(亜鉛ジメタクリレート)が好ましい。エチレン性不飽
和低級カルボン酸金属塩の使用量は、特に制限されない
が、通常、ゴム100重量部当たり3〜120重量部、
好ましくは5〜100重量部の範囲である。この配合割
合が3重量部未満または120重量部を越えると、ゴム
製品の強度特性等が劣るので好ましくない。
【0019】本発明で使用される有機過酸化物は、通常
ゴムの過酸化物架橋に使用されるものであればよく、特
に制限されない。具体的には、例えば、ジクミルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル
クミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−モノ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン等が挙げ
られる。これらの有機過酸化物は、それぞれ単独で、あ
るいは2種以上を組み合わせて使用され、ゴム100重
量部に対して、通常0.2〜10重量部の範囲で使用さ
れるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定す
ることができる。
ゴムの過酸化物架橋に使用されるものであればよく、特
に制限されない。具体的には、例えば、ジクミルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル
クミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−モノ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン等が挙げ
られる。これらの有機過酸化物は、それぞれ単独で、あ
るいは2種以上を組み合わせて使用され、ゴム100重
量部に対して、通常0.2〜10重量部の範囲で使用さ
れるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定す
ることができる。
【0020】本発明で使用するスコーチ防止剤は、キノ
ン系化合物、チウラム系化合物、チアゾール系化合物、
及びニトロソアミン系化合物から選択される化合物であ
り、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
使用することができる。
ン系化合物、チウラム系化合物、チアゾール系化合物、
及びニトロソアミン系化合物から選択される化合物であ
り、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0021】キノン系化合物としては、下記一般式
(I)で表される化合物を挙げることができる。
(I)で表される化合物を挙げることができる。
【0022】
【化1】 (式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、フェ
ニル基、またはハロゲン原子を表す。)
ニル基、またはハロゲン原子を表す。)
【0023】キノン系化合物の具体例としては、p−ベ
ンゾキノン;2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、
2,5−ジクロロ−p−ベンゾキノン、2,5−ジブロ
モ−p−ベンゾキノン、2,5−ジフルオロ−p−ベン
ゾキノン、2,3,5,6−テトラフェニル−p−ベン
ゾキノン、2,3,5,6−テトラクロロ−p−ベンゾ
キノン、2,3,5,6−テトラブロモ−p−ベンゾキ
ノン、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−ベンゾキ
ノン等のp−ベンゾキノンの2,3,5,6位の水素原
子がハロゲンまたはフェニル基で置換された化合物が挙
げられる。
ンゾキノン;2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、
2,5−ジクロロ−p−ベンゾキノン、2,5−ジブロ
モ−p−ベンゾキノン、2,5−ジフルオロ−p−ベン
ゾキノン、2,3,5,6−テトラフェニル−p−ベン
ゾキノン、2,3,5,6−テトラクロロ−p−ベンゾ
キノン、2,3,5,6−テトラブロモ−p−ベンゾキ
ノン、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−ベンゾキ
ノン等のp−ベンゾキノンの2,3,5,6位の水素原
子がハロゲンまたはフェニル基で置換された化合物が挙
げられる。
【0024】チウラム系化合物としては、下記一般式
(II)で表される化合物を挙げることができる。
(II)で表される化合物を挙げることができる。
【0025】
【化2】 (式中、R5及びR6は、アルキル基を表す。)
【0026】チラウム系化合物の具体例としては、テト
ラメチルチラウムジスルフィド、テトラエチルチラウム
ジスルフィド、テトラブチルチラウムジスルフィド等が
挙げられる。チウラム系化合物におけるアルキル基の好
ましい炭素数は、1〜5である。
ラメチルチラウムジスルフィド、テトラエチルチラウム
ジスルフィド、テトラブチルチラウムジスルフィド等が
挙げられる。チウラム系化合物におけるアルキル基の好
ましい炭素数は、1〜5である。
【0027】チアゾール系化合物としては、例えば、
2,2′−ジチオビス(ベンゾチアゾール)、2−メル
カプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾ
ール亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロ
ヘキシルアミン塩、2−(2′,4′−ジニトロフェニ
ルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチ
オカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4′−
モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
2,2′−ジチオビス(ベンゾチアゾール)、2−メル
カプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾ
ール亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロ
ヘキシルアミン塩、2−(2′,4′−ジニトロフェニ
ルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチ
オカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4′−
モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
【0028】ニトロソアミン系化合物としては、例え
ば、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソジメ
チルアミン等が挙げられる。
ば、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソジメ
チルアミン等が挙げられる。
【0029】これらスコーチ防止剤の使用量は、ゴム1
00重量部に対して、通常0.05〜5重量部、好まし
くは0.1〜3重量部である。
00重量部に対して、通常0.05〜5重量部、好まし
くは0.1〜3重量部である。
【0030】本発明のゴム組成物は、ゴムにエチレン性
不飽和低級カルボン酸金属塩、有機過酸化物、及び本発
明のスコーチ防止剤を配合することによって得られる。
本発明のゴム組成物には、所望により、カーボンブラッ
ク、シリカ等の他の補強剤、炭酸カルシウム、タルク等
の充填剤、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロー
ルプロパン等の架橋助剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、
着色剤等を適宜配合することができる。
不飽和低級カルボン酸金属塩、有機過酸化物、及び本発
明のスコーチ防止剤を配合することによって得られる。
本発明のゴム組成物には、所望により、カーボンブラッ
ク、シリカ等の他の補強剤、炭酸カルシウム、タルク等
の充填剤、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロー
ルプロパン等の架橋助剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、
着色剤等を適宜配合することができる。
【0031】これらの成分の配合の方法は、特に限定さ
れず、例えば、各成分を任意の順序で逐次添加する方
法、任意の成分を予め混練して得られる組成物に残りの
成分をさらに添加して混練する方法、全成分を同時に添
加して混練する方法等のいずれでもよく、また、上記の
各方法において、各成分を任意の比率に分割して添加し
てもよい。
れず、例えば、各成分を任意の順序で逐次添加する方
法、任意の成分を予め混練して得られる組成物に残りの
成分をさらに添加して混練する方法、全成分を同時に添
加して混練する方法等のいずれでもよく、また、上記の
各方法において、各成分を任意の比率に分割して添加し
てもよい。
【0032】混練の方法は、特に限定されず、バンバリ
ー、ロール等を使用して行うことができる。混練の温度
も特に限定されないが、通常、室温〜150℃の温度範
囲である。
ー、ロール等を使用して行うことができる。混練の温度
も特に限定されないが、通常、室温〜150℃の温度範
囲である。
【0033】本発明のゴム組成物は、スコーチ防止性に
優れており、金型成形、射出成形、トランスファー成形
等の通常のゴム加工法によって、各種架橋成形品を製造
することができる。
優れており、金型成形、射出成形、トランスファー成形
等の通常のゴム加工法によって、各種架橋成形品を製造
することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明について、実施例及び比較例を
挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較
例中の部及び%は、特に断りのない限り、重量基準であ
る。試験片の作成方法及び物性試験方法は、次の通りで
ある。
挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較
例中の部及び%は、特に断りのない限り、重量基準であ
る。試験片の作成方法及び物性試験方法は、次の通りで
ある。
【0035】(試験片の作成方法)オープンミルを使用
して、50〜60℃で、ゴムにメタクリル酸亜鉛〔Zn
(MAA)2〕を混練した後、有機過酸化物を添加し
て、同じ温度で混練し、次いでスコーチ防止剤を加えて
混練する。混練によって得たゴム組成物を加硫プレスに
より170℃で20分間加硫した後、所定厚さのシート
とし、所定のダンベルに打ち抜いて試験片を作成する。
スコーチ防止剤を配合しない場合は、上記工程におい
て、スコーチ防止剤を加えて混練する工程を省略する。
して、50〜60℃で、ゴムにメタクリル酸亜鉛〔Zn
(MAA)2〕を混練した後、有機過酸化物を添加し
て、同じ温度で混練し、次いでスコーチ防止剤を加えて
混練する。混練によって得たゴム組成物を加硫プレスに
より170℃で20分間加硫した後、所定厚さのシート
とし、所定のダンベルに打ち抜いて試験片を作成する。
スコーチ防止剤を配合しない場合は、上記工程におい
て、スコーチ防止剤を加えて混練する工程を省略する。
【0036】(物性試験方法) (1)引張試験 JIS K−6301に準じて、加硫シートの引張試験
を行って、下記の物性を測定する。 引張強さ(TB:kgf/cm2)、 破断時の伸び(EB:%)、及び 引張応力(モジュラス:kgf/cm2) M50=50%モジュラス、 M100=100%モジュラス、 M200=200%モジュラス、 M300=300%モジュラス。
を行って、下記の物性を測定する。 引張強さ(TB:kgf/cm2)、 破断時の伸び(EB:%)、及び 引張応力(モジュラス:kgf/cm2) M50=50%モジュラス、 M100=100%モジュラス、 M200=200%モジュラス、 M300=300%モジュラス。
【0037】(2)硬さ(HS:JIS−A) JIS K−6301に準じて行う(JIS硬度A)。
【0038】(3)ムーニー・スコーチ試験(t5の測
定) JIS K−6300に準じてムーニー粘度を測定し、
ムーニー粘度(縦軸)−時間(横軸)曲線を作成する
(試験温度125℃)。ダイスを閉じてから、ムーニー
粘度の読みがムーニー粘度の最低値Vmから5ポイント
だけ上昇するまでに要した時間をt5(min)とす
る。この数値は、貯蔵安定性の指標であり、大きいほど
安定性が良いことを示す。
定) JIS K−6300に準じてムーニー粘度を測定し、
ムーニー粘度(縦軸)−時間(横軸)曲線を作成する
(試験温度125℃)。ダイスを閉じてから、ムーニー
粘度の読みがムーニー粘度の最低値Vmから5ポイント
だけ上昇するまでに要した時間をt5(min)とす
る。この数値は、貯蔵安定性の指標であり、大きいほど
安定性が良いことを示す。
【0039】(4)キュラストメーター・スコーチ試験
(T10の測定) SRIS 3102に準じて、加硫時間を横軸とし、ト
ルクを縦軸とする加硫曲線を求め、応力が最大値をとる
点を加硫100%、最小値の点を加硫0%とする(試験
温度170℃)。このとき、10%加硫に対応する加硫
時間をT10(min)とする。この数値は、加硫成形時
の流動性の指標であり、大きいほど流動性が良いことを
示す。
(T10の測定) SRIS 3102に準じて、加硫時間を横軸とし、ト
ルクを縦軸とする加硫曲線を求め、応力が最大値をとる
点を加硫100%、最小値の点を加硫0%とする(試験
温度170℃)。このとき、10%加硫に対応する加硫
時間をT10(min)とする。この数値は、加硫成形時
の流動性の指標であり、大きいほど流動性が良いことを
示す。
【0040】(5)スコーチ防止性の指標化 〔M(t5)/C(t5)及びM(T10)/C(T10)の
測定〕スコーチ防止剤を添加しないゴム組成物につい
て、過酸化物の添加量を変化させて、ムーニー・スコー
チ時間(t5)、10%加硫時間(T10)、及び100
%モジュラス(M100)を測定し、過酸化物の添加量と
t5との関係式(検量線)、過酸化物の添加量とT10
との関係式(検量線)、及び過酸化物の添加量とM
100との関係式(検量線)を作成する。
測定〕スコーチ防止剤を添加しないゴム組成物につい
て、過酸化物の添加量を変化させて、ムーニー・スコー
チ時間(t5)、10%加硫時間(T10)、及び100
%モジュラス(M100)を測定し、過酸化物の添加量と
t5との関係式(検量線)、過酸化物の添加量とT10
との関係式(検量線)、及び過酸化物の添加量とM
100との関係式(検量線)を作成する。
【0041】次に、スコーチ防止剤を添加したゴム組成
物のM100を測定し、スコーチ防止剤を添加しないゴム
組成物が同じM100となる場合の過酸化物量を検量線
から求める。この過酸化物量に対応するt5の数値(ブ
ランク値)を検量線から求める〔C(t5)〕。同様
に、この過酸化物量に対応するT10の数値(ブランク
値)を検量線から求める〔C(T10)〕。
物のM100を測定し、スコーチ防止剤を添加しないゴム
組成物が同じM100となる場合の過酸化物量を検量線
から求める。この過酸化物量に対応するt5の数値(ブ
ランク値)を検量線から求める〔C(t5)〕。同様
に、この過酸化物量に対応するT10の数値(ブランク
値)を検量線から求める〔C(T10)〕。
【0042】スコーチ防止剤を添加したゴム組成物につ
いて測定したt5〔M(t5)〕を上記ブランク値〔C
(t5)〕で除して〔M(t5)/C(t5)〕、該スコ
ーチ防止剤によりスコーチ時間がどの程度延長されたか
の指標とする。同様に、スコーチ防止剤を添加したゴム
組成物について測定したT10〔M(T10)〕を上記ブラ
ンク値〔C(T10)〕で除して〔M(T10)/C
(T10)〕、該スコーチ防止剤によりスコーチ時間がど
の程度延長されたかの指標とする。
いて測定したt5〔M(t5)〕を上記ブランク値〔C
(t5)〕で除して〔M(t5)/C(t5)〕、該スコ
ーチ防止剤によりスコーチ時間がどの程度延長されたか
の指標とする。同様に、スコーチ防止剤を添加したゴム
組成物について測定したT10〔M(T10)〕を上記ブラ
ンク値〔C(T10)〕で除して〔M(T10)/C
(T10)〕、該スコーチ防止剤によりスコーチ時間がど
の程度延長されたかの指標とする。
【0043】これらの値が1.0を越えて大きくなるほ
ど、使用したスコーチ防止剤がスコーチを抑制しなが
ら、かつ、ゴム組成物の架橋を良好に起こさせるという
機能を良好に果たすことを示す。逆に、これらの値が
1.0以下であると、使用したスコーチ防止剤がラジカ
ルを捕捉して、単に有機過酸化物の添加量を減少させた
のと同様の効果しか得られないが、却ってスコーチを防
止する結果となることを示す。
ど、使用したスコーチ防止剤がスコーチを抑制しなが
ら、かつ、ゴム組成物の架橋を良好に起こさせるという
機能を良好に果たすことを示す。逆に、これらの値が
1.0以下であると、使用したスコーチ防止剤がラジカ
ルを捕捉して、単に有機過酸化物の添加量を減少させた
のと同様の効果しか得られないが、却ってスコーチを防
止する結果となることを示す。
【0044】[実施例1〜5、比較例1〜7]ゴムとし
て水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
(水素化NBR:結合アクリロニトリル量36%、沃素
価28)を使用し、表1に示すスコーチ防止剤を添加し
て、下記の配合処方によりゴム組成物を調製し、スコー
チ物性を測定した。
て水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
(水素化NBR:結合アクリロニトリル量36%、沃素
価28)を使用し、表1に示すスコーチ防止剤を添加し
て、下記の配合処方によりゴム組成物を調製し、スコー
チ物性を測定した。
【0045】<配合処方> 水素化NBR 100部 メタクリル酸亜鉛 40部 ペロキシモンF40(*1) 7部 スコーチ防止剤 2.9部 (*1)有機過酸化物:α,α′−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ−m,p−イソプロピルベンゼン)、純度40
%
ーオキシ−m,p−イソプロピルベンゼン)、純度40
%
【0046】比較と検量線作成のために、スコーチ防止
剤を添加せずに有機過酸化物の添加量を変化させた場合
(比較例1〜5)、及びスコーチ防止剤として老化防止
剤を添加した場合(比較例6〜7)についても表1に示
す。一方、上記ゴム組成物を170℃、20分の条件で
プレス架橋し、厚さ2mmの架橋シートを作成して、各
物性値を測定した。結果を表1に示す。
剤を添加せずに有機過酸化物の添加量を変化させた場合
(比較例1〜5)、及びスコーチ防止剤として老化防止
剤を添加した場合(比較例6〜7)についても表1に示
す。一方、上記ゴム組成物を170℃、20分の条件で
プレス架橋し、厚さ2mmの架橋シートを作成して、各
物性値を測定した。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、本発明のゴム組
成物(実施例1〜5)は、老化防止剤をラジカル捕捉剤
として用いた場合(比較例6〜7)と比べて、ムーニー
・スコーチ時間、10%加硫時間、M(t5)/C
(t5)及びM(T10)/C(T10)が改善されてお
り、架橋物物性も良好である。
成物(実施例1〜5)は、老化防止剤をラジカル捕捉剤
として用いた場合(比較例6〜7)と比べて、ムーニー
・スコーチ時間、10%加硫時間、M(t5)/C
(t5)及びM(T10)/C(T10)が改善されてお
り、架橋物物性も良好である。
【0049】[実施例6〜13]スコーチ防止剤とし
て、表2に示す化合物を表2に示す量で変化させて添加
したこと以外は、実施例1〜5と同様の配合処方により
ゴム組成物を調製し、スコーチ物性及び架橋物物性を測
定した。結果を表2に示す。
て、表2に示す化合物を表2に示す量で変化させて添加
したこと以外は、実施例1〜5と同様の配合処方により
ゴム組成物を調製し、スコーチ物性及び架橋物物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】[実施例14〜16、比較例8〜10]ゴ
ムとして天然ゴム(RRS#3)を用い、表3に示すス
コーチ防止剤を添加して、下記の配合処方によりゴム組
成物を調製し、スコーチ物性を測定した。
ムとして天然ゴム(RRS#3)を用い、表3に示すス
コーチ防止剤を添加して、下記の配合処方によりゴム組
成物を調製し、スコーチ物性を測定した。
【0052】<配合処方> 天然ゴム 100部 メタクリル酸亜鉛 30部 ペロキシモンF40 5部 スコーチ防止剤 1部
【0053】比較と検量線作成のために、スコーチ防止
剤を添加せずに有機過酸化物の添加量を変化させた場合
(比較例8〜10)についても表3に示す。一方、上記
ゴム組成物を170℃、20分の条件でプレス架橋し、
厚さ2mmの架橋シートを作成して、各物性値を測定し
た。結果を表3に示す。
剤を添加せずに有機過酸化物の添加量を変化させた場合
(比較例8〜10)についても表3に示す。一方、上記
ゴム組成物を170℃、20分の条件でプレス架橋し、
厚さ2mmの架橋シートを作成して、各物性値を測定し
た。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】 表3から明らかなように、本発明のゴム組成物(実施例
14〜16)は、スコーチ物性が改善されており、架橋
物物性も良好である。
14〜16)は、スコーチ物性が改善されており、架橋
物物性も良好である。
【0055】[実施例17〜19、比較例11〜14]
ゴムとして溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム
(SBR:日本ゼオン社製、商品名NS210、結合ス
チレン量25%)を用い、表4に示すスコーチ防止剤を
添加して、下記の配合処方によりゴム組成物を調製し、
スコーチ物性を測定した。
ゴムとして溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム
(SBR:日本ゼオン社製、商品名NS210、結合ス
チレン量25%)を用い、表4に示すスコーチ防止剤を
添加して、下記の配合処方によりゴム組成物を調製し、
スコーチ物性を測定した。
【0056】<配合処方> SBR 100部 メタクリル酸亜鉛 30部 ペロキシモンF40 0.2部 スコーチ防止剤 0.1部
【0057】比較と検量線作成のために、スコーチ防止
剤を添加せずに有機過酸化物の添加量を変化させた場合
(比較例11〜14)についても表4に示す。一方、上
記ゴム組成物を170℃、20分の条件でプレス架橋
し、厚さ2mmの架橋シートを作成して、各物性値を測
定した。結果を表4に示す。
剤を添加せずに有機過酸化物の添加量を変化させた場合
(比較例11〜14)についても表4に示す。一方、上
記ゴム組成物を170℃、20分の条件でプレス架橋
し、厚さ2mmの架橋シートを作成して、各物性値を測
定した。結果を表4に示す。
【0058】
【表4】 表4から明らかなように、本発明のゴム組成物(実施例
17〜19)は、スコーチ物性が改善されており、架橋
物物性も良好である。
17〜19)は、スコーチ物性が改善されており、架橋
物物性も良好である。
【0059】[実施例20〜22、比較例15〜18]
ゴムとしてアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
(NBR:日本ゼオン社製、商品名Nipol 104
2、結合アクリロニトリル33.5%)を用い、表5に
示すスコーチ防止剤を添加して、下記の配合処方により
ゴム組成物を調製し、スコーチ物性を測定した。
ゴムとしてアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
(NBR:日本ゼオン社製、商品名Nipol 104
2、結合アクリロニトリル33.5%)を用い、表5に
示すスコーチ防止剤を添加して、下記の配合処方により
ゴム組成物を調製し、スコーチ物性を測定した。
【0060】<配合処方> NBR 100部 メタクリル酸亜鉛 30部 ペロキシモンF40 2部 スコーチ防止剤 1部
【0061】比較と検量線作成のために、有機過酸化物
の添加量を変化させた場合(比較例15〜18)につい
ても表5に示す。一方、上記ゴム組成物を170℃、2
0分の条件でプレス架橋し、厚さ2mmの架橋シートを
作成して、各物性値を測定した。結果を表5に示す。
の添加量を変化させた場合(比較例15〜18)につい
ても表5に示す。一方、上記ゴム組成物を170℃、2
0分の条件でプレス架橋し、厚さ2mmの架橋シートを
作成して、各物性値を測定した。結果を表5に示す。
【0062】
【表5】 表5から明らかなように、本発明のゴム組成物(実施例
20〜22)は、スコーチ防止性が改善されており、架
橋物物性も良好である。
20〜22)は、スコーチ防止性が改善されており、架
橋物物性も良好である。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、有機過酸化物を含有す
るゴム組成物に対する新規なスコーチ防止剤が提供され
る。また、本発明によれば、ゴム、エチレン性不飽和低
級カルボン酸金属塩、及び有機過酸化物を含有し、貯蔵
安定性と加硫成形時の流動性に優れ、しかも加硫特性に
優れた低スコーチ性ゴム組成物が提供される。
るゴム組成物に対する新規なスコーチ防止剤が提供され
る。また、本発明によれば、ゴム、エチレン性不飽和低
級カルボン酸金属塩、及び有機過酸化物を含有し、貯蔵
安定性と加硫成形時の流動性に優れ、しかも加硫特性に
優れた低スコーチ性ゴム組成物が提供される。
Claims (4)
- 【請求項1】 キノン系化合物、チウラム系化合物、チ
アゾール系化合物、及びニトロソアミン系化合物からな
る群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分
とするスコーチ防止剤。 - 【請求項2】ゴムの有機過酸化物架橋におけるスコーチ
防止剤である請求項1記載のスコーチ防止剤。 - 【請求項3】ゴム及びエチレン性不飽和低級カルボン酸
金属塩を含むゴム組成物の有機過酸化物架橋におけるス
コーチ防止剤である請求項2記載のスコーチ防止剤。 - 【請求項4】 ゴム、エチレン性不飽和低級カルボン酸
金属塩、及び有機過酸化物を含有するゴム組成物におい
て、スコーチ防止剤として、キノン系化合物、チウラム
系化合物、チアゾール系化合物、及びニトロソアミン系
化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合
物を含有せしめてなることを特徴とする低スコーチ性ゴ
ム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9580392A JP2910395B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | スコーチ防止剤及び低スコーチ性ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9580392A JP2910395B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | スコーチ防止剤及び低スコーチ性ゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05262917A true JPH05262917A (ja) | 1993-10-12 |
JP2910395B2 JP2910395B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=14147595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9580392A Expired - Fee Related JP2910395B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | スコーチ防止剤及び低スコーチ性ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2910395B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007236946A (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-20 | Acushnet Co | ベンゾキノンを有するゴム組成物およびそのゴルフボールへの利用 |
JP2007269008A (ja) * | 2006-03-10 | 2007-10-18 | Tokai Rubber Ind Ltd | 耐熱エアーホース |
JP2008195040A (ja) * | 2007-02-15 | 2008-08-28 | Tokai Rubber Ind Ltd | 燃料系ゴムホース |
JP2008195039A (ja) * | 2007-02-15 | 2008-08-28 | Tokai Rubber Ind Ltd | 耐熱エアーホース |
CN108821960A (zh) * | 2018-07-06 | 2018-11-16 | 苏州科技大学 | 有色阻燃剂四(三溴苯氧基)对苯醌化合物及其制备方法 |
CN108947788A (zh) * | 2018-07-06 | 2018-12-07 | 苏州科技大学 | 有色阻燃剂八溴四丙氧基对苯醌化合物及其制备方法 |
-
1992
- 1992-03-23 JP JP9580392A patent/JP2910395B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2007236946A (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-20 | Acushnet Co | ベンゾキノンを有するゴム組成物およびそのゴルフボールへの利用 |
US20100022329A1 (en) * | 2006-03-07 | 2010-01-28 | Bulpett David A | Rubber compositions comprising benzoquinones and the use thereof in golf balls |
US8309639B2 (en) * | 2006-03-07 | 2012-11-13 | Acushnet Company | Rubber compositions comprising benzoquinones and the use thereof in golf balls |
JP2007269008A (ja) * | 2006-03-10 | 2007-10-18 | Tokai Rubber Ind Ltd | 耐熱エアーホース |
JP2008195040A (ja) * | 2007-02-15 | 2008-08-28 | Tokai Rubber Ind Ltd | 燃料系ゴムホース |
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CN108821960A (zh) * | 2018-07-06 | 2018-11-16 | 苏州科技大学 | 有色阻燃剂四(三溴苯氧基)对苯醌化合物及其制备方法 |
CN108947788A (zh) * | 2018-07-06 | 2018-12-07 | 苏州科技大学 | 有色阻燃剂八溴四丙氧基对苯醌化合物及其制备方法 |
CN108947788B (zh) * | 2018-07-06 | 2021-08-03 | 苏州科技大学 | 有色阻燃剂八溴四丙氧基对苯醌化合物及其制备方法 |
CN108821960B (zh) * | 2018-07-06 | 2021-10-26 | 苏州科技大学 | 有色阻燃剂四(三溴苯氧基)对苯醌化合物及其制备方法 |
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---|---|
JP2910395B2 (ja) | 1999-06-23 |
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