JP5391072B2 - 金型清掃用ゴム系組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、金型清掃用ゴム系組成物に関し、詳しくは、硬化性樹脂の成形工程において発生する金型表面の汚れを取り除くための金型清掃用樹脂組成物において、基材樹脂として、特定の未加硫ゴムを使用したことを特徴とする金型清掃用ゴム系組成物に関する。
従来、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂による集積回路等の封止成形物の成形時、長時間成形を続けると金型内部表面が汚れ、そのまま連続して成形を続けると、封止成形物の表面が汚れたり、封止成形物が金型に付着したりして成形作業が続けられなくなる場合が多々あった。そのため、金型を定期的に清掃する必要があり、成形材料数百ショット成形する毎に数ショットの割合で金型清掃用樹脂を成形して金型清掃を行う方法が提案されており、例えば、特公昭52−788号公報に、アミノ系樹脂、有機質基材及び/又は無機質基材、離型剤からなる金型清掃用樹脂組成物を成形することによって、金型を清掃する方法が開示されている。
一方、上記熱硬化性メラミン樹脂成形材料に替えて、洗浄成分を含有する未加硫ゴム系コンパウンドを使用し、金型中で加硫させて加硫ゴム化する際に、金型表面に存在する離型剤等の酸化劣化層を洗浄成分により分解すると共に加硫ゴムと一体化し、ついで加硫ゴムを金型から取り出すことにより金型表面を清掃するという方法が提案されている。又、未加硫ゴム成分として、ブタジエンゴム/エチレン−プロピレンゴム成分が90/10〜50/50重量部に設定したゴム系組成物も提案されている(例えば特開昭63−227308号公報、特開平4−357007号公報参照)。
金型のクリーニング材としては、トランスファタイプとコンプレッションタイプの2つのタイプに大別でき、トランスファタイプには、メラミン系樹脂成形材料が使用され、コンプレッションタイプには、メラミン系樹脂成形材料並びにゴム系クリーニング材が使用されている。
近年、集積回路等(IC・LSIと略記する)の高集積化、薄型化、表面実装化に伴い、成形品の形状、構造の多様化が進んでおり、このため、半導体封止材料の高流動化や環境対応化が計られている。
このため、高流動化タイプのエポキシ封止材では、エアベント部分での樹脂詰まりが発生しやすく、これらの詰まりが発生するとエア抜けが悪く樹脂が流れないために、キャビティ部に未充填が発生し不良となることから連続成形が困難になる。そこで、これらの状況を回避するためにクリーニングの実施が必要となるが、トランスファタイプのクリーニング材では、前述の理由で樹脂が正常に流れないために、エアベントに詰まった樹脂を除去することは難しかった。
このようなエアベントの詰まりを解消するためにコンプレッションタイプのクリーニング材が使用されているが、メラミン系樹脂成形材料を用いると、エアベント部分の詰まりは解消するものの、金型外周付近は樹脂の流出によって充分に圧力が掛からないため、成形物の外周部が脆くなる傾向があり、硬化後の成形物を金型上から除去する作業が繁雑であった。これに対しゴム系クリーニング材を使用した場合は、クリーニング材全体が一様に硬化し1枚のシート状成形物として金型から離型することが出来るため作業性が改善される。しかしながら、流動性という点において、ゴム系クリーニング材はメラミン系樹脂成形材料よりも悪いため、キャビティ内への充填性が悪く、キャビティコーナーなどの汚れが除去出来ないという問題点があった。
また、Plastic Dual Inline Package (以後PDIPと略記する)やSmall Outline Integrated Circuit(以後SOICと略記する)等のようにキャビティが深い小型のパッケージ製造用金型や、小型のパッケージの中でも、ピン数が少ない特に小さなパッケージ製造用金型においてゴム系クリーニング材を使用した場合、パッケージの取り数が多くなるため、硬化後の成形物が金型に貼り付くという現象が発生しやすい。これを除去する際に、シート状成形物が破断してキャビティ内にゴム系クリーニング材が残留するチッピングが発生するという問題点があった。これらの金型でチッピングが発生すると、キャビティ数が多いために、チッピング箇所の成形物を除去するのに多大なる時間を要することになる。
上記問題点を解決するため、作業性(離型性)、成形性に優れキャビティコーナー部に未充填が発生しないものや、伸びがあり強度が高いことにより金型離型時にチッピングなどの現象が発生しないゴム系クリーニング材が求められている。
特公昭52−788号公報 特開昭63−227308号公報 特開平04−357007号公報
本発明は、前述の如く、作業性(離型性)は良いものの、ボイドやチッピングが発生する従来のゴム系クリーニング材における欠点を解消し、ボイドやチッピングが発生することの無いゴム系クリーニング材を提供することを課題とする。
また、本発明は、作業性(離型性)は良いものの、ボイドやチッピングが発生したり、ボイドの発生はないが作業性(離型性)が悪くチッピングが発生したりする従来のゴム系クリーニング材における欠点を解消すると共に、PDIPやSOIC等のようなキャビティが深い小型のパッケージ製造用金型や、小型のパッケージの中でも、ピン数が少ない特に小さなパッケージ製造用金型においてもボイドやチッピングが発生することの無いゴム系クリーニング材を提供することを課題とする。
本発明は、下記(1)、(2)及び(3)の金型清掃用ゴム系組成物を提供することにより、前記課題を解決したものである。
(1)硬化性樹脂の成形工程において発生する金型表面の汚れを取り除くための金型清掃用樹脂組成物において、基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、前記ブタジエンゴムが、シス1、4結合の含有量で90重量%以上のハイシス構造を有し、且つ、該未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が50〜100秒の値の範囲にあることを特徴とする金型清掃用ゴム系組成物。(以下、第1の金型清掃用ゴム系組成物という)
(2)硬化性樹脂の成形工程において発生する金型表面の汚れを取り除くための金型清掃用樹脂組成物において、基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、前記ブタジエンゴムが、シス1、4結合の含有量で90重量%以上のハイシス構造を有し、且つ、該未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が200〜400秒の値の範囲にあることを特徴とする金型清掃用ゴム系組成物。(以下、第2の金型清掃用ゴム系組成物という)
(3)硬化性樹脂の成形工程において発生する金型表面の汚れを取り除くための金型清掃用樹脂組成物において、基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、前記ブタジエンゴムが、シス1、4結合の含有量で90重量%以上のハイシス構造を有し、且つ、該未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が200〜400秒の値の範囲にある未加硫ゴムであり、且つ、少なくとも1種の離型剤を含有することを特徴とする金型清掃用ゴム系組成物。(以下、第3の金型清掃用ゴム系組成物という)
本発明の第1、第2及び第3の金型清掃用ゴム系組成物は、作業性(離型性)のみならず、成形性や強度に優れ、ひいてはボイドやチッピングの発生のないものである。
本発明の第1、第2及び第3の金型清掃用ゴム系組成物は、基材樹脂として使用する未加硫ゴムが、加硫硬化後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が50〜100秒又は200〜400秒の値の範囲のものとなる結果、エアベント部分の清掃を容易に実施でき、更には、ゴム系クリーニング材の特徴である作業性(剥離性)は維持しつつ、成形性や強度にも優れたゴム系組成物である。
また、本発明の第3の金型清掃用ゴム系組成物は、少なくとも1種の離型剤を含有することにより、PDIPやSOIC等のようにキャビティが深い小型のパッケージ製造用金型や、小型のパッケージの中でも、ピン数が少ない特に小さなパッケージ製造用金型のクリーニングに適したゴム系組成物である。
以下、まず、本発明の第1の金型清掃用ゴム系組成物について詳しく説明する。
本発明において使用する未加硫ゴムは、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとを混合併用するものである。
エチレン−プロピレンゴム(以下、EPMと略記することがある)とは、通常のエチレン−プロピレンゴム(EPM)とエチレン−プロピレン−ジエンゴム(以下、EPDMと略記することがある)の双方を含む趣旨である。
上記EPMとしては、エチレンとα−オレフィン(特にプロピレン)の共重合割合が、モル比でエチレン/α−オレフィン=55/45〜83/17で、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が5〜300のものが好ましく、特に好ましくは上記共重合割合が、モル比でエチレン/α−オレフィン=55/45〜61/39で、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が36〜44のものである。
また、上記EPDMは、エチレンと、α−オレフィンと、非共役二重結合を有する環状物または非環状物からなるターポリマーである。詳述すると、エチレンとα−オレフィン(特にプロピレン)と、ポリエンモノマーからなるターポリマーである。
上記ポリエンモノマーとしては、ジシクロペンタジエン、5−シクロオクタジエン、1,7−シクロドデカジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、1,4−シクロヘプタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン、メチレンノルボルネン、2−メチルペンタジエン−1,4、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、メチル−テトラヒドロインデン、1,4−ヘキサジエン等があげられる。このようなターポリマー中の各モノマーの共重合割合は、好ましくはエチレンが30〜80モル%、ポリエンモノマーが0.1〜2モル%で残りがα−オレフィンである。より好ましくはエチレンが30〜60モル%である。そして、上記ターポリマーであるEPDMとしては、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が20〜70のものを用いるのが好ましい。
また、上記ブタジエンゴム(以後BRと略記すことがある)としては、シス1,4結合の含有量が90重量%以上のハイシス構造を有し、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が20〜60、特に30〜45のものが好適に用いられる。
そして、上記エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合は、重量比で90/10〜50/50重量部、好ましくは80/20〜60/40重量部である。
エチレン−プロピレンゴムが90重量部を超えて配合されると、金型離型性が悪くなり、クリーニング作業時間が長くなるので好ましくない。ブタジエンゴムが50重量部を超えて配合されると、金型離型性は良くなるが、加硫後の成形物が硬くて脆くなるため、チッピングが発生しやすくなるので好ましくない。
上記未加硫ゴムは、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、好ましくは100〜300%のものである。伸び率が80%以下になると、成形性が悪くなるので好ましくない。
上記未加硫ゴムは、加硫硬化した後の引張強度が3〜10MPa、好ましくは5〜8MPaのものである。引張強度が3MPa以下になると、チッピングが発生するので好ましくない。
上記未加硫ゴムは、加硫硬化した後のゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、好ましくはA70〜90のものである。ゴム硬度がこの範囲を逸脱すると、チッピングやボイドが発生するので好ましくない。
上記未加硫ゴムは、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が50〜100秒、好ましくは70〜100秒のものである。tc (90)の値が該範囲内であれば、加硫速度が速すぎることがなく、キャビティの隅々まで樹脂を充填させることが出来るため、スティッキング等の不具合を発生することなくクリーニングを実施することが出来る。また、従来のゴム系クリーニング材と比較して効率よい硬化時間でクリーニングを行うことが出来るため、トータルクリーニング時間を軽減することが可能となる。
本発明のゴム系組成物は、上記未加硫ゴムの他に、充填剤、洗浄剤、洗浄助剤、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等を含有することができる。
充填剤(補強剤)としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン等があげられる。上記充填剤の使用量は、未加硫ゴム100重量部に対して、好ましくは10〜70重量部、より好ましくは30〜60重量部である。
洗浄剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N,N-ジ-n- ブチルエタノールアミン等のアミン類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、イミダゾール類及びイミダゾリン類があげられる。上記洗浄剤の使用量は、未加硫ゴム100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部である。この他にも界面活性剤等の洗浄助剤を用いることができる。
加硫剤としては、例えば、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- アミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5- ジ- (t-ブチルパーオキシ)- ヘキサン等のジアリルパーオキサイド類有機過酸化物、例えば、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、n-ブチル4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類有機過酸化物があげられる。一般的にジアリルパーオキサイド類と比較してパーオキシケタール類の方が長い半減期を持つが、これらは組成物の設計に併せて単独で使用しても良いし、半減期の長いものと短いものを併用して加硫速度を調整しても良い。上記加硫剤の使用量は、未加硫ゴム100重量部に対して、好ましくは1〜6重量部、より好ましくは2〜4重量部である。この他にもアクリル酸モノマーや硫黄等の加硫助剤を用いることができる。
加硫促進剤としては、例えば、ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン等のグアニジン系、例えば、ホルムアルデヒド−パラトルイジン縮合物、アセトアルデヒド−アニリン反応物等のアルデヒド−アミン系やアルデヒド−アンモニア系、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル・ジスルフィド等のチアゾール系等が挙げられ、マグネシア、リサージ、石灰等の加硫促進助剤を用いることができる。
本発明のゴム系組成物は、これら配合物の他、必要に応じて、例えば、弁柄、紺青、鉄黒、群青、カーボンブラック、リトポン、チタンイエロー、コバルトブルー、ハンザイエロー、キナクリドンレッドなどの無機もしくは有機顔料類;例えば、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸系滑剤、例えば、ブチルステアレート、ブチルラウレート、ステアリルステアレートなどの脂肪酸エステル系滑剤、例えば、エチレンビスステアロアミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミドなどのアミド系滑剤等を併用することができる。
次に、本発明の第2の金型清掃用ゴム系組成物について説明する。
本発明の第2の金型清掃用ゴム系組成物は、基材樹脂として使用する未加硫ゴムが、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が200〜400秒、好ましくは250〜350秒の未加硫ゴムである点を除き、本発明の第1の金型清掃用ゴム系組成物と同じである。
上記tc (90)の値の調整は、ジエンの種類や量、過酸化物の種類や量、加硫促進剤の種類や量、共架橋剤の種類や量などにより適宜調整することが出来る。
上記未加硫ゴムのtc (90)の値が200〜400秒の範囲内であれば、加硫速度が速すぎることがなく、型締め時にゴム系組成物が緩やかに金型形状に追随するため、キャビティの隅々までボイドの発生なく樹脂を充填させることが出来る。また、未充填やボイドの発生から生じるスティッキング等の不具合を発生することなくクリーニングを実施することが出来る。
次に、本発明の第3の金型清掃用ゴム系組成物について説明する。
本発明の第3の金型清掃用ゴム系組成物は、本発明の第2の金型清掃用ゴム系組成物に、少なくとも1種の離型剤を含有させたものである。
上記離型剤としては、金属石鹸系離型剤、脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス、脂肪酸アミド系離型剤等があげられる。
金属石鹸系離型剤の例としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛等を例示できる。脂肪酸エステル系離型剤、合成ワックス、脂肪酸アミド系離型剤としては、リコワックスOP(クラリアントジャパン株式会社製 モンタン酸部分ケン化エステル)、ロキシオールG−78(コグニスジャパン株式会社製 高分子複合エステル)、リコルブH−4(クラリアントジャパン株式会社製 変性炭化水素)、ロキシオールVPN881(コグニスジャパン株式会社製 鉱油系合成ワックス)、脂肪酸アマイドS(花王株式会社製 脂肪酸アミド)、カオーワックスEB−P(花王株式会社製 脂肪酸アミド)、アルフローHT−50(日本油脂株式会社製 脂肪酸アミド)等を例示できる。
これら離型剤は、未加硫ゴム100重量部に対して3〜15重量部、好ましくは5〜10重量部配合するのが好ましい。
離型剤の量が不足すると、PDIPやSOIC等のようなキャビティが深い小型のパッケージの中でも、ピン数が少ない特に小さなパッケージ製造用金型においては、金型上に配置されるキャビティ数が多くなるため、相対的に金型離型性が低下する。離型剤の量が多すぎると、金型離型性は良いが、クリーニング性が悪くなるので好ましくない。
本発明の第1及び第2の金型清掃用ゴム系組成物の調製方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用することができる。例えば、ジャケット付き加圧型ニーダー中にEPMおよびBR生地を投入して混練を開始し、EPMとBRの混合生地がモチ状になるまで適宜生地の温度を観察しながら混練を続ける。そして、その混合生地の温度が70〜100℃となった時点で、ホワイトカーボン、アミノアルコール系化合物、環状アミド化合物、プロセスオイル、非イオン系界面活性剤、ステアリン酸等を添加して数分間混練する。次いで有機過酸化物及び硫黄等を添加して手早く分散させた後取り出し、必要に応じて、例えばシート状等の適宜の形状に成形して本発明の金型清掃用ゴム系組成物とする。
本発明の第3の金型清掃用ゴム系組成物の調製は、例えば、上記の本発明の第2の金型清掃用ゴム系組成物の調製方法において、EPMとBRの混合生地に、その他の添加剤と共に上記離型剤を添加すればよい。
混練手段としては、上記加圧型ニーダーの外に、例えば、バンバリーミキサー、ロールミキサー等を挙げることができる。
本発明の第1、第2及び第3の金型清掃用ゴム系組成物の形態は、特に限定されないが、混練された樹脂組成物は速やかに冷却しなければ混練時の予熱により加硫が促進され、安定した性能が得られなくなるため、本発明の金型清掃用ゴム系組成物の形態としては、短時間で容易に冷却が可能なシート状であるのが好ましい。
以下に実施例などを挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例などによりなんら限定されるものではない。
試験方法
実施例および比較例にて記載の各種物性評価の試験方法は以下の通りである。
〔伸び率および引張強度〕
JIS K6251における引張強さおよび切断時伸びの測定方法に準拠して測定する。
〈試験片の作製条件〉
37T自動プレス機を用い、金型温度175℃、成形圧10MPa(ゲージ圧)、成形時間5分にて未加硫試料を成形する。成形した試験片サイズは80×160×2mmのシート状で、これを3号ダンベルにて打ち抜いて測定用の試験片とした。
〔ゴム硬度〕
JIS K6253『加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法』に準拠した方法で測定する。
前述の試験片作製条件にて得られた80×160×2mm試験片を3枚重ねにし、ゴム硬度に応じたタイプのデュロメータを用いてデュロメータ硬さを測定した。
〔加硫速度〕
JIS K6300−2『振動式加硫試験機による加硫特性の求め方』に準拠した方法を用い、金型温度175℃にて90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)を測定した。
〔クリーニング性試験〕
市販のビフェニル系エポキシ樹脂成形材料(住友ベークライト株式会社製 EME−7351T)を用い、PDIP−14L(8ポット−48キャビティ)の金型で500ショットの成形により金型の汚れを実現した。この汚れた金型を用いて、金型表面がきれいに清掃されるまで金型清掃用樹脂組成物を繰り返し成形することにより評価を行った。実施例9〜12においては、PDIP−8L(8ポット−96キャビティ)の金型で評価した。
実施例1(本発明の第1の金型清掃用ゴム系組成物)
3000mlのジャケット付き加圧型ニーダー中にEPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]を1050gとBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]450gを添加し、冷却しながら約3分間加圧混練すると、EPDMとBRの混合生地はモチ状になり、その温度は約80℃となった。次いでモノエタノールアミン150g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して10重量部)、ポリオキシアルキレンデシルエーテル系界面活性剤75g(同5重量部)、ステアリン酸15g(同1重量部)、ホワイトカーボン750g(同50重量部)、炭酸カルシウム75g(同5重量部)、酸化チタン75g(同5重量部)及び酸化亜鉛75g(同5重量部)を加えて約3分間混練した。最後に1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン48g(同3.2重量部)を加えて引続き約1分間混練した。この間の混練物温度は100℃を超えないように調節した。得られた混練物を速やかに加圧ロールに通し、シート状に加工すると共に25℃以下に冷却することにより、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Aを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Aの特性値およびクリーニング性試験結果を表1に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Aは良好なクリーニング性を示した。
実施例2(本発明の第1の金型清掃用ゴム系組成物)
実施例1において、基材樹脂の配合量を、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]900gおよびBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]600gに変更する以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Bを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Bの特性値およびクリーニング性試験結果を表1に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Bは良好なクリーニング性を示した。
実施例3(本発明の第1の金型清掃用ゴム系組成物)
実施例1において、モノエタノールアミン150g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して10重量部)の替わりに、(±)−1−アミノ−2−プロパノール450g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して30重量部)を用いる以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Cを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Cの特性値およびクリーニング性試験結果を表1に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Cは良好なクリーニング性を示した。
実施例4(本発明の第1の金型清掃用ゴム系組成物)
実施例1において、基材樹脂を、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]825gおよびBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 35、1,4シス結合含有率95重量%のもの]675gに変更し、また、ホワイトカーボンの配合量を750g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して50重量部)から450g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して30重量部)に変更する以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Dを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Dの特性値およびクリーニング性試験結果を表1に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Dは良好なクリーニング性を示した。
比較例1
実施例1において、基材樹脂の配合量を、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]600gおよびBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]900gに変更する以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Eを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Eの特性値およびクリーニング性試験結果を表1に示す。試験結果から判るように、キャビティ部での未充填や金型へのチッピング等が発生し、多くのクリーニング作業時間が必要であった。また、クリーニング性も不良であり、クリーニング完了までに多くのショット数が必要であった。
Figure 0005391072
実施例5(本発明の第2の金型清掃用ゴム系組成物)
実施例1において、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン48g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して3.2重量部)の替わりに、ジクミルパーオキサイド48g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して3.2重量部)を用い、混練物温度が110℃を超えないように調節した以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Fを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Fの特性値およびクリーニング性試験結果を表2に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Fは良好な成形性およびクリーニング性を示した。
実施例6(本発明の第2の金型清掃用ゴム系組成物)
実施例5において、基材樹脂の配合量を、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]900gおよびBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]600gに変更する以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Gを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Gの特性値およびクリーニング性試験結果を表2に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Gは良好な成形性およびクリーニング性を示した。
実施例7(本発明の第2の金型清掃用ゴム系組成物)
実施例5において、モノエタノールアミン150g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して10重量部)の替わりに、(±)−1−アミノ−2−プロパノール300g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して20重量部)を用い、ジクミルパーオキサイド48g(同3.2重量部)の替わりに、ジクミルパーオキサイド28g(同1.9重量部)およびn-ブチル4,4-ビス (t-ブチルパーオキシ) バレレート20g(同1.3重量部)を用いる以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Hを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Hの特性値およびクリーニング性試験結果を表2に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Hは良好な成形性およびクリーニング性を示した。
実施例8(本発明の第2の金型清掃用ゴム系組成物)
実施例5において、BR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]450gの替わりに、BR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 35、1,4シス結合含有率95重量%のもの]450gに変更し、また、ジクミルパーオキサイド48g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して3.2重量部)の替わりに、1,1-ビス (t-ブチルパーオキシ) シクロヘキサン13g(同0.9重量部)およびジクミルパーオキサイド35g(同2.3重量部)に変更する以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Iを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Iの特性値およびクリーニング性試験結果を表2に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Iは良好な成形性およびクリーニング性を示した。
比較例2
実施例5において、基材樹脂の配合量を、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]600gおよびBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]900gに変更する以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Jを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Jの特性値およびクリーニング性試験結果を表2に示す。試験結果から判るように、キャビティ部での未充填や金型へのチッピング等が発生し、多くのクリーニング作業時間が必要であった。また、クリーニング性も不良であり、クリーニング完了までに多くのショット数が必要であった。
Figure 0005391072
実施例9(本発明の第3の金型清掃用ゴム系組成物)
3000mlのジャケット付き加圧型ニーダー中にEPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]を1050gとBR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]450gを添加し、冷却しながら約3分間加圧混練すると、EPDMとBRの混合生地はモチ状になり、その温度は約80℃となった。次いでモノエタノールアミン150g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して10重量部)、ポリオキシアルキレンデシルエーテル系界面活性剤75g(同5重量部)、ステアリン酸15g(同1重量部)、ホワイトカーボン650g(同43重量部)、炭酸カルシウム75g(同5重量部)、酸化チタン75g(同5重量部)、酸化亜鉛75g(同5重量部)、ロキシオールG−78(コグニスジャパン株式会社製 高分子複合エステル)75g(同5重量部)、およびリコルブH−4(クラリアントジャパン株式会社製変性炭化水素)75g(同5重量部)を加えて約3分間混練した。最後にジクミルパーオキサイド48g(同3.2重量部)を加えて引続き約1分間混練した。この間の混練物温度は110℃を超えないように調節した。得られた混練物を速やかに加圧ロールに通し、シート状に加工すると共に25℃以下に冷却することにより、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Kを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Kの特性値およびクリーニング性試験結果を表3に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Kは良好な成形性およびクリーニング性を示した。
実施例10(本発明の第3の金型清掃用ゴム系組成物)
実施例9において、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 23のもの]の替わりに、EPDM生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 8のもの]900gを用い、BR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]の配合量を600g、ロキシオールG−78の配合量を30g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して2重量部)、リコルブH−4の配合量を15g(同1重量部)にそれぞれ変更し、新たにステアリン酸亜鉛15g(同1重量部)を加える以外は同様にして、厚さ6mmシート状金型清掃用ゴム系組成物Lを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Lの特性値およびクリーニング性試験結果を表3に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Lは良好な成形性およびクリーニング性を示した。
実施例11
実施例9において、ホワイトカーボンの配合量を700g(EPDMとBRの混合生地100重量部に対して47重量部)、ロキシオールG−78の配合量を45g(同3重量部)に変更し、リコルブH−4を75g(同5重量部)用いる替わりに脂肪酸アマイドS(花王株式会社製 脂肪酸アマイド)30g(同2重量部)を用い、さらに新たにステアリン酸亜鉛75g(同5重量部)を加え、ジクミルパーオキサイド48g(同3.2重量部)の替わりに2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン48g(同3.2重量部)を用いる以外は同様にして、厚さ6mmシート状金型清掃用ゴム系組成物Mを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Mの特性値およびクリーニング性試験結果を表3に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Mは良好な成形性およびクリーニング性を示した。
実施例12
実施例10において、BR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 42、1,4シス結合含有率95重量%のもの]600gの替わりに、BR生地[ムーニー粘度ML1+4(100℃) 35、1,4シス結合含有率95重量%のもの]600gに変更し、また、ホワイトカーボン650g(同43重量部)の替わりに同700g(同47重量部)、ステアリン酸亜鉛30g(同2重量部)の替わりに同75g(同5重量部)、ロキシオールG−78 30g(同2重量部)の替わりに同60g(同4重量部)、ジクミルパーオキサイド48g(同3.2重量部)の替わりに、ジ(t-ブチルパーオキシ)−m−ジイソプロピルベンゼン48g(同3.2重量部)を用いる以外は同様にして、厚さ6mmのシート状金型清掃用ゴム系組成物Nを得た。
得られたシート状金型清掃用ゴム系組成物Nの特性値およびクリーニング性試験結果を表3に示す。試験結果から判るように、シート状金型清掃用ゴム系組成物Nは良好な成形性およびクリーニング性を示した。
Figure 0005391072
上記のように、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムであって、加硫硬化後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tC (90)が50〜100秒又は200〜400秒の値を示す未加硫ゴムを用いた金型清掃用ゴム系組成物を用いることによって、作業性(剥離性)が良く且つ、チッピングやボイドの発生がなく、キャビティやランナー、ゲートの汚れだけでなく、エアベントや金型パーティングエリアの汚れを容易に取り除くことが出来た。
本発明の金型清掃用ゴム系組成物の中でも、特に、本発明の第3の金型清掃用ゴム系組成物は、離型剤を含有することにより、PDIPやSOIC等のようにキャビティが深い小型のパッケージ製造用金型や、小型のパッケージの中でも、ピン数が少ない特に小さなパッケージ製造用金型のクリーニングに適している。

Claims (8)

  1. 硬化性樹脂の成形工程において発生する金型表面の汚れを取り除くための金型清掃用樹脂組成物において、基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、
    前記ブタジエンゴムが、シス1、4結合の含有量で90重量%以上のハイシス構造を有し、
    且つ、該未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が50〜100秒の値の範囲にあることを特徴とする金型清掃用ゴム系組成物。
  2. 硬化性樹脂の成形工程において発生する金型表面の汚れを取り除くための金型清掃用樹脂組成物において、基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、
    前記ブタジエンゴムが、シス1、4結合の含有量で90重量%以上のハイシス構造を有し、
    且つ、該未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が200〜400秒の値の範囲にあることを特徴とする金型清掃用ゴム系組成物。
  3. 硬化性樹脂の成形工程において発生する金型表面の汚れを取り除くための金型清掃用樹脂組成物において、基材樹脂として、エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、90/10〜50/50重量部に設定されている未加硫ゴムを使用し、
    前記ブタジエンゴムが、シス1、4結合の含有量で90重量%以上のハイシス構造を有し、
    且つ、該未加硫ゴムが、加硫硬化した後の伸び率が80〜800%、引張強度が3〜10MPa、ゴム硬度(デュロメータ硬さ)がA60〜95、金型温度175℃における90%加硫時間(適正加硫点)tc (90)が200〜400秒の値の範囲にある未加硫ゴムであり、且つ、少なくとも1種の離型剤を含有することを特徴とする金型清掃用ゴム系組成物。
  4. 上記基材樹脂と上記離型剤との配合割合が、基材樹脂100重量部に対して、離型剤3〜15重量部である、請求項3に記載の金型清掃用ゴム系組成物。
  5. 上記エチレン−プロピレンゴムとブタジエンゴムとの配合割合が、80/20〜60/40重量部に設定されている、請求項1〜4の何れかに記載の金型清掃用ゴム系組成物。
  6. コンプレッションタイプである、請求項1〜5の何れかに記載の金型清掃用ゴム系組成物。
  7. 更に、充填剤、洗浄剤、洗浄助剤、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫促進助剤の少なくとも1種を含有する、請求項1〜6の何れかに記載の金型清掃用ゴム系組成物。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の金型清掃用ゴム系組成物を用いた金型清掃方法。
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