JPH0768438B2 - 芳香族ポリエステル組成物 - Google Patents

芳香族ポリエステル組成物

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JPH0768438B2
JPH0768438B2 JP62280104A JP28010487A JPH0768438B2 JP H0768438 B2 JPH0768438 B2 JP H0768438B2 JP 62280104 A JP62280104 A JP 62280104A JP 28010487 A JP28010487 A JP 28010487A JP H0768438 B2 JPH0768438 B2 JP H0768438B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は400℃以下で溶融成形が可能で、優れた流動性
と耐熱性および機械的特性を有する成形品を提供しうる
芳香族ポリエステル組成物に関するものである。
<従来の技術> 近年プラスチックの高性能化に対する要求がますます高
まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発さ
れ、市場に供されているが、中でも特に分子鎖の平行な
配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優れた機械
的性質を有する点で注目されている。
異方性溶融相を形成するポリマとしては例えばp−ヒド
ロキシ安息香酸にポリエチレンテレフタレートを共重合
した液晶ポリマ(特開昭49−72393号公報)、p−ヒド
ロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を共
重合した液晶ポリマ(特開昭54−77691号公報)、また
p−ヒドロキシ安息香酸に4,4′−ジヒドロキシビフェ
ニルとテレフタル酸、イソフタル酸を共重合した液晶ポ
リマ(特公昭57−24407号公報)などが知られている。
また、非晶性の芳香族ポリエステルにオレフィン類とグ
リシジルメタアクリレートおよび/またはグリシジルア
クリレートとの共重合体からなる組成物が特開昭60−25
046号公報に開示されている。
<発明が解決しようとする課題> 前期液晶ポリマは液晶性を示さない結晶性ポリマ、例え
ばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レートなどに比してその成形時の配向により、優れたア
イゾット衝撃強度を示すが、落球、落錘衝撃等の面衝撃
は逆に劣っていることが判った。また成形品の異方性の
大きいことも知られている。
前記非晶性の芳香族ポリエステルとオレフィン系共重合
体を配合した組成物において、このオレフィン系共重合
体は非晶性の芳香族ポリエステルの落球、落錘衝撃など
の面衝撃強度をほとんど向上せず、異方性の減少効果も
見出されない。
よって、本発明は、異方性溶融相を形成する芳香族ポリ
エステルが有するすぐれた流動性、耐熱性を損なうこと
なく機械物性、とりわけ面衝撃性および異方性を改良す
ることを課題とするものである。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は下記構造単位(I)または[(I)
+(II)+(III)]または[(I)+(II)+(III)
+(IV)]からなる異方性溶融相を形成する芳香族ポリ
エステル100重量部に対してオレフィン系重合体0.1〜60
重量部を含有せしめてなる芳香族ポリエステル組成物で
ある。
O−X−CO ……(I) O−Y−O ……(II) OC−Z−CO ……(IV) (ただし式中のXは であり、Yは から選ばれた一種以上の基を示し、Zは から選ばれた一種以上の基を示す。なお、(III)中の
ジカルボン酸成分中のカルボニル基は互いにメタおよび
/またはパラの関係にある。
また、構造単位(II)と構造単位[(III)+(IV)]
は実質的に等モルである。) 本発明で用いる芳香族ポリエステルは上記構造単位
(I)または[(I)+(II)+(III)]または
[(I)+(II)+(III)+(IV)]からなるもので
あり、好まくは構造単位[(I)+(II)+(II
I)]、構造単位[(I)+(II)+(III)+(IV)]
からなるものである。
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸または、
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から選ばれた一種以
上、好ましくはp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構
造単位を示す。
上記構造単位(II)は4,4′−ジヒドロキシビフェニ
ル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、4,
4′−ジヒドロキシジフェルエーテル、2,6−ジヒドロキ
シナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、クロル
ハイドロキノン、メチルハイドロキノンおよびフェニル
ハイドロキノンから選ばれた一種以上のジヒドロキシ化
合物、好ましくは4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノン、t−ブチルハイドロキノンおよびフェニ
ルハイドロキノンから選ばれた一種以上のジヒドロキシ
化合物、特に好ましくはハイドロキノン、t−ブチルハ
イドロキノンおよびフェニルハイドロキノンから選ばれ
た一種以上と4,4′−ジヒドロキシビフェニルを併用し
たジヒドロキシ化合物からなるジオール成分から生成し
た構造単位を示す。
構造単位(III)は、テレフタル酸および/またはイソ
フタル酸から生成した構造単位を示す。
上記構造単位(IV)は1,2−ビス(フェノキシ)エタン
−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノ
キシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸および4,4′−ジカルボキシジフェニルエ
ーテルジカルボン酸から選ばれた一種以上から生成した
構造単位を示す。
上記構造単位からなる芳香族ポリエステルは異方性溶融
相を形成することが必要であり、350℃以下の温度で光
学異方性を示すことが可能な芳香族ポリエステルが好ま
しい。
なかでも、得られる成形品の耐熱性と流動性の点から下
記構造単位(I)′〜(III)からなる芳香族ポリエス
テルが好ましく使用できる。
(ただし式中のXは から選ばれた一種以上の基を示す。なお(III)中のジ
カルボン酸成分中のカルボニル基は互いにメタおよび/
またはパラの関係にある。また構造単位[(II)′+
(II)″]と(III)は実質的に等モルである。) 上記本発明において好ましく使用できる芳香族ポリエス
テルにおいて、上記構造単位(I)′はp−ヒドロキシ
安息香酸から生成した構造単位を示す。
構造単位(II)′は4,4′−ジヒドロキシビフェニルか
ら生成したポリエステルの構造単位を示す。
構造単位(II)″はハイドロキノン、t−ブチルハイド
ロキノン、4−4′−ジフェニルエーテル、2,7−ジヒ
ドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、
クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェニ
ルハイドロキノンから選ばれた一種以上のジヒドロキシ
化合物から生成した構造単位を示す。構造単位(III)
はテレフタル酸および/またはイソフタル酸から生成し
た構造単位を示す。
共重合量については特に制限はないが、流動性の点から
構造単位(I)′が[(I)′+(II)′+(II)″]
の40〜90モル%、構造単位[(II)′+(II)″]が
[(I)′+(II)′+(II)″]の60〜10モル%であ
ることが好ましい。構造単位(II)′/(II)″のモル
比は1/9〜9/1であることが好ましく、流動性の点から7.
5/2.5〜4/6の範囲が好ましい。
また、上記構造単位(III)中のジカルボン酸成分はテ
レフタル酸および/またはイソフタル酸であるが、テレ
フタル酸/イソフタル酸のモル比は10/0〜6.5/3.5が好
ましい。
さらに、上記(I)′〜(III)を構成する成分以外
に、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボ
ン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4′−ジカルボン酸を共重合したものも好ましく使用で
きる。
また、前記構造単位(I)〜(IV)から選ばれる構造単
位の各成分以外に4,4′−ジフェニルジカルボン酸、3,
4′−ジフェニルジカルボン酸、2,2′−ジフェニルジカ
ルボン酸、1,2−ビス(クロルフェノキシ)エタン−4,
4′−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ヘキサ
ヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、レゾル
シン等の芳香族ジヒドロキシ化合物、m−ヒドロキシ安
息香酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸、p−アミノ
フェノール、p−アミノ安息香酸およびβ−ヒドロキシ
エトキシ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度
の割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。
上記芳香族ポリエステルは従来のポリエステルの重縮合
法に準じて製造でき、特に、制限はないが、代表的な例
としては例えば次の(1)〜(4)法が挙げられる。
(1) p−アセトキシ安息香酸のアシル化物、4,4′
−ジアセトキシビフェニル等の芳香族ヒドロキシ化合物
のアシル化物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸
から脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
(2) p−ヒドロキシ安息香酸、4,4′−ジヒドロキ
シビフェニルなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とテレフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸および無水酢酸とから
脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
(3) p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルお
よび4,4′−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジヒ
ドロキシ化合物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合により
製造する方法。
(4) p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸に所望量のジフェニルジカーボ
ネートを反応させてそれぞれジフェニルエステルとした
後、4,4′−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジヒ
ドロキシ化合物を加え脱フェノール重縮合反応により製
造する方法。
重縮合反応に使用する触媒としては酢酸第1錫、テトラ
ブチルチタネート、酢酸鉛、三酸化アンチモン、マグネ
シウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムおよびリン酸三
ナトリウムなどの金属化合物が代表的であり、とりわけ
脱フェノール重縮合の際に有効である。
また、本発明に好ましく使用できる芳香族ポリエステル
は異方性溶融相を形成するが、異方性を示し始める温度
(液晶開始温度)より40℃高い温度で剪断速度1,000(1
/秒)の条件下で測定した溶融粘度が10〜15,000ポイズ
のものが好ましく使用できる。
また、本発明において用いるオレフィン系重合体はα−
オレフィン類とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル
とからなる共重合体、エチレンと炭素数3以上のα−オ
レフィンからなる共重合体に対し、不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体をグラフトして得た変性エチレン系重合
体およびエチレン、炭素数3以上のα−オレフィンおよ
び非共役ジエンからなる共重合体に対し、不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体をグラフトして得た変性エチレン
系重合体から選ばれた一種以上である。
上記α−オレフィン類としては炭素数2〜4のものが好
ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン−1
などが挙げられ、なかでもエチレンが好ましく使用でき
る。また、α,β−不飽和酸のグリシジルエステルと
は、一般式 (式中、Rは水素原子または低級アルキル基である。) で示される化合物であり、具体的にはアクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジ
ルなどであり、中でもメタクリル酸グリシジルが好まし
く用いられる。α,β−不飽和酸のグリシジルエステル
の共重合量は1〜50モル%の範囲が適当である。さら
に、40モル%以下であれば上記の共重合体と共重合可能
である不飽和モノマすなわちビニルエーテル類、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メ
チル、エチル、プロピル等のアクリル酸およびメタクリ
ル酸のエステル類、アクリロニトリル、スチレン等を共
重合せしめてもよい。
炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルペンテン−1、
オクタセン−1などが挙げられ、中でもプロピレンおよ
びブテン−1が好ましく用いられる。また、非共役ジエ
ンとしては5−メチリデン−2−ノルボーネン、5−エ
チリデン−2−ノルボーネン、5−ビニル−2−ノルボ
ーネン、5−プロペニル−2−ノルボーネン、5−イソ
プロペニル−2−ノルボーネン、5−クロチル−2−ノ
ルボーネン、5−(2−メチル−2−ブテニル)−2−
ノルボーネン、5−(2−エチル−2−ブテニル)−2
−ノルボーネン、5−メタクリルノルボーネン、5−メ
チル−5−ビニルノルボーネンなどのノルボーネン化合
物、ジクロルペンタジエン、メチルテトラヒドロインデ
ン、4,7,8,9−テトラヒドロインデン、1,5−シクロオク
タジエン、1,4−ヘキサジエン、イソプレン、6−メチ
ル−1,5−ヘプタジエン、11−エチル−1,1,1−トリデカ
ジエンなどであり、好ましくは5−メチリデン−2−ノ
ルボーネン、5−エチリデン−2−ノルボーネン、ジク
ロルペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどが使用でき
る。
エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンからなる未変
性エチレン系共重合体の共重合比は40/60〜99/1(モル
比)の範囲が好ましく、特に70/30〜95/5(モル比)が
好ましい。
エチレン、炭素数3以上のα−オレフィンおよび非共役
ジエンからなる未変性エチレン系共重合体における炭素
数3以上のα−オレフィンの共重合量は5〜80モル%が
好ましく、特に、20〜60モル%が好ましく、非共役ジエ
ンの共重合量は0.1〜20モル%が好ましく、特に0.5〜10
モル%が好ましく用いられる。
未変性エチレン系共重合体の具体例としてはエチレン/
プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、
エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合
体、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボ
ーネン共重合体などが好ましく挙げられ、中でも非共役
ジエンを含有しないエチレン/プロピレン共重合体およ
びエチレン/ブテン−1共重合体が耐熱性がよく、より
好ましく使用できる。
上記未変性エチレン系共重合体にグラフト反応させて変
性エチレン系共重合体を得る不飽和カルボン酸として
は、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
シトラコン酸、ブテンジカルボン酸などである。またそ
れらの誘導体としては、アルキルエステル、グリシジル
エステル、酸無水物またはイミド等が挙げられ、これら
の中で、グリシジルエステル、酸無水物、イミドが好ま
しい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体の好ましい具体例と
しては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジ
ル、イタコン酸グリシジルエステル、シトラコン酸ジグ
リシジルエステル、ブテンジカルボン酸ジグリシジルエ
ステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラ
コン酸、マレイン酸イミド、イタコン酸イミド、シトラ
コン酸イミドなどであり、特に、メタクリル酸グリシジ
ル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸イミ
ドが好ましく使用できる。これらの不飽和エポキシ単量
体は2種以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト反応量は
機械物性、とりわけ面衝撃性の改良効果の点から0.01重
量%以上、芳香族ポリエステルの耐熱性の点から10重量
%以下の範囲が好ましく、特に0.05〜5重量%であるこ
とが好ましい。
なお、ここでいうグラフト反応とは、不飽和カルボン酸
またはその誘導体が未変性エチレン系共重合体と化学的
に結合することを意味する。
変性エチレン系共重合体は未変性エチレン系共重合体に
不飽和カルボン酸またはその誘導体および未変性エチレ
ン系共重合体に対して0.001〜0.1重量%の有機酸化物を
加え、150〜300℃で溶融混練することによって、製造す
ることができる。溶融混合する場合の装置としては、ス
クリュー押出機、バンバリーミキサー等を用いることが
できる。
このグラフト反応に好ましく使用できる有機過酸化物は
具体的には、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−
tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3、α,α′−ジ−(tert−ブ
チルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンなどである。
なお、異方性溶融相を形成する芳香族ポリエステルに対
して、上記のオレフィン系重合体を2種以上併用しても
さしつかえない。
上記共重合体の配合量は芳香族ポリエステル100重量部
に対して0.1〜60重量部、特に0.5〜20重量部が好まし
い。0.1重量部未満では機械物性、とりわけ面衝撃性の
改良効果が小さく、60重量部より多い場合は高弾性率、
すぐれた成形流動性、耐熱性など、異方性溶融相を形成
する芳香族ポリエステルの長所が損われるためいずれの
場合も好ましくない。
またさらに、上記芳香族ポリエステルに対し、本発明の
目的を損なわない範囲でさらにガラス繊維、炭素繊維、
アスベスト等の強化剤、充填剤、核剤、顔料、酸化防止
剤、安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤および難燃剤などの
添加剤や外の熱可塑性樹脂を添加して、所望の特性を付
与することができる。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されるものではな
いが、芳香族ポリエステル、オレフィン系重合体および
必要に応じ、他の添加剤を押出機を用いて溶融混練する
方法が好ましい。
本発明により、得られた芳香族ポリエステルは射出成
形、押出成形などの方法により、容易に成形することが
可能であり、得られた成形品はすぐれた性能を発揮す
る。
<実施例> 以下に実施例により本発明をさらに詳述する。
参考例1 p−アセトキシ安息香酸519重量部、4,4′−ジアセトキ
シビフェニル184重量部、t−ブチルハイドロキノンジ
アセテート85重量部、ハイドロキノンジアセテート19.4
重量部およびテレフタル酸186重量部を攪拌翼、留出管
を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下に250〜3
40℃で3.0時間反応させた後、350℃に昇温後、1.5mmHg
に系内を減圧し、さらに1.0時間加熱し、重縮合反応を
行ない下記の理論構造式を有する樹脂Aを得た。
l/m/n/o/p=72/17/8.5/2.5/28 また、この樹脂Aを偏光顕微鏡の試料台にのせ、昇温し
て光学異方性の確認を行なったところ、307℃以上で良
好な光学異方性を示した。
このポリエステルの対数粘度(0.1重量%の濃度でペン
タフルオロフェノール中、60℃で測定)は4.3であり、3
47℃、ずり速度1,000(1/秒)での溶融粘度は2,600ポイ
ズであった。
参考例2 p−アセトキシ安息香酸541重量部、4,4′−ジアセトキ
シビフェニル184重量部、ハイドロキノンジアセテート6
2重量部およびテレフタル酸124重量部、イソフタル酸42
重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒
素ガス雰囲気下に250〜360℃で3時間反応させた後、1m
mHgに減圧し、さらに1時間加熱し、重縮合を完結さ
せ、下記の理論構造式を有する樹脂Bを得た。
l/m/n/o/p=75/17/8/18.75/6.25 このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、昇温し
て光学異方性の確認を行なったところ、305℃以上で良
好な光学異方性を示した。
このポリエステルの対数粘度(参考例1と同一条件で測
定)は4.1であり、345℃、ずり速度1,000(1/秒)での
溶融粘度は6,200ポイズであった。
参考例3(変性エチレン系重合体の製造) エチレン/ブテン−1共重合体(ブテン−1の共重合量
10モル%)100重量部に対してメタクリル酸グリシジル
4重量部および2,5−ジメチル−2,5−(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3 0.015重量部とを窒素流通した
ヘンシェルミキサーに仕込み、6時間攪拌して均一な混
合物を作った。
この混合物をL/D28で先端ダルメージタイプのスクリュ
ーを装備した40mmφ押出機を使用して、スクリュー回転
数80rpm、シリンダー温度200℃の条件で押出し、変性エ
チレン系共重合体のペレット(a)を得た。
このペレットを粉砕後、アセトンを添加し、未反応のメ
タクリル酸グリシジルをソックスレー押出機にて20時間
抽出処理した。さらにペレットを乾燥後、p−キシレン
に溶解し、紫外吸収スペクトルを測定し、メタクリル酸
グリシジルのグラフト反応量の定量を行なった。その結
果、メタクリル酸グリシジルが1.1重量%グラフト反応
していることがわかった。
実施例1,2 参考例1で得た樹脂A100重量部に対して、オレフィン系
重合体として、エチレン−メタクリル酸グリシジル(90
/10モル)共重合体10重量部または参考例3で得た変性
エチレン系共重合体a10重量部をドライブレンドし、35
℃に測定した単軸押出機で溶融混練後ペレタイズした。
得られたペレットを住友ネスタール射出成形機・プロマ
ット40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリン
ダー温度350℃、金型温度90℃の条件で2mm厚の円板およ
び3mm厚の角板を成形し、得られた2mm厚の円板を用いて
デュポン式落球衝撃試験(球半径6mm、荷重250g)を行
ない、3mm厚の角板を用いて成形収縮率を測定した。結
果を表1に示す。
実施例3,4 参考例2で得た樹脂Bを用いた以外は実施例1と同様の
方法で得た円板および角板を実施例1と同様の方法で試
験した。結果を表1に示す。
実施例5,6 下記理論構造式に示される樹脂C,Dとエチレン−メタク
リル酸グリシジル(モル比90/10)共重合体を表1に示
す割合でブレンド・押出しを行ない実施例1と同様の条
件で成形し、円板・角板の落球衝撃試験および成形収縮
率の測定を行なった。結果を表1に示す。
(液晶開始温度256℃、296℃、ずり速度1,000(1/秒)
での溶融粘度2,200ポイズ) (液晶開始温度373℃、413℃、ずり速度1,000(1/秒)
での溶融粘度8,600ポイズ) 比較例1〜4 オレフィン系重合体を使用しなかったこと以外は実施例
1,3,5,6と同様に成形し、同様に評価した。結果を表1
に示す。
実施例7 参考例1で得た樹脂A、ガラス繊維(3mm長、径10μ、
チョップドストランド)およびエチレン−メタクリル酸
グリシジル(90/10モル比)共重合体を表3に示す割合
でブレンド・押出を行ない、実施例1と同様の成形品を
作成し、落球衝撃試験を行なった。結果を表2に示す。
実施例8,9 樹脂C,D、ガラス繊維(3mm長、径10μ、チョップドスト
ランド)およびエチレン−メタクリル酸グリシジル(90
/10モル比)共重合体を表2に示す割合でブレンド・押
出を行ない、実施例1と同様の条件で成形し、落球衝撃
を行なった。結果を表2に示す。
以上の結果、本発明の芳香族ポリエステル組成物はすぐ
れた落球衝撃強度と低減した異方性を有していることが
わかる。
比較例5〜8 オレフィン系重合体を用いなかったこと以外は実施例7
〜9と同様に成形し、評価した。結果を表2に示す。
<発明の効果> 本発明の芳香族ポリエステル組成物は、すぐれた流動
性、耐熱性、衝撃強度と異方性の減少した特性を有して
いるため自動車外板用途などの各種の分野に用いること
ができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造単位(I)または[(I)+(I
    I)+(III)]または[(I)+(II)+(III)+(I
    V)]からなる異方性溶融相を形成する芳香族ポリエス
    テル100重量部に対してα−オレフィン類とα,β−不
    飽和酸のグリシジルエステルとからなる共重合体、エチ
    レンと炭素数3以上のα−オレフィンからなる共重合体
    に対し不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトし
    て得た変性エチレン系重合体およびエチレン、炭素数3
    以上のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなる共重
    合体に対し、不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラ
    フトして得た変性エチレン系重合体から選ばれた一種以
    上のオレフィン系重合体0.1〜60重量部を含有せしめて
    なる芳香族ポリエステル組成物。 O−X−CO ……(I) O−Y−O ……(II) OC−Z−CO ……(IV) (ただし式中のYは であり、Yは から選ばれた一種以上の基を示し、Zは から選ばれた一種以上の基を示す。なお、(II)中のジ
    カルボン酸成分中のカルボニル基は互いにメタおよび/
    またはパラの関係にある。 また、構造単位(II)と構造単位[(III)+(IV)]
    は実質的に等モルである。)
  2. 【請求項2】オレフィン系重合体がα−オレフィン類と
    α,β−不飽和酸のグリシジルエステルとからなる共重
    合体である特許請求の範囲第(1)項記載の芳香族ポリ
    エステル組成物。
  3. 【請求項3】オレフィン系重合体がエチレンと炭素数3
    以上のα−オレフィンからなる共重合体に対し、0.01〜
    10重量%の不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフ
    トして得た変性エチレン系重合体またはエチレン、炭素
    数3以上のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなる
    共重合体に対し、0.01〜10重量%の不飽和カルボン酸ま
    たはその誘導体をグラフトして得た変性エチレン系重合
    体である特許請求の範囲第(1)項記載の芳香族ポリエ
    ステル組成物。
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