JP2897323B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2897323B2 JP6750690A JP6750690A JP2897323B2 JP 2897323 B2 JP2897323 B2 JP 2897323B2 JP 6750690 A JP6750690 A JP 6750690A JP 6750690 A JP6750690 A JP 6750690A JP 2897323 B2 JP2897323 B2 JP 2897323B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は良好な成形性および優れた表面外観を有し、
かつ機械的性質の優れた樹脂組成物に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
近年プラスチックの高性能化に対する要求がますます
高まっている。ポリオレフィンは成形加工性,強靭性、
耐水性、耐有機溶剤性、耐薬品性などに優れ、低比重で
安価であることから、各種成形品やフィルム、シート等
に従来から広く利用されている。
しかし、一般にポリオレフィンは耐熱性、剛性がそれ
程高くなく、新規な用途開拓をはかるためにはこれらを
さらに改良することが望ましい。この改良方法として、
炭酸カルシウムやガラス繊維等の補強材をブレンドする
方法が知られているが、材料の比重が大きくなるためプ
ラスチックの特徴である軽量の長所が減じたり、成形品
の外観が悪いという欠点を有する。さらに成形時におい
て、成形機の磨耗等が激しく実用上問題が多い。
一方、異方性溶融体を形成するポリマーとしては、例
えばパラヒドロキシ安息香酸に、ポリエチレンテレフタ
レートを共重合した液晶ポリマー(特開昭49−72393号
公報)、パラヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2
−ナフトエ酸を共重合した液晶ポリマー(特開昭54−77
691号公報)またパラヒドロキシ安息香酸に4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニルとテレフタル酸、イソフタル酸を共
重合した液晶ポリマー(特公昭57−24407号公報)等が
知られている。これら液晶ポリマーは優れた耐熱性、剛
性、寸法安定性を有するが、高価であるためその利用範
囲が限定されている。
このような液晶ポリマーと種々の熱可塑性樹脂とのブ
レンドに関してはJ.キスによりポリマー・エンジニアリ
ング・アンド・サイエンス27巻(1987年)410頁で報告
されている。しかしながら、このブレンド物の機械物性
はある程度改良されてはいるものの、実用上不充分であ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は前述のような現状をみて、ポリオレフィンと
液晶ポリマーのそれぞれの長所を兼ね備え、欠点を補
い、かつ優れた機械的性質を有する樹脂組成物を得よう
とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、ポリオレフィン−液晶ポリマー配合物
に関する機械的物性を改良するように鋭意検討した結
果、本発明に至った。
すなわち、本発明は異方性溶融体を形成し得る溶融加
工性重合体(A)5〜55wt%および不飽和カルボン酸あ
るいはその誘導体で変性されたポリオレフィン系重合体
(B)95〜45wt%から成る樹脂組成物に関するものであ
る。
本発明における異方性溶融体を形成し得る溶融加工性
重合体(A)は、下記の方法で求めた流動温度が、160
℃〜350℃、好ましくは165〜325℃、さらに好ましくは1
70〜270℃のものがよい。
流動温度:内径1mm、長さ10mmのノズルを持つ毛細管型
レオメーターを用いて、4℃/分の昇温速度で加熱溶融
体を荷重100kg/cm2の下でノズルから押出すときに、溶
融粘度が48,000ポイズを示す温度。
該溶融加工性重合体としては、下記繰り返し構造単位
(III)、または(I)および(II)、また(I)、(I
I)および(III)から成るポリエステルが好ましい。
(式中R1 から選ばれた一種以上の基を示す。
式中R2は、 から選ばれた一種以上の基を示す。
式中、R3から選ばれた一種以上の基を示す。
ただし、R1、R2、R3のいずれにおいても芳香族炭化水
素のベンゼン環の水素原子の一部はハロゲン原子、アリ
ール基、C1〜C10のアルキル基またはアルコキシ基で置
換されていてもよい。) 上記繰り返し構造単位(I)を与えるジカルボン酸の
具体例としてはテレフタル酸、メトキシテレフタル酸、
エトキシテレフタル酸、フルオロテレフタル酸、クロロ
テレフタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル
酸、イソフタル酸、メトキシイソフタル酸、ビフェニル
−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−
ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフ
タレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカル
ボン酸などが挙げられるが、これらは二種以上混合して
使用してもよい。
また、繰り返し構造単位(II)を与えるジオキシ化合
物の具体例としてはエチレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,12−ドデカンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオ
ール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,2−ジオール、4,4−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノン、レゾルシン、メチルハイドロキノン、t
−ブチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、フェ
ニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、
2,7−ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられ、これら
は二種以上混合して使用してもよい。
さらに、繰り返し構造単位(III)を与えるオキシカ
ルボン酸としては、パラヒドロキシ安息香酸、4−ヒド
ロキシ−3−クロロ−安息香酸、4−ヒドロキシ−3−
メチル安息香酸、メタヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチル安息香酸、2−オキシ−6−ナフ
トエ酸、1−オキシ−5−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ
−4−ナフトエ酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレートなどが挙げられ、これらは二種
以上混合して使用してもよい。
該液晶ポリエステルの繰り返し構造単位の比率につい
て特に制限はないが、繰り返し構造単位(I)、(II)
および(III)から成る場合はジカルボン酸残基(I)
とジオキシ残基(II)との合計が全体の20〜90モル%、
好ましくは30〜80モル%、オキシカルボン酸残基(II
I)が、全体の80〜10モル%、好ましくは70〜20モル%
がよい。
さらに上記の構造単位にジアミノ化合物、オキシアミ
ノ化合物、アミノカルボン酸を共重合させることも可能
である。これらの具体例としては、メタまたはパラ−フ
ェニレンジアミン、メタまたはパラ−アミノフェノー
ル、パラ−アミノ安息香酸などが挙げられる。これらは
二種以上混合して用いてもよい。
上記構造単位から成るポリエステルは異方性溶融体を
形成することが必要であり、350℃以下の温度で光学異
方性を示すものが好ましい。
当該ポリエステルは従来の公知のポリエステルの重合
法に準じて触媒の存在下または不存在下で製造でき、特
に制限はないが代表的な例として次のような方法が挙げ
られる。
(1)パラヒドロキシ安息香酸などの芳香族オキシカル
ボン酸および4,4′−ジヒドロキシビフェニルなどの芳
香族ジヒドロキシ化合物の無水酢酸によるアシル化物と
テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸からの脱酢酸重
縮合反応によって製造する方法。
(2)パラヒドロキシ安息香酸などの芳香族オキシカル
ボン酸およびテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸の
フェニルエステルと4,4′−ジヒドロキシビフェニルな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物からの脱フェノール重縮
合反応により製造する方法。
(3)エチレングリコールなどの2価の脂肪族ジオール
とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸からのポリエ
ステルの存在下で(1)法により製造する方法。
(4)パラヒドロキシ安息香酸などの芳香族オキシカル
ボン酸の無水酢酸によるアシル化物の脱酢酸重縮合反応
によって製造する方法。
また、本発明における不飽和カルボン酸あるいはその
誘導体で変性されたポリオレフィン系重合体(B)とは
次のようなものが挙げられる。すなわち、ポリオレフィ
ンをラジカル開始剤の存在下、または不存在下で分子内
に(a)炭素−炭素二重結合、または炭素−炭素三重結
合および(b)カルボン酸基、酸無水物基、酸アミド
基、イミド基、カルボン酸無水物基から選ばれた一種以
上の基を同時に有する化合物で変性して得られる変性ポ
リオレフィンである。
上記官能基を有する変性例の具体例としては、無水マ
レイン酸、マレイン酸、フマール酸、マレイミド、マレ
イン酸ヒドラジド、無水マレイン酸とジアミンとの反応
物、例えば (ただし、Rは脂肪族、芳香族基を示す。) などで示される構造を有するもの、無水メチルナジック
酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、大豆
油、キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴ
マ油、菜種油、落花生油、椿油、オリーブ油、ヤシ油、
イワシ油などの天然油脂類、エポキシ化大豆油などのエ
ポキシ化天然油脂類,アクリル類、ブテン酸、クロトン
酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリ
カ酸、チブリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、
α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペ
ンテン酸、2−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン
酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン
酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、
2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10
−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4
−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデ
セン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、ア
イコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、
マイコリペン酸、2,4−ペンタジエン酸、2,4−ヘキサジ
エン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デカジエ
ン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘキサデカジエン
酸、9,12−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエン
酸、リノール酸、リノレン酸、オクタデカトリエン酸、
アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコサテト
ラエン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、オレイ
ン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエ
ン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサ
ペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキ
サコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸など
の不飽和カルボン酸、あるいはこれら不飽和カルボン酸
のエステル、例えばメチル、エチル、ブチルなどのアル
キルエステル、フェニルなどのアリールエステル、アク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのグリ
シジルエステル、酸アミド、無水物などが挙げられる。
これらは一種または二種以上用いられる。
これらの内で、特に好ましい化合物としては、無水マ
レイン酸、マレイン酸、無水ナジック酸、アクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸グリシジルである。また、本発
明において上記変性剤と、スチレン、p−オクシスチレ
ンなどのビニル化合物との併用も可能である。
上記変性剤の使用量としては一般にポリオレフィン10
0重量部に対して、0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜2
0重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部の範囲であ
る。以上述べた変性剤によりポリオレフィンを変性させ
る際に、場合によっては、ラジカル発生剤を用いること
もできる。
用いられるラジカル発生剤としては、公知の有機過酸
化物、ジアゾ化合物類が挙げられ、好ましい具体例とし
ては、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシ
ド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルクミ
ルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、
1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼンクメンハイドロパーオキシド、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどが挙げられる。
ラジカル発生剤の使用量は一般的にはポリオレフィン
100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜
5重量部の範囲である。
本発明における変性ポリオレフィンは上記変性剤とポ
リオレフィンとが化学的に反応していてもよいし、物理
的な相互作用(例えば、ポリオレフィンへの物理的吸
着)であってもよい。
本発明における変性ポリオレフィンの製造法に特に限
定はなく、公知の方法が用いられる。例えば、 (1)ポリオレフィンおよび上記変性剤をペレット、粉
末、細片状態などで高速撹拌機などを用いて均一混合し
た後、溶融混練して配合させる方法。
(2)ポリオレフィンを溶解あるいは膨潤させた溶液に
上記変性剤を加えて溶解あるいは膨潤させ、撹拌しなが
ら加熱する方法。
ここで(1)の方法において、溶融混練する温度、時
間に特に制限はない。温度としては変性剤の種類および
量などによっても若干変わるが、一般に120〜350℃の範
囲である。溶融混練する装置としては、粘性体を取扱い
得る方法であれば、どのような方法でもよく、バッチ方
式、連続方式のいずれの方法も使用できる。その具体例
として、例えば単軸あるいは多軸の押出機、バンバリー
ミキサー、ロール,ニーダーなどが挙げられる。
また、(2)の方法において用いる溶媒としては特に
制限はなくポリオレフィンを溶解あるいは膨潤させるこ
とのできるものであればよい。また、溶解あるいは膨潤
させることができれば、混合溶媒であってもかまわな
い。配合させる温度、時間に関しては特に制限はなく、
温度として一般に20〜250℃、時間として1分〜10時間
の範囲が適当である。
なお、本発明に用いられるポリオレフィンとは、結晶
性または非晶性のオレフィン重合体であり、具体的に
は、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、プロピ
レン−エチレン共重合体、エチレン−ブテン−1−共重
合体、エチレン−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセ
ン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1等のオレフ
ィン自身の重合体あるいは優位量のオレフィンとこれと
共重合可能なビニル単量体(例えば、アクリル酸エステ
ル類、メタクリル酸エステル類、酢酸ビニル、スチレ
ン、アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレー
ト等)との共重合体を挙げることができる。共重合は、
ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合、い
ずれも可能である。これらは単独でも、二種以上の混合
物としても用いることができる。これらのポリオレフィ
ンのうち、ポリエチレンおよびポリプロピレンが好まし
く、特に好ましいものはポリプロピレンおよびプロピレ
ン−エチレンのランダム共重合体およびブロック共重合
体である。
これらのポリオレフィンは、当業者に公知の方法、例
えば、「エンサイクロペデイア・オブ・ポリマー・サイ
エンス・アンド・テクノロジィ」(ENCYCLOPEDIA OF PO
LYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY)6巻、275頁(1967年
刊)および11巻、597頁(1969年刊)〔ジョン・ウイリ
・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons.Inc.)〕に
記載の方法で製造される。
本発明において変性ポリオレフィンを用いるときは、
あらかじめ変性ポリオレフィンを作っておき、次いで他
の成分とを混合し、本発明の樹脂組成物を製造すること
が好ましいが、変性剤およびポリオレフィンおよび他の
成分を一括して混合し、樹脂組成物をつくることも可能
である。
本発明の実施にあたって、本樹脂組成物に助剤を加え
ることも可能である。助剤の具体例としては、ガラス繊
維、カーボン繊維、チタン酸カリウム繊維、高弾性ポリ
アミド繊維などの強化剤、カーボンブラック、シリカ、
チタニア、タルク、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウ
ム、ウォラストナイトなどの無機および有機の充填剤、
トリフェニルホスフェート、フタル酸エステルなどの可
塑剤、滑剤、安定剤、三酸化アンチモン、ハロゲン化合
物、リン酸エステルなどの難燃剤、染料、顔料などが挙
げられる。
本発明において異方性溶融体を形成する溶融性重合体
(A)と、不飽和カルボン酸およびその誘導体で変性さ
れたポリオレフィン(B)との使用量は、それぞれ5〜
55wt%、95〜45wt%が好ましい。(A)が5wt%未満で
はポリオレフィンの物性向上に効果があまりなく、55wt
%を越えるとポリオレフィン樹脂の本来有する性質が発
現できなくなるので好ましくない。ポリオレフィンの本
来の性質を有し、強度、弾性率などの機械的強度、熱変
形温度などの熱的性質、加工流動性などを改良するため
には、(A)は10〜40wt%、(B)は90〜60wt%が好ま
しい。
本発明の樹脂組成物を製造する方法に特に制限はな
く、通常の公知の方法を用いることができる。
溶融状態で混合し、溶剤を蒸発させるか、非溶剤中に
沈澱させる方法も効果的であるが、工業的見地からみて
実際には溶融状態で混練する方法がとられる。溶融混練
には一般に使用されている一軸または二軸の押出機、各
種のニーダー等の混練装置を用いることができる。特に
二軸の高混練機が好ましい。
混練に際しては、各樹脂成分はいずれも粉末ないしは
ペレットの状態で予めタンブラーもしくはヘンシェルミ
キサーのような装置で均一に混合することが好ましい
が、必要な場合には混合を省き、混練装置にそれぞれ別
個に定量供給する方法も用いることができる。
混練された樹脂組成物は射出成形、押出成形その他各
種の成形法によって成形されるが、本発明はまた、予め
混練の過程を経ず、射出成形や押出成形時にドライブレ
ンドして溶融加工操作中に直接混練して成形加工品を得
る方法をも包含する。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を説明するが、これらは単な
る例示であり、本発明はこれらに限定されることはな
い。
なお、実施例中の流れ試験(メルトインデックス)は
JIS K7210 A法、引張試験および曲げ試験はそれぞれJIS
K7113、およびJIS K7203に基づいて測定した。
参考例1 ポリプロピレン(住友化学工業(株)製;住友ノーブ
レン D−501メルトインデックス0.4g/10分)10kgに無
水マレイン酸100g、スチレン50gおよびジクミルパーオ
キシド20gを加え、よく混合した後、池貝鉄工(株)製3
0mm二軸押出機で180〜220℃の温度で溶融混練し、ペレ
ット化した。(以下、M−PPと略す) 参考例2 ポリプロピレン10kgに無水ナジック酸170g、スチレン
80gおよびジクミルパーオキシド20gを加えヘンシェルミ
キサーでよく混合し、参考例1と同様の方法でペレット
を得た。(以下、N−PPと略す) 参考例3 キシレン400gにポリプロピレン100g、ジクミルパーオ
キシド10g、メタクリル酸グリシジル10gをいかり型撹拌
翼、還流冷却装置、窒素導入管、熱電対を備えた四つ口
フラスコに投入し、窒素気流中撹拌下、キシレンの還流
温度まで昇温し、ポリプロピレンを溶解した。これをキ
シレンの還流温度で撹拌しながら、4時間保持した。溶
液を5のアセトンに沈澱し、粉砕後、2のアセトン
で1時間洗浄し、真空乾燥機で10時間乾燥した。(以
下、G−PPと略す) 参考例4(LC−1の製造) LC−1は特開昭62−285916号公報の実施例1に開示の
方法により製造された。すなわち、テレフタル酸とエチ
レングリコールとを常法によりエステル化し、エステル
化反応率95%のエステル化物を得た。このエステル化物
を重縮合反応器に仕込み、酸成分1モルに対して三酸化
アンチモン3×10-4モル添加し、減圧下、270℃で撹拌
下に3時間重縮合反応を行った。この溶融状態のポリエ
ステルとポリエステルに対して等しいモルのパラヒドロ
キシ安息香酸と、パラヒドロキシ安息香酸に対して1.2
倍当量の無水酢酸を混合し、窒素雰囲気下270℃で撹拌
下で均一な溶融状態の反応混合物となった。この反応混
合物を徐々に減圧し、最終的には1.0torrで6時間重縮
合反応を行った。
参考例5(LC−2の製造) いかり型撹拌翼を有し、かつ重合槽の槽壁と撹拌翼の
クリアランスの小さな重合槽にパラヒドロキシ安息香酸
756g(5.48モル)、テレフタル酸453g(2.73モル)、4,
4′−ジヒドロキシジフェニル508g(2.73モル)、ポリ
エチレンテレフタレート(東洋紡(株)製PET RT−56
0)169g(最終生成ポリマーの10重量%に相当)および
無水酢酸1337g(13.1モル)を仕込み、窒素雰囲気下で
撹拌しながら1時間で150℃まで加温し、この温度で3
時間還流した。その後昇温させながら酢酸を留去し、最
終的に高剪断下で330℃、2時間重合を行い、その後徐
々に冷却し200℃まで強力撹拌を続けた後、重合物を槽
外へとり出した。
この重合物を粉砕した後、アルミ製のロータリーオー
ブンに移し、窒素気流下、系全体を回転し、粉末を十分
に撹拌しながら6時間かけて320℃まで徐々に昇温し、3
20℃で3時間処理した後、冷却し200℃で粉末をとり出
した。得られたポリマーをLC−2という。
参考例6(LC−3の製造) 特公昭57−24407号公報の実施例1に基づき、パラヒ
ドロキシ安息香酸517.5g(3.75モル)、テレフタル酸15
5.7g(0.94モル)、イソフタル酸51.8g(0.31モル)、
4,4′−ジヒドロキシジフェニル232.5g(1.25モル)お
よび無水酢酸688.5g(6.75モル)を重合槽に仕込み、重
合した。得られたポリマーをLC−3という。
参考例7(LC−4の製造) 特開昭54−77691号公報の実施例1に開示された方法
をもとに製造した。すなわち、パラアセトキシ安息香酸
675g(3.75モル)、6−アセトキシ−2−ナフトエ酸28
7g(1.25モル)を重合槽に仕込み、250℃で3時間、280
℃で1時間30分アルゴン気流下で撹拌した。次に重合温
度を320℃に昇温し、30分保持し、脱酢酸重縮合反応を
行った。次いでアルゴン気流を停止し、徐々に減圧を行
い、最終的に約0.1mmHgの圧力で30分維持して重合物を
得た。この重合物を粉砕し、アルミ製ロータリーオーブ
ンに移し、空気中150℃で1時間乾燥した。得られたポ
リマーをLC−4という。
実施例1 参考例1に示した無水マレイン酸変性したポリプロピ
レン(M−PP)900gおよび参考例4に記載の液晶ポリエ
ステル(LC−1)100gとをヘンシェルミキサーで混合
し、200〜250℃の温度で30mm二軸押出機でペレットを得
た。さらに日精樹脂工業(株)製のシリンダー径22mm射
出成形機により引張ダンベル等を得、機械物性およびメ
ルトインデックスの測定を行った。結果を表1に示す。
実施例2〜4 実施例1記載のM−PPとLC−1との組成のみをそれぞ
れ800gと200g、700gと300g、600gと400gの割合とし、実
施例1に準じて、測定を行なった。結果を表1に示す。
実施例5 参考例5に示した重合方法により得られた液晶ポリエ
ステル(LC−2)を250gと参考例3に示したメタクリル
酸グリシジル変性したポリプロピレン(G−PP)750gと
を250〜320℃の温度で二軸押出機でペレットを得、射出
成形機により成形品を作り、諸物性を測定した。結果を
表1に示す。
実施例6 参考例6により得られた液晶ポリエステル(LC−3)
を150gと参考例2に示した無水ナジック酸変性ポリプロ
ピレン(N−PP)850gとをよく混合し、270〜320℃の温
度で二軸押出機でペレット化した。さらに射出機により
成形品を得、諸物性を測定した。結果を表1に示す。
実施例7 参考例7により得られた液晶ポリエステル(LC−4)
150g、長繊維ガラスファイバー(旭ガラスファイバー
(株)製、CS03MAPX−1)50g、M−PP800gを混合し、2
50〜320℃の温度で二軸押出機でペレット化し、射出成
形機により成形品を得、諸物性を測定した。結果を表1
に示す。
比較例1 実施例1で用いたM−PPの代わりに未変性ポリプロピ
レン(住友化学工業(株)製、住友ノーブレン D−50
1)を用いて溶融混練し、射出成形により得られた成形
品の諸物性を測定した。結果を表1に示す。
比較例2 比較例1で用いた未変性ポリプロピレンの単味の諸物
性を測定した。結果を表1に示す。
発明の効果〕 本発明により高流動性で、かつ機械的物性の優れた樹
脂組成物の製造が可能となった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−1736(JP,A) 特開 昭55−21430(JP,A) 特開 平1−217061(JP,A) 特開 昭63−61039(JP,A) 特開 昭62−20523(JP,A) 特開 平1−193351(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/26 C08L 67/00 - 67/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異方性溶融体を形成し得る溶融加工性重合
    体(A)5〜55wt%および不飽和カルボン酸またはその
    誘導体で変性されたポリオレフィン系重合体(B)95〜
    45wt%から成り、該溶融加工性重合体(A)が、下記繰
    り返し構造単位(III)、または(I)および(II)、
    または(I)、(II)および(III)から成るポリエス
    テルである熱可塑性樹脂組成物。 (式中R1 から選ばれた一種以上の基を示す。 式中R2は、 から選ばれた一種以上の基を示す。 式中、R3から選ばれた一種以上の基を示す。 ただし、R1、R2、R3のいずれにおいても芳香族炭化水素
    のベンゼン環の水素原子の一部はハロゲン原子、アリー
    ル墓、C1〜C10のアルキル基またはアルコキシ基で置換
    されていてもよい。)
  2. 【請求項2】該ポリオレフィン系重合体(B)が分子内
    に(a)炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合
    および(b)カルボン酸基、酸無水物基、酸アミド基、
    イミド基またはカルボン酸エステル基から選ばれた1つ
    以上の基を同時に有する化合物でラジカル開始剤の存在
    下または不存在下にポリオレフィンを変性して得られる
    変性ポリオレフィンである請求項1記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
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