JPH0692526B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0692526B2
JPH0692526B2 JP10130986A JP10130986A JPH0692526B2 JP H0692526 B2 JPH0692526 B2 JP H0692526B2 JP 10130986 A JP10130986 A JP 10130986A JP 10130986 A JP10130986 A JP 10130986A JP H0692526 B2 JPH0692526 B2 JP H0692526B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はポリフエニレンエーテルの変性物とポリエステ
ルとからなり、曲げ弾性率に代表される剛性、熱変形温
度に代表される耐熱性および成形加工性、耐水性がとも
に優れた熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
<従来の技術> ポリフエニレンエーテルは、耐熱性、剛性など種々の性
能に秀でた樹脂であり、エンジニアリングプラスチツク
として注目されているが、融解粘度が高く、この樹脂自
体を溶融成形するには高温を要し、これに伴つて変色、
酸化、劣化など好ましくない種々の問題を生じる。
一方、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレ
フタレートに代表される熱可塑性ポリエステルは、その
優れた諸特性から電気および電子機器部品、自動車部品
など広汎な分野で使用されているが、高荷重下における
熱変形温度(ASTM D648、18.56kg/cm2荷重)が低いた
め高温下で荷重のかかる構造材料として使用できない欠
点がある。
かかる問題を解決するためにポリフエニレンエーテルと
ポリエステルよりなる樹脂組成物が特開昭57−177018号
公報および特開昭59−159847号公報に記載されている。
また、ポリフエニレンエーテルを変性させるという観点
では、無水マレイン酸などに代表される特定の構造を有
する化合物で変性させたポリフエニレンエーテルとポリ
アミドの組成物が特開昭59−66452号公報に開示されて
いる。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら特開昭57−177018号公報および特開昭59−
159847号公報記載のポリフエニレンエーテルとポリエス
テルとからなる樹脂組成物は、ポリフエニレンエーテル
自体がポリエステルと相溶性が悪いため、十分な耐熱性
が得られなかつた。
特開昭59−66452号公報記載の変性ポリフエニレンエー
テルとポリアミドよりなる樹脂組成物は、ポリアミド成
分があるために吸湿率が高く、耐水性、寸法安定性が悪
い等の欠点をもつている。
よつて、耐熱性に優れ、機械的強度、成形加工性、耐水
性を兼備した樹脂組成物を開発することが本発明の課題
である。
<問題点を解決するための手段> 上記課題は、ポリフエニレンエーテルとポリエステルを
配合する際、ポリフエニレンエーテルを特定の構造を有
する化合物で予め変性させて用いること、2成分を特定
割合で配合することにより達成されることを見出し本発
明に到達した。
すなわち、本発明は(A)一般式 (式中、Q1、Q2、Q3およびQ4はそれぞれ独立して水素、
ハロゲン、炭化水素、ハロ炭化水素、炭化水素オキシ、
およびハロ炭化水素オキシで構成される群から選択さ
れ、nはモノマー単位の総数を表わし、20以上の整数で
ある)で示されるポリフエニレンエーテル100重量部に
対して、分子内に(a)炭素−炭素二重結合又は炭素−
炭素三重結合および(b)カルボン酸基、酸無水物基、
酸アミド基、イミド基、カルボン酸エステル基、エポキ
シ基、アミノ基、水酸基から選ばれる1つ以上の基を同
時に有する化合物0.1〜20重量部を、反応させて得られ
たポリフエニレンエーテルの変性物5〜95重量%、
(B)熱可塑性ポリエステル95〜5重量%を混合してな
る熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポリフエニレン
エーテルの変性物、(B)熱可塑性ポリエステルを混合
して得られる。
本発明の樹脂組成物を構成する(A)成分の調製に用い
られるポリフエニレンエーテルは、前記一般式で示され
る単位1種以上を含有するホモポリマーまたはコポリマ
ーが望ましい。
ポリフエニレンエーテルの製造法は特に制限しないが、
たとえば、米国特許第3,306,874号明細書および第3,30
6,875号明細書ならびに米国特許第3,257,357号明細書お
よび第3,257,358号明細書に記載のごとき手順に従つて
フエノール類の反応によつて製造することができる。こ
れらフエノール類には、2,6−ジメチルフエノール、2,6
−ジエチルフエノール、2,6−ジブチルフエノール、2,6
−ジラウリルフエノール、2,6−ジプロビルフエノー
ル、2,6−ジフエニルフエノール、2−メチル−6−エ
チルフエノール、2−メチル−6−シクロヘキシルフエ
ノール、2−メチル−6−トリルフエノール、2−メチ
ル−6−メトキシフエノール、2−メチル−6−ブチル
フエノール、2,6−ジメトキシフエノール、2,3,6−トリ
メチルフエノール、2,3,5,6−テトラメチルフエノール
および2,6−ジエトキシフエノールが包含されるがこれ
らに限定されるものではない。
これらの各々は単独に反応させて対応するホモポリマー
としてもよいし、別のフエノールと反応させて上記式に
包含される異なる単位を有する対応のコモポリマーとし
てもよい。特記すると、2,6−ジメチルフエノールとこ
れに対応するポリマーすなわちポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フエノール)エーテル、ならびに2,6−ジメチルフ
エノールと他のフエノール類たとえば2,3,6−トリメチ
ルフエノール、2−メチル−6−ブチルフエノールなど
との併用およびこれらに対応するコポリマー、たとえば
ポリ(2,6−ジメチル−コ−2−メチル−6−ブチル−
1,4−フエニレン)エーテルなどが挙げられる。
また、(A)成分の調製に用いられる分子内に(a)炭
素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合および(b)
カルボン酸基、酸無水物基、酸アミド基、イミド基、カ
ルボン酸エステル基、エポキシ基、アミノ基、水酸基か
ら選ばれる1つ以上の基を同時に有する化合物の好まし
い具体例としては、無水マレイン酸、無水ハイミツク
酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコ
ン酸、無水アコニツト酸、5−ノルボルネン2−メチル
−カルボン酸、フタル酸、フマール酸、マレイミド、マ
レイン酸ヒドラジド、無水マレイン酸とジアミンとの反
応物たとえば (但し、Rは脂肪族、芳香族基を示す。) などで示される構造を有するもの、無水メチルナジツク
酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、大豆
油、キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴ
マ油、菜種油、落花性油、椿油、オリーブ油、ヤシ油、
イワシ油などの天然油脂類、エポキシ化大豆油などのエ
ポキシ化天然油脂類、アクリル酸、ブテン酸、クロトン
酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリ
カ酸、チブリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、
α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペ
ンテン酸、2−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン
酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン
酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、
2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10
−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4
−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデ
セン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、ア
イコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、
マイコリペン酸、2,4−ペンタジエン酸、2,4−ヘキサジ
エン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デカジエ
ン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘキサデカジエン
酸、9,12−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエン
酸、リノール酸、リノレン酸、オクタデカトリエン酸、
アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコサテト
ラエン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、オレイ
ン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエ
ン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサ
ペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキ
サコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸など
の不飽和カルボン酸、あるいはこれら不飽和カルボン酸
のエステル、酸アミド、無水物、あるいはアリルアルコ
ール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノー
ル、アリルカルビノール、メチルプロペニルカルビノー
ル、4−ペンテン−1−オール、10−ウンデセン−1−
オール、プロパルギルアルコール、1,4−ペンタジエン
−3−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3,5−
ヘキサジエン−2−オール、2,4−ヘキサジエン−1−
オール、一般式CnH2n-5OH、CnH2n-7OH、CnH2n-9OH(但
し、nは正の整数)で示されるアルコール、3−ブテン
−1,2−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5
−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、2,6
−オクタジエン−4,5−ジオールなどの不飽和アルコー
ル、あるいはこのような不飽和アルコールのOH基が、−
NH2基に置き換つた不飽和アミン、あるいはブタジエ
ン、イソプレンなどの低重合(たとえば平均分子量が50
0から10000ぐらいのもの)あるいは高分子量体(たとえ
ば平均分子量が10000以上のもの)に無水マレイン酸、
フエノール類を付加したもの、あるいはアミノ基、カル
ボン酸基、水酸基、エポキシ基などを導入したものなど
が挙げられる。
本発明における特定の構造を有する化合物の定義には、
(a)群の官能基を2個以上、(b)群の官能基を2個
以上(同種又は異種)含んだ化合物も含まれることは、
いうまでもなく、又、2種以上の特定化合物を使うこと
も可能である。
本発明における特定化合物の使用量は、ポリフエニレン
エーテル100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは
0.3〜15重量部の範囲である。0.1重量部未満の場合には
本発明の目的とする効果が小さくなる傾向があるので好
ましくない。
(A)成分の調製には次のごとき方法を採用することが
できる。
(a)ポリフエニレンエーテルを含む溶液へ、特定構造
を有する化合物を加え、60℃〜150℃の温度で数十分及
至数時間、攪拌する方法。
(b)実質的に溶媒を含まない系で、220℃〜370℃の範
囲で20秒から30分間、好ましくは40秒から5分間各成分
を溶融する方法。
(a)の方法は、既存の反応装置、精製装置がある場合
には好ましく採用されるが、(b)の方法は汎用の2軸
押出機のような軽装備の設備で変性が可能であり、脱溶
媒工程、ポリマー精製工程がなく短時間に変化すること
が可能であることなどの有効な面がある。
また、(A)成分の調製は、ラジカル発生剤の共存下行
なつてもよく、ラジカル発生剤としては公知の有機過酸
化物、ジアゾ化合物類が挙げられ、好ましい具体例とし
てはベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、
ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルクミルパ
ーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメ
ンハイドロパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル
などが挙げられる。
ラジカル発生剤の使用量は、特定化合物100重量部に対
し、30重量部以下、好ましくは20重量部以下で用いるの
が経済的である。
特にカルボン酸基、酸無水物基を有する化合物を使用す
る際には、ラジカル発生剤を使用すると本発明の効果が
より一層発揮される。
本発明で用いる熱可塑性ポリエステル(B)とは、比較
的高分子量でほぼ線状の通常は可燃性の熱可塑性ポリマ
ーである。好ましいものは、テレフタル酸及びイソフタ
ル酸のポリマー性グリコールエステルである。これらの
ポリマーは市販されているが、或いは公知の技術、例え
ば、フタル酸エステルのグリコールによるアルコール分
解とその後の重合、遊離のフタル酸又はそのハロゲン化
物誘導体とグリコールの加熱、及び他の類似の方法によ
つて製造することができる。これらのポリマー及びその
製造方法に関する詳細は、米国特許第2,465,319号明細
書や米国特許第3,047,539号明細書等に記載されてい
る。
好ましいポリエステルは、下記式の繰り返し単位を有す
る高分子量のポリマー性グリコールテレフタレート又は
イソフタレート及びこれらエステルの混合物で構成され
る1群に属するものである。
ここで、nは2〜10の整数であることが好ましく、特に
2〜4が好ましい。前記の群には、イソフタル酸単位が
30モル%まで含まれるテレフタル酸とイソフタル酸のコ
ポリマーが包含される。
特に好ましいポリエステルはポリ(エチレンテレフタレ
ート)及びポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)であ
り、特に銘記すべきは後者のものである。また分枝ポリ
(1,4−ブチレンテレフタレート)も用いることができ
る。これはエステル形成基を少なくとも3個有する分枝
成分を少量、例えばテレフタレート単位に対して5モル
%まで含有する。分枝成分は、ポリエステルの酸単位部
分又はグリコール単位部分に分枝を形成するものでもよ
く、又はこれらの混成でもよい。このような分枝成分の
例としては、トリ−若しくはテトラカルボン酸、例えば
トリメシン酸、ピロメリト酸及びこれらの低級アルキル
エステル等、又は好ましいものとして、ポリオール、特
に好ましくはテトロール類例えばペンタエリトリトー
ル、トリオール類例えばトリメチロールプロパン、又は
ジヒドロキシカルボン酸及びヒドロキシジカルボン酸及
びその誘導体例えばヒドロキシテレフタル酸ジメチル等
がある。
分枝ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)樹脂及びそ
の製造法は米国特許第3,953,404号明細書に記載されて
いる。
本発明の実施に有用な高分子量のポリエステルは、例え
ば、25〜30℃でo−クロロフエノール又は60/40フエノ
ール/テトラクロロエタン混合物に溶解した溶液として
判定したときに、少なくとも約0.2dl/gの固有粘度を有
し、約0.4〜1.5dl/gの固有粘度を有するのがより普通で
ある。
コポリエステルも有用であり、例えば、米国特許第3,65
1,014号明細書、第3,763,109号明細書及び第3,766,146
号明細書に記載されているような、多数の繰り返しエー
テル−エステル及び/又はエステル単位を有するセグメ
ントコポリエステルがある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ポリフエニレン
エーテルの変性物(A)、ポリエステル(B)の配合比
は、(A)が5〜95重量%で(B)が95〜5重量%、好
ましくは(A)が15〜80重量%で(B)が85〜20重量
%、特に好ましくは(A)が20〜70重量%で(B)が80
〜30重量%である。(A)が5重量%未満、(B)が95
重量%を越えると耐熱性が劣り、(B)が5重量%未
満、(A)が95重量%を越えると成形加工性をそこねる
ため好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関しては特に
制限はなく、通常公知の方法を採用することができる。
すなわち、ポリフエニレンエーテルの変性物(A)、ポ
リエステル(B)をペレツト、粉末、細片状態などで、
高速攪拌機などを用いて均一混合した後、十分な混練能
力のある一軸または多軸の押出機で溶融混練する方法ま
たはバンバリーミキサーやゴムロール機を用いて溶融混
練する方法など、種々の方法を採用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリフエニレンエーテ
ルの変性物(A)、ポリエステル(B)の他に必要に応
じてポリスチレン(PS)、スチレン/アクリロニトリル
共重合体(SAN)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、
スチレン/メタクリル酸メチル/アクリロニトリル共重
合体、α−メチルスチレン/アクリロニトリル共重合
体、α−メチルスチレン/スチレン/アクリロニトリル
共重合体、α−メチルスチレン/メタクリル酸メチル/
アクリロニトリル共重合体、p−メチルスチレン/アク
リロニトリル共重合体、スチレン/N−フエニルマレイミ
ド共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などの
ビニル系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン三元共重合体(ABS)樹脂、メタクリル酸樹脂−ブ
タジエン−スチレン三元共重合体(MBS)樹脂、AES樹
脂、AAS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドなど熱可
塑性樹脂を適宜混合したり、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテ
ン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペン
タジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5−エチリデ
ン2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/
1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共
重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレ
ン/α,β−不飽和カルボン酸および酸無水物共重合
体、エチレン/α,β−不飽和カルボン酸グリシジルエ
ステル共重合体などのオレフイン系ゴムや、ジエン系ゴ
ム状重合体の存在下にメタクリル酸メチルとアクリロニ
トリルを必須成分とするビニル系単量体混合物を重合す
ることによつて得られるグラフト共重合体、A,A′が重
合されたビニル系炭化水素ブロツクであり、Bは重合さ
れた共役ジエンブロツクからなるA−B−A′型ブロツ
ク共重合体や、そのジエンブロツク部Bが水素添加され
たものである水素添加A−B−A′型ブロツク共重合体
のようなゴム様重合体を適宜混合することによつて、さ
らに望ましい物性、特性に調節することも可能である。
また目的に応じて顔料や染料、ガラス繊維、金属繊維、
金属フレーク、炭素繊維などの補強材や充填材、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塑剤、可塑
剤、帯電防止剤および難燃剤などを添加することができ
る。
本発明の樹脂組成物はエンジニアリング・プラスチツク
として自動車部品、電子・電気機器部品などの用途に用
いることができ、その他、剛性、耐熱性、寸法安定性な
どが要求される各種成形品に用いることができる。
<実施例> 以下、実施例および比較例によつて本発明をさらに詳し
く説明する。熱変形温度はASTM D648−56、曲げ弾性率
はASTM D790−61に従つて測定した。熱変形温度は絶乾
状態で測定した。
曲げ弾性率は絶乾状態と試験片を23℃の水中に48時間浸
漬させて吸水処理した状態で測定した。
参考例1(ポリフエニレンエーテルの変性物(A)の製
造) A−1:ポリフエニレンエーテルの粉末を該ポリフエニレ
ンエーテル100重量部に対して5重量部の無水マレイン
酸と該無水マレイン酸に対して10重量部の2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3と
ともに押出機中に仕込み、押出機に取付けられた排気口
から発生ガスを脱気しながら、押出温度320℃で押出を
行いポリフエニレンエーテルの変性物(A−1)を製造
した。得られたペレツト10gを採取し、粉砕機で微粉末
にした後、100mlのメタノールを用いてソツクスレー抽
出器で48時間加熱還流を行つた。次いで90℃で8時間減
圧乾燥して試料を得た。この試料の無水マレイン酸との
反応に由来するカルボニル構造の存在をフーリエ積算型
赤外吸収スペクトルの1600〜1800cm-1の吸収ピークの解
析により確認した。
A−2:ポリフエニレンエーテルの粉末を該ポリフエニレ
ンエーテル100重量部に対して5重量部のメタクリル酸
グリシジルエステルとともに押出機中に仕込み、(A−
1)と同じ方法でポリフエニレンエーテルの変性物(A
−2)を製造した。得られたペレツト10gを採取し、ソ
ツクスレー抽出器で(A−1)の場合と同様の精製を行
ない、(A−1)の場合と同様にして赤外吸収スペクト
ルの吸収ピークの解析により、メタクリル酸グリシジル
エステルとの反応に由来するカルボニル構造の存在を確
認した。
A−3:ポリフエニレンエーテル粉末を該ポリフエニレン
エーテル100重量部に対して5重量部のアクリルアミド
とともに押出機中に仕込み、(A−1)と同じ方法でポ
リフエニレンエーテルの変性物(A−3)を製造した。
得られたペレツト10gを採取し、ソツクスレー抽出器で
(A−1)の場合と同様の精製を行ない、(A−1)の
場合と同様にして赤外吸収スペクトルの吸収ピークの解
析により、アクリルアミドとの反応に由来するカルボニ
ル構造の存在を確認した。
実施例1〜8 参考例で調整したポリフエニレンエーテルの変性物(A
−1〜A−3)と固有粘度1.0のポリエチレンテレフタ
レート(B−1)又は固有粘度1.5のポリブチレンテレ
フタレート(B−2)を表1に示した配合比で混合し、
260℃に設定した押出機で溶融押出を行ないペレツト化
した。
次いで射出成形機により、シリンダー温度260℃、金型
温度80℃に設定して物性測定用試験片を成形した。測定
結果を表1に示した。
比較例1〜5 参考例で製造したポリフエニレンエーテルの変性物
(A)およびポリエステル(B)、参考例で原料として
用いたポリフエニレンエーテル(以降PPOと略称する)
を表1に示した配合比で混合し実施例と同じ方法で物性
を測定した。測定結果を表1に示した。
実施例9〜12 参考例で調製したポリフエニレンエーテルの変性物
(A)、およびポリエステル(B)とともに次の衝撃改
質剤 C−1:ポリブタジエンゴム70部の存在下にスチレン22.5
部とアクリロニトリル7.5部を重合させてなるグラフト
共重合体。
C−2:グリシジルメタアクリレート10重量%を含有する
エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体 C−3:重合されたスチレンブロツクAおよびA′と重合
された共役ジエンブロツクBよりなりスチレン/ゴム比
が28/72であるA−B−A′型ブロツク共重合体 C−4:重合されたスチレンブロツクAおよびA′と重合
された共役ジエンブロツクBよりなり、中間重合体ブロ
ツクBが水素添加されており、スチレン/ゴム比が29/7
1である水素添加A−B−A′型ブロツク共重合体。
を表−2に示した配合比で混合し、実施例1と同じ方法
で溶融押出および成形を行ない物性を測定した。測定結
果を表2に示した。
実施例1および比較例の結果から次のことが明らかであ
る。
本発明の樹脂組成物(No.1〜No.8)はいずれも熱変形温
度、および曲げ弾性率がともに高く、かつ成形加工性が
優れたものであつた。また、吸水処理後においても曲げ
弾性率は高い値を保持していた。
一方、ポリエステルを含まない樹脂組成物(比較例1、
2)は成形加工性の悪いものであつた。ポリフエニレン
エーテルの変性物を含まない樹脂組成物(比較例3、
4)は熱変形温度の低いものであつた。また、特定の化
合物で変性していないポリフエニレンエーテルを用いた
場合(比較例5)は充分な耐熱性の向上がみられなかつ
た。
また実施例9〜12より、ポリフエニレンエーテルの変性
物とポリエステルよりなる樹脂組成物は、適切な衝撃改
質剤を配合することによつて良好な熱変形温度、曲げ弾
性率および成形加工性を保持したまま、衝撃強度を向上
させることができた。
<発明の効果> 以上説明したように、本発明の樹脂組成物は、熱変形温
度に代表される耐熱性、曲げ弾性率に代表される剛性、
溶融粘度に代表される成形加工性がともに優れ、かつ耐
水性のよいものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 (式中、Q1、Q2、Q3およびQ4は、それぞれ独立に、水
    素、ハロゲン、炭化水素、ハロ炭化水素、炭化水素オキ
    シおよびハロ炭化水素オキシで構成される群から選択さ
    れ、nはモノマー単位の総数を表わし20以上の整数であ
    る)で示されるポリフエニレンエーテル100重量部に対
    して分子内に(a)炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素
    三重結合および(b)カルボン酸基、酸無水物基、酸ア
    ミド基、イミド基、カルボン酸エステル基、エポキシ
    基、アミノ基、水酸基から選ばれる1つ以上の基を同時
    に有する化合物0.1〜20重量部を、反応させて得られた
    ポリフエニレンエーテルの変性物5〜95重量%、(B)
    熱可塑性ポリエステル95〜5重量%よりなる熱可塑性樹
    脂組成物。
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