JPH0768331B2 - エポキシ樹脂組成物,銅張積層板および製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物,銅張積層板および製造方法

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JPH0768331B2
JPH0768331B2 JP24205390A JP24205390A JPH0768331B2 JP H0768331 B2 JPH0768331 B2 JP H0768331B2 JP 24205390 A JP24205390 A JP 24205390A JP 24205390 A JP24205390 A JP 24205390A JP H0768331 B2 JPH0768331 B2 JP H0768331B2
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    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はいずれもビスフェノールA型の骨格を有する樹
脂主剤、エポキシ樹脂硬化剤および添加剤を含有するエ
ポキシ樹脂組成物、特にエポキシ樹脂が本来有している
良好な接着剤、耐熱性等の特性をさらに向上させ、しか
も強靱性、可とう性、曲げ強度、耐薬品性に優れたエポ
キシ樹脂組成物ならびにこれを用いた銅張積層板および
その製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来よりエポキシ樹脂はその良好な密着性および耐熱性
により、広い産業分野で用いられている。中でもプリン
ト配線板に使用されるガラスエポキシ銅張積層板は産業
用のみならず、今でも紙フェノール銅張積層板が主体で
あった民生用にもその分野を広げつつある。
従来プリント配線板に使用されるエポキシ樹脂(組成
物)としては、多官能エポキシ樹脂、ノボラック型フ
ェノール樹脂および臭素化ポリp−ビニルフェノールか
らなり、耐燃性、耐炎性を向上させたもの(特開昭56−
112924号)、エポキシ樹脂にフェノールノボラック樹
脂を配合して耐熱性、耐溶剤性等を向上させたもの(特
開昭57−109642号)、エポキシ樹脂にパラセカンダリ
ーブチルフェノール・フェノール共縮合ノボラック樹脂
を配合して耐熱性、耐溶剤性を向上させたもの(特開昭
57−190025号)、エポキシ樹脂組成物に、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノールA
および多官能エポキシ樹脂を反応させて生成する臭素化
エポキシ樹脂を配合して耐熱性を向上させたもの(特開
昭62−167044号)、臭素化エポキシ樹脂にN,N,N′,
N′−テトラグリシジル−4,4′−ジアミノフェニルメタ
ンを配合して難燃性を改善したもの(特開昭62−177014
号)などがある。
しかしプリント配線板の高密度化や高多層化の進展に伴
い、従来のエポキシ樹脂を用いたものでは充分に満足で
きなくなってきているのが現状である。
例えば、従来のエポキシ樹脂では、常温での銅箔との密
着強度においては充分満足できるものであるが、100℃
以上の高温になると急激にその強度は低下するため、信
頼性の面からファインパターン化の著しい高密度配線基
板等には問題がある。すなわち部品を基板に実装するフ
ロー、リフロー工程においては、赤外線の利用等により
部分的に基板の温度が高温となったり、またリフローの
回数が増える傾向にあり、従来のエポキシ樹脂による銅
張積層板においては、パターン銅箔のハガレ等の不具合
が生じるという問題点がある。また一部の部品において
は、部分的に基板の温度を100℃以上に上昇させるもの
もあり、この様な部品を搭載する基板においても問題点
がある。
またICカードの普及や機器の軽量化に伴って、基板の薄
肉化が顕著となってきており、従って強度、特に曲げ強
度が大きく、かつ強靱な基板が要求されるが、従来のエ
ポキシ樹脂を用いた場合には繰り返し曲げ荷重等がかか
った場合に破壊してしまうなど、基板の強度にも問題点
がある。
さらにパターン間隔およびスルーホール間隔の幅狭化に
より、従来のエポキシ樹脂ではメッキ、エッチング、黒
化処理等の薬液に対する対薬品性が満足できなくなって
いる。
このように、高密度化に伴うパターンの幅狭化により、
銅箔と基板との密着力の向上が耐熱性と併せて信頼性の
面から要求されている。また機器の軽薄短小化に伴う基
板の薄肉化により、曲げ強度や可とう性の向上が要求さ
れている。さらにメッキ、エッチング、黒化処理等の薬
液に対する耐薬品性の向上が要求されている。従ってこ
れらの要求に充分対応できるエポキシ樹脂および銅張積
層板が要望されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記要望に応えるため、耐熱性および
接着性に優れ、従って高温時の銅箔と樹脂との密着強度
が高く、さらに可とう性、耐薬品性にも優れ、かつ曲げ
強度の高い強靱なエポキシ樹脂組成物を提供することで
ある。
また本発明の別の目的は、前記エポキシ樹脂組成物を使
用することにより、高温時の銅箔と複合材との密着強度
が高く、さらに耐薬品性にも優れ、かつ曲げ強度の高い
強靱な銅張積層板およびその製造方法を提案することで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は次のエポキシ樹脂組成物ならびに銅張積層板お
よびその製造方法である。
(1)(A)樹脂主剤として、下記一般式〔1〕(ただ
し、nは0〜10、R1およびR2はグリシジル基、A1〜A8
水素原子もしくは臭素原子)で表わされるビスフェノー
ルA系エポキシ樹脂と、 (B)エポキシ樹脂硬化剤として、 (b1)下記一般式〔1〕(ただし、nは0、R1およびR2
は水素原子、A1〜A4は水素原子もしくは臭素原子)で表
わされるビスフェノールAもしくはその臭素化物、また
は (b2)下記一般式〔1〕(ただし、nは0、R1およびR2
は水素原子、A1〜A4は水素原子もしくは臭素原子)で表
わされるビスフェノールAもしくはその臭素化物が、A1
〜A4のいずれかの位置でメチレン基により2分子以上結
合したビスフェノールAもしくはその臭素化物のノボラ
ック樹脂と、 (C)添加剤として、下記一般式〔1〕(ただし、nは
0〜10、R1およびR2で表わされるアクリル酸エステル基、A1〜A8は水素原
子)で表わされるエポキシアクリレート樹脂とを含有す
るエポキシ樹脂組成物。
(2)上記(1)記載のエポキシ樹脂組成物を繊維基材
に含浸、硬化させた複合材の片側または両側に、銅箔を
積層した銅張積層板。
(3)上記(1)記載のエポキシ樹脂組成物を繊維基材
に含浸させた後、銅箔を片側または両側に積層し、硬化
させて銅張積層板を製造する方法において、硬化の際、
光照射により前記エポキシ樹脂組成物中の添加剤(C)
を反応させた後、樹脂主剤(A)とエポキシ樹脂硬化剤
(B)を反応させて硬化させる銅張積層板の製造方法。
本発明に使用される樹脂主剤(A)は、前記一般式
〔1〕(ただし、nは0〜10、R1およびR2はグリシジル
基、A1〜A8は水素原子もしくは臭素原子)で表わされる
ビスフェノール系エポキシ樹脂である。このビスフェノ
ール系エポキシ樹脂は、前記一般式〔1〕のA1〜A8が水
素原子であるビスフェノールA系エポキシ樹脂であって
もよいし、A1〜A8の内少なくとも1つが臭素原子で残り
が水素原子である臭素化エポキシ樹脂であってもよい。
難燃性を必要とする場合は臭素化エポキシ樹脂が選択さ
れる。このようなビスフェノール系エポキシ樹脂は、通
常最も広く用いられているビスフェノールA系エポキシ
樹脂である。
本発明に使用されるビスフェノールA系エポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールAおよび/またはハロゲン化ビ
スフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応で得られ
るジグリシジルエーテルが使用できる。また市販品も使
用でき、例えばエピコート828(前記一般式〔1〕のR1
およびR2がグリシジル基、nが約0.1、A1〜A8が水素原
子)、エピコート1001(前記一般式〔1〕のR1およびR2
がグリシジル基、nが約2.0、A1〜A8が水素原子)、エ
ピコート1004(前記一般式〔1〕のR1およびR2がグリシ
ジル基、nが約4.4、A1〜A8が水素原子)、エピコート5
046(前記一般式〔1〕のR1およびR2がグリシジル基、
nが約1.4、A1〜A4が水素原子、A5〜A8の内2個が臭素
原子で残りが水素原子)、およびエピコート5050(前記
一般式〔1〕のR1およびR2がグリシジル基、nが約1.
3、A1〜A8が臭素原子)(いずれも油化シェルエポキシ
(株)製、商品名)等があげられる。これらのビスフェ
ノールA系エポキシ樹脂は単独で用いてもよいし、混合
して用いることもできる。
樹脂主剤(A)としては、前記ビスフェノールA系エポ
キシ樹脂に非ビスフェノールA系エポキシ樹脂を、本発
明の目的を損なわない範囲で混合して使用することもで
きる。
本発明に使用されるエポキシ樹脂硬化剤(B)は、前記
一般式〔1〕(ただし、nは0、R1およびR2は水素原
子、A1〜A4は水素原子もしくは臭素原子)で表わされる
ビスフェノールAもしくはその臭素化物(b1)、または
前記一般式〔1〕(ただし、nは0、R1およびR2は水素
原子、A1〜A4は水素原子もしくは臭素原子)で表わされ
るビスフェノールAもしくはその臭素化物が、A1〜A4
いずれかの位置でメチレン基により2分子以上結合した
ビスフェノールAもしくはその臭素化物のノボラック樹
脂(b2)である。
エポキシ樹脂硬化剤(B)はその骨格として、樹脂主剤
(A)としてのエポキシ樹脂と同様にビスフェノールA
型の骨格を有していることに特徴があり、これにより強
靱性、耐熱性が付与される。さらに耐熱性を必要とする
場合はビスフェノールAもしくはその臭素化物のノボラ
ック樹脂が選択される。
本発明に使用されるエポキシ樹脂硬化剤(B)として
は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(前記一般式〔1〕のR1およびR2は水素原子、nが0、
A1〜A4が水素原子)、2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(前記一般式〔1〕のR1
およびR2は水素原子、nが0、A1〜A4が臭素原子)およ
びそれらをフェノール成分とするノボラック樹脂(前記
一般式〔1〕のA1〜A4のいずれかの位置でメチレン基に
より2分子以上結合)等があげられる。
本発明に使用される添加剤(C)は、前記一般式〔1〕
(ただし、nは0〜10、R1およびR2で表わされるアクリル酸エステル基、A1〜A8は水素原
子)で表わされるエポキシアクリレート樹脂である。
本発明においては、添加剤(C)も前記樹脂主剤(A)
およびエポキシ樹脂硬化剤(B)と同様にビスフェノー
ルA型の骨格を有していることに特徴がある。すなわち
添加剤(C)のビスフェノールA型の骨格により、ビス
フェノールA系エポキシ樹脂主剤(A)およびエポキシ
樹脂硬化剤(B)と同様に強靱性、耐熱性が付与される
のみならず、エポキシアクリレート樹脂の作用により接
着力、耐溶剤性、耐薬品性および曲げ強度が大幅に向上
する。
添加剤(C)として使用されるエポキシアクリレート樹
脂は、高分子量のポリマーとなるため、通常の他の樹脂
や硬化剤等と均一に混合することが非常に困難である
が、本発明においては、樹脂主剤(A)、エポキシ樹脂
硬化剤(B)および添加剤(C)の基本的な分子構造が
同一であるため、これらの3成分はミクロな層分離を生
じることなく充分に混合される。このため、このような
添加剤(C)を添加することにより、接着力、曲げ強
度、耐溶剤性、耐薬品性が大幅に向上する。
本発明に使用される添加剤(C)としては、市販品も使
用でき、例えばRIPOXY VR−60(前記一般式〔1〕のR1
およびR2が前記アクリル酸エステル基、nが約5、A1
A8が水素原子)、RIPOXY VR−90(前記一般式〔1〕のR
1およびR2が前記アクリル酸エステル基、nが約2、A1
〜A8が水素原子)(いずれも昭和高分子(株)製、商品
名)等があげられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は樹脂主剤(A)、エポキ
シ樹脂硬化剤(B)および添加剤(C)がいずれも同じ
ビスフェノールA型の骨格を有しているというところに
最大の特徴を持っている。すなわちエポキシ樹脂主剤
(A)、エポキシ樹脂硬化剤(B)および添加剤(C)
の3成分の基本的な分子構造が同一であるため、分子レ
ベルで混合しあってミクロな層分離を生じず、従ってそ
の効果として耐熱性や密着強度が高く、さらに耐薬品性
に優れ、曲げ強度の高い強靱なエポキシ樹脂組成物が得
られる。
基本的な分子構造が同一でない成分を用いたエポキシ樹
脂組成物の場合、各成分を均一に混合することが非常に
困難となり、例え均一に溶解した樹脂組成物を充分な機
械的撹拌により達成したとしても、長時間の放置または
プリプレグ製造時等にミクロな層分離を生じてしまい、
それにより耐熱性の低下をきたしたり、密着力、耐薬品
性等が充分向上しなかったりする。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、通常のエポキシ樹脂
と同様に触媒を用いることができる。好適に用いられる
触媒としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−
4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイ
ミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシ
ルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイ
ミダゾール化合物、テトラエチルアミン、ベンジルジメ
チルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)
フェノール等の三級アミン化合物、ジシアンジアミドお
よびその誘導体、ならびにBF3−モノエチルアミン等が
ある。
また添加剤(C)のエポキシアクリレート樹脂用硬化触
媒としては、通常のビニル重合に用いられる触媒類、例
えばターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイ
ドロパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド等の過酸化物が好適に用いられる。ま
た紫外線等の光を利用して硬化させる場合には、通常用
いられるベンゾイルアルキルエーテル類、アントラキノ
ン類、ベンゾフェノン類、キサントン類等の増感剤を用
いることができる。
また本発明のエポキシ樹脂組成物には、通常のエポキシ
樹脂に用いられる溶剤類を用いることができる。例え
ば、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルア
ルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングレコールモノエ
チルエーテルアセテート等のエチレングリコール、ジエ
チレングリコールのエーテル類およびその酢酸エステル
などの溶剤が好適に用いられるが、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、
N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の極性
溶媒も用いることができる。これらの溶剤は単独で用い
てもよく、2種以上併用してもよい。
さらに本発明のエポキシ樹脂組成物には、通常のエポキ
シ樹脂に用いられる充填剤、染料、顔料等の他の添加剤
を用いることもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中の樹脂主剤(A)、エポ
キシ樹脂硬化剤(B)および添加剤(C)のそれぞれの
配合比率は特に制限されないが、(A)のエポキシ当量
に対して(B)のフェノール当量が0.7〜1.2当量となる
割合が硬化物の特性から見て好適である。また(C)は
(A)+(B)に対して重量%で0.1〜20%の範囲が好
適である。すなわち耐熱性を重視する場合は(C)の量
を少なく、また接着性、強靱性、耐薬品性を重視する場
合には(C)の量を多く配合するのがよい 本発明のエポキシ樹脂組成物は(A)、(B)および
(C)の各成分、ならびに添加される他の成分を混合す
ることにより製造される。
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂組成物
は、そのまま従来のエポキシ樹脂と同様に使用すること
ができるが、さらに本発明のエポキシ樹脂組成物はそれ
自身を添加剤として他のエポキシ樹脂に添加し、添加後
のエポキシ樹脂の特性を向上させることもできる。ただ
しその場合添加剤として本発明のエポキシ樹脂組成物
は、添加されるエポキシ樹脂および硬化剤成分に対し
て、少なくとも10重量部以上用いることが必要である。
10重量部未満ではその目的とする密着強度、強靱性、耐
薬品性の向上等に顕著な効果が見られない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来のエポキシ樹脂の
同様の分野で使用することができるが、耐熱性、接着
性、可とう性、耐薬品性、曲げ強度等に優れているた
め、このような特性が要求される分野において好適に利
用される。
このエポキシ樹脂組成物は、従来のエポキシ樹脂と同様
に加熱により硬化することもできるし、前記添加剤
(C)のみをあらかじめ紫外線等の照射により反応させ
て光硬化させておき、その後加熱により樹脂主剤(A)
とエポキシ樹脂硬化剤(B)を反応させて硬化させる2
段階硬化の方法によっても硬化することができる。
上記2段階硬化の方法により得られるエポキシ樹脂硬化
物は、添加剤(C)であるエポキシアクリレート樹脂の
網目とエポキシ樹脂の網目が相互にからみ合ったIPN(I
nterpenetrating Polymer Network:相互侵入網目)構造
を形成するため、特性が向上する。このような特性の向
上は分子レベルでの相溶、からみ合いの形成により発揮
されるので、単なるブレンドでは発揮されない。
本発明の銅張積層板は、前記エポキシ樹脂組成物をガラ
ス布、ガラスマット、アラミド布等の繊維基材に含浸、
硬化させた複合材の片側または両側に、銅箔を積層した
ものである。
このような銅張積層板は、通常のエポキシ樹脂銅張積層
板と同様の方法で製造することもできるし、前記2段階
硬化の方法を採用して製造することもできる。
すなわちガラス布、ガラスマットまたはアラミド布の様
な繊維基材に直接無溶剤で本発明の樹脂組成物を含浸さ
せるか、または溶剤に一時溶解させてワニスとし、これ
を上記繊維基材に含浸させた後、溶剤のみを除去してい
わゆるプリプレグの形態とした後、銅箔をその片側また
は両側に積層し、加熱、加圧等により樹脂を硬化させて
製造させる。また前記2段階硬化の方法を採用して銅張
積層板を製造するには、前記と同様にしてプリプレグを
得、銅箔をその片側または両側に積層し、紫外線等の光
照射により添加剤(C)を反応させた後、加熱、加圧等
により樹脂主剤(A)とエポキシ樹脂硬化剤(B)を反
応させて樹脂を硬化させて製造される。
このようにして得られる銅張積層板は、高温時の銅箔と
複合材との密着強度が高く、さらに耐溶剤性、耐薬品性
に優れ、かつ曲げ強度が高く強靱である。
このような銅張積層板は、プリント配線板等の基板とし
て使用することができる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 樹脂主剤(A)としてエピコート828(油化シェルエポ
キシ(株)製、エポキシ当量180〜190、商品名)を用
い、これにエポキシ樹脂硬化剤(B)として2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのノボラック(フ
ェノール当量150)をフェノール当量/エポキシ当量比
(以下、PE/EE比と称する)で0.85になるように配合し
たものに対し、添加剤(C)としてRIPOXY VR−60(昭
和高分子(株)製、商品名)を前記樹脂主剤(A)+エ
ポキシ樹脂硬化剤(B)に対し10重量%配合し、さらに
触媒として2−エチル−4−メチルイミダゾールを電気
樹脂主剤(A)+エポキシ樹脂硬化剤(B)に対し0.1
重量%配合し、さらに触媒としてターシャリーブチルパ
ーオキシベンゾエートを前記添加剤(C)に対し1.0重
量%配合したものをメチルエチルケトンに固形分50%に
なるように溶解させ、ワニスを得た。
これを厚さ0.18mmのガラス織布に含浸、乾燥させて樹脂
含有量50重量%のプリプレグを得た。このプリプレグを
4枚重ねで両面に35μmの銅箔を介し、プレス成形を行
った。成形条件はプレス温度180℃、プレス圧力40kg/cm
2、プレス時間90分とした。この銅張積層板の特性につ
いての評価結果を表1に示す。
実施例2 樹脂主剤(A)としてエピコート5046(油化シェルエポ
キシ(株)製、エポキシ当量480、商品名)を用い、ま
た触媒としてベンジルジメチルアミンを用いた他は実施
例1と同様にして銅張積層板を得た。その特性について
の評価結果を表1に示す。
実施例3 樹脂主剤(A)としてエピコート1001(油化シェルエポ
キシ(株)製、エポキシ当量450〜500、商品名)を用
い、またPE/EE比を0.95、添加剤(C)としてRIPOXY VR
−90(昭和高分子(株)製、商品名)を5重量%用い、
また添加剤用光増感剤としてベンゾイルメチルエーテル
を添加剤(C)に対し2.0重量%添加した他は実施例1
と同様にして銅張積層板を得た。その特性についての評
価結果を表1に示す。
実施例4 樹脂主剤(A)として非ビスフェノールA系多官能エポ
キシ樹脂TACTIX−742(ダウケミカル社製、エポキシ当
量162、商品名)およびエピコート5046(油化シェルエ
ポキシ(株)製、エポキシ当量460〜490、商品名)を重
量比で1対1に配合したものを用い、またエポキシ樹脂
硬化剤(B)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンのノボラック(フェノール当量180)をPE/
EE比で0.90になるように配合したものに対し、添加剤
(C)としてRIPOXY VR−60(昭和高分子(株)製、商
品名)を前記樹脂主剤(A)+エポキシ樹脂硬化剤
(B)に対し10重量%配合し、さらに触媒として2−フ
ェニルイミダゾールを前記樹脂主剤(A)+エポキシ樹
脂硬化剤(B)に対し0.15重量%配合し、さらに添加剤
(C)用触媒としてジクミルパーオキサイドを前記添加
剤(C)に対し1.0重量%配合したものをアセトンに固
形分55%になるように溶解させ、ワニスを得た。
これを厚さ0.18mmのガラス織布に含浸、乾燥させて樹脂
含有量48%のプリプレグを得た。このプリプレグを4枚
重ねて両面に35μmの銅箔を介し、プレス成形を行っ
た。成形条件はプレス温度180℃、プレス圧力40kg/c
m2、プレス時間100分とした。この銅張積層板の特性に
ついての評価結果を表1に示す。
比較例1 ビスフェノールA系エポキシ樹脂を使用せず、非ビスフ
ェノールA系多官能エポキシ樹脂EPPN−502(日本化薬
(株)製、エポキシ当量160〜180、商品名)のみを用い
た他は実施例4と同様にして銅張積層板を得た。しかし
この積層板は実施例1〜4と比較して外観上白濁してい
た。おそらくこれは添加剤(C)がプリプレグ製造時に
層分離したものと思われる。その特性についての評価結
果を表1に示す。
比較例2 エポキシ樹脂硬化剤(B)としてジアミノジフェニルス
ルホンを樹脂主剤(A)100重量部に対して20重量部配
合した他は実施例4と同様にして銅張積層板を得た。し
かしこの積層板は実施例1〜4と比較して外観上白濁し
ていた。その特性についての評価結果を表1に示す。
比較例3 添加剤(C)を除いた他は実施例4と同様にして銅張積
層板を得た。この積層板は外観上は実施例1〜4と同様
に良好であったが、銅箔接着強度等は劣っていた。その
特性についての評価結果を表1に示す。
以上の実施例に示したように、本発明のエポキシ樹脂組
成物およびそれにより得られた銅張積層板は、樹脂主剤
(A)、エポキシ樹脂硬化剤(B)および添加剤(C)
のいずれにもビスフェノールA型の骨格を有するものを
用いたため、それぞれが分子レベルで混合しあい、耐熱
性、密着性、耐薬品性および曲げ強度を兼ね備えてい
る。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明によれば、樹脂主剤(A)、エポキ
シ樹脂硬化剤(B)および添加剤(C)のいずれにも、
ビスフェノールA型の骨格を有しているものを使用する
ようにしたので、耐熱性および接着性に優れ、従って高
温時の銅箔と樹脂との密着強度が高く、さらに可とう
性、耐薬品性にも優れ、かつ曲げ強度の高い強靱なエポ
キシ樹脂組成物が得られる。
また本発明によれば、上記エポキシ樹脂組成物を用いる
ことにより、高温時の銅箔と複合材との密着強度が高
く、さらに耐薬品性に優れ、かつ曲げ強度の高い強靱な
銅張積層板が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−246228(JP,A) 特開 昭63−199725(JP,A) 特開 平1−224368(JP,A) 特開 昭63−37138(JP,A) 特開 昭63−97623(JP,A) 特開 平2−38416(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)樹脂主剤として、下記一般式〔1〕
    (ただし、nは0〜10、R1およびR2はグリシジル基、A1
    〜A4は水素原子もしくは臭素原子)で表わされるビスフ
    ェノールA系エポキシ樹脂と、 (B)エポキシ樹脂硬化剤として、 (b1)下記一般式〔1〕(ただし、nは0、R1およびR2
    は水素原子、A1〜A4は水素原子もしくは臭素原子)で表
    わされるビスフェノールAもしくはその臭素化物、また
    は (b2)下記一般式〔1〕(ただし、nは0、R1およびR2
    は水素原子、A1〜A4は水素原子もしくは臭素原子)で表
    わされるビスフェノールAもしくはその臭素化物が、A1
    〜A4のいずれかの位置でメチレン基により2分子以上結
    合したビスフェノールAもしくはその臭素化物のノボラ
    ック樹脂と、 (C)添加剤として、下記一般式〔1〕(ただし、nは
    0〜10、R1およびR2で表わされるアクリル酸エステル基、A1〜A8は水素原
    子)で表わされるエポキシアクリレート樹脂とを含有す
    ることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載のエポキシ樹脂組成物を
    繊維基材に含浸、硬化させた複合材の片側または両側
    に、銅箔を積層したことを特徴とする銅張積層板。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載のエポキシ樹脂組成物を
    繊維基材に含浸させた後、銅箔を片側または両側に積層
    し、硬化させて銅張積層板を製造する方法において、硬
    化の際、光照射により前記エポキシ樹脂組成物中の添加
    剤(C)を反応させた後、樹脂主剤(A)とエポキシ樹
    脂硬化剤(B)を反応させて硬化させることを特徴とす
    る銅張積層板の製造方法。
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