JP2005029673A - プリント配線板用エポキシ樹脂組成物,並びにそれを用いたプリント配線板用プリプレグ,金属張積層板及び多層プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【目的】プリント配線板用に適したエポキシ樹脂組成物,ならびにそれを用いたTgが高く、かつ接着性に優れたプリント配線板用プリプレグ,金属張積層板及び多層プリント配線板を提供する。
【構成】(a)エポキシ当量が5000以上で重量平均分子量が5000〜50000の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂、(b)重量平均分子量が5000未満の低分子量エポキシ樹脂、(c)フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物、および、(d)ベンゾグアナミンを配合してなるプリント配線板用エポキシ樹脂組成物であって、(a)成分を樹脂組成物の総量に対して1〜20重量%含み、(d)成分を樹脂組成物の総量に対して0.01〜0.2重量%含むプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
【構成】(a)エポキシ当量が5000以上で重量平均分子量が5000〜50000の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂、(b)重量平均分子量が5000未満の低分子量エポキシ樹脂、(c)フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物、および、(d)ベンゾグアナミンを配合してなるプリント配線板用エポキシ樹脂組成物であって、(a)成分を樹脂組成物の総量に対して1〜20重量%含み、(d)成分を樹脂組成物の総量に対して0.01〜0.2重量%含むプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板をはじめとする電気絶縁材料に使用するプリント配線板用エポキシ樹脂組成物、およびその用途、プリント配線板用プリプレグおよびそれを用いた金属張積層板,および多層プリント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂を用いた積層板は、エポキシ樹脂組成物のワニスをガラス織布またはガラス不織布に含浸し、乾燥してBステージ化したプリプレグを積層し、加熱加圧して製造されている。エポキシ樹脂組成物としては、エポキシ当量が150〜1000程度のエポキシ樹脂に硬化剤および硬化促進剤を配合し、必要により難燃剤や充填剤を配合したものが使用されている。
【0003】
従来、産業用電子機器などに使用される高度の特性が要求されるプリント配線板は、上記プリプレグと金属はくとを重ねて、加熱加圧することにより、積層一体化してなる金属張積層板に、回路加工を施して製造されている。また、多層プリント配線板は、内層回路板および金属はく等を構成材として、構成材相互間を上記プリプレグを介して加熱加圧することにより、積層一体化して製造されている。
【0004】
電子機器の小型化,高性能化に伴い、その中に搭載されるプリント配線板は、高多層化、薄物化、スルーホールの小型化および穴間隔の狭小等による高密度化が進んでいる。さらに、携帯電話やモバイルコンピュータ等の携帯情報端末機器に搭載されるプリント配線板には、マイクロプロセッシングユニット(MPU)をプリント配線板上に直接搭載するプラスチックパッケージや各種モジュール用のプリント配線板をはじめとして、大容量の情報を高速に処理することが求められている。そのため、信号処理の高速化や低伝送損失化、更なるダウンサイジングが必要となってきており、プリント配線板は、より一層の高密度化が進み、これまで以上の微細配線形成性が要求されている。
【0005】
そこで、このようにMPUを搭載するプリント配線板やモジュール用プリント配線板には、これまで以上の接続信頼性を確保するために、耐熱性に優れた高ガラス転移温度(Tg)材料が使用されるようになってきた。例えば、多官能性フェノール樹脂を硬化剤として用いるエポキシ樹脂系では、吸水率が低く、かつ160℃以上のTgを有するプリント配線板を得ることができると、特開平3−124735号公報に記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−124735号公報
【特許文献2】
特開平4−120124号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多官能性フェノール樹脂硬化系を用いた高Tgエポキシ樹脂材料は、硬くて脆いうえ、銅箔との接着性も低い。このように銅箔との接着性が低い樹脂材料では、プリント配線板の製造や実装の際に、ラインの剥離や断線を起こし易い。従って、更に微細配線化が進むにつれ、銅箔との接着性がより高い樹脂材料が求められるようになってきた。
【0008】
本発明の目的は、プリント配線板用に適したエポキシ樹脂組成物、ならびに、それを用いたTgが高く、かつ金属箔との接着性に優れたプリント配線板用プリプレグ,金属張積層板及び多層プリント配線板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は,次のように構成される。(1)(a)エポキシ当量が5000以上で、重量平均分子量が5000〜50000の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂、(b)重量平均分子量が5000未満の低分子量エポキシ樹脂、(c)フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物、および(d)ベンゾグアナミンを配合してなるプリント配線板用エポキシ樹脂組成物であって、(a)を樹脂組成物の総量に対して1〜20重量%含み、(d)を樹脂組成物の総量に対して0.01〜0.2重量%含むことを特徴とするプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
(2)(a)の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂が、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の重合体である(1)に記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
(3)(a)の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAの重合体,ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAの重合体,テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAの重合体、フェノキシ樹脂、ハロゲン化フェノキシ樹脂のうち少なくとも1種以上である(1)または(2)に記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
(4)(b)が分子内に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂である(1)〜(3)のいずれかに記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物をガラス織布またはガラス不織布に含浸し、加熱乾燥して、Bステージ化することを特徴とするプリント配線板用プリプレグ。
(6)(5)に記載のプリント配線板用プリプレグを少なくとも1枚以上重ね、その片面もしくは両面に金属はくを介して加熱加圧成形して得られる金属張積層板。
(7)(5)に記載のプリント配線板用プリプレグを構成材の接着材料として積層一体化して形成する多層プリント配線板。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(a)の高分子量エポキシ樹脂は、エポキシ当量が5000以上で、重量平均分子量が5000〜50000のものであればどんな種類の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂を用いてもよい。例えば、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を重合反応させることにより直鎖状に高分子量化させた構造を持つものなどが挙げられる。このように直鎖状に重合し熱可塑性をもたせた高分子量エポキシ樹脂は、プリプレグを構成する樹脂組成物の靭性および接着性を向上させるため好ましい。従って、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとビスフェノールAが重合したような構造を持つ高分子量エポキシ樹脂の1種で、熱可塑性樹脂として知られているフェノキシ樹脂、およびそのハロゲン化物、例えば臭素化フェノキシ樹脂を使用することが好ましい。
【0011】
本発明で使用する(a)の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂は特開平4−120124号公報に示されているように二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を例えばアルカリ金属化合物触媒の存在下、溶媒中で加熱して重合させ、合成することにより製造することができるが、市販のものを使用してもかまわない。
【0012】
この高分子量エポキシ樹脂を構成する二官能エポキシ樹脂としては分子内に2個のエポキシ基を持つ樹脂であればどのようなものでもよい。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,ビスフェノールS型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,脂肪族環状エポキシ樹脂,二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物,二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物,これらのハロゲン化物,これらの水素添加物等が挙げられる。これらの化合物の分子量は制限されず、何種類かを併用することができる。また、二官能エポキシ樹脂以外の成分を含んでいても構わない。また、これらのエポキシ樹脂の中の2種類以上を構造成分として構造中に含んでいる高分子量エポキシ樹脂も使用することが出来る。
【0013】
同様に、二官能フェノール類としては2つのフェノール性水酸基を持つものであればどのようなものでもよい。例えば、単環二官能フェノールであるヒドロキノン,レゾルシノール,カテコール,多環二官能フェノールであるビフェニルジオール,ビスフェノールA,ビスフェノールF,ジヒドロキシジフェニルエーテル,ナフタレンジオールおよびこれらのハロゲン化物,アルキル基置換体,異性体等が挙げられる。これらの化合物の分子量は制限されず、これらの二官能フェノール類の2種類以上を構成成分として併用することができる。また、二官能フェノール類以外の成分が含まれていても良い。
【0014】
高分子量エポキシ樹脂の合成触媒として、アルカリ金属化合物を使用するのが好ましい。アルカリ金属化合物の例としては、ナトリウム,リチウム,カリウムの水酸化物、ハロゲン化物,有機酸塩,アルコラート,フェノラート,水素化物,ホウ水素化物,アミド等が挙げられる。
【0015】
高分子量エポキシ樹脂の合成溶媒は、アミド系溶媒または、沸点が130℃以上のケトン系溶媒を用いるのが好ましい。
【0016】
合成溶媒として好ましいアミド系溶媒は、原料となる二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を溶解する性能があれば、制限されずに用いることができる。例えば、ホルムアミド,N−メチルホルムアミド,N,N−ジメチルホルムアミド,アセトアミド,N−メチルアセトアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N,N,N’,N’−テトラメチル尿素,2−ピロリドン,N−メチルピロリドン,カルバミド酸エステル等が挙げられる。
【0017】
また、合成溶媒として好ましいケトン系溶媒は、沸点が130℃以上で、原料となる二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を溶解する性能があれば、制限されずに用いることができる。例えば、シクロヘキサノン,アセチルアセトン,ジイソブチルケトン,ホロン,イソホロン,メチルシクロヘキサノン,アセトフェノン等が挙げられる。
【0018】
これらの溶媒は併用して使用することができる。また、アミド系,ケトン系,エーテル系,アルコール系,エステル系等に代表されるその他の溶媒と併用しても構わない。
【0019】
高分子量エポキシ樹脂の合成条件としては、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の配合当量比が、エポキシ基/フェノール性水酸基=1/0.9〜1.1であることが好ましい。エポキシ基1当量に対し、フェノール性水酸基が、0.9当量未満であると、直鎖状に高分子量化せずに副反応が起きて架橋し、溶媒に不溶になる。また1.1当量を超えると、高分子量化が進まない。
【0020】
高分子量エポキシ重合体の合成反応温度は、60〜150℃であることが好ましい。60℃より低いと高分子量化反応が著しく遅く、150℃より高いと副反応が多くなり直鎖状に高分子量化しない。
【0021】
高分子量エポキシ重合体の合成反応時の固形分濃度は50重量%以下にすることが好ましいが、更に好ましくは40重量%以下にすることが望ましい。高濃度になるにしたがい副反応が多くなり、直鎖状に高分子量化しにくくなる。したがって、比較的高濃度で重合反応を行い、しかも直鎖状の高分子量エポキシ樹脂を得ようとする場合には、反応温度を低くし、触媒量を少なくする必要がある。
【0022】
この直鎖状の高分子量エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量は5000以上でなければならない。エポキシ当量がこれより小さいと、高Tgのまま接着性を向上することができない。また、高分子量エポキシ樹脂(a)の重量平均分子量は、5000〜50000でなければならない。この範囲より重量平均分子量が小さいと高Tgのまま接着性を向上することができず、また大きすぎると、高分子量エポキシ樹脂の粘度が高くなってしまい、プリプレグ作製等の作業性が悪くなってしまう。更に、そのプリプレグを用いて製造する積層板の耐熱特性が低下してしまう。
【0023】
この高分子量エポキシ樹脂(a)の配合量としてはエポキシ樹脂組成物の総量の1〜20重量%であり、好ましくは5〜16重量%である。これにより良好な特性を得ることができる。1重量%未満の配合量では、接着性向上の効果が発揮されない。また20重量%を超えて配合量が多いと、積層板の耐熱特性が低下したり、ガラス転移温度(Tg)が低下してしまう。
【0024】
また、本発明で使用する(b)の重量平均分子量が5000未満の低分子量エポキシ樹脂の種類としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであればどんな樹脂でも使用できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,ビスフェノールS型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂,クレゾールノボラック型エポキシ樹脂,ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂,多官能フェノールのジグリシジルエーテル化物,多官能アルコールのジグリシジルエーテル化物,これらのハロゲン化物,これらの水素添加物等が挙げられ、これらの何種類かを併用することもできる。市販品としては、YDCN−703、YDCN−704(東都化成株式会社製:商品名)エピクロンN−865、エピクロン153(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名)などが挙げられるが、これらに限定したものではない。
【0025】
(c)のフェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば制限されないで用いることができる。例えば、フェノール、クレゾール、アルキルフェノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF,ビスフェノールS等のノボラック樹脂、およびこれらのハロゲン化物等が挙げられる。これらの化合物の分子量はいくらでもよく、また何種類かを併用することができる。市販品としては、フェノライトvh−4170、フェノライトTD−2106(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名)などが挙げられるが、これらに限定したものではない。
【0026】
また、フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物以外のフェノール性水酸基を含有する化合物を併用することもできる。併用可能な化合物としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する(すなわち二官能以上の)フェノール類が好ましい。また、二官能以上のフェノール類のハロゲン化物を併用すると、難燃性を付与できるため好ましい。
【0027】
(c)のフェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物およびそれ以外に併用されるフェノール性水酸基を含有する化合物の配合量については、エポキシ基に対するフェノール性水酸基の当量比が、0.8〜1.2当量の範囲であることが好ましく、0.9〜1.2当量の範囲であることがより好ましい。
【0028】
(d)本発明で使用されるベンゾグアナミンは、プリント配線板用エポキシ樹脂組成物の総量の0.01〜0.2重量%であり、0.03〜0.15重量%であることが好ましい。0.01重量%未満だと接着性向上の効果が乏しく、0.2重量%を超えると積層板のガラス転移温度(Tg)が低下し、耐熱特性が低下してしまう。
【0029】
上記(a)、(b)、(c)および(d)は必須成分であり、その他に必要に応じて充填剤、着色剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線不透過剤等を加えてもよい。特に、エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて(e)硬化促進剤が配合される。(e)としてはイミダゾール化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が用いられるが、第2級アミノ基をアクリロニトリル、イソシアネート、メラミン、アクリレート等でマスク化したイミダゾール化合物を用いると、より優れた保存安定性を示すプリプレグを得ることができる。
【0030】
ここで使用されるイミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等が挙げられる。
【0031】
マスク化剤としてはアクリロニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリレート等が挙げられる。これらの硬化促進剤は何種類かを併用することができる。
【0032】
本発明のプリプレグは、上記(a)、(b)、(c)および(d)を必須成分として溶剤中で配合して得たエポキシ樹脂ワニスを、ガラス織布またはガラス不織布に含浸させて、乾燥することにより得ることができる。ここで使用するガラス織布またはガラス不織布の種類には特に指定はなく、厚さ0.02〜0.4mmまでのものを、目的のプリプレグまたは積層板の厚さに合わせて使用することができる。プリプレグを製造する時の乾燥条件は、乾燥温度60〜200℃、乾燥時間1〜30分間の範囲で目的のプリプレグ特性に合わせて自由に選択することができる。
【0033】
本発明の金属張積層板は、目的とする積層板の厚みに合わせて、上記のプリプレグを1枚以上積層し、その片側または両側に金属はくを重ね、加熱加圧して製造する。また同様に、目的とする絶縁層の厚みに合わせて、内層基材と金属はくの間に本発明のプリプレグを所定枚数配し、加熱加圧成形して多層プリント配線板を製造する。金属はくとしては、銅箔やアルミ箔を用いるが、他の金属はくを用いてもよい。金属はくの厚みは、通常3〜200μmが好ましい。
【0034】
プリプレグにより金属はくと一体化する内層基材としては、電気絶縁材料として使用される積層板,金属張積層板またはプリント配線板などが挙げられる。
【0035】
金属張積層板製造時の加熱温度は、130〜210℃、より好ましくは160〜190℃で、圧力は0.5〜10Mpa、より好ましくは1〜4Mpaであり、プリプレグ特性や、エポキシ樹脂組成物の反応性,プレス機の能力、目的の積層板の厚み等により適宜決定することができる。
【0036】
また、多層プリント配線板製造時の条件も、上記金属張積層板製造時の条件と同様にして適宜決定することができる。
【0037】
【実施例】
(エポキシ樹脂組成物ワニスの調整)
実施例1
(b)成分としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社の商品名YDCN−703を使用)100重量部、(c)成分として変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトvh−4170を使用)37重量部、テトラブロモビスフェノールA40重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.21重量部、ウンデシルイミダゾール0.15重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:9600、Mw:23000、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAの重合体)31重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の15重量%)
【0038】
実施例2
(b)成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロンN−865を使用)62重量部、(b)成分としてテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロン153を使用)38重量部、(c)成分としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトTD−2106を使用)42重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.16重量部、フェニルイミダゾール0.17重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:12000、Mw:27000、フェノキシ樹脂)25重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の15重量%)
【0039】
実施例3
(b)成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロンN−865を使用)100重量部、(c)成分として変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトvh−4170を使用)35重量部、テトラブロモビスフェノールA42重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.3重量部、ウンデシルイミダゾール0.15重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:13000、Mw:30000、臭素化フェノキシ樹脂)20重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の10重量%)
【0040】
比較例1
(b)成分としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社の商品名YDCN−703を使用)100重量部、(c)成分として変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトvh−4170を使用)39重量部、テトラブロモビスフェノールA40重量部、ウンデシルイミダゾール0.3重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:9600、Mw:23000、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAの重合体)31重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の15重量%)
【0041】
比較例2
(b)成分としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社の商品名YDCN−704を使用)100重量部、(c)成分として変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトvh−4170を使用)36重量部、テトラブロモビスフェノールA45重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.16重量部、ウンデシルイミダゾール0.20重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。
【0042】
比較例3
(b)成分としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社の商品名YDCN−703を使用)100重量部、(c)成分として変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトvh−4170を使用)36重量部、テトラブロモビスフェノールA40重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.50重量部、ウンデシルイミダゾール0.08重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:9600、Mw:23000、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAの重合体)31重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の15重量%)
【0043】
比較例4
(b)成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロンN−865を使用)69重量部、(b)成分としてテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロン153を使用)31重量部、(c)成分としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトTD−2106を使用)44重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.22重量部、フェニルイミダゾール0.17重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:12000、Mw:27000、フェノキシ樹脂)62重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の30重量%)
【0044】
(プリプレグの作製)
実施例1〜3および比較例1〜4のワニスを厚さ100μmのガラス織布(MIL品番2116タイプ)に含浸し、150℃の乾燥器中で4分間乾燥し、樹脂分58重量%のB−ステージ状態のプリプレグを得た。
【0045】
(金属張積層板の作製)
実施例1〜3および比較例1〜4のプリプレグをそれぞれ4枚ずつ重ねて、その両側に厚み35μmの銅箔を配し、圧力2.5Mpa、温度185℃で90分間加熱加圧して両面銅張積層板を得た。得られた両面銅箔張積層板を用いてTgの測定を行った。Tgの測定は、Du Pont製熱機械分析装置(以下TMAと略す。)を用いた。
【0046】
(プリント配線板の作製)
実施例1〜3および比較例1〜4の両面銅張積層板にフォトレジスト法にて回路パターンを形成し、銅箔の表面に黒化−還元処理を施した後、その両側に得られた実施例1〜3および比較例1〜4のプリプレグをそれぞれ1枚ずつ重ねて、さらにその両側に厚み18μmの銅箔を配し、圧力2.5Mpa、温度185℃で90分間加熱加圧して4層プリント配線板を得た。得られた4層プリント配線板を用いて外層銅箔引き剥がし強度の測定を行なった。外層銅箔引き剥がし強度は、JIS C 6481に準拠して行った。
【0047】
各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物の配合比(重量部)、Tg測定結果および外層銅箔引き剥がし強度測定結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
以上の結果から、実施例1〜3に示したように、本発明において170℃以上の高いガラス転移温度と1.30kN/m以上の優れた引き剥がし強さが認められた。一方、比較例1(ベンゾグアナミンなし)と比較例2(高分子量エポキシ樹脂なし)は高いガラス転移温度を示したものの、銅箔引き剥がし強さは弱く、また比較例3(ベンゾグアナミン0.24重量%)と比較例4(高分子量エポキシ樹脂30重量%)は強い引き剥がし強さは示したものの、ガラス転移温度は低いことが認められた。
【0050】
【発明の効果】
本発明のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物を用いてTgが高く、かつ接着性に優れたプリント配線板用プリプレグ,金属張積層板および多層プリント配線板を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板をはじめとする電気絶縁材料に使用するプリント配線板用エポキシ樹脂組成物、およびその用途、プリント配線板用プリプレグおよびそれを用いた金属張積層板,および多層プリント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂を用いた積層板は、エポキシ樹脂組成物のワニスをガラス織布またはガラス不織布に含浸し、乾燥してBステージ化したプリプレグを積層し、加熱加圧して製造されている。エポキシ樹脂組成物としては、エポキシ当量が150〜1000程度のエポキシ樹脂に硬化剤および硬化促進剤を配合し、必要により難燃剤や充填剤を配合したものが使用されている。
【0003】
従来、産業用電子機器などに使用される高度の特性が要求されるプリント配線板は、上記プリプレグと金属はくとを重ねて、加熱加圧することにより、積層一体化してなる金属張積層板に、回路加工を施して製造されている。また、多層プリント配線板は、内層回路板および金属はく等を構成材として、構成材相互間を上記プリプレグを介して加熱加圧することにより、積層一体化して製造されている。
【0004】
電子機器の小型化,高性能化に伴い、その中に搭載されるプリント配線板は、高多層化、薄物化、スルーホールの小型化および穴間隔の狭小等による高密度化が進んでいる。さらに、携帯電話やモバイルコンピュータ等の携帯情報端末機器に搭載されるプリント配線板には、マイクロプロセッシングユニット(MPU)をプリント配線板上に直接搭載するプラスチックパッケージや各種モジュール用のプリント配線板をはじめとして、大容量の情報を高速に処理することが求められている。そのため、信号処理の高速化や低伝送損失化、更なるダウンサイジングが必要となってきており、プリント配線板は、より一層の高密度化が進み、これまで以上の微細配線形成性が要求されている。
【0005】
そこで、このようにMPUを搭載するプリント配線板やモジュール用プリント配線板には、これまで以上の接続信頼性を確保するために、耐熱性に優れた高ガラス転移温度(Tg)材料が使用されるようになってきた。例えば、多官能性フェノール樹脂を硬化剤として用いるエポキシ樹脂系では、吸水率が低く、かつ160℃以上のTgを有するプリント配線板を得ることができると、特開平3−124735号公報に記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−124735号公報
【特許文献2】
特開平4−120124号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多官能性フェノール樹脂硬化系を用いた高Tgエポキシ樹脂材料は、硬くて脆いうえ、銅箔との接着性も低い。このように銅箔との接着性が低い樹脂材料では、プリント配線板の製造や実装の際に、ラインの剥離や断線を起こし易い。従って、更に微細配線化が進むにつれ、銅箔との接着性がより高い樹脂材料が求められるようになってきた。
【0008】
本発明の目的は、プリント配線板用に適したエポキシ樹脂組成物、ならびに、それを用いたTgが高く、かつ金属箔との接着性に優れたプリント配線板用プリプレグ,金属張積層板及び多層プリント配線板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は,次のように構成される。(1)(a)エポキシ当量が5000以上で、重量平均分子量が5000〜50000の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂、(b)重量平均分子量が5000未満の低分子量エポキシ樹脂、(c)フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物、および(d)ベンゾグアナミンを配合してなるプリント配線板用エポキシ樹脂組成物であって、(a)を樹脂組成物の総量に対して1〜20重量%含み、(d)を樹脂組成物の総量に対して0.01〜0.2重量%含むことを特徴とするプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
(2)(a)の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂が、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の重合体である(1)に記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
(3)(a)の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAの重合体,ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAの重合体,テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAの重合体、フェノキシ樹脂、ハロゲン化フェノキシ樹脂のうち少なくとも1種以上である(1)または(2)に記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
(4)(b)が分子内に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂である(1)〜(3)のいずれかに記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物をガラス織布またはガラス不織布に含浸し、加熱乾燥して、Bステージ化することを特徴とするプリント配線板用プリプレグ。
(6)(5)に記載のプリント配線板用プリプレグを少なくとも1枚以上重ね、その片面もしくは両面に金属はくを介して加熱加圧成形して得られる金属張積層板。
(7)(5)に記載のプリント配線板用プリプレグを構成材の接着材料として積層一体化して形成する多層プリント配線板。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(a)の高分子量エポキシ樹脂は、エポキシ当量が5000以上で、重量平均分子量が5000〜50000のものであればどんな種類の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂を用いてもよい。例えば、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を重合反応させることにより直鎖状に高分子量化させた構造を持つものなどが挙げられる。このように直鎖状に重合し熱可塑性をもたせた高分子量エポキシ樹脂は、プリプレグを構成する樹脂組成物の靭性および接着性を向上させるため好ましい。従って、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとビスフェノールAが重合したような構造を持つ高分子量エポキシ樹脂の1種で、熱可塑性樹脂として知られているフェノキシ樹脂、およびそのハロゲン化物、例えば臭素化フェノキシ樹脂を使用することが好ましい。
【0011】
本発明で使用する(a)の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂は特開平4−120124号公報に示されているように二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を例えばアルカリ金属化合物触媒の存在下、溶媒中で加熱して重合させ、合成することにより製造することができるが、市販のものを使用してもかまわない。
【0012】
この高分子量エポキシ樹脂を構成する二官能エポキシ樹脂としては分子内に2個のエポキシ基を持つ樹脂であればどのようなものでもよい。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,ビスフェノールS型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,脂肪族環状エポキシ樹脂,二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物,二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物,これらのハロゲン化物,これらの水素添加物等が挙げられる。これらの化合物の分子量は制限されず、何種類かを併用することができる。また、二官能エポキシ樹脂以外の成分を含んでいても構わない。また、これらのエポキシ樹脂の中の2種類以上を構造成分として構造中に含んでいる高分子量エポキシ樹脂も使用することが出来る。
【0013】
同様に、二官能フェノール類としては2つのフェノール性水酸基を持つものであればどのようなものでもよい。例えば、単環二官能フェノールであるヒドロキノン,レゾルシノール,カテコール,多環二官能フェノールであるビフェニルジオール,ビスフェノールA,ビスフェノールF,ジヒドロキシジフェニルエーテル,ナフタレンジオールおよびこれらのハロゲン化物,アルキル基置換体,異性体等が挙げられる。これらの化合物の分子量は制限されず、これらの二官能フェノール類の2種類以上を構成成分として併用することができる。また、二官能フェノール類以外の成分が含まれていても良い。
【0014】
高分子量エポキシ樹脂の合成触媒として、アルカリ金属化合物を使用するのが好ましい。アルカリ金属化合物の例としては、ナトリウム,リチウム,カリウムの水酸化物、ハロゲン化物,有機酸塩,アルコラート,フェノラート,水素化物,ホウ水素化物,アミド等が挙げられる。
【0015】
高分子量エポキシ樹脂の合成溶媒は、アミド系溶媒または、沸点が130℃以上のケトン系溶媒を用いるのが好ましい。
【0016】
合成溶媒として好ましいアミド系溶媒は、原料となる二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を溶解する性能があれば、制限されずに用いることができる。例えば、ホルムアミド,N−メチルホルムアミド,N,N−ジメチルホルムアミド,アセトアミド,N−メチルアセトアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N,N,N’,N’−テトラメチル尿素,2−ピロリドン,N−メチルピロリドン,カルバミド酸エステル等が挙げられる。
【0017】
また、合成溶媒として好ましいケトン系溶媒は、沸点が130℃以上で、原料となる二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を溶解する性能があれば、制限されずに用いることができる。例えば、シクロヘキサノン,アセチルアセトン,ジイソブチルケトン,ホロン,イソホロン,メチルシクロヘキサノン,アセトフェノン等が挙げられる。
【0018】
これらの溶媒は併用して使用することができる。また、アミド系,ケトン系,エーテル系,アルコール系,エステル系等に代表されるその他の溶媒と併用しても構わない。
【0019】
高分子量エポキシ樹脂の合成条件としては、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の配合当量比が、エポキシ基/フェノール性水酸基=1/0.9〜1.1であることが好ましい。エポキシ基1当量に対し、フェノール性水酸基が、0.9当量未満であると、直鎖状に高分子量化せずに副反応が起きて架橋し、溶媒に不溶になる。また1.1当量を超えると、高分子量化が進まない。
【0020】
高分子量エポキシ重合体の合成反応温度は、60〜150℃であることが好ましい。60℃より低いと高分子量化反応が著しく遅く、150℃より高いと副反応が多くなり直鎖状に高分子量化しない。
【0021】
高分子量エポキシ重合体の合成反応時の固形分濃度は50重量%以下にすることが好ましいが、更に好ましくは40重量%以下にすることが望ましい。高濃度になるにしたがい副反応が多くなり、直鎖状に高分子量化しにくくなる。したがって、比較的高濃度で重合反応を行い、しかも直鎖状の高分子量エポキシ樹脂を得ようとする場合には、反応温度を低くし、触媒量を少なくする必要がある。
【0022】
この直鎖状の高分子量エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量は5000以上でなければならない。エポキシ当量がこれより小さいと、高Tgのまま接着性を向上することができない。また、高分子量エポキシ樹脂(a)の重量平均分子量は、5000〜50000でなければならない。この範囲より重量平均分子量が小さいと高Tgのまま接着性を向上することができず、また大きすぎると、高分子量エポキシ樹脂の粘度が高くなってしまい、プリプレグ作製等の作業性が悪くなってしまう。更に、そのプリプレグを用いて製造する積層板の耐熱特性が低下してしまう。
【0023】
この高分子量エポキシ樹脂(a)の配合量としてはエポキシ樹脂組成物の総量の1〜20重量%であり、好ましくは5〜16重量%である。これにより良好な特性を得ることができる。1重量%未満の配合量では、接着性向上の効果が発揮されない。また20重量%を超えて配合量が多いと、積層板の耐熱特性が低下したり、ガラス転移温度(Tg)が低下してしまう。
【0024】
また、本発明で使用する(b)の重量平均分子量が5000未満の低分子量エポキシ樹脂の種類としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであればどんな樹脂でも使用できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,ビスフェノールS型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂,クレゾールノボラック型エポキシ樹脂,ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂,多官能フェノールのジグリシジルエーテル化物,多官能アルコールのジグリシジルエーテル化物,これらのハロゲン化物,これらの水素添加物等が挙げられ、これらの何種類かを併用することもできる。市販品としては、YDCN−703、YDCN−704(東都化成株式会社製:商品名)エピクロンN−865、エピクロン153(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名)などが挙げられるが、これらに限定したものではない。
【0025】
(c)のフェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば制限されないで用いることができる。例えば、フェノール、クレゾール、アルキルフェノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF,ビスフェノールS等のノボラック樹脂、およびこれらのハロゲン化物等が挙げられる。これらの化合物の分子量はいくらでもよく、また何種類かを併用することができる。市販品としては、フェノライトvh−4170、フェノライトTD−2106(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名)などが挙げられるが、これらに限定したものではない。
【0026】
また、フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物以外のフェノール性水酸基を含有する化合物を併用することもできる。併用可能な化合物としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する(すなわち二官能以上の)フェノール類が好ましい。また、二官能以上のフェノール類のハロゲン化物を併用すると、難燃性を付与できるため好ましい。
【0027】
(c)のフェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物およびそれ以外に併用されるフェノール性水酸基を含有する化合物の配合量については、エポキシ基に対するフェノール性水酸基の当量比が、0.8〜1.2当量の範囲であることが好ましく、0.9〜1.2当量の範囲であることがより好ましい。
【0028】
(d)本発明で使用されるベンゾグアナミンは、プリント配線板用エポキシ樹脂組成物の総量の0.01〜0.2重量%であり、0.03〜0.15重量%であることが好ましい。0.01重量%未満だと接着性向上の効果が乏しく、0.2重量%を超えると積層板のガラス転移温度(Tg)が低下し、耐熱特性が低下してしまう。
【0029】
上記(a)、(b)、(c)および(d)は必須成分であり、その他に必要に応じて充填剤、着色剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線不透過剤等を加えてもよい。特に、エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて(e)硬化促進剤が配合される。(e)としてはイミダゾール化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が用いられるが、第2級アミノ基をアクリロニトリル、イソシアネート、メラミン、アクリレート等でマスク化したイミダゾール化合物を用いると、より優れた保存安定性を示すプリプレグを得ることができる。
【0030】
ここで使用されるイミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等が挙げられる。
【0031】
マスク化剤としてはアクリロニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリレート等が挙げられる。これらの硬化促進剤は何種類かを併用することができる。
【0032】
本発明のプリプレグは、上記(a)、(b)、(c)および(d)を必須成分として溶剤中で配合して得たエポキシ樹脂ワニスを、ガラス織布またはガラス不織布に含浸させて、乾燥することにより得ることができる。ここで使用するガラス織布またはガラス不織布の種類には特に指定はなく、厚さ0.02〜0.4mmまでのものを、目的のプリプレグまたは積層板の厚さに合わせて使用することができる。プリプレグを製造する時の乾燥条件は、乾燥温度60〜200℃、乾燥時間1〜30分間の範囲で目的のプリプレグ特性に合わせて自由に選択することができる。
【0033】
本発明の金属張積層板は、目的とする積層板の厚みに合わせて、上記のプリプレグを1枚以上積層し、その片側または両側に金属はくを重ね、加熱加圧して製造する。また同様に、目的とする絶縁層の厚みに合わせて、内層基材と金属はくの間に本発明のプリプレグを所定枚数配し、加熱加圧成形して多層プリント配線板を製造する。金属はくとしては、銅箔やアルミ箔を用いるが、他の金属はくを用いてもよい。金属はくの厚みは、通常3〜200μmが好ましい。
【0034】
プリプレグにより金属はくと一体化する内層基材としては、電気絶縁材料として使用される積層板,金属張積層板またはプリント配線板などが挙げられる。
【0035】
金属張積層板製造時の加熱温度は、130〜210℃、より好ましくは160〜190℃で、圧力は0.5〜10Mpa、より好ましくは1〜4Mpaであり、プリプレグ特性や、エポキシ樹脂組成物の反応性,プレス機の能力、目的の積層板の厚み等により適宜決定することができる。
【0036】
また、多層プリント配線板製造時の条件も、上記金属張積層板製造時の条件と同様にして適宜決定することができる。
【0037】
【実施例】
(エポキシ樹脂組成物ワニスの調整)
実施例1
(b)成分としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社の商品名YDCN−703を使用)100重量部、(c)成分として変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトvh−4170を使用)37重量部、テトラブロモビスフェノールA40重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.21重量部、ウンデシルイミダゾール0.15重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:9600、Mw:23000、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAの重合体)31重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の15重量%)
【0038】
実施例2
(b)成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロンN−865を使用)62重量部、(b)成分としてテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロン153を使用)38重量部、(c)成分としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトTD−2106を使用)42重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.16重量部、フェニルイミダゾール0.17重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:12000、Mw:27000、フェノキシ樹脂)25重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の15重量%)
【0039】
実施例3
(b)成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロンN−865を使用)100重量部、(c)成分として変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトvh−4170を使用)35重量部、テトラブロモビスフェノールA42重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.3重量部、ウンデシルイミダゾール0.15重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:13000、Mw:30000、臭素化フェノキシ樹脂)20重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の10重量%)
【0040】
比較例1
(b)成分としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社の商品名YDCN−703を使用)100重量部、(c)成分として変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトvh−4170を使用)39重量部、テトラブロモビスフェノールA40重量部、ウンデシルイミダゾール0.3重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:9600、Mw:23000、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAの重合体)31重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の15重量%)
【0041】
比較例2
(b)成分としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社の商品名YDCN−704を使用)100重量部、(c)成分として変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトvh−4170を使用)36重量部、テトラブロモビスフェノールA45重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.16重量部、ウンデシルイミダゾール0.20重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。
【0042】
比較例3
(b)成分としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社の商品名YDCN−703を使用)100重量部、(c)成分として変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトvh−4170を使用)36重量部、テトラブロモビスフェノールA40重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.50重量部、ウンデシルイミダゾール0.08重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:9600、Mw:23000、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAの重合体)31重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の15重量%)
【0043】
比較例4
(b)成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロンN−865を使用)69重量部、(b)成分としてテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名エピクロン153を使用)31重量部、(c)成分としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社の商品名フェノライトTD−2106を使用)44重量部、(d)成分としてベンゾグアナミン0.22重量部、フェニルイミダゾール0.17重量部、および(a)成分として高分子量エポキシ樹脂(エポキシ当量:12000、Mw:27000、フェノキシ樹脂)62重量部を、メチルエチルケトンとエチレングリコールモノメチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶剤(重量比で2:1:1)に溶解して、樹脂固形分65重量%のワニスを得た。(高分子量エポキシ樹脂の配合比は全固形分の30重量%)
【0044】
(プリプレグの作製)
実施例1〜3および比較例1〜4のワニスを厚さ100μmのガラス織布(MIL品番2116タイプ)に含浸し、150℃の乾燥器中で4分間乾燥し、樹脂分58重量%のB−ステージ状態のプリプレグを得た。
【0045】
(金属張積層板の作製)
実施例1〜3および比較例1〜4のプリプレグをそれぞれ4枚ずつ重ねて、その両側に厚み35μmの銅箔を配し、圧力2.5Mpa、温度185℃で90分間加熱加圧して両面銅張積層板を得た。得られた両面銅箔張積層板を用いてTgの測定を行った。Tgの測定は、Du Pont製熱機械分析装置(以下TMAと略す。)を用いた。
【0046】
(プリント配線板の作製)
実施例1〜3および比較例1〜4の両面銅張積層板にフォトレジスト法にて回路パターンを形成し、銅箔の表面に黒化−還元処理を施した後、その両側に得られた実施例1〜3および比較例1〜4のプリプレグをそれぞれ1枚ずつ重ねて、さらにその両側に厚み18μmの銅箔を配し、圧力2.5Mpa、温度185℃で90分間加熱加圧して4層プリント配線板を得た。得られた4層プリント配線板を用いて外層銅箔引き剥がし強度の測定を行なった。外層銅箔引き剥がし強度は、JIS C 6481に準拠して行った。
【0047】
各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物の配合比(重量部)、Tg測定結果および外層銅箔引き剥がし強度測定結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
以上の結果から、実施例1〜3に示したように、本発明において170℃以上の高いガラス転移温度と1.30kN/m以上の優れた引き剥がし強さが認められた。一方、比較例1(ベンゾグアナミンなし)と比較例2(高分子量エポキシ樹脂なし)は高いガラス転移温度を示したものの、銅箔引き剥がし強さは弱く、また比較例3(ベンゾグアナミン0.24重量%)と比較例4(高分子量エポキシ樹脂30重量%)は強い引き剥がし強さは示したものの、ガラス転移温度は低いことが認められた。
【0050】
【発明の効果】
本発明のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物を用いてTgが高く、かつ接着性に優れたプリント配線板用プリプレグ,金属張積層板および多層プリント配線板を得ることができる。
Claims (7)
- (a)エポキシ当量が5000以上で、重量平均分子量が5000〜50000の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂、
(b)重量平均分子量が5000未満の低分子量エポキシ樹脂、
(c)フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物、および
(d)ベンゾグアナミンを配合してなるプリント配線板用エポキシ樹脂組成物であって、(a)を樹脂組成物の総量に対して1〜20重量%含み、(d)を樹脂組成物の総量に対して0.01〜0.2重量%含むことを特徴とするプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。 - (a)の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂が、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の重合体である請求項1に記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
- (a)の直鎖状の高分子量エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAの重合体,ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールAの重合体,テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAの重合体、フェノキシ樹脂、ハロゲン化フェノキシ樹脂のうち少なくとも1種以上である請求項1または2に記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
- (b)が分子内に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板用エポキシ樹脂組成物をガラス織布またはガラス不織布に含浸し、加熱乾燥して、Bステージ化することを特徴とするプリント配線板用プリプレグ。
- 請求項5に記載のプリント配線板用プリプレグを少なくとも1枚以上重ね、その片面もしくは両面に金属はくを介して加熱加圧成形して得られる金属張積層板。
- 請求項5に記載のプリント配線板用プリプレグを構成材の接着材料として積層一体化して形成する多層プリント配線板。
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-
2003
- 2003-07-11 JP JP2003195659A patent/JP2005029673A/ja active Pending
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