JP2019048934A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019048934A
JP2019048934A JP2017173342A JP2017173342A JP2019048934A JP 2019048934 A JP2019048934 A JP 2019048934A JP 2017173342 A JP2017173342 A JP 2017173342A JP 2017173342 A JP2017173342 A JP 2017173342A JP 2019048934 A JP2019048934 A JP 2019048934A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printed wiring
epoxy resin
resin composition
resin
wiring boards
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017173342A
Other languages
English (en)
Inventor
周治 合津
Shuji Aitsu
周治 合津
亮一 内村
Ryoichi Uchimura
亮一 内村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2017173342A priority Critical patent/JP2019048934A/ja
Publication of JP2019048934A publication Critical patent/JP2019048934A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、従来よりも耐熱性に優れ、かつ金属箔との接着強度が高い、プリント配線板用材料として好適な樹脂組成物、ならびにこれを用いたプリプレグ、金属張積層板、およびプリント配線板を提供する。【解決手段】(a)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(b)硬化剤、及び(c)トリアジン環あるいはイソシアヌル環を有する化合物を含むプリント配線板用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板用材料として好適な樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、金属張積層板、およびプリント配線板に関する。
電子機器の小型化、高性能化に伴い、その中に搭載されるプリント配線板は、高多層化、薄物化、スルーホールの小型化および穴間隔の狭小等による高密度化が進んでいる。さらに、携帯電話やモバイルコンピュータ等の携帯情報端末機器に搭載されるプリント配線板には、マイクロプロセッシングユニット(MPU)をプリント配線板上に直接搭載するプラスチックパッケージや各種モジュール用のプリント配線板をはじめとして、大容量の情報を高速に処理することが求められている。そのため、信号処理の高速化や低伝送損失化、更なるダウンサイジングが必要となってきており、プリント配線板は、より一層の高密度化が進み、これまで以上の微細配線が要求されている。
上記のような事情に伴い、MPUを搭載するプリント配線板やモジュール用プリント配線板には、これまで以上の接続信頼性を確保するために、耐熱性に優れた材料が要求されるようになってきた。例えば、特許文献1や特許文献2には、多官能フェノール樹脂をエポキシ樹脂の硬化剤として使用した高Tgで耐熱性に優れた材料が開示されている。
また、近年の環境問題に対する急速な関心の高まりに伴い、プリント配線板に使用されるはんだとして、鉛が含まれていない鉛フリーはんだを使用する傾向が強くなってきているが、鉛フリーはんだは、従来のはんだに比べて融点が高いため、プリント配線板の部品実装時におけるはんだリフロー温度についても、従来の鉛入りはんだ使用時と比較して高くなる傾向にある。それゆえ、プリント配線板に使用される材料には、より優れた耐熱性が要求されるようになってきている。
特開平11−209456号公報 特開平11−279376号公報
上記を鑑みて、本発明は、従来よりも耐熱性に優れ、かつ金属箔との接着強度が高い、プリント配線板用材料として好適な樹脂組成物、ならびにこれを用いたプリプレグ、金属張積層板、およびプリント配線板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、下記(1)〜(10)をその特徴とするものである。
(1)(a)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(b)硬化剤、及び(c)トリアジン環あるいはイソシアヌル環を有する化合物を含むプリント配線板用樹脂組成物。
(2)(a)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂として、(a1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化物から選ばれる少なくとも一種と、(a2)4つの官能基を有するエポキシ樹脂とを併用する(1)に記載のプリント配線板用樹脂組成物。
(3)更に炭酸カルシウム、アルミナ、マイカ、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、シリカ、タルク、ガラス短繊維、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素からなる郡より選ばれる少なくとも一種を含む無機充填剤を含む(1)又は(2)に記載のプリント配線板用樹脂組成物。
(4)樹脂成分中の窒素含有率が0.05〜10重量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプリント配線板用樹脂組成物。
(5)前記シリカが、球状シリカであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のプリント配線板用樹脂組成物。
(6)前記シリカの平均粒径が、0.4〜5μmであることを特徴とする上記(1)〜 (5)のいずれかに記載のプリント配線板用樹脂組成物。
(7)前記シリカの含水率が、0.04重量%以下であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のプリント配線板用樹脂組成物。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のプリント配線板用樹脂組成物を基材に含浸、乾燥してなることを特徴とするプリプレグ。
(9)上記(8)に記載のプリプレグを1枚以上積層し、その片面もしくは両面に金属箔を配置し、これを加熱加圧してなることを特徴とする金属張積層板。
(10)上記(9)に記載の金属張積層板を用いて製造されることを特徴とするプリント配線板。
本発明によれば、従来よりも耐熱性に優れ、かつ金属箔との接着強度が高い、プリント配線板用材料として好適な樹脂組成物、ならびにこれを用いたプリプレグ、金属張積層板、およびプリント配線板を提供することが可能となる。
さらに、上記(3)や(4)に係る発明のように、樹脂組成物中に(c)トリアジン環あるいはイソシアヌル環を有する化合物を別途添加したり、樹脂組成物中の窒素含有率を制御したりすることで、プリプレグと金属箔との高温条件下における接着強度向上をも図ることが可能となる。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂系、ポリイミド樹脂系、トリアジン樹脂系、フェノール樹脂系、メラミン樹脂系、これらの変性系等が挙げられる。また、これらの樹脂は2種類以上を併用してもよい。汎用性、コストなどの点から考慮すると熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用することが好ましい。エポキシ樹脂の種類としては、(a)分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであることが好ましく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化物、これらのハロゲン化物、これらの水素添加物等があり、何種類かを併用することもできる。
耐熱性の観点から、熱硬化性樹脂として、(a1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化物から選ばれる少なくとも一種と、(a2)4つの官能基を有するエポキシ樹脂とを併用することが好ましい。 4つの官能基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル4,4’−(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,1,2,2−(テトラグリシジルオキシフェニル)エタン、テトラグリシジルベンゾフェノン・ビスレゾルシノールテトラグリシジルエーテル等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、上記熱硬化性樹脂に加え、無機充填剤を配合する。無機充填剤の配合量は、樹脂組成物中の全固形分に対して、15〜35重量%(以下、wt%という)であることが好ましい。無機充填剤の配合量が15wt%未満であると樹脂組成物の耐熱性が劣る傾向にあり、35wt%を超えると樹脂組成物の流動性が小さくなり、プレス時の成形性が低下する傾向にある。
上記無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、アルミナ、マイカ、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、シリカ、タルク、ガラス短繊維やホウ酸アルミニウムや炭化ケイ素等の各種ウィスカ等を用いることができる。また、これらを数種類併用しても良い。 耐熱性の観点からは、シリカ及びタルクを含有することがより好ましい。
本発明においては、無機充填剤のうち50wt%以上をシリカとすることが好ましい。また、シリカの平均粒径は、0.4〜5μmの範囲であることが好ましい。特に、シリカの平均粒径が1〜5μmの範囲であると、組成物の耐熱性と接着強度を両立させる上で非常に好ましい。また、ドリル加工時の作業性をも重視する場合には、シリカの平均粒径を0.4〜0.7μmの範囲にすることが好ましい。また、シリカの含水率は、0.04wt%以下であることが好ましい。この範囲であれば、凝集を低減でき、外観、耐熱性をより良好にできる。
無機充填剤の配合方法としては、従来公知の技術を用いることができ、特に限定されないが、例えば、混練機を用いる方法を用いることができる。
また、本発明の樹脂組成物には、公知の硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線不透過剤等の添加剤を必要に応じて適宜量添加してもよい。特に、熱硬化性樹脂として上記(a)分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を用いる場合には、(b)硬化剤を配合することが好ましく、例えば、従来公知のジシアンジアミド、ジアミノフェニルメタン、ジアミノフェニルスルフォン、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、フェノールノボラックやクレゾールノボラック等の多官能性フェノール等を用いることができ、これらは何種類かを併用することもできる。耐熱性、信頼性を考慮すると(b)フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物を使用することが好ましい。フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであることが好ましく、例えば、フェノール、クレゾール、アルキルフェノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のノボラック樹脂、およびこれらのハロゲン化物等が挙げられ、これらは何種類かを併用してもよい。また、フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物以外のフェノール性水酸基を含有する化合物を併用してもよいが、その場合にも、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物を用いることが好ましい。また、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物のハロゲン化物を併用すると、難燃性を付与できるため好ましい。硬化剤の配合量は、本発明の樹脂組成物に使用する熱硬化性樹脂の種類や配合量に応じて、適宜決定すればよく、特に限定されないが、硬化剤として、フェノール類とホルムアルデヒドの重縮合物ならびに上記併用可能なフェノール性水酸基を有する化合物を用いる場合には、使用するエポキシ樹脂のエポキシ基に対してフェノール性水酸基が0.8〜1.2当量となるように配合することが好ましく、0.9〜1.1当量となるように配合することがより好ましい。
また、上記硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール系化合物、有機リン系化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等、公知のものを使用することができ、これらは2種類以上併用しても良い。特に、第2級アミノ基をアクリロニトリル、イソシアネート、メラミン、アクリレート等でマスク化したイミダゾール化合物を用いるとより優れた保存安定性を示すプリプレグを得ることができる。ここで使用されるイミダゾール化合物としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等が挙げられる。また、マスク化剤としてはアクリロニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリレート等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物は、特にプリプレグと金属箔との、高温条件下における接着強度向上の観点から、(c)トリアジン環あるいはイソシアヌル環を有する化合物を含むことが好ましい。当該(c)成分としては、特に限定されないが、例えば、シアヌレート類、メラミン類、フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類との縮合物及びそのグリシジルエーテル化物、イソシアヌレート類、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリアジン、メラミン、ベンゾグアナミン、メチルグアナミン、シアヌル酸、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート、トリメチルトリアジン、トリフェニルトリアジン、アメリン、アメリド、チオシアヌル酸、ジアミノメルカプトトリアジン、ジアミノメチルトリアジン、ジアミノフェニルトリアジン、ジアミノイソプロポキシトリアジン等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上を併用して用いることができる。 溶剤への溶解が容易となる点から、トリアジン、メラミン、ベンゾグアナミン、メチルグアナミン、シアヌル酸、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート、トリメチルトリアジン、トリフェニルトリアジン、アメリン、アメリド、チオシアヌル酸、ジアミノメルカプトトリアジン、ジアミノメチルトリアジン、ジアミノフェニルトリアジン、ジアミノイソプロポキシトリアジンが寄り好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、耐熱性の観点から、樹脂成分中の窒素含有率が0.05〜10重量%の範囲であることが好ましく、0.05〜5重量%の範囲であることがより好ましい。それゆえ、上記(c)成分は、樹脂成分中の窒素含有率が上記範囲となるように配合することが好ましい。
本発明のプリント配線板用樹脂組成物は、上記熱硬化性樹脂と上記無機充填剤と必要に応じて添加される各種添加剤を有機溶媒に溶解し、ワニスとして用いることが好ましい。
上記有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、アセトン、キシレン、メチルセルソルブ、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、キノリン、シクロペンタノン、m−クレゾール、クロロホルムなどが挙げられ、これらは単独でも2種以上併用しても良い。また、ワニス中の固形分濃度は特に制限はなく、樹脂組成物の組成や各組成の配合量等により適宜変更できるが、50重量%〜85重量%の範囲であることが好ましい。ワニス中の固形分濃度が50重量%未満であると、ワニス粘度が小さくなる上、プリプレグに含浸した場合の樹脂分が低くなってしまう恐れがあり、85重量%を超えるとワニスの増粘等によりプリプレグの外観等が低下し易い。
また、本発明の樹脂組成物作製時の作業性、および使用時の塗布作業性をより良好ならしめるため、必要に応じて希釈剤を添加することができる。このような希釈剤としては、例えば、ブチルセロソルブ、カルビトール、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カルビトール、エチレングリコールジエチルエーテル、α−テルピネオール等の比較的沸点の高い有機溶剤、PGE(日本化薬社製)、PP−101(東都化成社製)、ED−502、503、509(旭電化社製)、YED−122(油化シェルエポキシ社製)、KBM−403、LS−7970(信越化学工業社製)、TSL−8350、TSL−8355、TSL−9905(東芝シリコーン社製)等の1分子中に1〜2個のエポキシ基を有する反応性希釈剤等の公知の化合物が挙げられる。
本発明のプリプレグは、例えば、本発明の樹脂組成物と有機溶剤とを配合して得た樹脂ワニスを、基材に含浸させて、乾燥することにより得ることができる。ここで使用する基材としては、特に限定されないが、一般的には織布や不織布等の繊維基材が用いられる。繊維基材としては、例えば、ガラス、アルミナ、ボロン、シリカアルミナガラス、シリカガラス、チラノ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア等の無機繊維やアラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、セルロース等の有機繊維およびこれらの混抄系があり、特にガラス繊維の織布や不織布が好ましく用いられる。また、基材の厚みは、所望のプリプレグまたは積層板の厚さに合わせて適宜選択すればよく、特に限定されないが、好ましくは0.01〜0.4mm、より好ましくは0.02〜0.3mmのものを用いる。プリプレグを製造する時の乾燥条件は、特に限定されないが、乾燥温度60〜200℃、乾燥時間1〜30分間の間で目的のプリプレグ特性に合わせて自由に選択することができる。また、基材中の含浸樹脂組成物の割合は、特に限定されないが、好ましくは30〜90重量%であり、より好ましくは40〜80重量%である。
本発明の金属張積層板は、目的とする積層板の厚みに合わせて、本発明のプリプレグを単層のままか、または2枚以上積層し、その片面または両面に金属箔を重ね、加熱加圧して製造することができる。使用する金属箔としては主に銅箔やアルミ箔を用いるが、他の金属箔を用いてもよい。金属箔の厚みは通常2〜200μmである。また、加熱加圧は、一般的な方法により行えばよく、例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、好ましくは、温度130〜230℃、圧力0.5〜10MPa、より好ましくは、温度160〜210℃、圧力1〜4MPaの条件で0.1〜5時間加熱加圧する。これらの条件は、プリプレグ特性、使用する熱硬化性樹脂の反応性、プレス機の能力、目的の積層板の厚み等により適宜決定することが望ましい。
本発明のプリント配線板は、上記本発明の金属箔張積層板をサブトラクト法や穴あけ加工などのプリント配線板の製造方法において公知の方法により加工することで得ることができる。また、本発明のプリプレグ、金属張積層板、およびプリント配線板を適宜組み合わせて積層、加工することで、多層配線板を得ることもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<ワニスの調整>
実施例1
テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名YDB−400)33重量部,クレゾールノボラック型エポキシ(DIC株式会社製、商品名N−673)35重量部、ビスフェノールAノボラック型硬化剤27重量部、テトラブロモビスフェノールA5重量部、2−フェニルイミダゾールを0.2重量部、チオシアヌル酸0.3重量部、破砕シリカ(福島窯業製破砕シリカ、商品名F05−30)15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解し、不揮発分70%のワニスを得た。
実施例2
テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名YDB−400)33重量部,フェノールノボラック型エポキシ樹脂(ダウ・ケミカルジャパン株式会社、商品名DEN−438)31重量部、4官能型エポキシ樹脂(テトラキスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200、三菱化学株式会社製、エピコート1031S)を4重量部、ビスフェノールAノボラック型硬化剤27重量部、テトラブロモビスフェノールAを5重量部、2フェニルイミダゾールを0.2重量部、チオシアヌル酸0.4重量部、破砕シリカ(福島窯業製破砕シリカ、商品名F05-30)35重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解し、不揮発分70%のワニスを得た。
実施例3
テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名YDB−400)34重量部、BPA型液状エポキシ樹脂7重量部、4官能型エポキシ樹脂(テトラキスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、エピコート1031S)を5重量部、クレゾールノボラック型エポキシ(DIC株式会社、商品名N-673)26重量部、ビスフェノールAノボラック型硬化剤23重量部、テトラブロモビスフェノールAを5重量部、2メチルイミダゾールを0.2重量部、チオシアヌル酸1重量部、破砕シリカ(福島窯業製破砕シリカ、商品名F05-30)15重量部、タルク(日本タルク株式会社、商品名SG-200)15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解し、不揮発分70%のワニスを得た。
実施例4
テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名YDB−400)33重量部、BPA型液状エポキシ樹脂6重量部、4官能型エポキシ樹脂を4重量部、クレゾールノボラック型エポキシ(DIC株式会社、商品名N-673)25重量部、ビスフェノールAノボラック型硬化剤27重量部、テトラブロモビスフェノールAを5重量部、2メチルイミダゾールを0.2重量部、チオシアヌル酸0.5重量部、破砕シリカ(福島窯業製破砕シリカ、商品名F05-30)30重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解し、不揮発分70%のワニスを得た。
た。
比較例
チオシアヌル酸をジシアンジアミド1重量部に変更した以外は実施例3と同様にして、不揮発分70%のワニスを得た。
<プリプレグの作成>
実施例1〜4および比較例1〜3のワニスをそれぞれ厚み100μmのガラス織布(MIL品番2116タイプ)に、実施例5〜15および比較例4、5のワニスをそれぞれ厚み200μmのガラス織布(MIL品番7629タイプ)に含浸し、それぞれ150℃の乾燥器中で4分間乾燥し、樹脂分48%のB−ステージ状態のプリプレグを得た。
<金属張積層板の作成>
上記で得られた各プリプレグをそれぞれ8枚ずつ重ね、その両面に厚み18μmの銅箔を配し、実施例1〜4および比較例1〜3のプリプレグを用いたものは圧力3.5MPa、温度180℃で90分間加熱加圧して、実施例5〜15および比較例4、5のプリプレグを用いたものは圧力3.0MPa、温度185℃で100分間加熱加圧して、両面銅張積層板を得た。
<評価>
以上のように作製した各両面銅張積層板の導箔をエッチングにより除去し、エッチング後の外観、基板の吸湿はんだ耐熱性、および銅箔引き剥がし強さを評価した。
基板の吸湿はんだ耐熱性は、121℃、100%RHの加圧チャンバー中にて所定時間加熱、加圧、吸湿処理(PCT処理)した後に、288℃のはんだ槽に20秒間浸積した基板の外観、ならびに、100℃の熱湯中にて所定時間煮沸処理した基板の外観を観察することで評価した。
また、銅箔引き剥がし強さは、積層板上に幅10mmのラインをエッチングにより形成し、室温(25℃)および200℃のそれぞれの条件下、引っ張り試験機で垂直方向に50mm/分で引き剥がした時の強さを測定することで評価した。
以上の評価結果を表1に示す。なお、基板の吸湿はんだ耐熱性の各評価記号は、○:変化無し、△:ミーズリング発生、×:ふくれ発生を意味し、3つの記号は、3つの試験片により評価した結果である。例えば、3つの試験片のうち一枚がふくれ、2枚に変化がなかった場合、「○○×」のように表記する。また、D−4/100とは、100℃の熱湯中にて4時間煮沸処理することである。
さらに、上記方法で作成した銅張積層板及びプリプレグを用い、以下の手順で多層プリント配線板を作製した。まず、上記のように作成した銅張積層板に、エッチング後のライン/スペースが10mmとなるように幅10mmの長方形のテープを10mm間隔で貼付し、その後銅箔をエッチングしたものを簡易成形性評価用パターンとした。その両面に、上記で作成したプリプレグを1枚乗せ、その上に厚さ12μmの電解銅箔(日本電解株式会社製、商品名「YGP−12」)を配置した後、その上に鏡板を乗せ、200℃/3.0MPa/70分のプレス条件で加熱及び加圧成形して、4層プリント配線板を作製した。次いで、作製された4層プリント配線板の最外層の銅箔をエッチングし、回路埋め込み性(多層化成形性)を評価した。多層化成形性は目視により下記基準で評価した。
○:ボイド及びカスレが確認できなかった。
△:若干のボイドが確認されたが、実用上問題はない。
×:ボイド又はかすれがあり、実用できない。

Figure 2019048934
表の結果より、実施例1〜4の基板サンプルは耐熱性と銅箔引き剥がし強度が共に良好であることが分かる。また、それぞれ、200℃における銅箔引き剥がし強度においても0.3kN/m以上を確保している。また、多層化成形性においても良好な結果を確認した。
一方、チオシアヌル酸の代わりにジシアンジアミドを使用した比較例においては吸湿はんだ耐熱性が劣っている。すなわちチオシアヌル酸が吸湿はんだ耐熱性をもたらすことが証明された。

Claims (10)

  1. (a)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(b)硬化剤、及び(c)トリアジン環あるいはイソシアヌル環を有する化合物を含むプリント配線板用樹脂組成物。
  2. (a)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂として、(a1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化物から選ばれる少なくとも一種と、(a2)4つの官能基を有するエポキシ樹脂とを併用する請求項1に記載のプリント配線板用樹脂組成物。
  3. 更に炭酸カルシウム、アルミナ、マイカ、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、シリカ、タルク、ガラス短繊維、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素からなる郡より選ばれる少なくとも一種を含む無機充填剤を含む請求項1又は2に記載のプリント配線板用樹脂組成物。
  4. 樹脂成分中の窒素含有率が0.05〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント配線板用樹脂組成物。
  5. 前記シリカが、球状シリカであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント配線板用樹脂組成物。
  6. 前記シリカの平均粒径が、0.4〜5μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプリント配線板用樹脂組成物。
  7. 前記シリカの含水率が、0.04重量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプリント配線板用樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のプリント配線板用樹脂組成物を基材に含浸、乾燥してなることを特徴とするプリプレグ。
  9. 請求項8に記載のプリプレグを1枚以上積層し、その片面もしくは両面に金属箔を配置し、これを加熱加圧してなることを特徴とする金属張積層板。
  10. 請求項9に記載の金属張積層板を用いて製造されることを特徴とするプリント配線板。
JP2017173342A 2017-09-08 2017-09-08 熱硬化性樹脂組成物 Pending JP2019048934A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017173342A JP2019048934A (ja) 2017-09-08 2017-09-08 熱硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017173342A JP2019048934A (ja) 2017-09-08 2017-09-08 熱硬化性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019048934A true JP2019048934A (ja) 2019-03-28

Family

ID=65904963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017173342A Pending JP2019048934A (ja) 2017-09-08 2017-09-08 熱硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019048934A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110305297A (zh) * 2019-07-16 2019-10-08 中国石油大学(华东) 一种热固型环氧树脂形状记忆聚合物的制备方法与应用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110305297A (zh) * 2019-07-16 2019-10-08 中国石油大学(华东) 一种热固型环氧树脂形状记忆聚合物的制备方法与应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4723865B2 (ja) 難燃性エポキシ樹脂組成物、同組成物を含有するプリプレグ、積層板およびプリント配線板
JP5194750B2 (ja) プリプレグ、および積層板
EP0947532B1 (en) Epoxy resin composition for printed circuit board and printed circuit board using the same
JP4581642B2 (ja) 金属張積層板および印刷配線板
US6558797B1 (en) Adhesive-coated copper foil, and copper-clad laminate and printed circuit board both obtained with the same
JP5157045B2 (ja) プリント配線板用樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板およびプリント配線板
JP4502148B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグおよび積層板
JP2019048934A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
US7087664B2 (en) Resin film and multilayer printed wiring board using thereof
JP4706332B2 (ja) 樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、積層板および印刷配線板
JP2000239640A (ja) 接着剤付き銅箔並びにそれを用いた銅張り積層板及び印刷配線板
JP4961903B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂プリプレグ、金属張積層板および印刷配線板
JP5098226B2 (ja) 金属張積層板
JP2019009195A (ja) プリント配線板、プリプレグ、積層体及び半導体パッケージ
JPH11209456A (ja) 印刷配線板用難燃性エポキシ樹脂組成物及びこれを用いたプリプレグ、金属箔張り積層板
JP2004250674A (ja) 樹脂フィルムおよびそれを用いた多層プリント配線板
JP2016201510A (ja) プリント配線板用プリプレグ、それを用いた金属張り積層板及びプリント配線板
JP2014055226A (ja) プリプレグ及びそれを用いた金属張り積層板、プリント配線板
JP2011006573A (ja) プリント配線板用樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、およびプリント配線板
JP2006328105A (ja) 樹脂組成物、プリント配線板用プリプレグ及び金属張り積層板
JP2001081203A (ja) 樹脂シート、金属はく張り積層板及び多層プリント配線板
JP5277670B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、及び金属張積層板
JP2005042043A (ja) プリプレグ、および金属張り積層板
JP2007027434A (ja) プリント配線板用樹脂組成物およびその用途
JP2005187694A (ja) プリント配線板用エポキシ樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレグ、金属張積層板、多層プリント配線板