JPH0767536B2 - 籾摺機の脱▲ふ▼制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は一対の脱ロールにより籾を玄米と籾殻に分離
して取出す籾摺機の脱籾制御装置に関する。

「従来の技術」 従来、脱ロールの摺出量、籾摺モータの出力、電源電
圧を検出して、電源電圧に対応した出力基準値と籾摺モ
ータの出力を比較し、籾摺間隙を自動的に調節する技術
があった。

「発明が解決しようとする課題」 前記従来技術は、摺出量及び電源電圧が変化したときの
籾摺モータの出力線図をデータ入力させ、その出力線図
データから出力基準値を得るから、籾の品種及び性状な
どの相違、並びに再脱される返り玄米の混合割合など
データとして入力し得ない要素によって摺出量が変化し
たとき、脱率自動制御が誤動作し易く、これを防ぐに
は多量のデータ入力が必要となる等の制御機能上及び製
造コスト上の問題があると共に、制御回路及び機器の仕
様毎に異なる出力線図データを必要とする等の不具合が
ある。

「課題を解決するための手段」 然るに、本発明は、脱ロールを駆動する籾摺モータの
負荷を検出して脱率制御を行う電流センサ及び脱率
調節部材と、脱ロールへの籾供給量を検出する流量セ
ンサと、籾摺モータの電源電圧を検出する電圧センサを
備える籾摺機の脱制御装置において、流量センサが検
出する籾供給量が変化したとき、または電圧センサが検
出する電源電圧が変化したとき、脱ロールの籾摺間隙
を略一定に保った状態で、このときの電流センサ出力値
を脱率調節部材を作動させる基準値として記憶入力さ
せ、籾供給量または電源電圧が次に変化するまで前記の
基準値に基づき脱率調節部材自動制御を行わせるコン
トローラを設けたことを特徴とする。

「作 用」 従って、籾供給量または電源電圧の変化が検出されるこ
とにより、籾摺間隙を略一定に保って、このときの電流
センサ出力値を基準値として書き換え、書き換えられた
基準値と以後の電流センサ出力値を比較して脱率制御
を行わせるから、籾の品種及び性状などの相違、並びに
再脱される返り玄米の混合割合、制御回路及び機器の
仕様などに関係なく、脱率自動制御を適正に行わせ
得、従来に比べて脱率制御機能の向上並びに製造コス
トの低減などを容易に図り得るものである。

「実施例」 以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。第１図
は籾摺制御回路図、第２図は籾摺機の全体図、第３図は
同断面図である。図中（１）は籾摺部であり、（２）は
籾を投入する供給ホッパー、（３）（４）は該ホッパー
（２）下部に対設する一対の脱ロール、（５）は前記
ホッパー（２）下部を開閉するシャッタ、（６）は前記
各ロール（３）（４）を手動操作によって緊急開動する
展開レバー、（７）は前記ロール（３）（４）を接離調
節する脱率調節部材である脱率モータである。

図中（８）は前記籾摺部（１）を上載する風選部であ
り、玄米取出し樋（９）及び玄米コンベア（10）と、前
記樋（９）に落下する玄米から小米を取除く唐箕（11）
と、その小米を機外に搬出する小米取出し樋（12）及び
小米コンベア（13）と、穀粒飛散板（14）及び流穀板
（15）を介して前記脱ロール（３）（４）下方に臨ま
せて摺落し米（玄米と籾）を受取る摺落し米取出し樋
（16）及び摺落し米コンベア（17）と、前記摺落し米か
ら分離した粃を受取る粃取出し樋（18）及び粃コンベア
（19）と、前記摺落し米から分離した籾殻を機外に放出
する吸排塵ファン（20）とを備える。

図中（21）は前記風選部（８）に上載して籾摺部（１）
に並設する選別部であり、第４図にも示す如く、一方向
に連続回転させて玄米と籾を分離する上部及び下部選別
筒（22）（23）と、前記各筒（22）（23）を回転自在に
夫々支持させる支承ロール（24）…（25）…と、上部選
別筒（22）の一端外側に設ける混合米供給タンク（26）
と、上部選別筒（22）に内挿する供給コンベア（27）及
び再選粒コンベア（28）及び玄米受コンベア（29）と、
下部選別筒（23）に内挿する玄米受コンベア（30）と、
上下の玄米受コンベア（29）（30）間に設けてこれらを
直列接続する米選機（31）と、上部選別筒（22）の籾排
出端をホッパー（２）に連通させるシュート（32）と、
再選粒コンベア（28）を下部選別筒（23）に連通させる
シュート（33）と、下部選別筒（23）の混合米排出端を
摺落し米取出し樋（16）連通させるシュート（34）と、
玄米受コンベア（30）を玄米取出し樋（９）に連通させ
るシュート（35）とを備える。

そして前記玄米コンベア（10）に下端側を連通させる玄
米揚上コンベア（36）と、前記摺落し米コンベア（17）
に下端側を連通させる選別米揚上コンベア（37）とを本
機外側に沿わせて立設させると共に、前記供給タンク
（26）に其の選別米揚上コンベア（37）上端を接続パイ
プ（38）によって連通させ、前記籾摺部（１）からの摺
落し米と前記選別筒（23）からの返り混合米を合流させ
て供給タンク（26）に投入するように構成している。

また前記供給タンク（26）に上端側を連通させるオーバ
ーフロー樋（39）を設け、供給ホッパー（２）上面に臨
ませる前記オーバーフロー樋（39）の下端開口に開閉弁
（40）を取付け、供給タンク（26）内の余分な混合米を
オーバーフロー樋（39）を介して供給ホッパー（２）に
戻すと共に、その供給ホッパー（２）に戻る混合米量の
増加に比例して前記開閉弁（40）が開動するように構成
している。

さらに前記籾摺部（１）、風選部（８）及び選別部（2
1）を駆動する籾摺モータ（41）を備え、前記脱ロー
ル（３）（４）を籾摺モータ（41）によって駆動するよ
うに構成している。

第５図は籾摺部（１）の説明図であり、支軸（42）（4
3）に夫々軸支する各脱ロール（３）（４）を籾摺ケ
ース（44）に対向して内設させ、各支軸（42）（43）に
伝動ギヤ（45）（46）を軸支させると共に、前記籾摺ケ
ース（44）にギヤケース（47）を設け、前記ギヤ（45）
（46）をそのケース（47）に内設させる。また動力軸
（48）（49）を介して前記ケース（47）内に駆動ギヤ
（50）（51）を軸支し、各ギヤ（45）（46）及び（50）
（51）を常時噛合させると共に、一方の前記脱ロール
（４）の支軸（43）を間隙調節リンク（52）中間に軸支
させ、そのリンク（52）一端を一方の前記動力軸（49）
と同一軸芯上に支持する。そして前記脱率モータ
（７）にギヤ（53）（54）を介して連動連結する間隙調
節シャフト（55）を備え、前記リンク（52）他端に軸受
部材（56）を介してそのシャフト（55）一端のネジ部
（55a）を螺着連結させ、前記モータ（７）の正逆転制
御により籾を投入する各ロール（３）（４）の籾摺間隙
（57）を自動的に拡大縮小調節すると共に、前記シャフ
ト（55）他端に脱率調節ハンドル（58）を取付け、前
記ハンドル（58）の回転操作により籾摺間隙（57）を手
動で拡大縮小調節するように構成している。

また前記脱ロール（３）（４）上方でシャッタ（５）
下方に設けて供給ホッパー（２）からの籾を各ロール
（３）（４）間に落下させる繰出ロール（59）と、その
繰出ロール（59）から落下させる籾量を調節する供給弁
（60）とを備え、その供給弁（60）と前記開閉弁（40）
とをワイヤ（61）などにより連動連結し、前記開閉弁
（40）の開動に比例して供給弁（60）を閉動させ、常時
一定量の混合米を選別部（21）に送給するように脱ロ
ール（３）（４）に供給する籾量を自動的に調節するよ
うに構成している。

第１図に示す如く、前記籾摺モータ（41）の負荷電流を
検出する変流器などの電流センサ（62）を備え、前記脱
ロール（３）（４）の駆動負荷変化に比例する前記モ
ータ（41）の電源（R,S,T）の電流変化を電流センサ（6
2）により検出し、脱ロール（３）（４）の籾摺間隙
（57）変化並びに籾供給量変化による脱率の変化を電
流センサ（62）の負荷電流出力に基づいて検出するよう
に構成している。

さらに前記脱脱ロール（３）（４）を内設する籾摺ケ
ース（44）内部でシャッタ（５）と供給弁（60）の間に
流量センサ（63）を設け、脱ロール（３）（４）に流
下させる籾流量（流速）変化を前記流量センサ（63）に
より検出すると共に、前記籾摺モータ（41）の電源（R,
S,T）電圧変化を検出する電圧センサ（64）を備え、マ
イクロコンピュータにより構成する脱制御回路（65）
に前記各センサ（62）（63）（64）を入力接続させると
共に、前記制御回路（65）にドライブ回路（66）を介し
て脱率モータ（７）を出力接続させ、前記電流センサ
（62）の出力に基づいてそのモータ（７）を正逆転制御
し、脱ロール（３）（４）の脱率を自動的に調節す
るように構成している。

また希望する適正脱率状態での電流センサ（62）出力
を脱率モータ（７）を作動させる基準値として記憶さ
せる基準電流記憶回路（67）を備え、前記電流センサ
（62）及び制御回路（65）にその記憶回路（67）を入出
力接続させるもので、脱ロール（３）（４）に供給す
る籾流量又は籾摺モータ（41）の電源（R,S,T）電圧の
少なくとも一方が変化したしき、前記流量センサ（63）
又は電圧センサ（64）の出力に基づき、脱ロール
（３）（４）の籾摺間隙（57）略一定に保った状態で、
そのときの電流センサ（62）出力値を脱率モータ
（７）を作動させる基準値として記憶回路（67）に記憶
させるように構成している。

上記から明らかなように、脱ロール（３）（４）を駆
動する籾摺モータ（41）の負荷を検出して脱率制御を
行う電流センサ（62）及び脱率調節部材である脱率
モータ（７）と、脱ロール（３）（４）への籾供給量
を検出する流量センサ（63）と、籾摺モータ（41）の電
源電圧を検出する電圧センサ（64）を備える籾摺機の脱
制御装置において、流量センサ（63）が検出する籾供
給量が変化したとき、または電圧センサ（64）が検出す
る電源電圧が変化したとき、脱ロール（３）（４）の
籾摺間隙（57）を略一定に保った状態で、このときの電
流センサ（62）出力値を脱率モータ（７）を作動させ
る基準値として記憶入力させ、籾供給量または電源電圧
が次に変化するまで前記の基準値に基づき脱率モータ
（７）自動制御を行わせるコントローラである脱制御
回路（65）を設けている。

本実施例は上記の如く構成するもので、第６図のフロー
チャートに示す如く、籾摺作業時、流量センサ（63）に
よりホッパー（２）から脱ロール（３）（４）に流下
する籾流量を検出すると共に、電圧センサ（64）により
籾摺モータ（41）の電源（R,S,T）電圧変化を検出し、
その籾流量及び電圧が略一定で各センサ（63）（64）の
出力値（Ａ）（Ｂ）が一定維持されているとき、基準電
流記憶回路（67）に記憶している電流基準値（Ｃ）と電
流センサ（62）の出力値（Ｄ）とを比較し、脱ロール
（３）（４）の摩耗などにより基準値（Ｃ）に対し負荷
電流値（Ｄ）が小さくなったとき、前記モータ（７）を
作動させて籾摺間隙（57）を縮少制御し、脱率低下を
防ぐ一方、脱ロール（３）（４）に還元される玄米の
増加などにより基準値（Ｃ）に対し負荷電流値（Ｄ）が
大きくなったとき、前記モータ（７）を作動させて籾摺
間隙（57）を拡大制御し、肌ずれ米又は籾割れによる屑
米の発生を防ぐものである。

また籾摺作業時、流量センサ（63）の籾流量摺力値
（Ａ）が品種及び性状の相違などにより変化したとき、
又は電圧センサ（64）の電圧出力値（Ｂ）が電圧降下な
どにより変化したとき、このときの電流センサ（62）の
出力値（Ｄ）を読取り、その出力値（Ｄ）を電流基準値
（Ｃ）として記憶回路（67）の基準値を書き換え、前記
流量及び電圧センサ（63）（64）の出力値（Ａ）（Ｂ）
が変化するまで書き換えられた前記基準値（Ｃ）に基づ
いて脱率モータ（７）の制御を行うものである。

「発明の効果」 以上実施例から明らかなように本発明は、脱ロール
（３）（４）を駆動する籾摺モータ（41）の負荷を検出
して脱率制御を行う電流センサ（62）及び脱率調節
部材（７）と、脱ロール（３）（４）への籾供給量を
検出する流量センサ（63）と、籾摺モータ（41）の電源
電圧を検出する電圧センサ（64）を備える籾摺機の脱
制御装置において、流量センサ（63）が検出する籾供給
量が変化したとき、または電圧センサ（64）が検出する
電源電圧が変化したとき、脱ロール（３）（４）の籾
摺間隙（57）を略一定に保った状態で、このときの電流
センサ（62）出力値を脱率調節部材（７）を作動させ
る基準値として記憶入力させ、籾供給量または電源電圧
が次に変化するまで前記の基準値に基づき脱率調節部
材（７）自動制御を行わせるコントローラ（65）を設け
たもので、籾供給量または電源電圧の変化が検出される
ことにより、籾摺間隙（57）を略一定に保って、このと
きの電流センサ（62）出力値を基準値として書き換え、
書き換えられた基準値と以後の電流センサ（62）出力値
を比較して脱率制御を行わせるから、籾の品種及び性
状などの相違、並びに再脱される返り玄米の混合割
合、制御回路及び機器の仕様などに関係なく、脱率自
動制御を適正に行わせることができ、従来に比べて脱
率制御機能の向上並びに製造コストの低減などを容易に
図ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す籾摺制御回路図、第２
図は籾摺機の全体図、第３図は同断面正面図、第４図は
同断面側面図、第５図は籾摺部の拡大断面図、第６図は
脱制御回路のフローチャートである。 （３）（４）……脱ロール （７）……脱率モータ（脱率調節部材） （41）……籾摺モータ （57）……籾摺間隙 （62）……電流センサ （63）……流量センサ （64）……電圧センサ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】脱ロール（３）（４）を駆動する籾摺モ
   ータ（41）の負荷を検出して脱率制御を行う電流セン
   サ（62）及び脱率調節部材（７）と、脱ロール
   （３）（４）への籾供給量を検出する流量センサ（63）
   と、籾摺モータ（41）の電源電圧を検出する電圧センサ
   （64）を備える籾摺機の脱制御装置において、流量セ
   ンサ（63）が検出する籾供給量が変化したとき、または
   電圧センサ（64）が検出する電源電圧が変化したとき、
   脱ロール（３）（４）の籾摺間隙（57）を略一定に保
   った状態で、このときの電流センサ（62）出力値を脱
   率調節部材（７）を作動させる基準値として記憶入力さ
   せ、籾供給量または電源電圧が次に変化するまで前記の
   基準値に基づき脱率調節部材（７）自動制御を行わせ
   るコントローラ（65）を設けたことを特徴とする籾摺機
   の脱制御装置。