JPH0764864B2 - N−アセチル−β−D−ヘキソサミン誘導体の製造法 - Google Patents

N−アセチル−β−D−ヘキソサミン誘導体の製造法

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JPH0764864B2
JPH0764864B2 JP62174867A JP17486787A JPH0764864B2 JP H0764864 B2 JPH0764864 B2 JP H0764864B2 JP 62174867 A JP62174867 A JP 62174867A JP 17486787 A JP17486787 A JP 17486787A JP H0764864 B2 JPH0764864 B2 JP H0764864B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はN−アセチル−β−D−ヘキソサミン誘導体の
製造法に関し、この化合物は各種腎疾患の指標となるN
−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ(以下、NAG
アーゼと称する。)活性測定用基質として有用である。
〔従来の技術、発明が解決しようとする問題点〕
NAGアーゼは腎尿細管上皮に多く含まれるリゾソーム(l
ysosom)中に存在する酵素の1つであり、ムコ多糖類や
糖蛋白の分解に関与している。尿中のNAGアーゼは各種
腎疾患や腎臓の手術後においては上昇し、また糖尿病に
おいては尿中ばかりでなく、血清中のNAGアーゼも上昇
することが認められている。このような各種腎疾患の検
出や治療経過の観察、薬物の腎毒性検討等の指標とし
て、また臨床および動物実験面においてもNAGアーゼの
測定が注目されている。
NAGアーゼ活性の測定には従来、p−ニトロフェニル−
N−アセチル−β−D−グルコサミナイド〔Biochemica
l Preparations,10,118(1963)〕やその誘導体(特開
昭61-112092号公報)などが基質として使用されてい
る。
これら化合物は化学合成法(特開昭61-112092号公報)
等により製造されるが、各種の副生物が生成したり、反
応工程が複雑であるなどの問題がある。さらに、従来使
用されている化合物、特に2−クロロ−4−4−ニトロ
フェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミナイドを
基質とした場合、この化合物は水溶性に著しく劣るた
め、NAGアーゼ活性測定に必要な基質量を溶解させるこ
とが困難であり、正確な測定ができないという重大な問
題がある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、水溶性にすぐれ、レートアッセイ(速度
分析)が可能なNAGアーゼ活性測定用の基質となる化合
物の検索とその化合物の効率的な製造法を開発すべく研
究を重ねた結果、本発明に到達したのである。
すなわち本発明は、 一般式(II) (式中、Acはアセチル基を、Xは水素原子,ハロゲン原
子またはメトキシ基を示す。)で表わされるN−アセチ
ル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコサミ
ルクロライドと式(III) で表わされる2−フルオロ−4−ニトロフェノールとの
反応を異相系で行い、次いで脱アセチル化を行うことを
特徴とする一般式(I) (式中、Xは水素原子,ハロゲン原子またはメトキシ基
を示す。) で表わされるN−アセチル−β−D−ヘキソサミン誘導
体の製造法である。
本発明に用いる上記一般式(II)で表わされる化合物は
市販品であるD−グルコサミン塩酸塩より公知の方法
(D.Horton,Org.Synth.V,1(1973)参照)により製造す
ることができる。また、式(III)で表わされる化合物
は市販品であるo−フルオロフェノールを酢酸中でニト
ロ化し、次いで水蒸気蒸留により分離、精製する方法あ
るいは市販品であるp−ニトロフェノールを公知の方法
(T.UMEMOTOら、Tetrahedron Letters,27,(37),4465
-4468(1986)参照)により容易に製造することができ
る。
上記一般式(II)の化合物と式(III)の化合物の反応
は異相系、好ましくは2相系で行う。具体的には反応溶
媒として水および水と混じり合わない有機溶媒との混合
溶媒を用いて行う。ここで、有機溶媒としては各種のも
のを使用しうるがクロロホルム,ジクロロメタン,1,2−
ジクロロエタンなどが好適である。
上記反応の機構は、水に可溶な化合物(III)のフェノ
ールアニオンが水には不溶で塩基性状態で不安定な化合
物(II)と界面でグリコシル化反応を起すものであり、
異相系であるため、塩基性触媒下でのグリコシル化反応
であるにも拘らず、化合物(II)の分解が抑えられ高収
率で目的とするグリコシル化生成物が得られる。この場
合に用いる塩基性触媒としては、上記フェノール性水酸
基と反応して塩を形成しうる無機塩類が好ましく、特に
ナトリウム,カリウムの塩類が好適である。
また、上記本発明の反応は界面で起るため、界面活性剤
を添加することにより反応時間の短縮と収率の向上を図
ることができる。この場合に用いる界面活性剤としては
制限はないが、第4級アンモニウム塩が好ましく、とり
わけトリエチルベンジルアンモニウムブロマイドなどは
好適な界面活性剤である。
上記反応は0〜50℃、好ましくは室温で行うことがで
き、反応時間は0.5〜15時間の範囲で設定すればよい
が、通常は2時間程度で十分である。
反応終了後、有機溶媒層を分取し、濃縮して得た残渣を
メタノールにて結晶化精製し、次いで公知の方法により
脱アセチル化することにより目的の化合物(I)が得ら
れる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例1 2−フルオロ−4−ニトロフェニル−N−アセチル−β
−D−グルコサミナイド (1)o−フルオロ−4−ニトロフェノール(III)10g
(0.063モル),N−アセチル−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−α−D−グルコサミルクロライド(II)24g(0.065
モル)およびトリベンジルアンモニウムブロマイド2.7g
(0.01モル)をクロロホルム500mlに溶解し、室温にて
激しく攪拌しながら1.0規定の水酸化ナトリウム水溶液6
5ml(0.065モル)を加え2時間攪拌した。
反応終了後、クロロホルム層を水洗し、減圧濃縮する
と、白色結晶が析出した。この結晶をメタノールにて再
結晶して無色透明、針状結晶の2−フルオロ−4−ニト
ロフェニル−N−アセチル−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−β−D−グルコサミナイド25.5g(収率82%)が得
られた。この化合物の理化学的性質を以下に示す。
融点:203〜204℃ ▲〔α〕24 D▼:−30.0°(C=0.308,CHCl3) UV:λmax285nm(CHCl3) 元素分析 C20H23N2O11Fに対する 計算値(%):C49.38,H4.76 測定値(%):C49.29,H4.70 (2)上記(1)で得られた生成物10g(0.021モル)を
無水メタノール200mlに懸濁し、室温で攪拌しながら1.0
規定ナトリウムメトキサイド−メタノール溶液70ml(0.
070モル)を滴下した。
得られた淡黄色溶液に陽イオン交換樹脂であるアンバー
リスト 15(20ml)を加え0.5時間攪拌後、該交換樹脂
を濾過し、メタノールで洗浄した。濾液および洗液を減
圧濃縮すると、白色結晶が得られた。さらに、メタノー
ルにて再結晶を行うことにより無色透明、針状結晶の2
−フルオロ−4−ニトロフェニル−N−アセチル−β−
D−グルコサミナイド7.1g(収率96%)が得られた。こ
の化合物の理化学的性質を以下に示す。
融点:169.5〜170.5℃ H-NMR:δDMSO1.80(s.3H)ppm 3.2〜3.8(m.7H), 4.62(b.s.1H) 5.16(b.s.1H) 5.26(d.J=8.5Hz,1H) 7.50(d.J=9Hz,1H) 7.84(d.J=8.5Hz,1H) 8.08(d.J=9Hz,1H) 8.16(d.J=9Hz,1H) ▲〔α〕24 D▼:−15.5°(C=0.084,水) UV:λmax294nm(水) 実施例2 2−フルオロ−4−ニトロフェニル−N−モノクロロア
セチル−β−D−グルコサミナイド (1)実施例1(1)に準じ、2−フルオロ−4−ニト
ロフェノール(III)10g(0.063モル),N−モノクロロ
アセチル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グル
コサミルクロライド(II)26.41g(0.066モル)および
トリベンジルアンモニウムブロマイド3.0g(0.01モル)
をクロロホルム500mlに溶解し、室温にて激しく攪拌し
ながら1.0規定の水酸化ナトリウム水溶液65ml(0.065モ
ル)を滴下し2時間攪拌した。
反応終了後、クロロホルム層を水洗し、減圧濃縮する
と、白色結晶が析出した。この結晶をメタノールにて再
結晶して無色針状結晶の2−フルオロ−4−ニトロフェ
ニル−N−モノクロロアセチル−3,4,6−トリ−O−ア
セチル−β−D−グルコサミナイド25.9g(収率79%)
が得られた。この化合物の理化学的性質を以下に示す。
融点:204.5〜205.5℃ ▲〔α〕24 D▼:−29.5°(C=0.207,CHCl3) (2)上記(1)で得られた生成物10g(0.019モル)を
実施例1(2)に準じ無水メタノール中1.0規定ナトリ
ウムメトキサイド−メタノール溶液で脱アセチル化し、
イオン交換樹脂で中和し、メタノールで再結晶を行う
と、無色針状結晶の2−フルオロ−4−ニトロフェニル
−N−モノクロロアセチル−β−D−グルコサミナイド
7.3g(収率96%)が得られた。
融点:186.5〜187.5℃ ▲〔α〕24 D▼:−22.7°(C=0.189,水) 実施例3 2−フルオロ−4−ニトロフェニル−N−メトキシアセ
チル−β−D−グルコサミナイド (1)実施例1(1)に準じ2−フルオロ−4−ニトロ
フェノール(III)10g(0.063モル),N−メトキシアセ
チル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコサ
ミルクロライド(II)25.5g(0.067モル)およびトリベ
ンジルアンモニウムブロマイド3.0g(0.01モル)をクロ
ロホルム500mlに溶解し、室温にて激しく攪拌しながら
1.0規定の水酸化ナトリウム水溶液65ml(0.065モル)を
滴下して2時間攪拌した。
反応終了後、クロロホルム層を水洗し、減圧濃縮する
と、白色結晶が析出した。この結晶をメタノールにて再
結晶して無色針状結晶の2−フルオロ−4−ニトロフェ
ニル−N−メトキシアセチル−3,4,6−トリ−O−アセ
チル−β−D−グルコサミナイド24.4g(収率75%)が
得られた。この化合物の理化学的性質を以下に示す。
融点:215〜219℃ ▲〔α〕24 D▼:−30.8°(C=0.240,CHCl3) (2)上記(1)で得られた生成物10g(0.019モル)を
実施例1(2)に準じ、無水メタノール中1.0規定ナト
リウムメトキサイド−メタノール溶液で脱アセチル化
し、イオン交換樹脂で中和し、メタノールで再結晶を行
うと、無色針状結晶の2−フルオロ−4−ニトロフェニ
ル−N−メトキシアセチル−β−D−グルコサミナイド
7.4g(収率98%)が得られた。この化合物の理化学的性
質を以下に示す。
融点:192〜193℃ ▲〔α〕24 D▼:−29.3°(C=0.109,水) 〔発明の効果〕 本発明によれば、N−アセチル−β−D−ヘキソサミン
誘導体を非常に効率よく製造することができる。しか
も、この化合物は水溶性すぐれているため、レートアッ
セイが可能なNAGアーゼ活性測定のための基質として有
用である。その結果、体液中のNAGアーゼ活性を短時間
に正確かつ簡単に測定することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(II) (式中、Acはアセチル基を、Xは水素原子,ハロゲン原
    子またはメトキシ基を示す。)で表わされるN−アセチ
    ル−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコサミ
    ルクロライドと式(III) で表わされる2−フルオロ−4−ニトロフェノールとの
    反応を異相系で行い、次いで脱アセチル化を行うことを
    特徴とする一般式(I) (式中、Xは水素原子,ハロゲン原子またはメトキシ基
    を示す。) で表わされるN−アセチル−β−D−ヘキソサミン誘導
    体の製造法。
  2. 【請求項2】異相系が水および水と混じり合わない有機
    溶媒の混合溶媒の系である特許請求の範囲第1項記載の
    方法。
  3. 【請求項3】有機溶媒がクロロホルムまたはジクロロメ
    タンである特許請求の範囲第2項記載の方法。
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