JPH0764164A - コンバージョンレンズ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 望遠撮影或は広角撮影とマスターレンズによ
る撮影との各相互間におけるレンズ交換を容易且つ短時
間で行うことができるコンバージョンレンズを提供す
る。 【構成】 円筒状の鏡筒１０内に、望遠撮影用で凸状の
望遠レンズ１１と広角撮影用で凹状の広角レンズとをレ
ンズ枠を介して内包してある。この鏡筒１０の望遠レン
ズ１１側或は広角レンズ側の内周面１０ａ内にリング状
のアダプタ２０が着脱自在に取付けられる。また、この
アダプタ２０はビデオカメラ５０のマスターレンズ５１
の鏡胴部５２の内周面に形成されたヘリコイドに着脱自
在に螺着される。これにより、ビデオカメラ５０のマス
ターレンズ鏡胴部にアダプタ２０を取付けた状態で、こ
のアダプタ２０に鏡筒１０の広角レンズ側或は望遠レン
ズ１１側を容易かつ短時間で着脱することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ビデオカメラやスチ
ルカメラ等のカメラのマスターレンズ鏡胴部に着脱自在
に取付けられるコンバージョンレンズに関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、テレ（望遠）コンバージョンレ
ンズとしての機能とワイド（広角）コンバージョンレン
ズとしての機能の両機能を有するコンバージョンレンズ
が、実開平５−４１２０号公報に開示されている。これ
を、図９，１０によって具体的に説明すると、図９中１
００はコンバージョンレンズであり、望遠撮影用で凸状
の望遠レンズ１１１を内包した第１鏡筒１１０と、広角
撮影用で凹状の広角レンズ１２１を内包すると共に、上
記第１鏡筒１１０に一対のラッチ機構１３０，１３０を
介して分離自在に組み合わせられる第２鏡筒１２０とで
構成されている。この第２鏡筒１２０の第１鏡筒１１０
側の上下部には、各ラッチ機構１３０のラッチ爪１３１
が係止される上下一対の係止孔１２２，１２２を形成し
てあると共に、該第２鏡筒１２０の第１鏡筒１１０と反
対側の段になった円筒突出部の外周面には、例えば図８
に示す８ミリビデオカメラ５０のマスターレンズ（撮影
レンズ）５１の鏡胴部５２の内周面に形成されたヘリコ
イド５２ａに螺合するねじ部１２３を形成してある。

【０００３】そして、図９に示すように、第１鏡筒１１
０と第２鏡筒１２０とを組み合わせた状態でビデオカメ
ラ５０のマスターレンズ５１の鏡胴部５２に装着して使
用する場合には、テレコンバージョンレンズとしての機
能を発揮すると共に、図１０に示すように、第１鏡筒１
１０を第２鏡筒１２０から分離して、第２鏡筒１２０だ
けを単独で使用した場合には、ワイドコンバージョンレ
ンズとしての機能を発揮する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のコンバージ
ョンレンズ１００では、第１鏡筒１１０は第２鏡筒１２
０に対して押しボタン式の各ラッチ機構１３０により着
脱自在にしてあるため、望遠撮影と広角撮影との相互間
におけるレンズ交換はワンタッチで容易に行うことがで
きるが、第２鏡筒１２０はビデオカメラ５０の鏡胴部５
２に対してネジ着脱式になっているため、望遠撮影とマ
スターレンズ５１による撮影との相互間におけるレンズ
交換、或は、広角撮影とマスターレンズ５１による撮影
との相互間におけるレンズ交換の場合には、第２鏡筒１
２０をビデオカメラ５０の鏡胴部５２にネジ着脱しなけ
ればならず、レンズ交換に時間がかかって速写性が劣
り、被写体の最適写角の撮影チャンスを逃がす虞れがあ
った。

【０００５】そこで、この発明は、望遠撮影或は広角撮
影とマスターレンズによる撮影との各相互間におけるレ
ンズ交換を容易且つ短時間で行うことができるコンバー
ジョンレンズを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】望遠レンズと広角レンズ
とを内包した鏡筒と、この鏡筒の望遠レンズ側或は広角
レンズ側に着脱自在に取付けられると共にカメラのマス
ターレンズ鏡胴部に着脱自在に取付けられるアダプタと
を備えている。

【０００７】

【作用】アダプタに鏡筒の広角レンズ側を取付けて使用
する場合にはテレコンバージョンレンズとして機能す
る。また、アダプタに鏡筒の望遠レンズ側を取付けて使
用する場合にはワイドコンバージョンレンズとして機能
する。さらに、カメラのマスターレンズ鏡胴部にアダプ
タを取付けた状態で、該アダプタに鏡筒の広角レンズ側
或は望遠レンズ側が着脱自在に取付けられるので、望遠
撮影或は広角撮影とマスターレンズによる撮影との各相
互間におけるレンズ交換は容易且つ短時間に行われる。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面と共に詳述
する。

【０００９】図１，６，７において、１はコンバージョ
ンレンズであり、テレ（望遠）コンバージョンレンズと
しての機能とワイド（広角）コンバージョンレンズとし
ての機能の両方の機能を有するものである。このコンバ
ージョンレンズ１は、凸状で望遠撮影用の望遠レンズ１
１と凹状の２枚構成で広角撮影用の広角レンズ１２とを
レンズ枠１３を介して内包した合成樹脂で円筒状の鏡筒
１０と、この鏡筒１０の望遠レンズ１１側或は広角レン
ズ１２側の内周面１０ａ内に着脱自在に嵌め込まれる共
に、８ミリビデオカメラ５０のマスターレンズ（撮影レ
ンズ）５１の鏡胴部５２の内周面に形成されたヘリコイ
ド５２ａに着脱自在に螺合される合成樹脂でリング状の
アダプタ２０とで構成されている。

【００１０】図１に示すように、コンバージョンレンズ
１の凸状の望遠レンズ１１は、凹状の２枚構成の広角レ
ンズ１２と組み合わされて鏡筒１０の広角レンズ１２側
をアダプタ２０に取付けて使用する時に凸凹両レンズ１
１，１２にてテレコンバージョンレンズとしての機能を
発揮する３枚構成のレンズ群として設計されている。ま
た、図６に示すように、広角レンズ１２は、望遠レンズ
１１と組み合わされて鏡筒１０の望遠レンズ１１側をア
ダプタ２０に取付けて使用する時に凹凸両レンズ１２，
１１にてワイドコンバージョンレンズとしての機能を発
揮する３枚構成のレンズ群として設計されている。尚、
コンバージョンレンズ１のレンズ構成は３枚に限られる
ものではない。

【００１１】図２に示すように、鏡筒１０の中央の１８
０°隔てた位置には、一対の矩形の開口部１０ｂ，１０
ｂを形成してある。この一対の開口部１０ｂ，１０ｂか
ら鏡筒１０の内周面１０ａに沿って合成樹脂製の上下一
対の解除操作ボタン（解除手段）１４，１４を配置して
ある。この各解除操作ボタン１４の押しボタン部１４ａ
が上記各開口部１０ｂより外側に露出していると共に、
該押しボタン部１４ａの前後にＬ字形の一対の鍔部１４
ｂ，１４ｂを一体突出形成してある。また、各解除操作
ボタン１４の押しボタン部１４ａの左右両側には円弧板
状の一対の腕部１４ｃ，１４ｃを一体突出形成してあ
る。この上下一対の解除操作ボタン１４の左右両側の各
一対の腕部１４ｃ，１４ｃの相対向する先端部間には、
弾性付勢部材としての一対のコイルバネ１５，１５を介
在してある。この一対のコイルバネ１５，１５の弾性付
勢力により上下一対の解除操作ボタン１４，１４の各押
しボタン部１４ａが常に鏡筒１０の各開口部１０ｂより
外に露出する方向に付勢されている。さらに、鏡筒１０
の内周面１０ａの上下一対の解除操作ボタン１４，１４
の各押しボタン部１４ａの前後の一対の鍔部１４ｂ，１
４ｂの前方には凹状の各一対の係止穴１０ｃ，１０ｃを
形成してある。

【００１２】図３〜図５に示すように、アダプタ２０
は、前後が大小の円筒状になっているアダプタ本体２１
と、このアダプタ本体２１の中央の環状円板部２１ａに
沿って上下方向にスライド自在に配置された上下一対の
係止片（係止手段）２２，２２と、この一対の係止片２
２，２２を相互に離れる方向に付勢させる弾性付勢部材
としての一対のコイルバネ２３，２３と、アダプタ本体
２１の環状円板部２１ａの円弧状の一対の外周壁２１
ｂ，２１ｂと円弧状の一対の内周壁２１ｃ，２１ｃの先
端縁に接着固定され、上記一対の係止片２２，２２の後
述する各一対の腕部２２ｄ，２２ｄを被う一対のカバー
２４，２４とで構成されている。

【００１３】一対の係止片２２，２２の各胴部２２ａよ
り一体突出形成された爪部２２ｂが上記一対の外周壁２
１ｂ，２１ｂの上下部に形成された各切欠部２１ｂ′よ
り外側に露出している。また、各係止片２２の胴部２２
ａの左右両側には円弧板状の一対の腕部２２ｄ，２２ｄ
を一体突出形成してある。この上下一対の係止片２２，
２２の左右両側の各一対の腕部２２ｄ，２２ｄの相対向
する各先端部間には、上記一対のコイルバネ２３，２３
を介在してある。この一対のコイルバネ２３，２３の弾
性付勢力により上下一対の係止片２２，２２の各胴部２
２ａの爪部２２ｂが常に上記一対の外周壁２１ｂ，２１
ｂの上下部に形成された各切欠部２１ｂ′より外に露出
する方向に付勢されている。このときに、上下一対の係
止片２２，２２の各爪部２２ｂが、上記鏡筒１０の内周
面１０ａの上下一対の解除操作ボタン１４，１４の各押
しボタン部１４ａの前後の一対の鍔部１４ｂ，１４ｂの
前方の一方の凹状の係止穴１０ｃに嵌め込まれて係止さ
れるようになっている。さらに、アダプタ本体２１の環
状円板部２１ａより一体突出形成された小径の円筒部２
１ｄの外周面には、ビデオカメラ５０のマスターレンズ
（撮影レンズ）５１の鏡胴部５２の内周面に形成された
ヘリコイド５２ａに螺合するねじ部２１ｅを形成してあ
る。

【００１４】以上実施例のコンバージョンレンズ１によ
れば、アダプタ２０に鏡筒１０の広角レンズ１２側を嵌
め込んだ状態で、ビデオカメラ５０のマスターレンズ５
１の鏡胴部５２にコンバージョンレンズ１を装着して使
用する場合には、該コンバージョンレンズ１はテレコン
バージョンレンズとして機能する。このアダプタ２０に
鏡筒１０の広角レンズ１２側を嵌め込む時に、鏡筒１０
の上下一対の解除操作ボタン１４，１４の各押しボタン
部１４ａ，１４ａの位置を、アダプタ２０の上下一対の
係止片２２，２２の位置に合わせて鏡筒１０の内周面１
０ａをアダプタ２０の一対の外周壁２１ｂ，２１ｂに押
し付けて嵌め込むことにより、図１に示すように、アダ
プタ２０の上下一対の係止片２２，２２の各爪部２２
ｂ，２２ｂが鏡筒１０の内周面１０ａの広角レンズ１２
側の上下一対の係止穴１０ｃ，１０ｃに係止されてワン
プッシュで瞬時に装着される。

【００１５】また、アダプタ２０から鏡筒１０を取り外
す時には、鏡筒１０の上下一対の解除操作ボタン１４，
１４の各押しボタン部１４ａ，１４ａを鏡筒１０の中心
側に各コイルバネ１５の付勢力に抗して押圧操作するこ
とにより、各押しボタン部１４ａの前後の一方の鍔部１
４ｂがアダプタ２０の上下一対の係止片２２，２２の各
凹部２２ｃを介して各胴部２２ａを各コイルバネ２３の
付勢力に抗してアダプタ２０の中心側にスライドさせ
る。これにより、アダプタ２０の上下一対の係止片２
２，２２の各爪部２２ｂ，２２ｂが鏡筒１０の内周面１
０ａの広角レンズ１２側の上下一対の係止穴１０ｃ，１
０ｃから離れて上記係止状態が解除され、鏡筒１０をア
ダプタ２０から引き抜くことにより簡単に取り外すこと
ができる。

【００１６】次に、図６に示すように、アダプタ２０に
鏡筒１０の望遠レンズ１１側を嵌め込んだ状態で、ビデ
オカメラ５０のマスターレンズ５１の鏡胴部５２にコン
バージョンレンズ１を装着して使用する場合には、該コ
ンバージョンレンズ１はワイドコンバージョンレンズと
して機能する。このアダプタ２０に鏡筒１０の望遠レン
ズ１１側を着脱する場合でもアダプタ２０の一対の係止
片２２，２２及び鏡筒１０の一対の解除操作ボタン１
４，１４により簡単に着脱操作することができるので、
コンバージョンレンズ１をワイドコンバージョンレンズ
として機能させる広角撮影と、テレコンバージョンレン
ズとして機能させる望遠撮影との相互間におけるレンズ
交換を鏡筒１０を回転等させることなく極めて容易且つ
短時間に行うことができる。

【００１７】また、図７に示すように、ビデオカメラ５
０のマスターレンズ５１の鏡胴部５２にアダプタ２０を
ねじ込んで取付けた状態のままでも、ビデオカメラ５０
のマスターレンズ５１による撮影を行うことができる。
即ち、鏡筒１０をアダプタ２０からワンタッチで外すこ
とができるので、ビデオカメラ５０のマスターレンズ５
１の鏡胴部５２にコンバージョンレンズ１を構成するア
ダプタ２０と鏡筒１０を装着した状態から、鏡筒１０の
みを取り外してビデオカメラ５０のマスターレンズ５１
のみの撮影により高画質な映像を確保することができ
る。

【００１８】さらに、ビデオカメラ５０のマスターレン
ズ５１の鏡胴部５２にアダプタ２０を取付けた状態でも
該アダプタ２０に鏡筒１０の広角レンズ１２側或は望遠
レンズ１１側を簡単に着脱することができる。これによ
り、コンバージョンレンズ１をテレコンバージョンレン
ズとして機能させる望遠撮影或はワイドコンバージョン
レンズとして機能させる広角撮影と、上記マスターレン
ズ１５のみによる撮影との各相互間におけるレンズ交換
を極めて容易且つ短時間に行うことができ、被写体によ
る最適写角の撮影チャンスを逃がすことなく、速写性を
向上させることができる。

【００１９】尚、前記実施例によれば、コンバージョン
レンズをビデオカメラに用いた場合について説明した
が、このコンバージョンレンズをスチルカメラに用いる
ことができることは勿論である。また、アダプタ側に係
止手段を設けると共に鏡筒側にその解除手段を設けた
が、鏡筒側に係止手段を設けると共にアダプタ側に解除
手段を設けてもよい。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、この発明のコンバージョ
ンレンズによれば、望遠レンズと広角レンズとを内包し
た鏡筒と、この鏡筒の望遠レンズ側或は広角レンズ側に
着脱自在に取付けられると共にカメラのマスターレンズ
鏡胴部に着脱自在に取付けられるアダプタとを備えたこ
とにより、望遠撮影或は広角撮影とマスターレンズによ
る撮影との各相互間におけるレンズ交換を容易且つ短時
間で行うことができる。これにより、被写体による最適
写角の撮影チャンスを逃がすことなく、速写性を向上さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示すコンバージョンレン
ズの一部を断面で示す側面図。

【図２】上記コンバージョンレンズに用いられる鏡筒部
分の断面図。

【図３】上記コンバージョンレンズに用いられるアダプ
タの分解斜視図。

【図４】上記アダプタの平面図。

【図５】上記アダプタの正面図。

【図６】上記コンバージョンレンズをワイドコンバージ
ョンレンズとして機能させる場合の一部を断面で示す側
面図。

【図７】ビデオカメラのマスターレンズ鏡胴部に上記ア
ダプタを取付け、このアダプタに上記コンバージョンレ
ンズの鏡筒を取付ける前の状態を示す斜視図。

【図８】上記ビデオカメラの斜視図。

【図９】従来のコンバージョンレンズの断面図。

【図１０】従来のコンバージョンレンズをワイドコンバ
ージョンレンズとして機能させる場合の断面図。

【符号の説明】

１…コンバージョンレンズ １０…鏡筒 １１…望遠レンズ １２…広角レンズ １４…解除操作ボタン（解除手段） ２０…アダプタ ２１ｅ…ねじ部 ２２…係止片（係止手段） ５０…ビデオカメラ（カメラ） ５１…マスターレンズ ５２…鏡胴部 ５２ａ…ヘリコイド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 賢三 東京都品川区北品川５丁目12番４号 山泉 ビル６Ｆ マスターエンジニアリング株式 会社内 (72)発明者 荒井 久二男 神奈川県小田原市中村原248番地 エース 光学株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 望遠レンズと広角レンズとを内包した鏡
   筒と、この鏡筒の望遠レンズ側或は広角レンズ側に着脱
   自在に取付けられると共にカメラのマスターレンズ鏡胴
   部に着脱自在に取付けられるアダプタとを備えたことを
   特徴とするコンバージョンレンズ。
2. 【請求項２】 請求項１記載のコンバージョンレンズに
   おいて、上記鏡筒と上記アダプタのいずれか一方に他方
   を係止する係止手段を設けると共に、該他方に上記係止
   手段による係止状態を解除する解除手段を設けたことを
   特徴とするコンバージョンレンズ。
3. 【請求項３】 請求項１記載のコンバージョンレンズに
   おいて、上記アダプタの上記鏡筒を取付ける反対側の部
   分に上記カメラのマスターレンズ鏡胴部のヘリコイドに
   螺合するねじ部を形成したことを特徴とするコンバージ
   ョンレンズ。