JPH0762963B2 - 車輌用前照灯 - Google Patents

車輌用前照灯

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JPH0762963B2
JPH0762963B2 JP63080071A JP8007188A JPH0762963B2 JP H0762963 B2 JPH0762963 B2 JP H0762963B2 JP 63080071 A JP63080071 A JP 63080071A JP 8007188 A JP8007188 A JP 8007188A JP H0762963 B2 JPH0762963 B2 JP H0762963B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明車輌用前照灯を以下の項目に従って説明する。
A.産業上の利用分野 B.発明の概要 C.従来技術[第12図] D.発明が解決しようとする問題点[第12図、第13図] E.問題点を解決するための手段 F.実施例[第1図乃至第11図] F−1.第1の実施例[第1図乃至第8図] a.ハウジング、固定レンズ[第1図乃至第7図] b.固定反射鏡[第1図乃至第6図] c.電球、電球取付環[第1図、第3図乃至第5図] d.可動反射鏡[第1図、第3図乃至第6図] d−1.構造 d−2.固定反射鏡への支持 e.反射鏡駆動機構[第1図、第3図乃至第5図、第7
図] e−1.駆動部[第3図乃至第5図、第7図] e−2.伝達手段[第1図、第3図、第4図、第7図] e−3.可動反射鏡の回動[第3図、第5図、第7図] f.可動レンズ機構[第1図乃至第7図] f−1.可動体[第1図乃至第7図] f−2.駆動手段、移動体の支持[第2図乃至第5図] f−3.移動体の移動 g.配光等[第8図] g−1.2種類の基本的な配光パターン g−1−a.下向き配光パターン g−1−b.上向き配光パターン g−2.車体の前側方に対する配光 F−2.第2の実施例[第9図乃至第11図] a.可動レンズ機構 a−1.移動体 a−2.移動体の支持 a−3.移動手段、移動体の移動 b.配光パターン G.発明の効果 (A.産業上の利用分野) 本発明は新規な車輌用前照灯に関する。詳しくは、光源
からの光を反射する反射鏡と該反射鏡により反射された
光の照射方向を制御する制御用レンズとを備えた車輌用
前照灯、特に、反射鏡として、主光軸方向に向いた固定
反射鏡の他に照射方向を随時左右方向へ変更し得る可動
反射鏡を備えた車輌用前照灯に関するものであり、照射
光の上下方向に対する向きを随時補正することができる
ようにし、それによって、配光状態を上向き又は下向き
のいずれかに切り換えることができると共に、1つの光
源によって、可動反射鏡からの反射光による車体の前側
方に対する照射を極めて効果的に行なうことができるよ
うにした新規な車輌用前照灯を提供しようとするもので
ある。
(B.発明の概要) 本発明車輌用前照灯は、光源からの光を反射する反射鏡
と該反射鏡により反射された光の照射方向を制御する制
御レンズとを備える共に、反射鏡として、主光軸方向に
向いた固定反射鏡の他に左右方向へ回動自在に配置され
た可動反射鏡を有する車輌用前照灯であって、照射光を
上向き又は下向きに随時補正するレンズを設けることに
より、配光状態を上向き又は下向きのいずれかに切り換
えることができると共に、1つの光源により、可動反射
鏡からの反射光による車体の前側方に対する照射を上向
き配光又は下向き配光のいずれかによって行なうことも
できるようにしたものである。
(C.従来技術)[第12図] コーナリングランプを兼ねた車輌用前照灯、即ち、通常
の直進走行時においては車体前方を照射し、ステアリン
グ操作時にはそのステアリング方向に応じた方向を照射
するようにした前照灯が提案されている。
第12図はそのような前照灯の一例aを示すものである。
同図において、bは前面が開口した箱形を為すハウジン
グであり、その前面開口部に制御レンズcが被着されて
いる。dはハウジングb内にその光軸x0−x1が前後方向
に延びるように配置された固定反射鏡、eは該固定反射
鏡dの内側の略中央部に配置された可動反射鏡であり、
該可動反射鏡eは固定反射鏡dに左右方向へ回動自在に
支持されると共に図示しない駆動機構により、例えば、
ステアリング操作と連動して、左右方向へ回動され、通
常の直進走行時においてはその光軸x1−x1が固定反射鏡
dの光軸x0−x0と略一致した中立位置に保持されるよう
になっている。
fは固定反射鏡dと可動反射鏡eに共通の光源である。
しかして、通常の直進走行時においては、可動反射鏡e
が前方に正対しているので、光源fから発して反射鏡d
及びeにより反射された光はいずれも車体前方を照射
し、また、ステアリングが為されたときは可動反射鏡e
が回動されてその光軸x1−x1が、同図に2点鎖線又は1
点鎖線で示す方向へ向きを変えるのでこの可動反射鏡e
による反射光の照射方向がステアリング方向に応じて左
右方向へ移動されて車体の前側方を照射することにな
る。
(D.発明が解決しようとする問題点)[第12図、第13
図] ところで、車輌用前照灯の配光パターンは、通常、すれ
違い用ビームについては第13図に示すgのようにその大
部分が水平線H−Hより下方で横長な配光パターンが所
望され、走行用ビームについては同図に示すhのように
水平線H−H上の上方への配光部分も有する横長な配光
パターンが所望される。
そして、このような配光パターンは当該前照灯が有する
反射鏡の反射面の形状や該反射面に対する光源の位置や
制御用レンズに設けられたレンズ要素の形状等によって
決まるものであり、また、光源や制御用レンズと反射鏡
との間の位置関係は厳密に固定されている必要があるの
で、1つの灯具により異なる複数の配光を出すために
は、通常、異なる位置に配置された複数の光源を設ける
ことが必要になる。
この場合、前記した車輌用前照灯aは、固定反射鏡dの
他に左右方向へ回転自在に配置された可動反射鏡eを備
えているので、その照射光の一部を随時左右方向へ変更
することはできるが、光源fが1個であるため、基本的
な配光パターンとしては1種類、例えば、前記すれ違い
用ビームの配光パターンg(以下、「下向パターン」と
言う。)又は走行用ビームの配光パターンh(以下、
「上向パターン」と言う。)のいずれか一方しか出せな
いことになる。
従って、この車輌用前照灯aによる基本的な配光パター
ンが下向き配光パターンgである場合は可動反射鏡eに
よる反射光の照射域iが、該可動反射鏡eがどの位置に
あっても、常に水平線H−Hより下方になり、このよう
な下向パターンのままで車体の前側方を照射しても、ス
テアリング操作時において最も良く見たい路肩部等をそ
れほど良好には照射できないことになるという問題があ
る。
また、車輌用前照灯aによる基本的な配光パターンを上
向き配光パターンhとしておけば、可動反射鏡eによる
反射光の照射域iを、常に、水平線H−H上におくこと
ができるので、可動反射鏡eを左右方向へ回動したとき
車体の前側方を効果的に照射することはできるが、この
ような配光パターンは対向車輌等に著しい眩惑を与える
ものであるから対向車輌等がある場合はこの車輌用前照
灯aによる照射をやめなければならないという問題が生
じる。
そこで、このような前照灯aについても、光源を2個設
けて配光を2種類選択的に造り出すようにすることも考
えられるが、この種の車輌用前照灯aは、通常、補助前
照灯として用いられるものであるから、一般的に、光源
を2個備えた大型の電球を配置できる充分な空間を有し
ていないことが多い。
(E.問題点を解決するための手段) そこで、本発明車輌用前照灯は、上記問題点を解決する
ために、光源からの光を反射する反射鏡と該反射鏡によ
り反射された光の照射方向を制御する制御用レンズとを
備えると共に、反射鏡として、主光軸方向に向いた固定
反射鏡の他に左右方向へ回動自在に配置された可動反射
鏡を有する車輌用前照灯において、照射光を上向き又は
下向きに補正するレンズステップを有すると共に制御用
レンズに対向する位置と対向しない位置との間を移動す
る可動レンズを設けたものである。
従って、本発明車輌用前照灯によれば、可動レンズを制
御レンズと対向する位置又は対向しない位置へと移動す
ることにより照射光の方向が上向き又は下向きに補正さ
れるので、配光状態を上向き配光と下向き配光のいずれ
かに選択的に切り換えることができ、これにより、光源
が1つであっても、可動反射鏡からの反射光による車体
の前側方に対する照射を上向き配光又は下向き配光のい
ずれによっても行なうことができる。
(F.実施例)[第1図乃至第11図] 以下に、本発明車輌用前照灯の詳細を図示した各実施例
に従って説明する。
(F−1.第1の実施例)[第1図乃至第8図] 第1図乃至第8図は本発明車輌用前照灯の第1の実施例
を示すものである。
図中1が車輌用前照灯であり、一の灯具で補助前照灯、
例えば、フォグランプとコーナリングランプとを兼用す
ることができるようにしたものである。
(a.ハウジング、固定レンズ)[第1図乃至第7図] 2はハウジングであり、正面から見て略横長の矩形をし
た箱形をしており、その前面が開口している。そして、
該ハウジング2の前面開口縁部には前方に開口した据付
溝3が形成されている。
4は制御用の固定レンズであり、所要のレンズ素子が形
成されると共にハウジング2の前面開口を覆う大きさを
有しており、その周縁部からは後方へ向って突出した周
壁部4aが一体に形成されており、該周壁部4aがハウジン
グ2の前記据付溝3内に嵌合され、かつ、接着されてい
る。
これによって、ハウジング2とレンズ4とによって画成
された灯室空間5が形成される。
尚、固定レンズ4にはここを前方へ向けて透過する光の
照射方向を主として下向きとするレンズ素子が形成され
ている。
6及び6はハウジング2の左右両側壁7、7に形成され
た略円筒状を為す軸受用のボス部であり、側壁7、7の
後端寄りの部分のうち上下方向における中間部から稍上
方へ寄った位置に形成されており、その孔6a、6a(第5
図参照)が左右方向へ水平に延びるように形成されてい
る。
(b.固定反射鏡)[第1図乃至第6図] 8は灯室空間5内に配置された固定反射鏡である。該固
定反射鏡8は回転放物面体の上下両端部を切除した如き
形状をした反射部9と上記切除した部分を覆う如くに位
置した平面部10、10′とが一体に形成され、反射部9の
内面9aは高い反射性と有するように処理されており、灯
室空間5内に配置され、図示しない固定手段によってハ
ウジング2に固定されている。
f0は固定反射鏡8の反射面9aの回転放物面の焦点、ま
た、x0−x0は光軸(以下、この光軸x0−x0を「主光軸」
と言う。であり、前照灯1はこの主光軸x0−x0が前方に
略正対した向きで車体に搭載される。
10aは上側の平面部10の略中央部に形成された円形の支
持孔、10′aは下側の平面部10′に形成された挿通孔で
ある。
(c.電球、電球取付環)[第1図、第3図乃至第5図] 11は電球取付環であり、該電球取付環11は略円環状を
し、かつ、その上端には内方へ突出した係合縁11a(第
1図参照)が形成されており、固定反射鏡8の下側の平
面部10′の上面に固定されている。また、該電球取付環
11の外周面には環状の突条11bが形成されており、この
突条11bと固定反射鏡8の下側平面部10′との間に環状
の溝11cが形成される。
12は電球であり、そのガラス球13が上記電球取付環11を
通して固定反射鏡8の反射部9内に位置されると共に、
そのフィラメント14が固定反射鏡8の反射面9aの焦点f0
に配置されている。尚、電球12はこのように配置された
状態を適宜な保持手段によって電球取付環11に保持され
ている。
(d.可動反射鏡)[第1図、第3図乃至第6図] 15は可動反射鏡であり、前記固定反射鏡8の内側に配置
されている。
(d−1.構造) 可動反射鏡15は正面から見て縦長の長方形状を為しかつ
正面から見た横幅が固定反射鏡8の反射面9aの3分の1
位の大きさを有する反射部16と該反射部16の上下両端縁
から前方へ向って突設された取付片17、17とから成り、
反射部16は回転放物面体の一部を矩形に切り取った如き
形状をしており、その前面16aは高い反射性を有するよ
うに処理されている。
x1−x1は反射面16aの光軸、f1はその焦点である。
そして、上側の取付片17の略中央部に角孔状の取付孔17
aが形成され、また、下側の取付片17には円形の比較的
大きな支持孔17aが形成されると共に、該支持孔17aはそ
の開口縁に沿って環状壁18が下方へ向けて突設されるこ
とにより軸方向へ稍幅を有している。
(d−2.固定反射鏡への支持) 19は支持軸(細部については第1図参照)であり、円柱
状をした軸部19aにその上端近くから側方へ張り出した
フランジ19bが、軸部19aの上端面から突出した連結突起
19cが、また、軸部19aの下端面から突出した連結突起19
dがそれぞれ一体に形成され、上記連結突起19c及び19d
は角柱状をしており、下側の連結突起19dの下端寄りの
位置に係着溝19eが形成されている。
そして、上記支持軸19はその軸部19aが固定反射鏡8の
上側平面部10に形成された支持孔10aに回転自在に挿通
されると共に、その下側の連結突起19dが可動反射鏡15
の上側取付片17に形成された角孔状の取付孔17aに挿通
され、かつ、上記取付孔17aから下方に突出した係着溝1
9eに抜止リング20が係着されており、これによって、可
動反射鏡15の上端部が固定反射鏡8の上側平面部10に回
動自在に支持される。
また、可動反射鏡15の下側取付片17に形成された支持孔
17aが前記電球取付環11の環状溝11cに回動自在に係着さ
れており、これによって、可動反射鏡15の下端部が電球
取付環11を介して固定反射鏡8の下側平面部10′に回動
自在に支持される。
このようにして、可動反射鏡15が固定反射鏡8に回動自
在に支持され、可動反射鏡15が固定反射鏡8に支持され
ると、これら2つの反射鏡8、15の各焦点f0とf1が略一
致する。
尚、前記した電球12のフィラメント14は固定反射鏡8の
焦点f0と可動反射鏡15の焦点f1とが略一致した位置にあ
る。
(e.反射鏡駆動機構)[第1図、第3図乃至第5図、第
7図] (e−1.駆動部)[第3図乃至第5図、第7図] 21は駆動部である(細部については第7図を参照)。
22は駆動部21のケースであり、該ケース22内にモータ、
その他の所要要素が収納されている。
23はモータ、24はモータ24の回転軸に固定されたピニオ
ンギヤ、25はモータ23の駆動力を駆動反射鏡15へ出力す
るための出力ギヤ、26、27及び28はモータ23の駆動力を
減速して出力ギヤ25へ伝達するための減速ギヤ、29は出
力ギヤ25の回転角を検出することによって可動反射鏡15
の回転量あるいは位置を検出するための回転角検出器で
あり、該回転角検出器29のロータ軸30の上端部が前記出
力ギヤ25に固定されている。
上記出力ギヤ25の中心からは回転軸31が突設されてお
り、該回転軸31がケース22の上面に形成された挿通孔22
aを通してケース22外に突出されている。そして、該回
転軸31の上端面には角柱状の連結突起32が突設されてお
り、この連結突起32の上端面には螺孔32aが形成されて
いる。
(e−2.伝達手段)[第1図、第3図、第4図、第7
図] 33及び34はホーンである。
一方のホーン33の基端部には角形の取付孔35が形成され
ており、該取付孔35に前記支持軸19の上側連結突起19c
が挿通され、該連結突起19cの取付孔35から上方へ突出
した部分が圧潰状にカシメられてホーン33の基端部と支
持軸19とが結合される。
他方のホーン34の基端部にはここを上下に貫通した如く
にボス部36が一体に形成されている。該ボス部36の下端
面には角形の連結穴37が形成されており、また、この連
結穴37とボス部36の上端面との間を挿通した挿通孔38が
形成されている。そして、ホーン34の連通穴37の駆動部
21の回転軸31に設けられた連結突起32に外嵌され、挿通
孔38に挿通されたねじ39が上記連結突起32に形成された
螺孔32aに螺合され、これによってホーン34の基端部が
駆動部21の回転軸31と結合される。
尚、駆動部21はハウジング2内の固定反射鏡8の左側に
配置されている。
40は連結リングであり、その両端部が上記2つのホーン
33、34の回動端部に回動自在に連結されている。
(e−3.可動反射鏡の回動)[第3図、第5図、第7
図] そこで、モータ23が回転すると、その回転がピニオンギ
ヤ24、減速ギヤ26、27及び28を介して減速されて出力ギ
ヤ25に伝達されるので、該出力ギヤ25に一体に設けられ
た回転軸31を介してホーン34が回動され、このホーン34
の回動が連結リンク40を介してホーン33に伝達されて、
該ホーン33も回動され、この回動が支持軸19に伝達さ
れ、それによって可動反射鏡15が回動されてその光軸x1
−x1の向きが左右方向へ変更されることになる。
また、出力ギヤ25が回動すると回転角検出器29のロータ
軸30が同期回転してその端子電圧がロータ軸30の回転
角、即ち、出力ギヤ25の回転角に応じた値に変化し、そ
れによって、出力ギヤ25の回動角が検出され、モータ23
の回転は上記端子電圧が予め規定されたあるいは任意に
選択された値と同じ値となったときに停止するようにな
っている。
尚、可動反射鏡15がこのようにして回動された状態から
可動反射鏡15を中立位置に戻すための操作が為される
と、モータ23が逆転されると共に、回転角検出器29の端
子電圧が可動反射鏡15が中立位置に来ているときに対応
した値になったところでモータ23の回転が停止し、それ
によって可動反射鏡15が中立位置へと戻されることにな
る。
(f.可動レンズ機構)[第1図乃至第7図] 41は可動レンズ機構であり、補正用のレンズを有しハウ
ジング2に略上下方向へ回動自在に支持された移動体と
該移動体を移動するための駆動手段等から成る。
(f−1.可動体)[第1図乃至第7図] 42は移動体であり、該移動体42は、これが第1図に示す
位置(以下、「対向位置」と言う。)に来ている状態に
おいて、正面から見て左右方向に長い矩形をしたレンズ
保持枠43と該レンズ保持枠43の左右両端部の上端寄りの
位置から後方へ向けて互いに平行に突設された2つのア
ーム44、44′とその外周縁部がレンズ保持枠43に保持さ
れたレンズ45(以下、このレンズ45を「可動レンズ」と
言う。)とから成る。
そして、レンズ保持枠43は左右方向の長さがハウジング
2の左右方向の長さより稍長く、上下方向の長さは前記
固定レンズ4の高さより稍小さくなっており、アーム4
4、44′はハウジング2の前後方向における長さと同じ
位の長さを有すると共にその後端部に孔44a、44′aが
形成されている。尚、右側のアーム44′の孔44′aは角
孔になっている。
また、可動レンズ45にはこれを前方へ向けて透過する光
の方向を上向きに補正する多数のプリズム素子46、46、
・・・が形成されている。
(f−2.駆動手段、移動体の支持)[第2図乃至第5
図] 47はウォームホィールであり、その中心部に軸48の一端
部が固定されると共に、該軸48の円柱状に形成された中
間部48aがハウジング2の右側壁7のボス部6に形成さ
れた前記孔6aに挿通されることによってハウジング2の
右端部に回動自在に支持されている。
49はハウジング2の右側壁7の内面に固定されたモータ
であり、該モータ49はその軸方向が上下方向に沿って延
び、その回転軸49aにウォーム50が固定されており、該
ウォーム50が前記ウォームホィール47と噛合されてい
る。
51は円柱状をしたアーム支持軸であり、その両端部に係
着溝51a、51aが形成されると共に、ハウジング2の左側
壁7のボス6に形成された前記孔6aに回動自在に挿通さ
れている。
そして、移動体42はその左側のアーム44の孔44aに上記
アーム支持軸51のボス部6から左側へ突出した部分が回
動自在に挿通され、かつ、右側のアーム44′の角孔状を
した孔44′aに前記ウォームホィール47の軸48のうちボ
ス部6から右側へ突出した角柱状を為す部分48bが挿通
されることによってハウジング2に支持されている。
尚、アームの支持軸51の係着溝51a、51aとウォームホィ
ール47の軸48の先端部48bに形成された係着溝48cには抜
止リング52、52、52が係着され、それによって、アーム
支持軸51のボス部6からの抜止及び移動体42の左側のア
ーム44のアーム支持軸51からの抜止とウォームホィール
47の軸48のボス部6からの抜止及び移動体42の右側のア
ーム44′の上記軸48からの抜止が為されている。
しかして、移動体42はその右側のアーム44′の後端部が
ウォームホィール47と結合された状態でハウジング2に
回動自在に支持される。
(f−3.移動体の移動) そこで、モータ49が回転するとウォーム50が回転してウ
ォームホィール47を回転せしめるので、該ウォームホィ
ール47の軸48と結合された移動体42の右側のアーム44′
が回動され、それにより、移動体42が回動されることに
なる。
53は位置検出スイッチであり、ハウジング2の右側壁
7′の内面に固定されると共にそのロータ軸53aに固定
されたギヤ54がウォームホィール47と噛合されている。
従って、ロータ軸53aはウォームホィール47の回転によ
って回転される。
そして、モータ49の回転は、所定の操作つまみが操作さ
れ、あるいは、ビーム切換レバーが操作されることによ
り開始され、位置検出スイッチ53は、移動体42が前記対
向位置、即ち、可動レンズ45が固定レンズ4と対向する
位置に来たとき及び第2図に示すように可動レンズ45が
ハウジング2の上方に来た位置(以下、この位置を「非
対向位置」と言う。)に来たときに今までの回路が開放
し、今までと逆方向への回転をさせる回路が準備状態と
なる。
しかして、移動体42はその可動レンズ45が固定レンズ4
に対向する位置とそれに対向しない位置との間を移動さ
れ、対向位置に来ると、可動レンズ45が固定レンズ4を
挟んで反射鏡8及び15に前方から対向することになる。
(g.配光等)[第8図] 以上のように構成された車輌用前照灯1による配光は、
例えば、次のように為される。
(g−1.2種類の基本的な配光パターン) (g−1−a.下向き配光パターン) 電球12のフィラメント14から固定反射鏡8の反射面9aに
向けて発した光l1、l1、・・・は該反射面9aにより主光
軸x0−x0と略平行な光束となって反射されると共に固定
レンズ4によって左右方向への拡散性を与えられ、か
つ、下向きに制御される。そして、この場合、可動レン
ズ45が非対向位置に来ているときは上記照射方向を補正
されることなくそのまま前方へ出射されて第8図に示す
55のような配光パターンを示す。尚、同図において、H
−Hは前照灯1の前方において主光軸x0−x0と直交する
水平線、V−Vは同じく主光軸x0−x0と直交する垂直線
であり、上記配光パターン55は水平線H−Hより下方で
横長に延びるパターンとなる。
また、フィラメント14から可動反射鏡15の反射面16aに
向けて発した光l2、l2、・・・は該反射面16aによりそ
の光軸x1−x1と略平行な光束となって反射されると共
に、これも固定レンズ4によってその照射方向を下向き
に制御される。そして、この場合、可動レンズ45が非対
向位置に来ているときは上記照射方向を補正されること
なく出射され、また、可動反射鏡15が前記中立位置に来
ていれば、上記反射光l2、l2、・・・は前方へ向けて出
射することになる。従って、この状態において可動反射
鏡15による反射光l2、l2、・・・により第8図に示す56
のような配光パターンが為され、そして、この配光パタ
ーン56は固定反射鏡8による反射光l1、l1、・・・の配
光パターン55の略中央部に位置する。
しかして、可動レンズ45が非対向位置に来ているときは
水平線H−Hより下方への照射(以下、この状態の配光
パターン55、56を「下向き配光パターン」と言う。)が
為される。
(g−1−b.上向き配光パターン) また、可動レンズ45が対向位置に来ると、配光パターン
は上方へ移動する。
即ち、可動レンズ45が対向位置に来た状態においては、
固定レンズ4から出射する光の照射方向が可動レンズ45
に形成されたプリズム素子46、46、・・・によって上向
きに補正されるので、固定反射鏡8による反射光l1
l1、・・・及び可動反射鏡15による反射光l2、l2、・・
・による配光パターンは第8図に示す配光パターン5
5′、56′のように略水平線H−H上において横長に延
びる配光パターン(以下、これら配光パターン55′、5
6′を「上向き配光パターン」と言う。)となる。
尚、可動レンズ45の対向位置から非対向位置への移動あ
るいは非対向位置から対向位置への移動は、この前照灯
に専用のビーム切換つまみを操作することにより、ある
いは他の主たる前照灯のビームを切換えるための切換レ
バーの操作と連動して為される。
(g−2.車体の前側方に対する配光) また、夜間等における走行中に、ステアリング操作が為
され、あるいはコーナリングつまみが操作されると、前
記反射鏡駆動部21のモータ23がステアリング方向あるい
はコーナリングつまみが操作された方向に応じた方向へ
回転され、それによって、前記したように、可動反射鏡
15が左右方向へ回動される。
従って、該可動反射鏡15により反射された光l2、l2、・
・・の照射方向が左右方向へ変更され、それによって、
車体の前側方が照射される。
そして、可動レンズ45が非対向位置に来ているときは下
向き配光パターンとなるので、この場合は可動反射鏡15
による配光パターンが車体の前側方のうち水平線H−H
より下方に位置し、また、可動レンズ45が対向位置に来
ているときは上向き配光パターンになるので、この場合
は、可動反射鏡15による配光が車体の前側方のうち水平
線H−H上に位置することになる。
しかして、可動反射鏡15を左右方向へ回動してその反射
光を車体の前側方へ向ける場合、可動レンズ45の位置を
変えることによって下向きの照射又は上向きの照射のい
ずれでも任意に選択することができる。
(F−2.第2の実施例)[第9図乃至第11図] 第9図乃至第11図は本発明車輌用前照灯の第2の実施例
57を示すものである。
尚、この第2の実施例に示す車輌用前照灯57が前記第1
の実施例に示した車輌用前照灯1と相違するところは可
動レズ機構のみである。従って、説明は上記相違点につ
いてのみ行ない、それ以外の部分については、図面の各
部に第1の実施例における同様の部分に付した符号と同
じ符号もしくは該符号にアルファベット文字を付加した
符号を付することによってその説明を省略する。
(a.可動レンズ機構) 58は可動レンズ機構であり、この可動レンズ機構58はそ
の全体がハウジング2A内に配置されている。
尚、この実施例におけるハウジング2Aは第1の実施例1
におけるハウジング2より稍大きくなっている。
(a−1.移動体) 59及び59′は移動体であり、第9図に示す位置に来てい
る状態において正面から見て左右方向に細長い略横倒コ
字形をしたレンズ保持枠60、60′と、該レンズ保持枠6
0、60′の左右両端部から後方へ向けて互いに平行に突
出した各一対のアーム61、62及び61′、62′と、3つの
外縁がレンズ保持枠60、60′に保持されプリズム素子4
6、46、・・・が形成された可動レズ63、63′とから成
る。そして、レンズ保持枠60、60′は左右方向における
長さがハウジング2Aの左右方向における長さより稍短
く、幅方向における長さが固定反射鏡8の高さの半分位
になっており、また、アーム61、62及び61′、62′の後
端部に孔61a、62a、61′a、62′aが形成され、これら
のうち右側の2つ62aと62′aは角孔状をしている。
(a−23移動体の支持) 64、64′はハウジング2Aの左側壁7に固定されたアーム
支持軸であり、左側壁7の内面の略中央部を挟んで上下
に離間した位置から右方へ向けて突設されると共に、そ
の先端部に係着溝64a、64′aが形成されている。
65、66及び67はハウジング2Aの右側壁7′に形成された
軸受用のボス部であり、右側壁7′の内面の前後方向に
おける略中央部のうち上下方向へ離間した3つの位置か
ら左側へ向けて突出しかつ上側の2つ65及び66は前記ア
ーム支持軸64、64′と対向するように位置すると共にそ
の先端面に開口した支持穴65a、66a及び67aが形成され
ている。
68はハウジング2Aの背面壁69の内面から前方へ向けて突
設された支持壁であり、上記ボス部65、66及び67の先端
との間に所定の間隔を有して配置されると共に上側2つ
のボス部65、66と対向した位置に支持孔70、70′が形成
されている。
71、71′は回動軸であり、角柱状をしたアーム結合部71
a、71′a及びギヤ結合部71b、71′bとこれら2つの結
合部の間と一番右端に位置した2つの円柱状の被支持部
71c、71′c及び71d、71′dが一体に形成されており、
アーム結合部71a、71′aの左端寄りの位置と右端部に
係着溝71e、71e及び71′e、71′eが形成されている。
そして、上側の回動軸71はその被支持部71cと71dが前記
支持壁68に形成された上側の支持孔70と一番上のボス部
65の支持穴65aに各別に回動自在に支持され、下側の回
動軸71′はその被支持部71′cと71′dが支持壁68に形
成された下側の支持孔70′と中間のボス部66の支持穴66
aに各別に回動自在に支持されている。
そして、前記移動体59、59′は、その左側のアーム61、
61′に形成された孔61a、61′aにハウジング2Aの左側
壁7から突設されたアーム支持軸64、64′が回動自在に
挿通され、また、右側のアーム62、62′に形成された孔
62a、62′aに回動軸71、71′のアーム結合部71a、71′
aが挿通されることによって、ハウジング2Aに上下方向
へ回動自在なるように支持されている。
尚、支持軸64、64′の係着溝64a、64′aと回動軸71、7
1′の係着溝71e、71e及び71′e、71′eには抜止リン
グ72、72、・・・が係着されている。
(a−3.移動手段、移動体の移動) 73及び74は平ギヤ状をした被駆動ギヤであり、その中心
部に形成された角孔状の取付孔73a、74aに回動軸71、7
1′のギヤ結合部71b、71′bが挿通されることにより、
これら回動軸71、71′と一体的に回動するように結合さ
れると共に互いに噛合されている。
75がギヤ支持軸であり、その一端部がハウジング2Aの右
側壁7′から突設された一番下のボス部67に固定される
と共に、ウォームホィール76が回転自在に支持されてお
り、該ウォームホィール76が前記側の被駆動ギヤ74と噛
合されている。
77はハウジング2Aの右側壁7′の下端部に固定されたモ
ータであり、軸方向が前後方向に沿って延びるように配
置されると共に、その回転軸77aにウォーム78が固定さ
れており、該ウォーム78が前記ウォームホィール76と噛
合されている。
79はハウジング2Aの右側壁7′に取着された一検出スイ
ッチであり、そのロータ軸79aに固定されたギヤ80が上
側の被駆動ギヤ73と噛合されている。
そこで、モータ77が回転すると、その回転がウォーム78
及びウォームホィール76により減速されてた下側の被駆
動ギヤ74に伝達され、それによって該被駆動ギヤ74が回
転すると共に上側の被駆動ギヤ73が下側の被駆動ギヤ74
と反対方向へ回転され、この回転が回動軸71、71′を介
して移動体59、59′のアーム62、62′に伝達されるの
で、移動体59、59′が互いに反対方向へ回動されること
になる。
尚、これた移動体59、59′の停止位置は位置検出スイッ
チ79によって検出され、また、モータ77は所定のビーム
切換つまりが操作されることによって回転を開始すると
共に移動体59、59′がその可動レズ63、63′が固定レン
ズ4と固定反射鏡8及び可動反射鏡15との間に来ている
対向位置及び固定反射鏡8の上側又は下側に来ている非
対向位置に来たときに停止するようになっており、これ
ら移動体59、59′が対向位置に来ると、上側の可動レン
ズ63の下端面と下側可動レンズ63′の上端面とが軽く接
触しあるいは近接するようになっている。
(b.配光パターン) しかして、移動体59、59′が非対向位置に来ているとき
は、固定反射鏡8及び可動反射鏡15からの光によって下
向き配光パターンによる照射が為されると共にこの状態
において可動反射鏡15が左右方向へ回動されると、該可
動反射鏡15からの光によって車体の前側方のうち水平線
より下方への照射が為される。また、移動体59、59′が
対向位置に来たときは、固定反射鏡8及び可動反射鏡15
から前方へ反射した光が先ず可動レンズ63、63′のプリ
ズム素子46、46、・・・によって上向き方向の指向性を
与えられ、次いで、固定レンズ4によって下向き方向の
指向性を与えられるため、結局、上下方向に対しては略
水平線上を指向するように制御されることになり、これ
によって、前記上向き配光パターンによる照射が為され
ると共に、この状態において可動反射鏡15が左右方向へ
回動されると、該可動反射鏡15からの光によって車体の
前側方のうち略水平線上に対する照射が為される。
(G.発明の効果) 以上に記載したところから明らかなように、本発明車輌
用前照灯は、主光軸方向に向いた固定反射鏡と、該固定
反射鏡の内側に左右方向へ回動自在に配置された可動反
射鏡と、固定反射鏡及び可動反射鏡に共通の光源と、上
記反射鏡の前方に配置された制御用レンズとを備えた車
輌用前照灯であって、照射光を上向き又は下向きに補正
するレンズステップを有すると共に制御用レンズに対向
する位置と対向しない位置との間を移動する可動レンズ
を設けたことを特徴とする。
従って、本発明によれば、可動レズを制御用レンズと対
向する位置又は対向しない位置へと移動することにより
照射光の方向が上向き又は下向きに補正されるので、照
射状態を上向と下向のいずれかに選択的に切り換えるこ
とができ、これにより、光源が1つであっても、可動反
射鏡からの反射光による車体の前側方に対する照射を上
向き配光パターン又は下向き配光パターンのいずれによ
っても行なうことができる。
従って、例えば、可動レンズが制御用レンズと対向しな
い位置に来ているときは照射光が下向きである場合、可
動レンズを制御用レンズと対向する位置へと移動すれば
照射光が上向きに補正されるので、この状態において可
動反射鏡を左右方向へ回動させあるいは可動反射鏡を左
右方向へ回動させた状態から可動レンズを制御用レンズ
と対向させれば、可動反射鏡からの反射光が車体の前側
方に対して上向きに照射されることになり、更に、この
状態から可動レンズを制御用レンズと対向しない位置に
戻すと可動反射鏡からの光が車体の前側方に対して下向
きに照射されることになる。
しかして、本発明車輌用前照灯によれば、光源が1つで
あっても、可動反射鏡からの反射光による車体の前側方
に対する照射を、当該走行状態に応じて所望されるすれ
違い用ビームによる配光又は走行用ビームによる配光の
いずれによっても行なうことができる。
尚、前記各実施例において、可動レンズが制御用レンズ
と対向しない位置に来ているとき照射光が下向きとなり
可動レンズを制御用レンズと対向させることによって照
射光が上向きに補正されるようにしたが、これは、可動
レンズによる補正作用が上記した補正と逆に作用する、
即ち、可動レンズが制御用レンズと対向しない位置に来
ているとき照射光が上向きとなり可動レンズを制御用レ
ンズと対向させることによって照射光が下向きに補正さ
れるようにしても良い。
また、前記各実施例に示した可動レンズの構造やこれを
移動するための移動手段等は本発明を実施する際の一態
様を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術
的事項が限定されることは無い。
【図面の簡単な説明】 第1図乃至第8図は本発明車輌用前照灯の第1の実施例
を示すもので、第1図は可動レンズが制御用レンズと対
向している状態における拡大縦断面図、第2図は第3図
のII−II線に沿う拡大断面図、第3図は一部を切り欠い
て示す平面図、第4図は一部を切り欠いて示す正面図、
第5図は第4図のV−V線に沿う断面図、第6図は要部
を分解して示す斜視図、第7図は第3図のVII−VII線に
沿う拡大断面図、第8図は配光パターン図、第9図乃至
第11図は本発明車輌用前照灯の第2の実施例を示すもの
で、第9図はハウジング及び固定レンズの一部を切り欠
いて示す斜視図、第10図は第9図のX−X線に沿う断面
図、第11図は第10図のXI−XI線に沿いかつ移動体の一部
を切り欠いて示す拡大断面図、第12図及び第13図はコー
ナリングランプを兼ねた車輌用前照灯の一例を示すもの
で、第12図は概略水平断面図、第13図は配光パターン図
である。 符号の説明 1……車輌用前照灯、 4……制御用レンズ、 8……固定反射鏡、14……光源、 15……可動反射鏡、 45……可動レンズ、 46……レンズステップ、 x0−x0……主光軸、 57……車輌用前照灯、 63、63′……可動レンズ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主光軸方向に向いた固定反射鏡と、該固定
    反射鏡の内側に左右方向へ回動自在に配置された可動反
    射鏡と、固定反射鏡及び可動反射鏡に共通の光源と、上
    記反射鏡の前方に配置された制御用レンズとを備えた車
    輌用前照灯であって、 照射光を上向き又は下向きに補正するレンズステップを
    有すると共に制御用レンズに対向する位置と対向しない
    位置との間を移動する可動レンズを設けた ことを特徴とする車輌用前照灯
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