JPH11154401A - 自動車等の可変ビーム式楕円型ヘッドライト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源（１２）と、光源（１２）を受容する楕
円形のリフレクタ（１０）と、リフレクタ（１０）の前
方に設置されたレンズ（４０）と、リフレクタ（１０）
およびレンズ（４０）の間に設置された遮光板（５０）
とを含む、自動車等の楕円型ヘッドライトを提供する。 【解決手段】 遮光板（５０）は、屈曲部（５６）を形
成する２つの縁（５２）（５４）を有し、右側通行用の
ロービーム、光線のわずかな部分を遮断するハイビー
ム、または左側通行用のロービームを選択的に発生する
ための３つの位置の間を移動することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の可変ビ
ーム式楕円型ヘッドライトに関する。

【０００２】

【従来の技術】楕円型ヘッドライトは、光源と、楕円型
リフレクタと、レンズとを含む。光源は、楕円型リフレ
クタの第一の焦点に設置され、リフレクタの第二の焦点
は、レンズの焦点と一致している。一般にレンズは、中
間部品によってリフレクタの前方に固定される。これら
の部品は、通常、透明ガラスによって前方が閉鎖された
気密ケースの内部に受容される。

【０００３】ヘッドライトによって発生されるビーム
（たとえば左側通行または右側通行用のロービーム）の
規定のカットを形成するために、遮光板（時にマスクま
たはスクリーンとも称される）は、レンズの焦点近傍
で、レンズとリフレクタとの間に設置される。この遮光
板によって形成される陰は、このようにして道路に投光
されて、所望のカットを形成する。

【０００４】複数のビームタイプを、ヘッドライトによ
り、実施できる可動式の遮光板を使用することは、既に
提案されている。欧州特許出願第０７２３１０８号は、
右側通行用のロービーム位置と、ハイビーム位置と、左
側通行用のロービーム位置との三つの位置の間を、遮光
板が移動することができる楕円型ヘッドライトを提案し
ている。

【０００５】遮光板は、平面プレートであり、向かい合
ったその二辺の形状が、右側通行用のロービームと、左
側通行用のロービームのためのカットをそれぞれ形成す
る。従って、ビームを変更するには、遮光板を大きく動
かさなければならず、相当なスペースを要し、また装置
の信頼性を低減させる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に遮光板
の動きを小さく、遮光板が場所をとらないようにすると
ともに、その信頼性を改善することによって、従来の装
置を改善することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、光源と、光源
を受容する主に楕円形のリフレクタと、リフレクタの前
方に設置されるレンズと、リフレクタおよびレンズの間
に設置された遮光板とを含み、遮光板が、右側通行用の
ロービーム、ハイビーム、または左側通行用のロービー
ムを選択的に発生するための３つの位置を移動可能であ
る、自動車等の楕円型ヘッドライトを提案するものであ
る。

【０００８】このヘッドライトは、屈曲部を形成する２
つの縁片を、遮光板が備えていることを特徴とする。こ
のヘッドライトは、さらに、次の特徴を有する。 ・二つの縁片は鋭角をなしている。 ・ハイビームを発生するための位置は、遮光板の最も端
である。 ・縁の一方は、リフレクタが反射するビームのわずかな
部分を遮光板が遮断するように、ハイビーム位置で斜め
方向に上方に延びている。 ・一方の縁片の先端は、Ｖ字形のカットを有し、他方の
縁片の先端は、平面カットを有する。 ・プレートは、リフレクタとレンズを支持する中間部品
との間に設置されている。 ・プレートは、遮光板に結合する軸を受容する軸受を含
んでいる。 ・プレートは、リフレクタに対して突出して延び、作動
装置が固定される側端部を有している。 ・作動装置は、歯車によって前記軸を回転駆動するラッ
ク式のロッドを駆動する。 ・プレートの側端部は、歯車を受容するとともに、ロッ
ドが通過する開口部を含んでいる。 次に、本発明の一実施態様を、添付図に基づいて説明す
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】このヘッドライトは、光学的作動
面がおおむね楕円形であるリフレクタ１０を含む。ラン
プ１２は、ここでは放電ランプであり、リフレクタ１０
の内部に設けられている。ランプ１２は、リフレクタ１
０の後部に設けた取付孔によって、リフレクタ内に取り
付けられている。ランプ１２は、リフレクタ１０の第一
の焦点の近傍に位置する光源を構成している。

【００１０】またこのヘッドライトは、リフレクタ１０
の前方、すなわち、光が出ていく方向に固定された筒状
体３０を有する。筒状体３０の前端に、レンズ４０が支
持されている。

【００１１】プレート２０は、リフレクタ１０と中間部
品３０との間に配置されている。プレート２０は、ほぼ
矩形であり、リフレクタ１０の開口部とほぼ対応する開
口部を有するシートメタルで構成されている。さらに、
プレート２０は、リフレクタ１０から突出して、側面方
向に延びる側端部２２を備えている。

【００１２】リフレクタ１０と筒状体３０との間に挟設
されたプレート２０は、たとえばシートメタルを折り曲
げて形成されたものであり、軸受２４を有する。

【００１３】この軸受２４は、遮光板５０に結合する軸
２５を枢支している。軸２５は、リフレクタ１０の光学
軸に対して水平かつ垂直である。プレート２０の側端部
２２に位置する歯車２６は、軸２５に取付けられてい
る。歯車２６の個所において側端部２２には、開口部２
３が設けられている。

【００１４】遮光板５０は、屈曲部５６を形成する２つ
の縁片５２，５４を有する。軸２５は、屈曲部５６の奥
の位置にある。図示の例では、２つの縁片は、５０゜の
角度をなしている。この角度は、鋭角であるのがよい。

【００１５】各縁片５２，５４は、発生するビームのカ
ットを形成するために、レンズ４０を経て道路に投光さ
れる先端のカット５３，５５の形状により、屈曲部５６
の反対側で画定される。２つの先端のカット５３、５４
は、２つの違うビームを発生できるように異なってい
る。

【００１６】プレート２０はまた、ヘッドライトによる
３つの各種ビームの形成に対応する３つの位置に、遮光
板５０を固定する保持部２７を有している。

【００１７】ヘッドライトはまた、支持体６２に固定さ
れる作動装置６０を含んでいる。支持体６２は、プレー
ト２０の後方において、プレート２０の側端部２２に固
定されている。従って、作動装置６０は、リフレクタ１
０の側に設置している。

【００１８】作動装置６０は、光が出る方向とほぼ平行
な方向を向き、かつ作動装置６０により回転させられる
断面角型のロッド６４を有する。ロッド６４は、プレー
ト２０の側端部２２の開口部２３を貫通し、その前端
に、前記歯車２６が固定されている。

【００１９】かくして、作動装置６０がロッド６４を回
転させると、歯車２６は、ロッド６４により回転させら
れる。それによって、遮光板５０は軸２５を中心として
回転させられる。

【００２０】従来と同様に、上記の全ての要素は、前面
に透明ガラスによって閉鎖され、かつ後面にランプ１２
の交換用の着脱式キャップを有する気密ケース（図示せ
ず）内に設置されている。

【００２１】次に、図２〜図４を参照しながら、このヘ
ッドライトの光学的な機能について説明する。

【００２２】図２において、遮光板５０は、前方（光が
出ていく方向）を向いている。これはハイビーム位置で
ある。前側の縁片５２は、ほぼ水平であり、後方の縁片
５４は、水平ではなく、軸２５よりも上方において、斜
め前方を向いている。２つの縁片５２，５４のいずれ
も、垂直方向を向いてはいない。従って、両縁片は、第
二の焦点から遠ざかっている。

【００２３】光束の非常に多くの部分が、遮光板５０の
上を通過する。このハイビーム位置では、遮光板５０
は、リフレクタ１０が反射する光束のわずかな部分を遮
断するだけである。さらに、ハイビーム位置で遮光板５
０によって遮断された光線、すなわち縁片５４の先端で
ある平面カット５５の位置で遮断された光線は、道路の
ずっと上でレンズから投光されるゾーンと対応する。従
って、それに対応して、光がわずかに欠除しても、少し
も妨げにならない。

【００２４】これは意外なことであるが、後方の縁片５
４は、ハイビーム位置では前上方に向かって斜めを向い
ているため、遮光板５０が光線の一部を遮断しても弊害
はない。

【００２５】図３に示した位置では、後方の縁片５４は
垂直である。遮光板５０のこの新しい位置は、ハイビー
ム位置から、後方へ約５０゜回転している。

【００２６】後方の縁片５４の先端５５は、平面カット
５５であり、そのとき第二の焦点の近傍に位置し、従来
の要領でカットを発生する。リフレクタ１０によって反
射された光線は、縁片５４によって遮断される。

【００２７】上記の例では、後方の縁片５４の先端は平
面カット５５である。従って、左側を通行する（左側通
行）国と同様に、右側を通行する（右側通行）国でも、
利用しうる平面カットビームを発生する。

【００２８】図４に示す位置では、前方の縁片５２は垂
直であり、図３に示した位置に比べて、遮光板５０は、
５０゜後方へ回転している。従来と同様に、また前記先
端の平面カット５５のように、前方の縁片５２の先端の
Ｖ字型カット５３は、レンズ４０から道路に投影されて
部分的カットを形成する。

【００２９】前方の縁片５２の先端のＶ字型カット５３
は、たとえば右側通行に対して規格化されているＶ字形
のカットを構成するので有利である。

【００３０】このように、上記のヘッドライトは、１つ
のハイビームおよび２つのロービームを、所望のカット
によって決定する３つのビームを発生することができ
る。ロービームの一方は、所定の通行方向に対して利用
可能なビームである。もう一方のロービームは、通行方
向が逆の国で使用可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるヘッドライトの分解斜視図であ
る。

【図２】遮光板の３つの各種位置として、図１のヘッド
ライトを概略的に示す縦断側面図である。

【図３】遮光板の三つの各種位置として、図１のヘッド
ライトを概略的に示す縦断側面図である。

【図４】遮光板の三つの各種位置として、図１のヘッド
ライトを概略的に示す縦断側面図である。

【符号の説明】

１０ リフレクタ １２ 光源 ２０ プレート ２２ 側端部 ２３ 開口部 ２４ 軸受 ２５ 軸 ２６ 歯車 ２７ 保持部 ３０ 筒状体 ４０ レンズ ５０ 遮光板 ５２，５４ 縁片 ５３ Ｖ字型カット ５５ 平面カット ５６ 屈曲部 ６０ 作動装置 ６２ 支持体 ６４ ロッド

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源（１２）と、光源（１２）を受容す
   る楕円形のリフレクタ（１０）と、リフレクタ（１０）
   の前方に設置されたレンズ（４０）と、リフレクタ（１
   ０）およびレンズ（４０）の間に設置された遮光板（５
   ０）とを含み、遮光板（５０）が、右側通行用のロービ
   ーム、ハイビーム、または左側通行用のロービームを選
   択的に発生するための三つの位置を移動可能である、自
   動車等の楕円型ヘッドライトにおいて、 遮光板（５０）は、屈曲部（５６）を形成する２つの縁
   片（５２）（５４）を備えていることを特徴とするヘッ
   ドライト。
2. 【請求項２】 ２つの縁片（５２）（５４）は、鋭角を
   なしていることを特徴とする、請求項１に記載のヘッド
   ライト。
3. 【請求項３】 ハイビームを発生するための位置は、遮
   光板（５０）の最も端の位置であることを特徴とする、
   請求項の１または２に記載のヘッドライト。
4. 【請求項４】 縁片（５２）（５４）の一方は、リフレ
   クタ（１０）が反射するビームのわずかな部分を遮光板
   （５０）が遮断するように、ハイビーム位置で斜め方向
   に上方に延びていることを特徴とする、請求項１〜３の
   いずれかに記載のヘッドライト。
5. 【請求項５】 縁片（５２）の先端は、Ｖ字形のカット
   （５３）を有し、縁片（５４）の先端は、平面カット
   （５５）を有することを特徴とする、請求項１〜４のい
   ずれかに記載のヘッドライト。
6. 【請求項６】 プレート（２０）は、リフレクタ（１
   ０）とレンズ（４０）を支持する中間部品（３０）との
   間に設置されていることを特徴とする、請求項１〜５の
   いずれかに記載のヘッドライト。
7. 【請求項７】 プレート（２０）は、遮光板（５０）に
   結合する軸（２５）を受容する軸受（２４）を含むこと
   を特徴とする請求項６に記載のヘッドライト。
8. 【請求項８】 プレート（２０）は、リフレクタ（１
   ０）に対して突出して延び、かつ作動装置（６０）が固
   定される側端部（２２）を含むことを特徴とする、請求
   項７に記載のヘッドライト。
9. 【請求項９】 作動装置（６０）は、歯車（２６）によ
   って、前記軸（２５）を回転駆動するラック式のロッド
   （６４）を駆動するようになっていることを特徴とす
   る、請求項８に記載のヘッドライト。
10. 【請求項１０】 プレート（２０）の側端部（２２）
    は、歯車（２６）を受容するとともに、ロッド（６４）
    が通過する開口部（２３）を含むことを特徴とする、請
    求項９に記載のヘッドライト。