しかしながら前記した従来技術では、遮光シェード4下端側の断面門型基部4aと、この基部4aを支持する支持枠6との摺接面積が大きいため、遮光シェード4の摺動摩擦抵抗が大きく、スピーディかつスムーズにカットラインを変更できないという問題があった。また、スピーディなカットラインの変更には、容量の大きい駆動モータが必要となって、ヘッドランプの低コスト化を妨げる一因ともなっていた。
本発明の目的は、遮光シェードを上下摺動させる際の摺動部の摺接面積を減らすことで、遮光シェードが円滑に上下摺動できる投射型自動車用ヘッドランプを提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に係る投射型自動車用ヘッドランプにおいては、略椀形状のリフレクターと、前記リフレクターの略第1焦点に配置された光源と、前記リフレクターの第2焦点より前方に配置された投射レンズと、前記リフレクターの略第2焦点近傍かつ前記投射レンズの焦点近傍に投射レンズの光軸と略直交する左右方向に延在するように配置され、その上側縁部がリフレクター側から投射レンズに向かう光の一部を遮って所定の配光パターンを形成する配光制御用の遮光シェードとを備え、前記遮光シェードは、前記リフレクターに一体化されたベースに対し上下方向摺動可能に支持されるとともに、前記ベースに支承された左右に延びる偏芯カムにその下端部が摺接するようにばね付勢保持されて、モータ駆動による前記偏芯カムの回動に連係して上下に摺動する投射型自動車用ヘッドランプにおいて、
前記遮光シェードには、上下に延びる長孔をそれぞれ設けた左右一対の下方延出部を形成し、一方、前記ベース側には、前記偏芯カムを支承するとともに、前記下方延出部と左右に相対向する左右一対の柱状部を形成し、前記左右の柱状部には、相対向する下方延出部の長孔にそれぞれ係合して前記遮光シェードを前後左右方向に位置決めしかつ前記遮光シェードの長孔に沿った摺動を可能にする複数の水平ガイドピンを設けるように構成した。
(作用)上下左右に離間する少なくとも3箇所に水平ガイドピンと長孔との係合部を設けることで、遮光シェードは前後左右方向に位置決めされる。なお、遮光シェードの左右方向の具体的な位置決め手段としては、請求項2に示すように、水平ガイドピンの少なくとも1つに、長孔周縁部が係合する溝を設けたり、左右一対の水平ガイドピンに長孔周縁部係合用の段差を設ける等の構成が考えられる。
さらに、水平ガイドピンと長孔との係合により前後左右方向に位置決めされた遮光シェードの下端部が偏芯カムに摺接するようにばね付勢保持されることで、遮光シェードは、上下方向にも位置決めされて、水平ガイドピンと長孔との係合部ががたつくこともない。
そして、モータ駆動による偏芯カムの回動に連係して遮光シェードが上下に平行移動して、遮光シェードの上側縁部によって設定される配光パターンのクリアカットラインが上下方向に移動し、たとえばハイビームやロービームや雨天走行用ビームといった走行状況に対応した種々の配光パターンを形成できる。
そして、遮光シェードが上下に平行移動する際の摺動部は、ベース側の左右の柱状部にそれぞれ設けられた水平ガイドピンと、該水平ガイドピンが係合する遮光シェード側の左右一対の平板状下方延出部に設けられた長孔でのみ構成されていて、摺動部(水平ガイドピンと長孔間の係合部)の摺接面積が非常に小さいため、摺動部の摺動摩擦抵抗はその面積に比例して非常に小さい。特に、摺動部の摺動摩擦抵抗は、水平ガイドピンの断面を円で構成した場合に最小となる。
また、水平ガイドピンと長孔間の係合部における摺動摩擦抵抗を小さくするためには、遮光シェードを偏芯カムに摺接するように保持させるためのばねを水平ガイドピンと長孔間の係合部(摺動部)にできるだけ接近した位置に配設することが望ましい。そして、配光パターンにおけるクリアカットライン形成に寄与する遮光シェードは、駆動モータにおける負荷が最小となるように、偏芯カムの回転支軸の真上においてカム外周面と摺接して上下に移動するように配置されており、この摺接位置と前後方向に一致するように水平ガイドピンと長孔間の係合部(摺動部)を配置することが望ましいが、レイアウトの関係から、水平ガイドピンと長孔間の係合部(摺動部)を遮光シェードと偏芯カムの摺接位置(回転支軸位置)に一致させて配置できない場合がある。このような場合には、水平ガイドピンと長孔間の係合部(摺動部)が遮光シェードと偏芯カムの摺接位置(回転支軸位置)の前後方向にオフセットした位置となるが、それらの位置のオフセット間にばね配設位置を設けることで、摺動部における摺動摩擦抵抗を軽減することが望ましい。
請求項2においては、請求項1に記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、 前記水平ガイドピンの少なくとも1つに、前記長孔周縁部が係合する溝を設けるように構成した。
なお、水平ガイドピンに設ける長孔周縁部係合用の溝としては、水平ガイドピンの左右の側面に相対向する縦溝として平行に設けてもよいが、水平ガイドピンをベース側の柱状部に取着する際に、溝が上下方向となるように水平ガイドピンを周方向に位置決めする必要があるので、これを省くために、長孔周縁部係合用の溝は水平ガイドピンに周設することが望ましい。
(作用)遮光シェードの平板状下方延出部に設けられている長孔の周縁部が、該長孔に係合する水平ガイドピンに設けられている溝に係合することで、遮光シェードは水平ガイドピンの長手方向(ベース側の左右一対の柱状部に対し左右方向)に位置決めされる。即ち、遮光シェードは、左右方向に正確に位置決めされた形態で上下方向に摺動するので、配光切り替え時のクリアカットラインは左右にぶれることなく上下に移動する。
また、水平ガイドピン側の溝とこの溝に係合する長孔周縁部も、遮光シェードが上下に平行移動する際の摺動部を構成し、この摺動部において摺動摩擦抵抗が発生するが、この摺動部(水平ガイドピン側の溝とこの溝に係合する長孔周縁部)の摺接面積も非常に小さいことから、この摺動部に発生する摺動摩擦抵抗も非常に小さい。
請求項3においては、請求項1または2に記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、前記遮光シェードを板金の成形体で構成するようにした。
(作用)遮光シェードを板金の成形体で構成したので、遮光シェードの製造が容易となる。また、板金製の遮光シェード(の下方延出部)は板厚が薄い分、相対摺動部(水平ガイドピンと長孔間の係合部)の摺接面積が小さく、それだけ摺動部の摺動摩擦抵抗が小さい。また、板金製の遮光シェードは軽量であるため、遮光シェードを偏芯カムに摺接するように付勢保持するためのばね力はそれだけ小さくてよく、遮光シェードと偏芯カムの摺接面に作用する摩擦力も当然小さくなる。したがって、遮光シェードを上下に摺動させるための駆動モータにおける負荷がそれだけ軽減される。
請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、前記水平ガイドピンを、前記左右一対の下方延出部における長孔を貫通して前記左右一対の柱状部にその両端が固定された第1の水平ガイドピンと、少なくとも前記左右いずれか一方の柱状部に設けられた前記第1のガイドピンより上方または下方の第2の水平ガイドピンで構成するようにした。
(作用)遮光シェードを左右一対の長孔に沿って上下方向に摺動させるためには、上下左右に離間する少なくとも3箇所の水平ガイドピンと長孔との係合部が必要であるが、左右の2箇所の係合部を構成する水平ガイドピンを1本の長い第1の水平ガイドピンで構成したので、水平ガイドピンは2本で済む。
なお、水平ガイドピンとして左右のガイドピンを一体化した1本の長い水平ガイドピンを使用する場合は、柱状部間に配置された左右一対の偏芯カムと干渉しないように、柱状部下方に配設し、柱状部上方には、偏芯カムと干渉するおそれのない短い水平ガイドピンを配設することが望ましい。
請求項5においては、請求項1〜4のいずれかに記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、前記偏芯カムを、前記左右一対の柱状部に支承された回転支軸に所定距離離間させて配置した一対のカムで構成した。
(作用)偏芯カムを単一のカムで構成する場合は、遮光シェードの左右方向の揺動(前後軸周りの揺動)が阻止されて遮光シェードが偏芯カムに安定して摺接するようにばね付勢保持されるためには、カムの巾を遮光シェードの長さに応じてある程度大きくしたり、ばね力を高める必要があり、それだけカムの重量の増加や、遮光シェードと偏芯カムとの摺接面に作用する摺動摩擦抵抗の増加により、駆動モータにかかる負荷が増大するおそれがあるが、偏芯カムを左右一対の分割したカムで構成したので、たとえそれぞれのカムの巾が小さくても、遮光シェードを一対のカムに安定して摺接する状態に保持できるので、偏芯カムの軽量化や遮光シェードと偏芯カムとの摺接面に作用する摺動摩擦抵抗の低減により、駆動モータにかかる負荷が減少する。
請求項6においては、請求項1〜5のいずれかに記載の投射型自動車用ヘッドランプにおいて、前記ベースに、前記遮光シェード上方の光通過領域と該光通過領域の上方に大きく外れた退避領域との間を上下方向に揺動する揺動アーム型の第2の遮光シェードを設け、前記第2の遮光シェードの揺動アーム部が前記偏芯カムの回転支軸に連結した第2の偏芯カムに倣い動作することで、第2の遮光シェードが上下方向に揺動するように構成した。
(作用)モータ駆動による偏芯カムの回動に連係して遮光シェードが上下に平行移動し、遮光シェード(の上側縁部)に対応する配光パターンのクリアカットラインが上下に移動して、たとえばハイビームやロービーや雨天走行用ビームといった走行状況に対応した配光パターンが形成される。また、偏芯カムの回動に連動して第2の偏芯カムが回動し、揺動アーム型の第2の遮光シェードが揺動して遮光シェード上方の光通過領域における所定位置に第2のシェードが配置された形態となって、車両前方への照射光のうち所定の一部の領域に向かう光だけがこの第2のシェードによって遮光され、車両前方の一部の領域における照射光量が低下した所定の配光が形成される。
例えば、雨天用ビームを照射するための配光切替操作が行われたときには、遮光シェードが上下方向所定位置となり、その遮光シェードの上側縁部によって雨天時に最適なクリアカットライン位置となる配光パターンが形成されるとともに、第2のシェード(ウエットシェード)が上方の退避領域から揺動して光通過領域における所定位置まで垂下し、この第2のシェード(ウエットシェード)によって投射レンズに向かう光の一部(車両手前の一部の路面を照射するための光)が遮光される。このため、車両手前の路面の一部領域への照射光量が少なくなって、雨天走行時の濡れた路面反射による視認性の低下や対向車へのグレアの発生という不具合がない。また、霧の中を走行する際には、車両手前の路面の一部領域への照射光量が少なくなって、ヘッドランプの強い照射光が車両前方の霧で散乱し白く光って路面が全く見えないという不具合もない。
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る投射型自動車用ヘッドランプによれば、遮光シェードが上下に平行移動する際の摺動部の摺接面積(摺動摩擦抵抗)が小さいので、遮光シェードが円滑に上下摺動し、スピーディかつスムーズにクリアカットライン位置を上下方向に変更できる。
また、遮光シェードが上下に平行移動する際の摺動部の摺接面積(摺動摩擦抵抗)が小さく、遮光シェードの円滑な上下摺動を確保できるので、低価格な小容量モータを使用することで、投射型自動車用ヘッドランプの低価格化が実現できる。
請求項2によれば、クリアカットラインの左右への変位を伴うことなく、スピーディかつスムーズにクリアカットライン位置を上下方向に変更できるので、配光切り替え時の前方視認性が低下することもない。
請求項3によれば、遮光シェードを上下に摺動させるための駆動モータに作用する負荷が非常に小さいので、よりスピーディかつスムーズにクリアカットライン位置を上下方向に変更できる。
また、小容量モータ使用のスピーディかつスムーズなクリアカットライン位置の変更が可能な軽量かつ低価格の投射型自動車用ヘッドランプを提供できる。
請求項4によれば、水平ガイドピンは2本で、それだけ遮光シェードの摺動機構の構成が簡潔となる。
請求項5によれば、遮光シェードを上下に摺動させるための駆動モータに作用する負荷がさらに一層小さいので、より一層スピーディかつスムーズにクリアカットライン位置を上下方向に変更できる。
また、小容量モータ使用のよりスピーディかつスムーズなクリアカットライン位置の変更が可能な軽量かつ低価格の投射型自動車用ヘッドランプを提供できる。
請求項6によれば、遮光シェードの上下位置に対応する所定高さのクリアカットラインをもつ配光パターンで、車両前方照射領域の一部の領域における照射光量が低下した所定の配光を形成できる。
例えば、フォグランプ等の補助ランプを備えることなく、雨天や霧発生時の走行時に前方及び両サイドの路面部分がよく見えかつ対向車へのグレア発生のおそれもないヘッドランプを提供できる。さらに、第2のシェードが上下に移動(揺動)することでヘッドランプの照明光量が変化する領域は、路面照射パターンの手前(車両近傍)側に限られるので、運転者にとって配光の違和感をほとんど認識することもない。
次に、本発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。図1〜14は、本発明の一実施例である投射型自動車用ヘッドランプを示し、図1は投射型自動車用ヘッドランプの要部である光投射ユニットの分解斜視図、図2は同ヘッドランプの光軸位置での縦断面図、図3は同光投射ユニットの側面図、図4は一部を断面で示す同光投射ユニットの平面図、図5はユニットフレームに一体化された同光投射ユニットからリフレクタを取り外して後方から見た背面図、図6は光投射ユニットに一体化された配光切替機構の背面斜視図、図7は同配光切替機構の正面斜視図、図8は遮光シェードの正面斜視図、図9は遮光シェードの背面斜視図、図10は偏芯カム(回転支軸)と遮光シェード側の長孔(柱状部側の水平ガイドピン)と圧縮コイルばねの平面配置図、図11(a)は偏芯カムに摺接する遮光シェードとウェットカムに倣い動作するウェットシェードの側面配置図、同(b)は偏芯カムの回転支軸周方向における所定のビーム対応位置を示す図、同(c)は所定のビームとそれに対応する遮光シェードおよびウェットシェードの上下方向相対高さを示す図、図12は所定のビームに対応する遮光シェードの上下方向の位置を示す背面図、図13は所定のビームに対応する配光スクリーン上への照射配光パターンを示す図、図14は所定のビームに対応する路面上への照射配光パターンを示す図である。
これらの図(特に、図2)において、投射型自動車用ヘッドランプのランプボディ10は容器状に形成されており、ランプボディ10の前面開口部には、前面レンズ12が組み付けられて灯室Sが画成されている。灯室S内には、エイミング機構によってヘッドランプの照射軸(光投射ユニット14の光軸)Lを傾動調整できるように、またスイブル機構によって左右方向に同光軸Lをスイブル可能に光投射ユニット14が収容されている。
即ち、光投射ユニット14には、同軸状に上下一対の支軸22a,22bが設けられ、中央が開口(開口部101)する正面視略矩形枠状のユニットフレーム100(図5参照)における上面壁100aと下面壁100bに支軸22a,22bが支承されて、ユニットフレーム100に対し光投射ユニット14がスイブル軸L22(図2,5参照)周りに左右方向揺動可能に構成されている。また、下方の支軸22bは、ユニットフレーム100の下面壁100bに固定されたスイブルアクチュエータ40の出力軸で構成されている。そして、スイブルアクチュエータ40の正逆回転可能な出力軸である支軸22bは、光投射ユニット14(のレンズホルダ30)に固定一体化されており、スイブルアクチュエータ40の駆動(支軸22bの回動)により光投射ユニット14が左右方向に揺動(スイブル)する。例えば、ハンドル操舵に連係してスイブルアクチュエータ40が駆動し、ハンドル操舵方向にしかも操舵量に比例して光投射ユニット14がスイブルして、車両のハンドル操舵方向前方が明るく照明される。
一方、ランプボディ10とユニットフレーム100間に介装されているエイミング機構は、図示して説明しないが、左右エイミングスクリューと上下エイミングスクリューと前記2本のエイミングスクリューに対し正面視直交する位置に設けられた玉継手などの傾動支点で主として構成されている。そして、ユニットフレーム100に一体化されている光投射ユニット14からリフレクタ26を取り外して後方から見た背面図を示す図5において、ユニットフレーム100の左上コーナ部には、上下エイミングスクリューに螺合するナット部材挿着用の上下に長い矩形状の孔102aが、ユニットフレーム100の右下コーナ部には、左右エイミングスクリューに螺合するナット部材挿着用の左右に長い矩形状の孔102bが、ユニットフレーム100の左下コーナ部には、玉継手などの傾動支点構成部材挿着用の円孔102cがそれぞれ形成されている。なお、本実施例では、光投射ユニット14がエイミング機構で支持されているが、光投射ユニット14がエイミング機構ではなくオートレベリング機構によって支持されている場合には、ランプボディ10に固定されたレベリング用アクチュエータ(図示せず)の前後進退動作可能な摺動子(図示せず)が前方に延出し、この摺動子の先端部を支承するナット部材が孔102aに挿着されることになる。
そして、上下エイミングスクリューおよび左右エイミングスクリューを回動操作すれば、ユニットフレーム100と光投射ユニット14が一体に傾動するので、上下エイミングスクリューおよび左右エイミングスクリューによってヘッドランプの照射軸(光投射ユニット14の光軸)Lを上下左右方向に傾動調整(エイミング)できる。符号18は、光投射ユニット14を取り囲み、傾動調整やスイブル可能なユニットフレーム100(光投射ユニット14)と干渉しないように配設されたエクステンションリフレクターである。
光投射ユニット14は、光源である放電バルブ24の挿着された前面側が開口する略椀形状で正面視略楕円体形状のアルミダイキャスト製リフレクター26と、リフレクター26の前方に配置された投射レンズ28と、筒形状に形成されてその軸方向後端部がリフレクター26の前面側にねじ固定されたアルミダイキャスト製レンズホルダー30とが一体化された構造で、投射レンズ28を把持する円環状の取付金具32はレンズホルダー30にねじ固定されている。図2における符号16は、ランプボディ10の底部に固定されたバラスト回路ユニットで、バラスト回路ユニット16から導出した出力ケーブル17が放電バルブ24の後端部に接続されている。
リフレクター26の内側にはアルミ蒸着処理された楕円反射面26aが形成され、この楕円反射面26aは第1焦点F1と第2焦点F2とを有し、第1焦点F1位置には放電バルブ24の放電中心が位置している。また第2焦点F2付近であって投射レンズ28の焦点位置には、リフレクター26で反射して投射レンズ28に向かう光の一部を遮ってクリアカットラインを形成するための板金製の遮光シェード34が設けられている。この遮光シェード34位置には、リフレクター26で反射したバルブ24からの出射光が集光し、集光した光が遮光シェード34の前方に導かれ、投射レンズ28によってヘッドランプの前方に略平行光となって投射配光される。
そして、遮光シェード34は、図8,9に示すように、クリアカットライン形成用の上側縁部34a1が設けられた左右に延在する立壁状の遮光シェード本体34aに、後述する偏芯カム36(36A,36B)との摺接部である左右に延在する水平プレート部34b1が形成された脚部34bが溶接により一体化された構造で、遮光シェード本体34aは、投射レンズ28の収差の影響がないように後方凸に湾曲した形状に形成されて、上側縁部34a1によって形成されるクリアカットラインの鮮明化が図られている。また、水平プレート部34b1両端側における遮光シェード本体34aから前方側(投射レンズ28側)にわずかにオフセットした位置には、後述する水平ガイドピン37(37A,37B)係合用の上下に延びる長孔34cをそれぞれ設けた左右一対の下方延出部34b2が屈曲形成されている。
この遮光シェード34は、その水平プレート部34b1が偏芯カム36(36A,36B)に摺接するように載置されており、偏芯カム36(36A,36B)の回動に連係して遮光シェード34が上下方向に摺動して、遮光シェード34(の上側縁部34a1)の上下位置に対応するクリアカットラインをもつ配光パターン(図13,14参照)が形成されるようになっている。
即ち、レンズホルダ30に一体化されたベース76には、図6,7に示す遮光シェード34を含む配光切替機構Xが組み付け一体化されている。符号77は、遮光シェード34の左右一対の下方延出部34b2に相対向するようにベース76上に立設された左右一対の柱状部で、柱状部77,77間には、左右方向に延在する回転支軸(カム軸)35が支承され、回転支軸(カム軸)35には、一対の偏芯カム36(36A,36B)が離間して設けられている。また、柱状部77における遮光シェード34の下方延出部34b2に相対向する位置には、下方延出部34b2の長孔34cにそれぞれ係合する上下2本の水平ガイドピン37(37A,37B)が設けられている。
下側の水平ガイドピン37Aは、長い長尺ピンで構成され、柱状部77に接近して配置された偏芯カム36(36A,36B)と干渉しないように左右一対の柱状部77、77間の下方位置に架設されて、左右の下方延出部34b2のそれぞれの長孔34cを貫通して左右に延在している。一方、偏芯カム36(36A,36B)と干渉するおそれのない短ピンで構成された上側の水平ガイドピン37Bは、正面視右側の柱状部77上側に設けられて、相対向する下方延出部34b2の長孔34cに係合している。このように、水平ガイドピン37(37A,37B)と長孔34c間の上下左右3箇所の係合部により、遮光シェード34は前後方向に位置決めされている。また、短い水平ガイドピン37Bには、長孔34c周縁部係合用の溝38が周設されており、この溝38に長孔34c周縁部が係合することで、遮光シェード34は左右方向にも位置決めされている。なお、符号34dは、水平ガイドピン37Bを長孔34cに係合させるための拡大された開口部である。
また、遮光シェード34の左右両端部とベース76間には、それぞれ圧縮コイルばね39が介装されて、遮光シェード34の水平プレート部34b1底面が偏芯カム36(36A,36B)の外周面に摺接するように付勢保持されている。
即ち、水平ガイドピン37A,37Bと長孔34cとの係合により前後左右方向に位置決めされた遮光シェード34の下端部が偏芯カム36(36A,36B)に摺接するようにばね付勢されることで、遮光シェード34は、上下方向にも位置決めされて、水平ガイドピン37A,37Bと長孔34cとの係合部ががたつくこともない。具体的には、水平ガイドピン37A,37Bと長孔34c間係合部に作用する圧接力が圧縮コイルばね39のばね付勢力に釣り合った形態に保持されている。
そして、遮光シェード34の偏芯カム36(36A,36B)との摺接位置(回転支軸35位置)と前後方向(光軸Lに沿った方向)に同位置となるように、水平ガイドピン37(37A,37B)および長孔34cを配置しかつ圧縮コイルばね39を介装することが、摺動部である水平ガイドピン37(37A,37B)と長孔34c間係合部の摺動摩擦が少なくて遮光シェード34を長孔34cに沿って上下方向に円滑に摺動させる上で最も望ましいが、遮光シェード34の偏芯カム36(36A,36B)との摺接位置(回転支軸35位置)に水平ガイドピン37(37A,37B)と長孔34cとの係合部を設けることは実際には困難である。
そこで、本実施例では、図10に示すように、上下に延びる長孔34cをそれぞれ設けた左右一対の下方延出部34b2を遮光シェード34前方側(投射レンズ28側)にわずかにオフセットした位置に形成するとともに、遮光シェード34の偏芯カム36(36A,36B)との摺接位置(回転支軸35位置)P1とピン・長孔34c係合位置P2との略中間位置P3に圧縮コイルばね39を介装することで、水平ガイドピン37(37A,37B)と長孔34cとの摺動部に作用する摺動摩擦力が軽減されるように工夫されている。
また、偏芯カム36を特許文献1(図17,18参照)に示すように、単一のカムで構成する場合は、遮光シェードが揺動することなく偏芯カムに安定して摺接するようにばね付勢保持されるためには、カムの巾を遮光シェードの長さに応じてある程度大きくしたり、ばね力を高める必要があり、それだけカムの重量の増加や、遮光シェードと偏芯カムとの摺接面に作用する摺動摩擦抵抗の増加により、駆動モータにかかる負荷が増大するおそれがある。しかし、本実施例では、偏芯カム36を左右一対の分割した同一形状のカム36A,36Bで構成したので、遮光シェード34の両端側がカム36A,36Bに摺接し、たとえそれぞれのカム36A,36Bの巾が小さくても、また圧縮コイルばね39のばね力をそれほど高めなくても、遮光シェード34を一対のカム36A,36Bに安定して摺接する状態に保持でき、偏芯カム36A,36Bの軽量化や遮光シェード34と偏芯カム36A,36Bとの摺接面に作用する摺動摩擦抵抗の低減効果により、駆動モータ58にかかる負荷が減少することになる。
また、回転支軸35には上ヘリカルギア62が軸着され、この上ヘリカルギア62にはベース側ブラケット76a,76bに支承されて前後方向に延在する連結軸66の下ヘリカルギア64が噛み合って、直交変換ギア機構56が構成されており、ステッピングモータ58の回転駆動力は直交変換ギア機構56を介して回転支軸35(偏芯カム36)に伝達される。符号68,70は連結軸66,モータ出力軸60にそれぞれ設けられた平ギア、図4符号59は、ステッピングモータ58の回転角を検出するための位置検出器(ポテンショメータ)である。
また、ベース76には、図3,4,6および図11(b)に示すように、連結軸66に突設されたストッパピン78の回動路上に突出してストッパピン78を掛止するストッパ部79(79a,79b)が形成されており、ストッパピン78の回動可能範囲(例えば、0〜270度)において偏芯カム36(回転支軸35)が正逆方向に回動できる。
また、回転支軸35の端部には、ヘリカルギア62に隣接して第2の偏芯カムであるウェットカム52が軸着されている。
一方、遮光シェード34の上方には、ウェットカム52によって動作する正面視長方形状のウエットシェード本体82が上下動自在に配置されている。ウエットシェード本体82は、レンズホルダー30の側方位置において、ベース側ブラケット76cに設けられたピン88支点周りに揺動可能で、レンズホルダー30の上側方の切欠き30aを横切るように配置された正面視コ字形状の揺動アーム84の先端側に一体に形成されている。このウエットシェード本体82は、雨天走行用のシェードとして、雨天時の配光パターンを形成するときにのみ、遮光シェード34上方の領域のうち照射軸(光軸)L近傍の領域に下降(垂下)し、それ以外のときには遮光シェード34から大きく上方に離れてレンズホルダー30側に移動し、配光パターンに影響を与えないようになっている。
また、揺動アーム84の基端側は、板ばねで構成された帯状の湾曲するカムフォロワ86に連結されている。具体的には、ウエットシェード81を構成するウエットシェード本体82および揺動アーム84と、カムフォロワ86とが板ばね状の板金一体成形体で構成されている。そして、カムフォロワ86の先端側はウエットカム52の外周面に押圧され、基端側はピン88を介してベース側ブラケット76cに固定されている。
すなわち、このカムフォロワ86の基端部とベース側ブラケット76cとの間にはコイルばね90が装着され、コイルばね90の一端側90aはブラケット76cに係止され、他端側90bはカムフォロワ86の上面側に係止されて、カムフォロワ86がウエットカム52の外周面を押圧する方向にコイルばね90のばね力(弾性力)が作用している。
このウエットカム52は、偏芯カム36(回転支軸35)とともに正逆方向に回動し、カムフォロワ86がウエットカム52の長径側の外周面と接触している間は、図3仮想線で示すように、ウェットシェード本体82が遮光シェード34から離れた位置(遮光シェード34の上方に大きく離れた位置)に配置され、一方、カムフォロワ86がウエットカム52の短径側の外周面と接触したときには、図3実線で示すように、ウェットシェード本体82が鉛直方向に垂下して遮光シェード34の上方近傍に配置されるとともに、同時に遮光シェード34の上側縁部が照射軸(光軸)Lの近傍にくるようになっている。
すなわち、ウェットシェード本体82は、ウエットカム52の外周面を倣うカムフォロワ86に揺動アーム84を介して一体化されており、ウエットカム52は、雨天用ビームを照射するための配光切替操作に基づく偏芯カム36(回転支軸35)の回動に連動して、短径側がカムフォロワ86に摺接し、それ以外のビームを照射するための配光切替操作に基づく偏芯カム36(回転支軸35)の回動に連動して、長径側がカムフォロワ86に摺接するようになっている。そして、揺動アーム84は、カムフォロア86との連結点を支点として遮光シェード34の上方まで延在してウエットシェード本体82を支持し、カムフォロア86がウエットカム52の短径側に対応する位置となったときにウェットシェード本体82を光の通過領域まで垂下させ、カムフォロア86がウエットカム52の長径側に対応する位置となったときにはウエットシェード本体82を退避領域まで上昇させるようになっている。このため、ステッピングモータ58の駆動に伴う偏芯カム36(回転支軸35)の回動に連動してウエットカム52が回動し、ウエットカム52の回動位置に応じてウエットシェード本体82が光の通過領域と退避領域との間を移動するので、遮光シェード34上下摺動用のステッピングモータ58によってウエットシェード本体82の位置も制御することができる。
また、揺動アーム84は、遮光シェード34上方の光通過領域を跨ぐように形成されており、揺動アーム84が揺動する際、およびウエットシェード本体82が光通過領域内に配置された形態となった場合においても、揺動アーム84は光通過領域を跨ぐ形態に保持されて、遮光シェード34上方の光通過領域を通って投射レンズ28に向かう光を遮光しない。
さらに、揺動アーム84先端においてウエットシェード本体82を上方から垂直に支持する部位84aは、揺動アーム84の水平領域84bに対し直交するように屈曲して、その板幅方向が光軸L方向に一致している。このため、揺動アーム84の先端部位84aの板厚相当の面積だけが光通過領域における光を遮光するが、その遮光量は配光を形成する上で無視できる。
また、偏芯カム36(36A,36B)の外周形状は、図11(a)に示すように、半径R1が最も短いハイビームHi−L対応位置36aを0度とし、この0度位置から半径R4が最も大きいロービームLo−L対応位置36dまでの円周方向の角度差270度の間に、半径R2,R3が徐々に大きくなる高速用ビームMW−L対応位置36bおよび雨天用ビーム(ウエットビーム)Wet−L対応位置36cが90度間隔に設けられている。そして、偏芯カム36(36A,36B)が回動して、各ビーム対応位置36a〜36dが遮光シェード34との摺接位置(回転軸35の真上位置)となることで、図11(c)に示すように、遮光シェード34の位置(高さ)がそれぞれ変化する。
一方、回転支軸35に連結一体化されているウェットカム52では、その外周形状短径部52cが偏芯カム36の雨天用ビーム(ウエットビーム)Wet−L対応位置36cに対応している。即ち、偏芯カム36(回転支軸35)が図11(b)に示す初期位置(ストッパピン78がストッパ部79aに当接する位置)から正方向に180度回動し、図11(a)に示すように、雨天用ビーム(ウエットビーム)Wet−L対応位置36cが遮光シェード34との摺接位置となると、カムフォロワ86がウエットカム52の短径部52cに係合して、ウェットシェード本体82が鉛直方向に垂下して遮光シェード34の上方近傍に配置されることを示している。
そして、運転者により、いずれかのビームを照射するための配光切替操作が行なわれると、操作に応じて偏芯カム36(回転支軸35)が回動して、遮光シェード34が上下に摺動することで、配光が切り替わるようになっている。
すなわち、ステッピングモータ58はリード線(図示せず)を介して制御回路(図示せず)に接続されており、制御回路には運転者が操作するための配光切替用操作スイッチ(図示せず)からの信号が入力される。そして、運転者の配光切替操作により、例えば、図11(b)に示すように、左配光用のハイビームHi−Lを形成する初期位置から、同高速用ビームMW−L、同雨天用ビーム(ウエットビーム)Wet−L、同ロービームLo−Lの順に照射すべきビームが選択されたときには、制御回路からステッピングモータ58に対して、操作スイッチの操作位置に応じたパルス信号が順次出力される。これにより、ステッピングモータ58が正方向に回動し、ステッピングモータ58が正方向に回動する過程で、偏芯カム36(回転支軸35)が正方向に回転し、遮光シェード34が順次上方に移動するようになっている。
具体的には、左配光用のハイビームHi−Lが選択されると、遮光シェード34は図12(a)に示される位置となって、図13(a),14(a)に示す配光パターンが形成され、高速用ビームMW−Lが選択されると、遮光シェード34は図12(b)に示される位置となって、図13(b),14(b)に示す配光パターンが形成され、雨天用ビーム(ウエットビーム)Wet−Lが選択されると、遮光シェード34は図12(c)に示される位置となって、図13(c),14(c)に示す配光パターンが形成され、ロービームLo−Lが選択されると、遮光シェード34は図12(d)に示される位置となって、図13(d),14(d)に示す配光パターンが形成される。
特に、雨天用ビームを照射するための配光切替操作時には、偏芯カム36の回動により遮光シェード34が摺動(上昇)するとともに、回動するウェットカム52に倣い動作するウェットシェード本体82は、図12に示すように、上方の退避領域から遮光シェード34の上方近傍位置まで垂下し、リフレクター26で反射されて投射レンズ28に向かう光のうち車両手前の一部の路面を照射するための光を遮るようになっている。このため、雨天や霧発生時の走行の際、前方及び両サイドの路面部分がよく見えるとともに、対向車にグレアを与えることもない。
また、配光を逆方向に切り替える際、即ち、ストッパピン78がストッパ部79bに当接する左配光用ロービームLo−L形成位置から、同雨天用ビーム(ウエットビーム)Wet−L、同高速用ビームMW−Lおよび同ハイビームHi−Lの順に照射すべきビームが選択されたときにも、制御回路からステッピングモータ58に対して、操作スイッチの操作位置に応じたパルス信号が順次出力され、これにより、ステッピングモータ58が逆方向に回動し、ステッピングモータ58が逆方向に回動する過程で、偏芯カム36(回転支軸35)が逆方向に回転し、遮光シェード34が順次下方に移動するようになっている。
この場合も、前記した正方向の切り替えにおいて得られると同様の図13,14に示す配光パターンが得られる。
図15および図16は、本発明の第2の実施例である投射型自動車用ヘッドランプを示し、図15は投射型自動車用ヘッドランプの要部である光投射ユニットの分解斜視図、図16は配光切替機構の要部斜視図である。
前記した第1の実施例における光投射ユニット14では、直交変換ギヤ機構56を介してステッピングモータ58の駆動力が回転支軸35(偏芯カム36およびウェットカム52)に伝達されるように構成されているが、この第2の実施例の光投射ユニット14Aでは、ステッピングモータ58の出力軸60と回転支軸35(偏芯カム36およびウェットカム52)とが直列に連結されている。即ち、回転支軸35の軸方向一端側には、ウエットカム52、オルダム継手56A、ステッピングモータ58が直列に連結配置されている。ステッピングモータ58は、配光切替操作に伴って発生するパルス信号に応答して、回転支軸35(偏芯カム36およびウェットシェード52)を所定角度回転駆動するための駆動力を発生する駆動源として構成されている。そして、ステッピングモータ58の出力軸60と回転支軸35(偏芯カム36およびウェットカム52)間にはオルダム継手56Aが介装されているため、出力軸60と回転支軸35との軸ずれを防止できる。
また、オルダム継手56Aの外周には、ストッパピン78を突出形成した円盤72が固定され、モータブラケット76bに設けたストッパ部(図示せず)にストッパピン78が掛止されることで、回転支軸35(偏芯カム36およびウェットカム52)の回動範囲が規定されている。
また、前記した第1の実施例における配光切替機構Xでは、遮光シェード34の左右方向の位置決め手段として、柱状部77に設けた1本の上側の水平ガイドピン37Bに長孔34c周縁部係合用の溝38を設けているが、この第2の実施例における配光切替機構X1では、左右の柱状部77,77にそれぞれ上側の水平ガイドピン37Cが対向して設けられ、それぞれの水平ガイドピン37Cの先端部に、遮光シェード34側下方延出部34b2の長孔34cおよび長孔34c周縁部に係合する段差部38aが設けられて、遮光シェード34が左右方向に位置決めされるように構成されている。そして、水平ガイドピン37A,37Cと長孔34cとの係合部(摺動部)が4箇所となることで、遮光シェード34はより正確に上下方向に平行移動できる。
その他の構成は前記した第1の実施例と同一であり、同一の符号を付すことでその重複した説明は省略する。
この第2実施例では、回転支軸35(偏芯カム36およびウェットシェード52)がオルダム継手56Aを介してモータ58に直列に連結されており、回転支軸35とモータ58間にギア数の多い直交変換ギア機構56を介装した前記第1の実施例と比べて、部品点数が少なく構成が簡潔で、それだけ製造コストも安価である。また、駆動力伝達機構を構成する部品点数が少ない分、駆動力伝達機構によって伝達される動力の損失が少なく駆動力伝達効率に優れ、遮光シェード34およびウェットシェード82の駆動源として小容量のモータを利用することで、それだけ低コスト化できる。
なお、前記した実施例では、柱状部77,77間に架設した下方の長い第1のガイドピン37Aが遮光シェード34側の左右一対の下方延出部34b2に形成した長孔34cにそれぞれ係合するように構成されているが、長い1本の第1のガイドピン37Aに代えて、左右の柱状部77,77それぞれに取着された左右一対の下方の短い水平ガイドピンが相対向する長孔38cに係合する構成であってもよい。
また、前記した実施例では、遮光シェード34が板金製遮光シェード本体34aと板金製脚部34bの2部材で構成されていたが、板金の一体成形体で構成してもよい。