JPH0762581A - 連続洗浄装置 - Google Patents

連続洗浄装置

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JPH0762581A
JPH0762581A JP20919893A JP20919893A JPH0762581A JP H0762581 A JPH0762581 A JP H0762581A JP 20919893 A JP20919893 A JP 20919893A JP 20919893 A JP20919893 A JP 20919893A JP H0762581 A JPH0762581 A JP H0762581A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属帯材等の被洗浄物を有機溶剤を用いて連続
的に脱脂する洗浄装置において、有機溶剤のロスを大幅
に低減し作業環境を改善すると共に、有機溶剤がオゾン
層破壊あるいは地球温暖化物質である時、その防止に効
果を挙げる洗浄装置を提供するものであり、溶剤が可燃
性溶剤である時には、ロス低減の他に可燃性の危険性を
回避する洗浄装置を提供するものである。 【構成】被洗浄物を連続的に有機溶剤で洗浄する洗浄室
を有し、該洗浄室の被洗浄物の出入口には液貯留槽が設
けられて洗浄室の内部と外部の気体が遮断されてなり、
該液貯留槽の洗浄室の内側および外側にはそれぞれ被洗
浄物の通過のために開口部が設けられており、被洗浄物
は液貯留槽の開口部を経由して液中を通過することによ
って洗浄室に搬送される連続洗浄装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属帯材または金属線
材等の被洗浄物を連続的に走行させて、有機溶剤を用い
て脱脂洗浄する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属帯材または金属線材等の被洗浄物を
有機溶剤を用いて連続的に脱脂洗浄する装置はよく知ら
れている。例えば、走行する被洗浄物に洗浄室内で有機
溶剤をスプレーするかまたはシャワーを行う手段を有す
る洗浄装置、更にそれに加えて機械的力を与えるための
回転ブラシ等を備えた洗浄装置、また、被洗浄物を有機
溶剤を満たした洗浄槽中を通過走行させる手段を有する
洗浄装置、更にそれに加えてブラシ、超音波等の物理的
力を与える手段を有する洗浄装置が知られている。ま
た、この洗浄室のすぐ後に乾燥室を設けて、有機溶剤を
蒸発させて乾燥を行うことも普通に行われている方法で
ある。
【0003】この時の有機溶剤としては、1,1,1−
トリクロロエタン、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ある
いは炭化水素系、石油系の有機溶剤等が使用されてい
る。これら有機溶剤の洗浄装置からの漏洩が、作業環境
の悪化、人体への影響、さらには有機溶剤が塩素系溶剤
の場合、オゾン層保護対策という全地球的環境対策上か
らも問題となっていた。
【0004】このために、有機溶剤の洗浄装置からの漏
洩を防止する手段が種々講じられてきた。例えば、図3
に示すように、洗浄室2および乾燥室6よりなり、金属
帯材等を有機溶剤1中に浸漬するとともに洗浄用シャワ
ーノズル4から有機溶剤をシャワーして洗浄用回転ブラ
シ3で洗浄した後に絞りロール5で被洗浄物に付着した
有機溶剤を取り除き、その後熱風を吹き付けて乾燥を行
う洗浄装置であって、洗浄装置の出入口20および21
の近傍に、有機溶剤のロスを減少させるために開口部を
できるだけ小さくするようにシールロール13を設けた
洗浄装置、あるいは更にそれでも出来る隙間を小さくす
るために種々の遮蔽物を設けた洗浄装置が知られてい
る。また、被洗浄物の出入口の外側にバッファを設けて
この部屋の下部より吸引ポンプ11にて外部の空気と漏
れだしてくる有機溶剤蒸気との混合蒸気を吸引して、有
機溶剤の回収装置10へ導くようにした洗浄装置も知ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シール
ロールや遮蔽物を設置した装置では有機溶剤の漏洩を良
好に防止することはできず、また、有機溶剤の回収装置
が付設された装置では、回収装置の負荷量が大きいとい
う問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】洗浄室からの有機溶剤の
漏洩が生じると洗浄室内に外気が導入され、そのために
洗浄室内の有機溶剤の蒸気圧が低下する。そしてさらに
有機溶剤の蒸発が促進され、それが漏洩するという循環
が生じる。したがって、洗浄室と外気との間を完全に遮
断して、実質上、洗浄室内への空気の導入を止めれば、
洗浄室内の有機溶剤蒸気濃度は次第に上昇して時間当た
りの有機溶剤蒸気発生量は次第に低下してくることが予
想され、飽和濃度に近づけば、実質上、有機溶剤蒸気発
生量は零になることも期待される。したがって、本発明
者らは洗浄室と外気とを完全に遮断することを目的とし
て、洗浄室の出入口に液シール構造を設置し、それによ
って本発明の目的を達成することに成功し、本発明を完
成させるにいたった。
【0007】即ち、本発明は、被洗浄物を連続的に有機
溶剤で洗浄する洗浄室を有し、該洗浄室の被洗浄物の出
入口には液貯留槽が設けられて洗浄室の内部と外部の気
体が遮断されてなり、該液貯留槽の洗浄室内側および外
側にはそれぞれ被洗浄物の通過のために開口部が設けら
れており、被洗浄物は該開口部を経由して液貯留槽内の
液中を通過することによって洗浄室に搬送されることを
特徴とする連続洗浄装置である。
【0008】本発明において用いられる被洗浄物は連続
洗浄し得るものであればその形状、材質に特に制限され
るものではない。一般にはその形状は、帯材、線材等の
連続形状であるものが好適であり、また、その材質は金
属、プラスチック等が好適である。本発明においては、
メッシュコンベア上に並べて、あるいはメッシュコンベ
アで上下を挟み込む等の方法により連続搬送可能であれ
ば連続形状でなくても被洗浄物として使用可能である。
【0009】本発明における有機溶剤は脱脂洗浄に使用
される公知の有機溶剤を何等制限なく用いることができ
る。例えば、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエ
タン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の
塩素系溶剤、CFC(クロロフルオロカーボン)、HC
FC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハ
イドロフルオロカーボン)、フッ素化アルコール等で総
称されるフッ素系溶剤、アルコール系あるいは炭化水素
系あるいは石油系の溶剤等を挙げることができる。
【0010】本発明の洗浄室の被洗浄物の出入口には液
貯留槽が設けられており、洗浄室の内部と外部の気体は
液貯留槽によって遮断されている。したがって、液貯留
槽の本体部分では勿論のこと、液貯留槽の上方および下
方においても洗浄室の内部と外部は、気体が連通しない
ように壁等の遮断手段で遮断されている。また、該液貯
留槽には、洗浄室の内側および外側にそれぞれ被洗浄物
の通過のために開口部が設けられている。そして、被洗
浄物は液貯留槽の開口部を経由して液中を通過すること
によって洗浄室に搬送される。したがって、本発明にお
ける液貯留槽は、被洗浄物の洗浄室への搬送の出入口に
なっているが、その中に貯留された液によって洗浄槽の
内部と外部の気体の連通が防止される液シール構造とな
っている。
【0011】本発明における液貯留槽は、上記の機能を
有するものであれば何等制限なく採用することができ
る。特に本発明において好適に使用できる液貯留槽を具
体的に示せば次のようなものを挙げることができる。例
えば、図1に示されるように、洗浄室の外側および内側
の壁に被洗浄物102の通過のための開口部103およ
び103′が設けられた液貯留槽101を例示すること
ができる。被洗浄物が洗浄室内に搬入されるときは、被
洗浄物102は、液貯留槽に設けられた洗浄室外側の開
口部103、液貯留槽内の液104、および液貯留槽の
洗浄室内側の開口部103′を順に通過して搬入され
る。また、被洗浄物が洗浄室外に搬出されるときは、被
洗浄物は、液貯留槽に設けられた洗浄室内側の開口部、
液貯留槽内の液、および液貯留槽の洗浄室外側の開口部
を順に通過して搬出される。
【0012】液貯留槽に設けられた開口部103および
103′は、上記のように被洗浄物が通過するためのも
のであるから、その形状および大きさは被洗浄物の種類
によって決定すればよい。例えば、被洗浄物が帯材の場
合には該開口部の形状はスリットであればよく、被洗浄
物が線材の場合には該開口部の形状はスリットであって
もよいが、線材の通過可能な孔であってもよい。また、
該開口部の大きさは、被洗浄物の通過に支障がないほど
十分大きくなければならないが、余りに大きいと該開口
部からの液の漏洩が多すぎるために、液貯留槽の容量を
大きくするか、または漏洩量を上回る量の液を送液する
ためのポンプの能力を大きくしなければならず実際的で
はない。したがって、通常は、開口部の大きさは、被洗
浄物が通過している状態で被洗浄物の上下に10mm以
下、左右に50mm以下の間隙が生じる程度の大きさで
あることが好ましい。
【0013】液貯留槽101の下方には液受容器105
が設置されており、液貯留槽の開口部から流出する液の
受け皿となっている。そして、液受容器105に溜まる
液をポンプ106等の手段によって液貯留槽101に送
液し、このとき液貯留槽の開口部から流出する液量以上
の量を送液することにより、常に液貯留槽の液バランス
を保つことができる。流出する液量よりも多量の液が液
貯留部に送液されたときは、余分に送られた液はオーバ
ーフローさせ、液受容器105に回収すればよい。
【0014】洗浄室の出入口に設けられた液貯留槽で洗
浄室の内部と外部の気体を遮断するために、洗浄室の出
入口の遮断壁107の一端は被洗浄物の移動を邪魔しな
い程度に液貯留槽101の液中に浸漬させ、また、液貯
留槽101と液受容器105との間では液貯留槽の下部
に設けた遮断壁108の一端を液受容器の液中に浸漬し
た状態にしている。
【0015】液貯留槽の液の種類は、被洗浄物の洗浄に
影響のない溶媒であればどのような溶媒も使用できる。
本発明においては、通常、洗浄のための有機溶剤と同一
の種類を使用するのが良い。また、洗浄後に防錆剤塗布
を行う場合には、その防錆剤を添加した有機溶剤を洗浄
室出口側の液貯留槽の液として使用することもでき、使
用目的に応じて液の種類を選択すればよい。
【0016】本発明における液貯留槽の他の態様として
は、図2に示すように、上部に被洗浄物の通過のための
開口部109および109′が設けられてなる液貯留槽
を例示することができる。被洗浄物が洗浄室内に搬入さ
れるときは、被洗浄物は、液貯留槽に設けられた洗浄室
外側上部の開口部109、液貯留槽内の液104、およ
び液貯留槽に設けられた洗浄室内側上部の開口部10
9′を順に通過して搬入される。この液貯留槽において
も、洗浄室の出入口に設けられた液貯留槽で洗浄室の内
部と外部の気体を遮断する手段は、上記図1の液貯留槽
の場合と同様である。
【0017】さらに、図5に示したように洗浄用の有機
溶剤を貯留した洗浄槽と液貯留槽とを兼用することもで
きる。
【0018】液貯留槽からのオーバーフローする液や被
洗浄物の開口部から流出する液が被洗浄物に随伴するこ
とにより液の持ち出しが多くなることがある。このよう
な場合には、例えば、図4に示すように液貯留槽27内
を通過した被洗浄物を一対の絞りロール5間に通した
り、蒸気の吹き付けノズルあるいは冷エアーブロー28
による吹き付けを行うことにより、被洗浄物に随伴する
液を液貯留槽の下方に設けた液受容器中に回収すること
ができる。この方法は洗浄室入口の液貯留槽を通過した
被洗浄物に対しては特に必要ないが、洗浄室出口の液貯
留槽を通過した被洗浄物に随伴する液はロスに直接つな
がるために、そのような被洗浄物に対する液回収の方法
として効果的である。特に洗浄室出口側で該洗浄室の次
が特に熱風乾燥等の方法を採用した乾燥室である場合に
は、上記した絞りロールや冷エアブロー等による液切り
は非常に有効な方法である。この場合は、乾燥室の熱風
が直接に液貯留槽に当たったり、伝熱による液の蒸発ロ
スをさけるために、乾燥室との間に隔壁を設けることが
好ましい。
【0019】本発明においては、上記したように液貯留
槽によって洗浄室における被洗浄物の出入口が気密に保
たれているために、洗浄室内部と外部の気圧に差が生じ
ることがある。この場合、液貯留槽の構造によっては洗
浄室内側と外側の液面に差が生じたり、圧力の低い側に
液が流出したりする。これを防ぐために、一端が外気に
連通した配管を洗浄室に接続しておくことが好ましい。
該配管の洗浄室との接続位置は、有機溶剤蒸気が一般に
空気よりも重く、洗浄室下部からの有機溶剤蒸気の漏洩
を防止するため、洗浄室の上部であることが好ましい。
【0020】この配管は、上記したように洗浄室内外の
気圧を調整するという機能を有している他、洗浄室内の
雰囲気の置換をより速く行うことを可能にする。例え
ば、洗浄中は、洗浄室内の雰囲気は有機溶剤蒸気の飽和
状態、あるいはそれに近い状態となっていることが好ま
しい。したがって、有機溶剤蒸気の不飽和状態から飽和
状態にしていく段階で、洗浄室内の空気または可燃性溶
剤を使用するときには窒素ガス等の非凝縮性ガスを洗浄
室内より追い出す必要がある。それには、洗浄室に接続
された配管から抜き出すのが効率的である。さらには洗
浄室上部に配管を接続する場合には、洗浄室の天井を傾
斜させてその最頂部に配管を設ける方法が最適である。
これらの配管の口径は特には制限を受けないが、通常、
1〜5インチであれば十分にその目的を達する。
【0021】さらに、図5に示したように上記配管をバ
ッファ室29を介して接続することが、洗浄室内の有機
溶剤蒸気の漏洩を防止するために好ましい。バッファ室
の大きさは特に制限されないが、洗浄室の容積の0.5
倍以上であることがバッファ機能を十分にもたせること
ができるために好ましい。バッファ室の内部構造は特に
制限を受けないが、入口および出口の間を複数に区画し
た構造で、各区画室内は口径の小さい管または穴で連結
されたものがより好ましい。こうすることによりバッフ
ァ室内の気体の移動を妨げ、洗浄室内への外気の流入や
洗浄室外への有機溶剤の漏洩を効果的に防止することが
できる。また、バッファ室は洗浄室よりも高い位置に設
けることが好ましい。
【0022】また、窒素ガスにて置換した後の運転中の
洗浄室内の可燃性の危険性回避の状態を確実に継続する
方法として、洗浄室上部より大気へ最終的に通じている
配管に少量の窒素ガスを連続的に少量流して、実質的に
窒素シールした状態で運転することは、さらに好適な方
法である。
【0023】有機溶剤として可燃性の炭化水素、石油系
等を使用するときには、空気の混入により洗浄室内の雰
囲気が爆発限界内に入るおそれがあるために、着火源に
対する対策として発生する静電気を除電する方法、ある
いは酸素濃度を低下させる方法として窒素蒸気等の不燃
性蒸気で希釈する方法等の対策を講じなければならなか
った。しかし、上記したバッファ室を設けることによ
り、洗浄室内と外気との気圧を同じに保ちながら、気体
の移動をほぼ完全に防止することができる。したがっ
て、洗浄室内への空気の混入を防ぐことができる。この
ために、可燃性の有機溶媒を使用した場合にも安全に洗
浄することができる。
【0024】本発明に用いられる洗浄方法、洗浄補助手
段としては、該溶剤液中に被洗浄物を浸漬する方法、そ
の中で超音波、揺動、回転等の補助手段を併設する方
法、溶剤の蒸気相中を通過させる方法、あるいは、スプ
レー式、シャワー式で被洗物を洗う方法、それに合わせ
てブラシ等の機械的補助手段を併用する方法等が用いら
れる。特に、後述するが、スプレー式またはシャワー式
でブラシ回転を併用する洗浄方法では、溶剤ロスを低減
させることについて非常に大きい効果が得られる。
【0025】以下、図4に基づいて本発明の洗浄装置を
具体的に説明する。図4の洗浄装置は洗浄室2および乾
燥室6よりなる。洗浄室2の出入口にはそれぞれ液貯留
槽27が設けられており、洗浄室の内部と外部の気体が
遮断されている。液貯留槽27の洗浄室外側および内側
の壁には被洗浄物の通過のための開口部が設けられてい
る。液貯留槽27の下方には液受容器30が設置されて
おり、液受容器30に溜まる液はさらにその下方に設け
られた第二の液受容器1にオーバーフローし、ポンプ1
2によって液貯留槽27に送液されると同時に、シャワ
ーノズル4にも供給される。洗浄室出口の液貯留槽27
も上記と同様である。
【0026】洗浄室にはバルブ16またはバルブ17を
開とすることによって一端が外気に解放される配管が接
続されており、洗浄室内外の気圧のバランスをとると共
に、運転開始時の洗浄室内空気を抜き出し、有機溶剤蒸
気との置換を迅速に行うことが可能である。
【0027】液貯留槽27を通過して洗浄室内に搬入さ
れた被洗浄物は、シャワーノズル4から有機溶剤を吹き
付けられ、さらに回転ブラシ3で洗浄された後、絞りロ
ール5を通過し、洗浄室出口の液貯留槽27内を通過し
て洗浄室外へ搬出される。そこで絞りロール5を通過し
て冷エアブロー28により液切りされた後、乾燥室6で
乾燥され、洗浄装置から搬出される。
【0028】
【発明の効果】本発明の洗浄装置によれば、洗浄室内で
シャワー、スプレー洗浄及び回転ブラシ併用の方法を行
った場合にも有機溶剤蒸気の外部への漏洩を少なくする
ことができる。したがって、作業環境や人体に与える影
響を低減し、且つ有機溶剤のロスを低減することができ
る。また、有機溶剤蒸気の漏洩が少ないことから有機溶
剤回収のための装置をコンパクトにすることができる。
さらに、有機溶剤が可燃性であるときには、洗浄装置内
への空気の流入を防止することができるために爆発火災
の危険性を回避することができる。
【0029】
【実施例】以下に本発明を具体的に示すために実施例お
よび比較例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0030】実施例1 厚さ:0.1mm、幅:300mmのステンレススチー
ルの連続金属帯板を、図4に示されるような洗浄装置で
浸漬及びスプレー及びブラシによる洗浄を行った。洗浄
溶剤として塩化メチレンを用いた。テスト条件は、ライ
ンスピード:約50m/min、スプレー量:約1.5
l/min・ケ(全スプレー量:約9l/min)、ブ
ラシ回転数:約900rpmで、乾燥は90℃の熱風を
再循環一部抜き出し方式にて行った。
【0031】液貯留槽27にはポンプ12から塩化メチ
レンを供給して、洗浄室内側とその外側を、蒸気の出入
りが実質上無いようにした。液貯留槽の開口部の大きさ
は3mm×340mmであった。洗浄装置より漏れ出る
塩化メチレン蒸気は、洗浄装置の入口および出口付近か
らバルブ14および15を経由して排ガス吸引ポンプ1
1で吸引され、空気で希釈されながら溶剤蒸気回収装置
(活性炭吸着装置)10に送られる。この配管系列内に
設けられたバルブ22および25から蒸気をサンプリン
グし、各バルブにおける蒸気流速および蒸気濃度を測定
し、この両ラインからの塩化メチレン蒸気のロス量を計
算した。バルブ16、24および26は閉にし、バルブ
17を開にして洗浄室内と外気とを連通させた。
【0032】バルブ22および25からサンプリングさ
れた蒸気濃度は運転開始と同時に徐々に低下し始め、約
10分後に平衡になった。この時点での塩化メチレンロ
ス量を次に示した。併せて、運転休止中のデータも示し
た。
【0033】
【表1】
【0034】尚、この運転立上げ時から、約10分後に
排出蒸気濃度が平衡になるまでの塩化メチレンロス量
は、バルブ22およびバルブ25でそれぞれ約1Kgお
よび約4Kgであった。尚、排出蒸気濃度が平衡になっ
た後、バルブ24より洗浄室上部の蒸気中の酸素濃度を
測定したところ、約11%であった。
【0035】比較例1 実施例1において、洗浄室出入口の液貯留槽を取り除
き、これに代えて洗浄室の入口にシールロールを設けた
こと以外は、実施例1と同様にして金属帯材の洗浄を行
った。配管バルブ22,25における塩化メチレン蒸気
ロス量を計算したところ、次のとおりであった。
【0036】
【表2】
【0037】実施例2 実施例1において、バルブ17を閉め、バルブ16を開
けて洗浄室内と外気とを連通させたこと以外は実施例1
と同様にして洗浄した。洗浄室内の塩化メチレン蒸気濃
度は約5分後に平衡となり、平衡後の塩化メチレンロス
量は次のようであった。また、運転立上げ時から、約5
分後に塩化メチレン蒸気濃度が平衡になるまでの塩化メ
チレンロス量は、バルブ22およびバルブ25でそれぞ
れ約1Kgおよび約3Kgであった。
【0038】
【表3】
【0039】実施例3 実施例2と同じ洗浄装置を用いて、さらに洗浄室の上部
に洗浄室の約2倍容積を持ったバッファ室を設置し、洗
浄室とバッファ室間は3インチの配管で接続し、さらに
バッファ室の上部より大気に通じる配管を接続した。
【0040】洗浄テスト条件は実施例2と同じである
が、最初の運転開始して排ガス濃度が平衡になった後、
その後に運転停止−再運転という繰り返しを約30分毎
に行い、5回の繰り返しを行ったが、その間の塩化メチ
レン蒸気濃度は運転立上時、運転中、停止中も殆ど変わ
らず、それから計算される塩化メチレンロス量は、約1
Kg/Hrと非常に少ない状態であった。
【0041】実施例4 実施例1で使用したものと同じ洗浄装置を使用し、有機
溶剤をデカン及びドデカンを主成分とする炭化水素系溶
剤として、厚さ:0.1mm、幅:300mmのステン
レススチールの連続金属帯板の洗浄を行った。連続金属
帯材のラインスピード:約60m/分、スプレー量:約
2l/min・ケ(合計スプレー量:36l/mi
n)、ブラシ回転数約700rpm、乾燥は約80℃の
空気を送風する一過式で行った。予めバルブ26から窒
素ガスを供給し、洗浄室内の酸素濃度が約1%になるよ
うに空気を置換した。洗浄室から漏れ出る溶剤蒸気はバ
ルブ14、15を通じて、排ガス吸引ポンプ11にて除
外設備へ導入した。バルブ17を閉じ、バルブ16を開
にして外気と連通させた。バルブ22および25からサ
ンプリングされた溶剤蒸気から溶剤ロス量を求めた結
果、バルブ22および25の合計量で約0.5Kg/H
rであった。有機溶剤がデカン及びドデカンを主成分と
する炭化水素溶剤の場合、その漏洩量は塩化メチレンに
比して非常に少ない量であった。
【0042】また、洗浄室内上部の蒸気をサンプリング
して酸素濃度を測定したところ約1%で、溶剤蒸気濃度
は変動しているが約0.5〜1%であり、燃焼範囲(通
常の空気希釈で約0.8〜3%洗浄溶剤濃度で燃焼範囲
となる)から外れて、可燃性の危険性が回避されている
ことが判った。
【0043】比較例2 実施例4と同じ洗浄装置で、液貯留槽内にデカン及びド
デカンを主成分とする炭化水素系溶剤を送液せずに実施
例4と同様の被洗浄物を同様の条件で洗浄した。洗浄前
にバルブ24から窒素ガスを供給したが、洗浄室内への
空気の流入のために酸素濃度を約15%以下にすること
はできなかった。バルブ26より少量の窒素ガスを流し
ながら洗浄を行った。溶剤ロス量を求めた結果、次のと
おりであった。
【0044】また、洗浄室内上部の蒸気をサンプリング
して酸素濃度を測定したところ、約19%で殆ど空気と
同等であり、また、溶剤蒸気濃度は約0.5〜1%であ
った。
【0045】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の洗浄装置で使用される液貯留
槽の概略図である。
【図2】図2は、本発明の洗浄装置で使用される液貯留
槽の他の態様を示す概略図である。
【図3】図3は、従来の洗浄装置の概略図である。
【図4】図4は、本発明の洗浄装置の概略図である。
【図5】図5は、本発明の洗浄装置の他の態様を示す概
略図である。
【符号の説明】
1 有機溶剤槽 2 洗浄室 3 洗浄用回転ブラシ 4 洗浄用シャワーノズル 5 絞りロール 6 乾燥室 7 蒸留装置 8 蒸留溶剤タンク 9 熱風発生装置 10 溶剤蒸気回収装置 11 排ガス吸引ポンプ 12 洗浄液供給ポンプ 13 シールロール 14,15および16 排ガス配管のバルブ 17 洗浄室と外気とを連通する配管のバルブ 18,19,20および21 金属帯材等の洗浄室の貫
通場所 22,23,25 蒸気サンプリング口 24 蒸気サンプリング口兼N2蒸気供給口のバルブ 26 N2蒸気供給口バルブ 27 液貯留槽 28 冷エアブローまたはN2ブロー 29 バッファ室 30 液受容器 101 液貯留槽 102 被洗浄物 103および103′ 被洗浄物通過用開口部 104 液貯留槽の液 105 液受容器 106 ポンプ 107および108 遮断壁 109および109′ 被洗浄物通過用開口部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被洗浄物を連続的に有機溶剤で洗浄する洗
    浄室を有し、該洗浄室の被洗浄物の出入口には液貯留槽
    が設けられて洗浄室の内部と外部の気体が遮断されてな
    り、該液貯留槽の洗浄室内側および外側にはそれぞれ被
    洗浄物の通過のために開口部が設けられており、被洗浄
    物は該開口部を経由して液貯留槽内の液中を通過するこ
    とによって洗浄室に搬送されることを特徴とする連続洗
    浄装置。
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