JPH076247Y2 - バルコニ取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は例えばプレハブ造りの家屋等に取付けられる
バルコニに関する。

「従来の技術」 従来より第４図に示すように家屋の特に２階部分にバル
コニ１を取付ける例が見られる。このバルコニ１は家屋
を貫通する梁２が家屋の外壁から外方に突出され、この
梁２の突出部分に床３が張られ、格子４、間柱５が植設
され、これら格子４及び間柱５の上端に笠木６が取付け
られて構成される。

「考案が解決しようとする課題」 従来、梁２の突出量はバルコニ１の奥行寸法Ｄの寸法と
等しく選定され、バルコニ１の全体を梁２によって支持
する構造となっている。

このように梁２を家屋の外壁からバルコニ１の奥行寸法
Ｄだけ突出させるためには梁２の全長が長くなり運送に
支障を来す欠点がある。

また家屋の建築中に梁２が大きく突出することから作業
の邪魔になる欠点もある。

「課題を解決するための手段」 この考案では、 枠上に床材が取付けられ、その枠の上側縁に沿って手摺
ユニットが取付けられたバルコニを建物に取付ける構造
において、 枠はコ字状部材からなり、枠内には建物への取付け側の
辺から直角方向に延長した複数のコ字状部材がほゞ等間
隔で取付けられ、これらコ字状部材によっても床材を支
え、枠の取付け側の辺には直角方向に延長した各コ字状
部材端面と対向して、それぞれスリットが形成され、上
記建物の複数の梁がそれぞれ一体に突出され、これら突
出端面がスリットをそれぞれ通じて枠内に挿入され、こ
れら突出端部はその枠内で直角方向に延長したコ字状部
材の側面にそれぞれボルトで締め付けられる構造とす
る。

この考案の取付構造によれば家屋の外壁にバルコニの奥
行寸法より短い寸法の複数の梁を突出させ、これら突出
端面が取付け枠のスリットをそれぞれ通じて枠内に挿入
され、これらの突出端部はその枠内で直角方向に延長し
たコ字状部材の側面にそれぞボルトで締め付けられる。
従って枠材を梁に直接ボルトで取付固定するため取付け
ボルトの数が少なくなり、取付作業が容易となり、作業
能率が向上する。

更に家屋の建築中に梁の端部が僅かに突出するだけであ
り、その突出量が小さいから建築作業の邪魔になること
はない。

「実施例」 第１図にこの考案の一実施例を示す。この考案では第１
図に示すように梁２の一端を家屋の外壁からバルコニ１
の奥行寸法Ｄより小さい寸法Ｅで突出させ、この突出し
た部分を枠７の取付部2Aとして利用する。枠取付部2Aの
突出量Ｅはバルコニ１の奥行寸法Ｄの約1/4〜1/5程度に
選定すればよい。

枠取付部2Aにはボルト孔がこの例では４個形成され、こ
のボルト孔を使ってスリットを形成した枠に対して直角
方向に延長したコ字状部材7Aの側面を取付ける。

枠７は第２図に示すように背の低いコ字状部材7Aによっ
て床材８を受ける床受面を形成し、この床受面の外周を
背の高いコ字状部材7Bで取囲む。但し枠７の相互を結合
する部分には背の高い部材7Bは取付けない。

背の高い部材7Bの外周面には耐火パネル10を積層し、外
部からの炎に対して枠７を保護する構造としている。耐
火パネル10の外側には化粧パネル11が取付けられる。

枠７の家屋の外壁に接する部分の枠部材には第２図に示
すようにスリット7Cが形成され、このスリット7Cを通じ
て梁の枠取付部2Aが挿入され、各部材7Aの側面にボルト
締めされる。

背の高い部材7Bの平面部にはポール12が設けられる。こ
のポール12には第３図に示すように手摺ユニット９を支
持する間柱５の中空部に挿入され間柱５を枠７の上部に
植設する。

間柱５の上端には第３図に示すように笠木台6Aがビス止
めされ、下端側には下桟13が溶接付けされている。笠木
台6Aと下桟13との間に格子４がビスによって取付けられ
る。これら格子４と、間柱５、笠木６、笠木台6A、下桟
13によって手摺ユニット９が構成される。

尚第３図の例では枠７の下面に軒天として耐火パネル14
を張付けた場合を示す。

「考案の効果」 以上説明したようにこの考案によればバルコニ１を構成
する枠７のスリットに梁の建物の壁面より僅かに突出し
た取付部2Aを通し、その枠内で直角方向に延長したコ字
状部材の側面に取付部をボルトで締め付けて家屋の外壁
面に支持する構造としたから、枠取付部2Aを家屋の外壁
から大きく突出させなくて済む。よって梁の全長を短く
することができるため運送が容易になる利点が得られ
る。

また取付部の梁が家屋の外壁から大きく突出しないため
建築中に作業の邪魔になることがない。

更に枠内のコ字状部材の側面を梁に直接ボルトで取付固
定する構造のため取付部品点数が少なく、かつボルトの
数も少なく、取付作業が容易となり、作業能率が向上す
る。

また第３図に示した例のように枠７の外周面と下面に耐
火パネル10と14を取付けた構造とする場合には、火災が
発生しても枠７が炎から保護され、バルコニ全体が熔け
落ちるような事故が防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を説明するための側面図、第
２図はこの考案のバルコニに使用する枠の構造を説明す
るための斜視図、第３図はこの考案の具体的な実施例を
示す断面図、第４図は従来の技術を説明するための側面
図である。 1:バルコニ、2:梁、2A:枠取付部、3:床材、4:格子、5:
間柱、6:笠木、7:枠、9:手摺ユニット、10,14:耐火パネ
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】枠上に床材が取付けられ、かつ上記枠の上
   側縁に沿って手摺ユニットが取付けられたバルコニを建
   物に取付ける構造において、 上記枠はコ字状部材からなり、 上記枠内には上記建物への取付け側の辺から直角方向に
   延長した複数のコ字状部材がほゞ等間隔で取付けられ、
   これらコ字状部材によっても上記床材を支え、 上記枠の上記取付け側の辺には、上記直角方向に延長し
   た各コ字状部材端面と対向してそれぞれスリットが形成
   され、 上記建物の複数の梁がそれぞれ一体に突出され、これら
   突出端面が上記スリットをそれぞれ通じて上記枠内に挿
   入され、これら突出端面はその枠内で上記直角方向に延
   長したコ字状部材の側面にそれぞれボルトで締め付けら
   れていることを特徴とするバルコニ取付構造。